JP6832762B2 - 車体側部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の車体側部構造、特に、車両の側方からの衝突などによって発生する荷重付加に起因する車体変形に対して車室内容積を確保する車体側部構造に関する。
車両には、側方からの衝突などによって不可避的に荷重が作用することがある。こうした側方からの荷重によって生じるドアの変形を抑制するために、近年では、多くの車両において、ドアの内部にドアビームと呼ばれる強度部材が配設されている。例えば、下記特許文献1では、断面形状を特定した高張力鋼板製のドアビームをドアの内部に配設することにより、側方からの荷重に対する優れた抗力とエネルギー吸収性が確保される。
特開2010−149841号公報
ところで、前述の車両の側方からの荷重に起因する車体変形に対して車室内容積を確保するためには、例えばBピラーの変形を抑制する必要がある。そうした場合、ドアビームは、単にドアの変形を抑制するだけでなく、例えばドアの車両前後方向の部材と係合して引張強度によってBピラーの変形を抑制するように機能させることが考えられる。その場合、例えばリヤドア内部に配設されるドアビームをリヤクォータ部に係合し、そのドアビームの引張強度がBピラー変形抑制力として有効に作用する構成が要求される。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、Bピラーの変形を抑制して、より効果的に車室内容積を確保することができる車体側部構造を提供することにある。
上記目的を達成するため請求項1に記載の車体側部構造は、
車両側方からの荷重に対抗するための車体側部構造において、前記車両のドア内部に配設され、車両前後方向に略直線状に引張強度を有する第1強度部材と、前記第1強度部材が有する引張強度方向の略延長線上で前記ドアと車体のホイール収容部とを係合する第1係合手段と、前記ドア内部に配設され、車両前後方向に略直線状に引張強度を有し、車両前後方向の前記ホイール収容部側と反対側の部分が前記第1強度部材の前記ホイール収容部側と反対側の部分と結合され、前記ホイール収容部側の端部が前記第1強度部材の前記ホイール収容部側の端部と異なる位置に配設される第2強度部材と、前記第2強度部材が有する引張強度方向の略延長線上(以下、単に延長とも記す)で前記リヤドアと前記ホイール収容部とを係合する第2係合手段と、前記ドア内部に配設され、前記第1強度部材の前記ホイール収容部側の端部と前記第2強度部材の前記ホイール収容部側の端部とを連結する第3強度部材と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、ホイール収容部と反対側の部分(以下、単にホイール反対側部とも記す)が結合される第1強度部材のホイール収容部側の端部(以下、単にホイール側端部とも記す)及び第2強度部材のホイール側端部が、夫々、第1係合手段及び第2係合手段によって、互いに異なる位置でホイール収容部に直接的又は間接的に係合されるので、車両側方からの荷重が作用すると第1強度部材及び第2強度部材に引張力が生じる。このとき、第1強度部材のホイール側端部及び第2強度部材のホイール側端部を連結する第3強度部材には圧縮力が作用し、第1強度部材のホイール側端部及び第2強度部材のホイール側端部が互いに近接するように変位するのが規制される。また、車両後面視(=車両前面視)で第1強度部材及び第2強度部材の位置を時計回り方向又は反時計回り方向に回転させるような車両側方荷重が作用しても、第3強度部材を介装したことにより第1強度部材のホイール側端部と第2強度部材のホイール側端部とが離れているために第1強度部材及び第2強度部材が変位しにくく、従って車両側方荷重が作用したときには第1強度部材及び第2強度部材に引張力が確実に生じる。これらにより、第1強度部材の引張強度及び第2強度部材の引張強度が車両側方荷重に対するBピラー変形抑制力として有効に作用し、結果として車室内容量を確保することができる。
