JP3734096B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置、特に、2成分現像剤を用いたプリンタ、ファクシミリ、あるいは複写機等に使用される現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、潜像坦持体(感光体ドラム)に対向配置されていて、トナーとキャリアを混合した2成分現像剤を潜像坦持体に付与することにより、この潜像坦持体上に形成された静電潜像を顕像化(現像)する現像手段を具備した現像装置に関する技術として次のようなものが知られている。
【0003】
(1)2成分現像剤を用いた現像装置であって、感光体ドラムの内部に現像剤の撹拌手段を持ち、この撹拌手段と現像器とをパイプで結び、現像剤の循環を行う(実開平1−97355号公報記載の「現像装置」)。
【0004】
(2)現像容器へ現像剤またはキャリアを供給し、同時にこれと同量の現像剤を排出し、現像で消費されたトナーを体積検知手段によって検知してトナーを供給し、簡単に現像容器内の現像剤濃度を常に一定に保つ(特開昭53−22747号公報記載の「現像装置」)。
【0005】
(3)現像剤濃度を体積の変化によって検知する(特開昭50−19459号公報記載の「電子写真現像剤の濃度検知及び濃度調整方法」)。
【0006】
(4)現像部と該現像部に所定現像時間あるいは所定複写量に応じて定量のキャリアを供給する手段と、現像剤中のキャリアとトナーの比率変化を検知して信号を発する検知手段と、該信号によりトナーを現像部に供給する手段と、現像部内の所定量以上の現像剤を排出する手段とを有する(特開昭51−13249号公報記載の「電子写真現像装置」)。
【0007】
(5)トナー及びキャリアを含む追加現像剤を現像装置内の現像剤に供給することにより、現像剤の寿命を引き延ばす(特開平4−353881号公報記載の「現像装置」)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の現像装置では、潜像坦持体としての感光体ドラムに対向して設けられる現像スリーブに現像剤を供給すべく、現像剤を貯溜しておく貯溜部分やトナーを補給するタンクが、該現像スリーブの近傍に、該現像スリーブを収めたユニットとして構成される現像手段と一体的に構成されるため、その構成部分が大型になり、装置構成が複雑になると共に、装置メンテナンス時の操作性が低下する問題があった。
この発明は、上述の点に鑑みてなされたものであって、その目的は、潜像坦持体に対向して構成される現像手段の小型化、構成の簡素化、及び、メンテナンス時の操作性を向上させることのできる現像装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、表面に静電潜像を形成される潜像担持体と、上記静電潜像を顕像化するための現像手段と、トナーとキャリアとを混合してなり上記静電潜像を顕像化するために用いられる粉体の現像剤を空気との混合気によって上記現像手段に移送する現像剤移送手段とを装置本体の内部に具備した画像形成装置において、上記現像剤移送手段は、スクリュー状のローターと、該ローターを包囲するように配設されたゴム材料等の弾性体からなるステイターとを有し、上記現像手段とは異なる箇所に別体で配置されるスクリューポンプユニットを具備し、上記現像手段はその内部の減圧を行う空気抜き孔及び該空気抜き孔を覆うエアーフィルターを有し、上記現像手段と上記現像剤移送手段とを連結する、内部に移送手段を配設しない中空チューブのみからなる屈曲可能な供給管を有し、上記スクリューポンプユニットの現像剤吐出口近傍に現像剤濃度検知部材を設け、上記現像剤濃度検知部材の検知信号に基づいて新たなトナーが補給され、上記現像手段から排出された現像剤と上記新たなトナーとを撹拌する現像剤撹拌ユニットを有することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、さらに上記ポンプユニットは上記現像手段よりも下方に配置可能であることを特徴とする。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図3に、現像手段と、この現像手段とは異なる箇所に別体で配置される現像剤適正化手段との間で、現像剤の移送・循環を行う本発明の現像装置の実施例(請求項1に対応する実施例)の構成を、ブロック図、及び、現像手段の断面図並びに斜視図と共に示す。
【0011】
図1において、現像剤適正化手段1000は、現像剤を適正化する機能を有し、また、現像剤の循環は、現像剤移送・循環手段200により行われる。
