JP4018813B2 - 携帯電話機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は携帯電話機に係り、特に、キートップを複数の方向に傾斜させるように操作する多機能キースイッチ装置を備えた携帯電話機に関する。
携帯電話機は、将来的に見ると、本来の無線通信機能の他に、ブラウザを内蔵してコンピュータ機能を備えるようになる傾向にある。コンピュータ機能を有するようになると、一般のパソコンと同じ感覚で操作される多機能キースイッチ装置等を備えることになる。ここで、携帯電話機は一般のパソコンに比べて小型であるため、特別の工夫が必要となる。
【0002】
【従来の技術】
図1(A)は従来の携帯電話機に組み込まれている多機能キースイッチ装置10を示す。従来の多機能キースイッチ装置を10は、キートップ11が電話機本体組立体12上に載って、携帯電話機ケース13の開口14内に収まっている構成である。キートップ11の下面には、周囲の4か所に押し用凸部16が形成してある。電話機本体組立体12は、上面にプリント基板17を有し、このプリント基板17のうちキートップ11が配される部位に複数のドームスイッチ18−1,18−2(実際には4つ)が設けてある。各ドームスイッチ18は、プリント基板17に形成されている固定接点と、これを覆うドーム型の可動接点部材19とよりなる。
【0003】
例えばキートップ11の上面11aのうち符号20で示す部位を押す操作をすると、キートップ11が図1(B)に示すように傾いて、押し用凸部16がドーム型の可動接点部材19を押して、ドームスイッチ18−1がオンとされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の多機能キースイッチ装置10は、複数のドームスイッチ18−1,18−2(実際には4つ)が配されており、各ドームスイッチ毎にドーム型の可動接点部材19が設けてある構成であるため、小型に構成することが困難である。よって、従来の多機能キースイッチ装置10は、小型である携帯電話機に組み込むには適当ではない。
【0005】
そこで、本発明は上記課題を解決した携帯電話機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、キートップが複数の方向に傾斜されるように操作される多機能キースイッチ装置を有し、該キートップが携帯電話機のケースの開口から露出している携帯電話機において、
該多機能キースイッチ装置は、スイッチ本体とこれから突き出ているスティックとよりなるスティックスイッチと、該スティックに取り付けてあり、下部に外側に拡がったスカート部を有して略円柱形状であるキートップとよりなり、
該キートップは、所定以上に傾斜させる操作をしたときに該スイッチ本体と当たって該キートップが上記所定以上に傾斜されることを制限するストッパ部を、該キートップのスカート部の下面に有し、且つ、該キートップの該スカート部の周囲の複数の箇所に、前記開口の縁の凸部又は凹部と嵌合して該キートップがその軸線に関して回されることを制限する凹部又は凸部を有する構成としたのである。
【0007】
ストッパ部がキートップの下面に設けてある構成は、キートップが所定以上に傾斜されることを制限する機構を、多機能キースイッチ装置の平面図の大きさを大きくしないで構成することが可能となる。
また、ストッパ部が当たる対象がスイッチ本体であるため、多機能キースイッチ装置自体でキートップが所定角度以上には傾斜しないようにする機構を構成することが可能ある。
【0021】
【発明の実施の形態】
〔第1実施例〕
図2及び図3(A)乃至(D)に示すように、本発明の第1実施例になる携帯電話機40は、電話機本体組立体41が、組み合わされたフロントケース42とリアケース43との内部に組み込まれた構成である。Y1−Y2方向が携帯電話機40の長手方向であり、X1−X2方向が携帯電話機40の幅方向であり、Z1−Z2方向が携帯電話機40の厚さ方向である。フロントケース42には、その内側にキーパッド集合体44が取り付けてあり、Y2方向端側にテンキーを覆うフリッパ45が取り付けてある。
【0022】
電話機本体組立体41は、図4に示すように、多くの電子部品が上面及び下面に実装してあるプリント基板46と、上面側の電子部品を覆う上側シールド部材47と、下面側の電子部品を覆う下側シールド部材48と、上側シールド部材47の上側のフレキシブルプリント基板49とを有し、且つこのフレキシブルプリント基板49上に、スピーカ50、液晶表示部51、マイク52が取り付けてある構成である。
【0023】
携帯電話機40は、Y1方向端側からY2方向に向かって、順に、スピーカ50、液晶表示部51、多機能キースイッチ装置53、テンキー54、マイク52が設けてある。また、携帯電話機40には、引出し可能なアンテナ55が設けてある。
次に多機能キースイッチ装置53について説明する。
【0024】
多機能キースイッチ装置53は、図4、図5(A)乃至(C)、及び図6に示すように、プリント基板46の上面に実装してあるスティックスイッチ60のスティック61に、略円柱形状のキートップ62がその中心の軸62dを嵌合させて取り付けられており、図3(A)、図5(B),(C)に示すように、このキートップ62が、フロントケース42の円形開口63に嵌合しており、円形のキートップ面62aがフロントケース42の上面に露出している構成である。キートップ面62aの四方には、操作方向を示すマーク62a1が形成してある。このキートップ62(キートップ面62a)は、操作者が指先を当てることによって、▲1▼Y1方向に押し倒す操作、▲2▼Y2方向に引いて倒す操作、▲3▼X1方向に押し倒す操作、▲4▼X2方向に押し倒す操作、▲5▼Z1方向に押す操作の、5つの操作がなされる。
【0025】
