JP4020489B2 - 基板処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用のガラス基板、液晶表示装置用のガラス基板、光ディスク用の基板など(以下、単に基板と称する)に対して、フォトレジスト液、SOG液(Spin On Glass:シリカ系被膜形成材とも呼ばれる)、ポリイミド樹脂や、純水などの処理液を供給して基板に処理を施す基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の装置として、例えば、処理液であるフォトレジスト液を基板面に供給して被膜形成処理を施す基板処理装置がある。この装置では、基板を回転支持部によって水平姿勢で回転させながら、処理液供給ノズルをその回転中心上方に移動し、処理液供給ノズルから一定量のフォトレジスト液を供給する。そして、回転数を上げてフォトレジスト液の余剰分を振り切るとともに溶媒を揮発させて基板面にフォトレジスト被膜を形成するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、処理液供給ノズルからフォトレジスト液が実際に吐出されているか否かの確認を、流量計の出力やポンプの動作確認よって間接的に行っているため、処理液供給ノズルにフォトレジスト液を供給する配管が外れていたり経路中において漏れが生じている等の不具合が生じている場合であっても、そのことを検出することができずに処理が継続的に行われる。したがって、所要量のフォトレジスト液を供給することができない異常状態にあるにも係わらず処理が継続的に行われ、不適切な処理が順次に基板に対して施されてしまうという問題点がある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、処理液の供給状態を直接的に検出することによって異常状態を確実に検出し、不適切な処理が継続的に基板に対して施されることを防止できる基板処理装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の基板処理装置は、基板に処理液供給ノズルから処理液を供給して処理を施す基板処理装置において、前記処理液供給ノズルと前記基板面との間にあたる処理液の供給経路を撮影する撮影手段と、前記撮影手段によって撮影された処理液の供給状態が、前記処理液供給ノズルから処理液が不意に落下する異常状態である場合に予め決められた動作を行う制御手段と、を備えていることを特徴とするものである。
【0006】
(削除)
【0007】
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【0008】
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【0009】
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【0010】
(削除)
【0011】
(削除)
【0012】
また、請求項2に記載の基板処理装置は、基板に処理液供給ノズルから処理液を供給して処理を施す基板処理装置において、前記処理液供給ノズルと前記基板面との間にあたる処理液の供給経路を撮影する撮影手段と、前記撮影手段によって撮影された処理液の供給状態が、処理液の吐出を停止させる命令を実行しても依然として前記処理液供給ノズルから処理液が吐出されている異常状態である場合に予め決められた動作を行う制御手段と、を備えていることを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項3に記載の基板処理装置は、請求項2に記載の基板処理装置において、前記制御手段は、異常状態となった場合にのみ前記処理液供給ノズルを基板上の供給位置に保持し続け、正常状態となった場合に前記処理液供給ノズルを基板側方の退避位置に移動するようにしたことを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項4に記載の基板処理装置は、請求項1から3のいずれかに記載の基板処理装置において、異常状態が生じた場合にそのことを報知する報知手段をさらに備えていることを特徴とするものである。
【0015】
【作用】
請求項1に記載の発明の作用は次のとおりである。
