JP4029541B2 - 自動販売機の商品在庫数監視装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明のサーペンタイン式商品収納ラックを搭載した自動販売機の商品在庫数監視装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
広域に分散して各ロケーション先に設置した自動販売機に対する商品の補給，およびＰＯＳデータ収集などの作業は自動販売機を巡回するルートマン（オペレータ）が行っているのが現状であるが、そのルート効率を高めるために最近では自動販売機のＰＯＳデータを通信回線を介して管理センタで収集するシステムの開発も進められており、この面からも自動販売機の商品在庫数，補給数を正確に検出できる在庫数監視装置が求められている。
【０００３】
一方、頭記した自動販売機の商品在庫数監視装置として、本発明と同一出願人より先に特開平５─６２０６５号，特開平５─１８９６４６号が既に提案されている。
これら提案の監視装置では、サーペンタイン式商品収納ラックの各コラムごとに、その蛇行状商品通路の上端側に配した商品検知スイッチ，商品通路の出口側に配した売切スイッチ，キャビネットの扉スイッチの各検出信号，ラックの商品出口に配してその通路幅を商品サイズに合わせて規制する出口アジャスタの設定位置に対応する商品の径サイズ情報，および販売指令に基づくベンド機構の動作信号をデータ処理装置（マイクロコンピユータ）に取り込んで商品の在庫数を監視するようにしている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記提案になる在庫数監視装置では、商品検知スイッチをサーペンタイン式商品収納ラックの蛇行状商品通路の上端に設置しており、商品通路の上端とラックの前面に開口する商品投入口との間に敷設したトップトレー上に収納した商品の数は検知することができない。しかも、トップトレーの長さ寸法はラックのコラム位置によって異なり、また、商品補給時にトップトレー上のどこまで商品を投入するかはルートマンの判断で決め、特に賞味期間が決められているホット商品などは賞味期間内に商品を完売できるようにその補給数を調整している。
【０００５】
なお、商品補給時にコラムの商品投入口にカウント装置をセットし、ここを通過する投入商品を検出するようにしたものが実開平５─４８０７５号公報などで知られているが、この種のカウント装置は商品補給時に商品投入口に手を差し入れると、センサが手を検出して誤カウントする問題がある。
したがって、サーペンタイン式商品収納ラックに収納されている商品の正確な在庫数を検知するには、商品を補給した状態でトップトレー上に並んでいる商品の有無，および数量を的確に検出できる検知手段が必要となる。
【０００６】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その目的はサーペンタイン式商品収納ラックの各コラムごとに、商品補給後の収納状態でそのトップトレー上に並ぶ商品の有無，および数量が自動的に検出でき、またこの検出手段と組合せて各コラムの商品通路に収納されている在庫数を正確に監視できるようにした自動販売機の商品在庫数監視装置を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、前面扉付きキャビネットの庫内に搭載したサーペンタイン式商品収納ラックの商品通路に商品を一列に並べて収納し、販売指令に基づき商品通路の最下位に並ぶ商品から１本ずつ順に搬出して販売する自動販売機において、
本発明の第１の発明によれば、前記商品収納ラックの各コラムごとに、その商品投入口の前方に配置してラックのトップトレー上に並ぶ商品の有無確認，および最後列の商品までの距離を計測する非接触式距離センサを備え、該距離センサの計測信号と商品の径サイズ情報を基に各コラムのトップトレー上に並ぶ商品の在庫数をカウントする（請求項１）ものとし、ここで非接触式距離センサを、各コラムの商品投入口と個々に対応してキャビネットの前面に配した中扉の扉内面に配置する（請求項２）。
【０００８】
上記の構成により、ルートマンが商品を補給した後にキャビネットの中扉を閉じると、この状態で扉内面に配置した非接触式距離センサ（例えば光学式距離センサ）がトップトレー上に並ぶ最後列の商品（商品投入口から見て最も手前側に並ぶ商品）までの距離を計測し、この計測データと既知なトップトレーの長さ，および出口アジャスタの設定位置から得た商品の径サイズ情報を基にトップトレー上に並ぶ商品の本数を正確に検出することができる。
【０００９】
