JPH1116810A - 塗布液塗布方法及びその装置 - Google Patents

塗布液塗布方法及びその装置

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JPH1116810A
JPH1116810A JP16577097A JP16577097A JPH1116810A JP H1116810 A JPH1116810 A JP H1116810A JP 16577097 A JP16577097 A JP 16577097A JP 16577097 A JP16577097 A JP 16577097A JP H1116810 A JPH1116810 A JP H1116810A
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JP
Japan
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substrate
rotation speed
coating liquid
rotation
coating
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Application number
JP16577097A
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English (en)
Inventor
Takuya Sanari
卓也 左成
Masakazu Sanada
雅和 真田
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転制御を工夫することによって膜厚プロフ
ァイルを良好に保ちつつも、比較的厚い膜厚の塗布被膜
をも形成することができる。 【解決手段】 基板Wを第1の回転数R1で回転させて
塗布液を回転中心付近から端縁に向けて拡げ、第1の回
転数R1より低い第2の回転数R2を経て回転数を低く
し、さらに低い第3の回転数R3で回転させて、表面全
体に一定膜厚の塗布被膜を形成する塗布液塗布方法にお
いて、第1の回転数R1から第2の回転数R2には、基
板の回転中心付近から拡がってゆくほぼ円形状の塗布液
がその端縁に到達する前に切り換え、かつ、第2の回転
数R2から第3の回転数R3には、基板の表面全体を塗
布液が覆ってから切り換える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハ、フ
ォトマスク用のガラス基板、液晶表示装置用のガラス基
板、光ディスク用の基板など(以下、単に基板と称す
る)に対して、フォトレジスト液、SOG液(Spin On
Glass:シリカ系被膜形成材とも呼ばれる)、ポリイミド
樹脂などの塗布液を塗布する塗布液塗布方法及びその装
置に係り、特に、基板に供給された塗布液を拡げる回転
数を、一定膜厚にするための回転数よりも高して基板に
塗布被膜を形成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の塗布液塗布方法として、
例えば、図11に示すようなものが挙げられる。すなわ
ち、図11(a)に示すように基板を比較的高速の第1
の回転数R1で一定時間回転させつつ、例えば、塗布液
の一例であるフォトレジスト液を供給し、その後、第1
の回転数R1より低い第2の回転数R2を経て減速さ
せ、第1および第2の回転数R1,R2より低い回転数
R3で一定時間回転させる。このような塗布液塗布方法
では、第1の過程P1にて第1の回転数R1(スプレッ
ドスピンとも呼ばれる)で回転駆動することによりフォ
トレジスト液を基板の表面全体に塗り拡げ、第2の過程
P2において減速した後、第3の過程P3にて第3の回
転数R3(レベリングスピンとも呼ばれる)で回転駆動
することにより、塗布液の余剰分を振り切りつつフォト
レジスト液に含まれる溶媒を揮発させて膜厚を調整し、
一定膜厚のフォトレジスト被膜をその表面に形成するよ
うになっている。
【0003】なお、上記の過程においてフォトレジスト
液は、図11(b)の模式図に示すような挙動を示す。
供給開始時点tS の直後は、基板Wの回転中心付近に供
給されたフォトレジスト液Rが平面視ほぼ円形状の塊
(以下、コアRa と称する)を保っている。その後、図
中に点線で示すように、コアRa の外周部から基板Wの
端縁に向かって多数の細長いフォトレジスト液の流れ
(以下、ヒゲRb と称する)が発生する。そして、ヒゲ
b が基板Wの端縁に到達すると、供給され続けている
フォトレジスト液Rの多くがこれらのヒゲRb を通して
コアRa から周囲に飛散し始める。このようにして飛散
するフォトレジスト液の大部分は被膜形成にほとんど寄
与せず無駄になるが、ヒゲRb が端縁に到達してから短
時間のうちにコアRa が端縁に到達(以下、端縁到達時
間TARと称する)して、基板Wの表面全体を覆い尽くす
ことになる。上記の端縁到達時間TARは、比較的高速の
第1の回転数R1による強い遠心力により非常に短くな
っているので、フォトレジスト被膜R’を形成するのに
要するフォトレジスト液の量を少なくすることができ
る。
【0004】この手法では、上記のような利点がある一
方で、比較的高速の第1の回転数R1により生じる乱流
の影響を強く受けることになる。したがって、これに起
因して基板の回転中心付近と端縁に近い周辺部とではフ
ォトレジスト液の溶媒の揮発度合いに差異が生じ、フォ
トレジスト被膜を基板の表面全体にわたって均一にする
ことができず、膜厚プロファイルに乱れが生じるという
欠点がある。
【0005】そこで、膜厚プロファイルの乱れを抑制し
て、基板の表面全体にわたって均一な膜厚のフォトレジ
スト被膜を形成するために次のようなことが行われる。
【0006】すなわち、端縁で生じている乱流の影響を
回避するため、第1の過程P1においてフォトレジスト
液RのコアRa が基板の端縁に到達する前に、つまり、
