JPH10135100A - 処理液供給装置 - Google Patents

処理液供給装置

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Publication number
JPH10135100A
JPH10135100A JP28277396A JP28277396A JPH10135100A JP H10135100 A JPH10135100 A JP H10135100A JP 28277396 A JP28277396 A JP 28277396A JP 28277396 A JP28277396 A JP 28277396A JP H10135100 A JPH10135100 A JP H10135100A
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JP
Japan
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processing
substrate
supply
processing liquid
time
Prior art date
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Application number
JP28277396A
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English (en)
Inventor
Masakazu Sanada
雅和 真田
Yoshimitsu Fukutomi
義光 福冨
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Publication date
Application filed by Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd filed Critical Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各基板に均一な処理を施すことができるとと
もに、撮影手段の位置ずれを報知して不適切な処理が行
われたことを知ることができる。 【解決手段】 CCDカメラの撮影範囲100のうち、
フォトレジスト液が吐出したことを検出する供給検出領
域130と、CCDカメラの位置がずれたことを検出す
るずれ検出領域120を予め設定しておく。ずれ検出領
域120には、基板Wの処理中に定位置にある先端部5
bを含む。基板Wを処理する際に、予め撮影したずれ検
出領域の画像と処理の際のその画像とを比較して、不一
致であれば警報を発するとともに処理を停止する。処理
は、供給検出領域130の画像に濃淡変化があった時点
で、供給開始命令以後の命令を実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハ、フ
ォトマスク用のガラス基板、液晶表示装置用のガラス基
板、光ディスク用の基板など(以下、単に基板と称す
る)に対して、フォトレジスト液、SOG液(Spin On
Glass:シリカ系被膜形成材とも呼ばれる)、ポリイミド
樹脂などの処理液を供給する処理液供給装置に係り、特
に処理液供給手段から処理液が供給されたことを撮影手
段により検知して処理を施す技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の装置として、例えば、処
理液であるフォトレジスト液を基板表面に供給するフォ
トレジスト液供給装置が挙げられる。この装置は、複数
個の命令からなり、予め記憶された一連の処理を規定す
る処理プログラム(スピンコートプログラムとも呼ば
れ、フォトレジスト液の種類や、塗布時の回転数やその
時間などを規定している)に基づいて、例えば、制御部
が回転開始命令を実行することによって回転支持部によ
り支持されている基板を所定の回転速度で駆動し、制御
部が供給開始命令を実行することにより処理液供給ノズ
ルを介して基板表面にフォトレジスト液の供給を開始す
るようになっている。その供給開始命令の実行時点から
タイマースタート命令を実行して特定時間が経過した後
に、フォトレジスト液の供給を停止したり、基板を高速
に回転駆動することにより、基板の表面全体に所定膜厚
のフォトレジスト被膜を形成するようになっている。
【0003】なお、フォトレジスト液は、制御部が供給
開始命令を実行した際に、クリーンルーム内に設けられ
ているユーティリティの1つである加圧空気源からの加
圧空気を送り込まれることにより伸長動作されるエアシ
リンダと、このエアシリンダの動作に連動するベローズ
ポンプによりノズル先端部から基板に対して供給される
ようになっている。また、このエアシリンダには、その
加圧空気を導入/排出する際の速度を調整するための速
度調整弁が設けられている。
【0004】また、処理液供給ノズルには、上記構成の
他に、フォトレジスト液の供給を停止した際に、主とし
てノズル先端部付近の内部に残っているフォトレジスト
液が滴下される不具合(いわゆるぼた落ち)を防止する
ために、ノズル内部に残っているフォトレジスト液を吸
引して僅かに引き戻すように作用するサックバックバル
ブが配設されており、フォトレジスト液を基板に対して
供給する際には、エアシリンダを動作させるのとほぼ同
時にサックバックバルブの動作を解除するようにしてい
る。このように動作するサックバックバルブも、上記の
処理液供給ノズルと同様に、ユーティリティの1つであ
る加圧空気源からの加圧空気の導入/排出により動作さ
れるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したような装置で
は、制御部により供給開始命令が実行されても、すぐに
はフォトレジスト液の供給が開始されず遅れることにな
る。したがって、実際には、供給開始命令が制御部によ
り実行された時点から、少なくともその遅れ時間(以
下、この遅れ時間を開始遅れ時間と称する)だけは遅れ
てフォトレジスト液がノズルから供給されることにな
る。したがって、作成したスピンコートプログラムで
は、所望する処理を正確に行うことができないという問
題点がある。
【0006】そこで、このような不都合を解消するため
に、従来装置においては、スピンコートプログラムを作
成する際に、予め上記開始遅れ時間を勘案して、所望す
る時点でフォトレジスト液が実際に供給されるように、
上記開始遅れ時間だけ供給開始命令が実行される時点を
早めるようにしている(以下、これを手動による遅れ時
間補正と称する)。具体的には、例えば、回転開始命令
を実行した後、充分に基板の回転数が目的とする回転数
に到達してその回転が安定する時点(これをT S とす
る)に、フォトレジスト液をノズルから供給させたい場
合には、上記の開始遅れ時間をTDSとすると、処理プロ
グラムであるスピンコートプログラムを作成する際に、
供給開始命令が時間TS −TDSの時点で実行されるよう
に予めプログラムを作成する。
【0007】しかしながら、このような手動による遅れ
時間補正によると、次のような不都合が生じる。上述し
たように、フォトレジスト液の供給に係わるエアシリン
ダおよびサックバックバルブを作動させるのは、クリー
ンルーム内に設けられているユーティリティの1つであ
る加圧空気源である。この加圧空気源は、通常、クリー
ンルーム内の他の装置でも利用されており、それらの利
用状況によりその圧力は時間的(時間変動)にあるいは
日毎(日間変動)に微妙に変動するものである。したが
って、このように変動するユーティリティを利用してフ
ォトレジスト液の供給開始を制御しているので、その変
動に伴って上記の開始遅れ時間が大きくも小さくもな
り、その結果、上述したような手動による遅れ時間補正
では、上記の不都合を充分に解消することができない。
つまり、ある時間(ある日)には、上記の処理プログラ
ムで正確に処理を行なうことができても、他の時間帯
(他の日)には上記の処理プログラムでは正確に処理を
行なうことができないといったことが生じ、その結果、
同じ処理プログラムを用いて処理を施した異なるロット
間において、あるいは、同じロット間において、処理結
果に差異が生じることがある。すなわち、同じ処理プロ
グラムにより処理を行っても、処理を均一に施すことが
できないことがあるという問題点がある。
【0008】また、フォトレジスト液の供給に係わるエ
アシリンダおよびサックバックバルブは、各々の動作速
度を調整することができるようになっており、その速度
を調整し直した場合などには開始遅れ時間も変動するの
で、上述したような手動による遅れ時間補正では、やは
り上記の不都合を充分に解消することができない。
【0009】特に、最近の半導体製造業界においては、
プロセスの微細化技術が進むとともに、基板の大口径化
に伴って、処理に精度が求められており、スピンコート