撮影手段によって撮影した処理液の供給状態が異常状態であるか否かを処理液供給ノズルと基板面との間の処理液の供給経路を直接的に撮影して行うようにしているので、配管はずれや漏れなどに起因する異常状態を確実に検出することができる。異常状態である場合には、制御手段が予め決められた動作を行うので、異常状態が継続することを回避できる。特に、処理液供給ノズルから基板に処理液を供給するために処理液供給ノズルを基板 上方の供給位置に移動した際に、処理液を供給する意図が無いにも係わらず不意に処理液が落下することがある(いわゆる『ぼた落ち』)。このぼた落ちが生じると基板面に処理液によるムラが生じる場合があるので、これを異常状態として検出すれば、ぼた落ちに起因する処理ムラが継続することを回避できる。
【0016】
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【0017】
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【0018】
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【0019】
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【0020】
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【0021】
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【0022】
また、請求項2に記載の発明によれば、処理液供給ノズルから基板に処理液を供給した後、その供給を停止するために供給停止命令を実行しても即座に供給が停止するわけではなく、糸を引くように吐出幅が次第に細くなって最終的に吐出が停止するようにある程度の遅れが存在する。この遅れは、例えば、ポリイミド樹脂などの高粘度の処理液ほど顕著に現れ易い。このように吐出を停止しても依然として処理液が吐出されている現象(本明細書では糸引き現象と称する)が生じた状態でノズルを退避位置に移動すると、基板の回転中心からずれた位置に処理液が吐出されることになって処理ムラや装置の汚染を生じる。そこでこれを異常状態として検出すれば、糸引き現象に起因する処理ムラや装置の汚染が継続することを防止できる。
【0023】
また、請求項3に記載の発明によれば、吐出を停止しても依然として処理液が吐出される糸引き現象が生じている異常状態を検出した場合には、処理液供給ノズルを退避位置に移動することなく供給位置に保持し続けるので、糸引き現象に起因する処理ムラや装置の汚染を防止することができる。一方、糸引き現象が収まって正常状態となった場合には、処理液供給ノズルを退避位置に移動する。
【0024】
また、請求項4に記載の発明によれば、異常状態が生じたことを報知手段で報知するので、装置のオペレータは不適切な処理が施されたことを知ることができる。したがって、装置を停止するなどの対策を講じることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
<実施例>
図1は、本発明に係る基板処理装置の一実施例である基板塗布装置の概略構成を示すブロック図である。
【0026】
基板Wは、吸引式スピンチャック1により水平姿勢で吸着保持され、回転軸2を介して電動モータ3により回転中心P周りに回転駆動される。基板Wの周囲には、処理液の一例であるフォトレジスト液の飛散を防止するための飛散防止カップ4aが配設されている。また、この飛散防止カップ4aの上部開口には、ダウンフローを取り込むための複数個の開口を上部に形成された上部蓋部材4bが、この装置のフレームに固定されて位置固定の状態で配設されている。また、図示しない搬送機構が未処理の基板Wを吸引式スピンチャック1に載置したり、処理済みの基板Wを受け取る際には、図示しない昇降機構が飛散防止カップ4aのみを下降させることによって、飛散防止カップ4aと上部蓋部材4bとを離間させ、吸引式スピンチャック1を飛散防止カップ4aの上部開口から上方に突出させるようになっている。
【0027】
飛散防止カップ4aの側方には、搬入された基板Wの回転中心Pの上方に相当する供給位置(図中の実線)と、基板W上から側方に離れた退避位置(図中の点線)との間で移動可能に構成された処理液供給ノズル5が配設されている。処理液供給ノズル5には供給配管12が接続されており、サックバックバルブ13と、ベローズポンプ14と、逆止弁15とを介してフォトレジスト液を貯留している処理液タンク16に連通接続されている。サックバックバルブ13は、処理液供給ノズル5の吐出孔5aから露出しているフォトレジスト液を僅かに引き戻して固化を防止したり、先端部5bに貯留しているフォトレジスト液が不意に落下する、いわゆる「ぼた落ち」を抑制するためのものである。
