JP4027045B2 - 自動二輪車のシート構造 - Google Patents

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Seats For Vehicles (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動二輪車のシート構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車のシート構造としては、例えば特開平11−227654号公報「自動二輪車のシート装置」(以下、「従来の技術」と言う)が知られている。
上記従来の技術は、同公報の図2及び図3に示される通り、シート底板31(番号は公報に記載されたものを引用した。以下同じ。)の上に重ねたクッション材32の上面を表皮33で覆ったシート30である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで近年、自動二輪車のコストダウンの要求が強まっており、このため、シート30についても安価にすることが求められてきた。シート30を安価にするには、クッション材32として安価な材料を採用することが考えられる。
しかし、クッション材32として単に安価な材料を採用したのでは、使用し続けるうちにクッション材32が初期の硬度よりも減少することで、クッション材32の反発力が低下する現象、いわゆる「へたり現象」が生じる。この結果、シート30の乗り心地が低下する。
【0004】
上記「へたり現象」とは、クッション材32の硬度が低下する現象のことである。へたり現象は、特に使い始めの時期に生じやすい。クッション材32の硬度は材料の性質上、早期に一定量だけ減少し、その後には比較的安定することが多いからである。
シート使い始め時期(初期)の乗り心地に合せてクッション材32の硬度を設定すると、へたり後(へたり現象が生じた後)のシートは硬度が不足する、いわゆる腰の無いものになってしまう。一方、へたり後の乗り心地に合せてクッション材32の硬度を設定すると、使い始め時期のシートは硬度が高過ぎる、いわゆる堅過ぎるものになってしまう。
【0005】
すなわち、使い始めの時期に乗り心地が良いようにクッション材32の硬度を低く設定すると、へたり現象が生じた後には柔らか過ぎて乗り心地性が劣る。一方、へたり現象が生じた後に乗り心地が良いように硬度を高く設定すると、使い始めの時期には堅過ぎて乗り心地性が劣る。
【0006】
そこで本発明の目的は、シートの乗り心地を確保しつつ安価にする技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、(1)クッション材のうち、特に乗員のヒップが直接当るヒップポイントが他の部分よりも大きい圧縮力を頻繁に受けるので、へたり現象の生じる傾向が強いこと、及び(2)シートを使い始めた時期にクッション材のへたり現象が生じやすく、その後には比較的安定することに着目して、ヒップポイントの乗り心地を重点的に確保すればよいことを知見した。
すなわち請求項1は、シート底板の上に重ねたクッション材の上面を表皮材で覆った自動二輪車のシートにおいて、このシートが、乗員のヒップが直接当るヒップポイントにおけるクッション材の圧縮量を、ヒップが当らぬ部分の圧縮量より大きく設定したものであり、シート底板が、上面に複数個の補強リブを設けたものであり、クッション材が、下面を略平面状に形成するとともに、複数個の補強リブに対応する部分に補強リブが入り込む凹部を形成したものであり、これら複数個の凹部のうち、ヒップポイントに対応する部位の凹部をヒップポイントに対応しない凹部よりも浅くしたことを特徴とする。
【0008】
クッション材自体の硬度を予め低く設定しておき、ヒップポイントにおけるクッション材の圧縮量を大きくして高密度にすることによって、その部分の硬度を、シート使い始め時期における好適な大きさに設定することができる。従って、シート使い始め時期におけるヒップポイントのシートの乗り心地を確保することができる。
【0009】
ヒップポイントにおけるクッション材にへたり現象が生じた後には、シート使い始め時期に比べて、ヒップポイントにおけるクッション材自体の硬度が低下する。