プログラムなどの処理プログラムは非常に微妙かつ精密
なものとなってきている。したがって、従来装置で行な
われている手動による処理液の供給に係る遅れ時間補正
では、そのプログラミング作業が煩雑となるか、あるい
は全くプログラミングができないという事態になってい
る。
【0010】そこで、上述したような手動による遅れ時
間補正の不都合を解消するものとして、次のような装置
が提案されている。つまり、基板表面の回転中心付近を
含む処理液供給ノズルの先端部付近を撮影可能な位置に
CCDカメラを取り付けておく。そして、例えば、供給
開始命令が実行された時点から所定の周期でその範囲を
撮影して各画像の濃淡変化に基づいてフォトレジスト液
が実際に供給されたか否かを判断し、供給されたと判断
された時点からそれ以降の命令(タイマースタート命
令)を実行するようにしたものがある。具体的には、供
給開始命令が実行された時点から実際にフォトレジスト
液が基板に対して供給された時点、例えば、処理液供給
ノズルの先端部からフォトレジスト液が吐出された時
点、または、処理液供給ノズルの先端部から吐出された
フォトレジスト液が基板の表面に到達した時点を画像の
濃淡変化に基づき検出し、この時点からタイマースター
ト命令を実行する。これにより供給開始命令より後の命
令の実行時点を、上記開始遅れ時間の大きさや変動に係
わらず、実際にフォトレジスト液が吐出された時点また
は実際にフォトレジスト液が基板に到達した時点に依存
させることができる。したがって、フォトレジスト液の
供給時間を一定化することができ、各ロット間や各ロッ
ト内における処理を全て均一に施すことができる。
【0011】しかしながらその一方で、回転支持部の回
転駆動による振動や、オペレータが装置内を洗浄する際
などにCCDカメラに触れたりすること等が原因となっ
て、その取り付け位置がずれる場合がある。このように
CCDカメラの取り付け位置がずれると、処理液供給ノ
ズルの先端部付近に設定されていた撮影範囲がずれるの
で、供給開始命令が実行されてからフォトレジスト液が
実際に供給された時点(吐出や到達した時点)を正確に
検出することができない。したがって、上記のような構
成の装置であっても各基板に処理を均一に施すことがで
きなくなる恐れがある。
【0012】しかも、CCDカメラにより撮影された画
像の濃淡変化に基づき実際の供給時点を検出している関
係上、その取り付け位置がずれたとしても基板の表面を
撮影できる程度のずれである場合には、基板の回転中心
付近に供給されてその周縁部に向かって拡がってゆくフ
ォトレジスト液により画像に濃淡変化が生じるので、そ
の時点が実際の供給時点として誤認されることになる。
この場合、フォトレジスト液の供給時間が意図した時間
より長くなって不適切な処理が施されてしまうという問
題がある。このようにCCDカメラの位置ずれに起因し
て不適切な処理が行われているにも係わらず、そのこと
をオペレータは知ることができないので、その時点で処
理を停止したり、処理単位である1ロット分の基板に対
する処理を終えた時点で再処理を行うといった対策を行
うことができない。
【0013】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、撮影手段を用いて処理液が実際に供給
されたことを検知し、これに基づき供給開始命令以降の
各命令を実行することにより各基板に均一な処理を施す
ことができるとともに、処理中に定位置にある部材を撮
影しておくことにより、撮影手段の位置ずれを報知して
不適切な処理が行われたことを知ることができる処理液
供給装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、請求項1に記載の処理液供給装置は、基板に対して
処理液を供給して処理を施す処理液供給装置において、
基板を回転可能に支持する回転支持手段と、前記回転支
持手段に支持された基板の上方にあたる供給位置と前記
回転支持手段に支持された基板の側方に離れた待機位置
とにわたって移動可能に構成され、前記供給位置で前記
基板に対して処理液を供給する処理液供給手段と、前記
処理液供給手段から処理液が供給されたことを検知可能
な範囲であって、かつ、基板を処理する際に定位置にあ
る定位置部材を含む範囲を撮影する撮影手段と、前記処
理液供給手段から処理液が供給された状態を正常に撮影
可能な位置に前記撮影手段が取り付けられている状態
で、基板の処理に先立って前記撮影手段が撮影した範囲
の画像を表示する表示手段と、前記表示手段に表示され
た画像のうち、前記定位置部材を含む領域をずれ検出領
域として予め設定する設定手段と、前記ずれ検出領域と
して設定された領域を基準位置画像情報として予め記憶
する基準画像記憶手段と、基板の処理時に前記撮影手段
によって撮影された範囲のうち前記ずれ検出領域に対応
する領域を処理時画像情報とし、この処理時画像情報と
前記基準位置画像情報とを比較して、前記撮影手段の取
り付け位置がずれていることを判別する判別手段と、前
記判別手段により前記撮影手段の取り付け位置がずれて
いると判断された場合にそのことを報知するための報知
手段と、供給開始命令を含む複数個の命令からなり、予
め記憶されている一連の処理を規定する処理プログラム
に基づいて、前記回転支持手段に支持されている基板を
回転させつつ供給開始命令を実行することにより前記処
理液供給手段から前記基板に対して処理液を供給開始す
るとともに、前記撮影手段により所定の周期で撮影され
た範囲の画像情報の濃淡変化に基づき前記供給開始命令
以後の命令を実行する制御手段と、を備えていることを
特徴とするものである。
【0015】また、請求項2に記載の処理液供給装置
は、請求項1に記載の処理液供給装置において、前記定
位置部材を、前記処理液供給手段の先端部としたことを
特徴とするものである。
【0016】
【作用】請求項1に記載の発明の作用は次のとおりであ
る。基板の処理に先立ち、処理液供給手段から処理液が
供給されたことを正常に撮影可能な位置に撮影手段が取
り付けられている状態で、撮影手段による撮影を行う。
このとき撮影された画像は表示手段に表示され、基板の
処理中に定位置にある定位置部材、例えば、供給位置に
ある処理液供給手段の先端部や、基板を支持する前の回
転支持手段の上部などを含む領域を、オペレータが設定
手段を介して『ずれ検出領域』として予め設定してお
く。この『ずれ検出領域』は、基準位置画像情報として
基準画像記憶手段に予め記憶される。
【0017】基板の処理時には、撮影手段により所定の
周期で定位置部材を含む範囲が撮影される。その範囲の
うち予め設定されている『ずれ検出領域』に対応する領
域である処理時画像情報と、予め撮影されて基準画像記
憶手段に記憶されている基準位置画像情報とを判別手段
が比較する。これらの基準位置画像情報と処理時画像情
報には定位置部材が含まれているので、これらを比較す
ることにより撮影手段が、処理液供給手段から処理液が
供給された状態を正常に撮影可能な位置にあるか否かを
判断することができる。位置ずれを生じていると判別手
段により判断された場合には、報知手段によってそのこ
とが報知される。したがって、オペレータは報知された
時点で処理中であった基板に不適切な処理が施されたこ
とを知ることができる。
【0018】基板を処理する際には、制御手段が回転支
持手段に支持されている基板を回転させながら供給開始
命令を実行する。するとこの時点で処理液供給手段から
処理液が基板に対して供給されようとする。しかし実際
には、供給開始命令の実行時点からある程度の開始遅れ
時間(時間変動および日間変動を生じる)の経過後に処
理液が基板に供給される。ここでいう供給とは、例え
ば、処理液供給手段から処理液が吐出されたり、処理液
供給手段から吐出された処理液が基板面に到達すること
である。撮影手段は処理液供給手段から処理液が供給さ
れたことを検知可能な範囲を撮影可能になっているの
で、所定の周期で撮影されたその範囲の画像情報の濃淡
変化に基づいて処理液が実際に供給されたことを検知可
能である。制御手段は、その画像情報の濃淡変化に基づ
き処理液供給手段から処理液が実際に供給されたことを
検知し、これ以降に供給開始命令より後の命令の実行を
行うので、供給開始命令より後の命令への移行を処理液
が実際に供給された時点に依存させることができる。し
たがって、開始遅れ時間およびその変動分を吸収するこ
とができる。
【0019】また、請求項2に記載の発明によれば、基
板に処理液を供給する際に待機位置から供給位置という
定位置に移動する処理液供給手段の先端部を定位置部材
とすると、基準位置画像情報と処理時画像情報とを比較
することによってその先端部が供給位置に正確に移動し
なかった場合も報知手段により報知される。したがっ
て、処理液供給手段の先端部が供給位置よりずれた位置
から基板に処理液が供給されたことを知ることができ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施例を説明する。図1は、本発明に係る処理液供給装
