JP4029204B2 - 誘電体セラミック組成物および積層セラミック電子部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、誘電体セラミック組成物およびこの誘電体セラミック組成物を用いて構成される積層セラミックコンデンサのような積層セラミック電子部品に関するもので、特に、積層セラミック電子部品における誘電体セラミック層の誘電率の温度特性を良好にし、かつ信頼性の向上を有利に図り得るようにするための改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
積層セラミック電子部品の一例としての積層セラミックコンデンサは、複数の積層された誘電体セラミック層と誘電体セラミック層間の特定の界面に沿って形成された内部電極とが積層された状態となっている積層体を備えている。このような積層セラミックコンデンサにおいて、最近では、コスト低減のため、内部電極に含まれる導電成分を与える金属として、高価な貴金属であるAgやPdに代わって、安価な卑金属であるNiなどが用いられることが多くなっている。
【0003】
また、積層セラミックコンデンサを製造する場合、上述した積層体の生の状態のものを焼成する工程が実施される。上述したように、Niなどを内部電極に用いる場合、この焼成工程では、Niなどが酸化されない還元性雰囲気を適用する必要がある。しかしながら、還元性雰囲気下での焼成によれば、たとえばチタン酸バリウムからなるセラミックは、通常、還元されて半導体化してしまう。
【0004】
この問題を解決するため、たとえば、特公昭57−42588号公報に示されるように、チタン酸バリウム固溶体における、バリウムサイト/チタンサイトの比を化学量論比より過剰にすることによる、誘電体セラミック材料の非還元化技術が開発されている。これ以来、Niなどを内部電極とした積層セラミックコンデンサの実用化が可能となり、その生産量も拡大している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年のエレクトロニクス技術の発展に伴い、電子部品の小型化が急速に進行し、積層セラミックコンデンサについても、小型化かつ大容量化の傾向が顕著になってきている。
【0006】
また、特に積層セラミックコンデンサに対しては、上述の静電容量の増大ばかりでなく、静電容量の温度安定性も求められており、温度特性の良好な高誘電率セラミック材料として、多くの材料が提案され、実用化されている。
【0007】
これらの材料は、いずれもBaTiO3 を主成分とするもので、これに希土類元素を添加し、焼結する過程で、この添加成分をBaTiO3 粒子に拡散させている。得られた焼結体の個々の粒子は、添加成分が拡散していないコア部と添加成分が拡散したシェル部とからなるコアシェル構造をとることが知られており、平坦な誘電率温度特性は、コア部とシェル部との各々の互いに異なる誘電率の温度特性の重ね合わせによって与えられる。
【0008】
このような材料が提供されたことによって、静電容量の温度変化の少ない、また、高い静電容量を有する積層セラミックコンデンサが実現され、市場拡大に貢献している。
【0009】
しかしながら、上述のコアシェル構造は、セラミックの焼結過程における添加成分の拡散の制御によって達成されるものであり、したがって、添加成分が過剰になると、平坦な温度特性が得られない。他方、添加成分の拡散が不十分であれば、信頼性に劣る。そのため、工業的に量産しようとするとき、上述した材料では、焼結と添加成分の拡散について安定した制御を実現することが比較的難しく、得られる誘電率の温度特性も比較的不安定である。
【0010】
さらに、前述したような積層セラミックコンデンサの小型化かつ大容量化の要求を満たすため、積層体に備える誘電体セラミック層をより薄層化し、かつ多層化する必要が生じてきている。
【0011】
しかしながら、薄層化した場合、内部電極間のセラミック粒子の個数が少なくなり、信頼性の低下が著しいため、薄層化に限界がある。そこで、セラミック粒子の粒径を小さくし、それによって、信頼性が高く、しかも誘電率の電界強度の安定性に優れた材料の開発が望まれている。
【0012】
ところが、従来のコアシェル構造をもった材料では、セラミック粒子の粒径を小さくすると、添加成分の拡散が増大し、平坦な温度特性を確保することが比較的困難になる。
【0013】
以上のことから、コアシェル構造を持った材料を用いながら、積層セラミックコンデンサの十分な薄層化や高い温度までの誘電率の十分な安定化を図ることは、実質的に困難あるいは不可能であるのが現状である。
【0014】