上記▲1▼の操作を行うと、液晶表示部51の表示がY1方向にスクロールする。▲2▼の操作を行うと、液晶表示部51の表示がY2方向にスクロールする。この▲1▼、▲2▼の操作を適宜行うことによって、メニュー、項目の切り換え、音量の調整、又は、検索等がなされる。
上記▲3▼の操作を行うと、液晶表示部51にメモリダイヤル等携帯電話機に設定されている情報が表示される。上記▲4▼の操作を行うと、液晶表示部51にリダイヤル等の最近使用した情報が表示される。
【0026】
上記▲5▼の操作を行うと上記直前に行った操作による選択が確定される。上記▲5▼の操作を長く行うと、マナーモード等の付加機能が働く。
ここで、スティックスイッチ60について説明する。図7に示すように、スティックスイッチ60は、スイッチ本体70から上方にスティック61が突き出ている構成であり、合成樹脂製の箱体71内に、一つのドーム型の可動接点部材72と押し板部材73とが重ねて組み込まれ、更には、箱体71がフレキシブルなスペーサ74を介してカバー部材75によって覆われており、押し板部材73と一体のスティック61がカバー部材75の穴より上方に突き出ている構成である。押し板部材73には、鋲76がかしめてある。ドーム型の可動接点部材72には、中央に開口72aがあいている。
【0027】
箱体71の底面には、5つの固定接点80乃至84と、2つのアース接点85、86が設けてある。各接点は、中央に固定接点80、これを囲んで90度の角度間隔で、Y1,X1,Y2,X2の方向に4つの固定接点81、82、83、84、及びY1方向端側とY2方向端側とにアース接点85、86が存在するように配置されている。ドーム型の可動接点部材72は、アース接点85、86とは接触しており、5つの固定接点80乃至84からは浮いている。
【0028】
スティックスイッチ60は、5つのスイッチ90乃至94が組み込まれている構成である。
スティック61をY1方向に押し倒すと、押し板部材73がドーム型の可動接点部材72を押してこれを撓ませる。ドーム型の可動接点部材72はY1方向側が凹むように撓まされ、撓んだ部分が固定接点81と接触して、スイッチ90が閉じられる。スティック61をはなすと、可動接点部材72が弾性復元して、スティックスイッチ60は元の状態に戻り、スイッチ90は開く。同じく、スティック61をY2方向に押し倒すと、ドーム型の可動接点部材72のY2方向側が凹むように撓まされ、撓んだ部分が固定接点83と接触して、スイッチ92が閉じられる。スティック61をX1方向に押し倒すと、ドーム型の可動接点部材72のX1方向側が凹むように撓まされ、撓んだ部分が固定接点82と接触して、スイッチ91が閉じられる。スティック61をX2方向に押し倒すと、ドーム型の可動接点部材72のX2方向側が凹むように撓まされ、撓んだ部分が固定接点84と接触して、スイッチ93が閉じられる。スティック61をZ1方向に押すと、ドーム型の可動接点部材72が凹むように撓まされ、鋲76が固定接点80と接触して、スイッチ94が閉じられる。
【0029】
次に本実施例の携帯電話機40の特徴部分について説明する。
(1)操作力が過大である場合の保護機構
保護機構には以下のiの機構と、iiの機構とがある。
i キートップ62が所定角度以上には傾斜しないようにする機構
上記の▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼の操作を通常より強い力で行った場合、即ち、押し込み操作を行った場合には、スティック61に強い曲げ力が作用し、スティックスイッチ60を傷めてしまう。これに対する対策として、キートップ62の傾斜角度を制限する機構が設けてある。この機構はメインの保護機構である。
【0030】
図6に示すように、キートップ62は、略円柱形状であり、下部に外側に拡がったスカート部62bを有する。100は軸線である。キートップ面62aは、半径R1の円形である。スカート部62bの下面62cは、半径R2の円形である。半径R2は半径R1より大きい。スカート部62bの下面62cのうち周辺の部分に、90度の角度間隔で、Y1,X1,Y2,X2の方向に高さh1の4つの押し込み防止用凸部101、103、102、104が形成してある。押し込み防止用凸部101〜104が特許請求の範囲の欄記載のストッパ部に対応する。
【0031】
ここで、凸部101、102、103、104は、キートップ62(スティック61)が許容される角度α1(約7度)以上には傾斜しないようにするためのものであり、上記の▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼の操作を通常より強い操作力で行ってキートップ62(スティック61)が傾斜し、許容される角度α1に到る前に、スティックスイッチ60の上面に当たるように、その位置と高さh1が定めてある。
【0032】
例えば、上記▲2▼の操作を通常より強い操作力Fで行った場合には、図8(A)に示すように、キートップ62(スティック61)はY2方向に傾斜し、凸部102がスティックスイッチ60の上面に当たると、キートップ面62aに加えられた操作力Fはスティックスイッチ60の上面でもって受け止められ、キートップ62(スティック61)はそれ以上はY2方向に傾斜せず、スティック61に強い曲げ力が作用することもない。よって、スティックスイッチ60、主にスイッチ本体70を傷めてしまうことが回避される。
【0033】
上記▲1▼の操作を通常より強い操作力Fで行った場合には、キートップ62(スティック61)は図8(A)とは逆の方向であるY1方向に傾斜し、凸部101がスティックスイッチ60の上面に当たって、キートップ面62aに加えられた操作力Fが受け止められ、スティックスイッチ60を傷めてしまうことが回避される。
【0034】
