以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る基板処理装置100の全体構成を示す図である。この基板処理装置100は、半導体用途の基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の処理装置であり、円形のシリコンの基板Wに薬液および純水を用いた洗浄処理を行ってから乾燥処理を行う。薬液としては、典型的にはSC1液(アンモニア水、過酸化水素水、水の混合液)、SC2液(塩酸、過酸化水素水、水の混合液)、DHF液(希フッ酸)などが用いられる。本明細書では、薬液と純水とを総称して「処理液」とする。なお、洗浄処理のみならず、成膜処理のためのフォトレジスト液などの塗布液、不要な膜を除去するための薬液、エッチングのための薬液なども本発明の「処理液」に含まれる。
基板処理装置100は、インデクサ102、複数の洗浄処理ユニット1、および、主搬送ロボット103を備える。インデクサ102は、装置外から受け取った未処理の基板Wを装置内に搬入するとともに、洗浄処理の終了した処理済みの基板Wを装置外に搬出する機能を有する。インデクサ102は、複数のキャリアを載置するとともに移送ロボットを備える(いずれも図示省略)。キャリアとしては、基板Wを密閉空間に収納する公知のFOUP(front opening unified pod)やSMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッド、或いは収納基板Wを外気に曝すOC(open cassette)を採用することができる。移送ロボットは、当該キャリアと主搬送ロボット103との間で基板Wを移送する。
基板処理装置100には、12個の洗浄処理ユニット1が配置されている。詳細な配置構成は、3個の洗浄処理ユニット1を積層したタワーが主搬送ロボット103の周囲を囲むように4個配置されるというものである。換言すれば、主搬送ロボット103を囲んで配置された4個の洗浄処理ユニット1が3段に積層されており、図1にはそのうちの1層を示している。なお、基板処理装置100に搭載される洗浄処理ユニット1の個数は12に限定されるものではなく、例えば8個や4個であっても良い。
主搬送ロボット103は、洗浄処理ユニット1を積層した4個のタワーの中央に設置されている。主搬送ロボット103は、インデクサ102から受け取った未処理の基板Wを各洗浄処理ユニット1に搬入するとともに、各洗浄処理ユニット1から処理済みの基板Wを搬出してインデクサ102に渡す。
次に、洗浄処理ユニット1について説明する。以下、基板処理装置100に搭載された12個の洗浄処理ユニット1のうちの1つに説明するが、他の洗浄処理ユニット1についても全く同様である。図2は、洗浄処理ユニット1の平面図である。また、図3は、洗浄処理ユニット1の縦断面図である。なお、図2はスピンチャック20に基板Wが保持されていない状態を示し、図3はスピンチャック20に基板Wが保持されている状態を示している。
洗浄処理ユニット1は、チャンバー10内に、主たる要素として基板Wを水平姿勢(法線が鉛直方向に沿う姿勢)に保持するスピンチャック20と、スピンチャック20に保持された基板Wの上面に処理液を供給するための3つの上面処理液ノズル30,60,65と、スピンチャック20の周囲を取り囲む処理カップ40と、スピンチャック20の上方空間を撮像するカメラ70と、を備える。また、チャンバー10内における処理カップ40の周囲には、チャンバー10の内側空間を上下に仕切る仕切板15が設けられている。
チャンバー10は、鉛直方向に沿う側壁11、側壁11によって囲まれた空間の上側を閉塞する天井壁12および下側を閉塞する床壁13を備える。側壁11、天井壁12および床壁13によって囲まれた空間が基板Wの処理空間となる。また、チャンバー10の側壁11の一部には、チャンバー10に対して主搬送ロボット103が基板Wを搬出入するための搬出入口およびその搬出入口を開閉するシャッターが設けられている(いずれも図示省略)。
チャンバー10の天井壁12には、基板処理装置100が設置されているクリーンルーム内の空気をさらに清浄化してチャンバー10内の処理空間に供給するためのファンフィルタユニット(FFU)14が取り付けられている。ファンフィルタユニット14は、クリーンルーム内の空気を取り込んでチャンバー10内に送り出すためのファンおよびフィルタ(例えばHEPAフィルタ)を備えており、チャンバー10内の処理空間に清浄空気のダウンフローを形成する。ファンフィルタユニット14から供給された清浄空気を均一に分散するために、多数の吹出し孔を穿設したパンチングプレートを天井壁12の直下に設けるようにしても良い。
スピンチャック20は、鉛直方向に沿って延びる回転軸24の上端に水平姿勢で固定された円板形状のスピンベース21を備える。スピンベース21の下方には回転軸24を回転させるスピンモータ22が設けられる。スピンモータ22は、回転軸24を介してスピンベース21を水平面内にて回転させる。また、スピンモータ22および回転軸24の周囲を取り囲むように筒状のカバー部材23が設けられている。
円板形状のスピンベース21の外径は、スピンチャック20に保持される円形の基板Wの径よりも若干大きい。よって、スピンベース21は、保持すべき基板Wの下面の全面と対向する保持面21aを有している。
スピンベース21の保持面21aの周縁部には複数(本実施形態では4本)のチャックピン26が立設されている。複数のチャックピン26は、円形の基板Wの外周円に対応する円周上に沿って均等な間隔をあけて(本実施形態のように4個のチャックピン26であれば90°間隔にて)配置されている。複数のチャックピン26は、スピンベース21内に収容された図示省略のリンク機構によって連動して駆動される。スピンチャック20は、複数のチャックピン26のそれぞれを基板Wの外周端に当接させて基板Wを把持することにより、当該基板Wをスピンベース21の上方で保持面21aに近接した水平姿勢にて保持することができるとともに(図3参照)、複数のチャックピン26のそれぞれを基板Wの外周端から離間させて把持を解除することができる。
スピンモータ22を覆うカバー部材23は、その下端がチャンバー10の床壁13に固定され、上端がスピンベース21の直下にまで到達している。カバー部材23の上端部には、カバー部材23から外方へほぼ水平に張り出し、さらに下方に屈曲して延びる鍔状部材25が設けられている。複数のチャックピン26による把持によってスピンチャック20が基板Wを保持した状態にて、スピンモータ22が回転軸24を回転させることにより、基板Wの中心を通る鉛直方向に沿った回転軸CXまわりに基板Wを回転させることができる。なお、スピンモータ22の駆動は制御部9によって制御される。
上面処理液ノズル30は、ノズルアーム32の先端に吐出ヘッド31を取り付けて構成されている。ノズルアーム32の基端側はノズル基台33に固定して連結されている。ノズル基台33は図示を省略するモータによって鉛直方向に沿った軸のまわりで回動可能とされている。ノズル基台33が回動することにより、図2中の矢印AR34にて示すように、上面処理液ノズル30はスピンチャック20の上方の処理位置と処理カップ40よりも外側の待機位置との間で水平方向に沿って円弧状に移動する。上面処理液ノズル30には、複数種の処理液(少なくとも純水を含む)が供給されるように構成されている。処理位置にて上面処理液ノズル30の吐出ヘッド31から吐出された処理液はスピンチャック20に保持された基板Wの上面に着液する。また、ノズル基台33の回動によって、上面処理液ノズル30はスピンベース21の保持面21aの上方にて揺動可能とされている。