同様のことが、上述した積層セラミックコンデンサの場合に限らず、他の積層セラミック電子部品についても言える。
【0015】
そこで、この発明の目的は、上述したような問題を解決し得る、誘電体セラミック組成物およびこの誘電体セラミック組成物を用いて構成される積層セラミック電子部品を提供しようとすることである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る誘電体セラミック組成物は、簡単に言えば、添加成分の拡散によるコアシェル構造を持たない材料であり、そのため、誘電率の温度特性や信頼性に関して、焼成条件の影響を受けにくい材料である。また、この発明に係る誘電体セラミック組成物を用いて、たとえば積層セラミックコンデンサを製造すると、薄層化した場合においても、静電容量の温度特性に関して、JIS規格で規定するB特性およびEIA規格で規定するX7R特性を満足させることができ、高い信頼性を実現することができる。
【0017】
より具体的には、この発明に係る誘電体セラミック組成物は、一般式:(Ba1-x Cax )m TiO3 +α1 BaO+α2 CaO+βV2 O5 で表わされるものであり、上述した技術的課題を解決するため、次のような構成を備えることを特徴としている。
【0018】
すなわち、α1 およびα2 は、それぞれ、α1 =0およびα2 =0の各場合を含み、mは、m≧0.990であり、βは、0.0001≦β≦0.025であり、xは、0.02≦x≦0.15であり、α1 、α2 およびmは、1.006≦m+α1 +α2 ≦1.035の関係にあり、前述した(Ba1-x Cax )m TiO3 で表わされる化合物100重量部に対して、焼結助剤が0.2〜5.0重量部の含有量をもって含有されることを特徴としている。
【0019】
上述した焼結助剤としては、SiO2 を主成分とするものが有利に用いられる。
【0020】
また、この発明に係る誘電体セラミック組成物において、さらにMgOが添加される場合、(Ba1-x Cax )m TiO3 で表わされる化合物100モル部に対して、MgOが0.1〜5モル部の含有量となるように添加されることが好ましい。
【0021】
また、MnOが添加される場合には、(Ba1-x Cax )m TiO3 で表わされる化合物100モル部に対して、0.01〜2.5モル部の含有量となるように添加されることが好ましい。
【0022】
この発明は、また、複数の積層された誘電体セラミック層および誘電体セラミック層間の特定の界面に沿って形成された内部電極を含む、積層体を備える、積層セラミック電子部品にも向けられる。この積層セラミック電子部品において、誘電体セラミック層が、上述したような誘電体セラミック組成物からなることを特徴としている。
【0023】
上述の内部電極は、ニッケルまたはニッケル合金を含むことが好ましい。
【0024】
この発明は、積層セラミックコンデンサに対して特に有利に適用される。この場合、複数の内部電極が、静電容量を形成するように、誘電体セラミック層を介して対向するように形成され、内部電極の特定のものに電気的に接続されるように積層体の外表面上に外部電極が形成される。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明に係る誘電体セラミック組成物を用いて構成される積層セラミック電子部品の一例としての積層セラミックコンデンサ1を図解的に示す断面図である。
【0026】
積層セラミックコンデンサ1は、積層体2を備えている。積層体2は、積層される複数の誘電体セラミック層3と、複数の誘電体セラミック層3の間の特定の複数の界面に沿ってそれぞれ形成される複数の内部電極4および5とをもって構成される。内部電極4および5は、積層体2の外表面にまで到達するように形成されるが、積層体2の一方の端面6にまで引き出される内部電極4と他方の端面7にまで引き出される内部電極5とが、積層体2の内部において交互に配置されている。
【0027】
積層体2の外表面上であって、端面6および7上には、外部電極8および9がそれぞれ形成されている。また、必要に応じて、外部電極8および9上には、ニッケル、銅などからなる第1のめっき層10および11がそれぞれ形成され、さらにその上には、半田、錫などからなる第2のめっき層12および13がそれぞれ形成されている。
【0028】
次に、上述のような積層セラミックコンデンサ1の製造方法について、製造工程順に説明する。
【0029】
まず、誘電体セラミック原料粉末を用意し、これをスラリー化し、このスラリーをシート状に成形して、誘電体セラミック層3および4のためのセラミックグリーンシートを得る。ここで、誘電体セラミック原料粉末として、後で詳細に説明するように、この発明に係る誘電体セラミック組成物のための原料粉末が用いられる。