置の一例である回転式基板塗布装置(スピンコータとも
呼ばれる)を示すブロック図である。
【0021】図中、符号1は、吸引式スピンチャックで
あり、基板Wをほぼ水平姿勢で吸着保持するものであ
る。この吸引式スピンチャック1は、回転軸2を介して
電動モータ3によって回転駆動され、この回転により吸
引式スピンチャック1に吸着保持された基板Wは、ほぼ
水平姿勢で回転中心P周りに回転される。なお、電動モ
ータ3の回転駆動は、後述する制御部20により行われ
る。上記の吸引式スピンチャック1と、回転軸2と、電
動モータ3は、本発明における回転支持手段に相当す
る。
【0022】吸引式スピンチャック1の周囲には、処理
液の一例であるフォトレジスト液や基板Wの裏面を洗浄
する洗浄液などの飛散を防止するための飛散防止カップ
4aが配設されている。また、この飛散防止カップ4a
の上部開口には、ダウンフローを取り込むための複数個
の開口を上部に形成された上部蓋部材4bが、この装置
のフレームに固定されて位置固定の状態で配設されてい
る。また、図示しない搬送機構が未処理の基板Wを吸引
式スピンチャック1に載置、または、吸引式スピンチャ
ック1から処理済みの基板Wを受け取る際には、図示し
ない昇降機構が飛散防止カップ4aのみを下降させるこ
とによって、飛散防止カップ4aと上部蓋部材4bとを
分離し、吸引式スピンチャック1を飛散防止カップ4a
の上部開口から上方に突出させる。なお、飛散防止カッ
プ4aを位置固定とし、図示しない昇降機構により、上
部蓋部材4bと回転軸2とを飛散防止カップ4aに対し
て上昇させるような構成としてもよい。
【0023】飛散防止カップ4aの外方には、基板Wに
対してフォトレジスト液を供給するための処理液供給ノ
ズル5が配備されている。この処理液供給ノズル5は、
図1および図2に点線で示すように飛散防止カップ4a
の側方にあたる待機位置と、基板Wの上方にあたる上方
待機位置(二点鎖線)と、基板Wの回転中心Pに近接し
た上方にあたる供給位置(実線)とにわたってノズル移
動機構10により移動可能に構成されている。その下方
に向けられた吐出孔5aは、基板Wの表面から例えば、
4mm程度だけ上方に位置するようになっている。この
距離は、フォトレジスト液の粘度や基板Wのサイズ、そ
の表面状態により基板Wの表面に滴下されたフォトレジ
スト液がその表面全体にわたって拡げられる際にムラが
発生しないような距離に設定されていることが好まし
い。上記の供給位置における吐出孔5aの水平方向の位
置は、回転中心Pに一致するように調整されている。こ
れは、回転中心Pから水平方向にずれた位置でフォトレ
ジスト液を供給すると、その位置ずれに起因してフォト
レジスト液の塗布ムラが生じるためである。したがっ
て、処理液供給ノズル5の吐出孔5aが水平方向で回転
中心Pに一致するようにノズル移動機構10により精密
に制御することが好ましい。なお、処理液供給ノズル5
は、本発明における処理液供給手段に相当するものであ
る。
【0024】また、飛散防止カップ4a内であって、基
板Wの下方の回転中心P側には、フォトレジスト液が飛
散して霧状のミストとなって基板W裏面に付着したり、
基板Wの表面周縁部から裏面に回り込んだ不要なフォト
レジスト液を除去するために、洗浄液を裏面に向けて噴
出させるバックリンスノズル11が設けられている。こ
のバックリンスノズル11からの洗浄液の供給は、後述
する制御部20により制御されるようになっている。
【0025】処理液供給ノズル5には供給管12が接続
されており、この供給管12と、サックバックバルブ1
3と、ベローズポンプ14と、逆止弁15とを介してフ
ォトレジスト液を貯留している処理液タンク16に連通
接続されている。サックバックバルブ13は、クリーン
ルーム内に導入されているユーティリティの1つである
加圧空気源により加圧空気を送り込まれることにより動
作され、この動作により処理液供給ノズル5の先端内部
に貯留しているフォトレジスト液を僅かに引き戻して、
いわゆる「ぼた落ち」を防止したり、吐出孔5aから露
出しているフォトレジスト液の固化を防止するものであ
る。サックバックバルブ13は、送り込まれた加圧空気
を排出されることにより非動作、つまり、処理液供給ノ
ズル5内のフォトレジスト液の引き戻しを解除する。こ
のサックバックバルブ13の動作/非動作は、制御部2
0からの電気信号により行われるようになっている。な
お、サックバックバルブ13の動作/非動作は、その引
き戻し圧力などが調整可能になっている。したがって、
その調整度合いや圧縮空気源の圧力により、電気信号を
入力されてからフォトレジスト液の引き戻し動作や解除
動作となるまでの動作速度が変動するものである。
【0026】ベローズポンプ14は、複動式エアシリン
ダ17に連動して動作し、処理液タンク16内のフォト
レジスト液を供給管12に送り込む。この送り込み動作
により生じるフォトレジスト液の処理液タンク16内へ
の逆流を防止するのが、逆止弁15である。複動式エア
シリンダ17は、速度制御弁18を介して加圧空気源に
よって動作するものであり、ピストン17aにより仕切
られた2つの空間に速度制御弁18a,18bを介して
それぞれ加圧空気が送り込まれたり排出されたりするこ
とによって動作する。速度制御弁18は、手動による調
整によって、加圧空気源からの加圧空気導入速度や複動
式エアシリンダ17からの加圧空気排出速度が調整され
るようになっており、この調整度合いや加圧空気源の圧
力により、複動式エアシリンダ17の動作速度が調整さ
れ、その結果、ベローズポンプ14の動作、すなわち、
処理液供給ノズル5からフォトレジスト液が供給/停止
されるまでの速度が調整される。
【0027】速度制御弁18は、制御部20からの電気
信号により加圧空気源からの加圧空気を複動式エアシリ
ンダ17に送り込む動作状態とされ、同様に複動式エア
シリンダ17から加圧空気を排出する非動作状態とされ
る。制御部20は、図示しないクロックやタイマ、RA
Mを内蔵しており、RAMには予め作成された処理プロ
グラムなどが記憶されており、この処理プログラムはク
ロックやタイマを基準にして実行されるようになってい
る。但し、詳細は後述するが、処理プログラムに含まれ
ている、フォトレジスト液の供給を開始させる供給開始
命令が実行された以降は、後述する供給検出/位置ずれ
検出部70からの『供給検出信号』が入力されてから次
の命令の実行を行うようになっている。なお、制御部2
0は、本発明における制御手段に相当する。
【0028】上部蓋部材4bの上部内周面には、その左
側にCCDカメラ30が、その右側にはストロボ40が
配設されている。CCDカメラ30は、固体撮像素子で
あるCCDと、電子シャッターと、レンズとから構成さ
れており、その撮影範囲を後述するように基板Wの回転
中心付近に設定されている。なお、図1では、処理液供
給ノズル5の水平方向に伸びた部分によって、基板Wの
回転中心付近が遮られているように見えるが、CCDカ
メラ30と処理液供給ノズル5とは平面視で横方向にず
らした状態で配設されているので、回転中心付近を撮影
できるようになっている。また、ストロボ40は、フォ
トレジスト液が感光しないように装置自体が暗室内に設
置されているので、基板Wを撮影する際の照明として用
いるためのものである。ストロボ40は、例えば、キセ
ノンランプと、500nm以上の波長を透過するバンド
パスフィルタBPFとを組み合わせて構成されている。
これらのCCDカメラ30およびストロボ40は、後述
する供給検出/位置ずれ検出部70に接続されている。
また、ストロボ40としては、キセノンランプに代え
て、赤外光付近に分光感度を有する高輝度赤外発光ダイ
オードまたは赤外発光ダイオードアレイを採用してもよ
い。この場合には、バンドパスフィルタBPFは不要と
なる。また、ストロボ40としては、供給するフォトレ
ジスト液の分光感度に応じて適宜に選択すればよい。
【0029】図3を参照して供給検出/位置ずれ検出部
70について説明する。ストロボ40は、ストロボ電源
71から所要の電力を供給されて連続的に点灯されてい
る。CCDカメラ30は、その動作制御、例えば、撮影
タイミングを決定する電子シャッターの動作制御がカメ
ラ制御部72によって制御される。詳細は後述するがカ
メラ制御部72への撮影開始指示は、基板の処理前に予
め制御部20からI/O制御部73へ『基準位置画像撮
影信号』が出力された場合と、基板の処理中に制御部2
0により『位置ずれ確認命令』が実行された場合と、制
御部20からI/O制御部73へ『トリガ信号』が出力
されることによって行われる。なお、上記ストロボ電源
71は、連続点灯でなく、後述するCCDカメラ30に
よる基板表面の撮影時を含む適宜の範囲においてのみス
トロボ40に電源を間欠的に供給するようにしてもよ
い。
【0030】まず、基板の処理前に予め『基準位置画像
撮影信号』がI/O制御部73へ入力された場合の動作