端縁到達時間TARまでに第2の過程P2へと移行させ、
第2の過程P2を経て第3の過程P3へと移行させる。
この手法によると、第1の過程P1では、図11(b)
に示すようにフォトレジスト液が基板の表面全体を覆っ
ていないが、図11(c)に示すように第3の過程P3
の一部(例えば、図中の(t1 )時点まで)で全面を覆
わせることが可能である。このような手法により、乱流
の影響を回避して一定膜厚のフォトレジスト被膜を基板
の表面全体にわたって形成することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来方法には、次のような問題がある。すなわち、
比較的薄いフォトレジスト被膜を、膜厚プロファイルを
良好に保ちつつ形成することが可能である一方、比較的
厚いフォトレジスト被膜を形成するには、第3の過程P
3における第3の回転数R3を下げる必要がある。する
と、基板の表面全体を覆っていない状態の基板を低速回
転させることになるので、第3の過程P3の終了時に基
板の表面全体をフォトレジスト液で覆うことができず、
比較的厚い膜厚のフォトレジスト被膜を基板の表面全体
にわたって形成することができないという問題点があ
る。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、回転制御を工夫することによって膜厚
プロファイルを良好に保ちつつも、比較的厚い膜厚の塗
布被膜をも形成することができる塗布液塗布方法及びそ
の装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、請求項1に記載の塗布液塗布方法は、基板を第1の
回転数で回転させて、塗布液を回転中心付近から端縁に
向けて拡げる第1の過程と、前記第1の回転数より低い
第2の回転数を経て前記基板の回転数を低くする第2の
過程と、前記第2の回転数より低い第3の回転数で前記
基板を回転させて、前記基板の表面全体に一定膜厚の塗
布被膜を形成する第3の過程とをその順に実施する塗布
液塗布方法において、前記第1の過程から前記第2の過
程には、前記基板の回転中心付近から拡がってゆくほぼ
円形状の塗布液がその端縁に到達する前に移行し、か
つ、前記第2の過程から前記第3の過程には、前記基板
の表面全体を塗布液が覆ってから移行するようにしたこ
とを特徴とするものである。
【0010】また、請求項2に記載の塗布液塗布方法
は、請求項1に記載の塗布液塗布方法において、前記第
2の回転数を、前記第1の回転数より低く、かつ、前記
第3の回転数より高くして一定に保持するようにしたこ
とを特徴とするものである。
【0011】また、請求項3に記載の塗布液塗布装置
は、基板を第1の回転数で回転させて、塗布液を回転中
心付近から端縁に向けて拡げる第1の過程と、前記第1
の回転数より低い第2の回転数を経て前記基板の回転数
を低くする第2の過程と、前記第2の回転数より低い第
3の回転数で前記基板を回転させて、前記基板の表面全
体に一定膜厚の塗布被膜を形成する第3の過程とをその
順に実施する塗布液塗布装置において、前記基板を回転
自在に支持する回転支持手段と、前記基板の回転中心付
近に塗布液を供給する塗布液供給手段と、前記第1の過
程から前記第2の過程には、前記基板の回転中心付近か
ら拡がってゆくほぼ円形状の塗布液がその端縁に到達す
る前に移行し、かつ、前記第2の過程から前記第3の過
程には、前記基板の表面全体を塗布液が覆ってから移行
するように、前記回転支持手段を介して前記基板の回転
を制御する制御手段と、を備えていることを特徴とする
ものである。
【0012】また、請求項4に記載の塗布液塗布装置
は、請求項3に記載の塗布液塗布装置において、前記制
御手段は、前記第2の回転数を、前記第1の回転数より
低く、かつ、前記第3の回転数より高くして一定に保持
するようにしたことを特徴とするものである。
【0013】また、請求項5に記載の塗布液塗布装置
は、請求項3または請求項4に記載の塗布液塗布装置に
おいて、予め設定された、前記基板の回転中心付近から
拡がってゆくほぼ円形状の塗布液がその端縁に達する端
縁到達時間より短い減速開始時間および前記基板の表面
全体を塗布液が覆うまでに要する全面被覆時間を計時す
るタイマをさらに備え、前記制御手段は、前記タイマが
減速開始時間を計時したことに基づいて前記第1の過程
から前記第2の過程への移行を行い、前記タイマが全面
被覆時間を計時したことに基づいて前記第2の過程から
前記第3の過程への移行を行うようにしたことを特徴と
するものである。
【0014】また、請求項6に記載の塗布液塗布装置
は、請求項3または請求項4に記載の塗布液塗布装置に
おいて、前記基板の回転中心付近からその端縁に向かっ
て拡がってゆくほぼ円形状の塗布液を検出する光学検出
手段をさらに備え、前記制御手段は、ほぼ円形状の塗布
液の外周部が前記基板の端縁までの特定位置に到達した
ことを前記光学検出手段を介して検出し、これに基づき
前記第1の過程から前記第2の過程への移行を行い、前
記光学検出手段を介して前記基板の表面全体が覆われた
ことを検出し、これに基づき前記第2の過程から前記第
3の過程への移行を行うようにしたことを特徴とするも
のである。
【0015】
【作用】請求項1に記載の発明の作用は次のとおりであ
る。ほぼ円形状の塗布液が基板の回転中心付近から端縁
に到達する前に第1の過程から第2の過程へと移行する
ことにより、第1の回転数による乱流の影響を回避する
ことができる。そして、第2の過程で基板の表面全体を
塗布液が覆った後に、第2の過程から第3の過程へと移
行することによって、第3の回転数を比較的低くして厚
膜を形成する場合であっても未塗布領域が生じることを
防止することができる。
【0016】また、請求項2に記載の発明によれば、第
2の過程における第2の回転数を一定に保持することに
より、回転数を一定に保持することなく第1の回転数か
ら第2の回転数を経て第3の回転数へと暫時下げてゆく
