JP3835954B2 - 基板処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板に光を照射し、その反射光を検出することによって基板の状態、例えば基板表面に処理液が滴下されたか否か、基板の有無、基板の傾きなどを検出する基板の状態検出装置を用いた基板処理装置に係り、特に基板表面の光反射特性の影響を回避するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の基板の状態検出装置を用いたものとして、例えば特開平9−270373号公報に開示された装置がある。
この装置は半導体ウエハなどの基板にフォトレジスト液を回転塗布する装置であって、ノズルから吐出されたフォトレジスト液が基板表面に到達した時点を基板の状態検出装置で光学的に検出し、その時点を基準として以後の処理プログラム(フォトレジスト液の供給停止や基板の回転数の変更など)を実行するように構成されている。
【0003】
この装置に用いられる基板の状態検出装置は、ノズル直下の基板表面に斜め方向から光を照射する投光器と、基板表面で反射された反射光を検出する光検出器とを備えている。フォトレジスト液は250〜400nmの波長をもつ光に感光するので、光源からの光によってフォトレジスト液が感光されるのを防止するために、投光器としては例えば、中心波長が670nm付近の赤色発光ダイオードが用いられている。また、光検出器にはCCDカメラが用いられている。
【0004】
CCDカメラはノズル直下の基板表面を撮像し、その撮像領域の濃度変化を監視している。具体的には、基板表面にフォトレジスト液が滴下されていない状態では、基板表面からの反射光によって撮像領域は「明」状態になっている。そして、基板表面にフォトレジスト液が滴下されると、基板表面のフォトレジスト液によって反射が阻止されて撮像領域は「暗」状態へと変化する。このような撮像領域の濃度変化を検知することにより、基板表面にフォトレジスト液が滴下されたものと判断している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
半導体ウエハなどの基板表面には種々の膜が形成され、基板表面の反射特性はこれら膜の特性に大きく左右される。そのため、ある種の膜が形成された基板では基板表面からの反射光が正常に検出されても、膜種が変わると基板表面からの反射光が検出されなくなるという事態が発生する。上記の例で言えば、基板表面にフォトレジスト液が滴下されない状態と、滴下された状態との間で、撮像領域の濃度変化がなくなり、基板表面へフォトレジスト液が滴下したことを検出できなくなるという問題が生じる。同種の問題は、基板に光を照射し、その反射光を検出することによって、基板の有無や、基板の傾きなどを検出する場合にも生じる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、基板表面の光反射特性の影響を回避して基板の状態検出を確実に行うことができる基板の状態検出装置を用いた基板処理装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、膜(ただし、フォトレジスト膜を除く)が形成された半導体ウエハである基板表面に処理液を供給して所要の処理を行う基板処理装置において、基板に処理液を供給する処理液供給手段と、異なる波長の光であって、ある波長の光の基板からの反射光が干渉によって打ち消されたときに、別の波長の光の基板からの反射光は打ち消されない波長関係にある光をほぼ同じ入射角で基板に向けて照射する投光手段と、前記投光手段から光が照射されることによる基板からの反射光を検出する光検出手段と、前記光検出手段からの検出信号に基づいて基板表面に処理液が到達したことを判別する処理液到達判別手段と、前記処理液到達判別手段から処理液の到達を知らされることにより、その到達時点を基準として、それ以降の処理プログラムの命令を実行する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の基板処理装置において、前記処理液はフォトレジスト液であり、前記投光手段から照射される光の波長は、フォトレジスト液の非感光領域にある。
【0011】
【作用】
まず、本発明の原理について説明する。
従来装置において、基板表面に形成された膜種によっては反射光が検出されなくなるのは、入射光と反射光との干渉により、反射光が入射光によって打ち消されるからである。ここで、入射光と反射光との位相差δは次式(1)によって表される。