【0028】
ベローズポンプ14は、図示しない複動式エアシリンダに連動して動作し、処理液タンク16内のフォトレジスト液を供給管12に送り込む。この送り込み動作により生じるフォトレジスト液の処理液タンク16内への逆流を防止するのが、逆止弁15である。
【0029】
ノズル移動機構17は、本発明の制御手段に相当する制御部20により制御されるようになっている。つまり、制御部20が後述する処理プログラムを実行してゆく際に『ノズル移動命令』を実行すると、処理液供給ノズル5を退避位置から供給位置に移動するようにノズル移動機構17を制御し、『ノズル退避命令』を実行すると、処理液供給ノズル5を供給位置から退避位置に移動するようにノズル移動機構17を制御する。
【0030】
上部蓋部材4bの上部内周面には、その左側にCCDカメラ25が、その右側にはストロボ27が配設されている。本発明の撮影手段に相当するCCDカメラ25は、固体撮像素子であるCCDと、電子シャッターと、レンズなどから構成されており、その撮影視野が処理液供給ノズル5から基板W面との間にあたるフォトレジスト液の供給経路に設定されている。例えば、図2に示すように撮影視野30が広めに設定されており、この中においてフォトレジスト液が処理液供給ノズル5の吐出孔5aから吐出されて基板W面に到達する位置を含む領域が判断領域30Aとして設定される。ストロボ27は、フォトレジスト液が感光しないように装置自体が暗室内に設置されているので、撮影時の照明として用いるためのものであり、例えば、キセノンランプと、500nm以上の波長を透過するバンドパスフィルタとを組み合わせて構成されている。これらのCCDカメラ25およびストロボ27は、異常状態検出部35に接続されている。
【0031】
異常状態検出部35は、ストロボ27に所要の電力を供給したり、CCDカメラ25の動作制御、例えば、撮影タイミングを決定する電子シャッターの動作制御を行う。撮影開始の指示は、制御部20からトリガ信号が入力されることによって行われる。撮影された撮影視野30の画像信号は、2値化処理されて静止画像に変換される。その撮影視野30の静止画像は制御部20を介して表示部33に出力され、その中においてオペレータにより判断領域30Aが設定される。さらに、予めフォトレジスト液の吐出が正常な状態において撮影視野30を撮影し、判断領域30Aを表示部33に表示させた状態で、図3に示すようなフォトレジスト液R(図中の二点鎖線)の吐出幅Dを測定するための幅計測ライン30W(図中の点線)を設定しておくとともに、設定した幅計測ライン30Wにおける正常な吐出状態のフォトレジスト液Rの吐出幅Dを基準幅Drefとして記憶するようになっている。
【0032】
また、上述した異常状態検出部35は、処理液供給ノズル5が供給位置に移動した時点から一定時間の間だけ行われる『ぼた落ち検出処理』においてぼた落ちが検出された場合を異常状態として検出するとともに、基板の処理時にフォトレジスト液が基板Wに供給され始めてから一定時間の間だけ行われる『吐出幅検出処理』において吐出幅Dが基準幅Drefより小さい場合を異常状態として検出する。そして、異常発生を制御部20に伝達し、制御部20は異常が発生したことを表示部33(報知手段)に出力するとともに処理を停止する。表示部33への出力としては、例えば、『ぼた落ち発生!!』あるいは『吐出幅縮小:不具合発生!!』などである。また、表示部33への出力と同時に図示しないブザーを鳴らしたり黄色灯を発光させて報知するようにしてもよい。
【0033】
次に、基板に対する塗布処理の一例を示す図4のタイムチャートと、『ぼた落ち検出処理』および『吐出幅検出処理』を示す図5及び図6のフローチャートを参照する。なお、図4のタイムチャートにおける時間原点は、基板Wが吸引式スピンチャック1に吸着保持された時点であるものとして説明する。
【0034】
まず、t1 時点において制御部20はノズル移動命令を実行し、ノズル移動機構17が処理液供給ノズル5を退避位置から供給位置に移動する。次いで、t2 時点にて回転開始命令を実行し、t3 時点で回転数R1に達するように電動モータ3の駆動を開始する。