場合に比較して、乱流の影響を短時間で回避することで
きるとともに、基板の表面全体に短時間で塗布液を塗り
拡げることができる。
【0017】また、請求項3に記載の発明の作用は次の
とおりである。制御手段が、回転支持手段を制御して、
塗布液供給手段から供給された塗布液が基板の回転中心
付近から端縁に到達する前に、第1の過程から第2の過
程へと移行するように基板の回転を制御することより、
第1の回転数による乱流の影響を回避することができ
る。そして、第2の過程で基板の表面全体を塗布液が覆
った後に、第2の過程から第3の過程へと移行するよう
に基板の回転を制御することによって、厚膜を形成する
ために第3の回転数を比較的低く設定したとしても未塗
布領域が生じることを防止することができる。
【0018】また、請求項4に記載の発明によれば、第
2の回転数を一定に保持するように制御することで、回
転数を一定に保持することなく第1の回転数から第2の
回転数を経て第3の回転数へと暫時下げてゆく場合に比
較して、乱流の影響を短時間で回避することできるとと
もに、基板の表面全体に短時間で塗布液を塗り拡げるこ
とができる。
【0019】また、請求項5に記載の発明によれば、実
験などにより予め求められた端縁到達時間よりも短い減
速開始時間をタイマにより計時し、これに基づき制御手
段が第1の過程から第2の過程への移行を行う。また、
同様にして予め求められた全面被覆時間をタイマにより
計時し、これに基づいて制御手段が第2の過程から第3
の過程への移行を行う。したがって、簡易な構成により
各過程への移行を意図した通りに処理を実施できる。
【0020】また、請求項6に記載の発明によれば、ほ
ぼ円形状の塗布液の外周部が基板の端縁までの特定位置
に達したことを光学検出手段によって検出し、これに基
づいて制御手段が第1の過程から第2の過程への移行を
行う。また、基板の表面全体が塗布液で覆われたことを
光学検出手段を介して検出し、これに基づいて制御手段
が第2の過程から第3の過程への移行を行う。したがっ
て、予め実験などにより端縁到達時間などを求める必要
がなく、また、基板の表面状態に影響を受けることが少
ないので、容易に安定してかつ正確に意図した通りに処
理を実施できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施例を説明する。 <第1実施例>図1は、第1実施例に係る塗布液塗布装
置の一例である回転式基板塗布装置(スピンコータとも
呼ばれる)の概略構成を示すブロック図である。
【0022】図中、符号1は、吸引式スピンチャックで
あり、基板Wをほぼ水平姿勢で吸着保持するものであ
る。この吸引式スピンチャック1は、回転軸2を介して
電動モータ3によって回転駆動されるようになってお
り、この回転により基板Wが回転中心P周りに回転駆動
される。なお、吸引式スピンチャック1と、回転軸2
と、電動モータ3は、本発明における回転支持手段に相
当する。また、上記のような吸引式スピンチャック1に
代えて、基板Wの下面周辺部および端縁を当接支持する
方式のスピンチャックを採用してもよい。
【0023】吸引式スピンチャック1の周囲には、処理
液の一例であるフォトレジスト液や基板Wの裏面を洗浄
する洗浄液などの飛散を防止するための飛散防止カップ
4aが配設されている。この飛散防止カップ4aは、図
示しない昇降機構によって昇降自在に構成されており、
図示しない搬送機構が未処理の基板Wを吸引式スピンチ
ャック1に載置、または、吸引式スピンチャック1から
処理済みの基板Wを受け取る際には、図示しない昇降機
構が飛散防止カップ4aのみを下降させることによっ
て、二点鎖線で示すように吸引式スピンチャック1を飛
散防止カップ4aの上部開口から上方に突出させる。な
お、飛散防止カップ4aを位置固定とし、図示しない昇
降機構により、吸引式スピンチャック1および回転軸2
を飛散防止カップ4aに対して昇降させるような構成と
してもよい。
【0024】飛散防止カップ4aの側方には、基板Wに
対してフォトレジスト液を供給するための塗布液供給ノ
ズル5が配備されている。この塗布液供給ノズル5は、
飛散防止カップ4aの側方にあたる待機位置(図示省
略)と、基板W面から上方に大きく離れた上方待機位置
(図1中の実線)と、基板W面に近接した、回転中心P
の真上にあたる供給位置(図示省略)とにわたって図示
しないノズル移動機構により移動されるように構成され
ている。なお、塗布液供給ノズル5は、本発明の塗布液
供給手段に相当するものである。
【0025】その下方に向けられた吐出孔5aは、例え
ば、4mm程度だけ基板Wの表面から上方に位置するよ
うになっている。この距離は、フォトレジスト液の粘度
や基板Wのサイズ、その表面状態により基板Wの表面に
滴下されたフォトレジスト液がその表面全体にわたって
拡げられる際にムラが発生しないように設定されている
ことが好ましい。
【0026】基板W下面の回転中心P側には、基板Wの
裏面に回り込んだフォトレジスト液や付着したミストを
洗浄除去するために洗浄液を吐出するバックリンスノズ
ル11が配設されている。なお、後述する塗布処理を示
すタイムチャートでは省略しているが、フォトレジスト
液やミストが基板Wの裏面に付着することを未然に防止
したり、基板Wの裏面に回り込んで付着したフォトレジ
スト液やそのミストを洗浄除去するために、このバック
リングノズル11から洗浄液を基板Wの裏面に供給する
ことが好ましい。
【0027】上述した電動モータ3の回転数や、塗布液
供給ノズル5からのフォトレジスト液の供給などは、本
発明の制御手段に相当する制御部20によって統括制御
されている。制御部20は、処理を規定するために予め
作成された処理プログラム(レシピーとも呼ばれる)に
基づいて各部の動作を制御する。この処理プログラム
は、キーボードなどにより構成されている設定部21を
介して予め入力されてメモリ22に格納されている。ま
た、フォトレジスト液の供給を開始した時点を基準に、
第1の回転数R1から第2の回転数R2へと減速を開始