について簡単に説明する。CCDカメラ30は、その取
り付け位置によって種々の撮影範囲に調整可能である
が、上述したようにその撮影範囲が基板Wの回転中心付
近に設定されている。このような撮影範囲に設定してお
くことにより、処理液供給ノズル5の吐出孔5aからフ
ォトレジスト液が供給されたことを正常に検出可能であ
る。さらに、上記の撮影範囲は、基板Wの処理中におい
て定位置にある部材(以下、定位置部材と称する)を含
むように設定されている。この例では、後述するように
処理中に供給位置に移動する処理液供給ノズル5の先端
部付近を定位置部材としている。『基準位置画像撮影信
号』がI/O制御部73へ入力されると、CCDカメラ
30により上記の撮影範囲が撮影され、その画像信号が
I/O制御部73を介して表示手段に相当するモニタ7
6に出力される。この画像を見ながらオペレータが設定
部77(本発明の設定手段に相当し、マウスやキーボー
ドにより構成されている)を用いて『ずれ検出領域』お
よび『供給検出領域』を設定する。設定された各領域
は、ずれ検出領域記憶部78aおよび供給検出領域記憶
部78bに格納される。なお、上記の『基準位置画像撮
影信号』がI/O制御部73へ入力されるのは、オペレ
ータが設定部77を操作したときである。
【0031】上記のようにして撮影された撮影範囲のう
ち『ずれ検出領域』に対応する画像は、画像処理部74
によって2値化処理され、CCDカメラ30の取り付け
位置がずれたことを検出するための基準として利用され
る『基準位置画像情報』として位置ずれ検出用画像記憶
部75aに格納される。
【0032】『位置ずれ確認命令』が実行された場合に
は、この時点で撮影された画像のうち『ずれ検出領域』
に対応する画像は『処理時画像情報』とされ、位置ずれ
検出用画像記憶部75aに格納されている『基準位置画
像情報』と画像処理部74によって比較される。これら
が一致していない場合は、CCDカメラ30の取り付け
位置がずれていることを示すので、モニタ76に『位置
ずれ発生』を表示して警報を発するとともに、装置の処
理を停止するようになっている。なお、画像処理部74
は本発明における判別手段に相当し、位置ずれ検出用画
像記憶部75aは基準画像記憶手段に相当し、モニタ7
6は報知手段に相当する。また、モニタ76に上記の文
字列を表示するだけでなく点滅させたり、報知手段とし
てスピーカや回転灯などを付加して警告音や点滅により
オペレータに報知するようにしてもよい。
【0033】また、上述したトリガ信号は、濃淡変化を
判断する基準となる基準静止画像を撮影するための基準
トリガ信号と、所定の周期で順次撮影を行うための通常
トリガ信号とがある。基準トリガ信号が入力された場合
には、その時点でCCDカメラ30を介して基板表面の
撮影を行うが、通常トリガ信号が入力された場合には、
その時点から所定の周期で順次にCCDカメラ30を介
して撮影を行う。CCDカメラ30を介して撮影され
た、基準トリガ信号に基づく基板表面の画像信号は、カ
メラ制御部72およびI/O制御部73を介して画像処
理部74に伝送される。画像処理部74は、供給検出領
域記憶部78bを参照し、この『供給検出領域』に対応
する部分のみを2値化処理して静止画像(基準静止画
像)として供給検出用画像記憶部75bに格納する。ま
た、通常トリガ信号に基づき順次に得られた基板表面の
画像信号は、同様にして画像処理部74に伝送される。
この場合も『供給検出領域』に対応する部分のみを2値
化処理して静止画像として供給検出用画像記憶部75b
に格納する。制御部20は、これらの基準静止画像と静
止画像とを比較してフォトレジスト液が供給されたこと
を判断する。
【0034】次に、図4のフローチャートを参照して、
基板Wの処理に先立って『基準位置画像撮影信号』が出
力された場合の動作について説明する。なお、このとき
図2中に実線で示すように、ノズル移動機構10により
処理液供給ノズル5が既に供給位置に移動され、さらに
吸引式スピンチャック1にはダミー基板Wが吸着支持さ
れているものとする。
【0035】ステップS1(撮影) CCDカメラ30による撮影を行いながら、その画像信
号を直接的にモニタ76に出力する。オペレータは、C
CDカメラ30の取り付け位置を微調整して図5に示す
ような範囲100がモニタ76に出力された時点でCC
Dカメラ30の取り付け位置を固定する。次いでこの状
態で、設定部77を介して撮影の指示を行う。この指示
によって『基準位置画像撮影信号』が制御部20からI
/O制御部73に出力される。この信号によりI/O制
御部73は、カメラ制御部72を介してCCDカメラ3
0による撮影範囲100の撮影を行う。
【0036】ステップS2(撮影画像の表示) 撮影範囲100の画像信号は、I/O制御部73を介し
てモニタ76に撮影画像として出力される。オペレータ
は、この撮影画像(撮影範囲100)を見て適切か否か
を判断することができる。もし仮に不適切である場合に
は、ステップS1からやり直せばよい。例えば、既に基
板Wの処理を行っている装置では、基板Wから飛散した
ミストがCCDカメラ30のレンズ面に付着している恐
れがある。この場合には、後の2値化処理の際に不都合
を生じるので、その部分を清浄にするなどの処置を施し
て上記ステップS1からやり直せばよい。
【0037】ステップS3(ずれ検出領域の設定) オペレータは、モニタ76に表示されている撮影画像を
見ながら設定部77を介して『ずれ検出領域』を設定す
る。この『ずれ検出領域』は、CCDカメラ30の取り
付け位置がずれているか否かを判断するものであり、基
板Wの処理中に一時的であっても定位置にある定位置部
材を含むように設定すればよい。この例では、少なくと
も基板Wにフォトレジスト液を供給する時点で基板Wの
回転中心Pの直上にあたる供給位置に移動してくる処理
液供給ノズル5の、先細りの傾斜面を有する先端部5b
を定位置部材として設定している。例えば、図5中に点
線で示した領域120を『ずれ検出領域』として設定す
る。このようにして設定された『ずれ検出領域』は、ず
れ検出領域記憶部78aに格納される。
【0038】ステップS4(供給検出領域の設定) オペレータは、上記と同様にモニタ76に表示されてい
る撮影画像を見ながら設定部77を介して『供給検出領
域』を設定する。この『供給検出領域』は、処理液供給
ノズル5の吐出孔5aからフォトレジスト液が吐出した
時点、あるいは吐出孔5aから吐出したフォトレジスト
液が基板Wの表面に到達した時点を検出するための領域
である。したがって、吐出孔5a付近か基板Wの表面の
回転中心P付近を含むように設定すればよい。なお、こ
の例では、フォトレジスト液が吐出孔5aから吐出した
時点を検出するように設定する。つまり、処理液供給ノ
ズル5の吐出孔5a付近を『供給検出領域』として設定
する。一例を示せば、図5中に二点鎖線で示した領域1
30を『供給検出領域』として設定する。この設定され
た『供給検出領域』は、供給検出領域記憶部78bに格
納される。
【0039】ステップS5(基準位置画像情報の記憶) 画像処理部74は、ずれ検出領域記憶部78aに記憶さ
れている『ずれ検出領域』を参照し、モニタ76に表示
されている撮影画像(撮影範囲100)のうち『ずれ検
出領域』に対応する領域を2値化処理する。2値化処理
の手法としては、種々のものが適用可能であるが、例え
ば、ある閾値を越える画素値(白っぽい)を有する画素
を『1』とし、それ以下の画素値(黒っぽい)を有する
画素を『0』として扱う。2値化処理された撮影画像
は、『基準位置画像情報』として位置ずれ検出用画像記
憶部75aに格納される。この『基準位置画像情報』を
模式的に示すと、図6のようになる。この図中、ハッチ
ングの部分は、上記の『1』と判断された画素群であ
り、具体的には処理液供給ノズル5の先端部5bの傾斜
面に相当する。なお、2値化処理の閾値は、撮影範囲1
00のうち『ずれ検出領域』に対応する各画素の画素値
を考慮して設定することが好ましい。
【0040】次に、図7のタイムチャートを参照して、
上述したように構成された装置による基板Wへのフォト
レジスト液の塗布処理の一例について説明する。なお、
以下の説明においては、処理の対象である基板Wは、図
示しない基板搬送機構により吸引式スピンチャック1に
既に吸着保持されているものとする。なお、このタイム
チャートの原点『0』は、処理液供給ノズル5がノズル
移動機構10によって供給位置(図1および図2中に実
線で示す位置)に移動された時点である。
【0041】この処理プログラム(スピンコートプログ
ラム)による塗布処理の基本的な流れは次のとおりであ
る。まず、ノズル移動機構10によって処理液供給ノズ
ル5が供給位置に移動したことを確認した後、時間t1
においてCCDカメラ30の取り付け位置にずれが生じ
ていないかを確認するための位置ずれ確認命令が実行さ
れる。次に回転開始命令によって時間t3 において基板
Wが回転数R1(例えば、1,000rpm)に達する
