JP4026108B2 - β−グルコシダーゼの増強された産生のための遺伝子構築物および遺伝子改変された微生物 - Google Patents

β−グルコシダーゼの増強された産生のための遺伝子構築物および遺伝子改変された微生物 Download PDF

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Description

【0001】
(発明の背景)
(1.発明の分野)
本発明は、商業的に重要な酵素である、β−グルコシダーゼの産生を増強するための微生物の遺伝子改変に関する。本発明はまた、遺伝子構築物を含有する微生物によって産生されるβ−グルコシダーゼの量を劇的に増加させる、これらの遺伝子構築物に関する。
【0002】
(2.関連分野の背景)
セルロースからエタノールを産生する能力は、供給原料の莫大な量の利用可能性、材料を燃焼または埋め立てすることを回避することの望ましさ、およびエタノール燃料のきれいさのために、大きな関心を集めてきた。社会のためのこのようなプロセスの利点は、Atlantic Monthly、1996年4月号の記事に記載される。
【0003】
このようなプロセスのための天然のセルロース供給原料は、「バイオマス」と呼ばれる。木材、農業の残渣、草本作物、および地方の固形廃棄物を含む、多くの型のバイオマスが、エタノール産生のための供給原料と考えられてきた。これらの材料は、主にセルロース、ヘミセルロース、およびリグニンからなる。本発明は、セルロースからエタノールへの転換に適用され得る。
【0004】
セルロースは、β1,4結合によって連結された、単糖であるグルコースのポリマーである。セルロースは、酸、酵素、または微生物による分解または脱ポリマー化に非常に抵抗性である。一旦セルロースがグルコースに転換されると、生じた糖は、酵母を用いてエタノールに容易に発酵される。このプロセスの困難なチャレンジは、セルロースをグルコースに転換することである。
【0005】
セルロースをグルコースに転換するために研究された最も古い方法は、酸加水分解に基づく(Grethleinによる総説、「Chemical breakdown of Cellulosic Materials」J.Appl.Chem.Biotechnol.28:296−308(1978))。このプロセスは、濃縮されたか、または希釈された酸の使用を含み得る。濃縮された酸のプロセスは、高収量のグルコースを産生するが、酸の回収、必要とされる特定化された材料の構築、およびこの系において水を最小化することの必要性が、このプロセスの深刻に不利な点である。希釈した酸のプロセスは、化学的な回収の必要性を克服するために低レベルの酸を使用する。しかし、最大のグルコース収量はセルロースの約55%のみであり、そして分解産物の高い程度の産生は、酵母によるエタノールへの発酵を阻害し得る。これらの問題は、この酸加水分解プロセスを商業化に到達させることを妨害してきた。
【0006】
酸加水分解プロセスのこれらの問題を克服するために、セルロース転換プロセスは、より最近になって、セルラーゼ酵素を使用する酵素的加水分解に焦点を合わせてきた。セルロースの酵素的加水分解は、基質と水とを混合して、5%〜12%のセルロースのスラリーを達成すること、およびセルロース1gmあたり5〜50国際単位(IU)のセルラーゼ酵素を添加することによって実行される。代表的には、加水分解は35〜60℃、pH4〜6にて12〜150時間行われる。
【0007】
多くの微生物がセルロースを加水分解する酵素を作り、これらの微生物には、木材腐朽真菌であるTrichoderma、堆肥の細菌であるThermomonospora、Bacillus、およびCellulomonas;Streptomyces;ならびに真菌Humicola、AspergillusおよびFusariumが含まれる。これらの微生物によって作られる酵素は、セルロースからグルコースへの転換に有用な3つの型の作用を有するタンパク質:エンドグルカナーゼ(EG)、セロビオヒドロラーゼ(CBH)、およびβ−グルコシダーゼの混合物である。EG酵素およびCBH酵素は、集合的に、「セルラーゼ」と呼ばれる。
【0008】
EG酵素は、ランダムな位置においてセルロースポリマーを切断し、CBH酵素による攻撃にポリマーを曝露する。1つの例として、Trichoderma株は、少なくとも4つの別個のEG酵素(EGI、EGII、EGIII、およびEGVとして知られる)を産生する。
【0009】
CBH酵素は、セルロースポリマーの末端からセロビオースの分子を、連続して遊離させる。セロビオースは、グルロースの水溶性のβ−1,4−結合ダイマーである。Trichodermaによって作られる2つの主要なCBH酵素(CBHIおよびCBHII)が存在する。
【0010】
β−グルコシダーゼ酵素は、セロビオースをグルコースに加水分解する。Trichodermaは、1種類のβ−グルコシダーゼ酵素を作る。
【0011】
β−グルコシダーゼによって触媒されるセルロース加水分解の最終段階は重要である。なぜなら、グルコースは、種々の酵母によって容易にエタノールに発酵され、一方セロビオースは発酵されないからである。加水分解の最後に残存しているいかなるセロビオースも、エタノールの収量の損失を示す。より重要なことに、セロビオースは、CBH酵素およびEG酵素の極度に強力なインヒビターである。セロビオースは、わずか3.3g/Lの濃度で、Trichoderma CBH酵素およびEG酵素の加水分解の速度を50%減少させる。加水分解の速度の減少は、より高いレベルのセルラーゼ酵素の添加を必要とする。これは逆に、プロセス全体の経済性に悪影響を与える。従って、加水分解の間のセロビオースの蓄積は、エタノール産生のために極度に望ましくない。
【0012】
セロビオースの蓄積は、酵素的加水分解において主要な問題であった。なぜなら、Trichodermaおよび他のセルラーゼ産生微生物は、非常に少量しかβ−グルコシダーゼを作らないからである。Trichodermaによって作られた全タンパク質の1%未満が、β−グルコシダーゼである。β−グルコシダーゼのこの少ない量は、セロビオースのグルコースへの加水分解能力の不足、および加水分解の間の10〜20g/Lのセロビオースの蓄積を生じる。高いレベルのセロビオースは、適切な量のβ−グルコシダーゼが存在する場合よりも、必要とされるセルラーゼの量を10倍増加させる。
【0013】
セルラーゼ酵素におけるβ−グルコシダーゼの不足を克服するために、いくつかのアプローチが提案されている。
【0014】
1つのアプローチは、ほとんどセルラーゼを産生しない微生物を使用してβ−グルコシダーゼを産生すること、および加水分解を増強させるためのセルラーゼ酵素に外部からこのβ−グルコシダーゼを添加することであった。最も成功したこのようなβ−グルコシダーゼ産生微生物は、Aspergillus nigerおよびAspergillus phoenicisであった。これらの微生物由来のβ−グルコシダーゼは、Novo Nordiskから、Novozym 188として市販されている。しかし、商業的なバイオマスのために必要とされる量は、エタノール操作をするにはあまりにも高価である。
【0015】
β−グルコシダーゼの不足を克服するための第2のアプローチは、酵母によるグルコースの発酵と同時にセルロース加水分解を実行すること、いわゆる、同時糖化および発酵(SSF)プロセスである。SSFシステムにおいて、グルコースの発酵は、それを溶液から取り除く。グルコースは、β−グルコシダーゼの強力なインヒビターであり、ゆえにSSFは、β−グルコシダーゼの効率を増大する試みである。しかし、SSFシステムは、まだ商業的に実行可能ではない。なぜなら、酵母にとっての操作温度である28℃は、セルラーゼによって要求される50℃の条件にとって低すぎる;妥協の温度である37℃における操作は、効率が悪く、微生物汚染する傾向がある。
【0016】
β−グルコシダーゼの不足を克服するための第3のアプローチは、酵素を過剰発現させるように遺伝子操作し、そしてTrichodermaによるその産生を増大させることである。このアプローチは、Barnett、Berka、およびFowler、「Cloning and Amplification of the Gene Encoding an Extracellular β−glucosidase from Trichoderma reesei:Evidence for Improved Rates of Saccharification of Cellulosic Substrates」、Bio/Technology、第9巻、1991年6月、562〜567頁(本明細書中では、「Barnettら」と呼ぶ)において;および、Fowler、Barnett、およびShoemaker、WO92/10581、「Improved Saccharification of Cellulose by Cloning and Amplification of the β−glucosidase gene of Trichoderma reesei」(本明細書中では、「Fowlerら」と呼ぶ)でとられた。
【0017】
BarnettらおよびFowlerらの両方は、Trichoderma reesei株P40への複数コピーのβ−グルコシダーゼ遺伝子の挿入を記載する。両方のグループは、プラスミドpSASβ−gluを構築し、このプラスミドは、ゲノムT.reesei β−グルコシダーゼ遺伝子およびamdS選択マーカーを含む形質転換ベクターである。このamdS遺伝子は、Aspergillus nidulans由来であり、そして形質転換細胞がアセトアミドを唯一の窒素源として増殖することを可能にする酵素アセトアミダーゼをコードする。T.reeseiは、amdS遺伝子の機能的な等価物を含まず、従って窒素源としてアセトアミドを利用できない。形質転換細胞は、10〜15コピーのβ−グルコシダーゼ遺伝子を含み、そして非形質転換細胞よりも5.5倍より多いβ−グルコシダーゼを産生した。
【0018】
BarnettらおよびFowlerらによって得られたβ−グルコシダーゼの産生の増強は、セルロース加水分解のためにβ−グルコシダーゼの不足を軽減するのに充分ではない。例えば、天然のTrichoderma株によって作られるβ−グルコシダーゼの量は、セルロース加水分解の必要量に到達するには少なくとも10倍増大させなくてはならない。
【0019】
Trichodermaにおいてタンパク質を過剰発現させる場合、1つのストラテジーは、目的の遺伝子をcbh1プロモーターまたはcbh1分泌シグナルに直接連結することである。CBH1は、セルラーゼ誘導条件下で、Trichodermaによって産生される最も豊富なタンパク質であるので、cbh1プロモーターおよび分泌シグナルは、遺伝子構築物中のそれらの後に配置された遺伝子によってコードされるタンパク質の転写および分泌を方向付けることにおいて、非常に効果的であると考えられる。このようなストラテジーは、Trichodermaおよび他の微生物由来のタンパク質を過剰発現するために首尾よく使用されてきた(Margolles−Clark、Hayes、Harman、およびPenttila、1996、「Improved Production of Trichoderma harzianum endochitinase by expression in Trichoderma reesei」、Appl.Environ.Microbiol.62(6):2145〜2151;Joutsjouki、TorkkeliおよびNevalainen、1993、「Transformation of Trichoderma reesei with the Hormoconis resinae glucoamylase P(gamP)gene:production of a heterologous glucoamylase by Trichoderma reesei」、Curr.Genet.24:223〜228;Karhunen、Mantyla、Nevalainen、およびSuominen、1993、「High frequency one−step gene replacement in Trichoderma reesei 1.Endoglucanase I overproduction」、Mol.Gen.Genet.241:515〜522)。
【0020】
顕著な量の研究の努力にも関わらず、高レベルのβ−グルコシダーゼを充分に産生するための手段は存在しなかった。このようなプロセスは、セルロース由来の燃料アルコールの産生において前にある大きな工程である。
【0021】
(発明の要旨)
