JP4022599B2 - 段積ストック装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は軽量型鋼等のワークのための段積ストック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、段積ストック装置においては、ワークを搬入する手段としてクレーンを用いている。ところが、段積ストック装置では、ワークを取出すためのワーク取出装置が上方に配置されており、ワークを搬入するクレーンとワーク取出装置との干渉を回避するため、クレーンの作動範囲に制約がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術では、ワーク搬入クレーンとワーク取出装置とがともに段積ストック装置の上方にあり、両者の干渉を回避する必要があることから、ワークの搬入とワークの取出しとを並行して行なうことができず、搬入と取出しの生産性を向上することに限界がある。
【0004】
本発明の課題は、段積ストック装置において、簡素な構成により、複数のロットを順に下方から搬入し、上方から取出し、搬入と取出しの生産性を向上することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、リフト装置により持ち上げられるワークを下方から順に搬入してストックし、上方から取出し可能にするに際し、先積ワークの下面を後積ワークにより押し上げることにより、先後のワークを積み上げ可能とする段積ストック装置において、架台と、架台の相対する2位置のそれぞれに設けた長孔にピンを介して枢支されてなる一対の爪と、架台に設けられて各爪をワーク支持位置に保持するストッパと、架台と各爪との間に介装され、各爪を長孔の上端側に、かつストッパに衝合する側に弾発するばねとを有してなるようにしたものである。
【0008】
【作用】
請求項1の本発明によれば下記(a) (c)の作用がある。
(a)先後のワークを段積ストック装置の下方から順に搬入してストックし、上方から取出しできる。従って、ワークを取出すために段積ストック装置の上方に配置されたワーク取出装置が、段積ストック装置の下方のワーク搬入装置に何ら干渉することがない。従って、ワークの搬入と取出しとを並行して行なうことができ、搬入と取出しの生産性を向上できる。
【0010】
(b)複数のロットを順に搬入するに際し、後積ロットのワークが下方から爪と先積ロットを押し上げていくとき、爪のピンは先積ロットの重みで長孔を下方へ移動する。これにより、爪がワーク通過位置に達して爪の先端が先積ロットのワークから外れる押し上げ上端レベルは、上述の長孔の存在による下方への移動分(図12のH)だけ低位となり、結果として、この爪の先端が外れた後の先積ロットの後積ロット上への落下距離を減縮できる。これにより、ワークへの衝撃を小さく、ワークの荷崩れも防止できる。
【0011】
(c)上記(b)により、爪を駆動装置、駆動源を用いることなく、ワーク支持位置から回避でき、しかも先積ロットの後積ロット上への落下距離を減縮できる。これにより、後積ロットで先積ロットを押し上げるだけで、ワークをスムースに下方から搬入してストックし、その後上方から取出しできる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1はワークとそのロットを示す端面図、図2は複数のロットの段積状態を示す端面図、図3は段積ストック装置の全体構成を示す正面図、図4は図3の要部を取出して示す正面図、図5は先積ロットのワーク搬入状態を示す正面図、図6は先積ロットのワーク持ち上げ開始状態を示す正面図、図7は先積ロットのワーク持ち上げ中間状態を示す正面図、図8は先積ロットのワーク持ち上げ完了状態を示す正面図、図9は後積ロットのワーク搬入状態を示す正面図、図10は後積ロットのワーク持ち上げ開始状態を示す正面図、図11は後積ロットのワーク持ち上げ中間状態を示す正面図、図12は後積ロットのワーク持ち上げ通過直前状態を示す正面図、図13は後積ロットのワーク持ち上げ完了状態を示す正面図である。
【0013】
段積ストック装置10は、例えば、図1、図2に示す如く、同一サイズの軽量C型鋼をワーク1とし、2個のワーク1を上向きと下向きに互い重ねとした組の複数組をまとめたものをロット2とし、複数のロット2を段積状態でストックするものである。
【0014】