ような加速度で回転駆動され、時間TS において供給開
始命令が実行されてフォトレジスト液が一定流量で供給
開始され、フォトレジスト液が処理液供給ノズル5の吐
出孔5aから吐出したことを検出した時点t4 にて、こ
の時点t4 からの経過時間を計数するタイマスタート命
令がが実行され、その時間が供給時間TSUとなった時点
(時間TE )において供給停止命令が実行されてフォト
レジスト液の供給が停止され、時間t6 において回転上
昇命令が実行されることにより、時間t8 の時点で基板
Wが回転数R2(例えば、3,000rpm)となるよ
うに加速され、時間t10において回転停止命令が実行さ
れて時間t11には塗布処理が終了するように作成されて
いる。なお、上記の処理中においては、基板Wの周縁部
からフォトレジスト液が飛散して霧状のミストとなって
基板W裏面に付着したり、基板Wの周縁部からその裏面
に回り込んで付着したフォトレジスト液を除去するため
に、図1に示したバックリンスノズル11から洗浄液を
噴出させるように命令を付加しておくことが好ましい。
【0042】まず、CCDカメラ30に位置ずれが生じ
ていない場合について説明し、次いで、それらに位置ず
れが生じた場合について説明する。
【0043】処理液供給ノズル5が供給位置に移動した
後であって基板Wを回転駆動する前の時点t1 におい
て、制御部20は『位置ずれ確認命令』を実行する。こ
の命令が実行されると、供給検出/位置ずれ確認部70
は図8のフローチャートのように動作する。
【0044】ステップS10(撮影) 制御部20からI/O制御部73に対して撮影の指示が
なされ、I/O制御部73は、カメラ制御部72を介し
てCCDカメラ30による撮影を行う。この撮影画像
は、画像処理部74に転送される。
【0045】ステップS11(ずれ検出領域を2値化処
理) 画像処理部74は、ずれ検出領域記憶部78aを参照
し、撮影画像のうちずれ検出領域120(図5,図6参
照)に対応する部分を2値化処理して『処理時画像情
報』とする。
【0046】ステップS12(比較) 既に位置ずれ検出用画像記憶部75aに格納されている
『基準位置画像情報』と『処理時画像情報』とを比較す
る。画像処理部74による比較は、例えば、『基準位置
画像情報』の『1』とされた画素数と、『処理時画像情
報』の『1』とされた画素数とによって行う。まずはこ
れらの両画像情報の画素数が一致したものとして説明す
るので、位置ずれ確認命令に基づく処理は終了する。
【0047】上記の処理プログラムは、基板Wの回転数
がR1に到達する時点t3 から、フォトレジスト液の供
給を開始する供給開始命令の実行時点TS までの間に、
I/O制御部73に対して基準静止画像を撮影するよう
に指示するための基準トリガ信号を出力する基準トリガ
信号出力命令を時間TP において実行するようにされて
おり、さらに、上述した時間TS において供給開始命令
を実行するのと同時に、I/O制御部73に対して所定
の周期で基板Wの表面の静止画像を撮影するように指示
するための通常トリガ信号を出力する通常トリガ信号出
力命令を実行するようにされている。
【0048】まず、時間TP において基準トリガ信号出
力命令が実行されると、供給検出/位置ずれ検出部70
は、図9のフローチャートに示すように動作する。
【0049】ステップS20(撮影) I/O制御部73は、カメラ制御部72を介してCCD
カメラ30により撮影範囲100を撮影する。この画像
信号は、I/O制御部73を介して画像処理部74に転
送される。
【0050】ステップS21(供給検出領域を2値化処
理) 画像処理部74に伝送された撮影範囲100の画像信号
(撮影画像)は、供給検出領域記憶部78bに記憶され
ている供給検出領域130(図5参照)に対応する部分
だけが2値化処理されて静止画像とされる。
【0051】ステップS22(基準静止画像として格
納) 2値化された静止画像は、基準静止画像として供給検出
用画像記憶部75bに格納される。この基準静止画像
は、後に撮影される静止画像と比較される基準となるも
のであるので、電動モータ3の回転制御と同期させて基
板Wが特定の回転角度となって、CCDカメラ30から
見て同一姿勢の基板を撮影することが好ましい。一般的
に、基板Wの表面には、種々のプロセスを経て微小な段
差が形成されているので、基板の回転角度によってはそ
の段差部分によりストロボ40からの照射光が乱反射し
て2値化処理の際に『1』とされる場合がある。そこ
で、後述する静止画像の撮影の際にも、上記特定の回転
角度で基板W表面を撮影することにより、基準静止画像
と同一の回転角度の静止画像とすることができるので、
誤って上記乱反射による到達検出がなされることを防止
することができる。
【0052】時間TS において供給開始命令が実行され
ると次のようにしてフォトレジスト液が基板Wに対して
供給され始める。まず、サックバックバルブ13が非動
作状態とされて処理液供給ノズル5内の吸引が解除され
るとともに、速度制御弁18の一方18aが非動作状態
とされ、他方18bが動作状態とされる。これにより複
動式エアシリンダ17が動作状態とされ、これに連動し
てベローズポンプ14が動作して、処理液タンク16内
からある一定量のフォトレジスト液が供給管12に送り
込まれる。この一連の動作により、処理液供給ノズル5
の吐出孔5aからフォトレジスト液が基板Wの表面に供
給され始め、速度制御弁18の一方18aおよび他方1
8bの状態(非動作/動作)を交互に切り換えて1回毎
行うことにより、エアシリンダ17のピストン17aが
上昇/下降してベローズポンプ14を1回毎駆動し、所
定量のフォトレジスト液が処理液供給ノズル5から基板
Wに供給される。このように供給開始命令が実行されて
から順次に各部を動作させることによって、フォトレジ
スト液が供給されるようになっているので、供給開始命
令が実行された時点TS において、吐出孔5aからフォ
トレジスト液が吐出するのではなく、実際にはある開始
遅れ時間だけ遅れて吐出することになる。この開始遅れ
時間は加圧空気源の利用状況により変動するものである
が、ここでは上記開始遅れ時間がTDS1 であるとして説
明する。
【0053】上記の供給開始命令を実行するのと同時に
制御部20は通常トリガ信号出力命令を実行する。この
命令が実行されると供給検出/位置ずれ検出部70のI
/O制御部73に対して通常トリガ信号が出力される。
通常トリガ信号を検知したI/O制御部73は、カメラ
制御部72に対して所定の周期で順次に撮影範囲100
の撮影を行うように指示する。上記所定の周期として
は、上記開始遅れ時間T DS1 よりも充分に短いことが好
ましく、例えば、開始遅れ時間TDS1 が100msec
である場合には10msec程度である。また、制御部
20は、供給開始命令(および通常トリガ信号出力命
令)を実行した後に処理プログラムの次の命令を実行す
ることを規制される実行禁止状態とされ、『供給検出信
号』が供給検出/位置ずれ検出部70から入力されるま
でその状態を保持するようになっている。
【0054】この通常トリガ信号出力命令に基づく供給
検出/位置ずれ検出部70の動作を図10のフローチャ
ートを参照して説明する。
【0055】ステップS30(撮影) I/O制御部73は、カメラ制御部72を介してCCD
カメラ30により撮影範囲100の撮影を行う。この撮
影タイミングは、上述した理由により基準静止画像の撮
影タイミングと同一であることが好ましい。
【0056】ステップS31(供給検出領域を2値化処
理) 撮影範囲100の撮影画像のうち、供給検出領域130
(図5参照)に対応する部分だけを上述したようにして
画像処理部74により2値化処理する。
【0057】ステップS32(静止画像として格納) 2値化処理された画像を静止画像として供給検出用画像
記憶部75bに格納する。したがって、この時点では、
供給検出用画像記憶部75b内に基準静止画像と静止画
像とが格納されている。なお、これ以降に順次に撮影さ
れる静止画像は供給検出用画像記憶部75bの静止画像
と置換されるので、この記憶部75bの記憶容量は少な
くとも上記2つの画像を記憶できるだけあればよい。
【0058】ステップS33(基準静止画像と静止画像
との比較処理) 画像処理部74は、供給検出用画像記憶部75bに格納
されている基準静止画像と静止画像とを比較する。具体
的には、2つの画像の濃淡の差異を比較する。これらの
2値化処理された画像同士の濃淡を比較する手法として
は種々のものがあるが、例えば、基準静止画像および静
止画像のそれぞれの『1』を計数してこれらを比較する
手法が挙げられる。これらの『1』の計数値同士の差分
がある一定値以上(例えば10%以上)になれば、濃淡
に変化が生じた、すなわち、吐出孔5aからフォトレジ
スト液が吐出したと判断する。
【0059】ステップS34(濃淡に変化?) 画像処理部74における濃淡変化の比較結果に基づいて
処理を分岐する。変化がない場合は、吐出孔5aからフ