するまでの時間(以下、減速開始時間Ta と称する)
と、減速を開始した時点を基準に、基板Wの表面全体を
フォトレジスト液が覆い尽くすまでに要する時間(以
下、全面被覆時間Tb と称する)とが予め実験によって
求められて設定部21を介してメモリ22に格納されて
いる。タイマ23は、処理プログラムに規定された各命
令の実行間隔をカウントしたり、減速開始時間Ta 、全
面被覆時間Tb を計時するものである。
【0028】なお、減速開始時間Ta は、図11(a)
に示したようにフォトレジスト液RのコアRa が基板W
の表面全体を覆い尽くす端縁到達時間TARより短い範囲
で設定されており、例えば、図11(a)のtE 時点を
模式的に示す図11(b)の模式図のように、コアRa
の半径が基板Wの半径の1/2程度になる時間に設定さ
れている。この減速開始時間Ta があまりに短いと、第
2の回転数R2によってフォトレジスト液を表面全体に
塗り拡げるのに要する時間が長くなって全体の処理時間
が長くなる。そこで、減速開始時間Ta は、全体の処理
時間を勘案して設定することが好ましい。また、全面被
覆時間Tb は、端縁到達時間TARに設定されている。
【0029】次に、図2を参照して塗布処理の一例につ
いて説明する。なお、図2(a)は処理プログラムに相
当するタイムチャートであり、図2(b)は塗布処理を
受けている基板の状態を模式的に示す図であり、基板を
簡略的に円形で示すとともにフォトレジスト液をハッチ
ングした領域により示している。また、図2(a)のタ
イムチャートでは、吸引式スピンチャック1に基板が吸
着支持され、供給位置に塗布液供給ノズル5が移動した
状態で、電動モータ3の回転を開始した時点を時間原点
としている。
【0030】まず、制御部20は電動モータ3の回転を
制御して、t1 時点で第1の回転数R1(例えば、4,
000rpm)に達するようにする。この第1の回転数
R1による回転が十分に安定した時点tS において、塗
布液供給ノズル5からフォトレジスト液の供給を開始す
るとともに、タイマ23による計時を開始する。tS
点の直後では、図2(b)に示すようにフォトレジスト
液Rが基板Wの回転中心付近でほぼ円形状(コアRa
を保ったままその径を拡大してゆくが、コアR a の径の
拡大よりも速くコアRa の外周部から発生した多数のフ
ォトレジスト液の流れ(ヒゲRb )が基板Wの端縁に向
かって伸長する。
【0031】制御部20は、処理プログラムに規定され
ているフォトレジスト液の供給時間が経過するtE 時点
でフォトレジスト液の供給を停止する。その後、タイマ
23により減速開始時間Ta が計時されたt2 時点にお
いて、制御部20は電動モータ3の回転を減速させ始め
る。なお、時間原点からt2 時点までが本発明の第1の
過程に相当するものである。また、tS 時点からt2
点まで時間は、例えば、0.2sec程度である。
【0032】図2(b)に示すようにt2 時点では、ヒ
ゲRb が基板Wの端縁に到達してはいるが、コアRa
基板Wの端縁に到達する前であり、コアRa の半径が基
板Wの半径の1/2程度にまで達している状態である。
したがって、第1の回転数R1によって基板Wの端縁付
近にて生じている乱流の影響をコアRa が受けることを
回避できる。
【0033】コアRa が基板Wの端縁に達する前のt2
時点において減速を始め、t3 時点にて第2の回転数R
2(例えば、3,000rpm)に到達するように制御
する。また、t2 時点において減速を始めると同時に、
タイマ23のリセットを行うとともに全面被覆時間Tb
の計時を開始する。この第2の回転数R2による回転駆
動は、t2 時点から全面被覆時間Tb を越えてt5 時点
まで維持される。
【0034】基板Wの表面全体をフォトレジスト液で覆
うためには、減速を開始したt2 時点から全面被覆時間
b が経過するt4 時点(図2(b)参照)まで第2の
回転数R2を保持すればよい。しかしながら、基板の表
面状態が微妙に異なるなどの理由により、予め設定した
全面被覆時間Tb で基板の表面全体が覆われないような
ことがあったとしても、t5 時点まで回転を維持するこ
とにより全面がフォトレジスト液で覆われるようにする
ため第2の回転数R2をt5 時点まで維持している。
【0035】基板の表面全体がフォトレジスト液で覆い
尽くされた後、t5 時点において第2の回転数R2から
減速を開始し、t6 時点で第3の回転数R3(例えば、
2,000rpm)に達するように駆動する。なお、上
記のt2 時点からt6 時点までが本発明の第2の過程に
相当する。また、t2 時点からt6 時点まで時間は、例
えば、2sec程度である。
【0036】そして、第3の回転数R3をt7 時点まで
保持し、t8 時点において停止させる。これにより基板
の表面全体を覆っているフォトレジスト液の余剰分を振
り切るとともに、フォトレジスト液に含まれている溶媒
を基板の面内でほぼ均一に揮発させて一定膜厚のフォト
レジスト被膜R’(図2(b)参照)を形成する。な
お、上記t6 時点からt8 時点が本発明の第3の過程に
相当する。
【0037】このようにして形成されたフォトレジスト
被膜は、第1の回転数R1による乱流の影響を受けてお
らず、また、全面をフォトレジスト液が覆った後に低速
の第3の回転数R3に減速して振り切り乾燥しているの
で、基板の表面全体にわたって膜厚が均一なフォトレジ
スト被膜を形成することができる。また、図2(a)中
に点線(t6 以降)で示すように、第3の回転数R3を
低くした場合であっても、未塗布領域を生じさせること
なく厚膜のフォトレジスト被膜をも良好に形成すること
ができる。
【0038】なお、上記の実施例では、減速開始時間T
a の基準を供給開始時点tS としたが、回転を開始した
時間原点を基準にしてもよい。また、全面被覆時間Tb
の基準を減速開始時間Ta の経過時点としているが、供
給開始時点tS または時間原点としてもよい。