本発明者らは、現在達成可能なレベルよりもずっと高いレベルでβ−グルコシダーゼ酵素の産生を可能にする発見をした。高レベルのβ−グルコシダーゼは、セルロースのグルコースへの酵素的加水分解の効率を改善する。得られた、酵素の必要量の減少、セルロース転換の増加、加水分解時間の減少、またはこれらの利点の組み合わせは、セルロースをエタノールに転換するプロセス全体の費用を低減させる。
【0022】
本発明者らは、遺伝子構築物が発現される組換え微生物によるβ−グルコシダーゼの産性を顕著に増加させる、その遺伝子構築物を発見した。この課題を達成する遺伝子構築物は、成熟β−グルコシダーゼ酵素をコードするDNA配列およびキシラナーゼ分泌シグナルを含む。
【0023】
本発明者らが認識する限り、以前に、キシラナーゼ分泌シグナルを成熟β−グルコシダーゼ酵素に連結することがβ−グルコシダーゼの産生を増大させたという報告は存在しなかった。さらに、本発明者らは、任意の非キシラナーゼ成熟タンパク質にキシラナーゼ分泌シグナルを連結することが、そのタンパク質の産生を増大させるという以前の報告を認識していない。本発明者らは、この驚くべきかつ報告されていない結果を発見した。キシラナーゼ分泌シグナルの使用が、cbh1分泌シグナルの使用よりも、高いレベルのβ−グルコシダーゼを生じることは、さらに驚くべきことであった。キシラナーゼは、CBH1よりもTrichodermaによって産生される全タンパク質のずっと少ない割合を含むので(それぞれ、5%および60%)、cbh1分泌シグナルがより効果的であることが予想される。キシラナーゼ分泌シグナルを成熟β−グルコシダーゼ酵素に連結することがβ−グルコシダーゼ産生を増大させる理由は分からないが、β−グルコシダーゼとキシラナーゼ分泌シグナルとの間の長さの類似性、または組換えβ−グルコシダーゼが細胞外への分泌について競合するに違いないキシラナーゼのより低い豊富さに関連があるのかもしれない。しかし、本発明の実施は、これらまたはいずれの他の特定の理由によっても限定されない。
【0024】
本発明は、各々が組み換え手段によってβ−グルコシダーゼの発現の増強を開示した、BarnettらおよびFowlerらによって自明ではない。BarnettらおよびFowlerらの遺伝子構築物は、β−グルコシダーゼプロモーター、コード領域および分泌シグナルを含む。BarnettらおよびFowlerらによって使用された方法は、本発明者らによって教示される方法と同程度には有効でなく、そして本発明の遺伝子構築物を予測しない。
【0025】
本発明の1つの局面において、β−グルコシダーゼ産生のために遺伝子改変された微生物(genetically modified microbe)は、形質転換していない微生物においては存在しないβ−グルコシダーゼ構築物を含む。この形質転換していない微生物から遺伝子改変された微生物は誘導され、このβ−グルコシダーゼ構築物はプロモーター、キシラナーゼ分泌シグナル、および成熟β−グルコシダーゼコード領域を有し、ここでこの遺伝子改変された微生物は、Trichoderma、Humicola、Fusarium、Streptomyces、Thermomonospora、Bacillus、Cellulomonas、およびAspergillusからなる群から選択され、そしてこの遺伝子改変された微生物は、この形質転換していない微生物に対して、少なくとも約10倍のβ−グルコシダーゼの産生の増加を生じる。
【0026】
別の局面において、本発明は、プロモーター、キシラナーゼ分泌シグナル、および成熟β−グルコシダーゼコード領域を含むβ−グルコシダーゼ遺伝子構築物を含み、ここでこのβ−グルコシダーゼ遺伝子構築物は、Trichoderma、Humicola、Fusarium、Streptomyces、Thermomonospora、Bacillus、Cellulomonas、およびAspergillusからなる群から選択される、形質転換されていない微生物宿主中に導入され、そして発現される場合、この形質転換していない微生物宿主に対して、少なくとも約10倍のβ−グルコシダーゼの産生の増加を生じる。
【0027】
本発明のなお別の局面において、β−グルコシダーゼを産生するために遺伝子改変されたTrichoderma微生物は、形質転換していないTrichoderma微生物中には存在しないβ−グルコシダーゼ構築物を含み、このβ−グルコシダーゼ構築物は、プロモーター、キシラナーゼ分泌シグナル、および成熟β−グルコシダーゼコード領域を含み、ここで、この遺伝子改変されたTrichodermaは、この形質転換していないTrichoderma微生物に対して、少なくとも約10倍のβ−グルコシダーゼの産生の増加を生じる。
【0028】
さらに別の局面において、本発明は、β−グルコシダーゼを産生するために遺伝子改変されたTrichoderma reesei微生物を含み、この微生物は、形質転換していないTrichoderma reesei微生物中には存在しないβ−グルコシダーゼ構築物を含み、このβ−グルコシダーゼ構築物は、プロモーター、キシラナーゼ分泌シグナル、および成熟β−グルコシダーゼコード領域を含み、ここで、この遺伝子改変されたTrichoderma reesei微生物は、この形質転換していない微生物に対して、少なくとも約10倍のβ−グルコシダーゼの産生の増加を生じる。
【0029】
本発明のさらに別の局面において、β−グルコシダーゼ遺伝子構築物は、プロモーター、キシラナーゼ分泌シグナル、および成熟β−グルコシダーゼコード領域を含み、ここで、このβ−グルコシダーゼ遺伝子構築物は、Trichoderma微生物中に導入され、そして発現される場合、形質転換していないTrichoderma微生物に対して、少なくとも約10倍のβ−グルコシダーゼの産生の増加を生じる。
【0030】
本発明のなおさらに別の局面において、β−グルコシダーゼ遺伝子構築物は、プロモーター、キシラナーゼ分泌シグナル、および成熟β−グルコシダーゼコード領域を含み、ここで、このβ−グルコシダーゼ遺伝子構築物は、Trichoderma reesei微生物中に導入され、そして発現される場合、形質転換していないTrichoderma reesei微生物に対して、少なくとも約10倍のβ−グルコシダーゼの産生の増加を生じる。
【0031】
以下の好適な実施態様の詳細な説明および付随する図面を考慮すると、本発明の他の局面はより良好に理解され、そしてその利点はより明白である。
【0032】
(好適な実施態様の詳細な説明)
本発明の好適な実施態様を、最初に以下の用語を規定することにより記載する。
【0033】
β−グルコシダーゼは、グルコースダイマーであるセロビオースをグルコースに加水分解する酵素である。β−グルコシダーゼを作る多くの微生物が存在し、そしてこれらの酵素の、構造(分子量、三次元配向、アミノ酸組成、および活性部位)および触媒活性(セロビオース加水分解の速度および動力学、および他の基質に対して作用する能力)を含む性質は変化する。しかし、すべての場合で、β−グルコシダーゼ酵素は、セロビオースをグルコースに加水分解し得る。これはまた、活性酵素がβ−グルコシダーゼ分泌シグナルペプチドを含まない場合、成熟β−グルコシダーゼ酵素と称され得る。
【0034】
本発明を実施するために好適なβ−グルコシダーゼは、Trichodermaにより作られるβ−グルコシダーゼである。このβ−グルコシダーゼ酵素は、74,000の分子量(SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により測定した場合)であり、そして8.3の等電点(非変性等電点ポリアクリルアミドゲル電気泳動により測定した場合)を有する。
【0035】
β−グルコシダーゼ遺伝子は、β−グルコシダーゼ酵素の産生をコードするDNAの領域である。β−グルコシダーゼを産生するすべての微生物は、少なくとも1つのβ−グルコシダーゼ遺伝子を保有する。天然のβ−グルコシダーゼ遺伝子は、β−グルコシダーゼプロモーター、分泌シグナル、コード領域および転写ターミネーターを含む。β−グルコシダーゼを産生しない微生物は、一般に、活性なまたは機能的なβ−グルコルシダーゼ遺伝子を含まない。
【0036】
β−グルコシダーゼ分泌シグナルは、β−グルコシダーゼ分泌シグナルペプチドをコードするDNA配列である。
【0037】
β−グルコシダーゼ分泌シグナルペプチドは、コードされたβ−グルコシダーゼ酵素のアミノ末端に存在するペプチド配列であって、微生物細胞からの成熟β−グルコシダーゼ酵素の搬出の間に次に除去される。この分泌シグナルは、プロペプチド、プレペプチドまたはその両者を含み得る。
【0038】
成熟β−グルコシダーゼコード領域は、細胞外培養濾液から単離された場合、機能的β−グルコシダーゼ酵素をコードするために必要であるDNA配列を含むが、β−グルコシダーゼ分泌シグナルは含まない。
【0039】
キシラナーゼは、キシランをキシロースに加水分解もする酵素である。キシラナーゼを作る多くの微生物が存在し、そしてこれら酵素の、構造(分子量、三次元配向、アミノ酸組成、および活性部位)および触媒活性(キシラン加水分解の速度および動力学、および他の基質に対して作用する能力)を含む性質は変化する。しかし、すべての場合で、キシラナーゼ酵素は、キシランをキシロースに加水分解し得る。これはまた、活性酵素がキシラナーゼ分泌シグナルペプチドを含まない場合、成熟キシラナーゼ酵素と称され得る。
【0040】
いくつかの最も重要な市販のキシラナーゼは、ファミリー11キシラナーゼとして分類される。キシラナーゼ酵素は、それが、必須の触媒残基として供される2つのグルタミン酸残基を含む、ファミリー11に共通のアミノ酸を所有する場合、ファミリー11に分類される。これらの残基は、Trichoderma reeseiキシラナーゼIIの番号付けによりアミノ酸86および177である。ファミリー11キシラナーゼに共通のアミノ酸は、Wakarchuckら、Protein Science 3:467−475(1994)に記載されている。
【0041】
キシラナーゼ遺伝子は、キシラナーゼ酵素の産生をコードするDNAの領域である。キシラナーゼを産生するすべての微生物は、少なくとも1つのキシラナーゼ遺伝子を保有する。天然のキシラナーゼ遺伝子は、キシラナーゼプロモーター、分泌シグナル、コード領域および転写ターミネーターを含む。キシラナーゼを産生しない微生物は、一般に、活性なまたは機能的なキシラナーゼ遺伝子を含まない。
【0042】
キシラナーゼ分泌シグナルは、キシラナーゼ分泌シグナルペプチドをコードするDNA配列である。
【0043】
キシラナーゼ分泌シグナルペプチドは、コードされたキシラナーゼ酵素のアミノ末端に存在するペプチド配列であって、微生物細胞からの成熟キシラナーゼ酵素の搬出の間に次に除去される。この分泌シグナルは、プロペプチド、プレペプチドまたはその両者を含み得る。
【0044】
セルラーゼは、セルロースを、セロテトラオース、セロトリオースおよびセロビオースを含む、グルコースの短いβ1,4連結オリゴマーに加水分解する酵素である。しばしばセロビオヒドロラーゼまたはエンドグルカナーゼとして分類される、1つ以上のセルラーゼ酵素を作る多くの微生物が存在する。これらの酵素の、構造(分子量、三次元配向、アミノ酸組成、および活性部位)および触媒活性(キシラン加水分解の速度および動力学、および他の基質に対して作用する能力)を含む性質は変化する。しかし、すべての場合で、セルラーゼ酵素は、セルロースを、セロテトラオース、セロトリオースおよびセロビオースを含む、グルコースの短いβ1,4連結オリゴマーに加水分解し得る。
【0045】
β−グルコシダーゼ遺伝子構築物は、β−グルコシダーゼを産生するために必要なエレメントを含む遺伝子をいう。これらは以下を含む。
【0046】
a.成熟β−グルコシダーゼコード領域
好適な実施態様では、成熟β−グルコシダーゼコード領域は、Trichoderma遺伝子の成熟β−グルコシダーゼコード領域を含む。Trichoderma reeseiからの成熟β−グルコシダーゼコード領域のDNA配列は、Barnettらの図1に見出され得る。
【0047】
当業者は、天然の構造領域が、その機能を変化させることなく、1つ以上の核酸の置き換え、置換、付加、または除去により改変され得ることを知っている。本発明の実施は、このような成熟β−グルコシダーゼコード領域に対する改変を含むが、これらに束縛されない。
【0048】
b.キシラナーゼ分泌シグナル
好適な実施態様では、キシラナーゼ分泌シグナルは、ファミリー11のキシラナーゼ遺伝子のキシラナーゼ分泌シグナルを含む。
【0049】
より好適な実施態様では、このファミリー11キシラナーゼ遺伝子は、Trichoderma xylanase遺伝子である。
【0050】
