JP4035686B2 - 車両側部構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の側面衝突に対してその荷重を車体に分散可能な車両側部構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の側面は、4ドア車の場合、一例として図6に示すように、車両前部のフェンダー1にフロントピラー2が接合され、かつ、フロントドア3を回動自在に支持している。また、センターピラー4とその下部においてリアドア5を回動自在に支持し、リアドア5に面一にリアクオータ6が形成されている。
このような車両において、車両の側面を外力に対し車室内への影響を防ぐようにされているものがある。例えば、車両の衝突時の荷重に対して、ドアアウターパネルに連続して装飾を兼ねるビームを略水平に設けることが成され、ドアアウターパネルを強化することが提案されている(特開平5−301522号公報)。
【0003】
また、車両の側面衝突時のドアの車室内への侵入を防ぐため、側方からの外力に対して剛性を持つように、ドアアウターパネルとドアインナーパネルとの間に車体前後方向にパイプ状ドアビームを取付けたものがある(特開平9−86178号公報)。
この場合、図7に示すリアドア5において、ドアインナーパネル7の外側、すなわち、ドアアウターパネル8とドアインナーパネル7との間にはパイプ状のドアビーム9が車体前後方向に取付けられ、ドアの剛性を支持している。詳細には、ドアビーム9の前端部は、ドアインナーパネル7の前部中央に前部取付ブラケット10によって固定され、ドアビーム9の後端部はドアインナーパネル7の外方に曲げたフランジ箇所7aに後部取付ブラケット11によって固定されている。また、サッシュ12は連続する下部のリンフォース13によってドアインナーパネル7に接合されている。
【0004】
このように構成した車両の側面衝突時に発生する車体側面に加わる荷重は、まず、ドアアウターパネル8からドア内のドアビーム9及びリンフォース13、ピラー(2,4)、リアクオータ6、そしてルーフ及びフロアに伝わる。つまり、側面衝突時の車体側面に加わる荷重を、ドア内に設置されたドアビーム9等の構造により車体全体に分散し、車体変形を抑制している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車両の側面衝突時に、リアドア5内に設置されたドアビーム9後端に荷重が集中した場合、ドアビーム9を固定した後部取付ブラケット11がドアインナーパネル7の一部にのみ接触していることにより、局所的にドアが変形してしまうため、車体への荷重伝達が不充分になる。なお、局所的変形とはドアビーム9後端が車室側に押し込まれた状態を指す。また、押し込まれる車体側のこの部分の構造は、丁度リアタイヤハウス付近になるため、ドアビーム9の室内側への侵入を防ぐほど強い構造にはなっていない。
【0006】
一方、図8に示すように、リアドア5のドアビーム9後端を下げた位置で固定することで、側面衝突時の荷重をリアフロアに伝えることができる。しかしながら、図中の点線部エリアで横方向の剛性が確保できなくなるため、側面衝突時の横方向の衝撃に対する車体剛性が低下する。このため、リアドア5に受けた荷重を車体構造に効率的に伝達し、局所的な変形を防ぐには、ドアビーム9後端の取付部の局所的な変形を最小限に抑えることが望まれている。
【0007】
そこで、本発明は、ドアビーム後端の取付部を強化した車両側部構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、請求項1の発明は、センターピラーに回動自在に支持されたリアドアのドアアウターパネルとドアインナーパネルとの間で、車体前後方向に配設するドアビームの後端部を、上記ドアインナーパネルの外方に曲げたフランジ箇所に取付ブラケットを介して取付けた車両側部構造において、
板面を後方に向けて固着される上記取付ブラケットと上記ドアインナーパネルのフランジ箇所との間に補強部材を重ねて設け、
上記補強部材は、上記取付ブラケットよりも長尺の板部材であり、タイヤハウスに沿って湾曲形成された上記ドアインナーパネルのフランジ箇所に沿った形状をしており、車体外方向の縁側に下方に延びる規制面を備え、
上記補強部材の下端は、フロアのサイドメンバーとオーバーラップする位置まで延長されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は請求項1の発明において、上記サイドメンバーの上記補強部材の下端とオーバーラップする位置には、車体の左右方向に延びるクロスメンバーが配設されていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図5に示すように、リアドア5のドアビーム9後端の取付ブラケット11の形状は従来型のものを利用し、この取付ブラケット11とドアインナーパネル7のフランジ箇所7aの間に組み込む補強部材14は、図3および図5(a),(b),(c)に示すように、車体外方向(x)の縁側に規制面14aを備え湾曲した長尺の板部材であり、車体前後方向(y)の前部しかも車体上下方向(z)の下部はサイドメンバ15とオーバーラップするように延長され、後上部はリアクオータ(タイヤハウス)6をカバーするように延長されドアインナーパネル7のフランジ箇所7aに沿った形状をしており、取付ブラケット11よりも大きい外形形状に形成されている。
