JP3504089B2 - 処理液供給方法およびその装置 - Google Patents

処理液供給方法およびその装置

Info

Publication number
JP3504089B2
JP3504089B2 JP28973396A JP28973396A JP3504089B2 JP 3504089 B2 JP3504089 B2 JP 3504089B2 JP 28973396 A JP28973396 A JP 28973396A JP 28973396 A JP28973396 A JP 28973396A JP 3504089 B2 JP3504089 B2 JP 3504089B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
supply
processing liquid
time
processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP28973396A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09270373A (ja
Inventor
雅和 真田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Screen Holdings Co Ltd
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Screen Holdings Co Ltd
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Screen Holdings Co Ltd, Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd filed Critical Screen Holdings Co Ltd
Priority to JP28973396A priority Critical patent/JP3504089B2/ja
Publication of JPH09270373A publication Critical patent/JPH09270373A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3504089B2 publication Critical patent/JP3504089B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハ、フ
ォトマスク用のガラス基板、液晶表示装置用のガラス基
板、光ディスク用の基板等の基板にフォトレジスト液や
現像液などの処理液を供給する処理液供給方法およびそ
の装置に係り、特に供給開始命令を含む複数個の命令か
らなり、予め記憶された一連の処理を規定する処理プロ
グラムに基づいて、供給開始命令を実行することにより
基板に処理液を供給する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の装置として、例えば、処
理液であるフォトレジスト液を基板表面に供給するフォ
トレジスト液供給装置が挙げられる。この装置は、複数
個の命令からなり、予め記憶された一連の処理を規定す
る処理プログラム(スピンコートプログラムとも呼ば
れ、フォトレジスト液の種類や、塗布時の回転数やその
時間などを規定している)に基づいて、例えば、制御部
が回転開始命令を実行することによって回転支持手段に
より支持されている基板を所定の回転速度で駆動し、制
御部が供給開始命令を実行することにより処理液供給ノ
ズルを介して基板表面にフォトレジスト液の供給を開始
するようになっている。その供給開始命令の実行時点か
ら特定時間後に、フォトレジスト液の供給を停止した
り、基板を高速に回転駆動することにより、基板表面の
全体に所定膜厚のフォトレジスト被膜を形成するように
なっている。
【0003】なお、フォトレジスト液は、制御部が供給
開始命令を実行した際に、クリーンルーム内に設けられ
ているユーティリティの1つである加圧空気源からの加
圧空気を送り込まれることにより伸長動作されるエアシ
リンダと、このエアシリンダの動作に連動するベローズ
ポンプによりノズル先端部から基板表面に吐出されるよ
うになっている。また、このエアシリンダには、その加
圧空気を導入/排出する際の速度を調整するための速度
調整弁が設けられている。
【0004】また、処理液供給ノズルには、上記構成の
他に、フォトレジスト液の供給を停止した際に、主とし
てノズル先端部付近の内部に残っているフォトレジスト
液が滴下される不具合(いわゆるぼた落ち)を防止する
ために、ノズル内部に残っているフォトレジスト液を吸
引して僅かに引き戻すように作用するサックバックバル
ブが配設されており、フォトレジスト液を基板表面に供
給する際には、エアシリンダを動作させるのとほぼ同時
にサックバックバルブの動作を解除するようにしてい
る。このように動作するサックバックバルブも、上記の
処理液供給ノズルと同様に、ユーティリティの1つであ
る加圧空気源からの加圧空気の導入/排出により動作さ
れるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したような装置で
は、一般的に、処理液供給ノズルの先端部と、基板表面
との間には、数mm程度(例えば、4mm程度)の間隔
が空けられているので、制御部により供給開始命令が実
行されても、すぐには基板表面にフォトレジスト液が到
達せず、処理液供給ノズルの先端部から基板の表面にフ
ォトレジスト液が到達するまでに遅れ時間が存在するこ
とになる。したがって、実際には、供給開始命令が制御
部により実行された時点から、少なくともその遅れ時間
(以下、この遅れ時間を開始遅れ時間と称する)だけは
遅れてフォトレジスト液が基板表面に到達することにな
る。したがって、作成したスピンコートプログラムで
は、所望する処理を正確に行なうことができないという
問題点がある。
【0006】そこで、このような不都合を解消するため
に、従来装置においては、スピンコートプログラムを作
成する際に、予め上記開始遅れ時間を勘案して、所望す
る時点でフォトレジスト液が基板表面に到達するよう
に、上記開始遅れ時間だけ供給開始命令が実行される時
点を早めるようにしている(以下、これを手動による遅
れ時間補正と称する)。具体的には、例えば、回転開始
命令を実行した後、充分に基板の回転数が目的とする回
転数に到達してその回転が安定する時点(これをTS
する)に、フォトレジスト液を基板表面に到達させたい
場合には、上記の開始遅れ時間をTDSとすると、処理プ
ログラムであるスピンコートプログラムを作成する際
に、供給開始命令が時間TS −TDSの時点で実行される
ように予めプログラムを作成する。
【0007】しかしながら、このような手動による遅れ
時間補正によると、次のような不都合が生じる。上述し
たように、フォトレジスト液の供給に係わるエアシリン
ダおよびサックバックバルブを作動させるのは、クリー
ンルーム内に設けられているユーティリティの1つであ
る加圧空気源である。この加圧空気源は、通常、クリー
ンルーム内の他の装置でも利用されており、それらの利
用状況によりその圧力は時間的(時間変動)にあるいは
日毎(日間変動)に微妙に変動するものである。したが
って、このように変動するユーティリティを利用してフ
ォトレジスト液の供給開始を制御しているので、その変
動に伴って上記の開始遅れ時間が大きくも小さくもな
り、その結果、上述したような手動による遅れ時間補正
では、上記の不都合を充分に解消することができない。
つまり、ある時間(ある日)には、上記の処理プログラ
ムで正確に処理を行なうことができても、他の時間帯
(他の日)には上記の処理プログラムでは正確に処理を
行なうことができないといったことが生じ、その結果、
同じ処理プログラムを用いて処理を施した異なるロット
間において、あるいは、同じロット間において、処理結
果に差異が生じることがある。すなわち、同じ処理プロ
グラムを用いて処理を行っても、処理を均一に施すこと
ができないことがあるという問題点がある。
【0008】また、フォトレジスト液の供給に係わるエ
アシリンダおよびサックバックバルブは、各々の動作速
度を調整することができるようになっており、その速度
を調整し直した場合などには開始遅れ時間も変動するの
で、上述したような手動による遅れ時間補正では、やは
り上記の不都合を充分に解消することができない。
【0009】特に、最近の半導体製造業界においては、
プロセスの微細化技術が進むとともに、基板の大口径化
に伴って、処理に精度が求められており、スピンコート
プログラムなどの処理プログラムは非常に微妙かつ精密
なものとなってきている。したがって、従来装置で行な
われている手動による処理液の供給に係る遅れ時間補正
では、そのプログラミング作業が煩雑となるか、あるい
は全くプログラミングができないという事態になってい
る。
【0010】 本発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、処理液が基板に到達したことを検出
し、この検出した時点で、それ以降の命令を実行するこ
とにより、基板に均一な処理を施すことができる処理液
供給方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、請求項1に記載の発明方法は、供給開始命令を含む
複数個の命令からなり、予め記憶されている一連の処理
を規定する処理プログラムに基づき基板の中心付近に処
理液を供給する処理液供給方法において、供給開始命令
が実行された後、基板に処理液が到達した時点を検出
し、この検出した時点で、それ以後の処理プログラムの
命令を実行することを特徴とするものである。
【0012】また、請求項2に記載の発明方法は、請求
項1に記載の処理液供給方法において、前記基板の中心
付近に供給する処理液を、前記基板が回転している状態
で供給開始するとともに、その状態で供給完了するよう
にしたことを特徴とするものである。
【0013】また、請求項3に記載の発明方法は、請求
項1に記載の処理液供給方法において、前記基板の中心
付近に供給する処理液を、前記基板が静止した状態で供
給開始するとともに、その状態で供給完了するようにし
たことを特徴とするものである。
【0014】また、請求項4に記載の発明方法は、請求
項1に記載の処理液供給方法において、前記基板の中心
付近に供給する処理液を、前記基板が静止した状態で供
給開始するとともに、前記基板が回転を開始した後に供
給完了するようにしたことを特徴とするものである。
【0015】 また、請求項5に記載の発明装置は、供
給開始命令を含む複数個の命令からなり、予め記憶され
ている一連の処理を規定する処理プログラムに基づい
て、制御手段が前記供給開始命令を実行することにより
処理液供給手段を介して基板に処理液を供給する処理液
供給装置において、前記処理液供給手段から吐出される
処理液が基板に到達した時点を検出する到達検出手段を
備えるとともに、前記制御手段は、前記処理プログラム
に含まれている各命令を順次に実行してゆく際に、供給
開始命令の実行によって前記処理液供給手段を介して基
板に処理液の供給を開始し、前記到達検出手段が処理液
の到達を検出した時点で、それ以後の命令の実行を開始
