JP5064949B2 - 電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真用トナーの製造方法に関し、特に、熱可塑性樹脂を主成分にし、低融点物質である離型剤を含有するトナー母体粒子表面に表面処理用の帯電制御剤を打ち込み、固定化する技術に関するものである。
従来より、複写機、プリンター等の画像形成装置において高画質が追求され、そのために画像形成用トナーは小粒化が進み、トナーに対し流動性の確保と、均一帯電の確保とが強く求められている。そのためにトナー母体粉体表面に各種外添剤を添加、混合して効率的に付着させる方法として各種方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、衝撃力を主とする機械的エネルギーで微粒子を芯材表面に付着させる方法、特許文献2には、微粉末を混合付着後、未付着物を除去する方法、特許文献3には、瞬間的表面加熱処理により強固に表面処理剤を付着する方法、特許文献4には、2段羽根を備える高速回転する球状ミキサーによって表面処理材をトナー母体粒子に均一に付着させる方法、すなわち、トナー母体粒子の表面に表面処理剤を強く付着させるには、積極的に樹脂表面を加熱することにより衝撃力を用いずに付着させる方法、処理温度を上昇させてトナー母体粒子表面を軟化させながら衝撃力を強める事で付着させる方法が従来提唱されていた。また、特許文献5には、帯電制御剤のトナー母体への固定化については記載が無いが、関連する技術であると思われる技術として、トナーの表面に強力な力を与えることで、トナーの表面改質を行う事例が示されている。
しかし、これらの処理では十分でなく、これらの処理の問題点を解決する方法として処理温度を上げずに、更に強い衝撃力により付着させる方法が新たに提案されている。たとえば、特許文献6には、攪拌部材を具有する流動攪拌型混合装置で樹脂粉体のガラス転移点から求められる処理温度範囲内で65〜120m/sの高速な周速度で混合し、帯電制御剤をトナー母体粒子表面に固定化する方法が提案されており、従来技術の問題点としては以下のように述べられている。すなわち、特に電荷制御を目的とした表面処理剤を用いる場合には、単にトナー母体粒子に付着させるだけでなく、トナー母体粒子表面に均一に表面処理剤の一部または全部を固定化させることが必要である。電荷制御機能を有する表面処理剤の固定化が不充分なトナーが存在すると均一な摩擦帯電が得られず、カブリと称する画像汚れの原因となること、また、低融点物質を含有しガラス転移点温度の低い結着樹脂で構成されるトナー母体粉子に、電荷制御を狙った表面処理を行なうためには、低融点物質が流出しないような低い温度で攪拌し、かつ、固定化するに充分な衝撃力や摩擦力を与える必要があり、これらが、処理剤とトナー母体粒子との間に充分な衝撃力を与えるような攪拌方法で、かつ樹脂粉体のガラス転移点から求められる処理温度範囲内で、両者を混合することが必要となる理由とされている。
以上のように、固定化の問題点や、固定化するための新たな方法については以前より提案がなされていたが、この方法を具現化するより良い装置形態についてはいまだ工夫の余地があった。
たとえば、特許文献6においては、球状壁を有する装置を用いて、攪拌部材による2種以上の粉体の混合を行なった場合、装置内における粉体の挙動は、先ず装置底部の攪拌部材と衝突することによって、大きな遠心力を受け、装置内壁面方向に打ち出され、次に攪拌部材の高速回転によって生み出された高速気流によって内壁面に沿って頂部まで達し、更に頂部から回転軸へ向かって下降する高速気流に乗って攪拌部材上まで運ばれ、再び打ち出されることになるとされ、さらにこの流動攪拌型混合装置内を高速気流によって流動する粉体は、装置の頂部から攪拌部材上に直下してくるため、回転方向に対して垂直な平面を有する羽根は衝撃力をすべて回転方向成分として粉体に転嫁できるとされ、固定化を進行させるエネルギーの付与手段として、攪拌部材と攪拌部材に落下してきた粉体との衝突を挙げている。しかしながら、粉体の挙動は、装置底部の攪拌部材と衝突することによって、大きな遠心力を受け、装置内壁面方向に打ち出されるのであるから、攪拌部材と装置内壁面との関係について大いに検討の余地があった。
一方、特許文献5に示された、周速についてはたとえば5〜200m/sの高速な周速度で強力な力を処理物に与え、粒子の混合、複合化や融合化、表面改質を行う装置においては、これらの処理を行うためには回転する攪拌部材と混合容器(ケーシング)とのクリアランス(隙間)を微小に保つことが望ましく、その理由としては粉体の逃げ場を減らすことで、より強い力を与えることであるとされている。
具体的には、適切な処理を行うためには、望ましくはケーシング、すなわち混合容器と、混合容器内の攪拌部材のクリアランスがケーシング内周部の径の、0.05〜7.5%、望ましくは0.75〜3%にすることが望ましいとされており、さらに具体的な値としては、攪拌部材と混合容器とのクリアランスが0.3〜50mmの範囲にあることが望ましいとされている。しかし、クリアランスがケーシング内周部の径の望ましくは0.75〜3%であることや、0.3〜50mmであるといった範囲が必要となる具体的な根拠は示されておらず、単に同種の装置の一般的な設定範囲を示しているに過ぎない。また、処理対象となる材料とクリアランスの関係についても記載が無く、実際に、このようなクリアランスの決定法に従った場合、必ずしも外添剤の固定化が適切に行えないという問題があった。
このように、粉体に粉体を固定化したり融合させたりする処理方法や装置については更なる改善の余地が有り、特にトナー母体粒子表面に表面処理用の帯電制御剤を打ち込み固定化する装置については更なる工夫が求められていた。
特開昭63−85756号公報 特開昭63−139366号公報 特開平10−10781号公報 特開平10−95855号公報 特開2005−270955号 特開2004−77593号公報
そこで、本発明の課題は、低融点物質である離型剤を含有するトナー母体粒子の少なくとも表面近傍に帯電制御剤粒子が均一に固定化され離脱しないような電子写真用トナーを安定して製造できる電子写真用トナーの製造方法を提供することを目的とする。
また本発明の課題は、電子写真用トナーを複写機に使用した際に、安定した帯電性を有し、感光体や現像ローラ等に対するフィルミング汚染が防止され、キャリアへのスペントが起こらない長期複写性等に優れた効果を発揮する電子写真用トナーを製造できる電子写真用トナーの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明に係る電子写真用トナーの製造方法は、具体的には下記(1)〜(16)の技術的特徴を備えている。
(1):帯電制御剤を、流動攪拌型混合装置によりトナー母体表面に固定する電子写真用トナーの製造方法であって、前記流動攪拌型混合装置は、回転軸と、複数の攪拌部材と、ケーシングと、を備え、該ケーシングは、前記回転軸から内壁までの垂直方向距離が一定である円形状壁面と、冷却ジャケットと、を有し、前記複数の攪拌部材は、異なる3以上の円軌道上を回転するように前記回転軸に設けられ、且つ、各々の円軌道の直径が90mm〜1000mmの範囲で、10〜150m/sの周速度で回転し、前記複数の攪拌部材のうちの少なくとも1と前記円形状壁面とのクリアランスC[mm]は、前記各々の円軌道のうち最大の円軌道の直径D[mm]に対して下記式(1)の範囲を満たし、
2.5≦D1/2/C<9.0 ・・・式(1)
前記トナー母体は、少なくとも結着樹脂と、着色剤と、離型剤とを含み、重量平均粒径D4が3μm〜9μmであり、前記トナー母体100重量部と前記帯電制御剤を0.3〜1.0重量部とを含む処理物を、下記式(2)を満たす範囲で攪拌して電子写真用トナーを製造することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法である。
Tg−50<T<Tg−15 ・・・式(2)
(但し、Tは攪拌時の流動攪拌型混合装置内雰囲気温度(℃)、Tgはトナー母体のガラス転移温度(℃)である。)
(2):前記回転軸は、冷却機構を有することを特徴とする上記(1)に記載の電子写真用トナーの製造方法である。
(3):前記複数の攪拌部材は、1以上の送り用攪拌部材と、1以上の戻し用攪拌部材とを有し、前記送り用攪拌部材は、前記回転軸の軸方向の1方向に前記処理物を送り、前記戻し用攪拌部材は、前記回転軸の軸方向の1方向とは反対方向に前記処理物を戻すことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の電子写真用トナーの製造方法である。
(4):前記複数の攪拌部材のうち、互いに隣接する2の攪拌部材が、前記回転軸の軸方向位置において重なり合い、前記回転軸の回転方向位置において離間して配置されていることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の電子写真用トナーの製造方法である。
(5):前記ケーシングは、前記回転軸と同一軸方向の円筒形状であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1に記載の電子写真用トナーの製造方法である。
(6):前記回転軸は、重力方向に対して垂直であることを特徴とする上記(5)に記載の電子写真用トナーの製造方法である。
(7):前記回転軸は、重力方向に対して平行であり、前記複数の攪拌部材は、前記処理物を前記ケーシング内壁に沿って螺旋状上向きに放出するように配置され、当該螺旋状上向きに放出された処理物は、前記ケーシングの底部に再供給された後、再び螺旋状上向きに放出されることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1に記載の電子写真用トナーの製造方法である。
(8):前記攪拌部材は、前記ケーシングの内径が最大である部位の65〜90%の範囲内の直径を有することを特徴とする上記(7)に記載の電子写真用トナーの製造方法である。
(9):前記ケーシングは、前記回転軸と同一軸方向の円錐形状であることを特徴とする上記(7)または(8)に記載の電子写真用トナーの製造方法である。
(10):当該クリアランスCを隔てて前記円形状壁面に対向して配置された前記攪拌部材は、当該円形状壁面に対向する面に凹部を有し、前記凹部と当該円形状壁面とのクリアランスSは、下記式(3)の範囲を満たすことを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれか1に記載の電子写真用トナーの製造方法である。
(D1/2)/S<2 ・・・式(3)
(11):前記処理物は、さらに比表面積径が5〜300nmの無機微粒子を含むことを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれか1に記載の電子写真用トナーの製造方法である。
(12):前記処理物の攪拌の前に、比表面積径が5〜300nmの無機微粒子を、前記トナー母体と共に攪拌して該トナー母体表面に付着せしめる工程をさらに備えることを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれか1に記載の電子写真用トナーの製造方法である。
(13):前記帯電制御剤の一次粒子径が、5nm〜1000nmであることを特徴とする上記(1)〜(12)のいずれか1に記載の電子写真用トナーの製造方法である。
(14):前記トナー母体は、D4/Dnが1.25以下であることを特徴とする上記(1)〜(13)のいずれか1に記載の電子写真用トナーの製造方法である。
(但し、Dnは個数平均粒径である。)
(15):前記トナー母体は、結着樹脂100重量部に対して離型剤を3〜15重量部含有していることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1に記載の電子写真用トナーの製造方法である。
(16):前記トナー母体は、ガラス転移温度が40〜65℃であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1に記載の電子写真用トナーの製造方法である。