また、本実施形態の洗浄処理ユニット1には、上記の上面処理液ノズル30に加えてさらに2つの上面処理液ノズル60,65が設けられている。本実施形態の上面処理液ノズル60,65は、上記の上面処理液ノズル30と同じ構成を備える。すなわち、上面処理液ノズル60は、ノズルアーム62の先端に吐出ヘッドを取り付けて構成され、ノズルアーム62の基端側に連結されたノズル基台63によって、矢印AR64にて示すようにスピンチャック20の上方の処理位置と処理カップ40よりも外側の待機位置との間で円弧状に移動する。同様に、上面処理液ノズル65は、ノズルアーム67の先端に吐出ヘッドを取り付けて構成され、ノズルアーム67の基端側に連結されたノズル基台68によって、矢印AR69にて示すようにスピンチャック20の上方の処理位置と処理カップ40よりも外側の待機位置との間で円弧状に移動する。上面処理液ノズル60,65にも、少なくとも純水を含む複数種の処理液が供給されるように構成されており、処理位置にてスピンチャック20に保持された基板Wの上面に処理液を吐出する。なお、上面処理液ノズル60,65の少なくとも一方は、純水などの洗浄液と加圧した気体とを混合して液滴を生成し、その液滴と気体との混合流体を基板Wに噴射する二流体ノズルであっても良い。また、洗浄処理ユニット1に設けられるノズル数は3本に限定されるものではなく、1本以上であれば良い。
一方、回転軸24の内側を挿通するようにして鉛直方向に沿って下面処理液ノズル28が設けられている。下面処理液ノズル28の上端開口は、スピンチャック20に保持された基板Wの下面中央に対向する位置に形成されている。下面処理液ノズル28にも複数種の処理液が供給されるように構成されている。下面処理液ノズル28から吐出された処理液はスピンチャック20に保持された基板Wの下面に着液する。
スピンチャック20を取り囲む処理カップ40は、互いに独立して昇降可能な内カップ41、中カップ42および外カップ43を備えている。内カップ41は、スピンチャック20の周囲を取り囲み、スピンチャック20に保持された基板Wの中心を通る回転軸CXに対してほぼ回転対称となる形状を有している。この内カップ41は、平面視円環状の底部44と、底部44の内周縁から上方に立ち上がる円筒状の内壁部45と、底部44の外周縁から上方に立ち上がる円筒状の外壁部46と、内壁部45と外壁部46との間から立ち上がり、上端部が滑らかな円弧を描きつつ中心側(スピンチャック20に保持される基板Wの回転軸CXに近づく方向)斜め上方に延びる第1案内部47と、第1案内部47と外壁部46との間から上方に立ち上がる円筒状の中壁部48とを一体的に備えている。
内壁部45は、内カップ41が最も上昇された状態で、カバー部材23と鍔状部材25との間に適当な隙間を保って収容されるような長さに形成されている。中壁部48は、内カップ41と中カップ42とが最も近接した状態で、中カップ42の後述する第2案内部52と処理液分離壁53との間に適当な隙間を保って収容されるような長さに形成されている。
第1案内部47は、滑らかな円弧を描きつつ中心側(基板Wの回転軸CXに近づく方向)斜め上方に延びる上端部47bを有している。また、内壁部45と第1案内部47との間は、使用済みの処理液を集めて廃棄するための廃棄溝49とされている。第1案内部47と中壁部48との間は、使用済みの処理液を集めて回収するための円環状の内側回収溝50とされている。さらに、中壁部48と外壁部46との間は、内側回収溝50とは種類の異なる処理液を集めて回収するための円環状の外側回収溝51とされている。
廃棄溝49には、この廃棄溝49に集められた処理液を排出するとともに、廃棄溝49内を強制的に排気するための図示省略の排気液機構が接続されている。排気液機構は、例えば、廃棄溝49の周方向に沿って等間隔で4つ設けられている。また、内側回収溝50および外側回収溝51には、内側回収溝50および外側回収溝51にそれぞれ集められた処理液を基板処理装置1の外部に設けられた回収タンクに回収するための回収機構(いずれも図示省略)が接続されている。なお、内側回収溝50および外側回収溝51の底部は、水平方向に対して微少角度だけ傾斜しており、その最も低くなる位置に回収機構が接続されている。これにより、内側回収溝50および外側回収溝51に流れ込んだ処理液が円滑に回収される。
中カップ42は、スピンチャック20の周囲を取り囲み、スピンチャック20に保持された基板Wの中心を通る回転軸CXに対してほぼ回転対称となる形状を有している。この中カップ42は、第2案内部52と、この第2案内部52に連結された円筒状の処理液分離壁53とを一体的に備えている。
第2案内部52は、内カップ41の第1案内部47の外側において、第1案内部47の下端部と同軸円筒状をなす下端部52aと、下端部52aの上端から滑らかな円弧を描きつつ中心側(基板Wの回転軸CXに近づく方向)斜め上方に延びる上端部52bと、上端部52bの先端部を下方に折り返して形成される折返し部52cとを有している。下端部52aは、内カップ41と中カップ42とが最も近接した状態で、第1案内部47と中壁部48との間に適当な隙間を保って内側回収溝50内に収容される。また、上端部52bは、内カップ41の第1案内部47の上端部47bと上下方向に重なるように設けられ、内カップ41と中カップ42とが最も近接した状態で、第1案内部47の上端部47bに対してごく微小な間隔を保って近接する。さらに、上端部52bの先端を下方に折り返して形成される折返し部52cは、内カップ41と中カップ42とが最も近接した状態で、折返し部52cが第1案内部47の上端部47bの先端と水平方向に重なるような長さとされている。
また、第2案内部52の上端部52bは、下方ほど肉厚が厚くなるように形成されており、処理液分離壁53は上端部52bの下端外周縁部から下方に延びるように設けられた円筒形状を有している。処理液分離壁53は、内カップ41と中カップ42とが最も近接した状態で、中壁部48と外カップ43との間に適当な隙間を保って外側回収溝51内に収容される。
外カップ43は、中カップ42の第2案内部52の外側において、スピンチャック20の周囲を取り囲み、スピンチャック20に保持された基板Wの中心を通る回転軸CXに対してほぼ回転対称となる形状を有している。この外カップ43は、第3案内部としての機能を有する。外カップ43は、第2案内部52の下端部52aと同軸円筒状をなす下端部43aと、下端部43aの上端から滑らかな円弧を描きつつ中心側(基板Wの回転軸CXに近づく方向)斜め上方に延びる上端部43bと、上端部43bの先端部を下方に折り返して形成される折返し部43cとを有している。
下端部43aは、内カップ41と外カップ43とが最も近接した状態で、中カップ42の処理液分離壁53と内カップ41の外壁部46との間に適当な隙間を保って外側回収溝51内に収容される。また、上端部43bは、中カップ42の第2案内部52と上下方向に重なるように設けられ、中カップ42と外カップ43とが最も近接した状態で、第2案内部52の上端部52bに対してごく微小な間隔を保って近接する。さらに、上端部43bの先端部を下方に折り返して形成される折返し部43cは、中カップ42と外カップ43とが最も近接した状態で、折返し部43cが第2案内部52の折返し部52cと水平方向に重なるように形成されている。