することを特徴とするものである。
【0016】また、請求項6に記載の発明装置は、請求
項5に記載の処理液供給装置において、前記到達検出手
段は、前記制御手段の指示に基づき基板表面を撮影する
撮影手段と、前記撮影された画像を静止画像として取り
出す画像取出手段と、前記静止画像の濃淡変化に基づい
て処理液が基板表面に到達したことを判別する濃淡判別
手段と、から構成されていることを特徴とするものであ
る。
【0017】求項1に記載の発明方法の作用は次の
とおりである。予め記憶されている一連の処理を規定す
る処理プログラムに含まれている命令のうち処理液の供
給を開始するための供給開始命令を実行することによ
り、理想的には即座に処理液が基板に到達するが、実際
には、ある程度の遅れ時間(開始遅れ時間)の経過後に
処理液が基板に到達する。この開始遅れ時間は、時間変
動や日間変動により微妙に変動するものである。したが
って、その供給開始命令が実行されてから特定時間後に
処理液の供給を停止する供給停止命令を実行すると、意
図する時間(特定時間)よりも短い時間しか処理液の供
給が行われないことになる。すなわち、供給開始命令が
実行されてから、特定時間(例えば、5秒)後に供給停
止命令を実行するように処理プログラムを作成している
場合には、処理プログラム上での意図する処理液の供給
時間は上記特定時間であるが、実際には、上記特定時間
よりも上記開始遅れ時間だけ短いものとなり、さらに、
その開始遅れ時間は変動するものであるので、上記供給
時間も変動することになる。そこで、供給開始命令が実
行されたのち、基板に処理液が到達した時点を検出し、
この検出した時点で、それ以後の命令を実行することに
より、次の命令への移行を処理液が基板に到達した時点
に依存させることができる。したがって、上記開始遅れ
時間およびその変動分を吸収することができて、上記供
給時間を一定化することができる。
【0018】また、請求項2に記載の発明方法によれ
ば、基板が回転している状態で処理液の供給を開始し、
その回転が保たれた状態で処理液の供給を完了する(以
下、ダイナミック法と称する)。すなわち、基板を一定
速度で回転駆動させつつ処理液を供給開始し、その一定
時間後に処理液の供給を完了するが、上記の開始遅れ時
間によって供給時間が変動する。そこで処理液の到達に
基づき供給開始命令以降の命令を実行することにより、
ダイナミック法による処理液供給方法であっても上記の
供給時間を一定化することができる。
【0019】また、請求項3に記載の発明方法によれ
ば、基板が静止した状態で処理液の供給を開始し、静止
した状態のままで処理液の供給を完了する(以下、スタ
ティック法と称する)。すなわち、基板を回転させる前
に処理液の供給を開始して、一定時間後にその供給を完
了するが、上記の開始遅れ時間によって供給時間が変動
する。そこで処理液の到達に基づき供給開始命令以降の
命令を実行することにより、スタティック法による処理
液供給方法であっても上記の供給時間を一定化すること
ができる。
【0020】また、請求項4に記載の発明方法によれ
ば、基板が静止した状態で処理液の供給を開始し、その
基板が回転を開始した後に処理液の供給を完了する。つ
まり、上記のダイナミック法とスタティック法とを組み
合わせたような処理液の供給方法である(以下、これを
スタミック法と称する)。このスタミック法であって
も、上記の開始遅れ時間によって供給時間が変動する
が、処理液の到達に基づき供給開始命令以降の命令を実
行することによって、上記の供給時間を一定化すること
ができる。
【0021】 また、請求項5に記載の発明装置の作用
は次のとおりである。制御手段が供給開始命令を実行す
ると、理想的には処理液供給手段を介して即座に処理液
が基板に到達する。しかし、実際には、供給開始命令の
実行時点からある程度の開始遅れ時間(時間変動および
日間変動を生じる)の経過後に、処理液が基板に到達す
る。制御手段は、供給開始命令の実行後、到達検出手段
によって処理液が基板へ到達した時点を検出し、この検
出した時点で、それ以後の命令の実行を行うので、供給
開始命令よりあとの命令への移行を処理液の基板への到
達に依存させることができる。したがって、上記開始遅
れ時間およびその変動分を吸収することができる。
【0022】また、請求項6に記載の発明装置の作用は
次のとおりである。制御手段の指示の基づいて基板表面
を撮影手段により撮影し、その基板表面の画像を画像取
出手段により静止画像として取り出す。処理液が基板に
到達した場合には、基板表面と処理液との反射率などの
差異により静止画像に濃淡を生じる。この濃淡が生じた
時点、すなわち、濃淡変化を濃淡判別手段により判別し
て、基板に処理液が到達した時点を検出することができ
る。この到達検出時点に基づき、制御手段が供給開始命
令以後の命令の実行を開始する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施例を説明する。図1は、本発明に係る処理液供給装
置の一例である回転式基板塗布装置(スピンコータとも
呼ばれる)を示す縦断面図およびブロック図である。
【0024】図中、符号1は、吸引式スピンチャックで
あり、基板Wをほぼ水平姿勢で吸着保持するものであ
る。この吸引式スピンチャック1は、回転軸2を介して
電動モータ3によって回転駆動され、この回転により吸
引式スピンチャック1に吸着保持された基板Wは、ほぼ
水平姿勢で回転中心P周りに回転される。なお、電動モ
ータ3の回転駆動は、後述する制御部20により行われ
る。
【0025】吸引式スピンチャック1の周囲には、処理
液の一例であるフォトレジスト液や基板Wの裏面を洗浄
する洗浄液などの飛散を防止するための飛散防止カップ
4aが配設されている。また、この飛散防止カップ4a
の上部開口には、ダウンフローを取り込むための複数個
の開口を上部に形成された上部蓋部材4bが、この装置
のフレームに固定されて位置固定の状態で配設されてい
る。また、図示しない搬送機構が未処理の基板Wを吸引
式スピンチャック1に載置、または、吸引式スピンチャ
ック1から処理済みの基板Wを受け取る際には、図示し
ない昇降機構が飛散防止カップ4aのみを下降させるこ
とによって、飛散防止カップ4aと上部蓋部材4bとを
分離し、吸引式スピンチャック1を飛散防止カップ4a
の上部開口から上方に突出させる。なお、飛散防止カッ
プ4aを位置固定とし、図示しない昇降機構により、上
部蓋部材4bと回転軸2とを飛散防止カップ4aに対し
て上昇させるような構成としてもよい。
【0026】飛散防止カップ4aの外方には、搬入され
た基板W上の回転中心Pの上方に相当する供給位置と、
基板W上から周囲に離れた待機位置との間で移動可能に
構成された処理液供給ノズル5が配設されている。この
処理液供給ノズル5が上記供給位置(図中の実線で示す
状態)にある場合には、その下方に向けられた先端部が
基板W面から距離L(例えば、4mm程度、図6を参
照)だけ上方に位置するように構成されている。この距
離Lは、フォトレジスト液の粘度や基板Wのサイズ、そ
の表面状態により基板W表面に滴下されたフォトレジス
ト液がその表面全体にわたって拡げられる際にムラが発
生しないような距離に調整されていることが好ましい。
【0027】また、飛散防止カップ4a内であって、基
板Wの下方の回転中心P側には、フォトレジスト液が飛
散して霧状のミストとなって基板W裏面に付着したり、
基板Wの表面周縁部から裏面に回り込んだ不要なフォト
レジスト液を除去するために、洗浄液を裏面に向けて噴
出させるバックリンスノズル11が設けられている。こ
のバックリンスノズル11からの洗浄液は、後述する制
御部20により制御されるようになっている。
【0028】処理液供給ノズル5には供給管12が接続
されており、この供給管12と、サックバックバルブ1
3と、ベローズポンプ14と、逆止弁15とを介してフ
ォトレジスト液を貯留している処理液タンク16に連通
接続されている。サックバックバルブ13は、クリーン
ルーム内に導入されているユーティリティの1つである
加圧空気源により加圧空気を送り込まれることにより動
作され、この動作により処理液供給ノズル5の先端内部
に貯留しているフォトレジスト液を僅かに引き戻して、
いわゆる「ぼた落ち」を防止したり、吐出孔5aから露
出しているフォトレジスト液の固化を防止するものであ
る。サックバックバルブ13は、送り込まれた加圧空気
を排出されることにより非動作、つまり、処理液供給ノ
ズル5内のフォトレジスト液の引き戻しを解除する。こ
のサックバックバルブ13の動作/非動作は、制御部2
0からの電気信号により行われるようになっている。な
お、サックバックバルブ13の動作/非動作は、その引
き戻し圧力などが調整可能になっている。したがって、
その調整度合いや圧縮空気源の圧力により、電気信号を
入力されてからフォトレジスト液の引き戻し動作や解除
動作となるまでの動作速度が変動するものである。
【0029】ベローズポンプ14は、複動式エアシリン
ダ17に連動して動作し、処理液タンク16内のフォト
レジスト液を供給管12に送り込む。この送り込み動作
により生じるフォトレジスト液の処理液タンク16内へ
の逆流を防止するのが、逆止弁15である。複動式エア
シリンダ17は、速度制御弁18を介して加圧空気源に
よって動作するものであり、ピストン17aにより仕切
られた2つの空間に速度制御弁18a,18bを介して
それぞれ加圧空気が送り込まれたり排出されたりするこ
とによって動作する。速度制御弁18は、手動による調
整によって、加圧空気源からの加圧空気導入速度や複動
式エアシリンダ17からの加圧空気排出速度が調整され
るようになっており、この調整度合いや加圧空気源の圧
力により、複動式エアシリンダ17の動作速度が調整さ
れ、その結果、ベローズポンプ14の動作、すなわち、
処理液供給ノズル5からフォトレジスト液が供給/停止
されるまでの速度が調整される。なお、処理液供給ノズ
ル5と、供給管12と、ベローズポンプ14と、逆止弁
15と、処理液タンク16と、複動式エアシリンダ17
と、速度制御弁18とは、本発明における処理液供給手
段に相当するものである。
【0030】速度制御弁18は、制御部20からの電気
信号により加圧空気源からの加圧空気を複動式エアシリ
ンダ17に送り込む動作状態とされ、同様に複動式エア
シリンダ17から加圧空気を排出する非動作状態とされ
る。制御部20は、図示しないクロックやタイマ、RA
Mを内蔵している。RAMには予め作成された処理プロ
グラムなどが記憶されており、この処理プログラムはク
ロックやタイマを基準にして実行されるようになってい
る。但し、詳細は後述するが、処理プログラムに含まれ
ている、フォトレジスト液の供給を開始させる供給開始
命令が実行された以降は、後述する到達検出確認部50
からの『到達検出信号』が入力されてから、次の命令の
実行を行うようになっている。なお、制御部20は、本
発明における制御手段に相当する。
【0031】上部蓋部材4bの上部内周面には、その左
側にCCDカメラ30が、その右側にはストロボ40が
配設されている。CCDカメラ30は、固体撮像素子で
あるCCDと、電子シャッターと、レンズとから構成さ
れており、その撮影視野を基板Wの回転中心付近、すな
わち、フォトレジスト液が処理液供給ノズル5から滴下
されて基板Wに到達する位置を含む領域に設定されてい