本発明によれば、低融点物質である離型剤を含有するトナー母体粒子の少なくとも表面近傍に帯電制御剤粒子が均一に固定化し離脱しないような電子写真用トナーを安定して製造できる電子写真用トナーの製造方法を提供することができる。
また本発明によれば、トナーを複写機に使用した際に、安定した帯電性を有し、感光体や現像ローラ等に対するフィルミング汚染が防止され、キャリアへのスペントが起こらない長期複写性等に優れた効果を発揮するトナーを製造できる電子写真用トナーの製造方法を提供することができる。
本発明に係る電子写真用トナーの製造方法は、帯電制御剤を、流動攪拌型混合装置によりトナー母体表面に固定する電子写真用トナーの製造方法であって、前記流動攪拌型混合装置は、回転軸と、複数の攪拌部材と、ケーシングと、を備え、該ケーシングは、前記回転軸から内壁までの垂直方向距離が一定である円形状壁面と、冷却ジャケットと、を有し、前記複数の攪拌部材は、異なる3以上の円軌道上を回転するように前記回転軸に設けられ、且つ、各々の円軌道の直径が90mm〜1000mmの範囲で、10〜150m/sの周速度で回転し、前記複数の攪拌部材のうちの少なくとも1と前記円形状壁面とのクリアランスC[mm]は、前記各々の円軌道のうち最大の円軌道の直径D[mm]に対して下記式(1)の範囲を満たし、
2.5≦D1/2/C<9.0 ・・・式(1)
前記トナー母体は、少なくとも結着樹脂と、着色剤と、離型剤とを含み、重量平均粒径D4が3μm〜9μmであり、前記トナー母体100重量部と前記帯電制御剤を0.3〜1.0重量部とを含む処理物を、下記式(2)を満たす範囲で攪拌して電子写真用トナーを製造することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法である。
Tg−50<T<Tg−15 ・・・式(2)
(但し、Tは攪拌時の流動攪拌型混合装置内雰囲気温度(℃)、Tgはトナー母体のガラス転移温度(℃)である。)
また上記式(2)において、攪拌時の流動攪拌型混合装置内雰囲気温度T(℃)は、好ましくはTg−45<T<Tg−20である。
まず、本発明に係る電子写真用トナーの製造方法を好適に実施することができる流動攪拌型混合装置について、図面を用いて以下に説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は本発明に係る電子写真用トナーの製造方法を好適に実施することができる流動攪拌型混合装置における第1の実施の形態の構成を示す概略図である。
また図2は、図1に示す流動攪拌型混合装置における攪拌部材とクリアランス部の具体的な配置関係を示す概略図であって、図1に示される流動攪拌型混合装置における回転軸垂直方向断面図である。
さらに図3は、図1に示す流動攪拌型混合装置における攪拌部材の形状の一様態を示す概略図である。
図1には、重力方向に対して垂直に設けられた回転軸と、該回転軸の外周部に設けられ異なる円軌道に位置する複数の攪拌部材と、前記攪拌部材に対して微小間隙を隔てて位置する内周部を有した水平に設置された円筒状ケーシングとを備え、前記回転軸の回転に伴い移動する前記攪拌部材によってケーシング内の処理物を攪拌処理する流動攪拌型混合装置が示されている。
具体的に本実施の形態の流動攪拌型混合装置は、ジャケット4に包まれた円筒形のケーシング1の中心部に、複数の攪拌部材3を外周部に設けた回転軸2を備えている。ケーシング1の内壁9は、攪拌部材3に対し上記式(1)の関係を満たすクリアランス8を隔てて位置する内周部を有し、回転軸2の回転に伴い移動する攪拌部材3によってケーシング1内のトナー母体と帯電制御剤とを含有する処理物を攪拌処理するよう構成している。回転軸2は軸受部7によって片側で支持され、モーター等で構成される不図示の駆動部と連結している。原料投入口5はケーシング1の例えば軸受部7側端部における上部に、製品排出口6は原料投入口5に対し例えば反対の端部にあたるケーシング1の軸受部7反対側端部における下部に設けられている。
上記回転軸2は軸方向の一端側(図1で左側)のみで支持され、上記ケーシング1は回転軸2の軸方向の一端側(図1で左側)でのみ開口し他端側(図1で右側)で閉塞した有底筒状に形成されている。また、ケーシング1は、攪拌部材3との間の空間を覆う作動位置(図1の位置)と攪拌部材3との間の空間を覆わない非作動位置(図示せず)とに回転軸2の軸方向に沿って移動可能に構成されている。
ケーシング1は、たとえばガイド棒112およびボス113によって支持され、回転軸2の軸方向に沿って移動可能とされる。また、ケーシング1には、ケーシング内での温度上昇にともなう空気の膨張に伴う圧力を開放したり、回転軸2の軸シール部(図示せず)のシールエアを逃がしたりするために、排気管115を備えるのと好ましい。また、排気管には、粉塵飛散を防備するために、フィルタ116を備えることが好ましい。
ここで、攪拌部材3について更に詳細を示す。攪拌部材3は、3以上の異なる円軌道上に設置され、例えば、送り用攪拌部材3a、戻し用攪拌部材3b、水平攪拌部材(不図示;回転軸2の軸方向に水平な攪拌部材)の組み合わせで設置される構造や、3以上の円軌道上それぞれに水平攪拌部材のみが設置される構造が挙げられる。ここで、送り用攪拌部材3aの「送り」とは例えば図1における右方向に粉体を移動させる機能を有する攪拌部材の機能を示し、戻し用攪拌部材3bの「戻し」とは、逆に図1における左方向に粉体を移動させるような機能を有するものを示す。送りや戻しの攪拌羽を使用する場合には、必ず1の送りの攪拌羽につき、戻しの攪拌羽をいずれかの場所に設置する。好ましくは、送りと戻しは回転軸2上に対称の中心を有するように点対称で設置される。また、戻しと送りの攪拌羽は、1の円軌道上に同数を混在させるのが好ましい。更には、水平攪拌部材を混在させるのも良い。
送り及び戻し用攪拌羽を利用することで、ケーシング内部の混合槽において、粉体の流動を活発にすることができ、たとえばクリアランス部における凝集や融着を防止することができる。もちろん、水平攪拌部材のみで、十分に粉体の流れが活発である場合には、送りや戻し用攪拌部材を用いなくても良い。
本実施の形態の流動攪拌型混合装置の回転軸2を軸方向と直交する位置から見た場合、例えば攪拌部材3b(2)は、回転軸2の軸方向と平行な方向における端部位置が、隣接する他の攪拌部材3a(1),3a(3)の端部位置よりも当該他の攪拌部材3a(1),3a(3)の内側に位置している。言い換えれば、攪拌部材3b(2)の端部から垂直方向に延長線L1,L3を引くと、隣接する攪拌部材3a(1),3a(3)の一部に重なる位置関係にある。他の攪拌部材3a(1),3a(3),3b(4),3a(5),3b(6)についても同様の位置関係にある。攪拌部材3a,3bがこのような位置関係にあると、粉体が攪拌部材3a,3bの端部から隣接する他の攪拌部材3a,3bの内側へ深く入り、その結果、攪拌部材の力を強く粉体に伝えることができる。
本実施の形態は、攪拌部材を保持する回転の中心軸(回転軸)が、円形断面の混合槽の円形断面の中心軸と同一軸上に存在し、異なる3以上の円軌道に位置する複数の攪拌部材を有する回転体を具備してなり、攪拌部材と装置内壁のクリアランスを攪拌部材の径とが一定の関係を有する流動攪拌型混合装置内で、少なくとも樹脂、着色剤および離型剤を含有するトナー母体と帯電制御剤とを、樹脂のガラス転移温度との関係で特定された攪拌処理温度(流動攪拌型混合装置内雰囲気温度)および特定の攪拌速度で、帯電制御剤を均一状態に付着(打ち込み)させることを特徴とする流動攪拌型混合装置である。
上記のような混合槽内で、トナー粉体と帯電制御材を適切に分散させるためには、攪拌部材の円軌道が少なくとも3必要である。円軌道が2以下であると、装置内で処理物の偏りが生じ、電子写真用トナーの製造方法に必要な分散の均一性が得られず、装置内で局所的に圧縮せん断力が加わり、また分散が十分に進行しないために、良質なトナーが得られない。
攪拌混合により、体積平均粒径D4=3〜9μmの樹脂粉体に効率良く帯電制御剤を固定化するためには、前記攪拌部材の各々の円軌道が90mm〜1000mmの範囲であり、複数の攪拌部材のうちの少なくとも1と流動攪拌型混合装置の内壁とのクリアランスC[mm]、前記攪拌部材の最大直径D[mm]の関係が、D1/2/Cが2.5以上9.0未満であることが必要である。
攪拌部材の形状は、板状や、溝形状、あぶみ状やフィン状その他のパドル状等、特に制約は無く、また混合装置の形状としても、球形、円筒形、円錐形など、断面が円形であればその他の制約は無い。攪拌部材は、10〜150m/sの周速度で回転されることが好ましく、10〜120m/sの周速度で回転されることがより好ましい。
すなわち、適切な攪拌部材および混合槽の直径と、適切な回転周速度、適切なクリアランスにより、適切な遠心力や、攪拌に伴う粒子群の加速や衝突による衝撃力を適切に制御できる流動攪拌型混合装置が提供され、良質なトナーが製造できる。
これは、攪拌部材を有する回転体を具備する流動攪拌型混合装置による、トナー母体粒子への帯電制御剤の固定化が、攪拌部材とトナー母体粒子の衝突力並びに攪拌部材と攪拌容器内壁とのクリアランス部においてトナー母体粒子群へ加わる圧密とせん断力によって、帯電制御剤がトナー母体粒子表面に埋没もしくは展延するためであり、このような作用を得るためには、攪拌部材と攪拌容器内壁とのクリアランスが適切な範囲内でなければならないことを示している。
上記特許文献5に記載の発明によると、混合容器と、混合容器内の攪拌部材(すなわち攪拌部材)のクリアランスがケーシング内周部の径の、0.05〜7.5%、望ましくは0.75〜3%にすることが望ましいとされており、さらに具体的な値としては、攪拌部材と混合容器とのクリアランスが0.3〜50mmの範囲にあることが望ましいとされている。しかし、このようなクリアランスの決定法に従っても、帯電制御剤の固定化が適切に行えないという問題があった。これは、従来提案のクリアランスの設定範囲が、単に装置の一般的な設定可能範囲を示しているに過ぎず、少なくとも帯電制御剤の固定化において適切な範囲を示していなかったからである。
すなわち、従来提案のクリアランスの範囲によると、以下の欠点があった。クリアランスの設定範囲の具体的な値として0.3〜50mmが示されているが、一方ではケーシングの内周部の径に比例した値としてクリアランスが示されている。これは、そもそもクリアランスは、ケーシングの内周部の径(もしくは攪拌部材の径)の大小に左右される値であることを示唆しており、径の値と無関係に決定されないことを示している。
たとえば円筒型混合装置において、ケーシング内周部の径Dが1500mmの装置と、径Dが500mmの装置では最適なクリアランスの設定値は当然異なると考えられる。それゆえ従来提唱のクリアランスの範囲である0.3〜50mmは、単に装置の設計者が想定した装置スケールの範囲内での常識的な範囲を規定したものに過ぎないと言える。
具体的な例を示すと、従来提唱の範囲によると円筒型混合装置においてケーシング内周部の径Dが1000mmの装置を用いた場合、適切なクリアランスは0.50〜75mm(Dの0.05〜7.5%)、望ましくは7.5〜30mm(Dの0.75〜3.0%)であり、また、ケーシング内周部の径Dが300mmの装置を用いた場合、適切なクリアランスは0.15〜22.5(Dの0.05〜7.5%)、望ましくは2.25〜9mm(Dの0.75〜3.0%)と決定される。しかし、具体的な値として与えられた0.3〜50mmを考慮すると、ケーシング内径が小さくなると(たとえば内径300mmの場合は)クリアランスはケーシング内径に対してより大きな比率での設定が必要であり、ケーシング内径が大きくなると(たとえば1000mmの場合は)クリアランスはケーシング内径に対してより小さな比率で設定する必要があることになる。またこれらの中間スケールでは、クリアランスは大きくても小さくてもよいことになる。これらは合理性にかけるものであり、また矛盾する。
