JP3578594B2 - 塗布液塗布装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用のガラス基板、液晶表示装置用のガラス基板、光ディスク用の基板など(以下、単に基板と称する)に対して、フォトレジスト液、SOG液(Spin On Glass:シリカ系被膜形成材とも呼ばれる)、ポリイミド樹脂などの塗布液を供給する塗布液塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の装置は、塗布液の供給を開始する供給開始命令と、供給されている塗布液の供給を停止するための供給停止命令とを含み、予め記憶されている一連の処理を規定する処理プログラムに基づいて、例えば、基板を回転させつつ塗布液を供給して塗布被膜を形成するようになっている。
【0003】
このような装置では、供給開始命令の実行により塗布液の供給を開始し、供給停止命令の実行によりその供給を停止するが、塗布液の供給に係る機構の一部は、クリーンルーム内に設けられているユーティリティ(例えば、加圧空気源)を駆動源として利用していることが多い。このユーティリティは、他の装置などで共有されていることもあって、その状態が時々刻々と変動するのが一般的である。したがって、供給開始命令が実行された時点からある遅れ時間(以下、開始遅れ時間と称する)が経過して実際に塗布液の供給が開始され、供給停止命令が実行された時点からある遅れ時間(以下、停止遅れ時間と称する)が経過して実際に塗布液の供給が停止され、さらにこれらの遅れ時間が変動することになる。その結果、基板を順次に処理してゆく際に、各基板に対する処理が変動して均一に処理することができず、高品質の塗布被膜を得ることができないという問題点がある。
【0004】
そこで、このような問題点を解決するために、例えば、特開昭62−193252号公報に示すような塗布装置が提案されている。
この装置は、レーザー発信器から光ファイバーを介して接続された投光部と、受光部を対向させて塗布液供給ノズルの先端部に備えている。そして、実際に塗布液が基板に供給されたこと及び実際に塗布液の供給が遮断されたことをレーザー光の受光強度に基づいて検出し、基板の回転時間や回転速度の調整を行うようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、投光部と受光部とが塗布液供給ノズルの先端部に対向して配設されている関係上、先端部から吐出して基板面で飛散した一部の塗布液の飛沫などが投光部あるいは受光部に付着することがある。これにより誤動作が生じるので、処理を正確には調整することができず、塗布処理を安定して行うことができないという問題点がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、塗布液の供給状態を安定して正確に検出することによって、処理を正確に調整して各基板を均一に処理することができる塗布液塗布装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の塗布液塗布装置は、基板に対して塗布液を供給して処理を施す塗布液塗布装置において、基板を回転自在に支持する回転支持手段と、前記基板に塗布液を供給する塗布液供給手段と、基板の上方から基板表面にレーザー光線を放射する投光部と、反射光を基板の上方で受光する受光部とを含み、前記塗布液供給手段からの塗布液の供給状態に応じた電気信号を出力する状態信号出力手段と、前記状態信号出力手段からの電気信号に含まれるノイズを除去して整形信号として出力するノイズ除去手段と、前記整形信号を、前記塗布液供給手段から塗布液が供給され始めた時点を示す開始パルスと、供給が停止された時点を示す停止パルスを含むタイミング信号に整形するパルス化手段と、 供給開始命令および供給停止命令を含む複数個の命令からなり、予め記憶されている一連の処理を規定する処理プログラムに基づいて、前記供給開始命令を実行することにより前記塗布液供給手段から基板に塗布液の供給を開始し、前記供給停止命令を実行することにより前記塗布液供給手段からの塗布液の供給を停止するとともに、前記開始パルスに基づいて実際に塗布液が供給され始めた時点を検出し、この検出時点に基づいて、前記供給開始命令以後の命令の実行を開始する制御手段と、を備えていることを特徴とするものである。