る。なお、図1では、処理液供給ノズル5の水平方向に
伸びた部分によって、基板Wの回転中心付近が遮られて
いるように見えるが、CCDカメラ30と処理液供給ノ
ズル5とは平面視で横方向にずらした状態で配設されて
いるので、回転中心付近を撮影できるようになってい
る。また、ストロボ40は、フォトレジスト液が感光し
ないように装置自体が暗室内に設置されているので、基
板Wを撮影する際の照明として用いるためのものであ
る。ストロボ40は、例えば、キセノンランプと、50
0nm以上の波長を透過するバンドパスフィルタBPF
とを組み合わせて構成されている。これらのCCDカメ
ラ30およびストロボ40は、到達検出確認部50に接
続されている。また、ストロボ40としては、キセノン
ランプに代えて、赤外光付近に分光感度を有する高輝度
赤外発光ダイオードまたは赤外発光ダイオードアレイを
採用してもよい。この場合には、バンドパスフィルタB
PFは不要となる。また、ストロボ40としては、供給
するフォトレジスト液の分光感度に応じて適宜に選択す
ればよい。
【0032】図2を参照して到達検出確認部50につい
て説明する。ストロボ40は、ストロボ電源51から所
要の電力を供給されて連続的に点灯されている。CCD
カメラ30は、その動作制御、例えば、撮影タイミング
を決定する電子シャッターの動作制御がカメラ制御部5
2によって制御される。カメラ制御部52への撮影開始
指示は、制御部20からI/O制御部53へトリガ信号
が入力されることによって行われる。詳細は後述する
が、このトリガ信号としては、基準静止画像を撮影する
ための基準トリガ信号と、所定の周期で順次撮影を行う
ための通常トリガ信号とがある。基準トリガ信号が入力
された場合には、その時点でCCDカメラ30を介して
基板表面の撮影を行うが、通常トリガ信号が入力された
場合には、その時点から所定の周期で順次にCCDカメ
ラ30を介して撮影を行う。CCDカメラ30を介して
撮影された、基準トリガ信号に基づく基板表面の画像信
号は、カメラ制御部52およびI/O制御部53を介し
て画像処理部54に伝送され、ここで2値化処理されて
静止画像(基準静止画像)として画像メモリ55に格納
される。また、通常トリガ信号に基づき順次に得られた
基板表面の画像信号は、同様にして画像処理部54に伝
送され、2値化処理されて静止画像として画像メモリ5
5に格納される。なお、上記ストロボ電源51は、連続
的にストロボ40に電力供給を行う必要はなく、CCD
カメラ30による基板表面の撮影時を含む適宜の範囲に
おいてのみ電源を供給してストロボ40を間欠的に点灯
させるようにしてもよい。
【0033】そして、画像処理部54は、画像メモリ5
5内の基準静止画像と静止画像との濃淡変化に基づい
て、変化があった場合にはフォトレジスト液が基板Wに
到達したと判断して、『到達検出信号』をI/O制御部
53を介して制御部20に出力する。濃淡変化に基づき
到達を判断する手法としては、種々のものが考えられる
が、例えば、それぞれの2値化データの『1』を計数し
てこれらの差分がある一定以上(例えば、10%以上)
となった場合に到達したと判断する。なお、上述したC
CDカメラ30の撮影視野を、上記の画像処理に係る処
理速度および上記の撮影を行う所定の周期を勘案して設
定することが好ましい。
【0034】『到達検出信号』がI/O制御部53を介
して制御部20に出力された後は、画像メモリ55に格
納されている静止画像を画像処理部54およびI/O制
御部53を介してモニタ59に出力して、フォトレジス
ト液が基板Wに到達したと判断された静止画像を表示す
る。この表示を観察することにより、正常にその判断が
なされているか否かを装置のオペレータは判断すること
ができる。もしその静止画像が適切でない場合には、装
置の動作をオペレータが手動で停止させればよい。これ
により適切でない処理が以後の全ての基板に対して連続
して施されることを未然に防止することができる。
【0035】なお、上述したCCDカメラ30および到
達検出確認部50は本発明における到達検出手段に相当
し、CCDカメラ30は撮影手段に相当し、画像処理部
54は画像取出手段および濃淡判別手段に相当するもの
である。
【0036】次に、図3のタイムチャートを参照して、
上述したように構成された装置による基板Wへのフォト
レジスト液の塗布処理の一例について説明する。なお、
以下の説明においては、処理の対象である基板Wは、図
示しない基板搬送機構により吸引式スピンチャック1に
既に吸着保持されているものとする。さらに、処理液供
給ノズル5は、ノズル移動機構10によって既に供給位
置(図1に実線で示す状態)に移動されて、その吐出孔
5aが基板Wのほぼ回転中心Pの上方に距離Lをおいて
位置しているものとする。
【0037】なお、フォトレジスト液の供給方法として
は、基板が回転している状態で供給を開始し、その状態
で供給を完了する『ダイナミック法』と、基板が静止し
た状態で供給開始し、その状態で供給を完了する『スタ
ティック法』と、上記のダイナミック法とスタティック
法とを組み合わせたような『スタミック法』とがある
が、まず、ダイナミック法を採用した処理プログラムに
よる塗布処理について説明する。
【0038】<ダイナミック法>(請求項2に記載の発
明方法) この処理プログラム(スピンコートプログラム)による
塗布処理の基本的な流れは次のとおりである。まず、回
転開始命令により、時間t1 において基板Wが回転数R
1(例えば、1,000rpm)に達するような加速度
により回転駆動され、時間TS において供給開始命令が
実行されてフォトレジスト液が一定流量で供給開始され
る。そして、フォトレジスト液が基板Wの表面に到達し
たことを検出した時点t2 にて、この時点t2 からの経
過時間を計数するタイマスタート命令が実行され、その
時間が供給時間TSUとなった時点(時間TE )において
供給停止命令が実行されてフォトレジスト液の供給が停
止される。時間t4 には回転上昇命令が実行されること
により、時間t6 の時点で基板Wが回転数R2(例え
ば、3,000rpm)となるように加速され、時間t
8 において回転停止命令が実行されて時間t 9 には塗布
処理が終了するように作成されている。なお、上記の処
理中においては、基板Wの周縁部からフォトレジスト液
が飛散して霧状のミストとなって基板W裏面に付着した
り、基板Wの周縁部からその裏面に回り込んで付着した
フォトレジスト液を除去するために、図1に示したバッ
クリンスノズル11から洗浄液を噴出させるように命令
を付加しておくことが好ましい。
【0039】さらに、上記の処理プログラムは、基板W
の回転数がR1に達する時点t1 から、フォトレジスト
液の供給を開始する供給開始命令の実行時点TS までの
間に、I/O制御部53に対して基準静止画像を撮影す
るように指示するための基準トリガ信号を出力する基準
トリガ信号出力命令を時間TP において実行するように
されており、さらに、上述した時間TS において供給開
始命令を実行するのと同時に、I/O制御部53に対し
て所定の周期で基板W表面の静止画像を撮影するように
指示するための通常トリガ信号を出力する通常トリガ信
号出力命令を実行するようにされている。
【0040】まず、時間TP において基準トリガ信号出
力命令が実行されると、到達検出確認部50は図4のフ
ローチャートに示すように動作する。 ステップS1(基板表面の撮影):I/O制御部53
は、カメラ制御部52を介してCCDカメラ30により
基板Wの回転中心付近表面を撮影する。この画像信号
は、I/O制御部53を介して画像処理部54に伝送さ
れる。
【0041】ステップS2(2値化処理):画像処理部
54に伝送された画像信号は、適宜の手法によって2値
化処理されて静止画像とされる。例えば、基板W表面の
反射率が高い部分、つまり、画像信号の輝度レベルがあ
る一定の値を越える部分(白っぽい領域)を『0』と
し、輝度レベルがそれ以下の部分(黒っぽい領域)を
『1』とするように2値化処理すればよい。
【0042】ステップS3(基準静止画像として格
納):2値化された静止画像は、基準静止画像として画
像メモリ55に格納される。この基準静止画像は、後に
撮影される静止画像と比較される基準となるものである
ので、電動モータ3の回転制御と同期させて基板Wが特
定の回転角度となって、CCDカメラ30から見て同一
姿勢の基板を撮影することが好ましい。一般的に、基板
Wの表面には、種々のプロセスを経て微小な段差が形成
されているので、基板の回転角度によってはその段差部
分によりストロボ40からの照射光が乱反射して2値化
処理の際に『1』とされる場合がある。そこで、後述す
る静止画像の撮影の際にも、上記特定の回転角度で基板
W表面を撮影することにより、基準静止画像と同一の回
転角度の静止画像とすることができるので、誤って上記
乱反射による到達検出がなされることを防止することが
できる。
【0043】時間TS において供給開始命令が実行され
ると次のようにしてフォトレジスト液が基板Wに対して
供給され始める。まず、サックバックバルブ13が非動
作状態とされて処理液供給ノズル5内の吸引が解除され
るとともに、速度制御弁18の一方18aが非動作状態
とされ、他方18bが動作状態とされる。これにより複
動式エアシリンダ17が動作状態とされ、これに連動し
てベローズポンプ14が動作して、処理液タンク16内
からある一定量のフォトレジスト液が供給管12に送り
込まれる。この一連の動作により、処理液供給ノズル5
の吐出孔5aからフォトレジスト液が基板Wの表面に供
給され始め、速度制御弁18の一方18aおよび他方1
8bの状態(非動作/動作)を交互に切り換えて1回毎
行うことにより、エアシリンダ17のピストン17aが
上昇/下降してベローズポンプ14を1回毎駆動し、所
定量のフォトレジスト液が処理液供給ノズル5から基板
Wに供給される。このように供給開始命令が実行されて
から順次に各部を動作させることによって、フォトレジ
スト液が供給されるようになっていること、および処理
液供給ノズル5の吐出孔5aは基板W表面から上方に距
離Lだけ離れているので、供給開始命令が実行された時
点TS において、基板Wの表面にフォトレジスト液が到
達するのではなく、実際にはある開始遅れ時間だけ遅れ
て基板Wの表面に到達することになる。この開始遅れ時
間は加圧空気源の利用状況により変動するものである
が、ここでは上記開始遅れ時間がTDS1 であるとして説
明する。
【0044】上記の供給開始命令を実行するのと同時に
制御部20は通常トリガ信号出力命令を実行する。この
命令が実行されると到達検出確認部50のI/O制御部
53に対して通常トリガ信号が出力される。通常トリガ
信号を検知したI/O制御部53は、カメラ制御部52
に対して所定の周期で順次に基板W表面の撮影を行うよ
うに指示する。上記所定の周期としては、上記開始遅れ
時間TDS1 よりも充分に短いことが好ましく、例えば、
開始遅れ時間TDS1 が100msecである場合には1
0msec程度である。また、制御部20は、供給開始
命令(および通常トリガ信号出力命令)を実行した後に
処理プログラムの次の命令を実行することを規制される
実行禁止状態とされ、『到達検出信号』が到達検出確認
部50から入力されるまでその状態を保持するようにな
っている。
【0045】この通常トリガ信号出力命令に基づく到達
検出確認部50の動作を図5のフローチャートを参照し