また、内カップ41、中カップ42および外カップ43は互いに独立して昇降可能とされている。すなわち、内カップ41、中カップ42および外カップ43のそれぞれには個別に昇降機構(図示省略)が設けられており、それによって別個独立して昇降される。このような昇降機構としては、例えばボールネジ機構やエアシリンダなどの公知の種々の機構を採用することができる。
仕切板15は、処理カップ40の周囲においてチャンバー10の内側空間を上下に仕切るように設けられている。仕切板15は、処理カップ40を取り囲む1枚の板状部材であっても良いし、複数の板状部材をつなぎ合わせたものであっても良い。また、仕切板15には、厚さ方向に貫通する貫通孔や切り欠きが形成されていても良く、本実施形態では上面処理液ノズル30,60,65のノズル基台33,63,68を支持するための支持軸を通すための貫通穴が形成されている。
仕切板15の外周端はチャンバー10の側壁11に連結されている。また、仕切板15の処理カップ40を取り囲む端縁部は外カップ43の外径よりも大きな径の円形形状となるように形成されている。よって、仕切板15が外カップ43の昇降の障害となることはない。
また、チャンバー10の側壁11の一部であって、床壁13の近傍には排気ダクト18が設けられている。排気ダクト18は図示省略の排気機構に連通接続されている。ファンフィルタユニット14から供給されてチャンバー10内を流下した清浄空気のうち、処理カップ40と仕切板15と間を通過した空気は排気ダクト18から装置外に排出される。
カメラ70は、チャンバー10内であって仕切板15よりも上方に設置されている。図4は、カメラ70と上面処理液ノズル30との位置関係を示す図である。カメラ70は、例えば固体撮像素子のひとつであるCCDと、電子シャッター、レンズなどの光学系とを備える。上面処理液ノズル30は、ノズル基台33によって、スピンチャック20に保持された基板Wの上方の処理位置(図4の点線位置)と処理カップ40よりも外側の待機位置(図4の実線位置)との間で往復移動される。処理位置は、上面処理液ノズル30からスピンチャック20に保持された基板Wの上面に処理液を吐出して洗浄処理を行う位置である。待機位置は、上面処理液ノズル30が洗浄処理を行わないときに処理液の吐出を停止して待機する位置である。待機位置には、上面処理液ノズル30の吐出ヘッド31を収容する待機ポッドが設けられていても良い。
カメラ70は、その撮影視野に少なくとも処理位置における上面処理液ノズル30の先端が含まれるように、つまり吐出ヘッド31の近傍が含まれる位置に設置されている。本実施形態では、図4に示すように、処理位置における上面処理液ノズル30を前方上方から撮影する位置にカメラ70が設置される。よって、カメラ70は、処理位置における上面処理液ノズル30の先端を含む撮像領域を撮像することができる。同様に、カメラ70は、処理位置における上面処理液ノズル60,65の先端を含む撮像領域を撮像することもできる。なお、カメラ70が図2,4に示す位置に設置されている場合には、上面処理液ノズル30,60についてはカメラ70の撮影視野内で横方向に移動するため、処理位置近傍での動きを適切に撮像することが可能であるが、上面処理液ノズル65についてはカメラ70の撮影視野内で奥行き方向に移動するため、処理位置近傍での移動量を適切に撮像できないおそれもある。このような場合は、カメラ70とは別に上面処理液ノズル65専用のカメラを設けるようにしても良い。
また、図3に示すように、チャンバー10内であって仕切板15よりも上方には照明部71が設けられている。通常、チャンバー10内は暗室であるため、カメラ70が撮影を行うときには照明部71が処理位置近傍の上面処理液ノズル30,60,65に光を照射する。
図5は、カメラ70および制御部9のブロック図である。基板処理装置100に設けられた制御部9のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部9は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクなどを備えて構成される。制御部9のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって、基板処理装置100の各動作機構が制御部9に制御され、基板処理装置100における処理が進行する。
図5に示す判定部91および設定部93は、制御部9のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって制御部9内に実現される機能処理部である。詳細については後述するが、判定部91はカメラ70によって撮像された画像に対して画像処理を行うことによって様々な判定処理を行い、設定部93は判定部91が判定処理を行うためのパラメータやエリアを設定する。また、制御部9内の記憶部92は、上記のRAMまたは磁気ディクスにて構成されており、カメラ70によって撮像された画像のデータや入力値、或いは設定部93によって設定されたパラメータなどを記憶する。
次に、上記の構成を有する基板処理装置100における動作について説明する。基板処理装置100における基板Wの通常の処理手順は、主搬送ロボット103がインデクサ102から受け取った未処理の基板Wを各洗浄処理ユニット1に搬入し、当該洗浄処理ユニット1で基板Wに洗浄処理を行った後、主搬送ロボット103が当該洗浄処理ユニット1から処理済みの基板Wを搬出してインデクサ102に戻すというものである。各洗浄処理ユニット1における典型的な基板Wの洗浄処理手順の概略は、基板Wの表面に薬液を供給して所定の薬液処理を行った後、純水を供給して純水リンス処理を行い、その後基板Wを高速回転させて振り切り乾燥処理を行うというものである。
洗浄処理ユニット1にて基板Wの処理を行う際には、スピンチャック20に基板Wを保持するとともに、処理カップ40が昇降動作を行う。薬液処理を行うときには、例えば外カップ43のみが上昇し、外カップ43の上端部43bと中カップ42の第2案内部52の上端部52bとの間に、スピンチャック20に保持された基板Wの周囲を取り囲む開口が形成される。この状態にて基板Wがスピンチャック20とともに回転され、上面処理液ノズル30および下面処理液ノズル28から基板Wの上面および下面に薬液が供給される。供給された薬液は基板Wの回転による遠心力によって基板Wの上面および下面に沿って流れ、やがて基板Wの端縁部から側方に向けて飛散される。これにより、基板Wの薬液処理が進行する。回転する基板Wの端縁部から飛散した薬液は外カップ43の上端部43bによって受け止められ、外カップ43の内面を伝って流下し、外側回収溝51に回収される。
また、純水リンス処理を行うときには、例えば、内カップ41、中カップ42および外カップ43の全てが上昇し、スピンチャック20に保持された基板Wの周囲が内カップ41の第1案内部47によって取り囲まれる。この状態にて基板Wがスピンチャック20とともに回転され、上面処理液ノズル30および下面処理液ノズル28から基板Wの上面および下面に純水が供給される。供給された純水は基板Wの回転による遠心力によって基板Wの上面および下面に沿って流れ、やがて基板Wの端縁部から側方に向けて飛散される。これにより、基板Wの純水リンス処理が進行する。回転する基板Wの端縁部から飛散した純水は第1案内部47の内壁を伝って流下し、廃棄溝49から排出される。なお、純水を薬液とは別経路にて回収する場合には、中カップ42および外カップ43を上昇させ、中カップ42の第2案内部52の上端部52bと内カップ41の第1案内部47の上端部47bとの間に、スピンチャック20に保持された基板Wの周囲を取り囲む開口を形成するようにしても良い。