【0039】また、上記の説明において具体的に挙げた
第1の回転数R1,第2の回転数R2,第3の回転数R
3の各数値は、8インチ径の基板Wを処理する場合の一
例であり、基板の表面状態やフォトレジスト液の粘度な
どを勘案して、第1の回転数R1を3,000rpm以
上、第2の回転数R2を2,000〜3,000rp
m、第3の回転数R3を2,000rpm以下で適宜に
設定すればよい。
【0040】<第2実施例>次に、図3および図4を参
照して第2実施例に係る回転式基板塗布装置について説
明する。なお、図3は回転式基板塗布装置の概略構成を
示すブロック図であり、図4は塗布液検出部のブロック
図である。また、上述した<第1実施例>と同じ構成の
ものには同符号を付すことで詳細な説明については省略
する。
【0041】飛散防止カップ4aの上部開口には、ダウ
ンフローを取り込むための複数個の開口を上部に形成さ
れた上部蓋部材4bが、この装置のフレームに固定され
て位置固定の状態で配設されている。また、図示しない
搬送機構が未処理の基板Wを吸引式スピンチャック1に
載置、または、吸引式スピンチャック1から処理済みの
基板Wを受け取る際には、図示しない昇降機構が飛散防
止カップ4aのみを下降させることによって、飛散防止
カップ4aと上部蓋部材4bとを分離し、吸引式スピン
チャック1を飛散防止カップ4aの上部開口から上方に
突出させる。なお、飛散防止カップ4aを位置固定と
し、図示しない昇降機構により、上部蓋部材4bと回転
軸2とを飛散防止カップ4aに対して上昇させるような
構成としてもよい。
【0042】上部蓋部材4bの上部内周面には、その左
側にCCDカメラ30が、その右側にはストロボ40が
配設されている。CCDカメラ30は、固体撮像素子で
あるCCDと、電子シャッターと、レンズなどから構成
されており、その撮影範囲が後述するように回転中心P
付近から基板Wの端縁部を含むように設定されている。
また、ストロボ40は、フォトレジスト液が感光しない
ように装置自体が暗室内に設置されているので、基板W
を撮影する際の照明として用いるためのものである。ス
トロボ40は、例えば、キセノンランプと、500nm
以上の波長を透過するバンドパスフィルタBPFとを組
み合わせて構成されている。これらのCCDカメラ30
およびストロボ40は、塗布液検出部70に接続されて
いる。
【0043】なお、ストロボ40としては、キセノンラ
ンプに代えて、赤外光付近に分光感度を有する高輝度赤
外発光ダイオードまたは赤外発光ダイオードアレイを採
用してもよい。この場合には、バンドパスフィルタBP
Fは不要となる。また、ストロボ40としては、供給す
るフォトレジスト液の分光感度に応じて適宜に選択すれ
ばよい。
【0044】図4を参照して塗布液検出部70について
説明する。ストロボ40は、ストロボ電源71から所要
の電力を供給されて連続的に点灯されている。CCDカ
メラ30は、その動作制御、例えば、撮影タイミングを
決定する電子シャッターの動作制御がカメラ制御部72
によって制御される。詳細は後述するが、カメラ制御部
72への撮影開始指示は、基板の処理中に制御部20に
より『撮影開始命令』が実行された場合である。なお、
上記のストロボ40は、連続点灯である必要はなく、撮
影タイミングに同期させて間欠発光させるようにしても
よい。
【0045】CCDカメラ30は、その取り付け位置に
よって種々の撮影範囲に調整可能であるが、例えば、図
5に示すような撮影範囲100に設定されている。この
ような撮影範囲100に設定しておくことにより、塗布
液供給ノズル5の吐出孔5aから供給され、回転中心P
付近から端縁部に向かって拡がってゆくフォトレジスト
液のコアの外周部を検出することができる。基板への塗
布処理に先立って撮影範囲100の撮影を行うが、その
画像信号はI/O制御部73を介してモニタ76に出力
される。この画像を見ながらオペレータが設定部77を
用いて『第1特定領域』120Aおよび『第2特定領
域』120Bを設定する。設定された各領域は、特定領
域記憶部78aに格納される。
【0046】『第1特定領域』120Aは、基板Wの回
転中心Pから端縁までの間の特定位置を示す、回転中心
P付近に供給されて端縁に向かって拡がってゆくフォト
レジスト液Rの外周部を検出するためのものである。ま
た、『第2特定領域』120Bは、フォトレジスト液に
よって基板の表面全体が覆われたか否かを判断するため
のものである。
【0047】基板の処理時に『撮影開始命令』が実行さ
れた場合には、この時点で撮影された画像のうち『第1
特定領域』120Aの画像が多階調に変換され、画像処
理部74において全ての画素値の平均値が平均画素値と
して算出される。
【0048】上述したように、フォトレジスト液が基板
の回転中心から端縁に向かって拡がってゆく際には、図
2(b)に示したように、まずヒゲRb が端縁に向かっ
て伸長してゆき、それに続いてコアRa が急速に径を拡
大してきて基板Wの表面全体をコアRa が覆われる。し
たがって、この過程においては、『第1特定領域』12
0Aの平均画素値が、例えば、図6の平均画素値曲線C
Aのように変化する。なお、このような平均画素値曲線
CAは、処理に先立って行われる実験によって収集され
たデータに基づくものである。
【0049】すなわち、『第1特定領域』120Aにフ
ォトレジスト液RのヒゲRb もコアRa も達していない
過程では、基板W面だけが撮影されるので、ある大きな
平均画素値V1 で一定である。その後、ヒゲRb が端縁
に向かって伸長しつつ、その幅を拡げてゆく過程では、
反射率が次第に低下してゆく。そして、『第1特定領
域』120Aにフォトレジスト液RのコアRa が到達す
るt2 時点では、急激に反射率が低下するため平均画素
値も急激に低下する。その後は、コアRa の厚みがほぼ
一定するので、ある小さな平均画素値V2 で一定化す
る。
【0050】このように変位する『第1特定領域』12
0Aの平均画素値曲線CAのうち、コアが『第1特定領