て説明する。 ステップT1(基板表面の撮影):I/O制御部53
は、カメラ制御部52を介してCCDカメラ30により
基板Wの回転中心付近を撮影する。この撮影タイミング
は、上述した理由により基準静止画像の撮影タイミング
と同一であることが好ましい。
【0046】ステップT2(2値化処理):基板W表面
の画像信号を、上述したようにして画像処理部54によ
り2値化処理する。
【0047】ステップT3(静止画像として格納):2
値化処理された画像信号を静止画像として画像メモリ5
5に格納する。したがって、この時点では、画像メモリ
55内に基準静止画像と静止画像とが格納されている。
なお、これ以降に順次に撮影される静止画像は画像メモ
リ55内の静止画像と置換されるので、画像メモリ55
の記憶容量は少なくとも上記2つの画像を記憶できるだ
けあればよい。
【0048】ステップT4(基準静止画像と静止画像と
の比較処理):画像処理部54は、画像メモリ55に格
納されている基準静止画像と静止画像とを比較する。具
体的には、2つの画像の濃淡の差異を比較する。これら
の2値化処理された画像同士の濃淡を比較する手法とし
ては種々のものがあるが、例えば、基準静止画像および
静止画像のそれぞれの『1』を計数してこれらを比較す
る手法が挙げられる。これらの『1』の計数値同士の差
分がある一定値以上(例えば、10%以上)になれば、
濃淡に変化が生じた、すなわち、基板Wの表面にフォト
レジスト液が到達したと判断する。
【0049】ステップT5(濃淡に変化?):画像処理
部54における濃淡変化の比較結果に基づいて処理を分
岐する。変化がない場合は、フォトレジスト液が基板W
表面に到達していないことを示しているので、上記のス
テップT1に戻って再び基板W表面の撮影を行う。ま
た、変化がある場合は、フォトレジスト液が基板W表面
に到達したことを示しているので、次のステップT6に
移行する。なお、上述した撮影に係る所定の周期とは、
上記ステップT1からこのステップT5の実行周期に相
当する。
【0050】ここでは、上記ステップT1からこのステ
ップT5を繰り返し実行した結果、図3に示すように供
給開始命令の実行時点TS から開始遅れ時間TDS1 経過
後の、時間t2 においてステップT5での判断が濃淡変
化ありとなった場合について説明する。
【0051】ステップT6(到達検出信号の出力、静止
画像をモニタに出力):画像処理部54からI/O制御
部53を介して、制御部20に『到達検出信号』を出力
するとともに、画像処理部54は画像メモリ55の静止
画像を取り出してI/O制御部53を介してモニタ59
に出力する。
【0052】『到達検出信号』を入力された制御部20
は、その時点t2 にてタイマスタート命令を実行して内
蔵タイマのリセットとともにカウントをスタートさせ、
供給時間TSUが経過した時点TE において供給停止命令
を実行する。この場合、次のようにしてフォトレジスト
液の供給が停止される。まず、上述したような2つの速
度制御弁18a,18bの動作/非動作状態を切り換え
て交互に繰り返し行う動作を停止することにより、複動
式エアシリンダ17が非動作状態となってベローズポン
プ14によるフォトレジスト液の供給が停止されるとと
もに、サックバックバルブ13を動作状態にして処理液
供給ノズル5内部のフォトレジスト液を僅かに先端部か
ら引き戻す。この動作により、処理液タンク16から供
給管12および処理液供給ノズル5を通るフォトレジス
ト液の供給は停止される。なお、上述したようにフォト
レジスト液の供給時には、供給開始命令の実行時点TS
から開始遅れ時間TDS1 が生じるが、供給停止命令の場
合には上記2つの速度制御弁18a,18bを非動作状
態とした時点において、フォトレジスト液の基板Wへの
供給が遮断されるので、このときの遅延は上記開始遅れ
時間TDS1 に比較して非常に短くほぼ無視することがで
きる。
【0053】上述したようにしてフォトレジスト液が基
板Wに到達したことに基づいて、供給開始命令の次の命
令であるタイマスタート命令を実行することにより、供
給開始命令以降の命令の実行タイミングをフォトレジス
ト液が基板Wに到達した時点に依存させることができ
る。したがって、供給開始命令が実行されてから実際に
基板Wにフォトレジスト液が到達するまでの開始遅れ時
間TDS1 を吸収することができ、フォトレジスト液の供
給時間TSUを一定化することができる。
【0054】また、『到達検出信号』を出力するととも
に、静止画像を取り出してI/O制御部53を介してモ
ニタ59に出力し、この静止画像を装置のオペレータが
確認することにより、到達検出と判断された画像が適切
か否かを判断することができる。例えば、上部蓋部材4
bの上方内周面に配設されたCCDカメラ30のレンズ
面に付着したミストに起因して、フォトレジスト液が基
板に到達していないにも係わらず『到達検出信号』が出
力されるなどの不具合の発見を容易にすることができ
る。このような不具合を発見した場合には、オペレータ
が装置を手動で停止させることにより、順次に処理され
る基板に不適切な処理が施されるのを未然に防止するこ
とができる。
【0055】次に、上記の基板Wの処理が完了し、新た
な基板Wの処理を行う場合について説明する。なお、先
の基板Wの処理時には、供給開始命令を実行した時点T
S から時間TDS1 だけ遅れてフォトレジスト液が基板に
到達したが、新たな基板Wの処理時には、例えば、他の
装置において加圧空気源の利用度が高まって、その圧力
が変動(低下)したことに起因して、開始遅れ時間が上
記開始遅れ時間TDS1よりも大きくなって開始遅れ時間
DS2 (図3を参照)となったとして説明する。また、
以下に説明する新たな基板Wの処理時における命令の実
行タイミングが先の基板処理時と異なる部分は、図3中
において括弧書き及び点線矢印で示すことにする。
【0056】このような場合には、供給開始命令の実行
時点TS は先の基板処理時と同一であるが、開始遅れ時
間が大きくなっているので(TDS2 >TDS1 )、『到達
検出信号』が制御部20に入力されるタイミングも、開
始遅れ時間TDS2 だけ遅れて(t3 )の時点になる。こ
れに伴ってタイマスタート命令も遅れるので、供給停止
命令の実行時点(TE )も遅れることになる。その結
果、『到達検出信号』が入力された時点(t3 )から供
給停止命令が実行される時点(TE )までの時間間隔
を、先の基板処理時と同じ供給時間(TSU)とすること
ができる。すなわち、フォトレジスト液は一定流量で処
理液供給ノズル5から基板Wに対して供給されるが、そ
の供給時間TSUが一定化されているので、各基板に対し
て供給されるフォトレジスト液の量を同一にすることが
できる。その結果、複数枚の基板を順次に処理してゆく
間に、加圧空気源の圧力変動に起因する開始遅れ時間が
変動したとしても、その変動を吸収することができて供
給時間を一定化することができる。また、例えば、速度
制御弁18の動作速度を調整したような場合であって
も、それに起因する開始遅れ時間の変動分をも吸収する
ことができる。
【0057】また、上記のように供給停止命令の実行時
点(TE )が遅れることに伴って、それ以降に実行され
る各命令も遅れることになる。具体的には、回転上昇命
令の実行がt4 から(t5 )に遅れるとともに、回転停
止命令もt8 から(t9 )に遅れることになる。その結
果、フォトレジスト液の供給が停止されて、回転が上昇
されるまでの時間を同一とすることができて、回転数R
1で供給されたフォトレジスト液を基板Wの全面に拡げ
る処理を同一時間施すことができ、さらに、回転数R2
に回転数を上昇されて停止されるまでの時間を同一とす
ることができて、基板Wの全面に拡げられたフォトレジ
スト液の余剰分を振り切る処理を同一時間施すことがで
きる。その結果、各基板に形成されるフォトレジスト被
膜の膜厚を均一にすることができる。また、各ロット間
や各ロット内における処理を全て均一に施すことがで
き、長期間にわたって安定して処理を施すことができ
る。
【0058】なお、上記の装置では、フォトレジスト液
の到達検出のためにCCDカメラ30によって撮影した
画像を利用したが、以下に説明するようにセンサを用い
て検出するようにしてもよい。この変形例について図6
を参照して説明する。
【0059】処理液供給ノズル5の、下方に向けられた
先端部分には、到達検出センサ6が取り付けられてい
る。到達検出センサ6は、処理液供給ノズル5の先端部
分に取り付け部材6aを介して取り付けられた投光器6
bと受光器6cとによって構成されている。それぞれの
投光部および受光部は基板W表面の回転中心Pに向けら
れており、投光器6bから照射された赤外波長領域の照
射光は基板W表面の回転中心P付近で反射され、この反
射光は赤外波長領域付近に感度を有する受光素子を内蔵
した受光器6cに入射される。この例では、到達検出セ
ンサ6の検出信号は、入光時オンとなるように設定され
ているので、処理液供給ノズル5の吐出孔5aからフォ
トレジスト液が吐出されて、距離Lを経て基板Wの表面
に到達した時点において、その検出信号がオフとなって
制御部20に『到達検出信号』として出力される。な
お、この到達検出センサ6は、本発明における到達検出
手段に相当するものである。
【0060】このように構成した場合には、図7のフロ
ーチャートのように動作する。ステップU1において、
命令が供給開始命令か否かを判断し、供給開始命令でな
い場合には、その命令を実行する(ステップU2)。こ
こで実行される命令としては、例えば、回転開始命令が
ある。その一方、命令が供給開始命令である場合には、
ステップU3において供給開始命令を実行する。そし
て、これ以降は、ステップU4において到達検出センサ
6がオフ、すなわち、『到達検出信号』が到達検出セン
サ6から制御部20に出力されるまでは、ステップU4
を繰り返し実行して、次の命令の実行を規制する。ステ
ップU4において到達検出センサ6がオフであると判断
された場合には、ステップU5に移行して命令の実行を
行う。このようにしても上述した構成の装置と同一の効
果を得ることができる。
【0061】なお、制御部20は、到達検出センサ6か
ら『到達検出信号』を入力されるとともに、I/O制御
部53にトリガ信号を出力して、その時点における基板
Wの表面を撮影するようにする。そして、この時点にお
ける基板W表面の静止画像をモニタ59に出力して、到
達検出センサ6によるフォトレジスト液の到達検出が適
切に行われているかを確認する。
【0062】また、上記の構成の他に、CCDカメラ3
0を2個配設して、一方をフォトレジスト液の到達検出
に使用し、他方を到達検出の確認用に使用するようにし
てもよい。
【0063】<スタティック法>(請求項3に記載の発
明方法) 次に、図8のタイムチャートを参照し、上述したCCD
カメラ30によりフォトレジスト液の到達検出を行う方
式で、かつ、基板Wが静止した状態でフォトレジスト液
の供給を開始し、その状態でフォトレジスト液の供給を
完了するスタティック法を採用した処理プログラムによ
る塗布処理について説明する。なお、図8のタイムチャ
ート中に記載の基準トリガ信号出力命令や通常トリガ信
号出力命令による動作や、括弧書き、点線矢印などの意
味は上述した通りである。
【0064】このスタティック法では、基板Wの回転数
が『0』回転、つまり、基板Wが静止している状態で供