請求項2に記載の車体側部構造は、請求項1に記載の車体側部構造において、前記第1強度部材及び第2強度部材及び第3強度部材は何れもビーム部材であり、前記第1強度部材は、ビーム部材の長手方向が車両前後方向に向けて配設され、前記第2強度部材は、ビーム部材の長手方向が前記ホイール収容部側の端部が下方になるように上下方向に斜めにして車両前後方向に向けて配設され、前記第3強度部材は、ビーム部材の長手方向が前記ホイール収容部側と反対側の端部が下方になるように上下方向に斜めにして車両前後方向に向けて配設されることを特徴とする。
この構成によれば、ビーム部材からなる第1〜第3強度部材によって適正なトラス構造を構成することができると共に、第1強度部材のホイール側端部をドアロック機構やドアヒンジによって、第2強度部材のホイール側端部をドアキャッチャ機構やドアヒンジによって、夫々、異なる位置でホイール収容部に容易且つ確実に係合することが可能となる。
請求項3に記載の車体側部構造は、請求項1又は2に記載の車体側部構造において、車両前後方向に略直線状に引張強度を有する第4強度部材が、前記ドアとBピラーを介して隣接する隣接ドアの内部に配設されており、前記第4強度部材及び前記第1強度部材の隣接側端部同士が前記Bピラーを介して係合されることを特徴とする。
この構成によれば、車両側方荷重が作用した場合、第1強度部材及び第2強度部材だけでなく、隣接ドア内部に配設された第4強度部材にも引張力が作用し、これらの強度部材の引張強度が車両側方荷重に対するBピラー変形抑制力として更に有効に作用し、結果として車室内容量をより一層確実に保持することができる。
請求項4に記載の車体側部構造は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の車体側部構造において、前記第3強度部材は、前記第1強度部材の前記ホイール収容部側の端部と前記第2強度部材の前記ホイール収容部側の端部とを直線状に連結することを特徴とする。
この構成によれば、第3強度部材が第1強度部材と第2強度部材を直線状に連結しているため、圧縮力が作用しても第3強度部材が座屈しにくい。
請求項5に記載の車体側部構造は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の車体側部構造において、前記第1強度部材及び第2強度部材は、互いに前記ホイール収容部側と反対側の端部同士が結合されることを特徴とする。
この構成によれば、特に、車両後面視(=車両前面視)で第1強度部材及び第2強度部材の位置を時計回り方向又は反時計回り方向に回転させるような車両側方荷重に対し、第1強度部材及び第2強度部材の変位を効果的に抑制することができる。
以上説明したように、本発明によれば、車両側方からの荷重が作用すると第1強度部材及び第2強度部材に引張力が生じるが、それに伴って第3強度部材には圧縮力が作用するため、第1強度部材及び第2強度部材の変位が規制されると共に、第1強度部材及び第2強度部材の位置を回転させるような車両側方荷重が作用しても両者の間に介装された第3強度部材によって第1強度部材及び第2強度部材が変位しにくいので、車両側方荷重が作用したときには第1強度部材及び第2強度部材に引張力が確実に生じ、これらにより第1強度部材の引張強度及び第2強度部材の引張強度が車両側方荷重に対するBピラー変形抑制力として有効に作用し、結果として車室内容量を確保することができる。
本発明の車体側部構造が適用された車両の一実施の形態を示す概略構成側面図である。 図1の車体側部構造の詳細説明図である。 図1の車体側部構造に設けられたドアキャッチャ機構の説明図である。 図1の車体側部構造の作用の説明図である。 図1の車体側部構造の作用の説明図である。