【0008】
【作用】
請求項1に記載の発明の作用は次のとおりである。
供給開始命令を実行することによって、回転支持手段に支持されている基板に対して塗布液供給手段から塗布液の供給が開始され、供給停止命令を実行することによって、その供給が停止される。命令が実行されてから実際に塗布液の供給が開始されたこと、実際に塗布液の供給が停止されたことは、塗布液の供給状態に応じた状態信号出力手段からの電気信号に反映されている。この状態信号出力手段は、基板の上方からレーザー光線を照射し、基板表面からの反射光を受光しているので、塗布液の飛沫に起因する誤動作を防止することができる一方、基板の回転に伴う振動に起因して反射光強度がノイズを含むものとなっている。そこで、まずノイズ除去手段によりそのようなノイズを除去して整形信号とし、これをパルス化手段によって開始パルスと停止パルスとを含むタイミング信号に整形する。そして、実際に塗布液が供給された時点を示す開始パルスに基づいて、供給開始命令以後の命令の実行を開始することによって、供給開始命令以後の命令の実行タイミングを実際に塗布液が供給された時点に依存させることができる。したがって、このように命令の実行タイミングを調整することにより処理を正確に調整することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
図1は、本発明に係る塗布液塗布装置の一例である回転式基板塗布装置(スピンコータとも呼ばれる)の概略構成を示すブロック図である。
【0010】
図中、符号1は、吸引式スピンチャックであり、基板Wをほぼ水平姿勢で吸着保持するものである。この吸引式スピンチャック1は、回転軸2を介して電動モータ3によって回転駆動されるようになっており、この回転により基板Wが回転中心P周りに回転駆動される。なお、吸引式スピンチャック1と、回転軸2と、電動モータ3は、本発明における回転支持手段に相当する。また、上記のような吸引式スピンチャック1に代えて、基板Wの下面周辺部および端縁を当接支持する方式のスピンチャックを採用してもよい。
【0011】
吸引式スピンチャック1の周囲には、塗布液の一例であるフォトレジスト液や基板Wの裏面を洗浄する洗浄液などの飛散を防止するための飛散防止カップ4aが配設されている。また、この飛散防止カップ4aの上部開口には、ダウンフローを取り込むための複数個の開口を上部に形成された上部蓋部材4bが、この装置のフレームに固定されて位置固定の状態で配設されている。また、図示しない搬送機構が未処理の基板Wを吸引式スピンチャック1に載置、または、吸引式スピンチャック1から処理済みの基板Wを受け取る際には、図示しない昇降機構が飛散防止カップ4aのみを下降させることによって、飛散防止カップ4aと上部蓋部材4bとを分離し、吸引式スピンチャック1を飛散防止カップ4aの上部開口から上方に突出させる。なお、飛散防止カップ4aを位置固定とし、図示しない昇降機構により、上部蓋部材4bと回転軸2とを飛散防止カップ4aに対して上昇させるような構成としてもよい。
【0012】
飛散防止カップ4aの側方には、基板Wに対してフォトレジスト液を供給するための塗布液供給ノズル5が配備されている。この塗布液供給ノズル5は、その吐出孔5aが飛散防止カップ4aの側方にあたる待機位置(図1中の点線)と、基板W面に近接した回転中心Pの真上にあたる供給位置(図1中の実線)とにわたって図示しないノズル移動機構により移動されるように構成されている。なお、塗布液供給ノズル5は、本発明の塗布液供給手段に相当するものである。
【0013】
その下方に向けられた吐出孔5aは、例えば、4mm程度だけ基板Wの表面から上方に位置するようになっている。この距離は、フォトレジスト液の粘度や基板Wのサイズ、その表面状態により基板Wの表面に滴下されたフォトレジスト液がその表面全体にわたって拡げられる際にムラが発生しないように設定されていることが好ましい。