【0030】
次に、セラミックグリーンシートの特定のものの各一方主面上に、内部電極4および5を形成する。内部電極4および5は、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金等の卑金属、または銀、パラジウム、銀−パラジウム合金等の貴金属を導電成分として含むものであるが、特に、ニッケルまたはニッケル合金を含むことが好ましい。これら内部電極4および5は、通常、上述のような導電成分を含む導電性ペーストを用いて、スクリーン印刷法などの印刷法や転写法等によって形成されるが、どのような方法によって形成されてもよい。
【0031】
次に、内部電極4または5を形成した誘電体セラミック層3のためのセラミックグリーンシートを、必要数積層するとともに、これらセラミックグリーンシートを、内部電極が形成されない適当数のセラミックグリーンシートによって挟んだ状態とし、これらをプレスすることによって、生の積層体を得る。
【0032】
次に、この生の積層体を、所定の還元性雰囲気中で所定の温度にて焼成し、それによって、図1に示すような焼結後の積層体2を得る。
【0033】
その後、積層体2の両端面6および7上に、内部電極4および5の特定のものと電気的に接続されるように、外部電極8および9を形成する。これら外部電極8および9の材料としては、内部電極4および5と同じ材料を用いることができる。外部電極8および9は、通常、金属粉末にガラスフリットを添加して得られた導電性ペーストを付与し、これを焼き付けることによって形成される。
【0034】
なお、外部電極8および9となるべき導電性ペーストは、通常、上述のように、焼結後の積層体2に付与され、焼き付けられるが、焼成前の生の積層体に付与しておき、積層体2を得るための焼成と同時に焼き付けられてもよい。
【0035】
次に、外部電極8および9の各々上に、ニッケル、銅などのめっきを施し、第1のめっき層10および11を形成する。最後に、これら第1のめっき層10および11上に、半田、錫などのめっきを施し、第2のめっき層12および13を形成し、積層セラミックコンデンサ1を完成させる。
【0036】
このような積層セラミックコンデンサ1において、誘電体セラミック層3は、前述したように、コアシェル構造を持たない材料であり、一般式:(Ba1-x Cax )m TiO3 +α1 BaO+α2 CaO+βV2 O5 で表わされ、かつ、(Ba1-x Cax )m TiO3 で表わされる化合物100重量部に対して、焼結助剤が0.2〜5.0重量部の含有量をもって含有された、誘電体セラミック組成物から構成される。
【0037】
ただし、上述の一般式において、α1 およびα2 は、それぞれ、α1 =0およびα2 =0の各場合を含み、mは、m≧0.990であり、βは、0.0001≦β≦0.025であり、xは、0.02≦x≦0.15であり、α1 、α2 およびmは、1.006≦m+α1 +α2 ≦1.035の関係にある。
【0038】
この誘電体セラミック組成物は、還元性雰囲気中で焼成しても、半導体化することなく、焼結することができる。また、この誘電体セラミック組成物を用いて、前述したような積層セラミックコンデンサ1の誘電体セラミック層3を構成するようにすれば、静電容量の温度特性がJIS規格で規定するB特性(−25℃〜+85℃で容量変化が±10%以内)を満足し、絶縁抵抗が高く、信頼性の高いものとすることができる。
【0039】
また、上述の誘電体セラミック組成物には、用途により、Mgを添加する場合がある。Mgを添加する場合には、(Ba1-x Cax )m TiO3 で表わされる化合物100モル部に対して、MgOが0.1〜5モル部の含有量となるように添加される。これによって、積層セラミックコンデンサ1において、EIA規格で規定するX7R特性(−55℃〜+125℃で容量変化が±15%以内)を満足させることができる。
【0040】
また、誘電体セラミック組成物には、用途により、Mnを添加する場合がある。Mnを添加する場合には、(Ba1-x Cax )m TiO3 で表わされる化合物100モル部に対して、MnOが0.01〜2.5モル部の含有量となるように添加される。これによって、積層セラミックコンデンサ1の絶縁抵抗をさらに高めることができる。
【0041】
このような誘電体セラミック組成物の出発原料は、(Ba1-x Cax )m TiO3 で表わされる化合物と、Ba化合物と、Ca化合物と、V化合物と、焼結助剤と、その他の必要な添加物とを含むものであるが、誘電体セラミック組成物の原料粉末の製造方法としては、(Ba1-x Cax )m TiO3 で表わされる化合物を実現し得るものであれば、どのような方法が採用されてもよい。
