JP4023424B2 - 自動販売機 - Google Patents

Description

本発明は、缶，びん，ペットボトル商品を販売する自動販売機に関し、詳しくはそのキャビネット前面に配した断熱内扉の構造に係わる。

まず、頭記した自動販売機の全体構成を図２に示す。図において、１は断熱筐体になる自動販売機のキャビネット、２は外扉、３は断熱内扉、４はキャビネット１の庫内に搭載した商品収納ラック（サーペンタイン式商品収納ラック）、５は商品搬出シュータ、６は外扉２の下部に配した商品取出口である。なお、図には表してないが、キャビネット１の庫内には収納商品を保冷もしくは加温する冷却／加熱ユニットを搭載しており、また外扉２にはディスプレイ室を画成してここに商品見本の陳列台を装備している。

次に、前記の自動販売機に採用されている断熱内扉２の従来構造を図３(a) 〜(c) に示す。図示のように従来の断熱内扉３は、鋼板製の前面板３ａと後面板３ｂとを継手部材３ｃを介して箱形に組み立て、その内部に断熱材３ｄとしてウレタン樹脂などを注入して発泡成形して扉板（扉本体）を構成し、さらにこの扉板の左右側縁にヒンジ金具７，扉ロック金具８を取り付けた構造になり、かつ扉板の下部には庫内の商品収納ラック４（図２参照）から払い出した商品を外扉２の商品取出口６に導くようにシャッタ付きの商品搬出口３ｅを備えている。

一方、最近になり、前記断熱内扉の製造で樹脂の発泡成形工程に使用するフロンが環境への影響問題から規制されるようになっている。また、不要になった自動販売機を分解処理して資源回収を行う場合に、樹脂を発泡成形させた断熱構造の内扉３は鋼板３ａ，３ｂと断熱材（発泡樹脂）３ｄとが結着しているために、鋼材と発泡樹脂との分別処理に手間が掛かるといった問題もある。

そこで、前記問題の対応策として、断熱内扉の断熱材を樹脂の発泡成形に代えてあらかじめ板状に成形した樹脂ボードを採用し、このボードに鋼板製の前面板，補強枠，および商品搬出口のシャッタ，シャッタ枠などを組み合わせて断熱内扉の扉板を構成するようにしたものが知られている（例えば、特許文献１参照）。
特開２００２−２１６２２５号公報

前記特許文献１に開示されている断熱内扉の構成によれば、断熱材に樹脂ボードを採用しているのでフロンを使用する樹脂の発泡成形工程が必要なく、またこの断熱内扉を廃棄処分する際に金属材と樹脂材の分別が簡単に行える利点があるがある反面、その組立構造から扉の製造コストが高くなる問題がある。

すなわち、扉板に商品搬出口のシャッタおよびシャッタ枠を取り付けるために、樹脂ボードの前面領域の全てを金属板（鋼板）で覆うようにしている。このために断熱扉の鋼板使用量が増してコスト高となる。加えて、伝熱性の高い金属板で扉板を覆う面積が大きくなると、その分だけ断熱扉としての断熱性能が低くなって自動販売機の熱損失が増加するといった問題もある。

本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その目的は前記課題を解決し、低コスト，簡易な組立構造で高い断熱性能を確保でき、併せて商品展示の利便性が図れるように改良した自動販売機の断熱内扉を提供することにある。

上記目的を達成するために、本発明によれば、庫内に商品収納ラックを搭載した断熱筐体になる本体キャビネットの前面に断熱内扉，および外扉を備えた自動販売機において、記内扉を、断熱材ボードで作られた扉板と、該扉板の周囲四辺に固着してヒンジ金具，扉ロックを取り付けた金属製の外枠とから構成し、かつ、前記金属製の外枠のうち下部の外枠はその前面側の幅を、前記外扉の商品取出口に通じる商品搬出口のシャッタ枠を固着するように広く形成して機械的な強度の確保を図るものとし（請求項１）、具体的には次記のような態様で構成する。

(1) 扉板の表裏両面の全域に樹脂製の面材シートを貼着して扉板を保護するとともに、この面材シートに印刷などを施したり、黒板やホワイトボードなどの文字等を記入して表示する表示板としての機能を持たせるようにする（請求項２）。

（２）扉板の前面側中段位置に、外扉のディスプレイ室に向けて迫り出す商品見本の陳列台を設置し、当該陳列台を扉板の左右側縁に配した外枠の間に架設し、ここに商品見本を並べてディスプレイ室に展示させる（請求項３）。

