JP4357052B2 - 自動車のフロントドア構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のドア構造に関し、特に車体のドア開口部を開閉するフロントドアのドア本体内にサイドドアインパクトビームが配設された自動車のフロントドア構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、自動車のフロントドアにおいて、乗員の安全性を確保する目的で、ドア本体内に補強用のサイドドアインパクトビームを配設したものがある。
【0003】
自動車のドアは、ドア本体の強度を保つインナパネルとアウタパネルとを主要構成部材とし、インナパネルとアウタパネルとの間に、ドアロック機構やウインドレギュレータ等が配設されている。サイドドアインパクトビームは、インナパネルとアウタパネルとの間に介装されて略前後方向に沿って配設され、ドア側方から衝撃荷重を受けた際に、ドアが変形して車室内へ侵入するのを防止する強度部材として機能する。
【0004】
サイドドアインパクトビームを備えた車両用ドアとしては、例えば図6に示すように、ヒンジ101及び102によって車体に開閉自在に設けられたドア本体103内に上側ビーム104と下側ビーム105を平行に配置し、上側ビーム104は、前端及び後端を各々リンフォース106及び107を介してドア103に固定し、下側ビーム105をリンフォース108及び109を介してドア103に固設したものがある。
【0005】
また、特開平6−255365号公報に開示され、かつ図7に示すようにドア本体111の前部に、ヒンジ(図示せず)をすると共に、下端部112aがドア開口部116の下隅部116aに達する縦ビーム112を配設し、この縦ビーム112の上部と下部に各々前上がりに傾斜して延在する上側ビーム113及び前下がりに傾斜して延在する下側ビーム114の各前端を固定し、上側ビーム113及び下側ビーム114の各後端をロック装置を囲むブラケット115と略同じ位置に固定されている。
【0006】
更に、特開平9−86178号公報に開示され、かつ図8にドア開口部121の下部に断面コ字形のリインフォースメント122を配設し、ドア本体123に設けられたサイドドアインパクトビーム124の後端部の中心線124aがリンフォース122より低い位置に位置するように配置せしめたものが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記図6に示す自動車のフロントドアにあっては、ドア本体103内に上側ビーム104及び下側ビーム105を前後方向に平行配置することによって、また、特開平6−255365号公報にあっては上側ビーム113及び下側ビーム114の各前端が固定されている縦ビーム112の下端部112aをドア開口部116の下隅部116aに達するように構成することにより、更に、特開平9−86178号公報においては、ドア本体123に側方から衝撃荷重が作用した際に、サイドドアインパクトビーム124の後端部がリインフォースメント122の下部に係合するように構成することにより、各々外側からの衝撃荷重によってドア本体103、111、123が大きく変形して車室内に侵入するのを抑制することによって、乗員への影響が回避乃至軽減される。
【0008】
しかし、上記各ドアは、他車との接触によって比較的側方からの衝撃荷重が作用することが多いドア本体の下部範囲の車室内侵入を抑制することに重点がおかれ、サイドドアインパクトビームが比較的低位置に配設されることから、乗員の身体のうちでも特に手厚い保護が必要である上半身、特に胸部の保護が充分に達成し得ないことが懸念される。
【0009】
この対策として、シートに着座した乗員の胸部等の上半身の保護を充分に行うために、サイドインパクトビームの直径を大きくしたり、リインフォースメントの肉厚を厚くすると、各部の重量が増加して車体重量の増大を招くことになる。