一方、本発明において提案したトナー母体に対して帯電制御剤を適切に固定化する方法を実施するために必要なクリアランスは、攪拌部材の最大直径Dが1000mmの装置(たとえば円筒型混合装置であればケーシング内径約1000mmの装置に相当)を用いた場合、適切なクリアランスは3.52〜12.6mmであり、また、攪拌部材の最大直径Dが300mmの装置を用いた場合、適切なクリアランスは1.9〜6.9mmとなり、攪拌部材の最大直径(ケーシングの内径)が大きくなるとクリアランスも大きくなるし、直径が小さくなるとクリアランスも小さくなる。また、これらのクリアランス設定値は、トナー母体への帯電制御材の固定化に適した範囲で、当然従来提案されていた範囲に対してより狭い範囲を示すことになる。
さらに本発明においては、上述のとおり、適切な攪拌部材の円軌道の直径が定められる。直径を適切な範囲とすることで、回転に伴う遠心力と、クリアランス部における圧縮・せん断効果を適切な状態に保つことが出来る。混合装置内での分散流動化には、本発明のような電子写真用トナーの場合には攪拌部材の円軌道の直径が90mm以上必要であり、十分な圧縮せん断力をトナー粉体に与えるには攪拌部材の円軌道の直径が1000mm以下であることが必要である。より好ましくは、攪拌部材の円軌道の直径は120mm以上750mm以下である。
またさらに、本発明は装置外側にジャケット4を有する二重構造をとり、冷却媒体が流してあることを特徴とする。
高速で攪拌混合すると、粉体には衝撃力・摩擦力・圧縮せん断力など様々な力がかかり、これらのエネルギーは熱エネルギーとして放出されるため、粉体すなわちトナー粒子の温度が上昇する。粒子の温度が上昇し過ぎるとトナー母体粒子の一部が融解したり、離型剤が露出したりすることで、品質に悪影響を及ぼすことになる。
このような発熱を抑えるために、装置外側にジャケット4を有する二重構造をとり冷却用の熱媒体を流す必要がある。
また、本実施の形態では、攪拌部材を保持する回転の中心軸が、冷却機構を備えていることを特徴とする。通常回転軸は、モーターやベアリングなど、発熱する部位・機構につながっており、回転軸はそれらの発熱する部位・機構から伝熱により加熱される。その影響により、回転軸にトナーが融着したり、また、回転軸から混合槽内部へ伝熱や放射により熱が伝わることで、混合槽内部の温度が上昇し、トナーの融着やブロッキングを誘発したりことがある。回転軸が、冷却機構を備えることで、上記の融着などの不具合を抑止することができる。
さらに、本実施の形態では、ケーシング内部および攪拌部材の更に具体的な構造に関し、以下のような構成を有することが望ましい。
本実施の形態は、前記複数の攪拌部材が、1以上の送り用攪拌部材と、1以上の戻し用攪拌部材とを有し、前記送り用攪拌部材は、前記回転軸の軸方向の1方向に前記処理物を送り、前記戻し用攪拌部材は、前記回転軸の軸方向の1方向とは反対方向に前記処理物を戻すことを特徴とする。
このように攪拌部材に送りと戻しの機能を付加することで、ケーシング内における処理物の移動経路が複雑かつ長くなり、その結果、攪拌部材の力をさらに強く粉体に伝えることができる。
また、前記回転軸の軸方向の一端に位置する前記攪拌部材が、当該軸方向の一端から他端へ処理物を送る送り用攪拌部材に形成され、前記回転軸の軸方向の他端に位置する前記攪拌部材が、当該軸方向の他端から一端へ処理物を戻す戻し用攪拌部材に形成されている事が望ましい。
この構成より、攪拌部材の作用が及びにくい回転軸の両端部側への処理物の移動を抑制し、その結果、攪拌作用を受けないまま排出される処理物の発生を防止することができる。
またさらに、本実施の形態では、前記複数の攪拌部材のうち、互いに隣接する2の攪拌部材が、前記回転軸の軸方向位置において重なり合い、前記回転軸の回転方向位置において離間して配置されていることを特徴とする。
このような攪拌部材の位置関係を保つことにより、攪拌部材によって攪拌されたケーシング内の処理物が攪拌部材の端部から隣接する他の攪拌部材の内側へ深く入り、その結果、攪拌部材の力を強く粉体に伝えることができる。
本実施の形態では、ケーシングが前記回転軸と同一軸方向の円筒状であることを特徴とする。
このようにケーシングと回転軸、即ち攪拌部材との位置関係を保つことにより、ケーシング内のより多くの部位で混合・せん断が加えることが可能になるので、効率よく処理することができるとともに、冷却ジャケットによる冷却作用を効率よく粉体へ与えることができる。
本実施の形態では、更に以下の構成であることが好ましい。
好ましくは、回転軸と、該回転軸の外周部に配置された複数の攪拌部材と、該攪拌部材に対して微小間隙を隔てて位置する内周部を有したケーシングとを備え、前記回転軸の回転に伴い移動する前記攪拌部材によってケーシング内の処理物を攪拌処理する流動攪拌型混合装置であって、前記ケーシングの内周部の径が、前記回転軸の外周部の径の2倍以下とするのがよい。
このようにケーシングの内周部と回転軸の外周部の径の関係を規制すると、ケーシング内の処理物に力が作用する空間が限定され、その結果、攪拌部材の力を強く粉体に伝えることができる。
また、本実施の形態では、前記回転軸が重力方向に対して垂直であることを特徴とする。
このような混合槽と回転軸すなわち攪拌部材の位置関係を保つことにより、粉体への処理がより均一に行える。
なお、本発明における水平もしくは垂直とは、おおよそ水平もしくは垂直であれば良く、装置の機能面からの誤差として水平もしくは垂直から0〜5°程度のブレは許容される。但し、工業的には、回転軸や回転体の設計上の容易さから、ブレが小さい事が望ましい。
さらに、本実施の形態では、ケーシング内周部に対して微小間隙Cを隔てて位置する前記攪拌部材が、ケーシング内周に面する凹部を有し、凹部とケーシング内周とのクリアランスをS[mm]としたとき、(D1/2)/Sを2よりも小さくすることを特徴とする。
この構成をとることで、攪拌部材とケーシング内周部とのクリアランスにおけるせん断力の付与と分散が効果的に行える。
凹部を有する攪拌部材は、例えば図4に示すような構成が挙げられる。図4(a)は2箇所の凹部3cを設けた攪拌部材の回転方向における構成を示す概略図であり、図4(b)2箇所の凹部3cを設けた攪拌部材の回転軸垂直方向における構成を示す概略図である。
攪拌部材は、装置のスケールを大きくしたとき、大きな攪拌部材を採用するか、もしくは攪拌部材の数を増やす必要がある。しかし、攪拌部材の数を増やすことは部品点数が増えたり、攪拌部材の保持部位が増えたりするなどして経済的でない場合がある。
一方、適切な大きさを超える攪拌部材を採用すると、攪拌部材の移動による粉体層の分割作用が弱まったり、攪拌部材とケーシング内周部とのクリアランス部の粉体層に加えられるせん断力に伴う摩擦熱が局所に集中するために融着を招きやすかったりするなどの問題がある。また、攪拌羽の適切な大きさの上限は、粉体物性や混合機の運転条件の影響を大きく受けるため、見極めが難しい。
それゆえ、一つの攪拌部材について、攪拌部材のケーシング内周部に面する部位に、作用部と非作用部を持たせることで、実質的な攪拌部材を小さく分割すればよい。すなわち、攪拌部材のケーシング内周部に面する部位に、凹部を設ければよい。
凹部の比率は、攪拌部材がケーシング内周に面する部位の15〜50%が好ましく、より好ましくは20〜40%がよい。
そして、本実施の形態では、帯電制御剤と共に、5〜300nmの無機微粒子を混合することを特徴とする。5〜300nmの無機微粒子を帯電制御剤と共に混合することで、混合中のトナー母体及び帯電制御剤粒子群の流動性や分散性が向上するため、トナー粉体により均一に圧縮せん断力を与えることが出来、かつ圧縮せん断直後に円滑に粒子郡が分散するために冷却が速やかに進行する。その結果、融着や凝集を防ぐことができ、さらには良質な画質を得る事ができる。また本発明の電子写真用トナーの製造方法は、予めトナー母体と上記無機微粒子とを混合し、次いで帯電制御剤と混合する、2段階の混合工程を有しても良い。
無機微粒子としては、特に限定されないが、例えば、公知の樹脂粒子、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。
なお、電子写真用トナーとして、帯電制御剤を固定化して帯電能力を高め、さらに流動性を向上させたものにするためには、流動助剤を混合付着させる必要があることが知られているが、本構成におけるそれはこれらとは理由が異なるものであり、帯電制御材を固定化するために必要なものである。無機微粒子のトナー母体に対する添加量は、0.01〜2.0重量%であることが好ましい
(粒子径の測定方法)
ここで、本発明における粒子径の評価方法について示しておく。粒子径の評価は公知の評価方法であれば本発明に適用可能であるが、たとえばコールターカウンター法によって行うことが好ましい。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはポリオキシエチレンアルキルエーテル)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4とする)、個数平均粒径(Dnとする)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
本発明において、電子写真用トナー母体の重量平均粒径D4の個数平均径Dnの商であるD4/Dnが1.25以下であることが好ましい。D4/Dnが1.25以上であると、トナー母体の粒子径分布がブロードであるから、個々の粒子径前記混合装置のクリアランス部で加えられる各々のトナー母体粒子への圧縮せん断力にムラが出るため、粒子ごとに均質な帯電制御剤の固定化が出来ず、たとえばカブリを発生させるなど、品質に影響を及ぼすことになる。D4/Dnはより小さいほど均一な処理が可能であるが、実質的にはD4/Dnを1.1以下としても顕著な改善が認められなくなるため、経済的および生産的側面を考慮するとD4/Dnの値を極端に低下させる必要は無い。
(ガラス転移温度Tgの測定方法)
さらに、本発明におけるTgについて説明する。本発明におけるTgとはガラス転移点のことであり、具体的に次のような手順で(昇温条件1、降温条件1、昇温条件2の順の温度変化を経て)決定される。測定装置として島津製作所製TA−60WS、及びDSC−60を用い、次に示す測定条件で測定した。
〔測定条件〕
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50ml/min)
温度条件
(昇温条件1)
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
保持時間:なし
(降温条件1)
降温温度:10℃/min
終了温度:20℃
保持時間:なし
(昇温条件2)
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
測定した結果は前記島津製作所製データ解析ソフト(TA−60、バージョン1.52)を用いて解析を行った。解析方法は2度目の昇温のDSC微分曲線であるDrDSC曲線のもっとも低温側に最大ピークを示す点を中心として±5℃の範囲を指定し、解析ソフトのピーク解析機能を用いてピーク温度を求める。次にDSC曲線で前記ピーク温度+5℃、及び−5℃の範囲で解析ソフトのピーク解析機能をもちいてDSC曲線の最大吸熱温度を求める。ここで示された温度がガラス転移点Tgに相当する。
本発明の電子写真用トナーにおいて、トナー母体は、ガラス転移温度が40〜65℃であることが好ましい。また、近年の高速化を鑑みるとより低温であることがさらに好ましい。
(帯電制御剤)
本発明における帯電制御剤としては公知のものが使用できる。
このようなものとしては、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミ ン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、及びサリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