しかし元々、クッション材自体の硬度は比較的小さいものであり、へたり現象が生じても大差ない。しかも、へたり現象が生じた後であっても乗り心地が良いように、クッション材の圧縮量を大きく設定することで高密度にしてあるので、へたり現象が生じても、ヒップポイントにおけるクッション材の硬度は十分確保されている。この結果、へたり現象が生じた後におけるヒップポイントのシートの乗り心地を確保することができる。
このようにして、シートの乗り心地を常に確保することができる。
【0011】
また、ヒップポイントに対応する部位の凹部が浅いので、成形金型のキャビティに多量の発泡材を注入しなくても、キャビティのうち前記凹部間に相当する部分に、発泡材が十分に行き渡る。従って、クッション材の下面の形状を要求通りに成形できるとともに、クッション材の厚みを確保できる。発泡材の使用量を低減することで材料費を低減できるので、クッション材を安価にでき、この結果、シートのコストダウンを図ることができる。
求項は、ヒップポイントの周辺部位に副ヒップポイントが設定され、この副ヒップポイントに対応するクッション材圧縮量が、ヒップポイントに対応するクッション材圧縮量より小さく、かつヒップポイントに対応しないクッション材圧縮量より大きく設定したことを特徴とする。
請求項は、ヒップポイントに対応しない凹部の深さは補強リブの高さとほぼ同一であり、ヒップポイントに対応する凹部の深さは補強リブの高さより浅いことを特徴とする。
請求項は、シート底板には開口が形成され、該開口形成位置が、ヒップポイント前端かつ車幅方向中間部であることを特徴とする。
請求項は、ヒップポイントに対応する部位におけるクッション材は、シート底板に密着させたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側を示す。また、図面は符号の向きに見るものとする。
【0013】
図1は本発明に係る自動二輪車の左側面図である。
自動二輪車10は、車体フレーム11と、車体フレーム11のヘッドパイプ11aに取付けたフロントフォーク12と、フロントフォーク12に取付けた前輪13と、フロントフォーク12に連結したハンドル14と、車体フレーム11の後部に上下スイング可能に取付けたパワーユニット15と、パワーユニット15に取付けた後輪16と、パワーユニット15の後端部を懸架したリヤクッションユニット17と、車体フレーム11の後部上部に取付けた収納ボックス18と、収納ボックス18の上に配置し開閉可能に取付けたシート19とを、主要構成としたスクータ型自動二輪車である。
【0014】
パワーユニット15は、前部の水冷式エンジン21と後部の動力伝達機構22とからなる。エンジン21は、シリンダヘッドを前方へ向けて略水平に配置したものである。
【0015】
さらに自動二輪車10は、車体フレーム11をボディカバー30で覆ったものである。ボディカバー30は、ヘッドパイプ11aの前部を覆うフロントカバー31と、運転者の脚部前方を覆うレッグシールド32と、運転者の足を載せるステップフロア(低床式足載板)33と、ステップフロア33の外縁から下方へ延ばした左右のフロアサイドカバー34と、これらフロアサイドカバー34の下縁間を覆うアンダカバー35と、前記収納ボックス18の前半部周囲を覆うシート下部カバー36と、収納ボックス18の後半部周囲並びに車体後部を覆うリヤカバー37と、これらシート下部カバー36並びにリヤカバー37から下方へ延した左右のサイドカバー38とからなる。
【0016】
このような自動二輪車10は、▲1▼レッグシールド32の部分にイグニッションキーシリンダ41を配置し、▲2▼ステップフロア33の下に燃料タンク42並びに燃料ポンプ43を配置し、▲3▼車体フレーム11の後部上端部に図示せぬトレイを設けるとともに、このトレイにラジエータ用リザーブタンク44、バッテリ45並びに制御ユニット46を配置したものである。
【0017】
図中、51はハンドルグリップ、52はブレーキレバー、53はメータ、54はミラー、55はウインカ、56Fはハンドル前カバー、56Rはハンドル後カバー、57はヘッドランプ、58はホーン、59はフロントフェンダ、61はパワーユニット取付用ハンガ、62はエンジン始動用キックペダル、63はエアクリーナ、64はキャブレータ、65はエンジン冷却用ラジエータ、66はエンジン用排気管、67は排気用マフラ、71はメインスタンド、72はリヤフェンダ、73はテールランプ、74はウインカ、75はキャリア、Heはヘルメットである。
【0018】
図2は本発明に係るシートの左側面断面図であり、シート19の車幅中央断面構造を示したものである。