従って、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、重量増加を招くことなく、乗員の上半身を積極的に保護し得る自動車のフロントドア構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に記載の自動車のフロントドア構造の発明は、前端側に車幅方向に延在するステアリングサポートビームの端部が位置し、後端側にドアラッチが配設された車体のドア開口部を開閉するドア本体内にサイドドアインパクトビームが配設された自動車のフロントドア構造において、上記サイドドアインパクトビームは、前後方向に延在する上側ビームと、前後方向に延在する下側ビームと、上記ドア本体が閉鎖状態において側面視で上記ステアリングサポートビームの端部位置と重合すると共に、上記上側ビームの前端と上記下側ビームの前端とが連結する前側リンフォースと、上記ドア本体が閉鎖状態において側面視で上記ドアラッチと重合すると共に、上端がドアラッチより上方において上記上側ビームの後端と連結し、かつ下端が上記下側ビームの後端と連結する後側リンフォースとを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項1の発明によると、閉鎖状態のドア本体に対して、例えば他の自動車等によって側方から大きな衝撃荷重が作用する際、この衝撃荷重は他の自動車のバンパによって付与される場合が多く、このバンパの高さは、一般に、ステアリングサポートビームやドアラッチよりも低い位置に設けられる。従って、側方からの衝撃荷重は、主にステアリングサポートビームの端部とドアラッチとを結ぶ回転軸よりも下方に位置する下側ビームに作用し、衝撃荷重によって下側ビームが車室内方に押し入れられると、ステアリングサポートビームの端部とドアラッチとを結ぶ回転軸を中心として枠状のサイドドアインパクトビーム全体が回転し、上側ビーム及び後側リンフォースの上部が外方に押し出され、ドア本体の後端上部が外方に押しだされ、ドア本体の上部を押し出す。この結果シートに着座した乗員の胸部等の上半身とドア本体との接触が回避乃至影響が軽減されて乗員が保護される。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1の自動車のフロントドア構造において、上記下側ビームは、上記前端がステアリングサポートビームの端部近傍で上記前側リンフォースに結合され、後端が前端よりも低位置に配置された後下がり状に傾斜して延在したことを特徴とする。
【0014】
請求項2の発明によると、下側サイドインパクトビームが後下がりに傾斜して前後方向に延在することから、高さが異なる場合であっても下側サイドインインパクトビームに有効に作用し、シートに着座した乗員を広範囲で保護することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項2の自動車のフロントドア構造において、上記下側ビームは、側面視上記後端が上記ドア開口部の後端側の下部近傍に位置したことを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明によると、側方から衝撃荷重を受けた際、ドア開口部の後端側の下部近傍に位置する部分、即ち高強度が確保されるサイドシルとセンタピラーとの結合部近傍によって、下側ビームの後端が受け止めら、ドア本体の車室内侵入を有効的に抑制できる。
【0017】
請求項に記載の発明は、請求項2または3の自動車のフロントドア構造において、上記前側リンフォースが上下方向に短く形成されて、上記上側ビームの前端と上記下側ビームの前端とが上記前側リンフォースの略同位置に結合されたことを特徴とする。
【0018】
請求項の発明によると、サイドドアインパクトビームを略三角形状に形成するので、サイドドアインパクトビーム自体の剛性強度が容易に確保できる。従って、衝撃荷重がサイドドアインパクトビームに作用したときに、上側ビームが確実に外側に押し出されて安全性がより確実に確保される。
【0019】
請求項に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項の自動車のフロントドア構造において、上記後側リンフォースは、上下方向に延在する上側リンフォースと上下方向に延在する下側リンフォースとを連結して形成されたことを特徴とする。
【0020】
請求項の発明によると、後側リンフォースが、上側リンフォースと下側リンフォースとを接続して構成されるので、上側ビーム及び下側ビーム等の位置精度を高めることができる。
【0021】
請求項に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項の自動車のフロントドア構造において、上記後側リンフォースの後端側は、側面視上記車体のセンタピラーに重合されたことを特徴とする。
【0022】
請求項の発明によると、ドア本体に対して側方からの衝撃荷重が下側ビームを介して後側リンフォースに作用した際に、車体のセンタピラーによって確実に受け止めることができる。