ォトレジスト液が吐出していないことを示しているの
で、上記のステップS30に戻って再び撮影範囲100
の撮影を行う。また、変化がある場合は、フォトレジス
ト液が吐出孔5aから吐出したことを示しているので、
次のステップS35に移行する。なお、上述した撮影に
係る所定の周期とは、上記ステップS30からこのステ
ップS34の実行に係る周期に相当する。
【0060】ここでは、上記ステップS30からこのス
テップS34を繰り返し実行した結果、図7に示すよう
に供給開始命令の実行時点TS から開始遅れ時間TDS1
経過後の、時間t4 においてステップS34での判断が
濃淡変化ありとなった場合について説明する。
【0061】ステップS35(供給検出信号の出力,静
止画像をモニタに出力):画像処理部74からI/O制
御部73を介して、制御部20に『供給検出信号』を出
力するとともに、画像処理部74は供給検出用画像記憶
部75bの静止画像を取り出してI/O制御部73を介
してモニタ76に出力する。
【0062】『供給検出信号』を入力された制御部20
は、その時点t4 にタイマスタート命令を実行して内蔵
タイマのリセットとともにカウントをスタートさせ、供
給時間TSUが経過した時点TE において供給停止命令を
実行する。この場合、次のようにしてフォトレジスト液
の供給が停止される。まず、上述したような2つの速度
制御弁18a,18bの動作/非動作状態を切り換えて
交互に繰り返し行う動作を停止することにより、複動式
エアシリンダ17が非動作状態となってベローズポンプ
14によるフォトレジスト液の供給が停止されるととも
に、サックバックバルブ13を動作状態にして処理液供
給ノズル5内部のフォトレジスト液を僅かに先端部5b
から引き戻す。この動作により、処理液タンク16から
供給管12および処理液供給ノズル5を通るフォトレジ
スト液の供給は停止される。なお、上述したようにフォ
トレジスト液の供給時には、供給開始命令の実行時点T
S から開始遅れ時間TDS1 が生じるが、供給停止命令の
場合には上記2つの速度制御弁18a,18bを非動作
状態とした時点において、フォトレジスト液の基板Wへ
の供給が遮断されるので、このときの遅延は上記開始遅
れ時間TDS1 に比較して非常に短くほぼ無視することが
できる。
【0063】上述したようにしてフォトレジスト液が吐
出孔5aから吐出したことに基づいて、供給開始命令の
次の命令であるタイマスタート命令を実行することによ
り、供給開始命令以降の命令の実行タイミングをフォト
レジスト液が吐出孔5aから吐出した時点に依存させる
ことができる。したがって、供給開始命令が実行されて
から実際に吐出孔5aからフォトレジスト液が吐出する
までの開始遅れ時間T DS1 を吸収することができ、フォ
トレジスト液の供給時間TSUを一定化することができ
る。
【0064】また、『供給検出信号』を出力するととも
に、静止画像を取り出してI/O制御部73を介してモ
ニタ76に出力し、この静止画像を装置のオペレータが
確認することにより、吐出検出と判断された画像が適切
か否かを判断することができる。例えば、上部蓋部材4
bの上方内周面に配設されたCCDカメラ30のレンズ
面に付着したミストに起因して、フォトレジスト液が基
板に到達していないにも係わらず『供給検出信号』が出
力されるなどの不具合の発見を容易にすることができ
る。このような不具合を発見した場合には、オペレータ
が装置を手動で停止させることにより、順次に処理され
る基板に不適切な処理が施されるのを未然に防止するこ
とができる。
【0065】次に、上記の基板Wの処理が完了し、新た
な基板Wの処理を行う場合について説明する。なお、先
の基板Wの処理時には、供給開始命令を実行した時点T
S から時間TD1だけ遅れてフォトレジスト液が吐出孔5
aから吐出したが、新たな基板Wの処理時には、例え
ば、他の装置において加圧空気源の利用度が高まって、
その圧力が変動(低下)したことに起因して、開始遅れ
時間が上記開始遅れ時間TDS1 よりも大きくなって開始
遅れ時間TDS2 (図7を参照)となったとして説明す
る。また、以下に説明する新たな基板Wの処理時におけ
る命令の実行タイミングが先の基板処理時と異なる部分
は、図7中において括弧書き及び点線矢印で示すことに
する。
【0066】このような場合には、供給開始命令の実行
時点TS は先の基板処理時と同一であるが、開始遅れ時
間が大きくなっているので(TDS2 >TD1)、『供給検
出信号』が制御部20に入力されるタイミングも、開始
遅れ時間TDS2 だけ遅れて(t5 )の時点になる。これ
に伴ってタイマスタート命令も遅れるので、供給停止命
令の実行時点(TE )も遅れることになる。その結果、
『供給検出信号』が入力された時点(t4 )から供給停
止命令が実行される時点(TE )までの時間間隔を、先
の基板処理時と同じ供給時間(TSU)とすることができ
る。すなわち、フォトレジスト液は一定流量で処理液供
給ノズル5から基板Wに対して供給されるが、その供給
時間TSUが一定化されているので、各基板に対して供給
されるフォトレジスト液の量を同一にすることができ
る。その結果、複数枚の基板を順次に処理してゆく間
に、加圧空気源の圧力変動に起因する開始遅れ時間が変
動したとしても、その変動を吸収することができて供給
時間を一定化することができる。また、例えば、速度制
御弁18の動作速度を調整したような場合であっても、
それに起因する開始遅れ時間の変動分をも吸収すること
ができる。
【0067】また、上記のように供給停止命令の実行時
点(TE )が遅れることに伴って、それ以降に実行され
る各命令も遅れることになる。具体的には、回転上昇命
令の実行がt6 から(t7 )に遅れるとともに、回転停
止命令もt10から(t11)に遅れることになる。その結
果、フォトレジスト液の吐出が停止されて、回転が上昇
されるまでの時間を同一とすることができて、回転数R
1で供給されたフォトレジスト液を基板Wの全面に拡げ
る処理を同一時間施すことができ、さらに、回転数R2
に回転数を上昇されて停止されるまでの時間を同一とす
ることができて、基板Wの全面に拡げられたフォトレジ
スト液の余剰分を振り切る処理を同一時間施すことがで
きる。その結果、各基板に形成されるフォトレジスト皮
膜の膜厚を均一にすることができる。また、各ロット間
や各ロット内における処理を全て均一に施すことがで
き、長期間にわたって安定して処理を施すことができ
る。
【0068】次に、基板Wの回転駆動に伴う振動などに
起因して、CCDカメラ30の取り付け位置がずれた場
合に上記のような処理を行った場合について説明する。
【0069】例えば、図5(または図11中の二点鎖
線)に示した撮影範囲100が、CCDカメラ30の取
り付け位置が右方向にずれたことによって、図11に示
すような撮影範囲100aとなった場合を例に採って説
明する。この場合、当然のことながら、ずれ検出領域1
20および供給検出領域130も右方向にずれることに
なる。すると、図11に示すように、吐出孔5aからフ
ォトレジスト液が吐出された時点を検出することはでき
ず、吐出されたフォトレジスト液R(図中に点線で示
す)が回転中心Pに到達し、遠心力によって基板Wの周
縁部に向かって拡がってゆく途中を検出することにな
る。したがって、正確に吐出時点を検出することができ
なくなるので、上記の供給時間TSUが一定しないという
不都合が生じる。
【0070】このようにCCDカメラ30の取り付け位
置がずれた状態で基板Wを処理すると、まず、図7のt
1 時点で実行される位置ずれ確認命令によって供給検出
/位置ずれ検出部70が次にように動作する。上述した
ように、まず、図8のフローチャート中のステップS1
0において撮影が行われる。撮影範囲100aのうち、
ずれ検出領域に対応する部分が2値化処理されて『処理
時画像情報』として位置ずれ検出用画像記憶部75aに
格納される(ステップS11)。画像処理部74は、位
置ずれ検出用画像記憶部75aに格納されている『基準
位置画像情報』(処理前に予め格納されている)と『処
理時画像情報』とを比較して、一致するか否かを判断す
る(ステップS12)。この判断は、上述した供給検出
と同様の手法で行われる。その結果、図6の模式図に示
したようなずれ検出領域120に基づく『基準位置画像
情報』と、図12に示すずれ検出領域120に基づく
『処理時画像情報』とを比較することになって、ステッ
プS12においてステップS13に処理が分岐する。
【0071】ステップS13(警報表示) 画像処理部74の比較結果によってI/O制御部73
は、例えば、『位置ずれ発生』の文字列を警報としてモ
ニタ76に表示する。この警報によりオペレータは、現
在処理中の基板Wに対して不適切な処理が施されたこと
を知ることができる。
【0072】ステップS14(処理停止) ステップS13において警報表示が実行されるのとほぼ
同時に、制御部20は、装置の動作を停止させる。この
ようにCCDカメラ30の取り付け位置がずれているこ