また、上記▲3▼の操作を通常より強い操作力Fで行った場合には、図8(B)に示すように、キートップ62(スティック61)はX1方向に傾斜し、凸部103がスティックスイッチ60の上面に当たると、キートップ面62aに加えられた操作力はスティックスイッチ60の上面でもって受け止められ、キートップ62(スティック61)はそれ以上はX1方向に傾斜せず、スティック61に強い曲げ力が作用することもない。よって、スティックスイッチ60、主にスイッチ本体70を傷めてしまうことが回避される。
【0035】
上記▲4▼の操作を通常より強い操作力で行った場合には、キートップ62(スティック61)は図8(B)とは逆の方向であるX2方向に傾斜し、凸部104がスティックスイッチ60の上面に当たって、キートップ面62aに加えられた操作力が受け止められ、スティックスイッチ60を傷めてしまうことが回避される。
【0036】
ここで、上記の凸部101乃至104はスカート部62bの下面62cに形成してある。即ち、凸部101乃至104は、キートップ62の平面図上の大きさを大きくすることなく形成されている。このことは、小型である携帯電話機40内に組み込む上で好都合である。
また、凸部101乃至104が当たる対象はスティックスイッチ60の上面であるため、多機能キースイッチ装置53自体でキートップ62が所定角度以上には傾斜しないようにする機構を構成出来る。このことは、キートップ62の最大傾斜角度が、多機能キースイッチ装置53を携帯電話機40内に組み込む精度のバラツキに影響されないことを意味し、キートップ62がフロントケース42の開口の縁に当ることによってそれ以上の傾斜が制限されるように構成した場合に比較して、量産した携帯電話機40間でのキートップ62の最大傾斜角度のバラツキが小さくなる。
【0037】
また、スカート部62bの下面62cの大きさはキートップ面62aより大きいため、平面図上、凸部101乃至104はキートップ面62aの周縁より外側に位置している。よって、上記○2の操作を行った場合の図8(A)において、凸部102がスティックスイッチ60の上面に当たっている点Q1と、操作力Fが作用している点Q2を点Q1とスティック61とを結ぶ直線上(第8(A)においてスティックスイッチ60の上面)に垂直に下ろしてきた場合の点とを比較すると、点Q2をスティックスイッチ60の上面に下ろしてきた場合の点は、スティック61の位置を基準にY1−Y2方向上でみた場合に、点Q2のスティックスイッチ60の上面上の点は点Q1よりスティック61の側(Y1方向側)に位置している。よって、凸部102がスティックスイッチ60の上面に当たった状態での操作力Fによって、キートップ62には、符号Mで示すモーメント、即ち、キートップ62の軸62dがスティック61から抜け出す方向のモーメントは発生しない。よって、キートップ62がスティック61から外れることは起きない。これは、上記○2の操作を行った場合に限らず、上記○1の操作を行った場合、及び、上記○3の操作を行った場合(図8(B)に示す状態)、及び上記○4の操作を行った場合にも言えることである。
【0038】
なお、図9は別のキートップ62Aを示す。キートップ62Aは、上記の凸部101乃至104に代えて、スカート部62Abの下面62Acのうち周辺の部分に、環状の押し込み防止用突条部105を有する。押し込み防止用環状突条部105は、特許請求の範囲の欄記載のストッパ部に対応する。上記の凸部101乃至104と同様に機能する。
【0039】
ii スティック61に強い曲げ力が作用する前にキートップ62が外れるようにする機構
この機構は補助的な保護機構である。
図10は、キートップ62が外れるようにする機構を示す。同図に示すように、キートップ62の軸62dは、下端の周面に引っかけるための爪部62d1を有し、且つ、下端側に割り溝62d2を有する。割り溝62d2は、軸62dの下端側の部分が縮径され易いように、即ち、すぼまり易くするために形成してある。爪部62d1を通る径方向(線110で示す)と直交する向きにある。割り溝62d2を利用することによって、軸62dの下端側の部分は、矢印111の方向(爪部62d1を含む線110の方向)に縮められる。
【0040】
スティック61は、円筒形状であり、周壁には、上記爪部62d1が係合するための係合開口61aが形成してあり、更には、係合開口61aからスティック61の上端まで延びるスリット61bが形成してある。このスリット61bは、円筒形状のスティック61がその内径が拡大する変形がし易いように形成してある。なお、実装されたスティックスイッチ60を基準にみると、係合開口61aはY1方向とX1方向との間に位置している。
【0041】
キートップ62の軸62dは、円筒形状のスティック61内に嵌合して、爪部62d1が係合開口61aに係合しており、スティック61より容易には抜けないようになっている。
ここで、キートップ62は通常の操作であれば強く操作してもキートップ62にはモーメントが発生せず、軸62dがスティック61から抜け出す方向の力は発生しない。しかし、キートップ62を故意に水平に近い向きに強い力を加えて倒すように意地悪に操作した場合には、凸部101乃至104が効果的に作用しない虞れがある。本機構はこのための対策である。キートップ62を上記のように意地悪に操作すると、キートップ62にはモーメントが発生して、軸62dがスティック61から抜け出す方向の力が発生する。この抜く力が所定以上になると、爪部62d1がスリット61bをこじ開けて、係合開口61aから抜け出し、キートップ62の軸62dがスティック61から外れて、キートップ62がスティックスイッチ60から外れる。
【0042】
スティック61に強い曲げ力が作用する前にキートップ62が外れることによって、スティック61が曲がったり折れたりする不都合は起きない。
また、図10中、二点鎖線で示すように、スティック61のうちスリット61bとは径方向上反対側の部分に別のスリット61cを追加して設けてもよい。このようにすれば、スリットがスティック61の径方向上両側に形成されており、軸62dのスティック61からの抜け出しがより円滑になされる。