【0042】
(Ba1-x Cax )m TiO3 で表わされる化合物以外のものを添加成分と呼ぶとき、たとえば、BaCO3 とTiO2 とCaCO3 と添加成分とを混合する工程と、この混合物を熱処理することにより、BaCO3 とTiO2 とCaCO3 と添加成分とを反応させる工程と、得られた反応物に添加成分の残部を加え混合する工程とを備える方法によって、誘電体セラミック組成物の原料粉末を得ることができる。
【0043】
また、水熱合成法、加水分解法、あるいはゾルゲル法などの湿式合成法によっても、(Ba1-x Cax )m TiO3 で表わされる化合物を実現することができる。
【0044】
また、添加成分であるBa、Ca、V、Mg、Mnの各化合物および焼結助剤としては、前述したような誘電体セラミック組成物を構成できるものであれば、酸化物粉末に限らず、アルコキシドや有機金属などの溶液を用いてもよく、これら用いられる添加成分の形態によって、得られた誘電体セラミック組成物の特性が損なわれることはない。
【0045】
また、前述したような誘電体セラミック組成物は、焼成されて、図1に示した積層セラミックコンデンサ1の誘電体セラミック層3となるが、このような焼成工程において、内部電極4および5に含まれるニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金、銀、パラジウムまたは銀−パラジウム合金のような金属は、誘電体セラミック層3中に拡散する場合もあるが、前述した誘電体セラミック組成物によれば、このような金属成分が拡散しても、その電気的特性に実質的な影響がないことを確認している。
【0046】
次に、この発明を、実験例に基づいてより具体的に説明する。この実験例は、この発明に係る組成範囲の限定の根拠を与えるためのものでもある。
【0047】
この実験例において、図1に示すような積層セラミックコンデンサを作製した。
【0048】
まず、出発原料として、高純度のTiO2 、BaCO3 およびCaCO3 を準備し、以下の表1に示すようなCaの含有量すなわち「Ca変性量:x」および「(Ba,Ca)/Ti比:m」となるように秤量した後、混合粉砕した。乾燥後、各粉末を、1000℃以上の温度で加熱し、それによって、平均粒径0.20μmの表1に示すA〜Jの各種類の(Ba1-x Cax )m TiO3 粉末を合成した。なお、平均粒径は、走査型電子顕微鏡によって粉末を観察し、300個の粒子の粒子径を測長して求めた。
【0049】
【表1】
【0050】
また、SiO2 を主成分とする焼結助剤となる酸化物粉末を得るため、以下の表2に示すような酸化物換算での組成割合(重量%)になるように、各成分の酸化物、炭酸塩または水酸化物を秤量し、混合粉砕した。次に、これら混合粉末を、白金るつぼ中において、1500℃の温度まで加熱した後、急冷し、粉砕することによって、平均粒径が1μm以下の表2に示すa〜fの各種類の焼結助剤を得た。
【0051】
【表2】
【0052】
また、BaCO3 粉末およびCaCO3 粉末をさらに準備するとともに、V2 O5 粉末、MgCO3 粉末およびMnCO3 粉末を準備した。
【0053】
次に、以下の表3および表4に示すように、表1に示した(Ba1-x Cax )m TiO3 粉末A〜Jのいずれかおよび表2に示した焼結助剤a〜fのいずれかを用いながら、上述したような原料粉末を種々の組成割合になるように配合した。
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
次に、表3および表4に示した各組成割合になるように配合された配合物に、ポリビニルブチラール系バインダおよびエタノール等の有機溶剤を加えて、ボールミルにより湿式混合し、セラミックスラリーを作製した。
【0057】
次に、セラミックスラリーを、ドクターブレード法によって、シート状に成形し、焼結後の厚みで2.0μmとなるような厚みの矩形のセラミックグリーンシートを得た。
【0058】
次に、セラミックグリーンシート上に、ニッケルを主体とする導電性ペーストを印刷し、内部電極となるべき導電性ペースト膜を形成した。
【0059】
次に、複数枚のセラミックグリーンシートを、上述の導電性ペースト膜の引き出されている側が互い違いになるように積層し、生の積層体を得た。
【0060】