δ=(4πnd/λ)cos γ+π ………(1)
上式において、nは基板表面に形成された膜の屈折率、dは膜の厚み、λは光の波長、γは屈折角である。
【0012】
また、n=sin i/sin γ(iは入射角)の関係から、cos γは次式で表される。
cos γ=√(n2 −sin 2 i)/n ………(2)
【0013】
位相差δがπの奇数倍になると、入射光と反射光とが打ち消しあう。位相差は膜の屈折率nに依存するので、ある種の膜では位相差δがπの奇数倍になって反射光が打ち消される。例えば、膜の厚みdが300nm、屈折率nが1.3、光の波長λが670nm、入射角iが45度であった場合、上記(1),(2)式より、δは2.95π(≒3π)になって反射光はほとんど打ち消される。従来装置において、ある種の膜で反射光が検出されなくなったのは、このことが原因である。
【0014】
上式から明らかなように、位相差δは波長λに依存する。また、位相差δは屈折角γにも依存する。屈折角γは、(2)式に示したとおり、入射角iの関数であるので、位相差δは入射角iにも依存している。
【0015】
以上のことから、入射角iが同じである場合に、ある波長λ1 において位相差がπの奇数倍になっても、別の波長λ2 では位相差はπの奇数倍にならないことが分かる。同様に、波長λが同じである場合に、ある入射角i1 において位相差がπの奇数倍になっても、別の入射角i2 では位相差はπの奇数倍にならないことが分かる。前者の知見に基づいてなされたのが本願発明である。以下、各発明の作用を説明する。
【0018】
請求項1に記載の発明の作用は次のとおりである。
すなわち、投光手段から異なる波長の光がほぼ同じ入射角で基板に向けて照射されるので、基板の膜種などにかかわらず、基板からの反射光が光検出手段によって検出される。その結果、処理液到達判別手段は基板表面に処理液が到達したことを確実に判別する。この処理液の到達時点を基準として、制御手段は、以後の処理プログラムの命令を時間的に正確に実行する。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、投光手段から照射される光の波長は、処理液であるフォトレジスト液の非感光領域にあるので、投光手段から照射された光によってフォトレジスト液が感光するのを回避することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
<第1実施例>
図1は本発明に係る基板の状態検出装置を用いた基板処理装置の一実施例の概略構成図である。
【0021】
具体的には、本実施例に係る基板処理装置は、半導体ウエハなどの基板Wに処理液としての例えばフォトレジスト液を回転塗布する、いわゆるスピンコータである。この基板処理装置は、基板W上に供給されたフォトレジスト液が基板Wを低速回転させることにより基板W上を放射状に拡がってゆく過程で(すなわち、放射状に拡がってゆくフォトレジスト液の細長い流れが基板Wの周縁に到達する前に)、基板Wを高速回転させることにより、基板Wの周縁から無駄に飛散するフォトレジスト液の量を極力少なくして、フォトレジスト液の使用効率を上げるようにしている。そのためには基板Wに供給されるフォトレジスト液の量を正確にコントロールするとともに、基板Wの高速回転への切り換えのタイミングが重要になる。ところが、フォトレジスト液の供給開始命令を実行してから、フォトレジスト液が実際に基板W上に到達するまでの時間には相当のバラツキがあるので、本実施例装置では、フォトレジスト液の供給停止のタイミングや、基板Wの高速回転への切り換えタイミングの時間的基準を、フォトレジスト液の供給開始命令の実行時点ではなく、フォトレジスト液が基板W上に実際に到達した時点に設定している。そこで、フォトレジスト液が基板Wに到達したか否かを検出するために、基板の状態検出装置が用いられている。以下、実施例に係る基板処理装置の構成を具体的に説明する。
【0022】
図1に示すように、基板Wは吸引式のスピンチャック1に水平状態で保持される。スピンチャック1はモータ2の出力軸2aに連結されて回転駆動される。スピンチャック1の周囲には、回転塗布時に基板Wの周縁から飛散した余剰のフォトレジスト液を回収するためのカップ3aが配設されている。また、スピンチャック1の上方には旋回および上下動自在のフォトレジスト液供給用のノズル4がある。フォトレジスト液はタンク5に収容されており、このタンク5内のフォトレジスト液が送液ポンプ6によってノズル4に送られる。制御部7は予め定められた処理プログラムに従って、モータ2の回転数の制御や、送液ポンプ6の駆動制御などを行う。上述したノズル4、タンク5、および送液ポンプ6は、請求項4に記載の発明における処理液供給手段に相当する。