【0043】
(2)キートップ62が軸線100に関して回らないようにする機構
図11及び図12に示すように、キートップ62は、スカート部62bの上面の周囲の部分に、90度間隔で、4つの凹部120−1〜120−4がX1−X2方向に対して45度をなす方向に形成してある。フロントケース42の円形開口63には、上記の4つの凹部120−1〜120−4に対応して4つの凸部121−1〜121−4が形成してある。キートップ62とフロントケース42とは、図12に示すように、キートップ62の各凹部120−1〜120−4がフロントケース42の対応する凸部121−1〜121−4に緩く嵌合している。よって、キートップ62を軸線100に関して回わすような意地悪操作をした場合にも、キートップ62は回らない。よって、スティック61に捩り力は作用せず、スティック61が捩れる事故は防止される。
【0044】
なお、凹凸の関係は上記とは逆の関係、即ち、キートップ62に凸部、フロントケース42に凹部が形成されている構成でもよい。
〔第2実施例〕
第2乃至8実施例において、上記第1実施例の携帯電話機40の構成部分と同じ構成部分には同一符号を付し、また、携帯電話機40の構成部分と対応する構成部分には添字を付した同一符号を付し、その説明は省略する。
【0045】
なお、第2、3、4実施例は、キートップの周囲にごみ侵入対策を施した構成である。キートップは四方向に傾斜されるように操作されるため、キートップとこれが嵌合しているフロントケースの開口との間には、キートップが傾斜するのに必要な比較的広い隙間がある。この隙間はごみが携帯電話機内に侵入する通路となる。そこで、ごみ侵入対策が必要となる。
【0046】
図13(A)乃至(C)は本発明の第2実施例になる携帯電話機40Bの要部を示す。
図14に併せて示すように、キートップ62Bには、そのスカート部62Bbに形成されている環状の溝62Bb1に、ゴム質製であり可撓性を有する環状膜部材130が嵌合して取り付けてある。
【0047】
環状膜部材130は、図15(A)乃至(D)に示すように、内周側の環状部130aと、外周側の環状部130bと、両者の間の環状の膜部130cとよりなる。外周側環状部130bは、環状の上面130b1と環状の下面130b2とを有する。環状膜部材130は、内周側環状部130aが環状の溝62Bb1に嵌合して、切り欠き130a1を利用して周り止めさた状態で取り付けてある。環状膜部130cと外周側環状部130bとがキートップ62Bのスカート部62Bbから外側に環状に張り出ている。130dは外側に環状に張り出ている張り出し部であり、外周側環状部130bと環状膜部130cとよりなる。この張り出し部130dは、自由に弾性的に撓む。
【0048】
図13(A),(B)は、キートップ62Bを操作していないときの状態を示す。外周側環状部130bの環状の上面130b1が、フロントケース42Bの円形開口63Bの円形縁63Baの全周に当接している。よって、キートップ62Bと円形開口63Bとの間の環状の隙間131は、張り出し部130dによって塞がれており、ごみが携帯電話機40Bの内部に侵入することは起きない。
【0049】
ここで、張り出し部130dについてみると、外力が作用していない状態と比べて、外周側環状部130bは少し沈んでおり、環状膜部130cが弾性的に撓まされている。この環状膜部130cの弾性力P1によって、外周側環状部130bの環状の上面130b1がフロントケース42Bの円形開口63Bの円形縁63Baに当接している。よって、上記隙間131は、張り出し部130dによってしっかりと塞がれている。
【0050】
図13(C)は、キートップ62BをX1方向に倒すように操作したときの状態を示す。張り出し部130dによって、上記隙間131及びキートップ62Bとキーパッド集合体44との間の隙間132は塞がれており、操作したときにも、ごみが携帯電話機40Bの内部に侵入することは起きない。
張り出し部130dのうちX2方向側の部分については、外周側環状部130bがめくれるようになって、環状膜部130cが更に弾性的に撓まされて、この環状膜部130cの弾性力P2によって、外周側環状部130bの環状の上面130b1の一部がフロントケース42Bの円形開口63Bの円形縁63Baに押し当たった状態となる。張り出し部130dのうちX2方向側の部分については、外周側環状部130bの環状の下面130b2が、キーパッド集合体44のU字形状切り欠き44aの縁44b(図2参照)に押し当たって状態となる。押し当たる力P3は、撓んだ環状膜部130cの弾性力によって得ている。なお、U字形状切り欠き44aは、元々は、操作されるキートップ62Bが移動する空間を確保するために形成されている。よって、上記隙間131は、張り出し部130dによって塞がれている。
【0051】
キートップ62BをX1方向とは別の方向に倒すように操作したときにも、上記と同様に、張り出し部130dによって上記隙間131及び隙間132が塞がれる。
〔第3実施例〕
図16(A)乃至(C)は本発明の第3実施例になる携帯電話機40Cの要部を示す。
【0052】
図17に併せて示すように、キートップ62Cには、そのスカート部62Cbに形成されている環状の溝62Cb1に、リング部材140が嵌合して取り付けてある。リング部材140は、スポンジ製であり弾性圧縮可能であり、スカート部62Cbから少し突き出ている。
キーパッド集合体44Cは、図2中のキーパッド集合体44のU字形状切り欠き44aに代えて、円形の開口44Cdと、この開口44Ccの縁に沿って立ち上がっている環状の環状壁44Ceとを有する。この環状壁44Ceは、所定の径d1及び高さh1を有している。
【0053】