段積ストック装置10は、図3に示す如く、ワーク搬入台車11とワーク取出装置12を付帯的に備える。ワーク1のロット2は、台車11に積載されると、上位生産データに基づく生産支持により、多数の並列配置されている棚13の中から予め設定されている棚13の位置まで自動搬送され、その後、台車11のリフト装置11Aにより持ち上げられて下方から棚13に搬入されてストックされ、更に、取出装置12の吸着装置12Aにより棚13の上方から取出し可能とされる。
【0015】
このとき、段積ストック装置10の各棚13は、図4に示す如く、架台21と爪22とストッパ23とばね24とを有して構成されている。即ち、段積ストック装置10は、架台21の相対する2位置のそれぞれに設けた斜め状長孔21Aに、ピン22Aを介して回転自在に枢支されてなる左右一対の爪22と、架台21に設けられて各爪22を水平なワーク支持位置に保持するストッパ23とを有する。更に、段積ストック装置10は、架台21と各爪22との間にばね24を介装し、このばね24により、各爪22を長穴21Aの上端側に、かつストッパ23に衝合する側に弾発することとしている。尚、段積ストック装置10にあっては、ワーク1の長手方向の複数位置に対応する位置のそれぞれに、上述の左右一対の爪22を備える。
【0016】
以下、段積ストック装置10によるワーク1のストック動作について説明する。
(A) 先積ロット2Aのストック動作(図5〜図8)
(1) 先積ロット2Aはリフト装置11Aにより持ち上げられ、水平なワーク支持位置にセットされている左右の爪22を押し上げ、それら爪22を上方へ拡開回転せしめる(図5、図6)。左右の爪22がロット2Aの最上段ワーク1の通過によりワーク通過位置に達すると、ロット2Aは爪22の内側をその上方まで持ち上げられる(図7)。
【0017】
(2) 先積ロット2Aの最下段ワーク1が、左右の爪22の内側を通過しきると、爪22はばね24により水平のワーク支持位置に戻り設定される。これにより、リフト装置11Aが下降すると、先積ロット2Aはワーク支持位置にある左右の爪22に預けられ、ストックされる(図8)。
【0018】
(B)後積ロット2Bのストック動作(図9〜図13)
(1)後積ロット2Bがリフト装置11Aにより持ち上げられると、左右の爪22も水平なワーク支持位置から押し上げられ、上方へ拡開回転せしめられるが、同時に、爪22上の先積ロット2Aも該爪22の先端部の上昇軌跡に乗って一緒に持ち上げられる(図9、図10)。
【0019】
(2)後積ロット2Bが爪22と先積ロット2Aを押し上げると、爪22上の段積状態にあるロットの重みにより爪22に下向き力が作用し、爪22は後積ロット2Bの両側角部との接点を支点として回転しようとするが、爪22のピン22Aの長孔21Aは斜めになっているため、爪22は動かない。更に、後積ロット2Bが爪22と先積ロット2Aを押し上げると、爪22は両側外方に開き、この爪22の立ち上がり傾斜角度が水平に対し45度近くになると、爪22に作用する上述の下向き力と、回転支点としての後積ロット2Bの角部との距離Lが短くなり、爪22は回転する力より下方へ滑り落ちる力が大きくなり、長孔21Aに沿って斜め下方へ滑り移動することとなる。即ち、爪22が上方に約45度まで回転すると、爪22上の先積ロット2Aの重みが爪22のピン22Aを下方へ押し下げようとするため、爪22のピン22Aは長穴21Aを下方へ高さHだけ滑って移動する(図11、図12)。このとき、爪22が支持している先積ロット2A移押し上げ上端レベルが上述の移動分Hだけ低位となるように変位する。
【0020】
(3)リフト装置11Aが後積ロット2Bを更に持ち上げると、爪22は更に拡開回転し、爪22がワーク通過位置に達すると、爪22の先端部が先積ロット2Aの最下段ワーク1から外れる。これにより、先積ロット2Aは後積ロット2Bの上へと落下して移載される。このとき、先積ロット2Aの後積ロット2B上への落下距離は、前述の爪22による先積ロット2Aの押し上げ上端レベルの低位化分だけ減縮され、落下の衝撃を緩和するものとなる。
【0021】
(4)以後、リフト装置11Aが後積ロット2Bを更に持ち上げ、後積ロット2Bの最下段ワーク1が左右の爪22の内側を通過しきると、爪22はばね24により水平のワーク支持位置に戻り設定される。これにより、リフト装置11Aが下降すると、後積ロット2Bはワーク支持位置にある左右の爪22に預けられ、ストックされる(図13)。このとき、爪22のピン22Aはばね24により長孔21Aの上端に復帰設定せしめられる。
【0022】
従って、本実施形態によれば以下の作用がある。