給開始命令を実行してフォトレジスト液の供給を開始し
(時点TS )、その基板Wが回転開始命令により回転を
開始する時点TE で供給停止命令を実行することにより
その供給が完了するようになっている。
【0065】このようなスタティック法による塗布処理
であっても、上述した<ダイナミック法>と同様に、フ
ォトレジスト液が基板Wの表面に到達したことに基づい
て、供給開始命令の次の命令であるタイマースタート命
令を実行することによって、供給開始命令以降の命令の
実行タイミングをフォトレジスト液が基板Wの表面に到
達した時点に依存させることができる。したがって、フ
ォトレジスト液の供給開始命令が実行されてから実際に
基板Wの表面にフォトレジスト液が到達するまでの開始
遅れ時間TDS1 を吸収することができて、フォトレジス
ト液の供給時間TSUを一定化することができる。
【0066】また、開始遅れ時間がTDS1 からT
DS2 (>TDS1 )に変動した場合には、『到達検出信
号』が制御部20に入力されるタイミングも供給開始命
令の実行時点TS から開始遅れ時間TDS2 だけ遅れて
(t2 )の時点となる。よってタイマースタート命令の
実行も遅れるので、供給停止命令の実行時点(TE )も
遅れることになり、『到達検出信号』が入力された時点
(t2 )から供給停止命令が実行される時点(TE )ま
での時間間隔を、上記供給時間TSUと同じ供給時間(T
SU)にすることができる。したがって、開始遅れ時間が
変動したとしても、この変動を吸収することができてフ
ォトレジスト液の供給時間を一定化することができる。
また、供給停止命令とともに回転開始命令以降の各命令
の実行タイミングも遅れる。具体的には、回転上昇命令
の実行時点がt5 から〔開始遅れ時間TDS1とTDS2
の差分だけ遅れて〕(t6 )になるとともに、回転停止
命令もt9 から(t10)に遅れる。その結果、静止状態
で基板Wの中心付近に供給されたフォトレジスト液が回
転数R1で基板Wの全面に拡げられる処理を同一時間施
すことができる。さらに、回転数R2へと回転数を上昇
されて停止されるまでの時間を同一とすることができ
て、基板Wの全面に拡げられたフォトレジスト液の余剰
分を振り切る処理を同一時間施すことができる。その結
果、このようなスタティック法による塗布処理であって
も上述した<ダイナミック法>と同様の効果を得ること
ができる。
【0067】なお、上記の説明では、供給停止命令とと
もに回転開始命令を実行するようにしたが、供給停止命
令の実行時点は、供給開始命令が実行された時点から基
板Wを回転させるまでの間であればどの時点で実行され
るようにしてもよい。
【0068】<スタミック法>(請求項4に記載の発明
方法) 次に、図9のタイムチャートを参照して、上述したCC
Dカメラ30によりフォトレジスト液の到達検出を行う
方式で、かつ、基板Wが静止した状態でフォトレジスト
液を供給開始し、基板Wが回転を開始した後にフォトレ
ジスト液の供給を完了するスタミック法を採用した処理
プログラムによる塗布処理について説明する。
【0069】このスタミック法では、基板Wの回転数が
『0』回転、つまり、基板Wが静止している状態で供給
開始命令を実行してフォトレジスト液の供給を開始し
(時点TS )、その基板Wが回転開始命令により回転を
開始(時点t3 )した後、時点TE において供給停止命
令を実行してその供給を完了するようになっている。
【0070】このようなスタミック法であっても、上述
した<ダイナミック法>および<スタティック法>と同
様に、フォトレジスト液が基板Wの表面に到達したこと
に基づいて、供給開始命令よりも後のタイマースタート
命令を実行することによって、供給開始命令以降の命令
(タイマースタート命令,回転開始命令,………)の実
行タイミングをフォトレジスト液が基板Wの表面に到達
した時点に依存させることができる。したがって、上述
した例と同様に、開始遅れ時間TDS1 を吸収できて、フ
ォトレジスト液の供給時間TSUを一定化することができ
る。
【0071】また、上記同様、開始遅れ時間がTDS1
らTDS2 に変動した場合には、供給開始命令の実行時点
S から開始遅れ時間TDS2 だけ遅れて(t2 )時点に
おいて『到達検出信号』が制御部20に入力される。し
たがって、タイマースタート命令の実行も遅れるので、
供給停止命令の実行時点(TE )も遅れ、常に供給時間
をTSUに維持することができる。また、このスタミック
法では、タイマースタート命令が遅れるとともに、回転
開始命令の実行時点もt3 から(t5 )に遅れる。した
がって、静止状態で基板Wの中心付近に供給されたフォ
トレジスト液が回転数R1で基板Wの表面全体に拡げら
れる処理を同一時間だけ施すことができる。さらに、回
転数R2へと回転数を上昇されて停止されるまでの時間
を同一にすることができて、基板Wの表面全体に拡げら
れたフォトレジスト液の余剰分を振り切る処理を同一時
間施すことができる。その結果、上述した<ダイナミッ
ク法>と<スタティック法>とを組み合わせたようなス
タミック法であっても、上述した各方法と同様の効果を
得ることができる。
【0072】なお、上記の説明では、回転開始命令を実
行して基板Wの回転数がR1に到達した時点t4 よりも
後に、供給停止命令が実行されるように供給時間TSU
設定しているが、基板Wが回転を始めた後であれば任意
の時点で供給停止命令を実行するようにしてもよい。例
えば、基板Wの回転数が上昇されて回転数R1へ到達す
る途中(時点t3 とt4 との間)において供給停止命令
を実行するようにしてもよく、また、回転上昇命令が実
行される時点t7 までに供給停止命令を実行するように
してもよい。
【0073】また、上記の<スタティック法>、<スタ
ミック法>による塗布処理において、フォトレジスト液
の到達を検出するために、CCDカメラ30に代えて図
6に示した到達検出センサ6を採用しても同様の効果を
得られることは言うまでもない。
【0074】<好適な塗布方法>次に、上述したように
基板に対して均一な処理を施すことができる装置を用い
ることにより好適に実施することができるフォトレジス
ト液の塗布方法の一例について説明する。
【0075】まず、上述した図3のタイムチャートに示
す処理プログラム(ダイナミック法)により、フォトレ
ジスト液の塗布処理を行った場合には、図10の模式図
に示すようなフォトレジスト液Rの挙動によって基板W
の表面にフォトレジスト被膜が形成される。なお、この
図では、簡略的に基板Wを円で示し、フォトレジスト液
Rをハッチングした領域で示し、各図における基板Wの
回転数を矢印の大きさで模式的に示している。
【0076】まず、基板Wを回転数R1で低速回転させ
つつ基板Wの表面にフォトレジスト液Rを供給し始めた
直後の状態では、フォトレジスト液Rは平面視で円形状
の塊Ra (以下、これをコアRa と称する)となって基
板Wの回転中心付近にある。さらにフォトレジスト液R
を供給し続けると、このコアRa の径は回転に伴う遠心
力が作用してほぼ円形状を保ったまま基板Wの周縁に向
かって同心円状に拡がってゆく。
【0077】コアRa は暫くの間(数秒間)は円形状を
保っているが、その後に大きく形を変えてゆく。具体的
には、この円形状のコアRa の円周部から基板Wの周縁
部に向かって多数の細長いフォトレジスト液Rb の流れ
(以下、これをヒゲRb と称する)が放射状に伸び始め
る(図10(a))。この多数のヒゲRb は、遠心力に
よってコアRa の径の拡大とともに基板Wの周縁部に向
かって伸び続けるが、ヒゲRb はコアRa に比べてその
回転半径が大きく、そのために遠心力が大きく加わるの
で、コアRa の径の拡大よりも早く基板Wの周縁部に向
かって伸びることになる(図10(b))。
【0078】さらに基板Wの回転を回転数R1で続ける
と、多数のヒゲRb の先端部は、基板Wの周縁部に到達
し(図10(c))、フォトレジスト液RはコアRa
らヒゲRb を通って基板Wの周縁部に達して飛散(飛散
フォトレジスト液Rc )する。さらにコアRa の径が大
きくなるとともにヒゲRb の幅が拡がる(図10(c)
中の二点鎖線と図10(d))ことによって、フォトレ
ジスト液Rで覆われていないヒゲRb 間の領域が次第に
少なくなって基板Wの全面がフォトレジスト液R(コア
a ,ヒゲRb )によって覆われる(図10(e))。
なお、この時点で処理液供給ノズル5からのフォトレジ
スト液Rの供給を停止する(図3中の符号TE )。
【0079】以上のように、フォトレジスト液Rで基板
Wの表面全体を覆った後に、基板Wの回転数を、現在の
回転数R1よりも高い回転数R2として、基板Wの表面
を覆っているフォトレジスト液Rの余剰分(余剰フォト
レジスト液Rd )を振り切ることによって、基板Wの表
面に所望の膜厚のフォトレジスト被膜R’を形成する
(図10(f))。
【0080】ところが、図10(c)に示すように、多
数のヒゲRb が基板Wの周縁部に到達すると、これ以降
供給されるフォトレジスト液Rの大部分は、コアRa
らヒゲRb を通って基板Wの周囲に放出されて飛散する
(飛散フォトレジスト液Rc)ことになる。したがっ
て、基板Wの表面全体がフォトレジスト液Rによって覆
われるまでに大量のフォトレジスト液Rを供給する必要
があり、フォトレジスト液の使用量が極めて多くなる。
つまり、所望膜厚のフォトレジスト膜を得る際のフォト
レジスト液Rの利用効率が極めて低くなる。
【0081】そこで、図11のタイムチャートに示すよ
うに、フォトレジスト液Rの供給開始命令を実行した時
点TS から開始遅れ時間TDS1 が経過した後、すなわ
ち、実際にフォトレジスト液Rが基板Wの表面に到達し
た時点からTa 時間が経過した時点に、所定の加速度
(時間Tb 内に高速回転に切り換える)をもって基板W
の回転数を低い回転数R3から高い回転数R4に切り換
えることにより、以下のような挙動がフォトレジスト液
Rに生じる。なお、上記の回転数の一例は、回転数R3
が約1,500rpmであり、回転数R4が3,000
rpmとしている。また、回転数R3から回転数R4に
回転数を切り換える際には、約0.07secで完了す
るように制御する。
【0082】図12を参照する。回転数を低い回転数R
3から高い回転数R4に上げることにより、基板Wの周
縁部に向かって直線的に伸びていくはずのヒゲRb (図
中の実線および二点鎖線)に、回転数上昇過程における
加速度によって慣性力が作用するとともに回転による遠
心力が作用し、ヒゲRb の伸びる方向がその合力によっ
て周方向に曲げられるようにしてその幅が拡大する(図
中の点線)。さらにコアRa の径も拡大する。この作用
により各ヒゲRb の隙間が急激に狭められて、基板Wの
表面全体がフォトレジスト液Rによって覆われる時間を
短縮することができる。その結果、図10(c)に示す
状態でヒゲRb を通って周囲に飛散するフォトレジスト
c の量を少なくすることができる。
【0083】このように回転数をフォトレジスト液の供
給中に所定の加速度をもって上昇させるのであるが、そ
の上昇させるタイミングは、コアRa からヒゲRb が発
生し始める時点(図10(a)の状態)よりも後であっ
て、かつ、ヒゲRb が基板Wの周縁に達する前(図10
(c)の前の状態)であることが好ましい。また、実験
によると、8インチサイズの基板Wを約2,000rp
mで回転させつつフォトレジスト液を供給した場合に