図16(B)に示すように、携帯電話機40Cが組み立てられた状態において、環状壁44Ceの上端面44Cfが、フロントケース42Cの円形開口63Cの円形縁63Caの全周に当接している。また、環状壁44Ceは、キートップ62Cのスカート部62Cbを囲んでおり、弾性圧縮されたリング部材140と環状壁44Ceの内周壁面が当接している。よって、キートップ62Cと円形開口63Cとの間の環状の隙間131は塞がれており、ごみが携帯電話機40Bの内部に侵入することが防止されている。
【0054】
なお、キートップ62Cは、図16(C)に示すように、主にリング部材140を更に弾性圧縮させつつ操作される。操作した状態においても、弾性圧縮されたリング部材140が環状壁44Ceの内周壁面と当接しており、上記隙間131は塞がれており、ごみが携帯電話機40Bの内部に侵入することが防止されている。
【0055】
なお、リング部材140が弾性圧縮可能であることによって、キートップ62Cを傾斜させる操作は支障なく行われる。
〔第4実施例〕
図18(A)乃至(C)は本発明の第4実施例になる携帯電話機40Dの要部を示す。
【0056】
図19に併せて示すように、スティックスイッチ装置63の周りには、キーパッド集合体44C、パッキン部材150、上側シールド部材47等が存在する。パッキン部材150は、スポンジ製であり、スティックスイッチ60に対応した大きさの矩形枠形状である。上側シールド部材47には、スティックスイッチ60を逃げるためにスティックスイッチ60のスイッチ本体70よりひと回り大きい大きさの開口窓47aが形成してある。
【0057】
スティックスイッチ装置63は、スティックスイッチ60をプリント基板46上に実装されて取り付けてある。キーパッド集合体44Cの環状壁44Ceの上端面44Cfが、フロントケース42Cの円形開口63Cの円形縁63Caの全周に当接している。キートップ62のスカート部62bが環状壁44Ceの内側に位置している。パッキン部材150は、スティックスイッチ60のスイッチ本体70の周囲に嵌合してあり、プリント基板46と上側シールド部材47との間に挟まれて多少圧縮された状態で設けてあり、スティックスイッチ60のスイッチ本体70の周囲と開口窓47aの内側との間に存在する矩形枠形状の開口151を塞いでいる。キートップ62には、特別のシール部材は取り付けられていない。
【0058】
図18(C)は、キートップ62をX1方向に倒すように操作したときの状態を示す。
よって、ごみがキートップ62と円形開口63Cとの間の環状の隙間131内に入り込んでも、開口151がパッキン部材150によって塞がれていることによってごみがプリント基板46上にまで侵入することが制限されている。また、環状壁44Ceによって、ごみがフロントケース42Cの裏側に侵入することも制限されている。
【0059】
なお、開口151を塞いでいるパッキン部材150は、隙間131内に入り込んだ水滴を吸収して、水滴がプリント基板46の上面にまで侵入することを防ぐ防滴機能も有する。
〔第5実施例〕
図20(A)、(B)は本発明の第5実施例になる携帯電話機40Eを示す。携帯電話機40Eは、電話機本体組立体41が、組み合わされたフロントケース42Eとリアケース43Eとの内部に組み込まれた構成である。携帯電話機40Eは、Y1方向端側からY2方向に向かって、順に、スピーカ50E、液晶表示部51E、多機能キースイッチ装置53E、テンキー54E(フリッパ45Eで覆われている)、マイク52Eが設けてある。
【0060】
多機能キースイッチ装置53Eは、スライド式のスイッチであり、ノブ160のストロークは比較的長く、よって、目的とするスイッチとは異なるスイッチをオンさせてしまう誤った操作を起こり難くなり、操作の確実性が高いという特長を有するものである。多機能キースイッチ装置53Eは、プリント基板46E上に実装してあり、ノブ部160aがフロントケース42Eの四角形の開口63E内に突き出ている。ノブ部160aは、液晶表示部51Eの画面のスクロール等のためにY1方向及びY2方向に操作され、確定のためにZ1方向に押し付け操作される。
【0061】
多機能キースイッチ装置53Eは、図21(A)乃至(C)及び図22に示すように、ケース161内に、ノブ部材160、第1、第2の捩りコイルばね状接触片162、163、戻し用捩りコイルばね164、165、ドーム型可動接点部材166が組み込まれ、ケース161が円弧面状のカバー167によって覆われた構成である。第1の捩りコイルばね状接触片162は、コイル部162aと、これから延びて交差している2つの接触片部162b1、162b2とよりなる。第2の捩りコイルばね状接触片163は、コイル部163aと、これから延びて交差している2つの接触片部163b1、163b2とよりなる。
【0062】
ノブ部材160は、中央の上面にノブ部160aを有し、中央の下面からロッド部160bが下方に突き出ており、X1方向に延びている腕部160c及びX2方向に延びている腕部160dを有する。第1の捩りコイルばね状接触片162は、そのコイル部162aを腕部160c内に嵌合させ取り付けてあり、接触片部162b1、162b2がZ1方向に突き出ている。同じく、第2の捩りコイルばね状接触片163は、そのコイル部163aを腕部160d内に嵌合させ取り付けてあり、接触片部163b1、163b2がZ1方向に突き出ている。
【0063】