【0023】
請求項に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項の自動車のフロントドア構造において、上記下側ビームの後端は、側面視上記車体のセンタピラーに重合されたことを特徴とする。
【0024】
請求項の発明によると、ドア本体に対して側方からの衝撃荷重が下側ビームに作用した際に、車体のセンタピラーによって確実に受け止めることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による自動車のフロントドア構造の実施の形態を図1乃至図5によって説明する。なお、図中矢印Fは車体前方方向を示している。
図1は、フロントドアDとシートに着座した乗員Mとの位置関係を示す側面図であり、図2はフロントドアDの側面図、図3はフロントドアDの前端近傍の縦断面図である。
【0026】
フロントドアDは、自動車の車体1のドア開口部2の前端側2aの近傍において車体1との間に架設された上下2個のヒンジ3(図2参照)によって揺動自在に支持され、ドア開口部2を開閉する。
【0027】
一方、ドア開口部2の前端側2aにステアリングサポートビーム4の端部4aが位置している。
【0028】
ここで、図4及び図5によってステアリングサポートビーム4について簡単に説明する。図4は、ステアリングサポートビーム4を車室内から見た図であり、また、図5は、図4のI−I線断面図である。ステアリングサポートビーム4は、ステアリングホイール5aを支持するステアリングシャフト5を支持すべく、運転席の前部において車幅方向に延在するパイプ状部材であって、両端部4aが各々左右のドア開口部2の前端側2a、即ち左右のフロントピラーに結合された極めて剛性強度に優れた部材である。
【0029】
また、ドア開口部2の後端部2b近傍、即ち車体1のセンタピラー6にドアラッチ7が配設されている。ドアラッチ7は、ドア本体10の上下方向の長さLの略半分の高さ位置に配設され、この高さはステアリングサポートビーム4の端部4aの高さより若干低い位置に設定されている。
【0030】
フロントドアDは、図2及び図3に示すように、ドア本体10と、このドア本体10の内側に配設された補強用のサイドドアインパクトビーム20とを備えている。フロントドアDは、その他に、ウインドガラス30、ドアロック機構やウインドレギュレータ(図示せず)を備えているが、これらは、本発明に直接的な関係がないので、これらについての説明は省略する。
【0031】
ドア本体10は、インナパネル11とアウタパネル12とを有し、インナパネル11及びアウタパネル12は、対向配置されて互いにクリンチング等によって結合されると共に、インナパネル11とアウタパネル12との間に空間Sが形成される。
【0032】
サイドドアインパクトビーム20は、ドア本体10内に配設されている。サイドドアインパクトビーム20は、上側ビーム21と、下側ビーム22と、前側リンフォース23と、後側リンフォース24とを連結して枠状に形成され、更に、後側リンフォース24は、上側リンフォース25と下側リンフォース26とを接続して形成されている。
【0033】
上側ビーム21は、パイプ状の部材を略水平に前後方向に延在して配置され、前端21aが前側リンフォース23に溶接等によって連結され、後端21bが後側リンフォース24の上側リンフォース25の上端25aに溶接等によって連結されている。
【0034】
下側ビーム22は、パイプ状の部材を略前後方向に沿って、後端22bが前端22aよりも低い位置に配置されて全体として後下がりに傾斜して延在し、前端22aが前側リンフォース23に溶接等によって連結され、後端22bが後側リンフォース24の下側リンフォース26の下端26ba溶接等によって連結されている。
【0035】
前側リンフォース23は、後側リンフォース24と比較して、上下方向の長さが短く設定された板状の部材によって形成され、前側リンフォース23は、ドア本体10の前端部10aの上部に配置され、上側ビーム21及び下側ビーム22の各々の前端21a、22aが接近して略同位置に溶接等により結合されている。
【0036】
後側リンフォース24は、上下方向に延在する長板状の上側リンフォース25と、同じく上下方向に延在する長板状の下側リンフォース26bを、上側リンフォース25の下端25bと下側リンフォース26の上端26aと連結することによって、ドア本体10の上下方向長さよりも少し短い長さに形成されている。後側リンフォース24は、ドア本体10の後端部10bにおいて略上下方向に配置され、上側リンフォース25の上端25aは、ドア本体10の後端部10bの上部に位置し、また、下側リンフォース26の下端26bは、ドア本体10の後端部10bの下部に位置する。