【0035】
ここでノズル移動命令の実行後、処理液供給ノズル5が供給位置に移動した後から供給開始命令TS の実行時点まで『ぼた落ち検出処理』が実行される。
【0036】
つまりトリガ信号を与えられた異常状態検出部35は、まず、CCDカメラ25を制御して、撮影視野30の撮影を行う(ステップS1)。次に、撮影視野30の静止画像を2値化処理し(ステップS2)、その中の判断領域30A中の画素値に基づいてフォトレジスト液が存在するか否かを判断する(ステップS3)。例えば、この実施例装置では、フォトレジスト液の背後からストロボ27からの光が照射されているためフォトレジスト液が影となって黒画素となる一方その周囲が白画素となるので、黒画素が判断領域30Aに存在するか否かを判断すればよい。
【0037】
そして、黒画素が存在する場合にはぼた落ちが生じている異常状態を表すので、表示部33に警報を出力し(ステップS4)、さらに処理を停止する(ステップS5)。そして、この基板Wを取り出して洗浄し、装置の点検整備を行った後、再び同様の処理を行えばよい。なお、警報を出力してオペレータに対して現在の処理に異常が生じたことを報知するだけにしてもよく、または報知することなく処理を停止してもよい。その一方、黒画素が存在しない場合にはぼた落ちがなく正常な状態を表すので、制御部20はTS 時点でサックバックバルブ13の動作を解除するとともにベローズポンプ14を作動させてフォトレジスト液を処理液供給ノズル5から供給開始する。
【0038】
そして、供給開始命令の実行時点TS から供給時間TSUが経過するTE 時点において供給停止命令を実行し、ベローズポンプ14の動作を停止してフォトレジスト液の吐出を停止するとともに、サックバックバルブ13を作動させてフォトレジスト液を僅かに引き戻す。これにより所定量のフォトレジスト液が基板Wに対して供給されるようになっている。
【0039】
上述した供給開始命令が実行された後、制御部20は異常状態検出部35に対してトリガ信号を出力する。すると図6の『吐出幅検出処理』が実行されるようになっている。この処理は、図4のタイムチャートに示すように、供給開始命令の実行時点TS から供給停止命令の実行時点TE までの間に少なくとも一度行えばよい。また、供給開始から供給停止までの間に処理液タンク16が空になって、吐出停止の直前にフォトレジスト液が吐出されなくなる事態もあるので、供給開始から供給停止直前まで所定の周期で『吐出幅検出処理』を繰り返し実行するようにしてもよく、あるいは供給開始命令の実行後と供給停止命令の実行直前の2回だけ『吐出幅検出処理』を実行するようにしてもよい。
【0040】
トリガ信号を与えられた異常状態検出部35は、まず、CCDカメラ25を制御して、撮影視野30の撮影を行う(ステップT1)。次に、撮影視野30の静止画像を2値化処理し(ステップT2)、その中の判断領域30Aに設定されている幅計測ライン30Wの画素値に基づいて現在吐出されているフォトレジスト液の吐出幅Dを測定する(ステップT3)。例えば、この実施例装置では、ストロボ27の関係上、幅計測ライン30Wの画素値を一端側から調べ、白画素から黒画素に変わる位置と、黒画素から白画素に変わる位置を特定すれば、吐出幅Dを測定することができる。
【0041】
次に、予め測定して記憶しておいた基準幅Drefと測定した吐出幅Dとを比較する(ステップT4)。その結果、吐出幅Dが基準幅Drefよりも小さいならば異常であると判断して表示部33に警報を出力し(ステップT5)、それ以外であれば正常であると判断して吐出幅検出処理を終了する。異常が発生してステップT5で警報を出力した後、ステップT6では装置を停止して処理を停止するようになっている。そして、処理していた基板Wを取り出してフォトレジスト液を剥離し、装置の点検整備を行った後、再び処理を行えばよい。なお、処理を停止することなく警報を出力してオペレータに対して現在の処理に異常が生じたことを報知するだけとしてもよく、あるいは報知することなく処理を停止するようにしてもよい。
【0042】
フォトレジスト液の吐出幅に異常がなく、供給停止命令がTE 時点で実行された場合には、ベローズポンプ14の動作を停止してフォトレジスト液の吐出を停止し、さらにサックバックバルブ13を作動させてフォトレジスト液を僅かに引き戻す。その後、t4 時点でノズル退避命令が実行されて処理液供給ノズル5が退避位置に移動され、t5 時点で回転上昇命令が実行されて基板Wの回転数がR1より高速のR2に上昇されて余剰分のフォトレジスト液が振り切られ、t6 時点で回転停止命令が実行されてt7 時点で塗布処理が完了する。