また、振り切り乾燥処理を行うときには、内カップ41、中カップ42および外カップ43の全てが下降し、内カップ41の第1案内部47の上端部47b、中カップ42の第2案内部52の上端部52bおよび外カップ43の上端部43bのいずれもがスピンチャック20に保持された基板Wよりも下方に位置する。この状態にて基板Wがスピンチャック20とともに高速回転され、基板Wに付着していた水滴が遠心力によって振り切られ、乾燥処理が行われる。
そして、本実施形態においては、上面処理液ノズル30から基板Wの上面に処理液を吐出するときに、カメラ70によって処理位置の上面処理液ノズル30を撮影して得られた画像に判定部91が所定の画像処理を行って上面処理液ノズル30の位置ずれおよび処理液吐出の有無を判定している。以下、その技術について詳細に説明する。なお、ここでは上面処理液ノズル30についての判定処理を説明するが、他の上面処理液ノズル60,65についても同様である。
図6は、判定処理のための事前準備の手順を示すフローチャートである。図7は、判定部91による判定処理の手順を示すフローチャートである。図6に手順を示す事前準備は実際の処理対象となる基板Wの処理プロセスに先立って実行されるものであり、例えば基板処理装置100のメンテナンス作業時に実施すれば良い。一方、図7には、洗浄処理ユニット1に実際の処理対象となる基板Wが搬入されたときの判定処理の手順を示している。
まず、メンテナンス作業時などに、上面処理液ノズル30のティーチングを行うときに上面処理液ノズル30をティーチング位置に移動させる(ステップS11)。ティーチングとは、上面処理液ノズル30に適正な動作を教示する作業であり、上面処理液ノズル30の停止位置を適正な位置(ティーチング位置)に修正する。よって、ティーチング時に、上面処理液ノズル30をティーチング位置に移動させたときには、上面処理液ノズル30が適正な処理位置に正確に移動されることとなる。なお、適正な処理位置とは、その処理位置にて上面処理液ノズル30から処理液を吐出すれば要求されている基板処理が行われる位置である。
上面処理液ノズル30が適正な処理位置に移動したときに、カメラ70によって上面処理液ノズル30の先端を含む撮像領域を撮像する(ステップS12)。図8は、カメラ70が処理位置における上面処理液ノズル30の先端を含む撮像領域を撮像して得た画像の一例を示す図である。撮像領域PAには、スピンチャック20に保持された基板Wの上方の処理位置に位置する上面処理液ノズル30の先端が含まれている。なお、メンテナンス時にはスピンチャック20に基板Wが保持されていないこともあるため、撮像領域PAに基板Wは必ずしも含まれていなくても良い。
次に、ステップS12で撮像して得られた画像から設定部93がリファレンスパターンの切り出しを行う(ステップS13)。ステップS12での撮像時点では、ティーチングによって上面処理液ノズル30が適正な処理位置に正確に位置している。従って、ステップS12でカメラ70によって撮像して得られた画像は、上面処理液ノズル30の適正な処理位置を示すノズル位置基準画像となりうるものである。ステップS13では、そのようなノズル位置基準画像から図8に示すように上面処理液ノズル30の先端部分を含む一部画像領域をリファレンスパターンRPとして設定部93が自動で設定する。以下、設定部93によるリファレンスパターンRPの設定について説明を続ける。
設定部93は、上面処理液ノズル30が処理位置に正確に位置しているときにカメラ70が撮像領域PAを撮像して取得したノズル位置基準画像における上面処理液ノズル30の座標を特定する。図9は、上面処理液ノズル30の座標を特定するための画像処理を示す図である。図9(a)に示すのは、上面処理液ノズル30が処理位置に正確に位置しているときにカメラ70によって撮像領域PAを撮像して得られた画像、つまり図8と同じノズル位置基準画像である。
ノズル位置基準画像を取得した後、制御部9の制御によって上面処理液ノズル30が所定方向に所定量だけ移動する。上面処理液ノズル30の移動方向は、図4における時計回り方向または反時計回り方向のいずれであっても良い。すなわち、撮像領域PAにおいては、上面処理液ノズル30は右方向または左方向のいずれに移動しても良い。上面処理液ノズル30の移動量も特に限定されるものではなく、上面処理液ノズル30の径より大きければ良い。
処理位置に正確に位置している上面処理液ノズル30が所定方向に所定量だけ移動して停止したときにカメラ70が撮像領域PAを撮像して参照画像を取得する。図9(b)に示すのは、そのようにして取得された参照画像の一例である。図9(a)に示すノズル位置基準画像と図9(b)に示す参照画像との相違は、上面処理液ノズル30の位置のみである。
続いて、設定部93は、図9(a)のノズル位置基準画像と図9(b)の参照画像との差分の絶対値を算出して差分画像を取得する。より詳細には、ノズル位置基準画像に含まれる各画素の階調値と当該画素に対応する参照画像の画素の階調値との差分の絶対値を全画素について算出して差分画像を取得する。図9(c)に示すのは、そのようにして取得された差分画像の一例である。
カメラ70は全く同一の撮像領域PAを撮像することによってノズル位置基準画像および参照画像を取得しており、上面処理液ノズル30の位置を除いて両画像の背景(例えば、基板Wの表面や洗浄処理ユニット1内の構造物)は同じである。従って、ノズル位置基準画像と参照画像との差分である差分画像においては、図9(c)に示すように、基板W表面などの背景は全て消失してノズル位置基準画像および参照画像に含まれる上面処理液ノズル30の画像のみが抽出されることとなる。差分画像はノズル位置基準画像と参照画像との差分の絶対値であるため、双方の画像に含まれる計2つの上面処理液ノズル30が差分画像に残っている。図9(c)の例では、差分画像に含まれる2つの上面処理液ノズル30のうち右側のものが適正な処理位置に正確に位置している上面処理液ノズル30の画像である。
次に、設定部93は、差分画像において2つの上面処理液ノズル30双方の先端部(吐出ヘッド31)をX軸方向に通過するラインPXに沿って階調値プロファイルを取得する。図10には、差分画像におけるラインPXに沿った階調値プロファイルを示す。同図において、階調値が相対的に高くなっている2つの部分が差分画像における2つの上面処理液ノズル30に対応する。設定部93は、このうちの右側の部分、つまり適正な処理位置に正確に位置している上面処理液ノズル30に対応する部分の両端の座標x1,x2を特定する。この座標x1,x2は、処理位置に正確に位置している上面処理液ノズル30の差分画像における幅方向両端の座標である。差分画像における右側の上面処理液ノズル30の座標とノズル位置基準画像における上面処理液ノズル30の座標とは同一であるため、座標x1,x2はノズル位置基準画像における上面処理液ノズル30の幅方向両端の座標でもある。なお、階調値プロファイルにおいて、階調値が相対的に高くなっている2つの部分のうちいずれが処理位置に正確に位置している上面処理液ノズル30に対応する部分であるかは、参照画像を取得したときの移動方向から容易に認識することができる。