なおより好適な実施態様では、このキシラナーゼ分泌シグナルは、TrichodermaキシラナーゼI(xln1)遺伝子またはキシラナーゼII(xln2)遺伝子のキシラナーゼ分泌シグナルを含む。Trichoderma xln1およびxln2分泌シグナルのDNA配列は、Torronen、Mach、Messner、Gonzalez、Kalkkinen、HarkkiおよびKubicek、「Trichoderma reeseiからの2つの主用なキシラナーゼ:酵素および遺伝子の両方の特徴付け」Bio/Technology 10:1461−1465、1992の図3および2にそれぞれ見出され得る(公開された、図の説明文における遺伝子同定を逆にする)。
【0051】
当業者は、天然の分泌シグナルが、その機能を変化させることなく、1つ以上の核酸の置き換え、置換、付加、または除去により改変され得ることを知っている。本発明の実施は、このようなキシラナーゼ分泌シグナルに対する改変を含み、そしてこれらに束縛されない。
【0052】
c.プロモーター
本発明の実施は、遺伝子構築物中のプロモーターの選択により束縛されない。しかし、好適なプロモーターは、Trichoderma cbh1、cbh2、eg1、eg2、eg3、eg5、xln1およびxln2プロモーターである。Trichoderma reesei cbh1のDNA配列は、GenBankに登録番号D86235の下に寄託されている。
【0053】
当業者は、天然のプロモーターが、その機能を変化させることなく、1つ以上のヌクレオチドの置き換え、置換、付加、または除去により改変され得ることを知っている。本発明の実施は、このようなプロモーターに対する改変を含み、そしてこれらに束縛されない。
【0054】
d.キシラナーゼ分泌シグナルと成熟β−グルコシダーゼコード領域との間のさらなる配列
実施例5、6および7に記載される遺伝子構築物は、図1−3に示されるように、DNA配列の9つのさらなる塩基対を含む:最初の3つは、Trichoderma reeseiキシラナーゼII遺伝子の分泌シグナル後のグルタミン残基をコードし、そして残りの6つは、このキシラナーゼ分泌シグナルを、成熟β−グルコシダーゼコード領域に結合するために用いられた特有の制限部位の挿入および/または改変から得られる。これらのDNA配列は、キシラナーゼ分泌シグナルペプチドと成熟β−グルコシダーゼ酵素との間のさらなるアミノ酸の存在を生じる。これらのDNA配列は、これは天然または合成であり得るが、この構築物によりコードされるキシラナーゼ分泌シグナルに対応する成熟キシラナーゼタンパク質の1つ以上のアミノ酸をコードし得るか、またはこのキシラナーゼ分泌シグナルペプチドおよび成熟β−グルコシダーゼ酵素を連結するために必要な制限酵素部位の付加から得られ得る。本発明の実施は、このキシラナーゼ分泌シグナルと成熟β−グルコシダーゼコード領域との間のさらなるDNA配列の存在を包含するが、その存在により束縛されない。
【0055】
e.他のエレメント
この遺伝子構築物は、成熟β−グルコシダーゼコード領域のすぐ下流に転写ターミネーターを含む。本発明の実施は、転写ターミネーターの選択により束縛されず、そして任意の公知のコード領域のストップコドンの下流に(すなわち、3’末端において)RNAポリメラーゼによる転写の終結を指向するに十分な多量のDNAを含み得る。実施例5〜7に記載の構築物中の成熟β−グルコシダーゼコード領域の下流に存在する転写ターミネーターは、Trichoderma cbh2遺伝子のストップコドンの3’側に1.9kbのDNAを含む。
【0056】
Trichoderma reesei cbh2転写ターミネーターの最初の553塩基対のDNA配列は、TAAストップコドンのすぐ下流(または3’)に位置し、Chen、GritzaliおよびStafford、「Trichoderma reeseiからのセロビオヒドロラーゼIIのヌクレオチド配列および推定一次構造」 Bio/Technology 5:274−278、1987の図2に見出され得る。
【0057】
遺伝子構築物は、同一プラスミドベクター上の、この遺伝子構築物の上流または下流(すなわち、この構築物の5’または3’末端)に存在し得るか、または別のプラスミドベクター上のこの構築物と同時形質転換され得る、選択マーカーを含む。選択マーカーの選択は、当業者に周知であり、そして形質転換細胞に、この微生物によって通常代謝されない代謝物を利用する能力を付与するか(例えば、アセトアミダーゼをコードし、そして唯一の窒素源としてアセトアミド上で生育する能力を付与するA.nidulans amdS遺伝子)、または抗生物質耐性を付与する(例えば、ハイグロマイシン−b−ホスホトランスフェラーゼをコードし、そしてハイグロマイシンに対する耐性を付与するEscherichia coli hph遺伝子)遺伝子(合成または天然)を含む。もし宿主株が、選択されたマーカーに対する機能的遺伝子を欠くならば、この遺伝子がマーカーとして用いられ得る。このようなマーカーの例は、trp、pyr4、pyrG、argB、leuなどを含む。従って、対応する宿主株は、選択されたマーカー、すなわち、trp、pyr、arg、leuなどに対応する機能的遺伝子を欠如しなければならない。実施例5〜7に記載の遺伝子構築物中で用いられる選択マーカーは、Trichodermaホスホグリセレートキナーゼ(pgk)プロモーターから発現されるE.coli hph遺伝子である。
【0058】
E.coli hph遺伝子のDNA配列は、GritzおよびDavies、「プラスミドがコードするハイグロマイシンB耐性:ハイグロマシインBホスホトランスフェラーゼ遺伝子の配列、ならびにEscherichia coliおよびSaccharomyces cerevisiaeにおけるその発現」 Gene 25:179−188、1983の図4に見出され得;Trichoderma reesei pgkプロモーターのDNA配列は、Vanhanen、Saloheimo、Ilmen、KnowlesおよびPenttila、「Trichoderma reeseiの3−ホスホグリセレートキナーゼをコードする遺伝子(pgk1)のプロモーター構造および発現」 Gene 106:129−133、1991の図2に見出され得る。
【0059】
本発明の1つの好適な実施態様は、これまで記載されたβ−グルコシダーゼ遺伝子構築物を含む。本発明の実施は、この構築物を作る方法により束縛されず、これは、アルカリ溶解によるE.coliからのプラスミドDNAの単離、プラスミドDNAの制限エンドヌクレアーゼを用いた消化、アガロースゲル電気泳動によるDNAフラグメントの分離および単離、T4 DNAリガーゼを用いたDNAフラグメントの連結、ポリメラーゼ連鎖反応によるDNAフラグメントの末端における特有の制限部位の挿入またはオリゴヌクレオチドリンカーの付加、ならびにT4 DNAポリメラーゼまたはE.coli DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメントを用いたDNAフラグメントの平滑化のような標準的な分子生物学の技法を含み得るが、これらに限定されない。
【0060】
実施例1〜7は、このような遺伝子構築物を作製する手順を記載する。
【0061】
本発明の別の好適な実施態様では、β−グルコシダーゼ遺伝子構築物を微生物宿主中に導入し、そして発現して、遺伝子改変された微生物を生成する。得られる遺伝子改変された微生物は、非形質転換微生物宿主に対して増加したレベルのβ−グルコシダーゼを生成する。この遺伝子改変された微生物は、好ましくは、非形質転換微生物宿主に対して少なくとも約10倍、より好ましくは、非形質転換微生物宿主に対して少なくとも約40倍、そして最も好ましくは、非形質転換微生物宿主に対して少なくとも約120倍の増加したレベルのβ−グルコシダーゼを産生する。
【0062】
本発明は、当業者によく知られた微生物宿主中にβ−グルコシダーゼ遺伝子構築物を導入する任意の方法を包含し、これには、細菌細胞の塩化カルシウム処理または細胞膜を弱める真菌プロトプラスト,細胞膜の融合を可能にするポリエチレングリコールの添加、エレクトロポーレーションによる細胞膜の脱極性化、または微粒子銃を用いたマイクロプロジェクタイルボンバードメントによる細胞壁および膜を通るDNAの発射が挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
実施例8は、粒子銃を用いて、β−グルコシダーゼ遺伝子構築物をTrichoderma胞子中に導入する手順を記載する。
【0064】
非形質転換微生物宿主に対してβ−グルコシダーゼ産生の10倍増強は、この株の天然の変動性を十分超える有意な増強を反映し、そして商業的に重要である。この方法によるβ−グルコシダーゼの増加の程度は126倍程高く、そして1000倍以上に達し得た。β−グルコシダーゼ産生の増加の程度の測定は、実施例11に記載のように、培養の増殖およびβ−グルコシダーゼ活性の測定による。本発明の遺伝子構築物は、約10倍より大きい任意のレベルの増加を産生すると考えられる。酵素混合物のβ−グルコシダーゼの比活性(IU/mgタンパク質)は、酵素混合物中のセルラーゼおよびその他のタンパク質の量を低下することにより増加し得ることが当業者に理解される。これは、酵素混合物の物理的および機械的分離によるか、または組換え手段によるセルラーゼまたはその他の遺伝子の欠失によってなされ得る。このような方法は、微生物によるβ−グルコシダーゼの実際の産生に影響がほとんどないかまたは全くない。しかし、これらの手順は、必要に応じて、本発明の実施に含まれ得る。
【0065】
好適な実施態様では、微生物宿主は、Trichoderma、Humicola、Fusarium、Aspergillus、Streptomyces、Thermomonospora、Bacillus、またはCellulomonasの種のメンバーである。これらの種は十分に適している。なぜなら、これらは、β−グルコシダーゼに加えてセルラーゼを産生するからである。さらに、以下のセルラーゼ産生株中へのDNA構築物の導入のための方法が公開されている:Trichodermaについて(Lorito、Hayes、DiPietroおよびHarman、1993、「プラスミドおよびゲノムDNAを用いるTrichoderma harzianumおよびGliocladium virensの微粒子銃形質転換」 Curr.Genet.24:349−356;Goldman、VanMontaguおよびHerrera−Estrella、1990、「高電圧電気パルスによるTrichoderma harzianumの形質転換」、Curr.Genet.17:169−174;Penttila、Nevalainen、Ratto、SalminenおよびKnowles、1987、「セルロース溶解性真菌Trichoderma reeseiのための汎用形質転換系」、Gene 6:155−164)、Aspergillusについて(Yelton、HamerおよびTimberlake、1984、「trpCプラスミドを用いるAspergillus nidulansの形質転換」、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:1470−1474)、Fusariumについて(Bajar、PodilaおよびKolattukudy、1991、「リン酸化トランス作用性因子を経由する植物シグナルによって誘導可能な真菌クチナーゼプロモーターの同定」、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:8202−8212)、Streptomycesについて(Hopwoodら、1985、「Genetic Manipulation of Streptomyces:a laboratory manual」 The John Innes Foundation、Norwick、UK)およびBacillusについて(Brigidi、DeRossi、Bertarini、RiccardiおよびMatteuzzi、1990、「エレクトロポーレーションによるBacillus subtilisのインタクト細胞の遺伝子形質転換」、FEMS Microbiol.Lett.55:135−138)。
【0066】
これらの公開された形質転換方法において使用された遺伝子構築物は、実施例5〜7に記載されるものと、それらが、タンパク質コード領域(これは、選択マーカーをコードし得る)に連結されたプロモーターおよび転写ターミネーターを含むという点において類似する。殆どの場合、遺伝子構築物は、選択マーカー遺伝子に連結される。
【0067】
Humicola、ThermomonosporaまたはCellulomonasの形質転換のための公開された方法は存在しないが、他の糸状菌または細菌のための形質転換方法が、Humicola、ThermomonosporaまたはCellulomonasの株について、それについての形質転換方法が公開されたこれらの種の類似の形態および生理によって、最適化され得ると考えられる。さらに、エレクトロポレーションおよび粒子ボンバートメントのような形質転換方法を使用して、DNAを多くの異なる細胞型(哺乳動物細胞および植物細胞、細菌、酵母および真菌の細胞を含む)へと導入している。