以下に、本発明の車体側部構造の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態の車体側部構造がリヤドアに適用された車両の概略構成側面図である。この車両は、例えばステーションワゴン型の乗用車両であり、車体の左右夫々の側部には、フロントドア(隣接ドア)6とリヤドア(ドア)8が配置される。周知の乗用車両と同様に、フロントドア6の車両前方にはAピラー(フロントピラー)10が、フロントドア6とリヤドア8の間にはBピラー(センターピラー)12が、リヤドア8の車両後方にはCピラー(リヤクォータピラー)14が、車体の左右夫々の側部に設けられている。一般的に、これらのピラー10〜14の上端部は車体のルーフ部16に連結され、下端部は(ピラー形状をなしていない場合もある)サイドシル部18に連結されている。
これらのピラー10〜14は、一般に、金属製板材、例えば鋼板からなるアウタ部材とインナ部材を中空閉断面に結合して形成され、両者の間に金属製板材、例えば鋼板からなるリンフォース部材と呼ばれる補剛部材を介装することもある。例えば、Cピラー14については、リヤクォータパネルアウタに形成されたCピラーアウタとリヤクォータパネルインナに形成されたCピラーインナの間にリンフォースCピラーを介装して構成される。
更に、リヤクォータパネルインナの下方には、例えばリヤホイールハウスの車幅方向外側面を構成するリヤアーチインナ及びリヤホイールハウスの車幅方向内側面を構成するホイールエプロンが連結される。従って、この場合、Cピラー14はリヤクォータ部(ホイール収容部)20の一部である。
この車両では、一般的な乗用車両と同様に、フロントドア6は、Aピラー10とフロントドア6との間に設けられた上下2か所のフロントドアヒンジ22によって開閉自在に支持される。また、このフロントドア6は、Bピラー12とフロントドア6との間に設けられたフロントドアロック機構24によって閉状態に維持される。従って、フロントドアヒンジ22はAピラー10とフロントドア6の係合手段であり、フロントドアロック機構24はBピラー12とフロントドア6の係合手段(ドア閉時)である。この実施の形態のフロントドアロック機構24は、上側のフロントドアヒンジ22と同じ程度の高さに設けられている。同様に、リヤドア8は、Bピラー12とリヤドア8との間に設けられた上下2か所のリヤドアヒンジ26によって開閉自在に支持される。また、このリヤドア8は、Cピラー14とリヤドア8との間に設けられたリヤドアロック機構28によって閉状態に維持される。従って、リヤドアヒンジ26はBピラー12とリヤドア8の係合手段であり、リヤドアロック機構28はCピラー14とリヤドア8の係合手段(ドア閉時)である。この実施の形態のリヤドアロック機構28は、上側のリヤドアヒンジ26と同じ程度の高さに設けられている。なお、何れも、ドアヒンジ22、26は、周知の蝶番構造であり、ドアロック機構24、28は、例えばラッチとストライカで構成される周知のロック機構である。
この実施の形態の車両では、フロントドア6の内部に、車両側方からの荷重に抗する強度部材(第4強度部材)としてのフロントドアビーム36が少なくとも1つ配設されている。図に示すフロントドアビーム36は、上側のフロントドアヒンジ22とフロントドアロック機構24を結ぶ直線方向にビーム部材の長手方向を向けて配設され、前端部はフロントドア6の前端部に結合され、後端部はフロントドア6の後端部に結合されている。従って、このフロントドアビーム36は、車両前後方向に引張強度を有し、上側のフロントドアヒンジ22によってAピラー10に係合され、フロントドアロック機構24によってBピラー12に係合されている。換言すれば、フロントドアビーム36の引張強度方向の延長で、フロントドア6は、上側のフロントドアヒンジ22によってAピラー10に係合され、フロントドアロック機構24によってBピラー12に係合される。このフロントドアビーム36は、例えば前述した特許文献1に記載されるように高張力鋼板で形成される。
また、フロントドアビーム36とフロントドア6を構成する金属製板材、例えば鋼板との結合にも、例えば前述した特許文献1に記載される構造が用いられる。このフロントドアビーム36は、車両側方からの荷重に対して、単にフロントドア6の変形を抑制するだけでなく、例えばAピラー10を介して車両前方の部材、例えばフロントフェンダー部4と係合して車両前後方向に引張力を発生する。これにより、後述するようにフロントドアビーム36の引張強度がBピラー変形抑制力として有効に作用し、結果的に車室内容積を確保することができる。