本実施の形態における流動攪拌型混合装置にてトナー母体粒子表面に付着処理に用いられる帯電制御剤としては、一次粒子径が5〜1000nmであることである。より好ましくは10〜500nm、さらに好ましくは10〜300nmである。
一次粒子径が5nmより小さいと、質量が小さ過ぎて攪拌装置内を浮遊して、付着処理が困難になる傾向がある。本発明では、クリアランス部での圧縮せん断力が強力であるので、粗大な帯電制御剤の一次粒子も摩滅展延させることができるので、従来の混合機よりも、帯電制御剤の一次粒子径が粗大側であることに余裕がある。しかし、また、一次粒子径が1000nmより大きいとトナー母体粒子の表面積に対する付着断面積が大き過ぎるため、充分に付着されず遊離する場合があって、品質に影響を及ぼす。
〔第2の実施の形態〕
図4は本発明に係る電子写真用トナーの製造方法を好適に実施することができる流動攪拌型混合装置における第2の実施の形態の構成を示す概略図である。
本実施の形態では、前記回転軸は、重力方向に対して平行であり、前記複数の攪拌部材は、前記処理物を前記ケーシング内壁に沿って螺旋状上向きに放出するように配置され、当該螺旋状上向きに放出された処理物は、前記ケーシングの底部に再供給された後、再び螺旋状上向きに放出されることを特徴とする。
即ち、重力方向に平行に設置された回転軸に、処理物をケーシング内壁に沿って螺旋状上向きに放出する複数の攪拌部材を取り付け、前記攪拌部材の回転により螺旋状上向きに放出された処理物をケーシング頂部まで移動させてその運動エネルギーを低下させ、処理物をケーシング底の攪拌部材に再供給する構造の流動攪拌型混合装置である。
さらに、本実施の形態では、ケーシングの内径が最大となる部位の内径の65〜90%の直径の攪拌部材を有する構造であることが望ましい。
前記攪拌部材が混合装置内壁面と所定のクリアランスを有して回転することによって、ケーシング内でトナー母体粒子と帯電制御剤のような表面処理剤粒子(両者の粒子を粉体と総称する)とが圧縮、せん断され、その結果トナー母体粒子表面に表面処理剤粒子が付着し固定されて、所望のトナーが製造されるのであるが、クリアランス部で固定化処理をされたトナーは、圧縮と摩擦により温度が上昇しており、そのままでは融着してしまう恐れがあるため、放射状に設置された攪拌部材の攪拌作用により速やかに粉体は回転体(攪拌部材)上から気流に乗りケーシング内壁に向かった後、ケーシング内壁に沿って上方に流れ、その後ケーシング内壁の頂点部周辺から回転体の底部周辺に戻るように還流し、冷却されながら再分散される。
従って本実施の形態は所定のクリアランスと、前述のような粉体の還流軌跡を生起するような攪拌機構を具有することが望ましい一要件であり、特に粉体が混合攪拌し還流する装置の壁面における形態のうち、最も好ましい形の一つが円錐形状である。
図5を用いて本実施の形態における流動攪拌型混合装置についてさらに詳細に説明する。
混合装置は、円錐状混合槽301と、該円錐状混合槽内壁306に一定のクリアランスを経て隣接する攪拌部材305、該攪拌部材を支持する支持部304および回転の中心となる回転軸303から構成される。攪拌部材は、回転軸から支持部を経て回転速度を与えられ、混合槽内壁との間で粉体に圧縮・剪断作用を与えると供に、粉体を分散・流動化させ、図5中に矢印で示したような粉体の流れを形成させる。円錐状混合槽の上部は、図5に示すようなドーム状の形状が、粉体の流れが阻害されず円滑となるため好ましい。
上述のような円錐壁面を有する流動攪拌型混合装置を用いて、攪拌部材による2種以上の粉体の混合を行なった場合、装置内における粉体の挙動は、先ず装置底部の攪拌部材と衝突することによって、大きな遠心力を受け、装置内壁面方向に打ち出され、攪拌部材とケーシング内壁のクリアランスで圧縮・せん断された後、次段以降の攪拌部材の高速回転によって生み出された高速気流によって内壁面に沿って頂部まで達し、更に頂部から回転軸へ向かって下降する高速気流に乗ってケーシング底部に配置された攪拌部材上まで運ばれ、再び打ち出されることになる。
(電子写真用トナー)
本発明に係る電子写真用トナーにおいて、結着樹脂としては、特に限定されないが、ポリスチレン、ポリ(p−クロロスチレン)、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単独重合体;スチレン−(p−クロロスチレン)共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−(α−クロロメタクリル酸メチル)共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル;フェノール樹脂;天然変性フェノール樹脂;天然樹脂変性マレイン酸樹脂;アクリル樹脂;メタクリル樹脂;ポリ酢酸ビニル;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリウレタン;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂;ポリビニルブチラール;テルペン樹脂;クマロンインデン樹脂;石油系樹脂等が挙げられるが、中でも、スチレン系共重合体又はポリエステル樹脂が好ましい。
本発明は、トナー母体において、結着樹脂の1/2法軟化点よりも低い融点を有する一種以上の添加剤は、ワックスを含有することが好ましい。ワックスは、低温定着性及び離型性を確保するために使用される。ワックスとしては、特に限定されないが、例えば、カルボニル基を有するワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素等が挙げられるが、カルボニル基を有するワックスが好ましい。
カルボニル基を有するワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトン等が挙げられるが、ポリアルカン酸エステルが好ましい。ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート等が挙げられる。ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、マレイン酸ジステアリル等が挙げられる。ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミド等が挙げられる。ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミド等が挙げられる。ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトン等が挙げられる。
ポリオレフィンワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。
長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワックス、サゾールワックス等が挙げられる。
ワックスの融点は、特に限定されないが、40〜160℃であることが好ましく、50〜120℃がさらに好ましく、60〜90℃が特に好ましい。融点が40℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温定着時にコールドオフセットを起こすことがある。
本発明の電子写真用トナーにおいて、トナー母体は、結着樹脂100重量部に対して離型剤を3〜15重量部含有していることが好ましい。
トナー母体の円形度は、0.93以上1.0以下が望ましく、より望ましくは0.94以上1.0以下が望ましい。更に望ましくは0.96以上1.0以下である。円形度は高いほど、帯電制御剤の固定化が容易に、均一になる。
トナー母体の円形度は、フロー式粒子像分析装置によって計測される。たとえばフロー式粒子像分析装置による測定は、例えば、シスメックス社製フロー式粒子像分析装置FPIA−2000を用いて測定することができる。
測定は、フィルタを通して微細なごみを取り除き、その結果として10−3cmの水中に測定範囲(例えば、円相当径0.60μm以上159.21μm未満)の粒子数が20個以下の水10ml中にノニオン系界面活性剤(好ましくは和光純薬社製コンタミノンN)を数滴加え、更に、測定試料を5mg加え、超音波分散器STM社製UH−50で20kHz,50W/10cmの条件で1分間分散処理を行ない、さらに、合計5分間の分散処理を行ない測定試料の粒子濃度が4000〜8000個/10−3cm(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を用いて、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布を測定する。
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。
約1分間で、1200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。結果(頻度%及び累積%)は、表1に示す通り、0.06−400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行う。
Figure 0005064949
以下さらに、本発明による装置および方法によって製造された帯電制御剤が表面に固定化されたトナー粒子を電子写真プロセスにおけるトナーとして利用するにあたっての、より望ましい形態について説明する。
本発明のトナーは、樹脂粒子の体積平均粒子径の1/1000〜1/10の体積平均粒子径を有する一種以上の粒子をさらに有することが好ましい。このような粒子としては、特に限定されないが、例えば、公知の樹脂粒子、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。
このような粒子の一次粒子径は、5nm〜2μmであることが好ましく、5nm〜500nmがさらに好ましい。また、このような粒子のBET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。さらに、このような粒子のトナー中の含有量は、0.01〜5.0重量%であることが好ましい。
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明のトナーを有し、キャリア等の他の成分をさらに有してもよい。本発明の現像剤は、一成分現像剤及び二成分現像剤のいずれであってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の点で二成分現像剤が好ましい。
一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着を抑制することができる。その結果、現像器の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、二成分現像剤の場合、長期に亘るトナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像器における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
キャリアは、特に限定されないが、芯材と、芯材を被覆する樹脂層を有することが好ましい。芯材の材料としては、特に限定されないが、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料等が挙げられるが、画像濃度の確保の点では、100emu/g以上の鉄粉、75〜120emu/gのマグネタイト等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くすることができ、高画質化に有利であることから、30〜80emu/gの銅−亜鉛(Cu−Zn)系材料等の弱磁化材料が好ましい。これらは、二種以上併用してもよい。