【0023】
カップ3aの上部に配設された円筒状部材3bの内側に投光器8とCCDカメラ9とが対向して配置されている。図2に示すように、投光器8は、一辺が3cm程度の角形基板10上に赤色発光ダイオード11と青色発光ダイオード12とを交互に縦横配置(例えば、縦方向に7個、横方向に6個配置)したものを、単一の筐体内に収納して構成されている。赤色発光ダイオード11は中心波長がほぼ670nmの光を、青色発光ダイオード12は中心波長がほぼ450nmの光を、それぞれ発し、両発光ダイオード11,12の波長比がほぼ3:2になっている。
【0024】
処理液がフォトレジスト液の場合、投光器8からの光によってフォトレジスト液が感光しないように波長域を設定する必要がある。フォトレジスト液の感光領域は、250〜400nmであるので、上記のような発光波長の赤色発光ダイオード11と青色発光ダイオード12とを用いれば、フォトレジスト液を感光させることなく基板の状態検出を行うことができる。なお、両発光ダイオード11,12の波長比をほぼ3:2に設定した理由は、詳しくは後述するが、一方の発光ダイオードの反射光が打ち消されたときに、他方の発光ダイオードの反射光が最大値を採るようにするためである。
【0025】
投光器8はノズル4の下方にあたる基板Wの表面に向けられており、光の入射角が45度に設定されている。上述したように、赤色発光ダイオード11と青色発光ダイオード12とが近接した状態で投光器8内に収納されているので、各発光ダイオード11,12から照射された異なる波長の光は、ほぼ同じ入射角(本実施例では45度)で基板Wに向けて照射される。一方、CCDカメラ9もノズル4の下方にあたる基板Wの表面に向けられており、投光器8から光が照射されることによる基板Wからの反射光を検出する。上述した投光器8は請求項1および請求項4に記載の発明における投光手段に、CCDカメラ9は請求項1および請求項4に記載の発明における光検出手段に、それぞれ相当する。
【0026】
処理液到達判別部13は、CCDカメラ9で撮影された基板表面の画像に基づいて、フォトレジスト液が基板Wの表面に到達したか否かを判別する。具体的には、制御部7からの指令に基づき、フォトレジスト液が供給されていない基板Wの表面の画像を基準画像として取り込む。さらに、制御部7でフォトレジスト液の供給開始命令が実行された後に、周期的に出される指令に基づき、基板Wの表面の画像を判定画像として連続的に取り込む。そして、時系列に取り込まれる判定画像を基準画像と逐次比較し、判定画像の濃度変化が予め定められた基準値を越えたときに、基板Wにフォトレジスト液が到達したものと判定する。濃度変化の判定は、例えば基準画像および判定画像をそれぞれ2値化して、両2値化画像の「1」の画素数を計数し、判定画像の計数値が基準画像のそれの例えば、10%以上となった場合に、基板Wにフォトレジスト液が到達したものと判定する。
【0027】
処理液到達判別部13は基板Wにフォトレジスト液が到達したものと判定すると、到達検出信号を制御部7に与える。制御部7は、この到達検出信号が与えられた時点を基準として、内部タイマを作動させて以後の処理(例えばフォトレジスト液の供給停止や基板Wの高速回転への切り換え)を適切なタイミングで実行する。上述した処理液到達判別部13は、請求項1に記載の発明における状態検出手段に相当するとともに、請求項4に記載の発明における処理液到達判別手段に相当する。また、制御部7は、請求項4に記載の発明における制御手段に相当する。
【0028】
次に、実施例装置の動作を図4のフローチャートを参照して説明する。
ステップS1:制御部7の指令に基づき、モータ2が駆動されて基板Wが低速回転するとともに、投光器8の赤色発光ダイオード11および青色発光ダイオード12がともに駆動されて、基板Wの表面に赤色光および青色光が投射される。 ここで、基板Wに形成された膜の厚みdが300nm、屈折率nが1.3であるとすると、赤色発光ダイオード11の波長λが670nm、入射角iが45度であるので、上記(1),(2)式より、赤色光の入射光と反射光の位相差δが2.95π(≒3π)になる。つまり、反射光と入射光とが逆相になって、反射光はほとんど打ち消される。しかし、青色発光ダイオード12の場合、その波長が450nm、入射角iが45度であるので、上記(1),(2)式より、青色光の入射光と反射光の位相差δが3.93π(≒4π)になる。つまり、反射光と入射光とが同相になって、反射光は最大強度になる。膜種(厚みや屈折率)が変わって、逆に青色発光ダイオード12の反射光が打ち消されたときは、赤色発光ダイオード11の反射光が最大強度になる。このように両発光ダイオード11,12の波長比をほぼ3:2に設定することにより、反射光の強度を常に高いレベルに維持することができ、それだけ基板の状態検出を確実に行うことができる。