シート19は、シート底板80の上に重ねたクッション材90の上面を表皮材100で覆い、この表皮材100の端部をシート底板80の縁の下面に重ね合わせるように折返して、固定したものである。シート底板80は硬質樹脂製品であり、クッション材90は軟質ポリウレタン樹脂発泡材等の発泡材製品であり、表皮材100は合成皮革製品である。
【0019】
シート底板80は、前後方向中間部に且つ車幅中央部に開口部81を形成し、この開口部81を上下移動可能な可動板82で開閉するようにしたものである。上記図1に示す収納ボックス18にヘルメットHeを収納してシート19を閉じたときに、ヘルメットHeの頂部に可動板82が当ると、可動板82は上方へ移動する。従って、ヘルメットHeにシート19が干渉することはない。111はパッキン、112はシートロック用ストライカである。
【0020】
図3は本発明に係るシートの底面図であり、シート底板80の上面(図の裏面)における全面にわたって、複数個の補強リブ84・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)を設けたことを示す。複数個の補強リブ84・・・は、底面視でほぼ同じピッチの格子状に形成したものである。
さらにこの図は、想像線にてヒップポイントHP1並びにヒップポイントHP1より広い副ヒップポイントHP2を示す。ヒップポイントHP1並びに副ヒップポイントHP2は底面視でほぼ四角形の範囲を言う。ここで、ヒップポイントHP1とは、シート19のうち乗員のヒップが直接当る部位を言い、副ヒップポイントHP2とは、ヒップポイントHP1の周辺の部位を言う。
【0021】
図4は図3の4−4線断面図であり、シート底板80の上面83に複数個の補強リブ84・・・を一体に形成したことを示す。補強リブ84・・・は、シート底板80の剛性を確保するための補強部材である。補強リブ84・・・を、シート底板80の下面に設けずに上面83に設けたのは、シート19を開けたときの外観性を高めるためである。
【0022】
図5は図4の5−5線断面図であり、ヒップポイントHP1に対応しない部位のシート19の断面構造を示す。
【0023】
図6は図4の6−6線断面図であり、ヒップポイントHP1に対応する部位のシート19の断面構造を示す。
【0024】
図7は本発明に係るシートの分解図である。
シート底板80の上面83から上方へ起立させた複数個の補強リブ84・・・の高さは、ほぼ一定である。
クッション材90は、下面91を略平面状に形成するとともに、複数個の補強リブ84・・・に対応する部分に補強リブ84・・・が入り込む複数個の凹部92H・・・,92A・・・を形成したものである。これら複数個の凹部92H・・・,92A・・・は、シート底板80の上にクッション材90を重ねたときに、補強リブ84・・・を逃すための逃げ部である。
本発明は、複数個の凹部92H・・・,92A・・・のうち、ヒップポイントHP1に対応する部位の凹部(以下「ヒップポイント凹部92H・・・」と言う。)をヒップポイントHP1に対応しない凹部(以下「他の凹部92A・・・」と言う。)よりも浅くしたことを特徴とする。この点については次の図8にて詳述する。
【0025】
図8(a)〜(c)は本発明に係るシートの概念図である。
(a)は、組立前のシート19を示す。シート底板80から突出した補強リブ84・・・の高さはH1である。一方、クッション材90の厚みはT1であり、クッション材90におけるヒップポイント凹部92H・・・の深さはD1であり、他の凹部92A・・・の深さはD2である。
補強リブ84・・・の高さH1に対し他の凹部92A・・・の深さD2はほぼ同一であり、他の凹部92A・・・の深さD2に対しヒップポイント凹部92H・・・の深さD1を小さく設定した。すなわち、ヒップポイント凹部92H・・・を他の凹部92A・・・よりも浅くするとともに、補強リブの高さH1よりも小さくした。
ヒップポイント凹部92Hの深さD1は、好ましくはクッション材の厚みT1の5〜20%に相当する大きさであり、より好ましくはクッション材の厚みTの10%〜15%に相当する大きさである。
【0026】
(b)は、シート底板80の上にクッション材90を重ねるとともに、このクッション材90の上面を表皮材100で覆った状態を示す。
この状態から、シート底板80側へクッション材90を圧縮させつつ取付けることでシート19を製造する。