【0014】
基板Wの下面側に位置する回転中心P側には、基板Wの裏面に回り込んだフォトレジスト液や付着したミストを洗浄除去するために洗浄液を吐出するバックリンスノズル11が配設されている。なお、後述する塗布処理を示すタイムチャートでは省略しているが、フォトレジスト液やミストが基板Wの裏面に付着することを未然に防止したり、基板Wの裏面に回り込んで付着したフォトレジスト液やそのミストを洗浄除去するために、このバックリンスノズル11から洗浄液を基板Wの裏面に向けて供給することが好ましい。
【0015】
塗布液供給ノズル5には塗布液供給機構12が接続されている。この塗布液供給機構12は、図示省略しているが、供給管、フィルタ、サックバックバルブ、ベローズポンプ、逆止弁を介してフォトレジスト液を貯留している塗布液タンクに連通接続されている。塗布液供給機構12は、クリーンルーム内に導入されているユーティリティの1つである加圧空気源により加圧空気を送り込まれることにより動作され、排出されることによって非動作とされる。なお、この動作/非動作は、本発明の制御手段に相当する制御部20によって制御されるようになっているが、図示しない速度制御弁の調整度合いや加圧空気源の圧力により、電気信号を入力されてからフォトレジスト液の引き戻し動作や解除動作となるまでの動作速度が変動する。
【0016】
上述した電動モータ3の回転数や、塗布液供給ノズル5の移動制御や、塗布液供給機構12からのフォトレジスト液の供給などは、制御部20によって統括制御されている。制御部20は、処理を規定するために予め作成された処理プログラム(レシピーとも呼ばれる)に基づいて各部の動作を制御するようになっている。なお、処理プログラムは、予め入力されて図示しないメモリに格納されている。
【0017】
上部蓋部材4bの上部内周面には、その左側に、レーザー発振器23で発生され、光ファイバー25を介して導かれた赤外線レーザー光を所定の位置に照射する投光部27が取り付けられ、その右側に、照射位置で反射した赤外線レーザー光の反射光を検出する受光部29が取り付けられている。受光部29で検出された反射光は、光ファイバー31を通してレーザー受信器33に伝達されて電気信号に変換されるようになっている。
【0018】
なお、投光部27は、図2に示すように、その赤外線レーザー光ILの照射位置が基板W表面の回転中心Pに設定されており、塗布液供給ノズル5の吐出孔5aから吐出されたフォトレジスト液Rが、基板W表面との間隙を経てその表面に到達した時点や到達し終わった時点を検出可能に設定されている。
【0019】
したがって、赤外線レーザー光ILの反射光強度は、例えば、次のようになる。
供給開始命令の実行後、吐出孔5aから吐出されたフォトレジスト液が照射位置に到達する以前は、赤外線レーザー光が減衰することなくそのまま受光部29に入光して、ある一定の光強度を示す一方、フォトレジスト液が照射位置に達すると、赤外線レーザー光がほとんど吸収あるいは散乱され、光強度がほとんど『0』レベルにまで低下する。また、その後、供給停止命令の実行後、吐出孔5aからフォトレジスト液が完全に落下し終わると、赤外線レーザー光の光路中に存在するフォトレジスト液の量が極めて少なくなるので、赤外線レーザー光の光強度は、再びある一定レベルにまで回復する。
【0020】
なお、上述したレーザー発振器23と、光ファイバー25と、投光部27と、受光部29と、光ファイバー31と、レーザー受信器33とは、本発明における状態信号出力手段に相当する。
【0021】
受光部29で受光され光ファイバー31を通してレーザー受信器33に伝達された反射光強度は、基板Wの照射位置におけるフォトレジスト液の供給状態を反映した電気信号にここで変換されるが、基板Wが回転駆動されている関係上、反射面が微妙に上下動するため、図3(a)に示すように電気信号Saにはある程度のノイズが含まれている。そこで、その電気信号Saを積分回路35に入力し、図3(b)に示すようにノイズ成分を除去して、電気信号Saを整形信号Sbとする。次に、整形信号Sbを微分回路37に入力し、図3(c)に示すように、供給されたフォトレジスト液が基板面に到達した時点を立ち上がりエッジで示す開始パルスPsと、フォトレジスト液の供給が停止されて、吐出孔5aからのフォトレジスト液が全て基板面に落下し終わった時点を立ち上がりエッジで示す停止パルスPeとを含むタイミング信号Scに変換する。