【0029】
ステップS2:フォトレジスト液が供給されていない状態で、基板Wの表面をCCDカメラ9で撮影し、その画像を基準画像として処理液到達判別部13に取り込む。
【0030】
ステップS3:制御部7がフォトレジスト液の供給開始命令を送液ポンプ6に対して出す。これにより送液ポンプ6が作動して、タンク5内のフォトレジスト液をノズル4に送る。ただし、フォトレジスト液の供給開始命令が実行されてから、ノズル4からフォトレジスト液が吐出されて基板Wに到達するまでには時間遅れを伴うので、このステップS3の終了時点ではフォトレジスト液は基板Wに到達していない。
【0031】
ステップS4,S5:制御部7は、フォトレジスト液の供給開始命令を実行した後、処理液到達判別部13に対してCCDカメラ9の画像信号を取り込むための指令を周期的に出す。このときの基板表面の画像は判定画像として処理液到達判別部13に取り込まれる。処理液到達判別部13は、先に取り込んだ基準画像と、判定画像とを比較し、判定画像の濃度変化が所定値以上であれば、フォトレジスト液が基板Wに到達したものと判断する。判定画像の濃度変化が所定値にみたない場合は、フォトレジスト液が到達していなものと判断して、制御部7からの指令に基づいて新たな判定画像を取り込み、同様にフォトレジスト液の到達判別を行う。
【0032】
ステップS6:処理液到達判別部13がフォトレジスト液の到達を判別すると、処理液到達判別部13から制御部7へ到達検出信号が出される。これに基づき、制御部7は内部タイマをスタートさせて、以後の処理プログラムを実行する。具体的には、図5に示すように、到達検出信号を受け取った時点t1 を基準として、予め定められた時間T1 を経過するとフォトレジスト液の供給停止命令が出されて、フォトレジスト液の供給が停止される。フォトレジスト液の供給停止命令が出された時点t2 から予め定められた時間T2 を経過すると基板Wの回転数上昇命令が出されて、基板Wが所定の回転数で高速回転される。回転数の上昇命令が出された時点t3 から予め定められた時間T3 を経過すると基板Wの回転停止命令が出されて、基板Wの回転が停止され、処理が終了する。
【0033】
以上のように本実施例装置によれば、基板Wに形成された膜種にかかわらず、フォトレジスト液が基板Wへ到達したことを確実に検出することができる。そして、フォトレジスト液の基板Wへの到達検出時点を基準として、フォトレジスト液の供給停止命令や回転数の上昇命令が出されるので、フォトレジスト液の供給開始命令が出された時点t0 からフォトレジスト液が実際に基板Wに到達した時点t1 までの期間T0 にバラツキが生じたとしても、これに影響されることなくフォトレジスト液の供給停止命令や回転数の上昇命令を適切なタイミングで出すことができる。
【0034】
上記実施例では、フォトレジスト液の到達検出のための検出器としてCCDカメラ9を用いたが、例えば図6に示すように変形実施することも可能である。
この例では、投光器14と受光器15とがブラケット16を介してノズル4の先端部に取付けられている。投光器14は各々1個ずつの赤色発光ダイオード11と青色発光ダイオード12とで構成されており、赤色光と青色光の入射角がほぼ同じになるように両発光ダイオード11,12は近接配置されている。また、受光器15は、赤色発光ダイオード11の反射光を受光する赤色光に感度をもった受光素子17と、青色発光ダイオード12の反射光を受光する青色光に感度をもった受光素子18とで構成されている。この例によれば、フォトレジスト液が基板Wに到達していない状態では、両発光ダイオード11,12から同時に照射された赤色光および青色光のいずれかが受光素子17または18によって検出され、フォトレジスト液が基板Wに到達した状態では、両発光ダイオード11,12からの光がフォトレジスト液によって散乱して、受光素子17,18のいずれにも入射しない。したがって、受光素子17,18の検出信号のレベル変化を監視することにより、フォトレジスト液の到達を検出することができる。