また、この実施の形態の車両では、リヤドア8の内部にも、車両側方からの荷重に抗する強度部材としてのリヤドアビーム38〜40が配設されている。なお、後述する複数のリヤドアビーム38〜40は、例えば前述した特許文献1に記載されるように高張力鋼板で形成され、リヤドアビーム38〜40とリヤドア8を構成する金属製板材、例えば鋼板との結合にも、例えば前述した特許文献1に記載される構造が用いられる。この実施の形態では、図2に明示するように、フロントドアビーム36の車両前後方向(=引張強度方向)延長線上で、上側のリヤドアヒンジ26とリヤドアロック機構28を結ぶ直線方向にビーム部材の長手方向を向けて配設される第1強度部材としてのリヤドアアッパビーム38と、上側のリヤドアヒンジ26から後端部側が下方になるように上下方向に斜めにして車両前後方向に向けて配設される第2強度部材としてのリヤドアロアビーム39と、リヤドアアッパビーム38の後端部とリヤドアロアビーム39の後端部とを直線状に連結する第3強度部材としてのリヤドアコネクティングビーム40とがリヤドア8内部に配設されている。
このうち、リヤドアアッパビーム38は車両前後方向に引張強度を有するので、リヤドアアッパビーム38の引張強度方向の延長で、リヤドア8は、上側のリヤドアヒンジ26によってBピラー12に係合され、リヤドアロック機構(第1係合手段)28によってCピラー14、つまりリヤクォータ部20に係合されることになる。また、この実施の形態では、リヤドアアッパビーム38の前端部とリヤドアロアビーム39の前端部は、例えば図5に示すように、個別の短尺なビーム部材42を介して連結(結合)されている。リヤドアアッパビーム38の前端部は、上側のリヤドアヒンジ26の位置でリヤドア8の前端部に結合されているので、リヤドアアッパビーム38の前端部及びリヤドアロアビーム39の前端部はBピラー12に係合されている。また、前述のように、フロントドアビーム36の後端部はフロントドアロック機構24によってBピラー12に係合されているので、リヤドアアッパビーム38の前端部及びリヤドアロアビーム39の前端部は、Bピラー12を介して、フロントドアビーム36の後端部に係合されている。
前述のように、リヤドアアッパビーム38の後端部は、リヤドアロック機構28の位置でリヤドア8の後端部に結合されているので、リヤドアアッパビーム38の後端部はリヤドアロック機構28を介してCピラー14、即ちリヤクォータ部20に係合されている。一方、リヤドアロアビーム39の後端部は、リヤクォータ部20のうち、Cピラー14下部に設けられたリヤドアキャッチャ機構30を介してリヤクォータ部20に係合されている。換言すれば、リヤドアロアビーム39も車両前後方向に引張強度を有するので、リヤドアロアビーム39の引張強度方向の延長で、リヤドア8は、上側のリヤドアヒンジ26によってBピラー12に係合され、リヤドアキャッチャ機構(第2係合手段)30によってCピラー14、つまりリヤクォータ部20に係合されることになる。
このリヤドアキャッチャ機構30は、例えば図3に示すように、リヤドア8を構成する金属製板材の後端部から車両後方に突出する嵌入部材32と、リヤクォータ部20のうちCピラー14の下部に設けられた受け部材34とで構成される。嵌入部材32の突出先端部には、基部よりもフランジ状に広がる係合部32aが形成され、受け部材34には、リヤドア8の閉動作時に係合部32aが嵌入する嵌合溝34aが形成されている。従って、リヤドア8が閉じられると嵌入部材32の係合部32aが受け部材34の嵌合溝34a内に嵌入する。その状態で、例えばリヤドアキャッチャ機構30に車両前後方向への引張力が作用すると、係合部32aが嵌合溝34aに係合して移動が規制される。従って、後述するように、車両側方からの荷重が作用してリヤドアロアビーム39に車両前後方向への引張力が生じると、リヤドアロアビーム39の車両前後方向への移動がリヤドアキャッチャ機構30によって規制される。なお、リヤドアコネクティングビーム40は、例えば図5に示すように、リヤドアアッパビーム38の後端部及びリヤドアロアビーム39の後端部と直接的に結合されている。結果的に、リヤドアコネクティングビーム40は、前端部が下方になるように上下方向に斜めにして車両前後方向に向けて配設されている。