次に、設定部93は、差分画像において座標x1と座標x2との間をY軸方向に通過するラインPYに沿って階調値プロファイルを取得する。図11には、差分画像におけるラインPYに沿った階調値プロファイルを示す。座標x1と座標x2との間を通過するラインPYは、差分画像において処理位置に正確に位置している上面処理液ノズル30を通過するため、図11において、階調値が相対的に高くなっている部分が処理位置に正確に位置している上面処理液ノズル30に対応する。設定部93は、階調値が高くなっている部分の端部、つまり階調値が急激に減少する位置の座標y1を特定する。この座標y1は、処理位置に正確に位置している上面処理液ノズル30の差分画像における先端の座標である。よって、座標y1はノズル位置基準画像における上面処理液ノズル30の先端の座標でもある。
以上のようにして設定部93は、ノズル位置基準画像と参照画像との差分である差分画像における階調値プロファイルから上面処理液ノズル30の幅方向両端および先端の座標を特定する。設定部93は、特定した上面処理液ノズル30の幅方向両端および先端の座標に基づいてノズル位置基準画像におけるリファレンスパターンRPの座標を決定する。具体的には、設定部93は、ノズル位置基準画像における上面処理液ノズル30の幅方向両端の座標x1,x2に若干のマージンをもたせた座標x1−α,x2+αをリファレンスパターンRPの幅方向両端の座標とする。また、設定部93は、ノズル位置基準画像における上面処理液ノズル30の先端の座標y1から所定の距離だけ離間した座標y1−β,y1+γをリファレンスパターンRPの上下方向両端の座標とする。幅方向両端および上下方向両端の座標が特定されれば、矩形領域のリファレンスパターンRPが決定されることとなる。
このようにして設定部93は、ノズル位置基準画像における上面処理液ノズル30の座標を特定して上面処理液ノズル30の先端を含む矩形領域をリファレンスパターンRPとして設定する。図8には、設定部93によって設定されたリファレンスパターンRPの一例を示す。同図に示すように、リファレンスパターンRPには、上面処理液ノズル30の先端部分が含まれている。設定部93によって切り出されたリファレンスパターンRPは、ノズル位置基準画像内における座標(幅方向両端の座標x1−α,x2+αおよび上下方向両端の座標y1−β,y1+γ)とともに、制御部9の記憶部92に記憶される(ステップS14)。
次に、設定部93が位置異常判定の閾値を設定する(ステップS15)。ここで設定する閾値は、後述する上面処理液ノズル30の位置異常の判定(図7のステップS26)に用いるためのものであり、ステップS12で撮影されたノズル位置基準画像のリファレンスパターンRPでのノズル位置と、ステップS25で特定された画像中のノズル位置とのずれの閾値である。ステップS15で設定する閾値が低いほど、両画像におけるノズル位置のずれが小さくても上面処理液ノズル30の位置が異常であると判定される。すなわち、判定基準が厳しくなる。設定部93は予め規定されている値(例えば、2mm)を位置異常判定の閾値として設定する。ステップS15で設定された閾値は記憶部92に格納される。
次に、適正な処理位置に正確に位置している上面処理液ノズル30から試験的に処理液を吐出するとともに、カメラ70が撮像領域PAを一定間隔で連続して撮像して一連の画像を取得する(ステップS16)。すなわち、カメラ70は、処理位置に正確に位置している上面処理液ノズル30が処理液を吐出する前から吐出中にかけて動画撮影を行う。ステップS16で取得された複数の画像は記憶部92に保存される。
次に、ステップS12で撮像して得られた画像内にて設定部93が吐出判定領域の設定を行う(ステップS17)。図8に例示するように、カメラ70が撮像領域PAを撮像して得られた画像には上面処理液ノズル30の先端近傍以外にも、スピンチャック20に保持された基板Wや洗浄処理ユニット1内の機器などが映り込んでいる。上面処理液ノズル30からの処理液吐出を判定する際には、それらの背景の影響をなるべく少なくするのが好ましく、特に基板Wの表面で反射する処理液の像の影響を排除する必要がある。このため、ステップS17では、カメラ70が撮像領域PAを撮像して取得した画像のうち上面処理液ノズル30の先端から吐出された処理液がスピンチャック20に保持された基板Wに到達するまでの液柱部分を含む吐出判定領域SPを設定している。
設定部93は、上面処理液ノズル30の吐出幅に若干のマージンを加算または減算して吐出判定領域SPの幅とする。また、設定部93は、上面処理液ノズル30の先端とスピンチャック20に保持された基板Wとの距離に若干のマージンを加算または減算して吐出判定領域SPの長さとする。幅および長さが特定されれば矩形の吐出判定領域SPが決定されることとなる。なお、上面処理液ノズル30の吐出幅および上面処理液ノズル30の先端とスピンチャック20に保持された基板Wとの距離はいずれも予め規定されている値である。
設定部93は、幅および長さを特定した吐出判定領域SPをノズル位置基準画像において上面処理液ノズル30の先端の処理液が吐出される側(下側)に設定する。上面処理液ノズル30の先端の座標(x1,y1)、(x2,y1)は上述したリファレンスパターンRPの切り出し時に求められている。設定部93は、その上面処理液ノズル30の先端の座標に対して吐出判定領域SPを設定し、吐出判定領域SPの座標を特定する。
このようにして設定部93は、上面処理液ノズル30の吐出幅および上面処理液ノズル30の先端とスピンチャック20に保持された基板Wとの距離に基づいてノズル位置基準画像における上面処理液ノズル30に対して吐出判定領域SPを設定している。この吐出判定領域SPには、少なくともノズル位置基準画像における上面処理液ノズル30の先端から吐出された処理液がスピンチャック20に保持された基板Wに到達するまでの液柱部分が含まれる。設定部93によって設定された吐出判定領域SPは制御部9の記憶部92に記憶される。なお、ここで設定される吐出判定領域SPは、上述のリファレンスパターンRPと異なって画像そのものではなく、あくまでもカメラ70が撮像領域PAを撮像して取得した画像中の領域であり、吐出判定領域SPの矩形領域を示す座標で表される。
吐出判定領域SPの設定に続いて、設定部93が吐出判定の閾値を設定する(ステップS18)。ここで設定される閾値は、後述する処理液の吐出判定(図7のステップS28)に用いるためのものであり、カメラ70が撮像する処理液吐出前後における画像の差分の閾値である。ここで設定する閾値が低いほど、差分が小さくても上面処理液ノズル30から処理液が吐出されたと判定されやすくなる。
設定部93は、ステップS16で連続撮像された上面処理液ノズル30からの処理液吐出前後にわたる一連の画像を用いて吐出判定の閾値を設定する。設定部93は、ステップS16で取得された複数の画像のそれぞれにおける吐出判定領域SPの各画素の階調値と当該画素に対応するノズル位置基準画像における吐出判定領域SPの画素の階調値との差分の絶対値を吐出判定領域SPに含まれる全画素について積算する。ステップS16で取得された複数の画像には、上面処理液ノズル30から処理液を吐出していないときの画像と処理液を吐出しているときの画像とが含まれている。
図12は、ステップS16で撮像された上面処理液ノズル30からの処理液吐出前後にわたる画像を示す図である。図12(a)には上面処理液ノズル30から処理液を吐出していないときの画像の吐出判定領域SPを示し、図12(b)には上面処理液ノズル30から処理液を吐出しているときの画像の吐出判定領域SPを示している。