【0037】
従って、上側リンフォースの25の上端25aに連結された上側ビーム21の後端21bは、ドア本体10の後端部10bの上部に位置し、また、下側リンフォース26の下端26aに連結された下側ビーム22の後端22bは、ドア本体10の後端部10bの下部に位置し、サイドドアインパクトビーム20は、上側ビーム21、下側ビーム22、前側リンフォース23、後側リンフォース24によって、略三角形状に形成されている。
【0038】
フロントドアDがドア開口部2を閉鎖した状態において、前側リンフォース23における上側ビーム21と下側ビーム22の中心線の交点或いは交点近傍が側面視状態においてステアリングサポートビーム4の端部4aと重合すると共に、ステアリングサポートビーム4の端部4aと前側リンフォース2は近接して対向配置されている。
【0039】
後側リンフォース24は、上側リンフォース25の下端25b近傍がドアラッチ7と重合して外方から覆っている。換言すると、上側リンフォース25の下端25bと下側リンフォース26の上端26bの連結部近傍がドアラッチ7と近接して対向している。
【0040】
即ち、ステアリングサポートビーム4の端部4aとドアラッチ7とは、フロントドアDに側方から衝撃荷重Pは作用した際、その衝撃荷重Pをサイドドアインパクトビーム20を介して受け止めると共に車体1全体に分散伝達するものであり、ステアリングサポートビーム4の端部4a及び側面視上記車体のセンタピラー6に重合されたドアラッチ7の各中心を結ぶ仮想線を回転軸Cとすると、後側リンフォース24の上側リンフォース25が回転軸Cより上方に延在し、下側リンフォース26が回転軸Cより下方に延在し、略水平に前後方向に延在する上側ビーム21は、後下がり状態に傾斜する回転軸Cに対して、前端21aが回転軸Cと略一致し、後端21bが回転軸Cの上方に配置される。下側ビーム22は、回転軸Cに対して、前端22aが回転軸Cと略一致し、後端22bが回転軸Cの下方に位置して後下がり状態に傾斜して配置されている。
【0041】
このように配置された上側ビーム21、下側ビーム22、前側リンフォース23及び後側リンフォース24によって形成された三角形状のサイドドアインパクトビーム20は、図1に示すように側面視状態でシートに着座した着座姿勢の乗員Mの大腿部から胸部に亘って略覆い、特に回転軸Cより上方に位置する上側ビーム21と上側リンフォース25が胸部に対応する位置に配置されている。
【0042】
次に、このように構成された自動車のフロントドア構造の作用について説明する。
【0043】
フロントドアDに車体側方から衝撃荷重Pが作用する例としては、図3に示すように、他の自動車8のバンパ9等によって付与される場合が比較的多い。この場合、バンパ9の高さ位置は、一般に、ドアラッチ7よりも低いフロントドアDの下部範囲となり、バンパ9による衝撃荷重Pはドア本体10のアウタパネル12を変形させて、サイドドアインパクトビーム20の下側ビーム22を車室内側に押しやる。
【0044】
下側ビーム22に作用した衝撃荷重Pは、下側ビーム22の前端22aが結合された前側リンフォース23から、前側リンフォース23に対向配置されたステアリングサポートビーム4の端部4aに伝達され、剛性強度が極めて高いステアリングサポートビーム4を介して車体1に分散伝達されると共に、下側ビーム22の後端22bが結合された後側リンフォース24を介して、或いは後端22bから直接的にドア本体10を介してセンタピラー6に伝達されてセンタピラー6から車体1全体に分散伝達される。
【0045】
この際、下側ビーム22の後端22bが結合された後側リンフォース24がセンタピラー6に沿って上下方向に延在すると共に、下側ビーム20の後端20bがサイドシル及びフロアに結合されて剛性が確保されたセンタピラー6の下端近傍に位置することから、センタピラー6の変形が抑制されて確実に車体1全体に分散伝達される。この結果、サイドドアインパクトビーム20によってドア本体10の変形が抑制される。
【0046】
また、下側ビーム22が、後下がりに傾斜して延在することから、他の自動車8のバンパ9の高さの相違等に起因してドア本体10の側方に作用する衝撃荷重の高さが異なった場合においても下側ビーム22が有効に作用してドア本体10の車室内侵入を有効的に抑制することができる。