図4は、この実施の形態の車体側部構造を模式的に示した平面図である。図では、リヤドア8内部のリヤドアビーム38〜40として、リヤドアアッパビーム38だけを代表的に示している。例えば、図に示すように、フロントドアビーム36の前端部がAピラー10に係合され、リヤドアアッパビーム38の後端部がCピラー14、即ちリヤクォータ部20に係合され、フロントドアビーム36の後端部とリヤドアアッパビーム38の前端部とがBピラー12を介して係合されている場合に、図に白抜きの矢印で示すように、車両側方から荷重が作用すると、フロントドアビーム36及びリヤドアアッパビーム38には引張力が生じる。
車両側方荷重に対して車室内容積を確保するためには、例えばBピラー12の変形を抑制することが有効であり、そのためには例えばフロントドアビーム36やリヤドアアッパビーム38の引張強度が有効に作用する。引張強度は、周知のように、引張方向への破断強度であるから、車両側方荷重をフロントドアビーム36及びリヤドアアッパビーム38の引張力に変換し、それらの引張強度でBピラー12の変形を抑制することができれば、車室内容積を効果的に確保することができる。
図5は、この実施の形態におけるリヤドアアッパビーム38、リヤドアロアビーム39、リヤドアコネクティングビーム40を模式的に示したものである。前述のように、また図5に実線の白抜き矢印で示すように、車両側方からの荷重が作用した場合に、リヤドアアッパビーム38には引張力が生じるが、リヤドアロアビーム39の前端部はリヤドアアッパビーム38の前端部に結合され、リヤドアロアビーム39の後端部はリヤクォータ部20に係合されているので、車両側方荷重作用時にはリヤドアロアビーム39にも引張力が生じる。このとき、リヤドアロアビーム39は、後端部が下方になるように上下方向に斜めにして車両前後方向に向けて配設されているので、引張力が生じると、例えば後端部が上方に移動しようとする。しかしながら、リヤドアロアビーム39の後端部とリヤドアアッパビーム38の後端部の間にはリヤドアコネクティングビーム40が介装されているので、リヤドアコネクティングビーム40には圧縮力が生じ(滑接とは限らないが、トラス構造とみなせる)、リヤドアロアビーム39の後端部が上方に移動しようとする変位が規制される。
また、リヤドアアッパビーム38の後端部とリヤドアロアビーム39の後端部の間にリヤドアコネクティングビーム40が介装されているので、両者は離れている。もし、車両側方からの荷重が、図5に破線の矢印で示すように、リヤドアアッパビーム38とリヤドアロアビーム39の位置を車両後面視(=車両前面視)で回転させるような荷重であった場合でも、リヤドアアッパビーム38の後端部とリヤドアロアビーム39の後端部が離れているために、リヤドアアッパビーム38及びリヤドアロアビーム39、特にリヤドアロアビーム39側の変位が抑制される。このような入力に対してリヤドアビーム38〜40が変位してしまうと、車両側方荷重に対してリヤドアビーム38〜40に引張力が生じにくくなる。リヤドアビーム38〜40に引張力が生じなければ、リヤドアビーム38〜40の引張強度がBピラー12の変形抑制力として有効に機能しない。これに対し、この実施の形態の車体側部構造では、リヤドアアッパビーム38やリヤドアロアビーム39の変位が規制又は抑制され、その結果、車両側方荷重が作用したときにリヤドアアッパビーム38及びリヤドアロアビーム39に確実に引張力が生じる。従って、車両側方荷重に対してリヤドアアッパビーム38及びリヤドアロアビーム39の引張強度がBピラー12の変形抑制力として有効に作用し、結果的に車室内容積を確保することができる。