ヒップポイントHP1においてクッション材90を圧縮する力p1(圧縮力p1)は、副ヒップポイントHP2においてクッション材90を圧縮する力p2(圧縮力p2)よりも大きく、また、圧縮力p2はヒップが当らぬ部分においてクッション材90を圧縮する力p3(圧縮力p3)よりも大きい。すなわち、p1>p2>p3の関係にあり、これら圧縮力p1〜p3は分布荷重である。この結果を次の(c)に示す。
【0027】
(c)は、完成したシート19を示す。上記(b)のように圧縮力p1〜p3を設定することにより、ヒップポイントHP1におけるクッション材90の圧縮量C1を、ヒップが当らぬ部分の圧縮量C2より大きく設定した(C1>C2)。従って、圧縮させた後の、ヒップポイントHP1におけるクッション材90の厚みT2はヒップが当らぬ部分の厚みT3よりも小さい(T2<T3)。その分、ヒップポイントHP1におけるクッション材90の密度は高まる。
このように、ヒップポイントHP1におけるクッション材90の圧縮量C1を大きくして高密度にすることにより、ヒップポイントHP1におけるクッション材90の硬度を高めることができる。
【0028】
一般に、クッション材90として単に安価な材料を採用したのでは、使用し続けるうちにクッション材90が初期の硬度よりも減少することで、クッション材90の反発力が低下する現象、いわゆる「へたり現象」が生じる。この結果、シート19の乗り心地が低下する。「へたり現象」とは、クッション材90の硬度が低下する現象のことである。
【0029】
このようなクッション材90は、使い始めた時期にへたり現象が生じやすく、その後には比較的安定する。この点を考慮すれば、一定のへたり現象が生じた後に乗り心地が良いように、クッション材90の硬度を設定すればよい。
しかし、へたり後の乗り心地に合せてクッション材90の硬度を設定すると、使い始め時期のシート19は硬度が高過ぎる、いわゆる堅過ぎるものになってしまう。すなわち、へたり現象が生じた後に乗り心地が良いように硬度を高く設定すると、使い始めの時期には堅過ぎて乗り心地性が劣る。
【0030】
ところでシート19は、シート底板80の上に重ねたクッション材90の上面を表皮材100で覆い、シート底板80側へクッション材90を圧縮させつつ取付けることで製造するものである。クッション材90自体の硬度S1を予め低く設定しておき、製造過程において、クッション材90の圧縮量C1を大きく設定することにより、クッション材90の密度を高めることができる。このように高密度にすることで、クッション材90の硬度を、シート使い始め時期における好適な大きさに設定することができる。従って、シート使い始め時期におけるシート19の乗り心地を確保することができる。
【0031】
しかし、クッション材90全体の圧縮量を大きくするのは面倒であり、工数が増す。クッション材90のうち、特に乗員のヒップが直接当るヒップポイントHP1は、他の部分よりも大きい圧縮力を頻繁に受けるので、へたり現象の生じる傾向が強い。
【0032】
そこで本発明は、(1)クッション材90自体の硬度S1を予め低く設定しておき、(2)ヒップポイントHP1におけるクッション材90の圧縮量C1を、ヒップが当らぬ部分の圧縮量C2より大きく設定して高密度にすることにより、(3)ヒップポイントHP1の部分の硬度S2を、シート使い始め時期における好適な大きさに設定したことを特徴とする。
すなわち、ヒップポイントHP1におけるシート19の乗り心地を重点的に確保するようにした。クッション材90のうちヒップポイントHP1の部分の圧縮量C1を大きくするようにしたので、容易に圧縮することができ、従来の製造コストに維持できる。
ここで、「予め低く設定したクッション材90自体の硬度S1」は、「クッション材90を圧縮量C1だけ圧縮することで設定した、シート使い始め時期におけるヒップポイントHP1の部分の硬度S2」よりも小さい(S1<S2)。
【0033】
以上の説明をまとめると、クッション材90自体の硬度S1を予め低く設定しておき、ヒップポイントHP1におけるクッション材90の圧縮量C1を大きくして高密度にすることで、その部分の硬度S2を、シート使い始め時期における好適な大きさに設定することができる。従って、シート使い始め時期におけるヒップポイントHP1のシート19の乗り心地を確保することができる。
【0034】
ヒップポイントHP1におけるクッション材90にへたり現象が生じた後には、シート使い始め時期に比べて、ヒップポイントHP1におけるクッション材90自体の硬度が低下する。