域』120Aに達したと判断する基準となる平均画素値
をスレッショルドthとして設定部77から予め入力し
ておく。このスレッショルドthは、スレッショルド記
憶部78bに格納される。基板の処理中において、『第
1特定領域』120Aの平均画素値にスレッショルドt
hが一致すると、I/O制御部73から制御部20に
『特定位置到達信号』が出力される。
【0051】『第1特定領域』120AにおいてコアR
a が検出されて『特定位置到達信号』が出力された後
は、同様にして『第2特定領域』120Bの画像が多階
調に変換され、画像処理部74において全ての画素値の
平均値が平均画素値として算出される。
【0052】この場合には、例えば、図6中に点線で示
すように、『第1特定領域』120Aの平均画素値曲線
CAを右方向にシフトしたような『第2特定領域』12
0Bの平均画素値曲線CBを示す。つまり、次第に低下
してゆく平均画素値が、コアRa が基板の端縁に到達す
る端縁到達時間TARが経過した時点t4 において急激に
低下する。この場合にもコアが端縁に到達したと判断す
る平均画素値をスレッショルドthとして予め入力して
おく。つまり、この例では、『第1特定領域』120A
および『第2特定領域』120Bともにスレッショルド
thが入力されているものとする。なお、基板の処理時
に、『第2特定領域』120Bの平均画素値にスレッシ
ョルドthが一致すると、I/O制御部73から制御部
20に『全面被覆信号』が出力されるようになってい
る。
【0053】なお、上述したCCDカメラ30と、スト
ロボ40と、塗布液検出部70は、本発明における光学
検出手段に相当するものである。
【0054】次に、図7および図8を参照して上記のよ
うに構成された装置によるフォトレジスト液の塗布処理
について説明する。なお、図7は塗布処理を示すタイム
チャートであり、図8は撮影開始命令が出力されてから
の動作を示すフローチャートである。
【0055】基本的な処理の流れは、上述した<第1実
施例>と同様に、第1の回転数R1で回転駆動させつつ
フォトレジスト液を供給し、フォトレジスト液のコアが
端縁に達する前に、第2の回転数R2に減速する。そし
て、第2の回転数R2によって基板の表面全体がフォト
レジスト液によって覆われた後に、第3の回転数R3に
減速して一定膜厚のフォトレジスト被膜を形成しようと
いうものである。上記<第1実施例>の装置では、予め
実験によって求められた減速開始時間Ta が経過したこ
とに基づき第1の回転数R1から第2の回転数R2へ移
行し、同様にして求められた全面被覆時間Tb が経過し
たことに基づき第2の回転数R2から第3の回転数R3
へと移行した。その一方、この第2実施例では、特定位
置にフォトレジスト液のコアが達したことを検出して第
2の回転数R2へ移行し、さらにコアが基板の端縁に達
したことを検出して第3の回転数R3へと移行するよう
になっている。
【0056】すなわち、第1の回転数R1で基板が回転
駆動されてtS 時点でフォトレジスト液の供給が開始さ
れるとともに、制御部20は、塗布液検出部70に対し
て『撮影開始命令』を出力する。すると、塗布液検出部
70は、以下のように動作する。
【0057】ステップS1(撮影) 塗布液検出部70は、上述したようにして撮影範囲10
0を所定の周期で撮影する。
【0058】ステップS2(平均画素値を算出) 画像処理部74は、特定領域記憶部78aに格納されて
いる『第1特定領域』120Aを参照して、撮影範囲1
00のうちの『第1特定領域』120Aに対応する領域
の平均画素値を算出する。
【0059】ステップS3(スレッショルドに一致?) 上述したようにしてスレッショルド記憶部78bに格納
されているスレッショルドthと、算出された平均画素
値とを比較する。そして、平均画素値がスレッショルド
th以下になるまで上記のステップS1から繰り返し実
行する。平均画素値がスレッショルドth以下になった
場合には、フォトレジスト液のコアが『第1特定領域』
120Aまで達していることを示しているので、ステッ
プS4に分岐する。
【0060】ステップS4(特定位置到達信号の出力) 塗布液検出部70は、t2 時点にて『特定位置到達信
号』を制御部20に対して出力する。さらに、モニタ7
6にスレッショルドth以下となった平均画素値を有す
る画像を出力する。オペレータは、この画像をみること
で正常に判断がなされているか否かを判断することがで
きる。もし仮に、CCDカメラ30にミストなどが付着
して異常な判断がされている場合には、オペレータが装
置を手動で停止させればよい。これにより不適切な処理
が後続の基板に対して行われることを未然に防止するこ
とができる。
【0061】『特定位置到達信号』を入力された制御部
20は、これに基づきt2 時点にて第1の回転数R1を
減速し始め、t3 時点で第2の回転数R2に達するよう
に減速する。このt2 時点では、図2(b)におけるt
2 時点の模式図とほぼ同じ状態である。つまり、フォト
レジスト液RのコアRa は、基板Wの端縁には到達して
いない。
【0062】上述したように制御部20に対して『特定
位置到達信号』が出力された後も、図8のステップS5
において撮影範囲100の撮影が行われる。そして、ス
テップS6において『第2特定領域』120Bの平均画
素値が算出され、その平均画素値がスレッショルドth
以下になるまで、ステップS5から繰り返し実行する。
スレッショルドth以下になるとフォトレジスト液のコ
アが『第2特定領域』120Bまで達していることを示
しているので、ステップS8に分岐し、『全面被覆信
号』を制御部20に対して出力するとともにモニタ76
にそのときの画像信号を出力する。
【0063】『全面被覆信号』を入力された制御部20
は、これに基づきt4 時点にて第2の回転数R2を減速
し始め、t5 時点で第3の回転数R3に達するように減
速する。このt4 時点では、図2(b)におけるt4
点の模式図とほぼ同じ状態である。つまり、フォトレジ