【0068】
好ましい実施態様において、その遺伝子改変された微生物が由来するキシラナーゼ分泌シグナルは、その微生物宿主にとってネイティブである(すなわち、キシラナーゼ分泌シグナルの供給源は、その遺伝子改変された微生物が由来する微生物宿主と同じ型の微生物宿主である)。
【0069】
より好ましい実施態様において、その微生物宿主は、Trichodermaである。
【0070】
より好ましい実施態様において、その微生物宿主は、Trichoderma reeseiである。
【0071】
(実施例)
実施例1は、Trichoderma reeseiの株RutC30,M2C38,BTR48からのゲノムDNAの単離、およびそれらの株の遺伝子改変された誘導体を記載する。実施例2〜7は、Trichoderma reeseiの株M2C38からの、ゲノムDNAライブラリーの構築、種々の遺伝子のクローニング、およびいくつかの遺伝子構築物を記載する。実施例9および11〜15は、Trichoderma reeseiの株M2C38、BTR48、およびRutC30におけるβ−グルコシダーゼ遺伝子構築物の形質転換および発現を記載する。
【0072】
Trichoderma reeseiの株M2C38およびBTR48は、Iogen Corporation所有の株であり、そしてTrichoderma reesei RutC30に由来した(ATCC 56765,Montenecourt and Eveleigh,1979,「Selective isolation of high yielding cellulase mutants of T.reesei」、Adv.Chem.Ser.181: 289−301)。次いで、この株は、Trichoderma reesei Qm6A に由来した(ATCC 13631 Mandels and Reese,1957「Induction of cellulase in Trichoderma viride as influenced by carbon sources and metals」、J.Bacteriol.73:269−278)。
【0073】
実施例1およびその後の実施例において、制限エンドヌクレアーゼ、T4 DNAポリメラーゼ、T4 DNAリガーゼおよびE.coli DNAポリメラーゼ1のクレノウフラグメントを、Gibco/BRL,New England Biolabs,Boehringer MannheimまたはPharmaciaから購入し、そしてそれら製造業者の推奨どおりに使用した。プルーフリーディング活性を有するPwoポリメラーゼ(Boehringer Mannheim)をすべてのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)において、その製造業者のプロトコルに従って使用した。ハイグロマイシンBを、CalBiochemから購入した。
【0074】
(実施例1:Trichoderma reeseiゲノムDNAの単離)
ゲノムDNAを単離するために、50mlのPotato Dextrose Broth(Difco)に、無菌の播種ループを伴うPotato Dextrose Agarプレートから収集したT.reeseiの胞子を播種した。この培養物を、200rpmで、2〜3日間28℃で振盪した。菌糸を、無菌のGFA微小ガラスファイバーフィルター(Whatman)上で濾過し、そして冷脱イオン水を用いて洗浄した。真菌のケーキ(cake)を、液体窒素中で凍結させ、そして予め冷やした乳鉢および乳棒を用いて粉末へと粉砕し;粉末化したバイオマスの0.5gを、5mlの100mM Tris、50mM EDTA、pH 7.5および1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)中に再懸濁した。その溶解物を遠心分離して(5000g、20分、4℃)、細胞砕片をペレット化した。その上清を、緩衝液(10mM Tris,1mM EDTA,pH 8.0)で飽和した1容量のフェノールで抽出し、続いて可溶性タンパク質を除くために1容量の緩衝液で飽和したフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1)を用いて抽出した。DNAを、0.1容量の3Mの酢酸ナトリウム、pH5.2および2.5容量の冷95%エタノールを添加することによって、その溶液から沈降させた。少なくとも1時間、−20℃でインキュベートした後、そのDNAを、遠心分離(5000g、20分、4℃)によってペレット化し、10mlの70%エタノールでリンスし、風乾し、そして1mlの10mM Tris、1mM EDTA、pH8.0中に再懸濁した。RNAを、最終濃度0.1mg/mlにまで添加したリボヌクレアーゼA(Boehringer Mannheim)の添加および37℃での1時間のインキュベーションによって消化する。1容量の緩衝液飽和フェノールおよび1容量の緩衝液飽和フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1)での連続的な抽出を用いて、そのDNA溶液から、リボヌクレアーゼを除去する。そのDNAを再び、0.1容量の3M酢酸ナトリウム、pH5.2および2.5容量の冷95%エタノールを用いて沈降させ、遠心分離によってペレット化し、70%エタノールを用いてリンスし、風乾し、そして50μlの10mM Tris,1mM EDTA,pH 8.0に再懸濁する。DNAの濃度を、260nmでその溶液の吸光度を測定することによって決定した(p.C1、Sambrook,FritschおよびManiatis、「Molecular Cloning: A Laboratory Manual,Second Edition」 Cold Spring Harbor Press 1989、本明細書以後Sambrookらと称する)。
【0075】
(実施例2:T.reeseiゲノムライブラリーの構築)
2つのプラスミドライブラリーおよび1つのファージライブラリーを、T.reesei株M2C38から単離したゲノムDNAを用いて構築した。これらのプラスミドライブラリーを、ベクターpUC119中に構築した(Viera and Messing,「Isolation of single−stranded plasmid DNA」、Methods Enzymol.153:3,1987)。これは、以下のとおりである: 10μgのゲノムDNAを、20時間、37℃で、100μl容量の2ユニット/μgのHindIII、BamHIまたはEcoRIの制限酵素中で、消化した。消化したDNAを、0.04M Tris−酢酸、1mM EDTA中で流した0.75%のアガロースゲル上で分画し、そしてエチジウムブロミドで染色した。目的の遺伝子の大きさに対応するゲルスライス(公開された情報およびサザンブロットに基づく)を切り出し、そして電気溶出に供して、そのDNAフラグメントを回収した(Sambrookら、6.28−6.29頁)。これらの富化されたDNA画分を、遺伝子ライブラリーを作製するために、4℃で16時間、ベクター:インサートDNAのモル比が2:1での20〜50μg/ml DNA、1mM ATPおよび5ユニットT4 DNAリガーゼを総容量10〜15μlで含む連結反応においてpUC119へと連結した。Escherichia coli株HB101を連結反応物を用いて、Cell Porator System(Gibco/BRL)を製造業者のプロトコルに従って使用して、エレクトロポレートし、そして形質転換体を、70μg/mlのアンピシリンを含むLB寒天上で選択した。
【0076】
ファージライブラリーを、λベクターλDASH(Stratagene,Inc.)中に構築した。これは以下のとおりであった:ゲノムDNA(3μg)を、2ユニット/μg、1ユニット/μg、0.5ユニット/μgおよび0.2ユニット/μgのBamHIを用いて、1時間37℃にて消化して、大きさが9〜23kBのフラグメントを生成した。各消化物からのDNAを、1容量のTris飽和フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1)を用いた抽出、続いて10μlの3M酢酸ナトリウム、pH5.2および250μlの95%エタノール(−20℃)での沈降によって、精製した。この消化したDNAを、微小遠心分離によってペレット化し、0.5mlの冷70%エタノールを用いてリンスし、風乾し、そして10μlの無菌の脱イオン水中に再懸濁した。大きさが9〜23kBのDNAフラグメントの富化は、アガロースゲル電気泳動によって確認した(0.04MのTris−酢酸、1mM EDTA中の0.8%アガロース)。消化したDNA(0.4μg)を、4℃で一晩、5μlの総容量中に2ユニットのT4 DNAリガーゼおよび1mM ATPを含有する反応液中において、BamHIを用いて予備消化した1μgのλDASHのアーム(Stratagene)に連結した。連結混合物を、GigaPack(登録商標)II Goldパッケージング抽出物(Stratagene)を製造業者のプロトコルに従って用いてファージ粒子へとパッケージングした。そのライブラリーをE.coli宿主株XL1−Blue MRA(P2)を用いて力価決定し、そして3×105の独立クローンを含むことが見出された。
【0077】
(実施例3:pUC119ライブラリーからのセロビオヒドロラーゼI(cbh1)遺伝子、セロビオヒドロラーゼII(cbh2)遺伝子、およびβ−グルコシダーゼ(bgl1)遺伝子のT.reesei M2C38クローンの単離)
組換えpUC119−Hind IIIライブラリー、組換えpUC119−BamHIライブラリーまたは組換えpUC119−EcoRIライブラリー由来のcbh1,cbh2またはbgl1のクローンを有するE.coli HB101形質転換体を、コロニーリフトハイブリダイゼーションによって同定した。1〜3×104コロニーを、HyBondTMナイロンメンブレン(Amersham)へ転写し;そのメンブレンをコロニー側を上にして、0.5M NaOH,1M NaClで5分間飽和したブロット紙(VWR 238)上に配置して、細菌細胞を溶解し、そしてそのDNAを変性させ;次いで、そのメンブレンをコロニー側を上にして、1.5M Tris、pH7.5、1M NaClで5分間飽和したブロット紙(VWR 238)上にそれらを配置することにより中和し;そのメンブレンを、30分間風乾させて、次いでそのDNAを、80℃で2時間ベーキングすることによりそのメンブレンに、固定した。
【0078】
32P標識したプローブを、総容量20μl中に、10〜50ngの標的DNA、各々0.2mMのd(GCT)TP、0.5μMのdATP、20〜40μCiのα−32P−dATP、10ピコモルのオリゴヌクレオチドプライマーおよび0.5ユニットのTaqポリメラーゼを含む標識反応液中における、それぞれ、HindIII、BamHIまたはEcoRIのフラグメントの富化されたプールからのbgl1、cbh1およびcbh2のコード領域の短い(0.7〜1.5kB)のフラグメントのPCR増幅によって、調製した。この反応を、6〜7サイクルの増幅に供した(95℃、2分;56℃、1.5分; 70℃、5分)。増幅した32P標識DNAを、0.5mlの10%(w/v)トリクロロ酢酸および0.5mgの酵母tRNAを添加することによって沈降させた。このDNAを、微小遠心分離によってペレット化し、1ml 70%エタノールで2回洗浄し、風乾し、そして1M Tris pH7.5、1mM EDTA中に再懸濁した。
【0079】
組換えpUC119プラスミドが固定されたナイロンメンブレンを、熱シールしたバッグ中で1時間、60〜65℃にて、100 μg/mlの変性させ剪断したサケ精子DNAを有する1M NaCl、1% SDS、50mM Tris、1mM EDTA pH 7.5中で予備ハイブリダイズした。ハイブリダイゼーションを、熱シールしたバッグ中にて、50μg/mlのみの変性させ、剪断したサケ精子DNAおよび5×106〜5×107cpmの変性したbgl1プローブ、cbh1プローブまたはcbh2プローブを有する同じ緩衝液中で16〜20時間、60〜65℃にて、実施した。メンブレンを、1M NaCl、0.5% SDSを用いて、60℃にて15分間、1回洗浄し、0.3M NaCL、0.5% SDSを用いてそれぞれ60℃にて15分間、2回洗浄し、そして0.03M NaCl、0.5% SDSを用いて55℃にて15分間、1回洗浄した。メンブレンを、再度、熱シールしたバッグ中におき、そしてKodak RP X線フィルムに16〜48時間、−70℃にて曝露した。X線フィルムを、製造者のプロトコルに従って現像した。強力なシグナルまたは弱いシグナルを与えるコロニーを拾い、そして70μg/mlのアンピシリンを補充した2×YT培地中で培養した。プラスミドDNAを、これらの培養物から、アルカリ溶解方法(Sambrookら、1.25−1.28頁)を用いて単離し、そして制限消化、サザンハイブリダイゼーション(Sambrookら、9.38−9.44頁)およびPCR分析(Sambrookら、14.18−14.19頁)により分析した。