また、第２の発明では、前記第１の発明における非接触式距離センサを、トップトレーの後端から商品通路に移行するコーナーに配置してここを通過する商品を検知する商品検知スイッチ，および商品通路の出口側に配した売切スイッチと組合せ、非接触式距離センサ，商品検知スイッチ，ベンド機構，および売切スイッチの各信号と商品の径サイズ情報を基に各コラムの商品在庫数を監視するようにする（請求項３）。
これにより、トップトレー上に並ぶ商品数を含めて各コラムの商品通路に収納されている商品の在庫数を正確に検出することができる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示の実施例に基づいて説明する。
図１，図２において、１は自動販売機のキャビネット、２は外扉、２ａは外扉２の下部に設けた商品取出口、３はキャビネット１の庫内に収設したサーペンタイン式商品収納ラック、４は商品搬出シュータ、５はサーペンタイン式商品収納ラック３の商品投入口３ａの前面を覆ってキャビネット１の前面上部に配した上部内扉（断熱扉）、６は下部内扉、７は外扉２に対する扉スイッチである。また、サーペンタイン式商品収納ラック３には各コラムに対応する複数の蛇行状商品通路３ｂが前後列に画成され、ここに商品８が上下一列に積み上げ収納される。また、各コラムごとに商品通路３ｂの上端と商品投入口３ａとの間にはトップトレー３ｃが、また商品通路の出口側には出口通路を挟んでベンド機構３ｄおよび出口アジャスタ３ｅが対向配置されている。なお、３ｆはベンド機構３ｄに組み込んだ売切スイッチ３ｆである。
【００１１】
ここで、前記のサーペンタイン式商品収納ラック３に対し、各コラムごとに商品通路３ｂの上端コーナーにはここを通過する商品８を検知する商品検知スイッチ９（検知レバー付きの接触形スイッチ）を備え、さらにキャビネット１の前面に配した上部内扉５の内面には、商品収納ラック３の商品投入口３ａに向けて各コラムと個々に対応する位置に非接触式距離センサ（光学式距離センサ）１０が配置されている。
【００１２】
そして、各コラムごとに前記の商品検知スイッチ９，売切スイッチ３ｆ，および扉スイッチ７の動作信号，および非接触式距離センサ１０の計測信号を商品在庫数カウンタの信号処理装置（図示せず）に取り込み、さらにベンド機構３ｄの動作信号，および出口アジャスタ３ｅの設定位置から得た商品８の径サイズ情報も加えて各コラムに収納されている商品在庫数を次記のように監視する。
【００１３】
前述した商品在庫数は商品補給と販売によって変化するので、ここでは商品在庫数のカウント動作を商品補給と販売に分けて説明する。まず、商品収納ラック３に商品８を補給する場合の動作を図３(a) 〜(d) に示す。(a) 図はラックが空で商品在庫数は０である。この状態では売切スイッチ３ｆがＯＮ，商品検知スイッチ９はＯＦＦであり、距離センサ１０はトップトレー３ｃ上の商品無しを検出している。ここで、商品８を補給するためにキャビネットの扉を開くと図２に示した扉スイッチ７の動作し、その動作信号でカウンタが商品の投入開始を認識する。次に(b) 図のように選択したコラムの商品投入口３ａに商品８を投入すると、商品８はトップトレー９の上を転動してその終端から落下して商品通路３ｂに収納され、この過程で商品８が商品通路の上端コーナーを通過する度に商品検知スイッチ９がＯＮ→ＯＦＦ動作して商品をカウントする。なお、売切スイッチ３ｆは商品有りを検知してＯＦＦとなる。
【００１４】
そして、(c) 図の状態になると商品検知スイッチ９は商品８に押されっぱなしになってＯＦＦに復帰しなくなるので、この段階で商品検知スイッチ１０を通過した商品のカウント数と、あらかじめカウンタに記憶しているデータ（カウンタのメモリにはあらかじめ各コラムの蛇行状商品通路３ｂ（通路長Ｂ）に収納可能な商品の径サイズ別収納数のデータが書き込まれている）とを照合し、ここまで投入した商品の収納数を確認する。なお、前記各データが一致していれば商品検知スイッチ９のカウント動作が正常であり、不一致の場合にはカウント動作に異常有りとして在庫数を補正する。
【００１５】
また、前記の商品補給動作に引き続いて商品投入口３ａに投入した後続の商品８はトップトレー３ｃの上に一列に並んで収納される。そして、この商品補給を各コラム別に行った後に、(d) 図で示すように扉を閉じると、この時点で上部内扉５に配置した距離センサ１０がトップトレー３ｃの上で最も手前に位置している商品との間の距離ａを非接触式に計測する。この場合に、カウンタのメモリには各コラムのトップトレー３ｃの長さデータＡがあらかじめ記憶されており、この長さデータＡと距離センサ１０で計測した距離ａ，およびコラム別に投入した商品８の径サイズとからトップトレー上に並んでいる商品８の収納数を演算によりカウントし、これを商品通路３ｂの領域Ｂに収納した商品のカウント数に加算して各コラムごとの商品在庫数（商品投入数）を確定する。
【００１６】