【0047】
同様に、ドア本体の上部部分に車体側方から衝撃荷重Pが作用した際には、ドア本体10のアウタパネル12を変形させて、サイドドアインパクトビーム20の上側ビーム21を車室内側に押しやる。上側ビーム21に作用した衝撃荷重は、前側リンフォース23からステアリングサポートビーム4の端部4aに伝達され、ステアリングサポートビーム4を介して車体1に分散伝達されると共に、後側リンフォース24を介してセンタピラー6に伝達されてセンタピラー6から車体1全体に分散伝達される。この結果、サイドドアインパクトビーム20によってドア本体10の変形が抑制されて車室内への侵入が阻止される。
【0048】
従って、上側ビーム21、下側ビーム22、前側リンフォース23及び後側リンフォース24によって形成された三角形状のサイドドアインパクトビーム20は、図1に示すようにシートに着座した乗員Mの大腿部から胸部に亘って対応して配置されることから、側方からの衝撃荷重Pに対して乗員Mの大腿部から胸部の広い範囲に亘ってフロントドアDの車室内侵入が有効に阻止されて乗員の安全性が確保される。
【0049】
一方、図3に示すように、例えば他の自動車8のバンパ9等によってフロントドアDの比較的下部に作用する衝撃荷重Pが所定以上大きい場合には、その衝撃荷重Pによってア本体10のアウタパネル12を押しやり変形させて、サイドドアインパクトビーム20の下側ビーム22を車室内側に押しやる。
【0050】
ここで、サイドドアインパクトビーム20は、上側ビーム21、上側ビーム22、前側リンフォース23、後側リンフォース24とによって三角形状を構成しているので、サイドドアインパクトビーム20は、衝撃荷重Pによって矢印Aで示すように下側ビーム22が車室側に押し入れられると、強固に形成されたステアリングサポートビーム4の端部4aとドアラッチ7とに支持されて、これらステアリングサポートビーム4の端部4a及びドアラッチ7が反力支持部材として作用し、これらを結ぶ回転軸Cを中心としてサイドドアインパクトビーム20全体が回転し、乗員Mの上半身に対応する上側ビーム21及び後部リンフォース24の上部が車室外方に向けて矢印B方向に押し出される。
【0051】
この結果、シート着座姿勢の乗員Mの胸部近傍に対応して位置するフロントドアDの上部、特に乗員の胸部に対応するドア本体10の後端付近が車体外方に押し出されて乗員Mの胸部とドア本体10との間が積極的に拡大される。従って、乗員Mの上半身に対する傷害が回避乃至大幅に減少して乗員Mの安全が確保される。
【0052】
また、下側ビーム22が、後下がりに傾斜して延在することから、他の自動車8のバンパ9の高さの相違等に起因してドア本体10の側方に作用する衝撃荷重Pの高さが異なった場合においても、下側ビーム22が有効に作用してサイドドアインパクトビーム20が回転軸Cを中心に回動せしめられてドア本体10の上部が車体外方に押し出されて乗員Mの安全が確保される。
【0053】
なお、本実施の形態においては、後側リンフォース24を、上側リンフォース25と下側リンフォース26とを接続して構成することから、例えば、サイドドアインパクトビーム20を構成する際に、これら上側リンフォース25と下側リンフォース26との接続位置を調整することによって上側ビーム21及び下側ビーム22の位置を調整することができ、かつ異なる形状のフロントドアに容易に適用することができる。
【0054】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記実施の形態では、後側リンフォース24を上側リンフォース25と下側リンフォース26とを接続して構成していたが、後側リンフォース24を1部材によって構成することも可能である。
【0055】
また、サイドドアインパクトビーム20を上側ビーム21、下側ビーム22、前側リンフォース23及び後側リンフォース24によって略三角形状に形成したが、例えば、前側リンフォース23を上下方向に長く形成し、上側ビーム21と下側ビーム22の各前端21aと22aを離間せしめて前側リンフォース13と結合することによって略四角形状を形成することも可能である。
【0056】
【発明の効果】