【0080】
bgl1遺伝子を有するクローンを、公開されたbgl1配列(Barnettら)のbp 462−1403を増幅するように設計されたオリゴヌクレオチドプライマーを用いて調整された1.0kbのbgl1プローブを用いる、pUC119−Hind IIIライブラリー(実施例2)のコロニーリフトハイブリダイゼーションによって同定した。bgl1クローンである pJEN200を、単離した。これは、プロモーター、構造遺伝子および終結配列に対応する6.0 kbのHind IIIフラグメントを含んでいた。cbh1遺伝子を有するクローンを、公開されたcbh1配列(Shoemaker,Schweikart,Ladner,Gelfand,Kwok,MyamboおよびInnis、「Molecular cloning of exo−cellobiohydrolyase 1 derived from Trichoderma reesei strain L27」、Bio/Technology 1:691−696,1983 本明細書以後、Shoemakerらと称する。)のbp 597−1361を増幅するように設計されたオリゴヌクレオチドプライマーを用いて調製した0.7kbのcbh1プローブを用いる、pUC119−BamHIライブラリーのコロニーリフトハイブリダイゼーションによって同定した。cbh1クローンであるpCOR132を、単離した。これは、プロモーター(4.7kb)および1kbのcbh1構造遺伝子に対応する5.7kb BamHIフラグメントを含んでいた。これから、cbh1プロモーター(2.1kb)およびcbh1コード領域の5’末端(0.4kb)を含む2.5 kb EcoRIフラグメントを、pUC119中にサブクローニングして、pCB152を生成した。cbh2遺伝子を有するクローンを、公開されたcbh2配列(Chen,GritzaliおよびStafford、「Nucleotide sequence and deduced primary structure of cellobiohydrolase II from Trichoderma reesei」、Bio/Technology 5: 274−278、 1987、本明細書以後、Chenらと称する)のbp 580−2114を増幅するように設計されたオリゴヌクレオチドプライマーを用いて調製した1.5kb cbh2のプローブを用いる、pUC119−EcoRIライブラリーのコロニーリフトハイブリダイゼーションによって、同定した。cbh2クローンであるpZUK600を単離した。これは、プロモーター(600bp)、構造遺伝子(2.3kb)およびターミネータ−(1.9kbp)に対応する4.8kb EcoRIフラグメントを含んでいた。
【0081】
(実施例4:T.reesei M2C38 cbh1のターミネーター、キシラナーゼII(xln2)遺伝子、ホスホグリセレートキナーゼプロモーター(pgk p)のクローニング)
ジゴキシゲン−11−dUTP標識プローブを、DIG Labeling and Detectionキット(Boehringer Mannheim)を用いたランダムプライム標識により、そして製造者のプロトコルに従ってcbh1遺伝子、xln2遺伝子およびpgk遺伝子のPCR増幅したコード領域から調製した。cbh1遺伝子、xln2遺伝子およびpgk遺伝子を含むゲノムクローンを、λDASHライブラリーのプラークリフトハイブリダイゼーションによって同定した。目的の各遺伝子について、1×104のクローンをNytran(登録商標)(Schleicher and Schull)ナイロンメンブレンに転写した。このファージ粒子を溶解し、そしてそのファージDNAを、そのメンブレンをプラーク側を上にして、0.5M NaOH、 1M NaClで飽和させたブロット紙(VWR238)上に5分間置くことによって変性させ;次いで、そのメンブレンを、プラーク側を上にしてそのメンブレンを1.5M Tris,pH 7.5および1M NaClで5分間飽和させたブロット紙(VWR238)上に置くことによって、中和し;そのメンブレンを、30分間風乾させ、次いで、DNAを、80℃で2時間ベーキングすることによってそのメンブレンに固定させた。このメンブレンを、熱シールしたバッグ中で、6×SSPE、5×デンハルト溶液、1% SDSおよび100μg/mlの変性させ、剪断したサケ精子DNAの溶液中において、65℃にて2時間予備ハイブリダイズした。次いで、このメンブレンを、熱シールしたバッグ中で、50μg/mlの変性させ、剪断したサケ精子DNAおよび0.5μgのジゴキシゲン−dUTP標識したプローブを含む同じ緩衝液中において、65℃にて一晩ハイブリダイズさせた。このメンブレンを、2×SSPE、0.1% SDS中で室温にて15分間、2回洗浄し、そして0.2×SSPE、0.1% SDS中で65℃にて15分間、2回洗浄し、そして2×SSPE中で5分間、1回洗浄した。陽性にハイブリダイズしたクローンを、抗ジゴキシゲニン/アルカリホスファターゼ抗体結合体、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドイルホスフェートおよび4−ニトロブルーテトラゾリウムクロリド(Boehringer Mannheim)を用いた反応により製造者のプロトコルに従って、同定した。陽性にハイブリダイズしたクローンを、ジゴキシゲン−dUTP標識プローブを用いた2回のスクリーニングによってさらに精製した。個々のクローンを単離し、そしてファージDNAを、CsCl勾配工程を、1容量のフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1)および1容量のクロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)を用いた抽出に置き換えたことを除いて、Sambrookら(1989)2.118−2.121頁に記載されるように精製した。このDNAを、0.1容量の3M酢酸ナトリウムおよびpH5.2、ならびに2.5容量の冷95%エタノールを用いて沈降させた。沈降したファージDNAを,0.5mlの冷70%エタノールを用いて洗浄し、風乾させ、そして50μlの10mM Tris、1mM EDTA pH8.0中に再懸濁した。目的の遺伝子を含む制限フラグメントを、精製したファージDNAの制限消化、およびλDASHライブラリーをスクリーニングするために使用したのと同じジゴキシゲン−dUTP標識したプローブを用いたサザンブロットハイブリダイゼーション(Sambrookら、9.38−9.44頁)によって同定した。このメンブレンをハイブリダイズさせ、そして陽性にハイブリダイズするフラグメントを、プラークリフトについて使用したのと同じ方法によって可視化した。一旦各λDASHクローンからの所望の制限フラグメントが同定されると、その制限消化を繰り返し、そのフラグメントを、TAE中にて0.8%のアガロースゲル上で分離し、そして所望のバンドを切り出した。このDNAを、ゲルスライスから、Sephaglas BandPrep Kit(Pharmacia)を、製造者のプロトコルに従って用いて溶出した。cbh1遺伝子を有するクローンを、公開されたcbh1配列(Shoemakerら)のbp 45−2220を含むcbh1プローブを用いたλDASHライブラリーのコロニーリフトハイブリダイゼーション(実施例2)によって同定した。cbh1コード領域(0.5kb)およびcbh1ターミネーター(1.3kb)の3’末端を含む1.8 kbのBamHIフラグメントを、λDASH cbh1クローンから精製したファージDNAの制限消化によって単離した。このフラグメントを、E.coliプラスミドベクターpUC119のBamHI部位にサブクローニングして、プラスミドpCB1Taを作製した。xln2遺伝子を有するクローンを、公開されたxln2配列(Saarelainen,Paloheimo,Fagerstrom,SuominenおよびNevalainen、「Cloning,sequencing and enhanced expression of the Trichoderma reesei endoxylanase II(pI 9)gene xln2」、Mol.Gen.Genet.241: 497−503、1993、本明細書中で以後Saarelainen らと称する)のbp 100−783を含むxln2プローブを用いたλDASHライブラリーのコロニーリフトハイブリダイゼーション(実施例2)によって同定した。xln2遺伝子のプロモーター(2.3kb)、コード領域(0.8kb)およびターミネータ−(2.6kb)を含む5.7 kb KpnIフラグメントを、λDASH xln2クローンから精製したファージDNAの制限消化によって単離した。このフラグメントを、pUC119のKpnI部位へサブクローニングして、プラスミドpXYN2K−2を生成した。pgk遺伝子を有するクローンを、公開されたpgk配列(Vanhanen,Penttila,LehtovaaraおよびKnowles、「Isolation and characterization of the 3−phosphoglycerate kinase gene(pgk)from the filamentous fungus Trichoderma reesei」、Curr.Genet.15:181−186,1989)のbp 4−1586を含むpgk1プローブを用いた、λDASHライブラリーのコロニーリフトハイブリダイゼーション(実施例2)によって同定した。pgk遺伝子のプロモーター(2.9kb)、コード領域(1.6kb)およびターミネータ−(0.5kb)を含む5.0 kbのEcoRIフラグメントを、λDASH pgkクローンから精製したファージDNAの制限消化によって単離した。このフラグメントを、pUC119のEcoRI部位にサブクローニングして、プラスミドpGK5.0を作製した。
【0082】
(実施例5:β−グルコシダーゼ過剰発現ベクターpCBG1−TVの構築) 本実施例は、TrichodermaセロビオヒドロラーゼIプロモーターおよび分泌シグナルおよび成熟β−グルコシダーゼコード領域を含有するベクターの構築を記載する。
【0083】
β−グルコシダーゼ分泌シグナルを含まないbgl1コード領域(bp474−2679)を含むDNAフラグメントを、Pwoポリメラーゼを用いて、コードされたβ−グルコシダーゼのVal32の5’側のSph1部位またはbgl1停止コドンの3’側のKpnI部位のいずれかを含む、公開されたbgl1配列に相同なプライマーを用いて、pJEN200鋳型からPCRによって増幅した。この増幅されたフラグメントを、SphIおよびKpnIで消化し、SphIおよびKpnIで消化したpCB219Nに挿入し、pBgstrfを生成した。pCB219Nを作製するために、cbh2ターミネーターフラグメントを、5’末端でKpnI部位を含む、公開されたcbh2遺伝子3’非翻訳領域(Chenら、1987)のbp2226−2242に相同なプライマー、およびpUC順方向プライマー(カタログ番号1224、New England Biolabs)(pZUK600におけるcbh2の3’末端でEcoRI部位の下流にアニールする)を用いて、pZUK600鋳型から増幅した。このフラグメントを、操作されたKpnIおよびEcoRI部位で消化し、pUC119の対応する部位に挿入し、pCB219を生成した。EcoRI−NotIアダプター(カタログ番号35310−010、Gibco/BRL)を、pCB219の特有のEcoRI部位に挿入し、pCB219Nを生成した。cbh1プロモーターおよび分泌シグナルを含有するフラグメントを、コードされたCBH1のSer19の3’側のSphI部位を含むcbh1特異的プライマー(公開されたcbh1配列のbp249−284、Shoemakerら、1983)、およびpUC順方向プライマー(カタログ番号1224、New England Biolabs)(pCB152におけるcbh1の5’末端でEcoRI部位の上流にアニールする)を用いて、pCB152から増幅した。cbh1プロモーター+分泌シグナルPCR産物を、SphIおよびEcoRIで消化し、そしてpBR322L(SphI部位とSalI部位との間の領域が、SphI−NotI−SalIリンカーで置換されたpBR322の誘導体)において対応する部位に挿入し、pBR322LCSを生成した。発現カセットを作製するために、bgl1コード領域およびcbh2ターミネーターを、pBgstrfから4.1kbのSphI/NotIフラグメントとして単離し、SphIおよびNotIで消化したpBR322LCSに挿入した。cbh1分泌シグナルおよび成熟β−グルコシダーゼの接合点で正確な読み枠を維持するために、得られたプラスミドpCBGstrfを、特有のSphI部位で線状化し、そしてSphI部位を、T4 DNAポリメラーゼで平滑化した。次いで、得られたプラスミドpCBG1を、cbh2ターミネーターの3’末端で特有のNotI部位を、XhoIリンカー(カタログ番号1073、New England Biolabs)の付加により特有のXhoI部位へ変換することによりさらに改変した。最終プラスミドpCBG1−xhoは、発現カセットプラスミドである。