次に、生の積層体を、窒素雰囲気中において、350℃の温度に加熱し、バインダを燃焼させた後、酸素分圧10-9〜10-12 MPaのH2 −N2 −H2 Oガスからなる還元性雰囲気中において、表5および表6に示す各温度で2時間焼成し、焼結した積層体を得た。
【0061】
次に、焼結された積層体の両端面上に、B2 O3 −SiO2 −BaO系のガラスフリットを含有するとともに銀を導電成分とする導電性ペーストを塗布し、窒素雰囲気中において、600℃の温度で焼き付け、内部電極と電気的に接続された外部電極を形成した。
【0062】
このようにして得られた積層セラミックコンデンサの外形寸法は、幅が5.0mm、長さが5.7mmおよび厚さが2.4mmであり、内部電極間に介在する誘電体セラミック層の厚みは、2.0μmであった。また、有効誘電体セラミック層の数は5であり、1層あたりの対向電極面積は16.3×10-6m2 であった。
【0063】
これら得られた試料について、電気的特性を測定した。
【0064】
静電容量(C)および誘電損失(tanδ)を、自動ブリッジ式測定器によって、JIS規格「5102」に従って測定し、得られた静電容量から誘電率(ε)を算出した。
【0065】
また、絶縁抵抗計を用い、10Vの直流電圧を2分間印加して、25℃での絶縁抵抗(R)を求め、これから比抵抗(logρ)を算出した。
【0066】
また、温度変化に対する静電容量の変化率を、20℃での静電容量を基準とした−25℃〜+85℃の範囲での変化率(ΔC85/C20)と、25℃での静電容量を基準とした−55℃〜+125℃の範囲での変化率(ΔC125 /C25)とについて求めた。
【0067】
また、高温負荷試験として、温度150℃にて20Vの直流電圧を印加して、その絶縁抵抗の経時変化を測定し、各試料の絶縁抵抗値が105 Ω以下になった時点を故障とし、平均故障時間を求めた。
【0068】
以上の電気的特性の評価結果が表5および表6に示されている。
【0069】
【表5】
【0070】
【表6】
【0071】
表5および表6に示した各電気的特性についての好ましい範囲は、次のとおりである。
【0072】
誘電率については、2000以上であり、誘電損失については、2.5%以下であり、容量温度変化率におけるΔC85/C20については、±10%以内である。
【0073】
また、比抵抗(logρ)については、11.0Ω・cm以上であり、平均故障時間は、50時間以上である。
【0074】
なお、容量温度変化率におけるΔC125 /C25については、±15%以内であれば、より好ましく、さらに、比抵抗(logρ)については、13.0Ω・cm以上であれば、より好ましい。
【0075】
また、セラミック粒子の構造を評価するため、焼成後の積層体における誘電体セラミック層の部分を、Arイオンミリングを施して薄片化した後、高分解能電子顕微鏡を用いて、倍率40万倍にて観察した。
【0076】
以下に、この発明において、前述したような組成範囲に限定した理由について説明する。
【0077】
表1、表3ないし表6において、試料番号に*を付したものは、この発明に係る組成範囲から外れた試料である。
【0078】
この発明の範囲外にある試料1では、表3に示すように、(Ba1-x Cax )m TiO3 粉末として、「A」が用いられ、この「A」は、表1および表3に示すように、Ca変性量xが、0.02未満の0.01である。そのため、試料1では、表5に示すように、平均故障時間が25時間と短くなっている。
【0079】
他方、同様に、この発明の範囲外にある試料2では、表3に示すように、(Ba1-x Cax )m TiO3 粉末として、「B」が用いられ、この「B」は、表1および表3に示すように、Ca変性量xが0.15を超える0.16となっている。そのため、試料2では、表5に示すように、誘電率が1100と小さく、また、誘電損失が3.5%と大きくなっている。
【0080】
また、この発明の範囲外の試料3では、表3に示すように、(Ba1-x Cax )m TiO3 粉末として、「C」が用いられ、この「C」は、表1および表3に示すように、(Ba,Ca)/Ti比mが0.990未満の0.988である。そのため、試料3では、表5に示すように、平均故障時間が測定不能なほど著しく短く、高温で電圧を印加した瞬間に故障が生じた。
【0081】
また、この発明の範囲外の試料4〜6では、表3に示すように、(Ba,Ca)/Ti比mとBaO含有量α1 とCaO含有量α2 との和、すなわちm+α1 +α2 が、1.035を超える1.037である。そのため、これら試料4〜6では、焼結が不十分であり、表5に示すように、tanδが2.5%より大きく、容量温度変化率が、ΔC85/C20について±10%以内の範囲を超え、ΔC125 /C25については±15%以内の範囲を超え、比抵抗(logρ)が11.0Ω・cmより低く、また、平均故障時間が測定不能な程度に著しく短く、高温で電圧を印加した瞬間に故障が生じた。