設定部93は、上面処理液ノズル30から処理液を吐出していないときにカメラ70が撮像領域PAを撮像して取得した画像とノズル位置基準画像との吐出判定領域SPにおける差分を算出する。すなわち、設定部93は、図12(a)を構成する各画素の階調値と、その画素に対応するノズル位置基準画像の画素の階調値との差分の絶対値の総和を算出する。同様に、設定部93は、上面処理液ノズル30から処理液を吐出しているときにカメラ70が撮像領域PAを撮像して取得した画像とノズル位置基準画像との吐出判定領域SPにおける差分を算出する。すなわち、設定部93は、図12(b)を構成する各画素の階調値と、その画素に対応するノズル位置基準画像の画素の階調値との差分の絶対値の総和を算出する。
図13は、吐出判定の閾値設定を説明するための図である。同図の縦軸は、画素階調値の差分の絶対値を積算した総和を示している。同図の横軸は、ステップS16で連続撮像された画像の番号を示す。ステップS16で連続撮像されて取得された複数の画像のうち比較的初期のものは、上面処理液ノズル30から処理液を吐出していないときの画像(図12(a))である。図13で画像の番号N1以前にプロットされているのは、そのような上面処理液ノズル30から処理液を吐出していないときの画像とノズル位置基準画像との吐出判定領域SPにおける差分の総和である。そして、その最大値がC1である。
一方、ステップS16で連続撮像されて取得された複数の画像のうち比較的後期のものは、上面処理液ノズル30から処理液を吐出しているときの画像(図12(b))である。図13で画像の番号N1よりも後にプロットされているのは、そのような上面処理液ノズル30から処理液を吐出しているときの画像とノズル位置基準画像との吐出判定領域SPにおける差分の総和である。そして、その最小値がC2である。
設定部93は、上面処理液ノズル30から処理液を吐出していないときにカメラ70が撮像領域PAを撮像して取得した画像とノズル位置基準画像との吐出判定領域SPにおける差分の最大値C1と、上面処理液ノズル30から処理液を吐出しているときにカメラ70が撮像領域PAを撮像して取得した画像とノズル位置基準画像との吐出判定領域SPにおける差分の最小値C2と、の中間の値を閾値THとして設定する。中間の値とは、例えば最大値C1と最小値C2との平均値((C1+C2)/2)であっても良いし、その平均値から所定範囲内の任意の値であっても良い。設定部93が設定した閾値THは記憶部92に格納される。
以上のようにして上面処理液ノズル30についての事前準備が行われる。ステップS11からステップS18にて示したの同様の事前準備が他の上面処理液ノズル60,65についても実行される(ステップS19)。このような事前準備は、ティーチングを行ったときに予め実施しておけば足りるものであり、一度実施すればティーチング位置が変更されるまで再度実施する必要はない。なお、固定の下面処理液ノズル28については上記のような事前準備処理は行わない。
次に、図6に示した事前準備が行われた後に処理対象となる基板Wの処理を行うときの手順について図7を参照しつつ説明する。まず、処理対象となる基板Wが主搬送ロボット103によって洗浄処理ユニット1に搬入される(ステップS21)。搬入された基板Wはスピンチャック20によって水平姿勢で保持される。それとともに、処理カップ40が所定の高さ位置に到達するように昇降動作を行う。
スピンチャック20に新たな処理対象となる基板Wが保持された後、上面処理液ノズル30が待機位置から処理位置に向けて移動を開始する(ステップS22)。上面処理液ノズル30の移動は、予め設定されたレシピ(基板Wの処理手順および条件を記述したもの)に従って制御部9がノズル基台33を制御することにより行われる。また、制御部9は、当該レシピに所定時間以上(例えば、5秒以上)の上面処理液ノズル30からの処理液吐出が記述されている場合には、上面処理液ノズル30の移動を開始するのと同じタイミングで判定部91に対して吐出判定を行うように指示する。制御部9が吐出判定の指示を行うタイミングは、厳密に上面処理液ノズル30が移動を開始するのと同じでなくても良いが、上面処理液ノズル30が移動を停止するまでに判定部91がステップS23以降の処理を行えるように余裕をもって行うのが好ましい。
吐出判定の指示を受けた判定部91は、カメラ70に連続撮像を開始させる(ステップS23)。カメラ70は、撮像領域PAを一定間隔で連続して撮像する。例えば、カメラ70は、33ミリ秒間隔で連続撮像を行う(1秒に30フレーム)。すなわち、カメラ70は、スピンチャック20が処理対象となる新たな基板Wを保持して上面処理液ノズル30が待機位置から処理位置に向けて移動を開始した時点から動画撮影を開始するのである。なお、カメラ70が連続撮像を開始した時点では、上面処理液ノズル30が待機位置から移動を開始した時点でもあるため、撮像領域PAに上面処理液ノズル30は到達していない。
カメラ70が連続撮像を開始した後、判定部91が上面処理液ノズル30の移動の停止を判定する(ステップS24)。上面処理液ノズル30の移動自体は、上記のレシピに従って制御部9がノズル基台33を制御することにより行われるものであり、その移動の停止も制御部9によって制御されている。判定部91は、カメラ70が連続撮像によって取得した複数の画像から上面処理液ノズル30が移動を停止したか否かを制御部9による制御から独立して判定するのである。具体的には、判定部91は、カメラ70が撮像領域PAを連続撮像して取得した連続する画像の差分を逐一算定し、その差分が一定値以下となっているか否かによって上面処理液ノズル30の移動の停止を判定する。連続する画像の差分の算定とは、連続撮像によって取得された複数の画像のうちある画像とその次の画像との差分の画像における全画素の階調値の絶対値を積算した総和を求めることである。
図14は、撮像領域PA内における上面処理液ノズル30の移動を示す図である。撮像領域PA内において上面処理液ノズル30が移動しているときに、カメラ70が撮像領域PAを連続撮像すると、ある画像とその次の画像とで上面処理液ノズル30の位置が異なっており、それら両画像の差分では処理液ノズル30の像が残る。これに対して、撮像領域PAにおいて上面処理液ノズル30が処理位置(図14中の点線位置)にて移動を停止した後にカメラ70が撮像領域PAを連続撮像すると、ある画像とその次の画像とで上面処理液ノズル30の位置が同一であり、それら両画像の差分では上面処理液ノズル30も消えることとなる。従って、カメラ70が撮像領域PAを連続撮像して取得した連続する画像の差分(ある画像とその次の画像との差分)の画像における全画素の階調値の総和が一定値以下であれば、判定部91は上面処理液ノズル30が移動を停止したと判定する。なお、ノイズなどによる誤判定を防止するために、例えば判定部91は連続する5枚の画像についてある画像とその次の画像との差分を算定し(この場合4つの差分が算定される)、その差分が全て一定値以下であれば上面処理液ノズル30が移動を停止したと判定するようにしても良い。
次に、判定部91は、カメラ70によって連続して取得される画像のうちステップS24で上面処理液ノズル30の移動が停止したと判定された時点での画像を処理液吐出判定のための吐出基準画像として特定する(ステップS25)。特定された吐出基準画像は、制御部9の記憶部92に記憶される。このようにして得られた吐出基準画像は、上面処理液ノズル30が処理位置に到達して停止した時点での撮像領域PAを撮像した画像である。上面処理液ノズル30が処理位置に到達して停止した時点では、未だに上面処理液ノズル30からの処理液の吐出は行われていない。よって、吐出基準画像は、処理位置に移動した上面処理液ノズル30が処理液を吐出する前にカメラ70が撮像領域PAを撮像して取得した画像である。