現像手段10は、現像剤適正化手段1000により適正化された現像剤を受け入れる入口111aと、現像手段10により現像に用いられた余剰の現像剤を現像剤適正化手段1000に排出するための出口121aを有している。
【0012】
ここで、現像剤としては、トナーとキャリアからなる2成分の現像剤が用いられる。
また、現像剤を適正化するとは、現像剤のトナーとキャリアとの混合比を調整して、現像剤の剤濃度及び剤帯電量を適正化することが含まれる。
また、現像剤に混入した紙粉等の異物は、現像剤の循環過程において、異物除去手段(図示せず)により除去される。
【0013】
本実施例によれば、現像剤を適正化し、また、トナー補給ユニットを設けることのできる現像剤適正化手段を、現像手段と別の位置に設置することができるので、現像手段の構成が非常に簡易となるとともに、その小型化が図れ、複雑な画像形成装置の内部構成が簡素化され、そのレイアウト上の余裕も生じ、メンテナンスの容易化を図れる。
【0014】
図2は、本実施例における現像装置の現像手段の断面を示しており、図2において、符号1は、潜像坦持体をドラム状に構成した感光体ドラムを示している。この潜像坦持体は、上記の感光体ドラム1以外に、感光体をベルト状に構成した感光体ベルトであってもよい。
【0015】
図2において、感光体ドラム1上には、従来公知の電子写真作像工程により、帯電、露光が行われて、静電潜像が形成される。この静電潜像は、公知の乾式2成分現像方式で磁気ブラシ現像方式を採用した現像手段10により供給される現像剤によって可視像化される。
ここで、現像手段10とは、現像剤を感光体ドラム1上に供給する直接の手段である現像スリーブ100の他、現像スリーブ100の周囲に付帯して設けられた現像剤供給部材110、現像剤排出部材120、現像剤層規制部材130、通路手段、及び、これらの諸部材を収容保持するケース150を含むユニットをいう。
【0016】
現像手段10は、図1において、矢印方向に回転する感光体ドラム1の周りであって、光像Pを照射して潜像を形成する露光装置と、該潜像を可視化したトナー像を転写材(転写紙)に転写するための転写チャージャQが設けられた転写位置との間の現像位置に設けられ、現像スリーブ100はその対向近接部分において、感光体ドラム1と同方向に回転される。
【0017】
ここで、感光体ドラム1の紙面垂直方向(軸方向)に亘って画像が形成されるため、現像スリーブ100は、この軸方向の全域に現像剤を供給する必要があり、この感光体ドラム1に合わせて現像スリーブ100の軸方向の寸法が定められている。
よって、前述の現像剤供給部材110及び現像剤排出部材120は、少なくとも現像スリーブ100の軸方向の全域をカバーするように構成されている。
また、現像剤供給部材110、及び、現像剤排出部材120は、共にスクリューを利用した移送手段で構成されており、図示しない駆動手段により現像剤を入口111a、及び、出口121aに送り出すようにそれぞれ回転される。
【0018】
一方、現像剤層規制部材130は、現像スリーブ100上の余剰の現像剤を掻き取って、現像剤の層厚を規制すると共に、掻き取った余剰の現像剤を回収する。
この現像に際しての余剰の現像剤は、現像スリーブ100と共に、その回動方向である矢印の向きに回動され、現像剤層規制部材130により掻き取られた後、通路Rを経て現像剤排出部材120に至る。
【0019】
現像剤の入口111a、及び、出口121aは、図3に示すように、ケース150の側板101にそれぞれ設けられている。
図3において、入口111aは、現像剤適正化手段1000の現像剤吐出口206に対して供給管111により連結されており、出口121aは、現像剤適正化手段1000の現像剤流入口225に対して排出管121により連結されている。
また、図3における符号170は、減圧手段としてのエアーフィルターであり、このエアーフィルター170は、現像剤適正化手段1000から現像剤移送手段によって送られた現像剤と空気との混合気から空気だけを現像手段10外に吐出させる。
【0020】
図1乃至図3に示した構成により、現像剤適正化手段1000から供給管111により現像手段10に移送された現像剤は、更に、現像剤供給部材110により現像スリーブ100と並行に移送され、現像剤ガイド部材140の一部に設けられた切欠きにより現像スリーブ100の全面に送られる。
そして、この現像剤は、現像剤層規制部材130により最適な現像層厚に成形され、現像に供される。また、現像剤層規制部材130により掻き取られた余剰の現像剤は、前述したように、通路Rを通り、現像剤排出部材120に導かれ、出口121a及び排出管121を経て、現像剤適正化手段1000に送り出される。