スト液RのコアRa が基板Wの端縁に到達した状態であ
る。
【0064】そして、t5 時点からt6 時点まで第3の
回転数R3を保持し、t7 時点で回転を停止させる。こ
れによって基板の表面全体を覆ったフォトレジスト液の
余剰分を振り切って乾燥させ、一定膜厚のフォトレジス
ト被膜を形成するが、上述したようにコアが基板の表面
全体を覆う前に減速して乱流の影響を回避し、基板の表
面全体をフォトレジスト液が覆った後に余剰分を振り切
って乾燥させるようにしているので、上述した第1実施
例と同様に、膜厚が均一なフォトレジスト被膜を形成す
ることができる。また、第3の回転数を低くした場合で
あっても、未塗布領域が生じることなく厚膜の被膜を良
好に形成可能である。
【0065】また、この第2実施例では、上記第1実施
例のように予め設定した時間を基準にして各回転数への
移行を行うのではなく、フォトレジスト液のコアの位置
を検出し、これに基づいて各回転数への移行を行うよう
にしている。上述した第1実施例では基板の表面全体を
フォトレジスト液が覆う度合いに差異があった場合を考
慮して、第2の回転数R2から第3の回転数R3へ切り
換える時間に余裕をもたせたが、本実施例装置ではその
差異を吸収することができるのでそのような余裕をもた
せる必要がなく全体の処理時間を僅かながら短縮するこ
とが可能である。
【0066】例えば、基板の表面状態に差異があってフ
ォトレジスト液の拡がり具合が先の基板と異なる(拡が
りにくい)場合、先の基板処理時にはt2 時点で出力さ
れた特定位置到達信号が(t2a)時点に遅れる。また、
それより低い第2の回転数R2にしてフォトレジスト液
を全面に塗り拡げるため、第1の回転数R1時の遅れよ
りもさらに遅れて、つまり端縁到達時間TARが端縁到達
時間(TAR)となってt5 時点で全面被覆信号が出力さ
れることになる。このようにして基板の表面状態に起因
する差異を吸収することができ、安定してかつ正確に意
図した通りに処理を実施できる。したがって、複数枚の
基板を処理する際に、各基板に同一の条件で処理を施す
ことができる。
【0067】また、本実施例によると、上記第1実施例
のように予め基板にフォトレジスト液を供給して、拡が
り具合を観察したり、形成された被膜の状態を評価する
ことによって回転制御の時間を設定するような煩雑さが
なく容易に上記の効果を得ることができる。
【0068】なお、上記第2実施例では、光学検出手段
をCCDカメラ30と、ストロボ40と、塗布液検出部
70とで構成したが、例えば、CCDカメラ30とスト
ロボ40に代えて一定出力のレーザー光を照射するレー
ザー出力部と、レーザー光の強度をリニアに出力する受
光部とを採用してもよい。そして、レーザー光を上述し
た第1/第2特定領域に照射して、その反射光を受光部
で受光し、受光信号のレベルに基づいてコアの位置検出
を行うようにしてもよい。このような構成によると、ス
トロボ40が不要となるとともに、平均画素値を求める
等の画像処理が不要となって構成が簡単化できる。
【0069】また、上述した第1実施例および第2実施
例では、第2の回転数R2を一定に保持するようにした
が、図9中に実線および点線で示すように第2の回転数
R2を一定に保持することなく、第1の回転数R1から
第2の回転数R2を経て第3の回転数R3へと暫時曲線
的にまたは暫時直線的に変位させるように変形実施する
ことも可能である。
【0070】また、図10に示すように第2の回転数R
2を一定に保持することなく、第1の回転数R1から一
端は第2の回転数R2より低い回転数に下げ、その後、
第2の回転数R2に向けて加速しつつ第3の回転数R3
へと変位(図中の実線)させるようにしてもよく、第1
の回転数R1から一端は第2の回転数R2より高い回転
数に下げ、その後、第2の回転数R2に向けて減速しつ
つ第3の回転数R3へと変位(図中の点線)させるよう
にしてもよい。
【0071】なお、上記の説明においては、基板を回転
させつつフォトレジスト液の供給を開始し、その状態で
供給を完了する方法(ダイナミック法)を例に採って説
明したが、本発明はこのようなフォトレジスト液の供給
方法に限定されるものではない。例えば、基板を静止さ
せた状態でフォトレジスト液の供給を開始し、その状態
で供給を完了する方法(スタティック法)や、基板を静
止させた状態でフォトレジスト液の供給を開始し、回転
を開始した後に供給を完了するようにした、上記のダイ
ナミック法とスタティック法とを組み合わせたような方
法(スタミック法)であってもよい。
【0072】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の方法発明によれば、第1の回転数による乱流
の影響を回避することができるとともに、第3の回転数
を比較的低くした場合であっても、未塗布領域を生じさ
せることなく基板の表面全体を塗布液で覆うことができ
るので、膜厚プロファイルを良好に保ちつつ厚い膜厚の
塗布被膜をも形成することができる。
【0073】また、請求項2に記載の方法発明によれ
ば、回転数を一定に保持することなく第1の回転数から
第2の回転数を経て第3の回転数へと暫時下げてゆく場
合に比較して、乱流の影響を短時間で回避することでき
るとともに、基板の表面全体に短時間で塗布液を塗り拡
げることができる。したがって、処理時間を短縮するこ
とが可能である。
【0074】また、請求項3に記載の装置発明によれ
ば、請求項1に記載の方法発明を好適に実施することが
できる。
【0075】また、請求項4に記載の装置発明によれ
ば、請求項2に記載の方法発明を好適に実施することが
できる。
【0076】また、請求項5に記載の装置発明によれ
ば、予め実験などにより求められた減速開始時間および
全面被覆時間を設定しておくことにより、未塗布領域が
生じることなく厚い膜厚の塗布被膜を形成することがで
きる。したがって、簡易な構成で効果を得ることがで
き、装置コストを低減することができる。
【0077】また、請求項6に記載の装置発明によれ