【0022】
図3(c)中の符号TSは、フォトレジスト液の供給を開始する供給開始命令の実行時点であり、制御部20が処理プログラムに規定されている供給開始命令を実行して、塗布液供給機構12を作動させ始める時点を示す。したがって、供給開始命令の実行時点TSから即座にフォトレジスト液が基板W面に達するわけではなく、塗布液供給機構12の駆動源である加圧空気源の圧力状態に応じて変動する開始遅れ時間TDSを経過した時点にて初めてフォトレジスト液が基板W面に達する。当然のことながら、供給停止命令の実行時点(TE)から吐出孔5aのフォトレジスト液が完全に基板Wに落下し終わるまでにも停止遅れ時間(TDE)が存在するが、この停止遅れ時間(TDE)は、塗布液供給機構12の構造的な要因により開始遅れ時間TDSに比較すると極めて短いので、その遅れ時間を無視しても何らの問題も起きない場合もある。
【0023】
なお、上述した積分回路35が本発明のノイズ除去手段に相当し、微分回路37が本発明のパルス化手段に相当するものである。
【0024】
上述した制御部20は、微分回路37からのタイミング信号Scに基づいて、処理プログラムに含まれている各命令の実行タイミングを調整するようになっている。したがって、上述した開始遅れ時間TDSや停止遅れ時間TDEを吸収することができ、上記の開始遅れ時間TDSや停止遅れ時間TDEに起因する処理不均一の問題を回避して各基板に対して均一な処理を施すことができるようになっている。しかも、タイミング信号Scは、基板Wの斜め上方に配設された投光部27より照射された赤外線レーザー光を、同様に基板Wの斜め上方に配設された受光部29により検出し、これにより得られる反射光強度に基づくものであるので、例えば、基板Wに吐出されたフォトレジスト液の飛沫が付着するような事態を回避することができる。したがって、フォトレジスト液の供給状態を安定して正確に検出することができ、これに基づいて上述した実行タイミングの調整を正確に実施することができる。その結果、正確にかつ安定して各基板を均一に処理することができる。
【0025】
なお、上述の説明では、塗布液供給ノズル5から吐出されて基板Wの回転中心Pに到達した時点を検出するために、図2に示すように赤外線レーザー光ILの照射位置を回転中心Pとした。しかし、図2中に符号(IL)で示すように、吐出孔5aの直下を通過して、回転中心Pからずれた位置に赤外線レーザー光(IL)の照射位置を設定してもよい。この場合には、塗布液供給ノズル5から吐出された時点のフォトレジスト液Rを検出することになる。なお、以下の説明においては、このようなフォトレジスト液の『到達』検出も『吐出』検出も区別せず、単に『供給』検出として取り扱うことにする。
【0026】
次に、上記の制御部20がタイミング信号Scに基づいて行う実行タイミングの調整方法について3つの例を挙げて説明する。
【0027】
<調整方法
図4のタイムチャートを参照する。
このタイムチャートは、第1の回転数R1で基板を低速回転させつつ、TS時点で供給開始命令を実行する。この命令の実行によってフォトレジスト液が塗布液供給機構12から送り出され、塗布液供給ノズル5から基板に向けて供給されようとするが、上述した理由により遅れが生じる。また、供給開始命令を実行したTS時点において、制御部20は開始パルスPsを検出するまでは、他の命令の実行を規制された状態となる。つまり、実際にフォトレジスト液の供給(到達または吐出)が検出されるまでは、それ以後の命令の実行が規制される。
【0028】