なお、ドアビーム9後端の取付ブラケット11は、図3に示すように、ドアインナーパネル7のフランジ箇所7aに沿った形状およびドアビーム9後端の受け部11aが形成されている。
【0011】
換言すれば、補強部材14の下端はリアフロア構造の剛性が高い部分まで十分届く長さとし、板厚は側面衝突時の荷重伝達時に局所変形を起こさない厚さに設定している。リアフロア構造の剛性が高い部分とは、リアフロア下を車体前後方向に延びるサイドメンバー15及び車体の左右方向に延びるクロスメンバー16等が集中している部分であり、通常、リアクオータ(タイヤハウス)6の構造的に弱い部分に対し、フロア近くは比較的横方向の剛性が高くなっている。
【0012】
このように構成したリアドア5を備えた車両では、側面衝突時にドア側面(ドアアウタパネル8)に受けた荷重は、ドアビーム9を介し車体構造に伝達される。すなわち、リアドア5のドアビーム9後端の取付ブラケット11に大型の補強部材14を併設することで、この部分の局所的変形を防ぎ、補強部材14の下部がサイドメンバー15と協働し荷重を車体リアフロアの剛性が高い部分に効果的に伝達できる。つまり、ドアビーム9の取付ブラケット11がドアインナーパネル7に接触している部分の局所的変形を防ぎドアビーム9の役割を最大限に引き出し、側面衝突時の車体変形を抑制する働きを持っている。
また、ドア自身の固有値を変える効果があり、共振現象を防ぐ。
【0013】
この別部品である補強部材14を組付けた構成においては、補強部材14の板厚を変えることにより剛性を適宜アップすることができる。また、補強部材14をインナーパネル7に対して固定するには、上記のようにベタ付けする方法のほか、インナーパネル7に対し補強部材14との間にクリアランスを設け、例えば断面矩形構造とし、強度を向上させる方法もある。
このほか、ドアビーム9後端の取付ブラケット11そのものを大型化する場合は、取付部付近の剛性が変わらないので、局所的変形を防ぐためそれなりに板厚を上げることで、強度的には同等の効果が得られる。
【0014】
【発明の効果】
本発明は以上述べた通りであり、請求項1に記載の発明では、ドアインナーパネルの外方に曲げたフランジ箇所に、サイドメンバーにオーバーラップするブラケットが設けられ、これにドアビームの後端部が接合されるので、ブラケットにより車両の側面衝突時のリアドアの局所的変形を抑制することができ、また、荷重をリヤフロアに伝達し分散することができる。また、ドア自身の固有値をずらし、共振現象を防ぐことができる。また、ブラケットはドアビームの取付ブラケットと補強部材とからなり、取付ブラケットに掛る外力は補強部材により車体側の高剛性部に伝達され、外力が分散される。これにより、車室内を保護することが可能になる。請求項2に記載の発明は、ブラケットはドアビームの取付ブラケットと補強部材とからなり、取付ブラケットに掛る外力は補強部材により車体のクロスメンバーに伝達され、外力が分散される。これにより、車室内を保護することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の形態のリアドアのドアインナーパネルの側面図である。
【図2】図1のリアドアの車室内から見た模式図である。
【図3】図1のドアインナーパネルに付設する補強部材を示す展開図である。
【図4】図1のドアインナーパネルにドアビームを装着した模式図である。
【図5】本発明による実施の形態の補強部材の上面(a),前面(b),側面(c)から見た形状を示す図である。
【図6】従来の車両の側面を示す図である。
【図7】従来の車両のリアドアのドアインナーパネルの側面図ある。
【図8】図7のドアインナーパネルのドアビームの説明図である。
【符号の説明】
7 ドアインナーパネル
7a フランジ箇所
9ドアビーム
11 ブラケット
14 補強部材
15 サイドメンバー
16 クロスメンバー
Claims (2)
- センターピラーに回動自在に支持されたリアドアのドアアウターパネルとドアインナーパネルとの間で、車体前後方向に配設するドアビームの後端部を、上記ドアインナーパネルの外方に曲げたフランジ箇所に取付ブラケットを介して取付けた車両側部構造において、
板面を後方に向けて固着される上記取付ブラケットと上記ドアインナーパネルのフランジ箇所との間に補強部材を重ねて設け、
上記補強部材は、上記取付ブラケットよりも長尺の板部材であり、タイヤハウスに沿って湾曲形成された上記ドアインナーパネルのフランジ箇所に沿った形状をしており、車体外方向の縁側に下方に延びる規制面を備え、
上記補強部材の下端は、フロアのサイドメンバーとオーバーラップする位置まで延長されていることを特徴とする車両側部構造。 - 上記サイドメンバーの上記補強部材の下端とオーバーラップする位置には、車体の左右方向に延びるクロスメンバーが配設されていることを特徴とする請求項1記載の車両側部構造。
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