ケース161の底板の上面には、X1方向側に第1の固定接点パターン171、X2方向側に第2の固定接点パターン172、中央に第3の固定接点パターン173が形成してある。ドーム型可動接点部材166は第3の固定接点パターン173を覆っている。また、ケース161の底板の上面の中央には、Y1,Y2方向に平行に延在するガイド板175、176が設けてある。また、ケース161内には、Y2方向側とY1方向側とに戻し用捩りコイルばね164、165が、ピン部177、178に嵌合して設けてある。戻し用捩りコイルばね164、165は夫々の拡がっている2つの腕部が上記の第1、第2の捩りコイルばね状接触片162、163の間に跨がって第1、第2の捩りコイルばね状接触片162、163をY1,Y2方向側から弾性的に挟んでいる。第1、第2の捩りコイルばね状接触片162、163によって、ノブ部材160は、中央の上面にノブ部160aは第1、第2の捩りコイルばね状接触片162、163は戻し用捩りコイルばね164、165によって電気的に接続されている。
【0064】
ノブ部材160は、腕部160c、160dがカバー167の下面に押さえられ、ロッド部160bがガイド板175、176の間に嵌合し、第1の捩りコイルばね状接触片162の接触片部162b1,162b2が第1の接点パターン171に当接し、第2の捩りコイルばね状接触片163の接触片部163b1,163b2が第2の接点パターン172に当接し、ノブ部160aがカバー167の開口窓167aより突き出た状態で、組み込まれている。ノブ部160aは、中央の位置Oに位置している。
【0065】
指先をノブ部160aに当てがって操作することによって、Y1方向及びY2方向にカバー167の曲面に沿って円弧状に動かされる。このとき、図23(A),(B)に示すように、ノブ部材160と共に第1、第2の捩りコイルばね状接触片162、163がY1方向及びY2方向に移動される。接触片部162b1,162b2が第1の固定接点パターン171上を摺動し、接触片部163b1,163b2が第2の固定接点パターン172上を摺動する。指先をノブ部160aから離すと、ノブ部160aは戻し用捩りコイルばね164、165によって元の中央の位置Oに戻される。中央の位置に戻されたノブ部160aをZ1方向に押すと、ノブ部160aは押し下げされ、ドーム型可動接点部材166が撓んで第3の固定接点パターン173と接触して確定スイッチがオンとされる。
【0066】
次に、ノブ部160aの操作位置とスイッチの動作の関係について説明する。図23(C)に併せて示すように、第1の固定接点パターン171は、Y1,Y2方向に長く、第1の導電パターン171−1、第2の導電パターン171−2、グランド導電パターン171−g1,171−g2とよりなる。第1の導電パターン171−1が端子▲1▼と、第2の導電パターン171−2が端子▲2▼と、グランド導電パターン171−g1,171−g2がグランド端子(G)と接続してある。第2の固定接点パターン172は、Y1,Y2方向に長く、第3の導電パターン172−3、第4の導電パターン172−4、グランド導電パターン172−g1,172−g2とよりなる。第3の導電パターン172−3が端子▲3▼と、第4の導電パターン172−4が端子▲4▼と、グランド導電パターン172−g1,172−g2がグランド端子(G)と接続してある。
【0067】
端子▲1▼とグランド端子(G)と接触片162、163とが第1のスイッチ1を構成する。端子▲2▼とグランド端子(G)と接触片162、163とが第1のスイッチ2を構成する。端子▲3▼とグランド端子(G)と接触片162、163とが第3のスイッチ3を構成する。端子▲4▼とグランド端子(G)と接触片162、163とが第4のスイッチ4を構成する。
【0068】
図23(D)は、スイッチ1〜4のオン、オフ状態を示す。黒帯の部分がオンであることを表す。
操作前の状態では、図23(C)に示すように、第1の捩りコイルばね状接触片162の接触片部162b1はグランド導電パターン171−g2の×の位置に、接触片部162b2はグランド導電パターン171−g1の×の位置に接している。第2の捩りコイルばね状接触片163の接触片部163b1はグランド導電パターン172−g2の×の位置に、接触片部163b2はグランド導電パターン172−g1の×の位置に接している。スイッチ1〜4は共にオフである(図23(D)参照)。
【0069】
ノブ部160aをY2方向に動かした場合、最初に接触片部162b2が第1の導電パターン171−1に移り、次いで接触片部162b1が第2の導電パターン171−2に移る。接触片部163b1、163b2はグランド導電パターン172−g2、172−g1上を移動し続ける。ノブ部160aをY1方向に動かした場合には、最初に接触片部162b1が第4の導電パターン172−4に移り、次いで接触片部163b1が第3の導電パターン172−3に移る。接触片部163b1、163b2はグランド導電パターン172−g2、172−g1上を移動し続ける。
【0070】
ノブ部160aをY2方向に動かし、角度7.5度の位置P1を越えると、接触片部162b2が第1の導電パターン171−1に移り、第1のスイッチ1がオンとなる。ノブ部160aを更に動かし、角度15度の位置P2を越えると、接触片部162b2は依然として第1の導電パターン171−1上に位置し、接触片部162b1が第2の導電パターン171−2上に移り、接触片162は戻し用捩りコイルばね164、165、第2の捩りコイルばね状接触片163を介して経て第2の固定接点パターン172のグランド導電パターン172−g2、172−g1と接続されており、第1のスイッチ1に加えて、第2のスイッチ2がオンとなる。
【0071】
ノブ部160aをY1方向に動かし、角度7.5度の位置P10を越えると、接触片部163b1が第4の導電パターン172−4に移り、第4のスイッチ4がオンとなる。ノブ部160aを更に動かし、角度15度の位置P11を越えると、接触片部163b1は依然として第4の導電パターン172−4上に位置し、接触片部163b2が第3の導電パターン172−3上に移り、接触片163は戻し用捩りコイルばね164、165、第1の捩りコイルばね状接触片162を介して経て第1の固定接点パターン171のグランド導電パターン171−g2、171−g1と接続されており、第4のスイッチ4に加えて、第3のスイッチ3がオンとなる。