【0043】
上述したようにフォトレジスト液の供給開始命令の実行前に「ぼた落ち」が生じた場合には、予め決められた動作として警報出力、処理停止を行うようにしているので、余分なフォトレジスト液が滴下されて塗布被膜にムラを生じるような不適切な処理が施されるのを防止できる。
【0044】
また、フォトレジスト液の吐出幅Dが正常状態よりも細くなる異常状態が生じた場合には、予め決められた動作として警報出力、処理停止を行うようにしているので、図示しないフィルタの目詰まりやベローズポンプ14の故障、あるいは供給配管12が外れることなどに起因して所要量よりも少ない量しか フォトレジスト液が供給されないという不適切な処理が継続的に基板に施されてゆく事態を回避することができる。
【0045】
なお、t1 〜TS 時点の間だけでなく、処理液供給ノズル5が供給位置にある間、すなわちt1 〜t4 時点の間『ぼた落ち検出処理』を実行するようにしてもよい。
【0046】
ところで、上記の説明ではフォトレジスト液を供給する場合を例に採ったが、高粘度の処理液、例えば、ポリイミド樹脂などの場合には、供給停止命令の実行時に次のような現象が起きやすい。つまり、図7に示すように、ポリイミド樹脂Rが供給停止命令と同時に完全に停止するのではなく、徐々に吐出量が少なくなって暫くの間糸を引くように吐出が継続する糸引き現象が生じる。この状態で処理液供給ノズル5を供給位置から退避位置に移動すると、基板W上にムラができるとともに、飛散防止カップ4aが汚染されることになる。
【0047】
そこで、図8に示すように供給停止命令の実行時点TE の一定時間後から、『糸引き現象検出処理』を実行し、異常状態である糸引き現象が検出されている間は表示部33にそのことを表示しつつ処理液供給ノズル5を供給位置に保持し、糸引き現象が検出されなくなってからノズル退避命令を実行して処理液供給ノズル5を退避位置に移動する。つまり、糸引き現象が生じなくなるまでノズル退避命令を実行しないようにする。この場合には、図7に示すように幅計測ライン30Wの画素値に基づいて糸引き現象を判断すればよい。
【0048】
図9のフローチャートを参照して具体的に説明する。
まず、撮影視野30を撮影し(ステップU1)、次に撮影視野30を2値化処理する(ステップU2)。次に、撮影視野30内の判断領域30Wに設定されている幅計測ライン30W上に黒画素があるか否かを判断し(ステップU3)、ある場合には異常状態であると判断して表示部33に糸引き現象が生じていることを表示し(ステップU4)、さらに処理液供給ノズル5を供給位置に保持する(ステップU5)。
【0049】
その一方、ステップU3において幅計測ライン30W上に黒画素がないと判断された場合には、正常状態であると判断して制御部20がノズル退避命令を実行する(ステップU6)。
【0050】
上記のように糸引き現象を検出して処理を分岐することにより、基板W上にムラができる不具合や、飛散防止カップ4aに処理液が付着して汚染する不具合を回避することができる。
【0051】
<参考例>
図10は、本発明に係る基板処理装置の一参考例である基板洗浄装置の概略構成を示すブロック図である。なお、上記実施例装置と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明については省略する。
【0052】
基板Wは、吸引式スピンチャック1によって吸着保持され、電動モータ3によって回転中心P2周りに水平姿勢で回転されるようになっており、純水などの処理液が飛散することを防止するための飛散防止カップ4aで囲われている。飛散防止カップ4aの開口部周辺には、それぞれの吐出孔5aが回転中心P2に向けられた2本の処理液供給ノズル5が配備されている。処理液供給ノズル5には、供給配管12を介して処理液供給源から処理液が供給されるようになっているとともに、供給配管12には処理液の流通を制御する開閉弁の機能と、処理液の流量を調整する機能を兼ね備えた流量調整弁40が配設されている。この流量調整弁40の開閉と流量調整は、制御部20によって行われるようになっている。
【0053】