は、基板W表面にフォトレジスト液が到達してから約
0.5sec以内(以下、到達時間と称する)でヒゲR
b が基板Wの周縁部に到達することが判明している。し
たがって、図11に示す処理プログラムのタイムチャー
トにおいて、時間Ta (フォトレジスト液が基板表面に
到達した時点t2 から回転数を上昇させるまでの時間)
を正確に、上記の到達時間内に収めるようにしなければ
ならない。従来装置においては、フォトレジスト液の供
給開始命令から開始遅れ時間だけ遅れが生じ、かつ、そ
の時間も変動するので、図11中の時点t2 が前後に変
動することになり、時間Ta を正確にすることができ
ず、その遅れの変動によって加速度を加えられる時点
の、基板W表面上のフォトレジスト液Rの形状がまちま
ちとなる恐れがある。これにより各基板Wにおいて塗布
状態が不均一となる不都合が生じる。
【0084】一方、本発明装置によれば、上述したよう
に、フォトレジスト液が基板Wの表面に到達する時点t
2 が変動しても、『到達検出信号』が出力されたことに
基づいて次の命令が実行されるので、この場合には『到
達検出信号』が出力された時点から時間Ta のカウント
が開始されて、その時間経過後に回転上昇命令が実行さ
れる。したがって、加速度を加えられる時点における、
基板W表面上のフォトレジスト液の形状を同じ状態とす
ることができるので、各基板Wにおいて塗布状態を均一
にすることが可能となる。したがって、所望膜厚の塗布
被膜を得るために供給するフォトレジスト液の量を極め
て少なくすることができる。
【0085】また、上記のような塗布方法では、図11
の回転上昇命令の実行時点(『到達検出信号』からTa
時間経過後)にトリガ信号を制御部20からI/O制御
部53に出力して、CCDカメラ30によりその時点の
基板Wの静止画像をモニタ59に表示させることによ
り、上記ヒゲRb の伸び具合や曲がり具合を確認するこ
とによって、タイミングにずれが生じていないかを確認
することができる。もし、その伸び具合や曲がり具合に
異常があれば、タイミングにずれが生じているので、オ
ペレータが手動により装置を停止すればよい。
【0086】なお、トリガ信号のタイミングとしては、
図11に示すように、基板Wの回転数を回転数R3から
回転数R4に上昇完了した時点としてもよい。これによ
っても上記のようにタイミングのずれを判断することが
できる。また、上記のトリガ信号とこのトリガ信号とを
両方出力して、2枚の静止画像を得るようにしてもよ
い。
【0087】また、CCDカメラ30を2個配設して、
一方をフォトレジスト液の到達検出に使用し、他方を上
記トリガ信号によるヒゲRb の伸び具合や曲がり具合の
撮影用に使用するようにしてもよい。
【0088】また、上記の図11のタイムチャートに示
した処理プログラムでは、回転数R3から回転数R4に
上昇完了した後にフォトレジスト液の供給を停止
(TE )したが、図中に点線矢印で示すように、フォト
レジスト液の供給を停止した後に回転数R4に加速して
もよく、また、回転数R4への加速途中にフォトレジス
ト液の供給を停止するようにしてもよい。すなわち、ヒ
ゲRb が周方向に曲げられるように加速度を印加するこ
とができればよく、種々の処理プログラムにより実現可
能である。このような場合には、上記トリガ信号は、フ
ォトレジスト液の供給停止時点や、加速開始時点や、加
速中の適宜の時点や、加速完了後の時点に設定すればよ
い。
【0089】上述したような本発明装置によると、上記
処理プログラムのように各命令の実行タイミングが非常
に重要な場合であっても、正確に処理を実施することが
できる。
【0090】なお、上述した<ダイナミック法>による
塗布処理において、上述したようなタイミングで加速を
行うことにより周囲に飛散するフォトレジスト液の量を
少なくすることができたが、この手法は<スタティック
法>および<スタミック法>であっても同様に実施可能
である。但し、上記の<ダイナミック法>では、基板W
の表面にフォトレジスト液が到達してからヒゲRb が基
板Wの周縁部に到達するまでの時間を到達時間とし、こ
の到達時間内に時間Ta を収める必要があったが、<ス
タティック法>および<スタミック法>の場合にはフォ
トレジスト液が基板Wの表面に到達した時点では回転が
加わっていないためヒゲRb が発生していない。したが
って、ヒゲRb が発生する、基板Wの回転駆動が開始さ
れた時点(TE 又はt2 )から回転数を上昇するまでの
時間Ta ' を、回転時に基板W表面にあるコアRa の径
などを勘案して上記の到達時間に基づく時間内に収める
ようにすればよい。
【0091】具体的には、<スタティック法>が図13
に示すタイムチャートのようになり、<スタミック法>
が図14に示すタイムチャートのようになる。これらの
場合であっても、上述したように『到達検出信号』が出
力されたことに基づいて次の命令が実行されるので、<
スタティック法>の場合には『到達検出信号』が出力さ
れた時点t1 から供給時間TSUのカウントが開始され、
その時間経過後(TE)に回転開始命令が実行される。
また、<スタミック法>の場合には『到達検出信号』が
出力された時点t1 から回転開始命令の実行時点t2
での時間および供給時間TSUのカウントが開始され、回
転開始命令の時間t2 になった時点で回転開始命令が実
行される。そして、それぞれ時間Ta ’が経過した時点
3 において回転上昇命令が実行されることになる。し
たがって、加速度を加えられる時点における、基板W表
面のフォトレジスト液の形状を同じ状態とすることがで
きるので、各基板Wにおいて塗布状態を均一にすること
ができること、フォトレジスト液の量を極めて少なくす
ることができることは上述した<ダイナミック法>の場
合と同様である。
【0092】なお、これらの場合であっても、<ダイナ
ミック法>において説明したように、回転上昇命令の実
行時点t3 にトリガ信号を制御部20からI/O制御部
53に出力して、CCDカメラ30によりその時点の静
止画像をモニタ59に表示させて、タイミングにずれが
生じていないか否かを確認することが好ましい。また、
トリガ信号の出力タイミングについても上記と同様であ
る。
【0093】また、処理液として、フォトレジスト液を
例に採って説明したが、処理液として現像液やリンス液
を供給する現像処理装置にも適用可能である。さらに、
基板の表面周縁部に塗布形成されたフォトレジスト被膜
を所定の除去幅をもって溶解除去する、いわゆるエッジ
リンス処理を行なう際にも本発明を適用することが可能
である。この場合には、上記変形実施例にならえば、到
達検出センサ6をエッジリンスノズルの先端部付近に配
設しておき、このセンサにより溶解液の到達を検出すれ
ばよい。
【0094】また、処理液としては、表面保護や絶縁の
ために利用されるSOG(Spin On Glass) 液や、ポリイ
ミド樹脂などにも適用可能である。
【0095】 以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明方法によれば、供給開始命令が実行され
たのち、基板に処理液が到達した時点を検出し、この検
出した時点で、それ以後の命令を実行することにより、
次の命令への移行を処理液が基板に到達した時点に依存
させることができる。したがって、処理液の供給に係る
開始遅れ時間およびその変動分を吸収することができ
て、処理液の供給時間を一定化することができる。その
結果、各ロット間や各ロット内における処理を全て均一
に施すことができ、長期間にわたって安定して処理を施
すことができる。
【0096】また、請求項2に記載の発明方法によれ
ば、基板が回転している状態で処理液の供給を開始し、
その状態で供給を完了するダイナミック法による処理液
供給方法であっても請求項1に記載の効果を得ることが
できる。
【0097】また、請求項3に記載の発明方法によれ
ば、基板が静止した状態で処理液の供給を完了するスタ
ティック法による処理液供給方法であっても請求項1と
同じ効果を得ることができる。
【0098】また、請求項4に記載の発明方法によれ
ば、基板が静止した状態で処理液の供給を開始して基板
が回転を開始した後にその供給を完了する、上記のダイ
ナミック法とスタティック法とを組み合わせたような処
理液供給方法(スタミック法)であっても請求項1と同
様の効果を得ることができる。
【0099】また、請求項5に記載の発明装置によれ
ば、請求項1ないし請求項4に記載の発明方法を好適に
実施することができる。
【0100】また、請求項6に記載の発明装置によれ
ば、基板面と処理液との反射率などの差異により静止画
像に濃淡を生じた時点、すなわち、濃淡変化を濃淡判別
手段により判別して、基板に処理液が到達したことを検
出することができる。したがって、基板表面の反射光の
有無に基づいて到達検知を行う反射型センサなどにより
構成される到達検出手段に比較して、基板表面における
乱反射などによる悪影響を受けにくいものとすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る処理液供給装置の一例である回転
式基板塗布装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】到達検出確認部を示すブロック図である。
【図3】ダイナミック法による塗布処理を示すタイムチ
ャートである。
【図4】基準トリガ信号が出力された場合の処理を示す
フローチャートである。
【図5】通常トリガ信号が出力された場合の処理を示す
フローチャートである。
【図6】到達検出センサを示す図である。
【図7】到達検出センサを採用した場合の処理の実行を
示す概略フローチャートである。
【図8】スタティック法による塗布処理を示すタイムチ
ャートである。
【図9】スタミック法による塗布処理を示すタイムチャ
ートである。
【図10】フォトレジスト液の挙動を示す模式図であ
る。
【図11】本発明装置によって実施するのに好適な塗布
処理プログラムを、ダイナミック法によって実施した一
例を示すタイムチャートである。
【図12】好適な塗布処理プログラムにおけるフォトレ
ジスト液の挙動を示す模式図である。
【図13】本発明装置によって実施するのに好適な塗布
処理プログラムを、スタティック法によって実施した一
例を示すタイムチャートである。
【図14】本発明装置によって実施するのに好適な塗布
処理プログラムを、スタミック法によって実施した一例
を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
W … 基板 1 … 吸引式スピンチャック 5 … 処理液供給ノズル(処理液供給手段) 14 … ベローズポンプ(処理液供給手段) 17 … シリンダ(処理液供給手段) 18 … 速度制御弁(処理液供給手段) 20 … 制御部(制御手段) 30 … CCDカメラ(撮影手段,到達検出手段) 40 … ストロボ 50 … 到達検出確認部(到達検出手段) 54 … 画像処理部(画像取出手段,濃淡判別手段)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 21/30 569A (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/02 B05C 11/10 G03F 7/30 H01L 21/027