このように、この実施の形態の車体側部構造では、車両側方からの荷重に対して車室内容積を確保するために、車両前後方向に直線状に引張強度を有するリヤドアアッパビーム(第1強度部材)38を車両のリヤドア8内部に配設し、その後端部をリヤドアロック機構(第1係合手段)28で車体のリヤクォータ部20に係合する。また、車両前後方向に直線状に引張強度を有し且つ前端部がリヤドアアッパビーム38の前端部と結合されるリヤドアロアビーム(第2強度部材)39を車両のリヤドア8内部に配設し、リヤドアロック機構28によるリヤドアアッパビーム38のリヤクォータ部20への係合位置と異なる位置でリヤドアロアビーム39の後端部をリヤドアキャッチャ機構(第2係合手段)30でリヤクォータ部20に係合する。そして、リヤドアアッパビーム38の後端部とリヤドアロアビーム39の後端部とを、リヤドア8内部に配設されたリヤドアコネクティングビーム(第3強度部材)40で直線状に連結する。
そのため、車両側方からの荷重が作用するとリヤドアアッパビーム38及びリヤドアロアビーム39に引張力が生じるが、それに合わせてリヤドアコネクティングビーム40には圧縮力が作用し、リヤドアアッパビーム38の後端部及びリヤドアロアビーム39の後端部が互いに近接するように変位するのが規制される。このとき、リヤドアコネクティングビーム40がリヤドアアッパビーム38とリヤドアロアビーム39を直線状に連結しているため、圧縮力が作用してもリヤドアコネクティングビーム40は座屈しにくい。
また、車両後面視(=車両前面視)でリヤドアアッパビーム38及びリヤドアロアビーム39の位置を時計回り方向又は反時計回り方向に回転させるような車両側方荷重が作用しても、リヤドアコネクティングビーム40を介装するリヤドアアッパビーム38の後端部とリヤドアロアビーム39の後端部とが離れているためにリヤドアアッパビーム38及びリヤドアロアビーム39が変位しにくく、従って車両側方荷重が作用したときにはリヤドアアッパビーム38及びリヤドアロアビーム39に引張力が確実に生じる。これらにより、リヤドアアッパビーム38の引張強度及びリヤドアロアビーム39の引張強度が車両側方荷重に対するBピラー変形抑制力として有効に作用し、結果として車室内容量を確保することができる。
また、ビーム部材の長手方向を車両前後方向に向けてリヤドアアッパビーム38を配設し、ビーム部材の長手方向を後端部が下方になるように上下方向に斜めにして車両前後方向に向けてリヤドアロアビーム39を配設し、ビーム部材の長手方向を前端部が下方になるように上下方向に斜めにして車両前後方向に向けてリヤドアコネクティングビーム40を配設した。そのため、3つのリヤドアビーム38〜40によって適正なトラス構造を構成することができると共に、リヤドアアッパビーム38の後端部をリヤドアロック機構28によって、リヤドアロアビーム39の後端部をリヤドアキャッチャ機構30によって、夫々、異なる位置でリヤクォータ部20に容易且つ確実に係合することが可能となる。また、これにより車体側部構造を実施化しやすく、また設計の自由度が阻害されにくい。
また、フロントドア6内部に配設されたフロントドアビーム36の後端部とリヤドアアッパビーム38及びリヤドアロアビーム39の前端部とをBピラー12を介して係合したことにより、車両側方荷重が作用した場合、リヤドアアッパビーム38及びリヤドアロアビーム39だけでなく、フロントドアビーム36にも引張力が作用し、これらのドアビームの引張強度が車両側方荷重に対するBピラー変形抑制力として更に有効に作用し、結果として車室内容量をより一層確実に保持することができる。
なお、この実施の形態では、リヤドアヒンジ機構26及びフロントドアロック機構24によりフロントドアビーム36とリヤドアアッパビーム38及びリヤドアロアビーム39がBピラー12を介して係合される構造としたが、例えばフロントドア6を構成する金属製板部材の後端部とリヤドア8を構成する金属製板部材の前端部が直接的に係合する構成としてもよい。