また、ステップS21からステップS25までの工程は、新たな処理対象となる基板Wが洗浄処理ユニット1に搬入される毎に実行される処理である。すなわち、本実施形態においては、洗浄処理ユニット1に搬入された新たな処理対象となる基板Wをスピンチャック20が保持して上面処理液ノズル30が処理位置に移動する毎に吐出基準画像を取得しているのである。
次に、判定部91がノズル位置基準画像と吐出基準画像とを比較して上面処理液ノズル30の処理位置における位置異常を判定する(ステップS26)。ノズル位置基準画像は、ティーチング時に上面処理液ノズル30が適正な処理位置に正確に位置しているときにカメラ70が撮像領域PAを撮像して取得した画像である。吐出基準画像は、処理対象となる基板Wをスピンチャック20が保持し、上面処理液ノズル30が処理位置に移動して停止したときにカメラ70が撮像領域PAを撮像して取得した画像である。よって、ノズル位置基準画像と吐出基準画像とを比較すれば、処理対象となる基板Wの上方に移動した上面処理液ノズル30が適正な処理位置にて停止したか否かを判定することができる。
具体的には、判定部91は、ステップS13で設定部93が設定したノズル位置基準画像におけるリファレンスパターンRPと、そのリファレンスパターンRPに対応する吐出基準画像におけるの一部領域画像とを比較し、両画像における上面処理液ノズル30の座標の差(位置ずれ)を算定する。この比較には、公知のパターンマッチングの手法を用いることができる。そして、パターンマッチングによって算定された上面処理液ノズル30の位置ずれがステップS15にて設定部93が設定した位置異常判定の閾値以上である場合には、判定部91は上面処理液ノズル30の位置が異常であると判定する。上面処理液ノズル30の位置が異常であると判定された場合には、制御部9が所定の異常対応処理(例えば、警告発報や処理停止など)を行う。一方、算定された上面処理液ノズル30の位置ずれがステップS15にて設定部93が設定した閾値より小さい場合には、判定部91は上面処理液ノズル30の位置に異常無しと判定する。
上面処理液ノズル30が処理位置に到達して停止した後、制御部9の制御によって基板Wが回転されるとともに、上面処理液ノズル30からの処理液吐出が開始される。そして、判定部91はカメラ70によって連続撮像された画像に基づいて上面処理液ノズル30からの処理液吐出を判定する。
判定部91は、処理液吐出の判定に際して吐出判定領域SPのシフトを行う(ステップS27)。吐出判定領域SPは、ノズル位置基準画像内において上面処理液ノズル30の先端から吐出された処理液がスピンチャック20に保持された基板Wに到達するまでの液柱部分を含む領域としてステップS17で設定部93によって設定されたものである。上記のステップS26では、ノズル位置基準画像中の上面処理液ノズル30の位置と吐出基準画像中における上面処理液ノズル30の位置との位置ずれが算定される。ステップS27では、その算定結果に基づいて判定部91が吐出判定領域SPのシフトを行う。すなわち、ステップS26で算定された位置ずれ量だけ吐出判定領域SPを移動させるのである。
ステップS24にて上面処理液ノズル30の移動停止を判定した後もカメラ70は撮像領域PAの連続撮像を行っている。すなわち、カメラ70は、上面処理液ノズル30が移動を開始するのと同時に撮像領域PAの連続撮像を開始(ステップS23)してから一定間隔での連続撮像を継続しているのである。
判定部91は、処理位置に移動した上面処理液ノズル30が処理液を吐出する前にカメラ70が撮像領域PAを撮像して取得した吐出基準画像と、その後にカメラ70が撮像領域PAを撮像して取得した監視対象画像とを比較して上面処理液ノズル30からの処理液吐出を判定する(ステップS28)。より詳細には、判定部91は、上面処理液ノズル30の移動停止を判定した後にカメラ70が連続して取得した複数の監視対象画像と吐出基準画像とを順次に比較して上面処理液ノズル30からの処理液吐出を判定する。
監視対象画像は、上面処理液ノズル30の移動が停止したと判定された時点よりも後(つまり、吐出基準画像が特定された後)にカメラ70が撮像領域PAを撮像して取得した画像である。上面処理液ノズル30の移動停止を判定した後もカメラ70は撮像領域PAの連続撮像を行っているため、一定間隔で撮像された複数の監視対象画像が取得されることとなる。そして、上面処理液ノズル30が処理位置にて移動を停止してから所定時間経過後に処理液の吐出が開始されるため、上記複数の監視対象画像のうちのいずれかの時点以降に得られた画像に処理液の吐出が映っていることとなる。判定部91は、このような複数の監視対象画像と吐出基準画像とを順次に比較して上面処理液ノズル30からの処理液吐出を判定する。
図16は、処理液吐出判定のアルゴリズムの一例を模式的に示す図である。判定部91は、複数の監視対象画像のうちの1枚における吐出判定領域SPの各画素の階調値と当該画素に対応する吐出基準画像における吐出判定領域SPの画素の階調値との差分の絶対値を吐出判定領域SPに含まれる全画素について積算する。なお、吐出基準画像および監視対象画像の吐出判定領域SPはともに、ステップS27にてシフトされた領域である。従って、処理位置における上面処理液ノズル30の停止位置がティーチング位置から位置異常と判定されない程度にずれていたとしても、吐出判定領域SPは上面処理液ノズル30の先端から吐出された処理液がスピンチャック20に保持された基板Wに到達するまでの液柱部分を含む領域として正確に設定される。
続いて、判定部91は、上述のようにして算出した差分の総和とステップS17にて設定部93によって設定された閾値THとを比較する。そして、差分の総和がステップS17にて予め設定された閾値TH以上である場合には、判定部91は上面処理液ノズル30から処理液が吐出されていると判定する。一方、差分の総和が当該閾値THよりも小さい場合には、判定部91は上面処理液ノズル30から処理液が吐出されていないと判定する。判定部91は、このような比較を上面処理液ノズル30の移動が停止したと判定された時点よりも後にカメラ70が撮像領域PAを撮像して取得した複数の監視対象画像について順次に行う。
図15は、差分の総和と閾値との比較を示す図である。図13と同じく図15の縦軸には、画素階調値の差分の絶対値を積算した総和を示している。図15の横軸には、上面処理液ノズル30の移動が停止したと判定された時点よりも後に取得された複数の監視対象画像の番号を順次に示している。上面処理液ノズル30から処理液が吐出されるよりも前の時点における監視対象画像(図15の10番目までの監視対象画像)はほぼ吐出基準画像と同じである。よって、監視対象画像における吐出判定領域SPの各画素の階調値と当該画素に対応する吐出基準画像における吐出判定領域SPの画素の階調値との差分の絶対値の総和は相対的に低く、ステップS18にて設定された閾値THより小さい。
これに対して、上面処理液ノズル30からの処理液吐出が開始された後の監視対象画像(図15の11番目以降の監視対象画像)には、吐出された処理液の画像が含まれている(図12(b)参照)。従って、監視対象画像における吐出判定領域SPの各画素の階調値と当該画素に対応する吐出基準画像における吐出判定領域SPの画素の階調値との差分の絶対値の総和は相対的に高く、ステップS18にて設定された閾値THより大きい。