飛散防止カップ4aの側方には、洗浄機構50が配備されている。この洗浄機構50は、揺動軸芯P3周りに揺動可能に構成され、かつ、昇降可能に構成されている。また、アーム51の先端側下端には洗浄ブラシ53が自転自在に取り付けられている。この洗浄機構50は、処理液供給ノズル5から処理液が供給されている基板W面に対して、自転している洗浄ブラシ53を作用させつつ、アーム51を揺動駆動して基板Wの全面に対してブラシ洗浄を行うものである。
【0054】
CCDカメラ25は、その撮影視野が処理液供給ノズル5の先端から基板面との間にあたる処理液の供給経路に位置するように取り付けられている。図11に示すように、この撮影視野のうち、回転中心P2を含む処理液供給ノズル5側に矩形状の判断領域30Bが設定されている。さらに判断領域30Bの中に、水平な処理液検出ライン30Dが設定されているとともに、処理液検出ライン30D上に、適切範囲ARが設定されている。これらの判断領域30Bと適切範囲ARは、予め基板の処理前に設定されて異常状態検出部35に記憶されている。適切範囲ARは、処理液供給ノズル5から吐出された処理液Sが回転中心P2付近に供給される場合に取り得る供給経路の範囲を示している。したがって、処理液Sが適切範囲AR内にあれば、処理液Sが回転中心P2付近に供給されることになり、遠心力によって基板Wの周縁部に拡がってゆく処理液Sを基板Wの中心から全面にわたって行き渡らせることができる。一方、適切範囲ARから逸脱している場合には、中心付近に処理液Sが供給されないことになるので、洗浄処理が適切に行われないことになる。
【0055】
次に、図12のフローチャートを参照して上記のように構成されている基板洗浄装置の洗浄動作について説明する。
【0056】
基板Wが吸引式スピンチャック1に吸着保持され、洗浄機構50の洗浄ブラシ53が飛散防止カップ4aの側方に位置している状態において、制御部20は電動モータ3を一定速度で回転させる。次いで、流量調整弁40を開放するが、このときの流量は、前回処理時に調整して設定した流量になっている。したがって、処理液供給源の圧力が一定であれば問題ないが、通常、他の装置においても使用されている関係上、時間的に圧力が変動することが多い。したがって、前回処理時の流量に設定しても基板Wの回転中心P2付近に処理液が供給されるとは限らない。
【0057】
そこで、洗浄処理を行う前に、図12に示すような処理液の『供給位置の調整処理』を実施する。
【0058】
まず、CCDカメラ25によって撮影視野の撮影を行い(ステップV1)、その画像を2値化処理する(ステップV2)。そして、判断領域30Bに設定されている処理液検出ライン30D内にある黒画素の位置が、適切範囲AR内にあるか否かを判断する(ステップV3)。
【0059】
その結果、黒画素、つまり処理液が適切範囲AR内にある場合には、『供給位置の調整処理』を終了する。
【0060】
一方、処理液が適切範囲AR内に存在しない場合には、供給位置がずれていることを示す警報を表示部33に表示し(ステップV4)、流量を調節する(ステップV5)。図11を参照しつつ具体的に説明すると、例えば、適切範囲ARよりも回転中心P2側に洗浄液Sが位置している場合には流量を小さくすればよく、適切範囲ARよりも処理液供給ノズル5側に洗浄液Sが位置している場合には流量を大きくすればよい。そして、再びステップV1から実行し、ステップV3においてYesと判断されるまで繰り返し実行する。
【0061】
ステップV3においてYesと判断された場合には、洗浄処理を実施する。つまり、洗浄機構50を制御して洗浄ブラシ53を基板W上に移動し、アーム51を揺動駆動する。これにより基板Wの中心から周縁部までを処理液で完全に覆った状態で洗浄ブラシ53による洗浄を行うことができる。
【0062】
なお、上記の参考例では、処理液の供給量を変えて供給位置を調整しているが、処理液供給ノズル5が基板の上方に位置して処理液を供給する垂直流下式ノズルの場合には、ノズルの位置を直接的に調節して処理液の供給位置を調整すればよい。
【0063】
なお、上述した各装置においては、撮影視野の画像を2値化処理するようにしているが、多値化処理するようにしてもよい。
【0064】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、処理液の供給状態が異常状態であるか否かを処理液供給ノズルと基板面との間の処理液の供給経路を直接的に撮影して行うようにし、配管はずれや漏れなどに起因する異常状態を確実に検出して予め決められた動作を行うようにしているので、異常状態が継続することを回避できる。したがって、基板に対して不適切な処理が継続的に施されることを防止することができる。特に、不意に処理液が落下したことを異常状態として検出すれば、ぼた落ちに起因する処理ムラが継続することを回避できる。