【0084】
T.reeseiについての選択マーカーとして使用されるE.coliヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子(hph)を、プラスミドpVU1005(Van den Elzen、Townsend、LeeおよびBedbrook、「A chimaeric hygromycin resistance gene as a selectable marker in plant cells」、Plant Mol.Biol.5:299−302、1989)からPwoポリメラーゼで増幅した。プライマーを、それぞれhphコード領域(公開されたhph配列のbp211−1236、GritzおよびDavies、「Plasmid−encoded hygromycin b resistance: the sequence of hygromycin B phosphotransferase gene and its expression in Escherichia coli and Saccharomyces cerevisiae」 Gene 25:179−188,1983)の5’末端および3’末端にSphI部位およびKpnI部位を導入するように設計した。PCR産物をSphIおよびKpnIで消化し、そしてpUC119のポリリンカー領域における対応する部位に挿入した。得られたプラスミドpHPT100を、選択カセットの構築のための出発プラスミドとして使用した。2つの新規なリンカー領域を、プロモーターおよびターミネーターフラグメントのクローニングを容易にするために、このプラスミドに導入した。pHPT100に残存するpUC119ポリリンカーのKpnI部位とSacI部位との間に挿入したKpnI−NotI−SacIリンカーと同様に、HindIII−XbaI−XhoI−SphIリンカーを、HindIII部位とSphI部位との間に挿入した。この構築物を、pHPT102と称した。pgkプロモーターを増幅するために使用されるプライマー(Vanhanen、Saloheimo、Ilmen、KnowlesおよびPenttila、「Promoter structure and expression of the 3−phosphoglycerate kinase gene(pgk1) of Trichoderma reesei」、Gene 106:129−133、1991)を、それぞれ、プロモーターの−970位および+1位にXhoI部位およびSphI部位を導入するように設計した。続いて、これらの部位を、pgkプロモーターをpHPT102のXhoI部位およびSphI部位に挿入してpHPT115を生成するために使用した。1.3kbのcbh1ターミネーターフラグメントを、bp1877−1882でKpnI部位を含有するcbh1の3’非翻訳領域(公開されたcbh1配列のbp1864−1899)にアニールするプライマー、およびpUC逆方向プライマー(カタログ番号18432−013、Gibco/BRL)(pCB1Taにおけるcbh1の3’末端でEcoRI部位の下流にアニールする)を使用して、pCB1TaからPwoポリメラーゼによって増幅した。cbh1ターミネーターPCR産物をKpnIで消化し、そしてpHPT115の特有のKpnI部位に挿入し、選択カセットプラスミドpHPT136を生成した。
【0085】
形質転換ベクターを作製するために、pCBG1−Xhoからの発現カセットを5.6kbのXbaI/XhoIフラグメントとして単離し、そしてpHPT136の選択カセットの上流の特有のXbaI部位とXhoI部位との間に挿入した。最終形質転換ベクターpCBG1−TV(図1に示す)を、以下、実施例9に記載するように、マイクロプロジェクタイルボンバードメントによって、T.reesei M2C38に環状プラスミドとして導入した。
【0086】
(実施例6:β−グルコシダーゼ過剰発現ベクターpXBG1−TVの構築) 本実施例は、TrichodermaキシラナーゼIIプロモーターおよび分泌シグナルおよび成熟β−グルコシダーゼコード領域を含有するベクターの構築を記載する。
【0087】
β−グルコシダーゼコード領域(bp474−2680)を、Pwoポリメラーゼを用いて、公開されたbgl1配列(Barnettら)におけるbp474のすぐ上流にXbaI部位を、およびbp2680のすぐ下流にKpnI部位を挿入するためのプライマーを用いて、ゲノムbgl1クローンpJEN200から増幅した。平滑末端化したPCR産物を、pUC118のSmaI部位に挿入し、pBGm.sと称されるプラスミドを生成した。XbaI部位を、Val32で成熟β−グルコシダーゼの開始のすぐ上流にあるように操作したので、クローニングされたフラグメントは、β−グルコシダーゼ分泌シグナルを含まなかった。プラスミドpCBm.sを、XbaIおよびKpnIで消化し、そして分泌シグナルを含まないbgl1コード領域を含む2.2kbフラグメントを単離し、そしてプラスミドpCB219N(上記、実施例5に記載)におけるcbh2ターミネーターの上流のXbaI部位およびKpnI部位に挿入し、プラスミドpBG2Xを生成した。xln2遺伝子のプロモーターおよび分泌シグナルを含む2.3kbフラグメント(bp−2150から+99、ここで+1は、ATG開始コドンを示す)を、Pwoポリメラーゼを用いて、公開されたxln2配列(Saarelainenら)のbp103のすぐ下流のNheI部位を含むxln2特異的プライマー、およびpUC逆方向プライマー(カタログ番号18432−013、Gibco/BRL)(xln2遺伝子の5’末端でKpnI部位の上流にアニールする)を用いて、ゲノムxln2サブクローンpXYN2K−2から増幅した。このxln2 PCR産物を、EcoRI(これをpXYN2K−2からのpUC119ポリリンカーの一部として増幅する)およびNheIで消化し、そしてプラスミドpBR322L(上記実施例5に記載)に挿入し、pBR322LXNを生成した。次いで、pBR322LXNのEcoRI部位を、クレノウで平滑化し、そしてSpeIリンカー(カタログ番号1086、New England Biolabs)を付加し、pBR322SpXNを生成した。pBG2Xプラスミドを、XbaIおよびNotIで切断し、そして4.2kbフラグメント(bgl1コード領域、続いてcbh2ターミネーターを含む)を単離した。このフラグメントを、NheIおよびNotIで切断したプラスミドpBR322SpXNに挿入した(NheIおよびXbaIは、適合性の突出部を有する)。このクローニングは、成熟β−グルコシダーゼに直接的にキシラーゼ分泌シグナルの融合を生じ、完全発現カセットpXBG−2を作製した。
【0088】
上記実施例5に記載の選択カセットプラスミドpHPT136におけるcbh1ターミネーターを、xln2転写ターミネーターを含む2.6kbのKpnIフラグメントと置換した。xln2ターミネーターを、Pwoポリメラーゼを用いて、公開されたxln2配列(Saarelainenら)のbp780のすぐ下流にKpnI部位を導入するプライマー、およびpUC順方向プライマー(カタログ番号18431−015、Gibco/BRL)(pXYN2K−2におけるxln2遺伝子の3’末端の下流にアニールする)を用いて、ゲノムサブクローンpXYN2K−2から増幅した。xln2ターミネーターPCR産物をKpnIで消化し、そしてpUC119中のpgk促進hpk遺伝子を含有するpHPT136由来の5.1kbのKpnIフラグメントに連結して選択カセットプラスミドpHPT136Xを生成した。
【0089】
形質転換ベクターの構築は、選択カセット由来のpgkプロモーターのすぐ上流への発現カセットの挿入を包含した。発現カセットプラスミドpXBG2をNotIで消化し、そして末端をクレノウを用いて平滑化し、次いでSpeIで消化した。選択カセットpHPT136Xを、XhoIでの消化、次いで、反応物を充填して平滑末端を作出し、次いでXbaIで消化することにより、同様な様式で調製した。これらの2つのフラグメントの平滑−粘着連結を行い、pXBG2由来の6.5kbのSpeI/平滑化NotIフラグメントをpHPT136XのXbaI/平滑化XhoIフラグメントに連結した(SpeIおよびXbaIは、適合性の突出部を有する)。最終的な形質転換ベクターpXBG−TV(図2に示す)を、以下、実施例9に記載するように、マイクロプロジェクタイルボンバードメントによって、T.reesei M2C38の形質転換の前に、その特有のNotIで線状化した。
【0090】
(実施例7:β−グルコシダーゼ過剰発現ベクターpC/XBG(Xba1)−TVの構築)
本実施例は、Trichodermaセロバイオヒドロラーゼ1プロモーター、キシラナーゼII分泌シグナルおよび成熟β−グルコシダーゼコード領域を含有するベクターの構築を記載する。
【0091】
本実施例は、bgl発現におけるcmh1プロモーターおよびxln2分泌シグナルの組み合わせ効果を試験するために実施した。cbh1プロモーターのbp−1399から−204を含む1.2kbのHindIIIフラグメントを、bp−1393から−1388に特有のXbaI部位を挿入するために、cbh1プロモーター含有プラスミドpBR322LCS(実施例5)を鋳型として用いてPCRにより増幅した。この改変されたcbh1プロモーターフラグメントを、HindIIIで消化し、そしてpXBG1(実施例6)においてxln2プロモーターのbp−1400〜−121を置換して、新規な発現カセットプラスミドpC/XBG1を生成するために使用した。pC/XBG1からの6.4kb発現カセットを、NotIで消化し、続いてNotI部位をクレノウフラグメントで平滑化し、続いてSpeIで消化することによって単離した。次いで、このフラグメントを、pHPT136Xにおいてhph選択カセットの上流に平滑/粘着連結により挿入した。このプラスミドは、XhoIで消化し、XhoI部位でクレノウで平滑化し、そしてXbaIで消化しておいたものである。最終的な形質転換ベクターpC/XBG(Xba1)−TV(受託番号209613、寄託日1998年2月3日、アメリカンタイプカルチャーコレクション、12301、Parklawn、Drive、Rockville、MD 20852 USA)(図3に示す)を、以下、実施例9に記載するように、マイクロプロジェクタイルボンバードメントによって、T.reesei M2C38の形質転換の前に、cbh1プロモーターの5’末端およびxln2ターミネーターの3’末端の特有のXbaIおよびNotI部位で線状化した。
【0092】
(実施例8:T.reesei株RutC30およびM2C38から単離されたゲノムDNAのサザンブロット)
実施例1に記載のように、各株からゲノムDNAを単離した。サザンブロットのために、1μgのDNAを、少なくとも2時間、37℃で3〜10ユニットの制限エンドヌクレアーゼで消化し、そして消化産物を0.04MTris酢酸、1mM EDTA中で0.8%アガロースゲル上で分離した。DNAを、キャピラリー転移によりナイロン膜(Boehringer Mannheim)上に転写した(Sambrookら、9.38〜9.44頁)。図4および5において、レーン2、4、6、8、10、および12は、消化されたM2C38 DNAを含み、そしてレーン3、5、7、9、11、および13は、消化されたRutC30のDNAを含む。使用した制限エンドヌクレアーゼは、BamHI(レーン2および3)、EcoRI(レーン4および5)、XbaI(レーン6および7)、HindIII(レーン8および9)、SstI(レーン10および11)およびKpnI(レーン12および13)であった。両図において、レーン1は、λHindIII分子サイズ標準(Gibco/BRL、カタログ番号15612−013)を含み、そしてレーン14は、プローブを作製するために使用した1ngの未標識フラグメントを含む。サザンブロットを、DIG Labeling and Detection Kit(Boehringer Mannheim)を用いて調製されたジゴキシゲン−11−dUTP標識ランダムプライムプローブとハイブリダイズさせた。図4において使用したプローブについての鋳型は、T.reesei xln2プロモーターおよび分泌シグナル(Saarelainenら)を含む2.3kbフラグメントであった。図5において使用したプローブについての鋳型は、T.reesei bgl2成熟コード領域(Barnettら)のbp574−2679を含む2.1kbフラグメントであった。ポストハイブリダイゼーション洗浄後、dig−dUTP複合体を、抗ジゴキシゲニンアルカリホスファターゼ結合体(Boehringer Mannheim)とのインキュベーション、続いて5−ブロモ−4−クロロ−3−インドイルホスフェートおよび4−ニトロブルーテトラゾリウムクロライド(Boehringer Mannheim)によって可視化した。