▲1▼先後のロット2A、2Bを段積ストック装置10の下方から順に搬入してストックし、上方から取出しできる。従って、ワーク1を取出すために段積ストック装置10の上方に配置されたワーク取出装置12が、段積ストック装置10の下方のワーク搬入台車11に何ら干渉することがない。従って、ワーク1の搬入と取出しとを並行して行なうことができ、搬入と取出しの生産性を向上できる。
【0023】
▲2▼段積ストック装置10は、架台21の相対する2位置のそれぞれに設けた一対の爪22を、ワーク支持位置とワーク通過位置との間で回転させることにより、簡素な構成により、先後のロット2A、2Bを下方から順に搬入してストックできる。
【0024】
▲3▼複数のロット2を順に搬入するに際し、後積ロット2Bのワーク1が下方から爪22と先積ロット2Aを押し上げていくとき、爪22のピン22Aは先積ロット2Aの重みで長孔21Aを下方へ移動する。これにより、爪22がワーク通過位置に達して爪22の先端が先積ロット2Aのワーク1から外れる押し上げ上端レベルは、上述の長孔21Aの存在による下方への移動分(図12のH)だけ低位となり、結果として、この爪22の先端が外れた後の先積ロット2Aの後積ロット2B上への落下距離を減縮できる。これにより、ワーク1への衝撃を小さく、ワーク1の荷崩れも防止できる。
【0025】
▲4▼上記▲3▼により、爪22を駆動装置、駆動源を用いることなく、ワーク支持位置から回避でき、しかも先積ロット2Aの後積ロット2B上への落下距離を減縮できる。これにより、後積ロット2Bで先積ロット2Aを押し上げるだけで、ワーク1をスムースに下方から搬入してストックし、その後上方から取出しできる。
【0026】
また、段積ストック装置10は、複数のロット2A、2Bをストックでき、ストック量を増すことができる。
【0027】
また、段積ストック装置10にあっては、ロット2A、2Bを下方から搬入し上方から取出すことができ、搬入作業と取出し作業を並行して行なうことができ、生産性を向上できる。
【0028】
また、段積ストック装置10にあっては、上位生産データに基づく生産指示によるロット2A、2Bの棚13への搬入、取出しを完全自動化でき、棚13でのワーク1の在庫管理まで行なうことができる。
【0029】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0030】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、段積ストック装置において、簡素な構成により、複数のロットを順に下方から搬入し、上方から取出し、搬入と取出しの生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はワークとそのロットを示す端面図である。
【図2】図2は複数のロットの段積状態を示す端面図である。
【図3】図3は段積ストック装置の全体構成を示す正面図である。
【図4】図4は図3の要部を取出して示す正面図である。
【図5】図5は先積ロットのワーク搬入状態を示す正面図である。
【図6】図6は先積ロットのワーク持ち上げ開始状態を示す正面図である。
【図7】図7は先積ロットのワーク持ち上げ中間状態を示す正面図である。
【図8】図8は先積ロットのワーク持ち上げ完了状態を示す正面図である。
【図9】図9は後積ロットのワーク搬入状態を示す正面図である。
【図10】図10は後積ロットのワーク持ち上げ開始状態を示す正面図である。
【図11】図11は後積ロットのワーク持ち上げ中間状態を示す正面図である。
【図12】図12は後積ロットのワーク持ち上げ通過直前状態を示す正面図である。
【図13】図13は後積ロットのワーク持ち上げ完了状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 ワーク
2、2A、2B ロット
10 段積ストック装置
11A リフト装置
21 架台
21A 長孔
22 爪
22A ピン
23 ストッパ
24 ばね

Claims (1)

  1. リフト装置により持ち上げられるワークを下方から順に搬入してストックし、上方から取出し可能にするに際し、先積ワークの下面を後積ワークにより押し上げることにより、先後のワークを積み上げ可能とする段積ストック装置において、
    架台と、
    架台の相対する2位置のそれぞれに設けた長孔にピンを介して枢支されてなる一対の爪と、
    架台に設けられて各爪をワーク支持位置に保持するストッパと、
    架台と各爪との間に介装され、各爪を長孔の上端側に、かつストッパに衝合する側に弾発するばねとを有してなることを特徴とする段積ストック装置。
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