【0035】
さらに、図6の例ではノズル4の先端に発光ダイオード11,12および受光素子17,18を直接に取り付けたが、これらをノズル4から離れたところに設置し、各発光ダイオード11,12から照射された光を光ファイバによってノズル4の先端部にまで導いて、ノズル4の直下の基板表面を照射するとともに、基板表面からの反射光を光ファイバを介して受光素子17,18へ導くようにしてもよい。
【0036】
本発明は上述した各実施例のものに限らず次のように変形実施することもできる。
(1)上述した各実施例では、基板の状態検出装置によって基板にフォトレジスト液が到達したことを検出するようにしたが、本発明は基板に光を照射し、その反射光を検出することによって基板の有無を検出したり、基板の傾きを検出したりする場合にも適用することができる。
【0037】
(2)第1実施例では、投光器8に赤色発光ダイオード11と青色発光ダイオード12とを備えて、2種類の異なる波長の光をほぼ同じ入射角度で基板に向けて照射するようにしたが、投光器8にさらに橙色発光ダイオードや黄色発光ダイオードなども搭載して、3種類以上の異なる波長の光をほぼ同じ入射角度で基板に向けて照射するようにしてもよい。
【0038】
(3)本発明における投光手段は発光ダイオードに限定されるものではなく、他の種々の光源を利用することも可能である。第1実施例との関連で言えば、例えばキセノンランプから照射された光をバンドパスフィルタに通すことにより、異なる波長の光をそれぞれ取り出し、これらの光をほぼ同じ入射角度で基板に向けて照射するようにしてもよい。このとき、バンドパスフィルタは、例えば波長が670nm付近の光と、波長が450nm付近の光とをそれぞれ取り出す個別のフィルタであってもよいし、あるいは例えば450nm付近以上の全波長域の光を通過させる単一のフィルタであってもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば次の効果を奏する。
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、基板表面の反射特性の影響を回避して、基板表面に処理液が到達したことを確実に検出するので、以後の処理プログラムの命令の実行を時間的に正確に行うことができる。
【0042】
請求項2に記載の発明によれば、処理液であるフォトレジスト液に悪影響を与えることなく、基板表面にフォトレジスト液が到達したことを確実に検出し、以後の処理プログラムの命令を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る基板処理装置の第1実施例の概略構成を示した図である。
【図2】 第1実施例で用いられる投光器の要部構成を示した平面図である。
【図3】 第1実施例の作用説明図である。
【図4】 第1実施例の動作順序を示したフローチャートである。
【図5】 第1実施例のタイミングチャートである。
【図6】 第1実施例の変形例の要部構成を示した図である。
【符号の説明】
W…基板
4…ノズル
7…制御部
8…投光器
9…CCDカメラ
11…赤色発光ダイオード
12…青色発光ダイオード
13…処理液到達判別部
Claims (2)
- 膜(ただし、フォトレジスト膜を除く)が形成された半導体ウエハである基板表面に処理液を供給して所要の処理を行う基板処理装置において、
基板に処理液を供給する処理液供給手段と、
異なる波長の光であって、ある波長の光の基板からの反射光が干渉によって打ち消されたときに、別の波長の光の基板からの反射光は打ち消されない波長関係にある光をほぼ同じ入射角で基板に向けて照射する投光手段と、
前記投光手段から光が照射されることによる基板からの反射光を検出する光検出手段と、
前記光検出手段からの検出信号に基づいて基板表面に処理液が到達したことを判別する処理液到達判別手段と、
前記処理液到達判別手段から処理液の到達を知らされることにより、その到達時点を基準として、それ以降の処理プログラムの命令を実行する制御手段と
を備えたことを特徴とする基板処理装置。 - 請求項1に記載の基板処理装置において、
前記処理液はフォトレジスト液であり、
前記投光手段から照射される光の波長は、フォトレジスト液の非感光領域にある基板処理装置。
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