【0082】
他方、同様に、この発明の範囲外にある試料7および8では、表3に示すように、m+α1 +α2 が1.006未満のそれぞれ0.996および1.004である。そのため、試料7および8では、表5に示すように、比抵抗が11.0Ω・cmより低く、また、平均故障時間が測定不能な程度に著しく短く、高温で電圧を印加した瞬間に故障が生じた。
【0083】
また、この発明の範囲外の試料9では、表3に示すように、V2 O5 含有量βが0.0001未満の0.00007である。そのため、試料9では、表5に示すように、比抵抗が11.0Ω・cmより低く、また、平均故障時間が50時間未満の28時間と短かった。
【0084】
他方、同様に、この発明の範囲外にある試料10では、表3に示すように、V2 O5 含有量βが0.025を超える0.027である。そのため、試料10では、表5に示すように、誘電率が2000より低い1530であり、平均故障時間が50時間未満の32時間と短かった。
【0085】
また、この発明の範囲外の試料11および12では、表3に示すように、焼結助剤の含有量が(Ba1-x Cax )m TiO3 で表わされる化合物100重量部に対して0.2重量部未満のそれぞれ0重量部および0.1重量部である。そのため、試料11および12では、焼結が不十分であり、表5に示すように、容量温度変化率が、ΔC85/C20については±10%以内の範囲を外れ、ΔC125 /C25については±15%以内の範囲を外れ、比抵抗は11.0Ω・cmより低く、平均故障時間は測定不能な程度に著しく短く、高温で電圧を印加した瞬間に故障が生じた。
【0086】
他方、同様に、この発明の範囲外にある試料13では、表3に示すように、焼結助剤の含有量が(Ba1-x Cax )m TiO3 で表わされる化合物100重量部に対して5.0重量部を超える5.2重量部である。そのため、試料13では、表5に示すように、誘電率が2000より低く、また、平均故障時間が50時間未満の41時間と短かった。
【0087】
これらに対して、この発明の範囲内にある試料14〜37では、表1、表3および表4に示すように、Ca変性量xが0.02≦x≦0.15の条件を満たし、(Ba,Ca)/Ti比mがm≧0.990の条件を満たし、また、表3および表4に示すように、V2 O5 含有量βが0.0001≦β≦0.025であり、(Ba,Ca)/Ti比mとBaO含有量α1 とCaO含有量α2 との和、すなわちm+α1 +α2 が1.006≦m+α1 +α2 ≦1.035の関係にあり、焼結助剤の含有量が(Ba1-x Cax )m TiO3 で表わされる化合物100重量部に対して0.2〜5.0重量部の範囲にある。
【0088】
そのため、これら試料14〜37では、表5および表6に示すように、誘電率は2000以上であり、誘電損失は2.5%以下であり、容量温度変化率は、ΔC85/C20については、±10%以内であり、JIS規格に規定するB特性を満足し、比抵抗は11.0Ω・cm以上であり、平均故障時間は100時間を超え、信頼性に優れ、また、1200℃以下の温度で焼成可能であった。
【0089】
また、試料14〜37では、焼結後の誘電体セラミック部分を高分解能電子顕微鏡で観察したところ、コアシェル構造を有する粒子はなく、ドメイン構造が端まで形成されていることが確認された。
【0090】
特に、試料18〜37では、(Ba1-x Cax )m TiO3 で表わされる化合物100モル部に対して、添加物としてのMgOを0.1〜5モル部含有している。そのため、これら試料18〜37では、容量温度変化率におけるΔC125 /C25が±15%以内であり、EIA規格に規定するX7R特性をも満足している。
【0091】
また、試料15〜17および21〜37では、(Ba1-x Cax )m TiO3 で表わされる化合物100モル部に対して、添加物としてのMnOを0.01〜2.5モル部含有している。そのため、これら試料15〜17および21〜37では、表5および表6に示すように、比抵抗が13.0Ω・cm以上とさらに高くなっている。
【0092】
以上、この発明を、積層セラミックコンデンサについて説明したが、この発明に係る誘電体セラミック組成物は、複数の積層された誘電体セラミック層および誘電体セラミック層間の特定の界面に沿って形成された内部電極を含む、積層体を備える、積層セラミック電子部品であれば、積層セラミックコンデンサ以外の積層セラミック電子部品においても、誘電体セラミック層の材料として有利に用いることができる。