芯材の体積平均粒子径(D50)は、10〜200μmであることが好ましく、40〜100μmがさらに好ましい。D50が10μm未満であると、キャリアが微粉を多く含むために、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがある。また、D50が200μmを超えると、比表面積が低下して、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現性が低下することがある。
樹脂層の材料としては、特に限定されないが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体の共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体のターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂等が挙げられるが、二種以上併用してもよい。
アミノ系樹脂としては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。ポリビニル系樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。ポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等が挙げられる。ハロゲン化オレフィン樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。
樹脂層は、必要に応じて、導電粉等を含有してもよい。導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛等が挙げられる。導電粉の平均粒子径は、1μm以下であることが好ましい。平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
樹脂層は、例えば、シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させた塗布液を芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付することにより形成することができる。塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法等が挙げられる。溶剤としては、特に限定されないが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セロソルブ、酢酸ブチル等が挙げられる。焼付方法としては、特に限定されず、外部加熱方式及び内部加熱方式のいずれであってもよいが、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロ波を用いる方法等が挙げられる。
キャリア中の樹脂層は、0.01〜5.0重量%であることが好ましい。樹脂層が0.01重量%未満であると、芯材の表面に均一な樹脂層を形成できないことがあり、5.0重量%を超えると、樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリアが得られないことがある。
二成分現像剤中のキャリアの含有量は、90〜98重量%であることが好ましく、93〜97重量%がさらに好ましい。また、トナーとキャリアの混合比は、キャリア100重量部に対して、トナー1〜10重量部が好ましい。
本発明の現像剤は、感光体のフィルミングの発生を抑制することができ、画像ムラの変動が少なく、優れた鮮明で高画質な画像を安定に形成することができる。また、本発明の現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができ、本発明のトナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に用いることができる。
(トナー入り容器)
本発明のトナー入り容器は、本発明のトナーが容器中に収容されているが、本発明の現像剤が容器中に収容されていてもよい。このように容器に本発明のトナーを充填することにより、画像形成装置本体とは別に、トナー入り容器がユーザーに供給される。さらに、最近では、ユーザーの手元にある容器にトナーの不足分を供給する販売方式も考えられている。
容器は、特に限定されないが、容器本体とキャップを有することが好ましい。容器本体としては、内部にアジテータが設けられた容器、壁がスパイラル構造のプラスチック製容器、カートリッジタイプの容器等の従来一般的に用いられている容器を用いることができる。このとき、容器本体の大きさ、形状、構造、材質等は、特に限定されないが、容器本体は、円筒状であることが好ましい。また、容器本体は、内周面にスパイラル状の凹凸(スパイラル部)が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行することが可能であり、スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有するものが特に好ましい。
容器本体の材質としては、特に限定されないが、寸法精度がよいものが好ましく、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂等の樹脂が挙げられる。
本発明のトナー入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取り扱い性に優れるため、本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置等に着脱可能に取り付けてトナーを補給することができる。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、本発明のトナーを用いて現像し、可視像を形成する現像手段を少なくとも有し、必要に応じて、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段等の手段をさらに有してもよい。
現像手段としては、本発明のトナー又は現像剤を収容するトナー入り容器と、トナー入り容器内に収容されたトナー又は現像剤を担持して搬送する現像剤担持体を少なくとも有し、さらに、担持したトナーの層厚を規制するための層厚規制部材等を有してもよい。
本発明のプロセスカートリッジは、電子写真装置、ファクシミリ、プリンター等に着脱自在に備えさせることができ、後述する本発明の画像形成装置に着脱自在に備えさせることが好ましい。
図9に、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す。図9に示すプロセスカートリッジは、感光体(静電潜像担持体)101を内蔵し、帯電手段102、現像手段104、転写手段108、クリーニング手段107を有する。図9中、103は、露光手段による露光、105は、記録媒体を示す。
感光体101としては、後述する本発明の画像形成装置と同様のものを用いることができる。帯電手段102としては、任意の帯電部材が用いられる。
次に、図9に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、感光体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段(図示せず)による露光103により、感光体101の表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段104でトナー現像され、トナー像は、転写手段108により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次に、転写後の感光体101の表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、さらに、除電手段(図示せず)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返す。
(画像形成装置、画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、現像手段、クリーニング手段等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、プロセスカートリッジを装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。また、帯電手段、露光手段、現像手段、転写又は分離手段、及びクリーニング手段の少なくとも一つを静電潜像担持体と共に一体に支持して、画像形成装置本体に着脱自在のプロセスカートリッジとし、画像形成装置本体のレール等の案内手段を用いて着脱自在の構成としてもよい。
また、本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段を少なくとも有し、必要に応じて、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等の手段をさらに有してもよい。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも有し、必要に応じて、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等の工程をさらに有してもよい。
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置を用いて実施することができる。即ち、静電潜像形成工程は、静電潜像形成手段を用いて行うことができ、現像工程は、現像手段を用いて行うことができ、転写工程は、転写手段を用いて行うことができ、定着工程は、定着手段を用いて行うことができ、その他の工程についても同様である。
静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。また、静電潜像担持体(電子写真感光体、感光体と称することがある)としては、材質、形状、構造、大きさ等は、特に限定されないが、ドラム状の感光体が好ましく、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体等が挙げられる。中でも、長寿命性の点で、アモルファスシリコン感光体が好ましい。
アモルファスシリコン感光体としては、例えば、支持体を50〜400℃に加熱し、支持体上に、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法によりアモルファスシリコンからなる光導電層を形成した感光体を用いることができる。中でも、プラズマCVD法、即ち、原料ガスを直流、高周波又はマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上に、アモルファスシリコン堆積膜を形成することが好ましい。
静電潜像の形成は、例えば、静電潜像担持体の表面を帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、静電潜像形成手段により行うことができる。静電潜像形成手段は、例えば、静電潜像担持体の表面を帯電させる帯電手段である帯電器と、静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光手段である露光器を少なくとも有する。
帯電は、例えば、帯電器を用いて静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。帯電器としては、特に限定されないが、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えた公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器等が挙げられる。
帯電器としては、磁気ブラシ、ファーブラシ等を用いることができ、画像形成装置の仕様や形態に合わせて選択することが可能である。磁気ブラシは、例えば、Zn−Cuフェライト等のフェライト粒子、フェライト粒子を支持する非磁性の導電スリーブ、導電スリーブに内包されるマグネットロールによって構成される。また、ファーブラシとしては、カーボン、硫化銅、金属又は金属酸化物により導電処理されたファーを金属や他の導電処理された芯金に巻き付けたり張り付けたりしたものを用いることができる。