以上説明した本発明による自動車のフロントドア構造によると、ドア本体に設けられるサイドドアインパクトビームを、ドア本体が閉鎖状態において前端部が側面視状態でステアリングサポートビームの端部位置と重合する一方、後端部をドアラッチに重合すると共に後端部の上端がドアラッチより上方に下端がドアラッチより下方に位置せしめるように構成されることから、側方からドア本体に所定以上の衝撃荷重が作用した際、衝撃荷重が主にサイドドアインパクトビームの下部に作用し、衝撃荷重によってサイドドアインパクトビームの下部が車室内方に押しやられ、ステアリングサポートビームの端部とドアラッチとが反力部材として作用して、ステアリングサポートビームの端部とドアラッチを結ぶ回転軸を中心としてサイドドアインパクトビーム全体が回転して、ドア本体10の後部上方が車室外方に押し出され、ドア本体の上部が車室外方に押し出される。この結果、ドア本体の後端部の上端がシートに着座した乗員の胸部等の上半身近傍位置から離反して、乗員の上半身近傍とドア本体との空間を積極的に拡大せしめられて乗員の上半身とドアとの接触が回避乃至影響が軽減されて乗員が保護される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動車のフロントドア構造の実施の形態の概要を示す自動車の要部側面図である。
【図2】同じく、フロントドアの側面図である。
【図3】同じく、フロントドアの前端近傍の縦断面図である。
【図4】同じく、ステアリングサポートビームの説明図である。
【図5】同じく、図4のI−I線断面図である。
【図6】従来の自動車用ドアを示す側面図である。
【図7】従来の自動車用ドアを示す側面図である。
【図8】従来の自動車用ドアの縦断面図である。
【符号の説明】
1 車体
2 ドア開口部
2a 前端側
2b 後端側
4 ステアリングサポートビーム
4a 端部
6 センタピラー
7 ドアラッチ
10 ドア本体
20 サイドドアインパクトビーム
21 上側ビーム
21a 前端
21b 後端
22 下側ビーム
22a 前端
22b 後端
23 前側リンフォース
24 後側リンフォース
24a 後端側
25 上側リンフォース
26 下側リンフォース
D フロントドア
M 乗員

Claims (7)

  1. 前端側に車幅方向に延在するステアリングサポートビームの端部が位置し、後端側にドアラッチが配設された車体のドア開口部を開閉するドア本体内にサイドドアインパクトビームが配設された自動車のフロントドア構造において、
    上記サイドドアインパクトビームは、
    前後方向に延在する上側ビームと、
    前後方向に延在する下側ビームと、
    上記ドア本体が閉鎖状態において側面視で上記ステアリングサポートビームの端部位置と重合すると共に、上記上側ビームの前端と上記下側ビームの前端とが連結する前側リンフォースと、
    上記ドア本体が閉鎖状態において側面視で上記ドアラッチと重合すると共に、上端がドアラッチより上方において上記上側ビームの後端と連結し、かつ下端が上記下側ビームの後端と連結する後側リンフォースとを備えたことを特徴とする自動車のフロントドア構造。
  2. 上記下側ビームは、
    上記前端がステアリングサポートビームの端部近傍で上記前側リンフォースに結合され、
    後端が前端よりも低位置に配置された後下がり状に傾斜して延在したことを特徴とする請求項に記載の自動車のフロントドア構造。
  3. 上記下側ビームは、
    側面視上記後端が上記ドア開口部の後端側の下部近傍に位置したことを特徴とする請求項に記載の自動車のフロントドア構造。
  4. 上記前側リンフォースが上下方向に短く形成されて、上記上側ビームの前端と上記下側ビームの前端とが上記前側リンフォースの略同位置に結合されたことを特徴とする請求項2または3に記載の自動車のフロントドア構造。
  5. 上記後側リンフォースは、
    上下方向に延在する上側リンフォースの下端と上下方向に延在する下側リンフォースの上端とを連結して形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動車のフロントドア構造。
  6. 上記後側リンフォースの後端側は、
    側面視上記車体のセンタピラーに重合されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動車のフロントドア構造。
  7. 上記下側ビームの後端は、側面視上記車体のセンタピラーに重合されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の自動車のフロントドア構造。
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