【0021】
次に、現像剤適正化手段1000、及び、現像剤移送・循環手段200としてのポンプ等の具体例について、図4を参照して説明する。
図4において、符号220は現像剤撹拌ユニットを示しており、この現像剤撹拌ユニット220は、下部が筒状に形成され上部がロート状に形成された剤収納容器223と、この剤収納容器223内にて駆動モータ222により回転される撹拌スクリュー221とにより構成される。
ここで、撹拌スクリュー221は、現像剤を上方に送るように、その巻き方向と駆動モータ222の回転方向が設定されており、これにより、現像剤中のトナー濃度の均一化、及び、現像剤を上方に送り重力で下方に落ちるものとのずれ力を利用することによる効果的なトナー帯電量の適正化、並びに、ポンプに入る前の現像剤の流動化を促進させることができる。
【0022】
剤収納容器223の上部には、トナー補給ユニット230の出口及び現像剤流入口225が開口している。
トナー補給ユニット230は、上部の蓋230aを開けることにより新しいトナー231を適宜供給できるようになっており、その下部には、この下部を塞ぐようにしてトナー供給部材232が設けられている。
このトナー供給部材232は、回転駆動される円柱状部分の周面に、回転軸線方向に沿って多数の切欠きが形成されており、この切欠きに入ったトナーを、その回転により剤収納容器223内に供給する機能を有している。
【0023】
一方、現像剤適正化手段1000の下部には現像剤吐出口206が位置し、この現像剤吐出口206の近傍の現像剤通路270の途中には現像剤濃度検知部材240が設けられており、この現像剤濃度検知部材240の検知信号に基づいて発せられる、図示しない従来公知の現像剤濃度検知制御回路からのトナー補給信号により、トナー補給部材232が回転して、トナー補給ユニット230内のトナーが剤収納容器223内に補給される。
【0024】
このように、現像手段10からの排出現像剤に、トナー補給ユニット230から制御されつつ補給される新規トナーが加えられ、現像剤撹拌ユニット220において、現像剤の濃度及び帯電量が現像に最適の条件を具備するように、現像剤の適正化処理が行われる。
また、上述のようにして適正化処理の行われた現像剤は、現像剤撹拌ユニット220の下部に位置する現像剤移送・循環手段(粉体ポンプユニット)200に送られる。
【0025】
本実施例における粉体ポンプユニット200は、通称モーノポンプ(従来公知)と呼ばれているスクリューポンプを以って構成され、現像剤を下向きに送るように縦型に配置されている。
この粉体ポンプユニット200は、前述の駆動モータ222と撹拌スクリュー221を介して連結されたローター201と、このローター201を包囲するように配設されたゴム材料等の弾性体からなるステーター202と、このステーター202を保持する上ポンプホルダー203u、及び、下ポンプホルダー203d等を具備している。
【0026】
ここで、上ポンプホルダー203uは、粉体ポンプユニット200と現像剤撹拌ユニット220とを連結するための連結部材としての機能も有している。
また、ステーター202の側面と下ポンプホルダー203dの内部側面との間には、1mm程度の隙間が設けてあり、この隙間は現像剤通路270に連通している。そして、この隙間から現像剤通路270に吹き込むように、下ポンプホルダー203dの、ステーター202の下端から上側に5mm程の位置に、空気供給口205が設けられている。
この空気供給口205の外側は、駆動モータ222により回転されるファン207を収容するファンケースの一部に設けられた空気吐出口208と、管を介して連通している。
【0027】
図4において、駆動モータ222が回転すると、ファン207は、外部より空気を吸入し、空気供給口205を通して、現像剤通路270内の現像剤に、毎分1〜3リットル程度の送風量で空気を吹き込む。
これにより、スクリューポンプから出る現像剤の流動化が促進され、前述の撹拌スクリュー221の回転と合わせて、このスクリューポンプでの現像剤の移送がより確実なものとなる。
【0028】
この現像剤に吹き込まれた供給空気は、現像剤の移送に寄与した後、現像手段10に設けられたエアーフィルター170を通して外部に放出される。
また、本実施例では、現像剤に空気を供給する手段として、図4に示すように、駆動モータ222と同軸に取り付けられたファン207の回転を利用しているが、このエアー供給手段としては、駆動モータ222と別体に設けたエアポンプを用いてもよいことは言うまでもない。