ば、予め実験などにより端縁到達時間などを求める必要
がなく、また、基板の表面状態に影響を受けることが少
なくなるので、容易に安定してかつ正確に意図した通り
に処理を実施できる。したがって、複数枚の基板を処理
する際に、各基板に同一の条件で処理を施すことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る回転式基板塗布装置の概略構
成を示すブロック図である。
【図2】塗布処理を示すタイムチャートである。
【図3】第2実施例に係る回転式基板塗布装置の概略構
成を示すブロック図である。
【図4】塗布液検出部を示すブロック図である。
【図5】撮影範囲を示す図である。
【図6】平均画素値曲線を示すグラフである。
【図7】塗布処理を示すタイムチャートである。
【図8】撮影開始命令が出力された場合の動作を示すフ
ローチャートである。
【図9】変形例を示すタイムチャートである。
【図10】他の変形例を示すタイムチャートである。
【図11】従来例に係る塗布液塗布方法のタイムチャー
トである。
【符号の説明】
W … 基板 1 … 吸引式スピンチャック(回転支持手段) 2 … 回転軸(回転支持手段) 3 … 電動モータ(回転支持手段) 5 … 塗布液供給ノズル(塗布液供給手段) 20 … 制御部(制御手段) 23 … タイマ 30 … CCDカメラ(光学検出手段) 70 … 塗布液検出部(光学検出手段) TAR … 端縁到達時間 Ta … 減速開始時間 Tb … 全面被覆時間 R … フォトレジスト液 Ra … コア Rb … ヒゲ R’ … フォトレジスト被膜 120A … 第1特定領域 120B … 第2特定領域

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を第1の回転数で回転させて、塗布
    液を回転中心付近から端縁に向けて拡げる第1の過程
    と、前記第1の回転数より低い第2の回転数を経て前記
    基板の回転数を低くする第2の過程と、前記第2の回転
    数より低い第3の回転数で前記基板を回転させて、前記
    基板の表面全体に一定膜厚の塗布被膜を形成する第3の
    過程とをその順に実施する塗布液塗布方法において、 前記第1の過程から前記第2の過程には、前記基板の回
    転中心付近から拡がってゆくほぼ円形状の塗布液がその
    端縁に到達する前に移行し、かつ、前記第2の過程から
    前記第3の過程には、前記基板の表面全体を塗布液が覆
    ってから移行するようにしたことを特徴とする塗布液塗
    布方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の塗布液塗布方法におい
    て、前記第2の回転数を、前記第1の回転数より低く、
    かつ、前記第3の回転数より高くして一定に保持するよ
    うにしたことを特徴とする塗布液塗布方法。
  3. 【請求項3】 基板を第1の回転数で回転させて、塗布
    液を回転中心付近から端縁に向けて拡げる第1の過程
    と、前記第1の回転数より低い第2の回転数を経て前記
    基板の回転数を低くする第2の過程と、前記第2の回転
    数より低い第3の回転数で前記基板を回転させて、前記
    基板の表面全体に一定膜厚の塗布被膜を形成する第3の
    過程とをその順に実施する塗布液塗布装置において、 前記基板を回転自在に支持する回転支持手段と、 前記基板の回転中心付近に塗布液を供給する塗布液供給
    手段と、 前記第1の過程から前記第2の過程には、前記基板の回
    転中心付近から拡がってゆくほぼ円形状の塗布液がその
    端縁に到達する前に移行し、かつ、前記第2の過程から
    前記第3の過程には、前記基板の表面全体を塗布液が覆
    ってから移行するように、前記回転支持手段を介して前
    記基板の回転を制御する制御手段と、 を備えていることを特徴とする塗布液塗布装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の塗布液塗布装置におい
    て、前記制御手段は、前記第2の回転数を、前記第1の
    回転数より低く、かつ、前記第3の回転数より高くして
    一定に保持するようにしたことを特徴とする塗布液塗布
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4に記載の塗布液
    塗布装置において、予め設定された、前記基板の回転中
    心付近から拡がってゆくほぼ円形状の塗布液がその端縁
    に達する端縁到達時間より短い減速開始時間および前記
    基板の表面全体を塗布液が覆うまでに要する全面被覆時
    間を計時するタイマをさらに備え、前記制御手段は、前
    記タイマが減速開始時間を計時したことに基づいて前記
    第1の過程から前記第2の過程への移行を行い、前記タ
    イマが全面被覆時間を計時したことに基づいて前記第2
    の過程から前記第3の過程への移行を行うようにしたこ
    とを特徴とする塗布液塗布装置。
  6. 【請求項6】 請求項3または請求項4に記載の塗布液
    塗布装置において、前記基板の回転中心付近からその端
    縁に向かって拡がってゆくほぼ円形状の塗布液を検出す
    る光学検出手段をさらに備え、前記制御手段は、ほぼ円
    形状の塗布液の外周部が前記基板の端縁までの特定位置
    に到達したことを前記光学検出手段を介して検出し、こ
    れに基づき前記第1の過程から前記第2の過程への移行
    を行い、前記光学検出手段を介して前記基板の表面全体
    が覆われたことを検出し、これに基づき前記第2の過程
    から前記第3の過程への移行を行うようにしたことを特
    徴とする塗布液塗布装置。
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