また、この実施の形態では、リヤドア8の内部に配設された3つのリヤドアビーム38〜40について説明したが、本発明の車体側部構造は、フロントドアの内部に配設されるフロントドアビームにも同様に適用できる。その場合、例えばフロントドアビームの下方にフロントドアロアビームを配設し、フロントドアロアビームの前端部を下側のフロントドアヒンジでAピラー、即ちフロントフェンダー部に係合し、フロントドアビームの前端部とフロントドアロアビームの前端部をフロントドアコネクティングビームによって連結すればよい。
本発明が上記していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当とされる特許請求の範囲に記載された発明特定事項によってのみ定められるものである。
4 フロントフェンダー部
6 フロントドア(隣接ドア)
8 リヤドア(ドア)
12 Bピラー
14 Cピラー
20 リヤクォータ部(ホイール収容部)
28 リヤドアロック機構(第1係合手段)
30 リヤドアキャッチャ機構(第2係合手段)
36 フロントドアビーム(第4強度部材)
38 リヤドアアッパビーム(第1強度部材)
39 リヤドアロアビーム(第2強度部材)
40 リヤドアコネクティングビーム(第3強度部材)

Claims (5)

  1. 車両側方からの荷重に対抗するための車体側部構造において、
    前記車両のドア内部に配設され、車両前後方向に略直線状に引張強度を有する第1強度部材と、
    前記第1強度部材が有する引張強度方向の略延長線上で前記ドアと車体のホイール収容部とを係合する第1係合手段と、
    前記ドア内部に配設され、車両前後方向に略直線状に引張強度を有し、車両前後方向の前記ホイール収容部側と反対側の部分が前記第1強度部材の前記ホイール収容部側と反対側の部分と結合され、前記ホイール収容部側の端部が前記第1強度部材の前記ホイール収容部側の端部と異なる位置に配設される第2強度部材と、
    前記第2強度部材が有する引張強度方向の略延長線上で前記リヤドアと前記ホイール収容部とを係合する第2係合手段と、
    前記ドア内部に配設され、前記第1強度部材の前記ホイール収容部側の端部と前記第2強度部材の前記ホイール収容部側の端部とを連結する第3強度部材と、
    を備えたことを特徴とする車体側部構造。
  2. 前記第1強度部材及び第2強度部材及び第3強度部材は何れもビーム部材であり、
    前記第1強度部材は、ビーム部材の長手方向が車両前後方向に向けて配設され、
    前記第2強度部材は、ビーム部材の長手方向が前記ホイール収容部側の端部が下方になるように上下方向に斜めにして車両前後方向に向けて配設され、
    前記第3強度部材は、ビーム部材の長手方向が前記ホイール収容部側と反対側の端部が下方になるように上下方向に斜めにして車両前後方向に向けて配設されることを特徴とする請求項1に記載の車体側部構造。
  3. 車両前後方向に略直線状に引張強度を有する第4強度部材が、前記ドアとBピラーを介して隣接する隣接ドアの内部に配設されており、
    前記第4強度部材及び前記第1強度部材の隣接側端部同士が前記Bピラーを介して係合されることを特徴とする請求項1又は2に記載の車体側部構造。
  4. 前記第3強度部材は、前記第1強度部材の前記ホイール収容部側の端部と前記第2強度部材の前記ホイール収容部側の端部とを直線状に連結することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の車体側部構造。
  5. 前記第1強度部材及び第2強度部材は、互いに前記ホイール収容部側と反対側の端部同士が結合されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の車体側部構造。
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