【0029】
上述のようにして粉体ポンプユニット200を通過した現像剤は、現像剤濃度検知部材240により、その剤濃度が検知された後、現像剤吐出口206より排出され、供給管111を介して現像手段10に送られる。
【0030】
ところで、本実施例では、図2に示したように、現像剤適正化手段1000を現像手段10の下方に位置させているので、現像剤適正化手段1000から現像手段10への現像剤の移送にはポンプの力を必要とするが、現像手段10から現像剤適正化手段1000への現像剤の移送は、ポンプ等の移送手段を必要とせずに、現像剤の重力により行われる。
なお、これらの現像手段10と現像剤適正化手段1000との位置関係が上記の実施例と逆になる場合、及び、それらが略同じ高さに配置される場合等には、現像剤の移送力を得るべく、その現像剤の循環経路中に適宜ポンプを配備する。
【0031】
また、現像手段10と現像剤適正化手段1000との間、例えば、排出管121の途中、あるいは、供給管111の途中に、現像剤に混入した異物(例えば紙粉等)を除去するための異物除去手段を設けることは、現像剤の現像品質を向上させる上で効果的である。この異物除去手段としては、フィルター、静電吸着装置、遠心分離装置等の手段を適宜選択して採用する。
【0032】
本実施例で使用しているモーノポンプと称される公知のスクリューポンプは、回転容積式で、圧送式移送によるものであり、高い定量性と、連続移送の高精度コントロールが可能である。
また、このスクリューポンプでは、粉体の流動化と移送ライン全長に均一の流動状態を保持するために少量の空気を使用する。
【0033】
このスクリューポンプは、小径の配管で済み、且つ、移送管の摩耗のトラブルもなく、また、騒音も少なく、その構造が簡易であり、経済性、信頼性、メンテナンス性に優れる等の特徴を有している。
【0034】
なお、従来の粉体の移送手段(ここでは、現像剤・トナーの搬送手段)としては、搬送経路全体にスクリューを通して粉体を移送する構成のものが殆どで、他にエアーの力のみによって粉体を移送するものもあるが、本実施例のように、スクリューポンプとエアーを組み合わせた移送手段(モーノポンプ)を採用したものは知られていない。
【0035】
従って、本実施例によれば、
(1)現像剤の搬送経路としては、従来例では搬送経路内にスクリュー等の移送手段を配設する必要があるが、本実施例では何等の移送手段も必要なく、単なるチューブのみでよいので、その経路を自由に設定でき、且つ、この経路を小径の管で構成することができる。
(2)エアーを使用することにより、現像剤(トナー・キャリア)を簡易な手段により汲み上げる(上方に持ち上げる)ことができる。
(3)スクリューポンプとエアーを組み合わせることにより、エアーのみで現像剤を移送した場合に比べ、エアーの供給量が微量で済むので、エアーポンプの小型化を図ることができると共に、エアー供給に伴うトナー飛散やエアー抜き構造の複雑化等を回避できる。
(4)回転容積式であるので、通常のスクリューに比べ、現像剤に与えるハザードが少ない上、その移送量の精度も向上される。
などの種々の利点がある。
【0036】
ところで、現像装置において、長期の使用により現像剤のキャリアが劣化した場合には、この現像剤を現像装置から全部抜き取る必要があるが、このような場合、本実施例では、各ユニットの現像剤を空にすべく、現像剤適正化手段1000より排出管121を外して、この排出管121の先を回収容器に接続し、駆動モータ222を駆動する。
これにより、劣化したキャリアを含む現像剤は、全て上記の回収容器内に回収される。
なお、上記の回収容器に収容された現像剤は、破棄もしくは再利用等、適切に措置することができる。
【0037】
また、上述の回収容器に現像剤を収容する作業を、現像装置の諸部材の交換・修理等のメンテナンスに際しても行えば、現像装置の諸部材に現像剤が残留していないので、メンテナンス作業時における現像剤の飛散が解消され、メンテナンス時における作業性が向上される。
すなわち、上述のようにして現像剤の回収を行うことにより、従来より行われてきた現像剤の回収作業、すなわち、現像装置全体を機械本体より外し、更に現像装置を解体して手作業により現像剤の回収を行う作業に比べ、その作業効率を大幅に向上させることができると共に、この作業時におけるトナー飛散、及び、手や着衣等の汚染を防止できる。
【0038】
更に、本実施例の現像剤適正化手段1000によれば、現像剤の収納容量は、現像剤収納容器223の容量により決まるので、この現像剤収納容器223を大型化することにより、現像剤疲労等に伴う現像剤の交換間隔を非常に長くすることが可能となる。