開始遅れ時間TDS1が経過したt2時点において開始パルスPsを検出したとすると、命令実行の規制が解除されるとともにタイマースタート命令が実行される。このタイマースタート命令は、予め処理プログラムに規定されているフォトレジスト液の供給時間TSUを計時する命令である。したがって、開始パルスPsが検出された時点t2から供給時間TSUが経過した時点TEにおいて、供給停止命令が実行される。この場合、開始遅れ時間TDS1に相当する停止遅れ時間TDEが存在するが、上述したように塗布液供給機構12の構造上、停止遅れ時間TDEを考慮しなくても何ら問題は生じない。
【0029】
その後、t4時点における回転上昇命令の実行によって、回転数が高速の第2の回転数R2に上昇される。この回転をt6時点まで継続することにより基板の表面に供給されたフォトレジスト液の余剰分を振り切るとともに、溶媒を揮発させて一定膜厚のフォトレジスト被膜を形成するようになっている。
【0030】
次に、新たな基板を処理する場合について説明するが、この場合、開始遅れ時間TDSが上述した開始遅れ時間TDS1よりも長い開始遅れ時間(TDS2)になったものとして説明する。なお、先の処理時とタイミングが異なる命令などは、点線矢印および括弧書きで表すことにする。
【0031】
この場合、供給開始命令の実行はTS時点で行われて先の基板処理時と変わらないが、フォトレジスト液の供給が実際に検出されたことを示す開始パルスPsの検出時点がt2時点から(t3)時点へと遅れる。したがって、タイマースタート命令の実行時点もそれに伴って遅れ、先の処理時と同じ供給時間TSUの経過時点(TE)において供給停止命令が実行されることになる。その結果、回転上昇命令の実行時点もt4時点から(t5)時点に遅れ、回転停止命令の実行時点もt6時点からt7 時点に遅れる。そのため、開始遅れ時間TDSが変動したとしても各処理における供給時間TSUを一定に維持することができ、開始遅れ時間TDSの変動分を吸収することができるので、各基板に対する処理を均一に施すことができる。
【0032】
<第1の参考調整方法
図5および図6のタイムチャートを参照する。
この第1の参考調整方法は、上述した調整方法とは異なり、基板の処理(以下、『本処理』と称する)に先立って図5のタイムチャートに示すような『前処理』を行うようになっている。
【0033】
『前処理』
まず、本処理に使用する基板と表面状態がほぼ同じダミー基板を吸引式スピンチャック1にセットする。回転開始命令を実行して基板の回転数が本処理と同じ第1の回転数R1に達した後、TS時点で供給開始命令を実行する。そして、実際にフォトレジスト液が供給されたことを示す開始パルスPsが検出された時点と、供給開始命令が実行された時点TSとの差分を、開始遅れ時間TDSとして計測し、同様に停止パルスPeが検出された時点と、供給停止命令が実行された時点TEとの差分を停止遅れ時間TDEとして計測し、これらを遅れ時間記憶部39(図1中に点線で示す)に格納する。
【0034】
次に、基板を吸引式スピンチャック1にセットし、図6のタイムチャートに示すような本処理を行う。なお、このタイムチャート中における実供給開始命令と実供給停止命令のように「実」が不可されている命令は、回転開始命令や供給開始命令などとは異なり、実際には処理プログラム中には記載されていない命令である。
【0035】
『本処理』
制御部20は、オペレータによって処理プログラムが指定された時点で各命令の実行タイミングを知ることができるが、その中の供給開始命令と供給停止命令の実行タイミングを予め調整する。
【0036】
すなわち、処理プログラム中に規定されている供給開始命令の実行時点はtSであるが、先に測定した開始遅れ時間TDSだけその実行タイミングを早めてTS時点で実行する。さらに、供給停止命令の実行時点はtEであるが、先に測定した停止遅れ時間TDEだけその実行タイミングを早めてTE時点で実行する。するとtS時点で実行されるように規定されていた供給開始命令と、tE時点で実行されるように規定されていた供給停止命令とは、実際には実行されることはないが、それらの命令が実行されるはずであった時点において開始パルスPsと停止パルスPeとが検出されることになる。つまり、供給開始命令の実行時点TSから予め測定した開始遅れ時間TDSが経過した時点tSで実際にフォトレジスト液が基板に供給され、供給停止命令の実行時点TEから停止遅れ時間TDEが経過した時点tEで基板に対して供給されていたフォトレジスト液が実際に遮断される。