とを検出して処理を停止するので、供給時間TSUが一定
しないことに起因する不都合を防止できる。その結果、
基板Wに対して不適切な処理が継続的に施されることを
防止することができる。そして、装置が停止した後にC
CDカメラ30の取り付け位置を調整して、上述した基
準位置画像撮影(図4)あるいは上述した塗布処理(図
7)から処理を再開し、塗布被膜を剥離した上記基板W
に対して再処理を行えばよい。
【0073】なお、上述した説明では、CCDカメラ3
0の位置ずれを検出するものとしたが、本実施例による
とCCDカメラ30の位置ずれだけでなく、処理液供給
ノズル5の位置ずれをも自ずと検出することができる。
つまり、正常に処理液供給ノズル5が供給位置に移動し
て、回転中心Pに直上に移動した場合には、図13中に
二点鎖線で示す位置にその吐出孔5aが位置する。しか
し、ノズル移動機構10に異常が生じるなどの原因によ
り、図13中に実線で示すような供給位置からずれた位
置に移動した場合には、上述した位置ずれ確認命令が実
行された際に『基準位置画像情報』と『処理時画像情
報』とがやはり不一致となって警報とともに装置が停止
する。これにより、回転中心Pよりずれた位置にある吐
出孔5aからフォトレジスト液が吐出されて、基板Wが
回転駆動した際にムラを生じるといった不都合をも防止
できる。
【0074】また、上述した説明では、フォトレジスト
液の供給を検出するために吐出孔5a付近を供給検出領
域130として設定し、吐出孔5aからフォトレジスト
液が『吐出』する時点を検出した。しかし、吐出孔5a
と基板Wの表面との間隔は、例えば4mm程度の間隔が
設けられているので、吐出された時点から基板Wの表面
にフォトレジスト液が到達するまでにも遅れ時間が存在
することになる。この遅れ時間をも考慮して供給時間T
SUを一定にするためには、次のようにすればよい。すな
わち、図14に示すように、処理液供給ノズル5の吐出
孔5aから吐出したフォトレジスト液Rが基板Wの表面
に到達する位置に供給検出領域130を設定する。これ
により供給開始命令が実行された時点から、フォトレジ
スト液Rが吐出孔5aより吐出し、上記の間隔を経て基
板Wの表面に到達した時点を検出することができる。し
たがって、上記の間隔に起因する遅れ時間をも考慮して
供給時間TSUを一定化することができるので、さらに均
一に処理を施すことができる。
【0075】また、上記実施例では、定位置部材として
処理液供給ノズル5の先端部5bを採用したが、処理中
に一時的であっても定位置にある部材であれば種々のも
のを定位置部材として採用することができる。例えば、
図14に示すように、基板Wを搬入する前後の吸引式ス
ピンチャック1の上面周縁部をずれ検出領域(120)
としたり、飛散防止カップ4aの開口内周部をずれ検出
領域(120)としたり、あるいは、飛散防止カップ4
aの開口内周部にマーカー200を配設して、この部分
をずれ検出領域(120)として採用してもCCDカメ
ラ30の位置ずれを検出することが可能である。
【0076】なお、上記実施例では、位置ずれを検出し
た場合に警報を発するとともに処理を停止するようにし
たが、警報を発するだけで処理を停止することなく継続
するようにしてもよい。つまり、オペレータは警報によ
って、現在処理中の基板Wに対して不適切な処理が施さ
れたことを知り、1ロットを構成する全ての基板Wに対
して処理が完了した時点で装置を停止する。そして、C
CDカメラ30の取り付け位置を調整した後、不適切な
処理によって形成された被膜を除去した1ロット分の基
板Wに対して再処理を施せばよい。
【0077】また、上記の説明では、図7に示すように
位置ずれを検出する位置ずれ確認命令の実行を、基板W
の回転駆動前(t1 時点)に行うようにしたが、基板W
の処理後や、回転駆動中に行うようにしてもよい。
【0078】<好適な塗布方法>次に、上述したように
基板に対して均一な処理を施すことができる装置を用い
ることにより好適に実施することができるフォトレジス
ト液の塗布方法の一例について説明する。
【0079】まず、上述した図7のタイムチャートに示
す処理プログラムにより、フォトレジスト液の塗布処理
を行った場合には、図15の模式図に示すようなフォト
レジスト液Rの挙動によって基板Wの表面にフォトレジ
スト被膜が形成される。なお、この図では、簡略的に基
板Wを円で示し、フォトレジスト液Rをハッチングした
領域で示し、各図における基板Wの回転数を矢印の大き
さで模式的に示している。
【0080】まず、基板Wを回転数R1で低速回転させ
つつ基板Wの表面にフォトレジスト液Rを供給し始めた
直後の状態では、フォトレジスト液Rは平面視で円形状
の塊Ra (以下、これをコアRa と称する)となって基
板Wの回転中心付近にある。さらにフォトレジスト液R
を供給し続けると、このコアRa の径は回転に伴う遠心
力が作用してほぼ円形状を保ったまま基板Wの周縁に向
かって同心円状に拡がってゆく。
【0081】コアRa は暫くの間(数秒間)は円形状を
保っているが、その後に大きく形を変えてゆく。具体的
には、この円形状のコアRa の円周部から基板Wの周縁
部に向かって多数の細長いフォトレジスト液Rb の流れ
(以下、これをヒゲRb と称する)が放射状に伸び始め
る(図15(a))。この多数のヒゲRb は、遠心力に
よってコアRa の径の拡大とともに基板Wの周縁部に向
かって伸び続けるが、ヒゲRb はコアRa に比べてその
回転半径が大きく、そのために遠心力が大きく加わるの
で、コアRa の径の拡大よりも早く基板Wの周縁部に向
かって伸びることになる(図15(b))。
【0082】さらに基板Wの回転を回転数R1で続ける
と、多数のヒゲRb の先端部は、基板Wの周縁部に到達
し(図15(c))、フォトレジスト液RはコアRa
らヒゲRb を通って基板Wの周縁部に達して飛散(飛散
フォトレジスト液Rc )する。さらにコアRa の径が大
きくなるとともにヒゲRb の幅が拡がる(図15(c)
中の二点鎖線と図15(d))ことによって、フォトレ
ジスト液Rで覆われていないヒゲRb 間の領域が次第に
少なくなって基板Wの全面がフォトレジスト液R(コア
a ,ヒゲRb )によって覆われる(図15(e))。
なお、この時点で処理液供給ノズル5からのフォトレジ
スト液Rの供給を停止する(図7中の符号TE )。
【0083】以上のように、フォトレジスト液Rで基板
Wの表面全体を覆った後に、基板Wの回転数を、現在の
回転数R1よりも高い回転数R2として、基板Wの表面
を覆っているフォトレジスト液Rの余剰分(余剰フォト
レジスト液Rd )を振り切ることによって、基板Wの表
面に所望の膜厚のフォトレジスト膜R’を形成する(図
15(f))。
【0084】ところが、図15(c)に示すように、多
数のヒゲRb が基板Wの周縁部に到達すると、これ以降
供給されるフォトレジスト液Rの大部分は、コアRa
らヒゲRb を通って基板Wの周囲に放出されて飛散する
(飛散フォトレジスト液Rc)ことになる。したがっ
て、基板Wの表面全体がフォトレジスト液Rによって覆
われるまでに大量のフォトレジスト液Rを供給する必要
があり、フォトレジスト液の使用量が極めて多くなる。
つまり、所望膜厚のフォトレジスト膜を得る際のフォト
レジスト液Rの利用効率が極めて低くなる。
【0085】そこで、図16のタイムチャートに示すよ
うに、フォトレジスト液Rの供給開始命令を実行した時
点TS から開始遅れ時間TDS1 が経過した後、すなわ
ち、実際にフォトレジスト液Rが供給された時点(供給
検出信号)からTa 時間が経過した時点に、所定の加速
度(時間Tb 内に高速回転に切り換える)をもって基板
Wの回転数を低い回転数R3から高い回転数R4に切り
換えることにより、以下のような挙動がフォトレジスト
液Rに生じる。なお、上記の回転数の一例は、回転数R
3が約1,500rpmであり、回転数R4が約3,0
00rpmである。また、回転数R3から回転数R4に
回転数を切り換える際には、約0.07secで完了す
るように制御することが好ましい。
【0086】図17を参照する。回転数を低い回転数R
3から高い回転数R4に上げることにより、基板Wの周
縁部に向かって直線的に伸びてゆくはずのヒゲRb (図
中の実線および二点鎖線)に、回転数上昇過程における
加速度によって慣性力が作用するとともに回転による遠
心力が作用し、ヒゲRb の伸びる方向がその合力によっ
て周方向に曲げられるようにしてその幅が拡大する(図
中の点線)。さらにコアRa の径も拡大する。この作用
により各ヒゲRb の隙間が急激に狭められて、基板Wの
表面全体がフォトレジスト液Rによって覆われる時間を
短縮することができる。その結果、図15(c)に示す
状態でヒゲRb を通って周囲に飛散するフォトレジスト
c の量を少なくすることができる。
【0087】このように回転数をフォトレジスト液の供
給中に所定の加速度をもって上昇させるのであるが、そ