判定部91は、上面処理液ノズル30から処理液が吐出されていると判定される状態が2秒以上継続する場合、つまり撮像間隔が33ミリ秒であれば60枚以上の監視対象画像について処理液が吐出されていると判定される場合には、上面処理液ノズル30から安定して確実に処理液が吐出されているものと判断する。一方、上面処理液ノズル30の移動が停止したと判定された時点から所定時間(例えば5秒)を経過しても、画素階調値の差分の総和が閾値TH以上とならずに上面処理液ノズル30から処理液が吐出されていないと判定される場合には処理液吐出の異常と判断する。判定部91による処理液吐出の判定結果は、例えば制御部9に付設されたディスプレイ等に表示するようにしても良い。また、上面処理液ノズル30から処理液吐出が異常であると判定された場合には制御部9が処理停止などの異常対応処理を行うようにしても良い。
以上は、上面処理液ノズル30についての判定処理であったが、他の上面処理液ノズル60,65を使用する場合には、図7に示したのと同様の手順にて上面処理液ノズル60または上面処理液ノズル65についての判定処理を行うことができる。
本実施形態においては、処理位置に移動した上面処理液ノズル30が処理液を吐出する前にカメラ70が撮像領域PAを撮像して取得した吐出基準画像と、その後にカメラ70が撮像領域PAを撮像して取得した監視対象画像とを比較して上面処理液ノズル30からの処理液吐出を判定している。そして、洗浄処理ユニット1に搬入された新たな処理対象となる基板Wをスピンチャック20が保持して上面処理液ノズル30が処理位置に移動する毎に吐出基準画像を取得している。
カメラ70が撮像領域PAを撮像して得られた画像には、上面処理液ノズル30の先端近傍以外にも、スピンチャック20に保持された基板Wや洗浄処理ユニット1内の機器などが含まれている。これらの背景の影響、特に基板Wの表面で反射される処理液の像の影響を可能な限り排除するために、吐出判定領域SPを設定部93によって予め設定し、吐出基準画像および監視対象画像の吐出判定領域SPにおける差分でもって閾値との比較を行っている。
ところが、図8に示すように、吐出判定領域SPからもスピンチャック20に保持された基板Wの表面の画像を除くことはできない。既述したように、基板Wの表面にはレジスト膜や絶縁膜などの種々の膜が成膜されてパターン形成がなされており、その結果基板Wの種類によって表面反射率が大きく異なる。
本実施形態のようにすれば、スピンチャック20が新たな処理対象となる基板Wを保持して上面処理液ノズル30が処理位置に移動する毎に吐出基準画像を取得しているため、吐出基準画像および監視対象画像の双方に同じ基板Wの表面画像が背景として含まれることとなる。よって、吐出基準画像と監視対象画像との差分においては、基板Wの表面反射率の大小にかかわらず、その影響が排除されることとなる。その結果、処理対象となる基板Wの種類にかかわらず、上面処理液ノズル30からの処理液の吐出を確実に判定することができる。
また、判定部91は、処理液吐出の判定に判定に加えて、上面処理液ノズル30が処理位置に移動したときの位置異常の判定をも行っている。メンテナンス時の調整ミスや経時変化などによって、上面処理液ノズル30がティーチング位置からずれて処理液を吐出した場合、本来期待されている結果が得られず、処理不良の原因となる。本実施形態においては、上面処理液ノズル30の位置異常の判定も行っているため、上面処理液ノズル30の位置ずれを検出することができ、その位置ずれ起因した処理不良の発生を防止することができる。
そして、本実施形態においては、上面処理液ノズル30の位置異常判定および処理液吐出判定に必要なリファレンスパターンRPの設定、吐出判定領域SPの設定、および、閾値の設定を制御部9の設定部93によって行っている。従って、装置の作業員が画像処理の知識や判定アルゴリズムについての知識をもたない、或いは十分に習熟していなかったとしても、リファレンスパターンRP、吐出判定領域SPおよび閾値が設定部93によって自動で設定されるため、上面処理液ノズル30の位置異常判定および処理液吐出判定を安定して確実に行うことができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、判定部91が上面処理液ノズル30の移動の停止を判定するときに、カメラ70が連続撮像して取得した連続する画像の差分が一定値以下となっているか否かによって判定していたが、これに限定されるものではなく、各画像とノズル位置基準画像との比較から判定するようにしても良い。すなわち、判定部91は、カメラ70が撮像領域PAを連続撮像して取得した複数の画像とティーチング時に取得したノズル位置基準画像とのパターンマッチングを行い、上面処理液ノズル30の座標変動分が一定値以下となったときに上面処理液ノズル30が移動を停止したと判定する。この場合であっても、判定部91は例えば連続する5枚の画像についてノズル位置基準画像とのパターンマッチングを行い、上面処理液ノズル30の座標変動分が安定して一定値以下となったときに上面処理液ノズル30が移動を停止したと判定するのが好ましい。
また、上記実施形態においては、上面処理液ノズル30の吐出幅および上面処理液ノズル30の先端とスピンチャック20に保持された基板Wとの距離に基づいて吐出判定領域SPを設定していたが、これに代えて、ステップS16で取得された画像から設定部93が吐出判定領域SPを設定するようにしても良い。より詳細には、設定部93は、ステップS16で取得された画像のうち上面処理液ノズル30から処理液を吐出しているときの画像(図12(b))を2値化して吐出される処理液の液柱部分を抽出し、その抽出部分を吐出判定領域SPとして設定する。この場合、処理液の液柱部分で反射された光をカメラ70で受光できるように、撮像領域PAに対してカメラ70と照明部71とを同じ側に設置するのが好ましい。
また、ステップS16で取得されて記憶部92に保存されている画像を用いて吐出判定領域SPおよび吐出判定のための閾値THについての検証を行うようにしても良い。具体的には、ステップS16で取得されて記憶部92に保存されている上面処理液ノズル30からの処理液吐出前後にわたる画像に対して、ステップS17で設定された吐出判定領域SPおよびステップS18で設定された閾値THを用いて判定部91がステップS28の吐出判定を行う。すなわち、ステップS16で取得された画像を用いてシミュレーションを行うことにより吐出判定領域SPおよび閾値THの妥当性を検証するのである。このようにすれば、実際に洗浄処理ユニット1を使用することなく、設定部93によって自動設定された吐出判定領域SPおよび閾値THの妥当性を検証することができる。
また、基板処理装置100によって処理対象となる基板は半導体用途の基板に限定されるものではなく、太陽電池用途の基板や液晶表示装置などのフラットパネルディスプレイに用いるガラス基板であっても良い。
さらに、本発明に係る技術は、移動可能なノズルから基板に処理液を吐出して所定の処理を行う装置であれば適用することができる。例えば、上記実施形態の枚葉式の洗浄処理装置の他に、回転する基板にノズルからフォトレジスト液を吐出してレジスト塗布を行う回転塗布装置(スピンコータ)、表面に膜が成膜された基板の端縁部にノズルから膜の除去液を吐出する装置、或いは、基板の表面にノズルからエッチング液を吐出する装置などに本発明に係る技術を適用するようにしても良い。