【0093】
(実施例9:マイクロプロジェクタイルボンバードメントによるT.reesei RutC30、M2C38、およびBTR48の形質転換)
T.reesei株RutC30、M2C38、およびBTR48の胞子を形質転換するために、バイオリスティックPDS−1000/Heシステム(BioRad;E.I.DuPont de Nemours and Company)を使用し、そして全ての手順を、製造業者により推奨されるように実施した。M−10タングステン粒子(0.7μmの直径中央値)をマイクロキャリアとして使用した。以下のパラメーターを、形質転換の至適化において使用した:破裂圧1100psi、ヘリウム圧29mmHg、ギャップ距離0.95cm、マイクロキャリア移動距離16mm、および標的距離9cm。ポテトデキストロール寒天培地(PDA)上に1×106胞子を有するプレートを調製した。ボンバードメントプレートを、28℃でインキュベートした。ボンバードメント4時間後、胞子を、80ユニット/mlのHygBを補充した選択的PDA培地の重層により、一次選択に供する。ボンバードメントプレートを28℃でインキュベートする。形質転換体を、3〜6日増殖後に観察し得る;しかし、胞子形成を達成するためには、さらなるインキュベーションが必要である。
【0094】
胞子形成が生じた後、二次選択プロセスを実施して、個々の形質転換体を単離する。胞子を、接種ループを用いてプレートから採集し、そして滅菌水中に再懸濁する。次いで、この懸濁液を、ガラス製マイクロファイバーで栓をした滅菌注射器で濾過する。これは、望ましくない菌糸を保持する一方で、胞子を通過させる。この懸濁液中の胞子の濃度の決定が必要であり、そして続く希釈液を、0.75%Oxgall(Difco)およびHygB(40ユニット/mL)を補充したPDAプレート上にプレートして、1プレート当たり20〜50の胞子を得る。Oxgallはコロニー制限因子(restrictor)として作用し、それにより、これらの二次選択プレート上での個々のコロニーの単離を可能にする。単離されたコロニーは、2〜3日後に観察され得る。
【0095】
(実施例10:T.reesei株RutC30、RC300、RC−302、M2C38、RM4−300、R4−301、RM4−302、BTR48、およびRB4−301から単離されたゲノムDNAのサザンブロット分析)
実施例1に記載のように、各株からゲノムDNAを単離した。サザンブロットのために、1μgのDNAを、少なくとも2時間、37℃で3〜10ユニットのKpn1またはXba1で消化し、そして消化産物を0.04M Tris酢酸、1mM EDTA中で0.8%アガロースゲル上で分離した。DNAを、キャピラリー転移によりナイロン膜(Boehringer Mannheim)上に転写した(Sambrookら、9.38〜9.44頁)。サザンブロットを、DIG Labeling and Detection Kit(Boehringer Mannheim)を用いて調製したジゴキシゲン−11−dUTP標識ランダムプライムプローブとハイブリダイズさせた。鋳型は、公開されたbgl1配列(Barnettら)のbp1215−2464を含む1.3kbのEcoRI−BglIIフラグメントであった。ポストハイブリダイゼーション洗浄後、dig−dUTP複合体を、抗ジゴキシゲニンアルカリホスファターゼ結合体(Boehringer Mannheim)とのインキュベーション、続いて化学発光試薬CSPD(Boehringer Mannheim)との反応、およびX線フィルム(Kodak)への曝露によって可視化した。結果を表1に要約する。
【0096】
【表1】
Figure 0004026108
(実施例11:液体培養におけるβ−グルコシダーゼの産生)
本実施例は、Trichoderma株により産生された酵素β−グルコシダーゼの量を決定するために使用した方法を記載する。
【0097】
各培養物の増殖のためにPDAプレートにTrichodermaの個々のコロニーを移す。胞子形成は、培養物がβ−グルコシダーゼおよびセルラーゼを産生する能力を試験することにおいて使用される振盪フラスコの均一な接種に必要である。培養培地は、以下で構成される:
【0098】
【化1】
Figure 0004026108
*微量元素溶液は、5g/lのFeSO4・7H2O;1.6g/lのMnSO4・H2O;1.4g/lのZnSO4・7H4Oを含む。
**5g/lのグルコース プラス 10g/lのSolkaフロック(cbh1または他のセルラーゼプロモーターを用いる場合)、10g/lのキシラン(xln2プロモーターを用いる場合)、またはβ−グルコシダーゼの発現を指示するプロモーターに適切な他の炭素供給源。この炭素供給源は、pH2〜7で水溶液として別々に滅菌され得、そして残りの培地に添加され得る。
【0099】
1リットルのフラスコあたりの液体容量は、150mLであり、最初のpHは、5.5であり、そしてそれぞれのフラスコを、接種前に121℃で30分間、蒸気オートクレーブにより滅菌する。
【0100】
非形質転換(すなわち、ネイティブ)細胞および形質転換細胞の両方について、芽胞を、実施例9に記載のようにPDAプレートから単離し、そして1〜2×106個の芽胞を使用してそれぞれのフラスコに接種する。このフラスコを6日間、28℃の温度で200rpmで振盪する。分泌タンパク質を含む濾過物を、GF/A ガラス微小繊維フィルター(glass microfibre filters)(Whatman)を通した濾過により収集した。このタンパク質濃度は、標準としてTrichoderma セルラーゼを用いるBio−Radタンパク質アッセイ(カタログ番号500−0001)を用いて決定する。β−グルコシダーゼ活性は、実施例16に記載のように決定する。
【0101】
形質転換体を、培養濾過物のタンパク質濃度(mg/ml)により分割された培養濾過物のβ−グルコシダーゼ活性のIU/mlにより決定する場合、非形質転換宿主株よりも少なくとも10倍多くβ−グルコシダーゼ(IU/mg)を産生する能力についてスクリーニングした。
【0102】
(実施例12:Solkaフロック炭素供給源を用いる、T.reesei株RutC30、RC−300およびRC−302によるβ−グルコシダーゼの産生)
Trichodermaにおけるタンパク質過剰発現のためのcbh1プロモーターおよび分泌シグナルを用いる以前の成功に基づき、成熟β−グルコシダーゼコード領域を、図1に示されそして実施例5に記載される遺伝子構築物(pCBG1−TV)におけるcbh1プロモーターおよび分泌シグナルの下流においた。このベクターを、微粒子銃(実施例9)によりT.reesei RutC30に導入し、得られた形質転換体RC−300は、親株よりも7倍多くβ−グルコシダーゼ活性を生じた(表2)。この7倍の増加は、形質転換ベクターの1つのコピーの宿主染色体への組み込みから生じた(実施例10、表1)。β−グルコシダーゼがcbh1プロモーターおよび分泌シグナルを用いて発現される構築物の1つのコピーから得られたβ−グルコシダーゼ活性における、より大きい増加は、この戦略がBarnettら、およびFowlerらにより用いられた戦略よりも良好であることを示唆する。彼らの戦略は、構築物(ここでβ−グルコシダーゼは、それ自身のプロモーターおよび分泌シグナルから発現される)の10〜15コピーからのβ−グルコシダーゼ活性においてわずか5倍の増加しか生じなかった。しかし、β−グルコシダーゼ活性において得られた7倍の増加は、セルロース加水分解ためのβ−グルコシダーゼの不足を解消するにはまだ十分ではなかった。
【0103】
形質転換されていないT.reeseiのRutC30株を、T.reeseiキシラナーゼII分泌シグナルに連結した成熟T.reeseiのβ−グルコシダーゼ酵素をコードするベクターpC/XBG(Vba1)−TV由来の遺伝子構築物を用いて、微粒子銃により形質転換した(実施例9)。
【0104】
非形質転換株RutC30および得られたこの宿主由来の形質転換株(RC−302)を、実施例11の手順を用いて、炭素供給源として10g/LのSolka フロックおよび5g/Lのグルコースを用いて培養した。結果を表2に示す。
【0105】
非形質転換株は、タンパク質1mgあたり、0.14IUのβ−グルコシダーゼを産生した。
【0106】
CBH1プロモーターおよびキシラナーゼII分泌シグナルを有する形質転換体RC−302は、19IU/mgのβ−グルコシダーゼを産生した。これは、非形質転換株より約136倍の改善を示し、このことはセルロースからエタノールへのプロセスのために非常に重要である。
【0107】
CBH1プロモーターおよびキシラナーゼII分泌シグナルを有する形質転換体RC−302は、CBH1プロモーターおよびCBH1分泌シグナルを有する最良のRutC30形質転換株よりも約19倍多いβ−グルコシダーゼ活性を産生した。
【0108】
【表2】
Figure 0004026108
(実施例13:Solkaフロック炭素供給源を用いる、M2C38株およびRM4−302株によるβ−グルコシダーゼの産生)
pCBG1−TVベクター(β−グルコシダーゼがCBH1プロモーターおよび分泌シグナルから発現される)(図1および実施例5)を、微粒子銃によりT.reeseiのM2C38に導入した(実施例9)。得られた形質転換体RM4−300は、親株よりも約7〜12倍多くβ−グルコシダーゼ活性を産生した(表3)。
【0109】
非形質転換体のT.reesei株M2C38を、T.reeseiキシラナーゼII分泌シグナルに連結したT.reeseiの成熟β−グルコシダーゼ酵素をコードするベクターpC/XBG(Xba1)−TV由来の遺伝子構築物を用いて、微粒子銃により形質転換した(実施例9)。
【0110】
非形質転換株M2C38およびこの宿主由来の形質転換株(RM4−302)を、実施例11の手順を用いて、炭素供給源として10g/LのSolkaフロックおよび5g/Lのグルコースを用いて培養した。結果を、表3に示す。
【0111】
非形質転換株は、タンパク質1mgあたり、0.35IUのβ−グルコシダーゼを産生した。
【0112】
CBH1プロモーターおよびキシラナーゼII分泌シグナルを有する形質転換体RM4−302は、14.1IU/mgのβ−グルコシダーゼを産生した。これは、非形質転換株より約40倍の改善を示し、このことはセルロースからエタノールへのプロセスのために非常に重要である。
【0113】
CBH1プロモーターおよびキシラナーゼII分泌シグナルを有する形質転換体RM4−302は、CBH1プロモーターおよびCBH1分泌シグナルを有する形質転換体よりも約3倍多いβ−グルコシダーゼ活性を産生した。これは、CBH1プロモーターおよび分泌シグナルが、加水分解におけるセロビオース産生を完全に抑制するためのβ−グルコシダーゼの十分な産生を導かなかったので、重大な差異である。
【0114】
【表3】
Figure 0004026108
(実施例14:キシラン炭素供給源を用いる、T.reeseiのM2C38株およびRM4−301株によるβ−グルコシダーゼの産生)
非形質転換T.reesei株M2C38を、キシラナーゼプロモーターおよび分泌シグナルに連結したT.reeseiの成熟β−グルコシダーゼをコードするベクターpXBG1−TV由来の遺伝子構築物を用いて、微粒子銃により形質転換した(実施例9)。
【0115】
非形質転換株M2C38およびこの宿主由来の形質転換株(RM4−301)を、実施例11の手順を用いて、炭素供給源として5g/Lのグルコースおよび10g/Lのキシランを用いて培養した。結果を、表4に示す。
【0116】
非形質転換株は、タンパク質1mgあたり、0.16IUのβ−グルコシダーゼを産生した。キシラナーゼIIプロモーターおよびキシラナーゼII分泌シグナルを有する形質転換体RM4−301は、20.4IU/mgのβ−グルコシダーゼを産生した。これは、非形質転換株より約127倍の改善を示し、このことは、セルロースからエタノールへのプロセスのために非常に重要である。