の上昇させるタイミングは、コアRa からヒゲRb が発
生し始める時点(図15(a)の状態)よりも後であっ
て、かつ、ヒゲRb が基板Wの周縁に達する前(図15
(c)の前の状態)であることが好ましい。また、実験
によると、8インチサイズの基板Wを約2,000rp
mで回転させつつフォトレジスト液を供給した場合に
は、基板W表面にフォトレジスト液が到達してから約
0.5sec以内(以下、到達時間と称する)でヒゲR
b が基板Wの周縁部に到達することが判明している。し
たがって、図16に示す処理プログラムのタイムチャー
トにおいて、時間Ta (フォトレジスト液が実際に供給
された時点t 4 から回転数を上昇させるまでの時間)を
正確に、到達時間内に収めるようにしなければならな
い。従来装置においては、フォトレジスト液の供給開始
命令から開始遅れ時間だけ遅れが生じ、かつ、その時間
も変動するので、図16中の時点t4 が変動することに
なり、時間Ta を正確にすることができず、その遅れの
変動によって加速度を加えられる時点の、基板W表面上
のフォトレジスト液Rの形状がまちまちとなる恐れがあ
る。これにより各基板Wにおいて塗布状態が不均一とな
る不都合が生じる。
【0088】一方、本発明装置によれば、上述したよう
に、フォトレジスト液が実際に供給された時点t4 が変
動しても、『供給検出信号』が出力されたことに基づい
て次の命令が実行されるので、この場合には『供給検出
信号』が出力された時点から時間Ta のカウントが開始
されて、その時間経過後に回転上昇命令が実行される。
したがって、加速度を加えられる時点における、基板W
表面上のフォトレジスト液の形状を同じ状態とすること
ができるので、各基板Wにおいて塗布状態を均一にする
ことが可能となる。したがって、所望膜厚の塗布被膜を
得るために供給するフォトレジスト液の量を極めて少な
くすることができる。
【0089】また、処理液として、フォトレジスト液を
例に採って説明したが、表面保護や絶縁のために利用さ
れるSOG液や、ポリイミド樹脂などにも適用可能であ
る。また、現像液やリンス液などであっても同様であ
る。
【0090】また、処理液としては、表面保護や絶縁の
ために利用されるSOG(Spin On Glass) 液や、ポリイ
ミド樹脂などにも適用可能である。
【0091】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明によれば、撮影手段により撮影された画
像情報の濃淡変化に基づき実際に処理液が供給されたこ
とを検知し、これに基づいて供給開始命令以後の命令を
実行することによって、次の命令への移行を処理液供給
手段から基板に実際に処理液が供給された時点に依存さ
せることができる。したがって、処理液の供給に係る開
始遅れ時間およびその変動分を吸収することができて、
処理液の供給時間を一定化することができる。その結
果、各ロット間やロット内における各基板に対する処理
を全て均一にすることができ、長期間にわたって安定し
て処理を施すことができる。
【0092】また、処理中に定位置にある定位置部材を
含み、処理前に予め撮影された基準位置画像情報と処理
中に撮影された処理時画像情報とを比較することによ
り、撮影手段が正常な位置に取り付けられているか否か
を判断することができる。位置ずれを生じている場合に
は報知手段によって報知されるので、オペレータは報知
された時点で処理中であった基板に不適切な処理が施さ
れたことを知ることができる。したがって、その時点で
処理を中止することにより、各基板に不適切な処理が継
続して施されることを未然に防止できる。また、不適切
な処理が施されたことが判るので、基板に対する再処理
を施して歩留りを向上させることができる。
【0093】また、請求項2に記載の発明によれば、処
理液供給手段の先端部が供給位置に正確に移動しなかっ
た場合も報知手段により報知されるので、その先端部が
供給位置よりずれた位置から処理液が供給されたことを
も知ることができる。したがって、報知された時点で処
理を中止することにより先端部の位置ずれに起因して生
じる不適切な処理が各基板に継続的に施されることをも
未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る回転式基板塗布装置の概略構成を
示すブロック図である。
【図2】処理液供給ノズルの移動を説明する模式図であ
る。
【図3】供給検出/位置ずれ検出部の構成を示すブロッ
ク図である。
【図4】基準位置画像撮影信号が出力された場合の動作
を示すフローチャートである。
【図5】撮影範囲を示す図である。
【図6】基準位置画像情報を示す模式図である。
【図7】塗布処理を示すフローチャートである。
【図8】位置ずれ確認命令が出力された場合の動作を示
すフローチャートである。
【図9】基準トリガ信号が出力された場合の動作を示す
フローチャートである。
【図10】通常トリガ信号が出力された場合の動作を示
すフローチャートである。
【図11】CCDカメラの取り付け位置がずれた場合の
撮影範囲を示す図である。
【図12】CCDカメラの取り付け位置がずれた場合の
処理時画像情報を示す模式図である。
【図13】処理液供給ノズルが位置ずれした場合の説明
に供する図である。
【図14】到達を検出するために設定する供給検出領域
を示す図である。
【図15】フォトレジスト液の挙動を示す模式図であ
る。
【図16】本発明装置によって実施するのに好適な塗布
処理プログラムの一例を示すタイムチャートである。
【図17】好適な塗布処理プログラムにおけるフォトレ
ジスト液の挙動を示す模式図である。
【符号の説明】
W … 基板 1 … 吸引式スピンチャック(回転支持手段) 5 … 処理液供給ノズル(処理液供給手段) 5a … 吐出孔 5b … 先端部(定位置部材) 14 … ベローズポンプ 17 … シリンダ 18 … 速度制御弁 20 … 制御部(制御手段) 30 … CCDカメラ(撮影手段) 40 … ストロボ 70 … 供給検出/位置ずれ検出部 74 … 画像処理部(判別手段) 75a … 位置ずれ検出用画像記憶部 76 … モニタ(表示手段,報知手段) 120 … ずれ検出領域 130 … 供給検出領域

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に対して処理液を供給して処理を施
    す処理液供給装置において、 基板を回転可能に支持する回転支持手段と、 前記回転支持手段に支持された基板の上方にあたる供給
    位置と前記回転支持手段に支持された基板の側方に離れ
    た待機位置とにわたって移動可能に構成され、前記供給
    位置で前記基板に対して処理液を供給する処理液供給手
    段と、 前記処理液供給手段から処理液が供給されたことを検知
    可能な範囲であって、かつ、基板を処理する際に定位置
    にある定位置部材を含む範囲を撮影する撮影手段と、 前記処理液供給手段から処理液が供給された状態を正常
    に撮影可能な位置に前記撮影手段が取り付けられている
    状態で、基板の処理に先立って前記撮影手段が撮影した
    範囲の画像を表示する表示手段と、 前記表示手段に表示された画像のうち、前記定位置部材
    を含む領域をずれ検出領域として予め設定する設定手段
    と、 前記ずれ検出領域として設定された領域を基準位置画像
    情報として予め記憶する基準画像記憶手段と、 基板の処理時に前記撮影手段によって撮影された範囲の
    うち前記ずれ検出領域に対応する領域を処理時画像情報
    とし、この処理時画像情報と前記基準位置画像情報とを
    比較して、前記撮影手段の取り付け位置がずれているこ
    とを判別する判別手段と、 前記判別手段により前記撮影手段の取り付け位置がずれ
    ていると判断された場合にそのことを報知するための報
    知手段と、 供給開始命令を含む複数個の命令からなり、予め記憶さ
    れている一連の処理を規定する処理プログラムに基づい
    て、前記回転支持手段に支持されている基板を回転させ
    つつ供給開始命令を実行することにより前記処理液供給
    手段から前記基板に対して処理液を供給開始するととも
    に、前記撮影手段により所定の周期で撮影された範囲の
    画像情報の濃淡変化に基づき前記供給開始命令以後の命
    令を実行する制御手段と、 を備えていることを特徴とする処理液供給装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の処理液供給装置におい
    て、前記定位置部材を、前記処理液供給手段の先端部と
    したことを特徴とする処理液供給装置。
JP28277396A 1996-10-25 1996-10-25 処理液供給装置 Pending JPH10135100A (ja)

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