【0037】
このように予め測定した遅れ時間TDS,TDEに基づいて、各命令の実行タイミングを早めることにより、処理プログラムで規定された供給開始命令の実行時点tSにおいてフォトレジスト液が実際に供給され、供給停止命令の実行時点tEにおいてフォトレジスト液が実際に遮断されることになる。したがって、意図したとおりに処理プログラムを実行することができ、しかも予め測定した遅れ時間TDS,TDEに基づいて実行タイミングを補正しているので、処理を正確に調整して各基板を均一に処理することができる。
【0038】
<第2の参考調整方法
図7のタイムチャートを参照する。
なお、この場合には、上述した塗布液供給機構12が一定量のフォトレジスト液を供給したことを検出可能に構成されており、供給開始命令の実行時点から一定量のフォトレジスト液を供給した時点で制御部20に対して供給停止命令を実行するように信号を出力するようになっている。
【0039】
このタイムチャートは、第1の回転数R1で基板を低速回転させつつ、TS時点で供給開始命令を実行する。この命令の実行によってフォトレジスト液が塗布液供給ノズル5から基板に向けて供給され始める。そして、一定量のフォトレジスト液を供給し終えた時点TEで供給停止命令を実行するが、停止パルスPeを検出するまでは他の命令の実行が規制された状態となる。つまり、供給停止命令の実行後、実際にフォトレジスト液の遮断(非到達/非吐出)が検出されるまでは、それ以後の命令の実行が規制される。供給停止命令の実行時点TEから停止遅れ時間TDEが経過したt2時点において停止パルスPeが検出されたとすると、供給開始命令の実行時点TSから供給時間TSUを経過したこの時点t2でタイマによる計時を開始し、予め設定されている待機時間TWを計時することになるt4時点において回転上昇命令を実行し、t8時点において回転停止命令を実行する。
【0040】
次に、塗布液供給機構12に内蔵されているフィルタ(図示省略)が目詰まりを起こした等の理由によって供給系に圧損が生じ、一定量のフォトレジスト液を供給するために要する時間が、先の処理時の供給時間TSUより長い供給時間(TSU1)になったものとする。この場合には、供給開始命令の実行時点TSは不変であるが、一定量のフォトレジスト液を供給するのに要する時間が長くなって供給停止命令の実行時点がTEから(TE)に遅れる。そして、供給開始命令の実行時点TSから長い供給時間(TSU1)を経た(t3)時点で停止パルスPeを検出することになり、この時点からタイマによる待機時間(TW)の計時が開始される。
【0041】
したがって、この(t3)時点から先の処理時と同じ待機時間(TW)を経過した(t6)時点で回転上昇命令が実行されることになり、供給されるフォトレジスト液の量を一定化することができるとともに、停止パルスPe検出後の各命令の実行タイミングを同一にすることができる。これにより基板に供給された一定量のフォトレジスト液を第1の回転数R1でその表面全体にわたって塗り拡げる処理を先の処理時と同じ時間(待機時間TW)だけ施すことができ、第2の回転数R2による処理も同じだけ施すことができる。
【0042】
その結果、フィルタの圧損に起因して一定量のフォトレジスト液を供給するのに要する時間が変動したとしても、処理プログラムにより意図した処理を施すことができ、長期間にわたって安定して均一に処理を施すことができる。なお、上述した説明では、停止遅れ時間TDEを一定としたが、変動する場合もある。このような場合であっても、フォトレジスト液の供給遮断を示す停止パルスPeに基づいて次の命令(タイマスタート)を実行することにより、その変動分をも自ずと吸収することができ、処理プログラムによる処理を正確に施すことができて各基板を均一に処理することができる。
【0043】