しかし元々、クッション材90自体の硬度S1は比較的小さいものであり、へたり現象が生じても大差ない。すなわち、クッション材90の硬度の低下率を軽減させる(耐久劣化レベルを向上させる)ことができる。
しかも、へたり現象が生じた後であっても乗り心地が良いように、クッション材90の圧縮量C1を大きく設定することで高密度にしてあるので、へたり現象が生じても硬度は大差ない。従って、ヒップポイントHP1におけるクッション材90の硬度は十分確保されている。この結果、へたり現象が生じた後におけるヒップポイントHP1のシート19の乗り心地を確保することができる。
このようにして、シート19の乗り心地を常に確保することができる。
【0035】
ところで一般に、成形用金型に発泡材を注入してクッション材90を成形する場合に、凹部92H・・・,92A・・・が深いと、成形用金型のキャビティにおいて凹部間に相当する部分に、発泡材が十分に行き渡り難いことがある。この結果、クッション材90の下面91のうち、凹部間の表面部分が内部よりも発泡し難い。表面部分の発泡が不完全であると、下面91の形状を要求通りに成形できないとともに、クッション材90の厚みを確保することができないことが、あり得る。
【0036】
凹部92H・・・,92A・・・間の表面部分の形状を確実に整えるように発泡させるには、キャビティに多量の発泡材を注入すればよい。しかし、多量の発泡材を使うのでは、コストダウンの促進化に逆行する。
しかも、発泡材の発泡特性により、クッション材90の表面部分に多量の発泡材が集中するので、表面部分は内部よりも高密度である。凹部92H・・・,92A・・・が深いと、その分だけ高密度である表面部分の表面積が増す。この結果、クッション材90の重量が増すことになる。
【0037】
これに対して本発明は、クッション材90に形成した凹部92H・・・,92A・・・のうち、少なくともヒップポイント凹部92H・・・の深さD1を小さくしたものである。
ヒップポイント凹部92H・・・が浅いので、キャビティに多量の発泡材を注入しなくても、キャビティのうち凹部92H・・・間に相当する部分に、発泡材が十分に行き渡る。従って、下面91の形状を要求通りに成形できるとともに、クッション材90の厚みを確保できる。発泡材の使用量を低減することで材料費を低減できるので、クッション材90を安価にでき、この結果、シート19のコストダウンを図ることができる。
【0038】
さらに本発明によれば、ヒップポイント凹部92H・・・を浅くした分だけ、クッション材90の高密度である表面積は減少する。この分だけ、クッション材90の重量を低減することができる。しかも、シート19の外観形状や厚みを変えることなく、シート19の乗り心地を確保することができる。
【0039】
なお、上記本発明の実施の形態において、自動二輪車10はスクータ型自動二輪車に限定されるものではない。
【0040】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、乗員のヒップが直接当るヒップポイントにおけるクッション材の圧縮量を、ヒップが当らぬ部分の圧縮量より大きく設定したので、クッション材として安価な材料を採用した場合であっても、クッション材自体の硬度を予め低く設定しておき、ヒップポイントにおけるクッション材の圧縮量を大きくして高密度にすることによって、その部分の硬度を、シート使い始め時期における好適な大きさに設定することができる。従って、シート使い始め時期におけるヒップポイントのシートの乗り心地を確保することができる。
【0041】
一方、ヒップポイントにおけるクッション材にへたり現象が生じた後には、シート使い始め時期に比べて、ヒップポイントにおけるクッション材自体の硬度が低下する。
しかし元々、クッション材自体の硬度は比較的小さいものであり、へたり現象が生じても大差ない。すなわち、クッション材の硬度の低下率を軽減させる(耐久劣化レベルを向上させる)ことができる。しかも、へたり現象が生じた後であっても乗り心地が良いように、クッション材の圧縮量を大きく設定することで高密度にしてあるので、へたり現象が生じても、ヒップポイントにおけるクッション材の硬度は十分確保されている。この結果、ヒップポイントのシートの乗り心地を確保することができる。
【0042】
このようにしてヒップポイントにおけるクッション材の硬度を確保することで、シートの乗り心地を常に確保することができる。しかも、クッション材として安価な材料を採用することで、シートを安価にすることができる。
【0043】