【0072】
上記より分かるように、多機能キースイッチ装置53Eはスライド式のスイッチであり、ノブ160のストロークは比較的長い。よって、目的とするスイッチとは異なるスイッチをオンさせてしまう誤った操作は起こり難くなり、操作の確実性が高い。
〔第6実施例〕
第6乃至第8実施例は、IrDA(Infrared Data Association:赤外線データ通信協会) に準拠した赤外線通信機能をもたせた携帯電話機である。プリント基板46上には、IrMS制御用LSI及びRISC CPU(Reduced Instruction Set Computer) が実装してある。携帯電話機が赤外線を利用したデータ通信機能を有しているため、モバイルコンピューティングを行う場合に、携帯電話機を携帯用パソコンとケーブルを使用して接続する必要はなく、携帯電話機の赤外線モジュールを携帯用パソコンの赤外線モジュールに向き合わせれば足りることになり、ケーブルの接続等の作業が不要となり、使い勝手が良くなる。
【0073】
図24及び図25は本発明の第6実施例になる携帯電話機40Fを示す。携帯電話機40Fは、電話機本体組立体41Fのプリント基板46の側縁に臨む部分に赤外線モジュール200が実装してある。携帯電話機40Fの側面側には窓パネル201が取り付けてあり、赤外線モジュール200の前側に対向している。窓パネル201は赤外線透過性である。
【0074】
赤外線モジュール200は、図26(A),(B)に示すように、前面にレンズ211、212が設けられた箱体210内に、赤外線発光素子213、赤外線受光素子214、信号処理IC215、反射板216が組み込まれている構成である。赤外線発光素子213とレンズ211とが対向しており、赤外線受光素子214とレンズ212とが対向している。反射板216は赤外線発光素子213の背面側に設けてある。217はシールドメッキ膜であり、レンズ211、212の部分を除いて箱体210の全周面を覆っている。赤外線モジュール200はは、表面実装用の端子218を半田付けされてプリント基板46に表面実装されており、シールドメッキ膜217がプリント基板46上のグランドパターンと接続されている。
【0075】
モバイルコンピューティングを行うときに赤外線発光素子213から電磁波が発生する。しかし、この電磁波は、シールドメッキ膜217によって赤外線モジュール200内に閉じ込められ赤外線モジュール200の周囲に実装されて配されている電子部品に電磁波の影響が及ぶことが制限される。よって、携帯電話機40Fの本来の機能である通信機能は損なわれない。
【0076】
上記の赤外線モジュール200に代えて、図27(A)に示す赤外線モジュール200A及び図27(A)に示す赤外線モジュール200Bが使用される。赤外線モジュール200Aは、板金ケース218で覆った構成である。赤外線モジュール200Aは、板金ケース219で覆った構成である。各板金ケース218、219には、プリント基板46上のグランドパターンとの接続を確実にするための、板ばね部218a、219aが形成してある。
【0077】
〔第7実施例〕
図28(A),(B)は本発明の第7実施例になる携帯電話機40Gを示す。プリント基板46の側縁に臨む部分に赤外線モジュール230が実装してあり、この前側に窓パネル231が設けてある。
赤外線モジュール230は、箱体210の上面に、レンズ211、212に対応して、接続表示用のLED232,233が設けてあり、箱体210の内部に接続表示回路234が設けてある以外は、図26に示す赤外線モジュール200と同じである。LED232,233が特許請求の範囲の欄記載の可視光線発光素子に対応する。
【0078】
窓パネル231は、2つの部分に分かれており、赤外線透過性のパネル部231aと透明のパネル部231bとよりなる。赤外線透過性のパネル部231aがレンズ211、212と対向し、透明のパネル部231bがLED232,233と対向している。この窓パネル231は二重成形、又は、二つの部品の接合によって製造される。
【0079】
LED232,233は、携帯電話機の赤外線モジュールと携帯用パソコンの赤外線モジュールとが接続された場合に発光する。
よって、透明のパネル部231bが光っていることを視覚によって確認することによって、携帯電話機の赤外線モジュールと携帯用パソコンの赤外線モジュールとが接続されていることを確認することが出来、接続されていることを確認しつつモバイルコンピューティングを行うことが出来、モバイルコンピューティングを安心して確実に行うことが出来る。
【0080】
図29(A),(B)は上記の携帯電話機40Gの変形例になる携帯電話機40Hをを示す。接続表示用のLED235は、赤外線モジュール230A内に設けてある。赤外線モジュール230Aは接続表示用のLED235に対応するレンズ236を有する。窓パネル231Aは、一部に乳白色であり凸であるの透明部231Acが形成してある。この透明部231Acが赤外線モジュール230Aのレンズ236に対向している。
【0081】
〔第8実施例〕
図30は本発明の第8実施例になる携帯電話機40Iを示す。複合赤外線モジュール250は、図28の赤外線モジュール230の傾斜した背面側にバッテリ端子モジュール251が結合されている複合構造である。バッテリ端子モジュール251は、合成樹脂製のブロック252にバッテリ端子253が組み込まれている構造である。
【0082】
複合赤外線モジュール250は、プリント基板46のY2方向端側の部位に実装してある。バッテリ端子253は、プリント基板46上のパッドと半田付けされている。赤外線モジュール230を設けることによって、従来の携帯電話機の携帯用パソコンと接続するために設けてあったコネクタが不要となるためである。赤外線モジュール230は、従来の携帯電話機においてバッテリ端子が配された位置と同じ位置に位置しており、その前側が窓パネル255によって覆われている。バッテリ端子253は、リアケース43Iの開口260より、バッテリー装着部261に突き出ている。バッテリー262が携帯電話機40Iに装着された状態で、バッテリー262の端子が上記バッテリ端子253と接触する。