帯電器としては、特に限定されないが、帯電器から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られるので、接触式の帯電器を用いることが好ましい。
露光は、例えば、露光器を用いて静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。露光器としては、帯電器により帯電された静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができれば、特に限定されないが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系等の露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を
採用してもよい。
現像工程は、静電潜像を、本発明のトナー又は現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。可視像の形成は、例えば、静電潜像を本発明のトナー又は現像剤を用いて現像することにより行うことができ、現像手段により行うことができる。
現像手段は、例えば、本発明の電子写真用トナー又は現像剤を用いて現像することができる限り、特に限定されないが、例えば、本発明のトナー又は現像剤を収容し、静電潜像にトナーを接触又は非接触に付与することが可能な現像器を少なくとも有することが好ましく、本発明のトナー入り容器を備えた現像器さらに好ましい。
現像器は、乾式現像方式及び湿式現像方式のいずれであってもよく、単色用現像器及び多色用現像器のいずれであってもよく、トナー又は現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラを有することが好ましい。
現像器内では、例えば、トナーとキャリアが混合攪拌され、その際の摩擦によりトナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。マグネットローラは、静電潜像担持体の近傍に配置されているため、マグネットローラの表面に形成された磁気ブラシを構成するトナーの一部は、電気的な吸引力によって静電潜像担持体の表面に移動する。その結果、静電潜像がトナーにより現像されて静電潜像担持体の表面にトナーによる可視像が形成される。
現像器に収容される現像剤は、本発明の電子写真用トナーを有するが、現像剤は、一成分現像剤または二成分現像剤のいずれであってもよい。
転写工程は、可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、中間転写体上に可視像を転写する一次転写工程と、可視像を記録媒体上に転写する二次転写工程を有することが好ましく、トナーとして、二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する一次転写工程と、複合転写像を記録媒体上に転写する二次転写工程を有することがさらに好ましい。
転写は、例えば、転写帯電器を用いて、可視像が形成された静電潜像担持体を帯電することにより行うことができ、転写手段により行うことができる。転写手段は、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する一次転写手段と、複合転写像を記録媒体上に転写する二次転写手段を有することが好ましい。
なお、中間転写体としては、特に限定されないが、例えば、転写ベルト等が挙げられる。
転写手段(一次転写手段、二次転写手段)は、静電潜像担持体上に形成された可視像を記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有することが好ましい。なお、転写手段は、2個以上用いてもよい。
転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器等が挙げられる。
なお、記録媒体としては、普通紙が挙げられるが、現像後の未定着像を転写することが可能であれば、特に限定されず、OHP用のPETベース等も用いることができる。
定着工程は、定着手段である定着装置を用いて、記録媒体に転写された可視像を定着させる工程であり、各色のトナーを記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーを記録媒体上で積層した状態で同時に行ってもよい。
定着装置としては、特に限定されないが、公知の加熱加圧手段が好ましい。加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトの組み合わせ等が挙げられる。加熱加圧手段による加熱温度は、80〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、定着工程及び定着手段と共に、あるいはこれに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
除電工程は、静電潜像担持体に対して、除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段を用いて行うことができる。除電手段としては、静電潜像担持体に対して、除電バイアスを印加することができれば、特に限定されないが、例えば、除電ランプ等が挙げられる。
クリーニング工程は、静電潜像担持体上に残留するトナーを除去する工程であり、クリーニング手段を用いて行うことができる。クリーニング手段としては、静電潜像担持体上に残留するトナーを除去することができれば、特に限定されないが、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が挙げられる。
リサイクル工程は、クリーニング工程により除去したトナーを現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段を用いて行うことができる。リサイクル手段としては、特に限定されないが、公知の搬送手段等が挙げられる。
制御手段は、各工程を制御する工程であり、制御手段を用いて行うことができる。制御手段としては、各手段を制御することができれば、特に限定されないが、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
次に、本発明の画像形成装置を用いて本発明の画像形成方法を実施する第一の例について説明する。図10に示す画像形成装置100は、静電潜像担持体としてのドラム状の感光体10と、帯電手段としての帯電ローラ20と、露光手段としての露光装置30と、現像手段としての現像器40と、転写手段の一部を構成する中間転写体50と、クリーニングブレードを有するクリーニング手段としてのクリーニング装置60と、除電手段としての除電ランプ70を備える。
中間転写体50は、無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ51によって、矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50には、その近傍にクリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されている。また、記録媒体としての転写紙95に可視像(トナー像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加することが可能な転写手段の一部を構成する転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、中間転写体50上のトナー像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、中間転写体50の回転方向において、感光体10と中間転写体50の接触部と、中間転写体50と転写紙95の接触部との間に配置されている。
現像器40は、現像剤担持体としての現像ベルト41と、現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kを備えており、イエロー現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yを備えており、マゼンタ現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mを備えており、シアン現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cを備えている。また、現像ベルト41は、無端ベルトであり、複数のベルトローラに回転可能に張架され、一部が感光体10と接触している。
図10に示す画像形成装置100において、例えば、帯電ローラ20が感光体10を一様に帯電させる。露光装置30が感光体10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。感光体10上に形成された静電潜像を、現像器40からトナーを供給して現像してトナー像を形成する。トナー像が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、さらに、転写紙95上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙95上にトナー像が形成される。なお、感光体10上の残存トナーは、クリーニング装置60により除去され、感光体10における帯電は、除電ランプ70により一旦除去される。
本発明の画像形成装置を用いて本発明の画像形成方法を実施する第二の例について説明する。図11に示す画像形成装置100は、図10に示す画像形成装置100において、現像ベルト41を備えてなく、感光体10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されていること以外は、図10に示す画像形成装置100と同様の構成を有し、同様の作用効果を示す。なお、図11において、図10と同一の構成については、同一の符号を付した。
本発明の画像形成装置を用いて本発明の画像形成方法を実施する第三の例について説明する。図12に示す画像形成装置100は、タンデム型カラー画像形成装置であり、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400を備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図12中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15により張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50の、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50は互いに接触することが可能である。二次転写装置22の近傍には、定着装置25が配置されている。