また、シート底板の上面に複数個の補強リブを設け、また、クッション材の下面を略平面状に形成するとともに、この下面のうち複数個の補強リブに対応する部分に補強リブが入り込む凹部を形成し、これら複数個の凹部のうち、ヒップポイントに対応する部位の凹部をヒップポイントに対応しない凹部よりも浅くしたので、成形金型のキャビティに多量の発泡材を注入しなくても、キャビティのうち前記ヒップポイントに対応する部位の凹部間に相当する部分に、発泡材を十分に行き渡らせることができる。
従って、クッション材の下面の形状を要求通りに成形できるとともに、クッション材の厚みを確保できる。しかも、発泡材の使用量を低減することで材料費を低減できるので、クッション材を安価にでき、この結果、シートのコストダウンを一層促進させることができる。
求項は、ヒップポイントの周辺部位に副ヒップポイントが設定され、この副ヒップポイントに対応するクッション材圧縮量が、ヒップポイントに対応するクッション材圧縮量より小さく、かつヒップポイントに対応しないクッション材圧縮量より大きく設定したことを特徴とする。
請求項は、ヒップポイントに対応しない凹部の深さは補強リブの高さとほぼ同一であり、ヒップポイントに対応する凹部の深さは補強リブの高さより浅いことを特徴とする。
請求項は、シート底板には開口が形成され、該開口形成位置が、ヒップポイント前端かつ車幅方向中間部であることを特徴とする。
請求項は、ヒップポイントに対応する部位におけるクッション材は、シート底板に密着させたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動二輪車の左側面図
【図2】本発明に係るシートの左側面断面図
【図3】本発明に係るシートの底面図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】図4の5−5線断面図
【図6】図4の6−6線断面図
【図7】本発明に係るシートの分解図
【図8】本発明に係るシートの概念図
【符号の説明】
10…自動二輪車、19…シート、80…シート底板、83…シート底板の上面、84…補強リブ、90…クッション材、91…クッション材の下面、92H…ヒップポイントに対応する部位の凹部(ヒップポイント凹部)、92A…ヒップポイントに対応しない凹部(他の凹部)、100…表皮材、C1…ヒップポイントにおけるクッション材の圧縮量、C2…ヒップが当らぬ部分の圧縮量、D1…ヒップポイントに対応する部位の凹部の深さ、D2…ヒップポイントに対応しない凹部の深さ、HP1…ヒップポイント、T1…クッション材の厚み。

Claims (5)

  1. シート底板の上に重ねたクッション材の上面を表皮材で覆った自動二輪車のシートにおいて、
    このシートは、乗員のヒップが直接当るヒップポイントにおける前記クッション材の圧縮量を、ヒップが当らぬ部分の圧縮量より大きく設定したものであり、
    前記シート底板は、上面に複数個の補強リブを設けたものであり、前記クッション材は、下面を略平面状に形成するとともに、前記複数個の補強リブに対応する部分に補強リブが入り込む凹部を形成したものであり、これら複数個の凹部のうち、前記ヒップポイントに対応する部位の凹部をヒップポイントに対応しない凹部よりも浅くしたことを特徴とする自動二輪車のシート構造。
  2. 前記ヒップポイントの周辺部位に副ヒップポイントが設定され、この副ヒップポイントに対応するクッション材圧縮量は、前記ヒップポイントに対応するクッション材圧縮量より小さく、かつ前記ヒップポイントに対応しないクッション材圧縮量より大きく設定したことを特徴とする請求項1記載の自動二輪車のシート構造。
  3. 前記ヒップポイントに対応しない凹部の深さは前記補強リブの高さとほぼ同一であり、ヒップポイントに対応する凹部の深さは前記補強リブの高さより浅いことを特徴とする請求項1記載の自動二輪車のシート構造。
  4. 前記シート底板には開口が形成され、該開口形成位置は、ヒップポイント前端かつ車幅方向中間部であることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車のシート構造。
  5. 前記ヒップポイントに対応する部位におけるクッション材は、前記シート底板に密着させたことを特徴とする請求項1記載の自動二輪車のシート構造。
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