【0117】
【表4】
Figure 0004026108
(実施例15:Solkaフロック炭素供給源を用いる、BTR−48株およびRB48−301株によるβ−グルコシダーゼの産生)
非形質転換T.reesei株BTR48を、キシラナーゼプロモーターおよび分泌シグナルに連結したT.reeseiの成熟β−グルコシダーゼをコードするベクターpXBG1−TV由来の遺伝子構築物を用いて、微粒子銃により形質転換した。
【0118】
非形質転換株BTR−48およびこの宿主由来の形質転換株(RB48−301)を、実施例11の手順を用いて、炭素供給源として5g/Lのグルコースおよび10g/LのSolkaフロックを用いて培養した。結果を、表5に示す。
【0119】
非形質転換株は、タンパク質1mgあたり、0.16IUのβ−グルコシダーゼを産生した。キシラナーゼIIプロモーターおよびキシラナーゼII分泌シグナルを有する形質転換体RB48−301は、約21.9IU/mgのβ−グルコシダーゼを産生した。これは、非形質転換株より約136倍の改善を示し、このことは、セルロースからエタノールへのプロセスのために非常に重要である。
【0120】
【表5】
Figure 0004026108
(実施例16:酵素混合物のβ−グルコシダーゼ活性の測定)
酵素のβ−グルコシダーゼ活性を、以下のようにGhose、「Measurement of Cellulase Activities」、Pure and Appl.Chem.59:257〜268(1987)の手順を用いて測定する。酵素のサンプルを、0.5mlの容量に、50mMのクエン酸ナトリウム緩衝液、pH4,8中で、いくつかの濃度に希釈する。希釈の都合のよい範囲は、サンプルの推定した活性の3〜24倍である。例えば、10unit/mlのサンプルは、1:30〜1:240に希釈するべきである。用いる希釈にかかわらず、クエン酸緩衝液の0.5mlサンプルを、それぞれの酵素の試験管に添加する。基質を15mM(5.13g/L)のセロビオースとして調製する。希釈酵素の保存液および基質を別々に5分間、50℃に事前加熱し、次いで、基質の0.5mlのアリコートを酵素の各試験管に添加する。これらの試験管を50℃で30分間インキュベートする。この反応を、5分間、沸騰水浴に各試験管を浸すことにより終止させる。次いで、この試験管をボルテックス混合し、そして酵素のそれぞれのサンプルにより産生された糖の量を、YSIグルコースアナライザーで測定し、酵素からの小さいバックグラウンドを考慮に入れる。
【0121】
β−グルコシダーゼ活性の単位を1分あたり産生されたグルコースのマイクロモル数で規定する。この活性を、0.15〜1.5mg/mlのグルコースを産生するそれぞれの希釈液からの平均値を用いて、式1に基いて計算する。
【0122】
A=C**D(1)
ここでA=活性、β−グルコシダーゼ unit/ml
(またはマイクロモル グルコース/ml/分)
C=16.7マイクロモル/mg/分
G=産生グルコース、mg/ml
D=酵素希釈(次元なし)
(実施例17:セルロース加水分解)
この実験の目的は、セルロースの加水分解増強における、形質転換されたTrichodermaにより産生されたβ−グルコシダーゼの有効性を実証することであった。
【0123】
この研究のためにもちいた酵素は、Iogen セルラーゼ(Iogen Corporationの市販のセルラーゼ酵素)、および実施例11に記載の手順を用いて(その実施例に挙げた培地濃度レベルの2倍で)30リットルの発酵容器中で増殖したRM4−302の産物であった。酵素濃度を、Amicon 10,000MWCO膜を通過する限外濾過により増加させ、そしてIogen セルラーゼと同じセルラーゼ活性に対して基準化した。これらの2つの酵素の活性を表6に示す。
【0124】
【表6】
Figure 0004026108
この研究に用いるセルロースは、前処理したカラスムギの外皮であり、Foodyら(Improved Pretreatment Process for Conversion of Cellulose to Fuel Ethanol,1997年6月9日出願の米国特許出願、実施例6)の手順に従って調製した。
【0125】
0.5グラムの前処理カラスムギ外皮セルロースのサンプルを、49.5グラムの0.05モラーのクエン酸ナトリウム緩衝液、pH4.8とともに、25mlフラスコに添加した。
【0126】
この酵素をセルロース1グラムあたり10FPUに対応する量でフラスコに添加した。得られたβ−グルコシダーゼ用量を表6に列挙する。
【0127】
両方の場合において、このフラスコを250RPMで振盪し、そして24時間50℃で維持した。この時、サンプルを採取し、不溶性セルロースを濾過除去し、そして標準的なDionexパルス電流測定HPLC炭水化物分析方法を用いてグルコース濃度およびセロビオース濃度について分析した。この結果を表7に列挙する。
【0128】
Iogen Cellulase(従来のTrichodermaのセルラーゼ)は、セルロースのわずか45%しかグルコースに転換しなかった。これは、エタノールプロセスには受容できない低さである。セロビオースのこの蓄積は、有意であり、セルロースの13%を示した。
【0129】
増強されたβ−グルコシダーゼを伴うセルラーゼは、より良好に実施した。このセルロースのグルコースへの転換は、84%に達した。この優れた能力の理由は、β−グルコシダーゼの豊富さによって、セロビオース蓄積が、無視できたことであった。
【0130】
【表7】
Figure 0004026108
(実施例18:RutC30株およびM2C38株におけるTrichoderma resseiのxln2およびbgl1遺伝子の比較)
サザンブロット分析を、成熟β−グルコシダーゼおよびキシラナーゼ分泌シグナルをコードする領域の内側および外側の両方を切断する6つの異なる制限酵素で消化したM2C38およびRutC30のDNAに対して実施し(実施例8)、2つの株の間に多型性が存在するか否かを決定した。図4および5に示すように、同一のバンドが成熟β−グルコシダーゼ酵素およびキシラナーゼIIプロモータープラス分泌シグナルをコードするM2C38フラグメントから調製した標識プローブとハイブリダイズすることが見出され、このことは、2つの株の間のこれらの領域に多型性がなく、そして高い程度のDNA配列相同性があることを示す。
【0131】
実施例5〜7に記載される遺伝子構築物を作製するために必要なM2C38 DNA配列を同定およびクローニングするために使用されるプローブおよびプライマーは、以下を含むいくつかの異なるTrichoderma reesei株由来の種々の遺伝子の公開されたDNA配列に基づいた:QM9414(pgk、Vanhanenら、1989、およびcbh2、Chenら)、QM9414誘導体VTT−D79125(xln2、Saarelainenら)およびL27(cbh1、Shoemakerら)、およびRL−P37株誘導体P40株(bgl1、Barnettら)。M2C38と同様に、これらの株のすべては、QM6a株に由来する(Carter、Allison、ReyおよびDunn−Coleman、「Chromosomal and genetic analysis of the electrophoretic karyotype of Trichoderma reesei:mapping of the cellulase and xylanase genes」Molecular Microbiology 6:2167〜2174、1992)。
【0132】
RutC30は、M2C38のQM6a由来前駆体であるので、本発明者らは、実施例5〜7において記載されるβ−グルコシダーゼ発現ベクターを作製するために使用される遺伝子配列の単離のための、実施例2〜4に記載の記載される方法が、M2C38およびRutC30の両方由来の同じ遺伝子配列の単離に等しく良好に機能することを確信している。上記の株系統およびサザンブロットデータに基づいて、本発明者らはまた、RutC30 DNAから調製された遺伝子構築物が、成熟β−グルコシダーゼ酵素およびキシラナーゼII分泌シグナルをコードする、M2C38 DNAから調製されたものと同一のDNAセグメントを含むという、高程度の確信を有する。M2C38 DNAから調製された構築物(実施例5〜7)は、M2C38およびRutC30の両方において増強されたβ−グルコシダーゼ発現を生じるので(実施例12〜14)、本発明者らはまた、RutC30 DNAから作製される遺伝子構築物が、RutC30およびM2C38の両方におけるβ−グルコシダーゼ活性の類似のレベルの増強を生じることを確信している。
【0133】
本発明は、現在のところ好ましい実施態様であると考えられる実施態様に関して記載しているが、本発明は、開示された実施態様に限定されないことが理解されるべきである。対照的に、本発明は、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれる種々の改変および等価のアレンジを包含することが意図される。以下の特許請求の範囲は、そのような改変および等価な表現および機能のすべてを含むように最も広い解釈であるとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ベクターpCBG1−TVの制限地図、およびCBH1分泌シグナル/成熟β−グルコシダーゼ連結のアミノ酸配列である。
【図2】 図2は、ベクターpXBG1−TVの制限地図、およびキシラナーゼII分泌シグナル/成熟β−グルコシダーゼ連結のアミノ酸配列である。
【図3】 図3は、ベクターpC/XBG(Xba1)−TVの制限地図、およびキシラナーゼII分泌シグナル/成熟β−グルコシダーゼ連結のアミノ酸配列である。
【図4】 図4は、T.reesei株RutC30およびM2C38から単離され、そしてM2C38キシラナーゼプロモーターおよび分泌シグナルを含む標識したDNAフラグメントを用いてプローブした、ゲノムDNAのサザンブロットである。
【図5】 図5は、T.reesei株RutC30およびM2C38から単離され、そしてM2C38成熟β−グルコシダーゼコード領域を含む標識したDNAフラグメントを用いてプローブした、ゲノムDNAのサザンブロットである。

Claims (9)

  1. 遺伝子構築物であって:
    TrichodermaキシラナーゼII分泌シグナルと作動可能に連結した、Trichodermaのcbh1プロモーターおよびxln2プロモーターからなる群から選択される、プロモーター、ならびに
    Trichoderma β−グルコシダーゼ遺伝子の成熟β−グルコシダーゼコード領域を含み、ここで該遺伝子構築物は、該構築物で形質転換されたTrichodermaにおけるβ−グルコシダーゼのレベルにおいて少なくとも40倍の増加を引き起こす、
    遺伝子構築物。
  2. 前記Trichoderma β−グルコシダーゼ遺伝子が、Trichoderma bgl1遺伝子を含む、請求項に記載の遺伝子構築物。
  3. 前記遺伝子構築物は、前記構築物で形質転換されたTrichodermaにおけるβ−グルコシダーゼのレベルにおいて少なくとも120倍の増加を引き起こす、請求項1に記載の遺伝子構築物。
  4. 遺伝子改変された微生物であって:
    微生物に導入された請求項1に記載の遺伝子構築物、
    を含み、該遺伝子改変された微生物は、Trichoderma微生物であり、該微生物と比較して少なくとも40倍の、増加したレベルのβ−グルコシダーゼを産生する、遺伝子改変された微生物。
  5. 前記Trichoderma微生物が、Trichoderma reesei微生物である、請求項に記載の遺伝子改変された微生物。
  6. 前記遺伝子改変された微生物が、少なくとも約120倍の増加したレベルのβ−グルコシダーゼを産生する、請求項に記載の遺伝子改変された微生物。
  7. 前記キシラナーゼ分泌シグナルが、前記遺伝子改変された微生物が由来する前記微生物に対してネイティブである、請求項に記載の遺伝子改変された微生物。
  8. β−グルコシダーゼを産生するための方法であって、以下の工程:
    請求項1に記載の遺伝子構築物でTrichoderma微生物を形質転換し、遺伝子改変された微生物を作製する工程;および
    該遺伝子改変された微生物を使用して、形質転換される前の該微生物と比較して少なくとも40倍の、増加したレベルのβ−グルコシダーゼを産生する工程、
    を包含する、方法。
  9. 前記使用する工程が、前記遺伝子改変された微生物を使用して、少なくとも約120倍の増加したレベルのβ−グルコシダーゼを産生する工程を包含する、請求項に記載の方法。
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