【0039】
また、本実施例の現像剤適正化手段1000は、現像手段10とは別体のユニットで構成され、且つ、現像手段10に対して供給管111及び排出管121で連結されているだけであるので、その設置場所の制約が少なくなり、経済的な現像剤収容量の確保や、現像剤交換の操作性、組み付け及び調整等の生産性に対しても優れている。
【0040】
また、本実施例によれば、上述のように、レイアウト上の自由度が拡大されるので、トナー補給ユニット230についても、それをユーザーのトナー補給操作が行い易い位置に配置することができ、現像剤適正化手段1000と同様の利点を得ることができる。
【0041】
また、このトナー補給ユニット230として、従来より使用されている着脱可能なトナーカートリッジ方式を用いることにより、そのトナー補給の操作性を一層向上させることができる。
この場合、本実施例によれば、トナーカートリッジの形状は、現像手段10には依存しないので、そのトナー補給の操作性をより向上させ得ると共に、他機種との標準化も容易に可能となり、結果的に、生産性の更なる向上と、大幅な経済効果によるコストダウンが可能となる。
【0042】
ところで、通常、モーノポンプで粉体を移送するときには、ポンプの入口近傍、すなわち、図4における上ポンプホルダー203u上にも空気を供給することにより、ポンプに進入する粉体の流動性を上げて、粉体の移送をより確実にしている。
これに対し、本実施例では、前述したように、撹拌スクリュー221が粉体に流動性を与える手段を兼ねているので、上述のようなポンプ入口部への空気供給が不要となり、その空気供給装置の小型化及びコストダウン、また、図3に示したエアフィルター170等の減圧手段の小型化、更には、現像手段本体の小型化が可能となる。
【0043】
次に、本発明の他の実施例(請求項2に対応する実施例)について説明する。
本実施例における基本的な構成及び現像手段は、図1乃至図3に示した前記実施例のそれと同様であるが、その現像剤適正化手段が、前記実施例と異なった構成を有している。
すなわち、本実施例においては、図4に示した前記実施例の現像剤適正化手段1000が縦型であるのに対して、本実施例の現像剤適正化手段2000が、図5に示すように、全体が傾斜するように配置されている。
従って、本実施例における諸部材の主な構成及び機能等は、前記実施例のそれと殆ど同じであるので、その基本構成及び現像手段と合わせ、それらの説明は省略する。
【0044】
本実施例のように、現像剤適正化手段2000を傾斜させて配置することによって、この現像剤適正化手段2000の上下方向の寸法(高さ)を小さくすることができる。
特に、現像手段10の下方に現像剤適正化手段を位置させた場合、前記実施例のような縦型の現像剤適正化手段1000の場合では、図4に示したように、その供給管111をU字型に180度曲げて上方に向かせるため、この供給管111の折曲部のスペースを大きく取る必要があるが、本実施例のように現像剤適正化手段2000を傾斜させて配置した場合には、図5に示すように、その供給管111を折曲させるために必要なスペースを比較的小さくできる。
【0045】
しかしながら、本実施例では、現像剤適正化手段2000の傾斜角度が水平に近づく程、現像剤撹拌ユニット220内の現像剤が重力によりスクリューポンプ入口に入り込めなくなるため、その撹拌スクリュー221の送り方向を、現像剤をスクリューポンプ入口に移送させる方向に設定せざるを得なくなる。
このため、このように撹拌スクリュー221の送り方向を現像剤の移送方向に設定した場合には、現像剤の流動性が低下するため、この部分にも空気を供給して現像剤の流動性を高める必要があり、このエアー供給手段を設けることにより装置の大型化を招くことになる。
従って、本実施例のように現像剤適正化手段2000を傾斜させて配置した場合には、少なくとも現像剤撹拌ユニット220内に、現像剤が重力で滑り落ちるのに必要な角度を持った斜面を確保する必要がある。
【0046】
図6及び図7に、上記の各実施例における現像剤適正化手段の一部及び現像剤移送用のポンプの他の構成(請求項3に対応する構成)を示す。
本構成の現像剤適正化手段は、駆動モータ222と現像剤撹拌スクリュー221、及び、現像剤撹拌スクリュー221とスクリューポンプ(粉体ポンプユニット200)のローター201が、ユニバーサルジョイント300a,300bにより、それぞれ屈曲可能に連結されている。
ここで、図6は縦型の現像剤適正化手段1000に本構成を適用した例を、図7は傾斜型の現像剤適正化手段2000に本構成を適用した例をそれぞれ示している。