【0093】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る誘電体セラミック組成物によれば、これを焼成して得られた焼結体の誘電率の温度特性が良好であり、また、高い信頼性を与えることができる。
【0094】
また、この発明に係る誘電体セラミック組成物は、還元性雰囲気で焼成されても、半導体化せず、高い比抵抗を与えることができるので、これを焼成して得られた焼結体を用いて、積層セラミックコンデンサのような積層セラミック電子部品を構成すると、内部電極に含まれる導電成分として、卑金属であるニッケルまたはニッケル合金を問題なく用いることができ、その結果、積層セラミック電子部品のコストダウンを図ることができる。
【0095】
また、この発明に係る誘電体セラミック組成物によれば、これを焼成して得られた焼結体の誘電率の温度特性は、コアシェル構造に基づき平坦化されるのではなく、組成物本来の温度特性に基づき平坦化されるので、焼成温度による誘電率の温度特性の変動を少なくすることができる。そのため、この誘電体セラミック組成物を用いて構成された積層セラミックコンデンサのような積層セラミック電子部品は、特性のばらつきが小さく、誘電率の温度特性が安定でかつ優れたものとすることができる。
【0096】
この発明に係る誘電体セラミック組成物において、(Ba1-x Cax )m TiO3 で表わされる化合物100モル部に対して、MgOが0.1〜5モル部添加されていると、この誘電体セラミック組成物を用いて構成された積層セラミックコンデンサにおいて、EIA規格に規定するX7R特性を満足させることができる。
【0097】
また、この発明に係る誘電体セラミック組成物において、(Ba1-x Cax )m TiO3 で表わされる化合物100モル部に対して、MnOが0.01〜2.5モル部添加されていると、この誘電体セラミック組成物を焼成して得られた焼結体の比抵抗(logρ)を13.0Ω・cm以上にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る誘電体セラミック組成物を用いて構成される積層セラミック電子部品の一例としての積層セラミックコンデンサ1を図解的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 積層セラミックコンデンサ
2 積層体
3 誘電体セラミック層
4,5 内部電極
8,9 外部電極
Claims (7)
- 一般式:(Ba1-x Cax )m TiO3 +α1 BaO+α2 CaO+βV2 O5 で表わされる、誘電体セラミック組成物であって、
コアシェル構造を持たない材料であり、
α1 およびα2 は、それぞれ、α1 =0およびα2 =0の各場合を含み、
mは、m≧0.990であり、
βは、0.0001≦β≦0.025であり、
xは、0.02≦x≦0.15であり、
α1 、α2 およびmは、1.006≦m+α1 +α2 ≦1.035の関係にあり、
前記(Ba1-x Cax )m TiO3 で表わされる化合物100重量部に対して、焼結助剤が0.2〜5.0重量部の含有量をもって含有される、誘電体セラミック組成物。 - 前記焼結助剤は、SiO2 を主成分とするものである、請求項1に記載の誘電体セラミック組成物。
- 前記(Ba1-x Cax )m TiO3 で表わされる化合物100モル部に対して、MgOが0.1〜5モル部の含有量をもってさらに含有される、請求項1または2に記載の誘電体セラミック組成物。
- 前記(Ba1-x Cax )m TiO3 で表わされる化合物100モル部に対して、MnOが0.01〜2.5モル部の含有量をもってさらに含有される、請求項1ないし3のいずれかに記載の誘電体セラミック組成物。
- 複数の積層された誘電体セラミック層および前記誘電体セラミック層間の特定の界面に沿って形成された内部電極を含む、積層体を備え、
前記誘電体セラミック層は、請求項1ないし4のいずれかに記載の誘電体セラミック組成物からなる、積層セラミック電子部品。 - 前記内部電極は、ニッケルまたはニッケル合金を含む、請求項5に記載の積層セラミック電子部品。
- 複数の前記内部電極が、静電容量を形成するように、前記誘電体セラミック層を介して対向するように形成され、前記内部電極の特定のものに電気的に接続されるように前記積層体の外表面上に形成される外部電極をさらに備え、積層セラミックコンデンサを構成する、請求項5または6に記載の積層セラミック電子部品。
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