なお、上記の説明においては、基板を回転させつつフォトレジスト液を供給する供給方法を例に採って説明したが、本発明はこのような供給方法に限定されるものではない。例えば、基板を静止させた状態でフォトレジスト液の供給を行う供給方法を採ってもよいし、基板を静止させた状態で供給開始し、基板を回転させ始めた後に供給を停止する供給方法を採ってよい。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、基板の上方からレーザー光線を照射し、基板表面からの反射光を受光しているので、塗布液の飛沫に起因する誤動作を防止できる。したがって、供給開始命令と開始パルスの遅延および供給停止命令と停止パルスの遅延を正確に検出することができる。そして、開始パルスに基づいて供給開始命令以後の命令の実行を開始することによって、供給開始命令以後の命令の実行タイミングを実際に塗布液が供給された時点に依存させることができ、ユーティリティの変動による影響を受けることなく塗布液の供給時間を一定化することができる。その結果、各基板ごとに処理がばらつくようなことが防止でき、各基板に均一に処理を施すことができる。また、基板の処理に先立って予め遅れ時間などを計測する手間もなく、容易にかつ正確に処理を調整することができて、各基板に対して均一に処理を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回転式基板塗布装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】赤外線レーザー光の照射位置を示す一部拡大図である。
【図3】赤外線レーザー光の反射光に基づく信号の処理過程を示すグラフである。
【図4】調整方法による塗布処理を示すタイムチャートである。
【図5】第1の参考調整方法における前処理を示すタイムチャートである。
【図6】第1の参考調整方法による本処理を示すタイムチャートである。
【図7】第2の参考調整方法による塗布処理を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
W … 基板
1 … 吸引式スピンチャック(回転支持手段)
3 … 電動モータ(回転支持手段)
5 … 塗布液供給ノズル(塗布液供給手段)
5a … 吐出孔
23 … レーザー発信器(状態信号出力手段)
27 … 投光部(状態信号出力手段)
29 … 受光部(状態信号出力手段)
33 … レーザー受信器(状態信号出力手段)
35 … 積分回路(ノイズ除去手段)
37 … 微分回路(パルス化手段)
20 … 制御部(制御手段)
Sa … 電気信号
Sb … 整形信号
Sc … タイミング信号
Ps … 開始パルス
Pe … 停止パルス
DS … 開始遅れ時間
DE … 停止遅れ時間
SU … 供給時間

Claims (1)

  1. 基板に対して塗布液を供給して処理を施す塗布液塗布装置において、
    基板を回転自在に支持する回転支持手段と、
    前記基板に塗布液を供給する塗布液供給手段と、
    基板の上方から基板表面にレーザー光線を放射する投光部と、反射光を基板の上方で受光する受光部とを含み、前記塗布液供給手段からの塗布液の供給状態に応じた電気信号を出力する状態信号出力手段と、
    前記状態信号出力手段からの電気信号に含まれるノイズを除去して整形信号として出力するノイズ除去手段と、
    前記整形信号を、前記塗布液供給手段から塗布液が供給され始めた時点を示す開始パルスと、供給が停止された時点を示す停止パルスを含むタイミング信号に整形するパルス化手段と、
    供給開始命令および供給停止命令を含む複数個の命令からなり、予め記憶されている一連の処理を規定する処理プログラムに基づいて、前記供給開始命令を実行することにより前記塗布液供給手段から基板に塗布液の供給を開始し、前記供給停止命令を実行することにより前記塗布液供給手段からの塗布液の供給を停止するとともに、前記開始パルスに基づいて実際に塗布液が供給され始めた時点を検出し、この検出時点に基づいて、前記供給開始命令以後の命令の実行を開始する制御手段と、
    を備えていることを特徴とする塗布液塗布装置。
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