次に、販売開始後における商品在庫数のカウント動作を図４(a) 〜(c) で説明する。まず、(a) 図は商品補給直後の満杯状態を表している。ここから商品が販売されると、カウンタはベンド機構３ｄの動作信号を取り込んでカウント数を１本ずつ減算する。そして、販売が進んで(b) 図の状態になると、商品通路３ｂの上端に設けた商品検知スイッチ９が商品８を検知しなくなってＯＦＦになるので、この時点で販売ごとに減算したカウント数と図３(c) で述べたコラムのデータとを照合して現時点で商品通路３ｂに残る商品在庫数を確認する。そして、さらに販売が進み、(c) 図で表すように最後の商品が搬出されて売切スイッチ３ｆが売切を検知すると、この時点で商品補給時にカウントした商品在庫数とこれまでの販売数とを照合してデータの確認を行う。
【００１７】
なお、前記した商品補給，販売の過程でカウントした商品在庫数のデータはカウンタに記憶しておき、必要時に自動販売機に装備のデータ表示部，ルートマンの携帯するデータ収集器，あるいは通信回線を介して自動販売機の管理センタに出力する。
また、図示実施例とは別に、非接触式距離センサ１０を単独で使用し、各コラムごとにトップトレー上の商品収納状態（商品有無，および満杯まで補給可能な本数など）をルートマンの目視に頼らずに確認することができる。
【００１８】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、サーペンタイン式商品収納ラックの各コラムごとに、その商品投入口の前方に配置してラックのトップトレー上に並ぶ商品の有無確認，および最後列の商品までの距離を計測する非接触式距離センサを備え、該距離センサの計測信号と商品の径サイズ情報を基に各コラムのトップトレー上に並ぶ商品の在庫数をカウントするようにし、またこれを従来の商品在庫数監視システムに組合せることにより、トップトレー上に収納した商品を含めてラック内の各コラムに収納されている商品の補給数，販売数を正確にカウントすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例によるサーペンタイン式商品収納ラックの断面図
【図２】図１サーペンタイン式商品収納ラックを搭載した自動販売機の扉開放状態を示す外観斜視図
【図３】本発明の実施例による商品補給時の在庫数カウント動作の説明図であり、(a) 〜(d) は在庫商品が空から満杯になるまでの各段階の状態を表す図
【図４】本発明の実施例による商品販売時の在庫数カウント動作の説明図であり、(a) 〜(c) は在庫商品が満杯から売切になるまでの各段階の状態を表す図
【符号の説明】
１ キャビネット
３ サーペンタイン式商品収納ラック
３ａ 商品投入口
３ｂ 商品通路
３ｃ トップトレー
３ｄ ベンド機構
３ｅ 出口アジャスタ
３ｆ 売切スイッチ
５ 上部内扉
７ 扉スイッチ
８ 商品
９ 商品検知スイッチ
１０ 非接触式距離センサ

Claims (3)

1. 前面扉付きキャビネットの庫内に搭載したサーペンタイン式商品収納ラックの商品通路に商品を一列に並べて収納し、販売指令に基づき商品通路の最下位に並ぶ商品から１個ずつ順に搬出して販売する自動販売機において、前記商品収納ラックの各コラムごとに、その商品投入口の前方に配置してラックのトップトレー上に並ぶ商品の有無確認，および最後列の商品までの距離を計測する非接触式距離センサを備え、該距離センサの計測信号と商品の径サイズ情報を基に各コラムのトップトレー上に並ぶ商品の在庫数をカウントするようにしたことを特徴とする自動販売機の商品在庫数監視装置。
2. 請求項１記載の商品在庫数監視装置において、非接触式距離センサを、各コラムの商品投入口と個々に対応してキャビネットの前面に配した中扉の扉内面に配置したことを特徴とする自動販売機の商品在庫数監視装置。
3. 前面扉付きキャビネットの庫内に搭載したサーペンタイン式商品収納ラックの商品通路に商品を一列に並べて収納し、販売指令に基づくベンド機構の動作により商品通路の最下位に並ぶ商品から１個ずつ順に搬出して販売する自動販売機において、前記商品収納ラックの各コラムごとに、その商品投入口の前方に配置してラックのトップトレー上に並ぶ商品の有無確認，および最後列の商品までの距離を計測する非接触式距離センサと、トップトレーの後端から商品通路に移行するコーナーに配置して該コーナーを通過する商品を検知する商品検知スイッチと、商品通路の出口側に配した売切スイッチを備え、前記の距離センサ，商品検知スイッチ，ベンド機構，および売切スイッチの各信号と商品の径サイズ情報を基に各コラムの商品在庫数を監視するようにしたことを特徴とする自動販売機の商品在庫数監視装置。

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