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給開始命令を含む複数個の命令からな
    り、予め記憶されている一連の処理を規定する処理プロ
    グラムに基づき基板の中心付近に処理液を供給する処理
    液供給方法において、 供給開始命令が実行された後、基板に処理液が到達した
    時点を検出し、この検出した時点で、それ以後の処理プ
    ログラムの命令を実行することを特徴とする処理液供給
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の処理液供給方法におい
    て、前記基板の中心付近に供給する処理液を、前記基板
    が回転している状態で供給開始するとともに、その状態
    で供給完了するようにしたことを特徴とする処理液供給
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の処理液供給方法におい
    て、前記基板の中心付近に供給する処理液を、前記基板
    が静止した状態で供給開始するとともに、その状態で供
    給完了するようにしたことを特徴とする処理液供給方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の処理液供給方法におい
    て、前記基板の中心付近に供給する処理液を、前記基板
    が静止した状態で供給開始するとともに、前記基板が回
    転を開始した後に供給完了するようにしたことを特徴と
    する処理液供給方法。
  5. 【請求項5】 供給開始命令を含む複数個の命令からな
    り、予め記憶されている一連の処理を規定する処理プロ
    グラムに基づいて、制御手段が前記供給開始命令を実行
    することにより処理液供給手段を介して基板に処理液を
    供給する処理液供給装置において、 前記処理液供給手段から吐出される処理液が基板に到達
    した時点を検出する到達検出手段を備えるとともに、 前記制御手段は、前記処理プログラムに含まれている各
    命令を順次に実行してゆく際に、供給開始命令の実行に
    よって前記処理液供給手段を介して基板に処理液の供給
    を開始し、前記到達検出手段が処理液の到達を検出した
    時点で、それ以後の命令の実行を開始することを特徴と
    する処理液供給装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の処理液供給装置におい
    て、前記到達検出手段は、前記制御手段の指示に基づき
    基板表面を撮影する撮影手段と、前記撮影された画像を
    静止画像として取り出す画像取出手段と、前記静止画像
    の濃淡変化に基づいて処理液が基板表面に到達したこと
    を判別する濃淡判別手段と、から構成されていることを
    特徴とする処理液供給装置。
JP28973396A 1996-01-29 1996-10-31 処理液供給方法およびその装置 Expired - Fee Related JP3504089B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28973396A JP3504089B2 (ja) 1996-01-29 1996-10-31 処理液供給方法およびその装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3556396 1996-01-29
JP8-35563 1996-01-29
JP28973396A JP3504089B2 (ja) 1996-01-29 1996-10-31 処理液供給方法およびその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09270373A JPH09270373A (ja) 1997-10-14
JP3504089B2 true JP3504089B2 (ja) 2004-03-08