なお、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、タンデム型現像器120を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。まず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報は、タンデム型現像器120における画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンのトナー像が形成される。即ち、タンデム型現像器120における画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図13に示すように、それぞれ、感光体10(ブラック用感光体10K、イエロー用感光体10Y、マゼンタ用感光体10M及びシアン用感光体10C)と、感光体10を一様に帯電させる帯電器60と、カラー画像情報に基づいてカラー画像に対応した画像様に感光体10を露光(図13中、L)し、感光体10上にカラー画像に対応する静電潜像を形成する露光器と、静電潜像をカラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー)を用いて、現像してカラートナーによるトナー像を形成する現像器61と、トナー像を中間転写体50上に転写する転写帯電器62と、感光体クリーニング装置63と、除電器64を備えており、カラーの画像情報に基づいて単色のトナー像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像)を形成することが可能である。ブラック用感光体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用感光体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用感光体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用感光体10C上に形成されたシアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上に順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に、ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つから転写紙を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上の転写紙を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、レジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般に接地された状態で使用するが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用してもよい。そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間に転写紙を送出させ、二次転写装置22により合成カラー画像を転写紙上に転写(二次転写)する。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
合成カラー画像が転写された転写紙は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力とにより合成カラー画像が転写紙上に定着される。その後、転写紙は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。あるいは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導かれ、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、部は重量部を示す。なお、流動攪拌型混合装置及び回転体である攪拌部材として、図1〜5に示されるものを用いるものとする。
〔実施例1〕
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4―ヒドロキシフェーノール)プロパン810部、テレフタル酸300部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソフォロンジイソシアネート188部と2時間反応を行ないイソシアネート含有プレポリマー(1)を得た。次いでプレポリマー(1)267部とイソホロンジアミン14部を50℃で2時間反応させ、重量平均分子量58000のウレア変性ポリエステル(1)を得た。上記と同様にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を常圧下、250℃で5時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量5000の変性されていないポリエステル(a)を得た。ウレア変性ポリエステル(1)150部と変性されていないポリエステル(a)850部を酢酸エチル溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(1)の酢酸エチル溶液を得た。
前記のトナーバインダー(1)の酢酸エチル溶液240部に着色料としてカーボンブラック(リーガル400R:キャボット社製)4部、離型剤のワックスとしてカルナバワックス(融点83℃)5部を加え、50℃にてTK式ホモミキサーで12000rpmで攪拌し、均一に溶解、分散させた。次いでイオン交換水706部、ハイドロキシアパタイト10%懸濁液(日本化学工業(株)製スーパタイト10)294部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ均一に溶解した。次いで50℃に昇温し、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、上記トナー材料溶液を投入し10分間攪拌した。ついでこの混合液を攪拌棒および温度計付のコルベンに移し、98℃まで昇温して溶剤を除去し、濾別、洗浄、乾燥し、重量平均粒径が6μmで、D4/Dnが1.15ガラス転移温度が50℃のトナー母体粒子を得た。
以上のようにして重合法によって作成されたトナー母体粒子100部と、一次粒子径が50nmである帯電制御剤(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)0.3部を、流動攪拌型混合装置である、図1および2のような円筒処理槽と直径300mmの攪拌部材を有し、攪拌部材と混合槽の内壁のクリアランスが3mm(すなわちD1/2/C=5.74)と設定した混合機に合計4400gの原料粉体を仕込み、攪拌部材が単位質量あたりの粉体に与えるエネルギーを0.6kW/kgとなるよう攪拌部材の周速度を10〜150m/sの範囲で調整しながら、攪拌部材が粉体に与えた総エネルギーが0.12kWh/kgとなるまで、容器内最高温度が14℃〜30℃の範囲にとなるよう冷却しながら混合処理を行なった。ここで、攪拌部材の円軌道は4つである。
ここで、攪拌部材が粉体に与えるエネルギーとは、攪拌部材を回転させる回転エネルギー発生部(たとえば電動モーター)の、攪拌中の所用動力(処理槽に粉体を仕込んで攪拌している時の所用動力)から、攪拌部材を回転させる回転エネルギー発生部の、攪拌中の回転数に対応した空転動力(処理層に粉体を仕込まないときの、ある回転数における消費エネルギーでたとえば電力)を差し引いた値であり、攪拌部材が粉体に与えた総エネルギーとは、攪拌中に攪拌部材が粉体に与えたエネルギーの、攪拌時間に対する積分値である。
〔実施例2〕
クリアランスを6.9mmとして、D1/2/C=2.52とした以外は実施例1と同様にして実施した。
〔実施例3〕
クリアランスを2.0mmとして、D1/2/C=8.63とした以外は実施例1と同様にして実施した。
〔実施例4〕
帯電制御剤と共に、シリカ微粒子(日本エアロジル製R972,比表面積径16nm)を0.2部加えた以外は実施例1と同様にして実施した。
〔実施例5〕
TKホモミキサーでの混合時間を9分間とし、D4/Dn=1.22のトナー母体を利用した以外は実施例4と同様にして実施した。
〔実施例6〕
帯電制御剤の一次粒子径を約900nmとした以外は実施例4と同様にして実施した。
〔実施例7〕
混合装置を図1に示したような円筒型の混合装置(内径130mm)に変更した以外は実施例4と同様にして実施した。ただし、装置スケールが小さくなっているので攪拌部材の円軌道は3つとし、クリアランス調整の精度の都合でクリアランスを2.0mmとして、D1/2/C=5.68となった。仕込み量は、合計220gとした。
〔実施例8〕
TKホモミキサーでの混合時間を7.5分間とし、D4/Dn=1.30のトナー母体を利用した以外は実施例4と同様にして実施した。
〔実施例9〕
帯電制御剤の一次粒子径を約1500nmとした以外は実施例4と同様にして実施した。
〔実施例10〕
混合装置を図5に示したような円錐型の混合装置(内径600mm)に変更した。攪拌部材の円軌道は3つとし、最大直径の攪拌部材の円軌道の直径を595.8mmとし、D1/2/C=5.81とした。仕込み量は、合計17600gとした。それ以外は実施例4と同様にして実施した。
〔実施例11〕
混合装置を図1に示したような円筒型の混合装置(内径100mm)に変更、攪拌部材の円軌道は3つとし、クリアランスを2.5mmとして、D1/2/C=3.95とした。仕込み量は、合計100gとした。それ以外は実施例4と同様にして実施した。
〔実施例12〕
混合装置を図1に示したような円筒型の混合装置(内径1000mm)に変更した以外は実施例4と同様にして実施した。ただし、装置スケールが大きくなっているので攪拌部材の円軌道は8つとし、クリアランス調整の精度の都合でクリアランスを5.0mmとして、D1/2/C=5.73となった。仕込み量は、合計132000gとした。
〔実施例13〕
攪拌部材に図4のような2箇所の凹部3cを設けた以外は実施例4と同様にして実施した。ここで、図4(a)は2箇所の凹部3cを設けた攪拌部材の回転方向における構成を示す概略図であり、図4(b)2箇所の凹部3cを設けた攪拌部材の回転軸垂直方向における構成を示す概略図であって、凹部の幅は、12.5mm、凸部の幅は、25.0mmとした。
〔比較例1〕
クリアランスを1.9mmとして、D1/2/C=9.59とした以外は実施例4と同様にして実施した。
〔比較例2〕
クリアランスを7.0mmとして、D1/2/C=2.38とした以外は実施例1と同様にして実施した。
〔比較例3〕
混合装置を図1に示したような円筒型の混合装置(内径90mm)に変更、攪拌部材の円軌道は3つとし、クリアランスを2.4mm、D1/2/C=3.90とした。仕込み量は、合計70gとした。それ以外は実施例4と同様にして実施した。
〔比較例4〕
攪拌部材の円軌道の数を2とした以外は実施例7と同様にして実施した。
〔比較例5〕
混合装置を図1に示したような円筒型の混合装置(内径1100mm)に変更した以外は実施例4と同様にして実施した。ただし、装置スケールが大きくなっているので攪拌部材の円軌道は8つとし、クリアランス調整の精度の都合でクリアランスを5.2mmとして、D1/2/C=5.70となった。仕込み量は、合計175000gとした。
以上の実施例1〜13および比較例1〜5の各条件について表2に記す。尚、表中で帯電制御剤は「CCA」(Charge Control Additive)と略して表記している。
Figure 0005064949
次いで、上記実施例1〜13および比較例1〜5で得られたトナーを、以下のように評価した。
〔融着・凝集〕
固定化処理後のトナーを目視で評価し、目視レベルで確認できるような融着や凝集塊の発生が無かったかを確認した。
〔SEM観察〕
打ちこみ度合いを調べるためにSEMでトナー表面の帯電制御剤の存在状態を観察した。
○:完全に固定化
△:一部固定化
×:遊離
〔凝集度〕
凝集度は、以下のようにして求めた。
目開き75、45及び22μmのふるいを上から順に積み重ねて、試料2gを振動により自然落下させる。夫々のふるい上に残存した試料の重量から、下記式(4)〜(7)を用いて凝集度を算出する。測定は、ホソカワミクロン製パウダテスタを用い、振動の振幅は1mm、振動時間は60秒に設定する。
a=(上段のふるいに残った試料重量)/2g×100 ・・・式(4)
b=(中段のふるいに残った試料重量)/2g×(3/5)×100 ・・・式(5)
c=(下段のふるいに残った試料重量)/2g×(1/5)×100 ・・・式(6)
凝集度=a+b+c(%) ・・・式(7)
凝集度は20〜70%の範囲であれば良く、低いほど良い。
なお、実施例1〜3については、混合前のトナー母体換算でのトナー100部に対し、疎水性シリカ(日本アエロジル製R972)0.2部をヘンシェルミキサーで混合した後凝集度を測定している。
〔画像品質等〕
混合前のトナー母体換算でのトナー100部に、疎水性シリカ(日本アエロジル製R972)が合計1.0部となるようにヘンシェルミキサーにて混合した。これらの各トナー4重量%とシリコーン樹脂を被覆した平均粒子径が50μmの銅−亜鉛フェライトキャリア96重量%からなる現像剤を調製し、毎分A4サイズの用紙を45枚印刷できるリコー製imagio Neo 450を用いて、印字密度5%の出力を連続印刷して更に下記の基準で評価した。
・帯電量(帯電制御剤付着量指標)
現像剤6gを計量し、密閉できる金属円柱に仕込みブローして帯電量を求める。トナー濃度は4.5〜5.5wt%に調整する。帯電量は−25〜40μC/gが好ましく、負帯電性が大きいほどよい。
・カブリ(均一帯電指標)
白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差を938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定する。
(評価基準)
○:0〜0.01未満
△:0.01〜0.03未満
×:0.03以上
・スペント化率(トナーよりのブリード指標)
10万枚複写試験後の現像剤からブローオフによりトナーを除去し、残ったキャリアの重量を測定W1とする。次に、このキャリアをトルエン中に入れて溶融物を溶解し、洗浄、乾燥後重量を測定しW2とする。そして下記式よりスペント化率を求め評価した。
スペント化率=〔(W1−W2)/W1〕×100
(評価基準)
◎: 0wt%以上0.01wt%未満
○:0.01wt%以上0.02wt%未満
△:0.02wt%以上0.05wt%未満
×:0.05wt%以上
・フィルミング(表面固定化指標)
現像ローラまたは感光体上のトナーフィルミング発生状況の有無を観察した。○はフィルミングがなく、△はスジ上のフィルミングが見られ、×は全体的にフィルミングがある。
以上の評価結果を表3に示す。
Figure 0005064949
表3から次のことが明らかである。
(A)実施例1〜4と比較例1および2から、D1/2/Cが適切な装置は総合評価が良いことがわかる。また、無機微粒子をCCAと供に添加したほうが、スペント化が抑制され、良質なトナーであることがわかる。
(B)実施例4、11、12と比較例3および5から、D1/2/Cが適切な装置であって、所定の攪拌部材の直径である場合に総合評価が良いことがわかる。
(C)実施例7と比較例4から、攪拌部材の円軌道数が3以上の場合に、総合評価が良いことがわかる。
(D)実施例4および10から、混合装置の形状が一定要件を満たしておれば見た目の形状が異なっていても同等品質のトナーが得られることがわかる。
(E)実施例4、5、8から、本発明の装置において母体のD4/Dnが1.25以下である場合にスペント化率が少なく、良質なトナーとなることがわかる。
(F)実施例4、6、9から、本発明の装置において帯電制御剤が適切な一次粒子径であれば帯電性がよく良質なトナーであり、また総合評価も良いことがわかる。
(G)実施例1と実施例4から、本発明の装置において帯電制御剤と共に適切な無機微粒子が添加された場合には、固定化処理能力がより良くなる。
(H)実施例4および13から、攪拌部に凹部を持たせた方が凝集度が低く、帯電性の高い良質なトナーが得られることがわかる。
以上のように、本発明の電子写真用トナーの製造方法は、トナー母体に対する帯電制御剤の固定化能が高く、また本発明の電子写真用トナーの製造方法で製造された帯電制御剤が固定化されたトナー母体は、帯電制御剤粒子が均一に固定化され、帯電制御剤がトナー母体から離脱することが無いため、安定した帯電性を有し、感光体や現像ローラ等に対するフィルミング汚染が防止され、キャリアへのスペントが起こらない長期複写性等に優れた効果を発揮する。
本発明に係る電子写真用トナーの製造方法を好適に実施することができる流動攪拌型混合装置における第1の実施の形態の構成を示す概略図である。 図1に示す流動攪拌型混合装置における攪拌部材とクリアランス部の具体的な配置関係を示す概略図であって、図1に示される流動攪拌型混合装置における回転軸垂直方向断面図である。 図1に示す流動攪拌型混合装置における攪拌部材の形状の一様態を示す概略図である。 (a)2箇所の凹部を設けた攪拌部材の回転方向における構成を示す概略図である。(b)2箇所の凹部を設けた攪拌部材の回転軸垂直方向における構成を示す概略図である。 本発明に係る電子写真用トナーの製造方法を好適に実施することができる流動攪拌型混合装置における第2の実施の形態の構成を示す概略図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例を示す図である。 本発明の画像形成装置の第一の例を示す図である。 本発明の画像形成装置の第二の例を示す図である。 本発明の画像形成装置の第三の例を示す図である。 図9に示す画像形成装置の部分拡大図である。
符号の説明
1 ケーシング
2 回転軸
2a 回転軸端面部
3 攪拌部材
3a 送り用攪拌部材
3b 戻し用攪拌部材
3c 凹部
4 ジャケット(冷却用又は加熱用媒体の流路)
5 原料投入口
6 製品排出口
7 軸受部
8 クリアランス
9 内壁
14、15、16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像器
41 現像ベルト
42K、42Y、42M、42C 現像剤収容部
43K、43Y、43M、43C 現像剤供給ローラ
44K、44Y、44M、44C 現像ローラ
45K、45Y、45M、45C ブラック用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電手段
103 露光手段
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
110 拡散部材
111 冷却用又は加熱用媒体の流路
112 ガイド棒
113 ボス
115 排気管
116 フィルタ
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
210 画像定着装置
220 加熱ローラ
230 加圧ローラ
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)

Claims (16)

  1. 帯電制御剤を、流動攪拌型混合装置によりトナー母体表面に固定する電子写真用トナーの製造方法であって、
    前記流動攪拌型混合装置は、回転軸と、複数の攪拌部材と、ケーシングと、を備え、
    該ケーシングは、前記回転軸から内壁までの垂直方向距離が一定である円形状壁面と、冷却ジャケットと、を有し、
    前記複数の攪拌部材は、異なる3以上の円軌道上を回転するように前記回転軸に設けられ、且つ、各々の円軌道の直径が90mm〜1000mmの範囲で、10〜150m/sの周速度で回転し、
    前記複数の攪拌部材のうちの少なくとも1と前記円形状壁面とのクリアランスC[mm]は、前記各々の円軌道のうち最大の円軌道の直径D[mm]に対して下記式(1)の範囲を満たし、
    2.5≦D1/2/C<9.0 ・・・式(1)
    前記トナー母体は、少なくとも結着樹脂と、着色剤と、離型剤とを含み、重量平均粒径D4が3μm〜9μmであり、
    前記トナー母体100重量部と前記帯電制御剤を0.3〜1.0重量部とを含む処理物を、下記式(2)を満たす範囲で攪拌して電子写真用トナーを製造することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
    Tg−50<T<Tg−15 ・・・式(2)
    (但し、Tは攪拌時の流動攪拌型混合装置内雰囲気温度(℃)、Tgはトナー母体のガラス転移温度(℃)である。)
  2. 前記回転軸は、冷却機構を有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  3. 前記複数の攪拌部材は、1以上の送り用攪拌部材と、1以上の戻し用攪拌部材とを有し、
    前記送り用攪拌部材は、前記回転軸の軸方向の1方向に前記処理物を送り、
    前記戻し用攪拌部材は、前記回転軸の軸方向の1方向とは反対方向に前記処理物を戻すことを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  4. 前記複数の攪拌部材のうち、互いに隣接する2の攪拌部材が、前記回転軸の軸方向位置において重なり合い、前記回転軸の回転方向位置において離間して配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  5. 前記ケーシングは、前記回転軸と同一軸方向の円筒形状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  6. 前記回転軸は、重力方向に対して垂直であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  7. 前記回転軸は、重力方向に対して平行であり、
    前記複数の攪拌部材は、前記処理物を前記ケーシング内壁に沿って螺旋状上向きに放出するように配置され、
    当該螺旋状上向きに放出された処理物は、前記ケーシングの底部に再供給された後、再び螺旋状上向きに放出されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  8. 前記攪拌部材は、前記ケーシングの内径が最大である部位の65〜90%の範囲内の直径を有することを特徴とする請求項7に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  9. 前記ケーシングは、前記回転軸と同一軸方向の円錐形状であることを特徴とする請求項7または8に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  10. 当該クリアランスCを隔てて前記円形状壁面に対向して配置された前記攪拌部材は、当該円形状壁面に対向する面に凹部を有し、
    前記凹部と当該円形状壁面とのクリアランスSは、下記式(3)の範囲を満たすことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1に記載の電子写真用トナーの製造方法。
    (D1/2)/S<2 ・・・式(3)
  11. 前記処理物は、さらに比表面積径が5〜300nmの無機微粒子を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  12. 前記処理物の攪拌の前に、
    比表面積径が5〜300nmの無機微粒子を、前記トナー母体と共に攪拌して該トナー母体表面に付着せしめる工程をさらに備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  13. 前記帯電制御剤の一次粒子径が、5nm〜1000nmであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  14. 前記トナー母体は、D4/Dnが1.25以下であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1に記載の電子写真用トナーの製造方法。
    (但し、Dnは個数平均粒径である。)
  15. 前記トナー母体は、結着樹脂100重量部に対して離型剤を3〜15重量部含有していることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  16. 前記トナー母体は、ガラス転移温度が40〜65℃であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1に記載の電子写真用トナーの製造方法。
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