【0065】
(削除)
【0066】
(削除)
【0067】
(削除)
【0068】
(削除)
【0069】
(削除)
【0070】
(削除)
【0071】
また、請求項2に記載の発明によれば、吐出を停止させる命令を実行しても依然として処理液が吐出されている糸引き現象を異常状態として検出すれば、糸引き現象に起因する処理ムラや装置の汚染が継続することを防止できる。
【0072】
また、請求項3に記載の発明によれば、糸引き現象が生じている異常状態を検出している間は、処理液供給ノズルを退避位置に移動することなく供給位置に保持し続けるので、糸引き現象に起因する処理ムラを未然に防止することができる。また、糸引き現象が生じたままノズルを退避位置に移動することによる装置の汚染を防止することができる。
【0073】
また、請求項4に記載の発明によれば、異常状態が生じたことを報知手段で報知することにより、装置のオペレータは不適切な処理が施されたことを知ることができるので、装置を停止するなどの対策を講じて適切な処理を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例に係る基板塗布装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】 撮影視野の一例を示す図である。
【図3】 判断領域および幅計測ラインの一例を示す図である。
【図4】 塗布処理を示すタイムチャートである。
【図5】 ぼた落ち検出処理を示すフローチャートである。
【図6】 吐出幅検出処理を示すフローチャートである。
【図7】 糸引き現象が生じている場合の判断領域を示す図である。
【図8】 糸引き現象を検出するタイミングを示すタイムチャートである。
【図9】 糸引き現象検出処理を示すフローチャートである。
【図10】 参考例に係る基板洗浄装置の概略構成を示すブロック図である。
【図11】 判断領域および処理液検出ラインの一例を示す図である。
【図12】 供給位置の調整処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
W … 基板
1 … 吸引式スピンチャック
3 … 電動モータ
4a … 飛散防止カップ
5 … 処理液供給ノズル
5a … 吐出孔
12 … 供給配管
13 … サックバックバルブ
14 … ベローズポンプ
20 … 制御部(制御手段)
25 … CCDカメラ(撮影手段)
27 … ストロボ
30 … 撮影視野
30A … 判断領域
30W … 幅計測ライン域
35 … 異常状態検出部
Claims (4)
- 基板に処理液供給ノズルから処理液を供給して処理を施す基板処理装置において、
前記処理液供給ノズルと前記基板面との間にあたる処理液の供給経路を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段によって撮影された処理液の供給状態が、前記処理液供給ノズルから処理液が不意に落下する異常状態である場合に予め決められた動作を行う制御手段と、
を備えていることを特徴とする基板処理装置。 - 基板に処理液供給ノズルから処理液を供給して処理を施す基板処理装置において、
前記処理液供給ノズルと前記基板面との間にあたる処理液の供給経路を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段によって撮影された処理液の供給状態が、処理液の吐出を停止させる命令を実行しても依然として前記処理液供給ノズルから処理液が吐出されている異常状態である場合に予め決められた動作を行う制御手段と、
を備えていることを特徴とする基板処理装置。 - 請求項2に記載の基板処理装置において、
前記制御手段は、異常状態となった場合にのみ前記処理液供給ノズルを基板上の供給位置に保持し続け、正常状態となった場合に前記処理液供給ノズルを基板側方の退避位置に移動するようにしたことを特徴とする基板処理装置。 - 請求項1から3のいずれかに記載の基板処理装置において、
異常状態が生じた場合にそのことを報知する報知手段をさらに備えていることを特徴とする基板処理装置。
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