【0083】
よって、複合赤外線モジュール250は、従来の携帯電話機には設けてあるけれども、赤外線モジュール230を設けることによって廃止されるのコネクタの部分を有効に利用して実装してある。即ち、図24に示す部位に実装した場合い比べて、必要とされる実装領域が狭くて済み、電子部品を高密度に実装することが要求されて小型化であることが求められている携帯電話機40Iに好都合である。複合赤外線モジュール250は、携帯電話機40Iのサイズを特別に大きくせずに組み込まれている。
【0084】
なお、上記のバッテリ端子253に代えて信号端子でもよい。
なお、本発明の携帯電話機は、加入者に有線接続された電話機本体(親機)とこの電話機本体に無線接続されたハンドセット(子機)とからなるコードレス電話機における上記ハンドセットを含む概念である。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、ストッパ部がキートップのスカート部の下面に設けてあるため、強く傾斜させる操作をした場合にスティックスイッチを保護することが出来、また、キートップが所定以上に傾斜されることを制限する機構を、多機能キースイッチ装置の平面図の大きさを大きくしないで構成することが出来る。また、ストッパ部が当たる対象がスイッチ本体であるため、多機能キースイッチ装置自体でキートップが所定角度以上には傾斜しないようにする機構を構成することが出来、キートップの最大傾斜角度が、多機能キースイッチ装置を携帯電話機内に組み込む精度のバラツキに影響されないように出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の1例の多機能キースイッチ装置を示す図である。
【図2】本発明の第1実施例になる携帯電話機の分解斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例になる携帯電話機を示す図である。
【図4】図2中、電話機本体を分解して示す図である。
【図5】多機能キースイッチ装置が組み込まれている状態を示す図である。
【図6】多機能キースイッチ装置を示す図である。
【図7】スティックスイッチを示す図である。
【図8】押し込み防止用凸部の作用を説明する図である。
【図9】キートップの変形例をスティックスイッチと対応されて示す図である。
【図10】キートップの変形例をスティックとの結合を示す図である。
【図11】キートップとフロントケースとの関係を分解して示す図である。
【図12】キートップとフロントケースとの関係を示す図である。
【図13】本発明の第2実施例になる携帯電話機を示す図である。
【図14】図13中、キートップ周囲の構成を示す図である。
【図15】環状膜部材を示す図である。
【図16】本発明の第3実施例になる携帯電話機を示す図である。
【図17】図16中、キートップ周囲の構成を示す図である。
【図18】本発明の第4実施例になる携帯電話機を示す図である。
【図19】図18中、スティックスイッチ装置周りを分解して示す図である。
【図20】本発明の第5実施例になる携帯電話機を示す図である。
【図21】図20中の多機能スイッチ装置を示す図である。
【図22】図20中の多機能スイッチ装置の分解斜視図である。
【図23】多機能スイッチ装置の動作を説明する図である。
【図24】本発明の第6実施例になる携帯電話機の一部を分解して示す図である。
【図25】図24中、赤外線モジュールの取り付け状態を示す図である。
【図26】図24及び図25中の赤外線モジュールを示す図である。
【図27】赤外線モジュールの変形例を示す図である。
【図28】本発明の第7実施例になる携帯電話機の一部を分解して示す図である。
【図29】図28の携帯電話機の変形例を示す図である。
【図30】本発明の第8実施例になる携帯電話機の一部を分解して示す図である。
【符号の説明】
40、40A〜40I 携帯電話機
44Ce 環状壁
53,53E 多機能スイッチ装置
60 スティックスイッチ
61 スティック
61b,61c スリット
62 キートップ
62d2 割り溝
61b,61c スリット
101〜104 押し込み防止用凸部
105 押し込み防止用環状突条部
120−1〜120−4 凹部
121−1〜121−4 凸部
130 環状膜部材
140 リング部材
150 パッキン部材
200、200A,200B,230 赤外線モジュール
217 シールドメッキ膜
232,233 接続表示用のLED
250 複合赤外線モジュール
251 バッテリ端子モジュール
Claims (1)
- キートップが複数の方向に傾斜されるように操作される多機能キースイッチ装置を有し、該キートップが携帯電話機のケースの開口から露出している携帯電話機において、
該多機能キースイッチ装置は、スイッチ本体とこれから突き出ているスティックとよりなるスティックスイッチと、該スティックに取り付けてあり、下部に外側に拡がったスカート部を有して略円柱形状であるキートップとよりなり、
該キートップは、所定以上に傾斜させる操作をしたときに該スイッチ本体と当たって該キートップが上記所定以上に傾斜されることを制限するストッパ部を、該キートップのスカート部の下面に有し、且つ、該キートップの該スカート部の周囲の複数の箇所に、前記開口の縁の凸部又は凹部と嵌合して該キートップがその軸線に関して回されることを制限する凹部又は凸部を有する構成としたことを特徴とする携帯電話機。
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