上記の構成によれば、特許文献１の断熱内扉と比べて扉を構成する鋼材の使用量が少なくて済み、これによりコスト低減，扉の軽量化と併せて断熱性能も向上するほか、断熱材ボードの表裏両面に貼着した樹脂（例えばＰＥＴ樹脂）製の面材シートを利用してここに印刷などを施すことで表示板としての機能も持たせることができる。

さらに、扉板の前面に商品見本の陳列台を設置したことで、従来，外扉の背面に設けてディスプレイ室の商品陳列台を支持していた中扉を省略してディスプレイ室の構造簡素化が図れる。

前記のように、本発明の断熱内扉は、樹脂製の断熱材ボードを基板とした扉板と、該扉板の周囲四辺に固着してヒンジ金具, 扉ロックを取り付けた補強用の金属製外枠とから構成するものであり、その実施の具体的な態様を図１(a) 〜(c) に示す実施例に基づいて説明する。

すなわち、図示実施例の断熱内扉３は、伝熱性の低い樹脂をあらかじめ板状に成形した断熱材ボード９を扉板として、その表裏両面にＰＥＴ樹脂などの面材シート９ａ，９ｂを貼着した上で、その周囲四辺にチャンネル鋼材１０ａ〜１０ｄを組み合わせた補強用の外枠１０を嵌着し、固定ねじ１１により固着する。また、この扉板に対して、左右側縁に配した外枠１０ａ，１０ｂにはヒンジ金具７，扉ロック金具８を取り付け、扉板の下部に配した外枠１０ｄ（この外枠１０ｄは他の辺に配した外枠に比べて前面側の幅を広くしておく）に商品搬出口３ｅのシャッタ枠を取り付けてねじ止めしている。

さらに、この実施例では扉板の前面中段位置に商品見本１３を展示する陳列台１２を設置し、この陳列台１２を外扉２（図２参照）のディスプレイ室内に向けて突き出すようにしている。なお、この陳列台１２はその左右両端を扉板の左右側縁に配した外枠１０ａ，１０ｂに連結支持している。

この構成により、従来の外扉２の背面側に設けて商品見本の陳列台を支持していた中扉（図２参照）を省略し、断熱内扉３の前面側に設置した前記の陳列台１２を使って外扉のディスプレイ室に商品見本１３を展示するとともに、断熱内扉３の扉板前面に貼着した面材シート９ａを表示パネルとして、ここに符号１４で表すように商品広告を印刷したり，貼り付けたり、また黒板やホワイトボードなどのように文字等を記入して表示する表示板として利用することができる。

本発明の実施例による断熱内扉の構成図で、(a) は正面図、(b) は背面図、(c) は(b) の矢視Ｘ−Ｘ断面図 従来における自動販売機の扉開放状態を表した全体構成の外観図 図２の自動販売機に装備した断熱内扉の従来構造を表す図で、(a) は正面図、(b) は横断面図

符号の説明

１ 自動販売機の本体キャビネット
２ 外扉
３ 断熱内扉
３ 商品搬出口
４ 商品収納ラック
６ 商品取出口
７ ヒンジ金具
８ 扉ロック金具
９ 断熱材ボード
９ａ，９ｂ 面材シート
１０ 外枠
１１ 固定ねじ
１２ 陳列台
１３ 商品見本
１４ 表示板

Claims (3)

1. 庫内に商品収納ラックを搭載した断熱筐体になる本体キャビネットの前面に断熱内扉，および外扉を備えた自動販売機において、
   前記内扉を、断熱材ボードで作られた扉板と、該扉板の周囲四辺に固着してヒンジ金具，扉ロックを取り付けた金属製の外枠とから構成し、かつ、前記金属製の外枠のうち下部の外枠はその前面側の幅を、前記外扉の商品取出口に通じる商品搬出口のシャッタ枠を固着するように広く形成したことを特徴とする自動販売機。
2. 請求項１記載の自動販売機において、扉板の表裏両面の全域に樹脂製の面材シートを貼着し、その面材シートを表示板として用いることを特徴とする自動販売機。
3. 請求項１記載の自動販売機において、扉板の前面側中段位置に、外扉のディスプレイ室に向けて迫り出す商品見本の陳列台を設置し、当該陳列台を扉板の左右側縁に配した外枠の間に架設したことを特徴とする自動販売機。

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