【0047】
図6及び図7において、ユニバーサルジョイント300a,300bは、静止状態では、紙面に対して垂直で鉛直方向の平面上及び紙面上の2方向に屈曲可能となっている。
従って、この構成の現像剤適正化手段1000,2000によれば、そのスクリューポンプ(モーノポンプ)のローター201の偏心運動が与える駆動モータ222への影響を小さくして、駆動モータ222の負荷及び負荷変動を低減させることができる。
また、この構成の現像剤適正化手段2000によれば、図7に示すように、そのスクリューポンプの角度を、現像剤撹拌ユニット220より更に水平方向に傾斜させることができ、このポンプの上下の寸法を更に小さくしたいとき等に有効となる。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、請求項1では、潜像坦持体に対向して構成される現像手段の小型化及び構成の簡素化を図ることができると共に、メンテナンス時の操作性を向上させることができる。
【0049】
請求項2では、請求項1記載の効果に加え、現像剤適正化手段のレイアウト上の自由度を拡大させることができる。
【0050】
請求項3では、請求項1及び請求項2記載の効果に加え、スクリューポンプの偏心運動を吸収することができ、装置の振動や騒音及び駆動負荷を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像装置を説明するためのブロック図である。
【図2】本発明の現像装置の現像手段を含む概略断面図である。
【図3】本発明の現像装置の現像手段を含む概略斜視図である。
【図4】本発明の現像装置における縦型の現像剤適正化手段及び現像剤移送用のポンプを説明するための断面図である。
【図5】本発明の現像装置における傾斜型の現像剤適正化手段及び現像剤移送用のポンプを説明するための断面図である。
【図6】本発明の現像装置における縦型の現像剤適正化手段の一部及び現像剤移送用のポンプを示す断面図である。
【図7】本発明の現像装置における傾斜型の現像剤適正化手段の一部及び現像剤移送用のポンプを示す断面図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(潜像坦持体)
10 現像手段
110 現像剤供給部材
111 供給管
111a 供給管の入口
120 現像剤排出部材
121 排出管
121a 排出管の出口
170 エアーフィルター
200 現像剤移送・循環手段(粉体ポンプユニット)
201 ローター
202 ステーター
205 空気供給口
206 現像剤吐出口
207 ファン
220 現像剤撹拌ユニット
221 撹拌スクリュー
222 駆動モータ
223 剤収納容器
225 現像剤流入口
230 トナー補給ユニット
230a トナー補給ユニットの蓋
232 トナー補給部材
240 現像剤濃度検知部材
270 現像剤通路
300a,300b ユニバーサルジョイント

Claims (2)

  1. 表面に静電潜像を形成される潜像担持体と、上記静電潜像を顕像化するための現像手段と、トナーとキャリアとを混合してなり上記静電潜像を顕像化するために用いられる粉体の現像剤を空気との混合気によって上記現像手段に移送する現像剤移送手段とを装置本体の内部に具備した画像形成装置において、
    上記現像剤移送手段は、スクリュー状のローターと、該ローターを包囲するように配設されたゴム材料等の弾性体からなるステイターとを有し、上記現像手段とは異なる箇所に別体で配置されるスクリューポンプユニットを具備し、
    上記現像手段はその内部の減圧を行う空気抜き孔及び該空気抜き孔を覆うエアーフィルターを有し、
    上記現像手段と上記現像剤移送手段とを連結する、内部に移送手段を配設しない中空チューブのみからなる屈曲可能な供給管を有し、
    上記スクリューポンプユニットの現像剤吐出口近傍に現像剤濃度検知部材を設け、上記現像剤濃度検知部材の検知信号に基づいて新たなトナーが補給され、上記現像手段から排出された現像剤と上記新たなトナーとを撹拌する現像剤撹拌ユニットを有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 上記ポンプユニットは上記現像手段よりも下方に配置可能であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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