Family

ID=26374556

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28973396A Expired - Fee Related JP3504089B2 (ja) 1996-01-29 1996-10-31 処理液供給方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3504089B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7404681B1 (en) 2000-05-31 2008-07-29 Fsi International, Inc. Coating methods and apparatus for coating
JP4611961B2 (ja) * 2006-11-15 2011-01-12 旭化成エレクトロニクス株式会社 塗布方法
WO2015080081A1 (ja) * 2013-11-29 2015-06-04 リソテックジャパン株式会社 薬液供給機構及び小型製造装置
US10421867B2 (en) * 2015-03-16 2019-09-24 Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd. Priming material for substrate coating
JP6450650B2 (ja) 2015-06-16 2019-01-09 東京エレクトロン株式会社 処理装置、処理方法および記憶媒体
US10261521B2 (en) 2015-06-16 2019-04-16 Tokyo Electron Limited Processing apparatus, processing method, and storage medium

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09270373A (ja) 1997-10-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100199463B1 (ko) 도포액 도포방법 및 그 장치
JP3578577B2 (ja) 処理液供給方法及びその装置
CN108155130B (zh) 基板处理装置以及基板处理方法
JP4887310B2 (ja) 液処理装置
CN109817549B (zh) 基片处理装置和涂敷单元的参数的调整方法以及存储介质
TW201921539A (zh) 基板處理裝置
KR20080031618A (ko) 기판의 현상처리방법 및 기판의 현상처리장치
JP3504089B2 (ja) 処理液供給方法およびその装置
JP7331568B2 (ja) 液処理装置及び液処理装置の液検出方法
JPH115056A (ja) 処理液供給装置
JP4020489B2 (ja) 基板処理装置
JP3568360B2 (ja) 処理液供給装置
JP3544801B2 (ja) 処理液供給方法およびその装置
JPH10135100A (ja) 処理液供給装置
JPH1116810A (ja) 塗布液塗布方法及びその装置
JPH09153453A (ja) 処理液供給装置
JP2002316080A (ja) 基板処理装置
JPH11354419A (ja) 塗布装置
JP3835954B2 (ja) 基板処理装置
JP3093523B2 (ja) 半導体装置の製造装置
JP2000082646A (ja) 塗布液塗布方法及びその装置
JP2001126975A (ja) 基板塗布装置
JP2002126604A (ja) 基板処理装置
JP2000070834A (ja) 異常検出方法及びこれを用いた基板塗布装置
JP2002177845A (ja) レジスト塗布装置およびレジスト塗布工程の管理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20031209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20031209

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071219

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081219

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081219

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091219

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101219

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101219

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111219

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111219

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121219

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121219

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131219

Year of fee payment: 10

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees