JP4014782B2 - 自走式リサイクル製品生産機の油圧駆動装置 - Google Patents

自走式リサイクル製品生産機の油圧駆動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4014782B2
JP4014782B2 JP2000081877A JP2000081877A JP4014782B2 JP 4014782 B2 JP4014782 B2 JP 4014782B2 JP 2000081877 A JP2000081877 A JP 2000081877A JP 2000081877 A JP2000081877 A JP 2000081877A JP 4014782 B2 JP4014782 B2 JP 4014782B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
traveling
hydraulic
self
propelled
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2000081877A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001263482A (ja
Inventor
隆 白井
一秀 関
忠 塩畑
正道 田中
正規 篠岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Construction Machinery Co Ltd filed Critical Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority to JP2000081877A priority Critical patent/JP4014782B2/ja
Publication of JP2001263482A publication Critical patent/JP2001263482A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4014782B2 publication Critical patent/JP4014782B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Arrangement Or Mounting Of Control Devices For Change-Speed Gearing (AREA)
  • Control Of Fluid Gearings (AREA)
  • Disintegrating Or Milling (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、破砕原料を破砕する破砕装置を備えた自走式破砕機や土砂に土質改良材を加えて解砕混合する混合装置を備えた自走式土質改良機等を含む自走式リサイクル製品生産機に関し、更に詳しくは、平地走行時の高速走行及びトレーラー積み下ろし時の微速走行の両方を行うことができ、かつ微速走行時の圧力損失を低減して生産性を向上できる自走式リサイクル製品生産機の油圧駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、再生資源促進法(いわゆるリサイクル法)の施行(平成3年10月)といった廃棄物再利用促進の背景の下、自走式破砕機や自走式土質改良機といった自走式リサイクル製品生産機の活躍の場が拡がりつつある。
【0003】
自走式破砕機は、例えばビル解体時に搬出されるコンクリート塊や道路補修時に排出されるアスファルト塊などの建設現場で発生する大小さまざまな岩石・建設廃材、あるいは産業廃棄物等(=被破砕物)をリサイクル原料とするものであり、例えば油圧ショベル等によって自走式破砕機上部の受け入れ手段としてのホッパに投入された前記リサイクル原料(被破砕物)を、例えばホッパ下方に設けたフィーダによって処理装置としての破砕装置へ導き、この破砕装置で所定の大きさに破砕処理する。破砕物は、前記破砕装置下部の空間から破砕装置下方のコンベア上に落下させ、このコンベアで運搬する。この運搬の途中で、コンベア上方に配置された磁選機によって例えばコンクリート塊に混入している鉄筋片等を吸着して取り除き、リサイクル用の破砕物製品として最終的に自走式破砕機の後部から搬出するようになっている。
【0004】
自走式土質改良機は、ガス管等の埋設工事、上下水道工事、及びその他の道路工事・基礎工事等において発生する掘削土のうち埋め戻しに適さないものをリサイクル原料とするものであり、例えば油圧ショベル等によって自走式土質改良機上部の受け入れ手段としての土砂ホッパに投入された前記リサイクル原料(土砂)を例えば土砂ホッパ下方に設けたコンベア(導入用コンベア)によって処理装置としての混合装置へ導き、この混合装置で土質改良材とともに解砕混合処理し、混合物をコンベア(搬出用コンベア)上に落下させ、このコンベアでリサイクル用の土砂製品として最終的に自走式土質改良機の後部から搬出するようになっている。
これら自走式リサイクル製品生産機は、無限軌道履帯を有する走行体を下部に備えており、この無限軌道履帯は、前記破砕装置、混合装置、フィーダ、コンベア、及び磁選機等と共に油圧駆動のアクチュエータ(この場合は走行用油圧モータ)によって駆動動作される。すなわち、原動機によって可変容量型の少なくとも1つの油圧ポンプを駆動し、その油圧ポンプから吐出された圧油を走行用油圧モータに供給して駆動する。そしてこのとき、走行用油圧モータへ供給する圧油の方向及び流量を、走行用操作手段(例えば走行用操作レバー)で操作される走行用制御弁手段によって制御するようになっている。
【0005】
自走式リサイクル製品生産機は、上記のようにして自走可能とすることにより、稼働現場にてこまめに場所を移動でき、スペースの有効利用を図れるようになっている。また稼働現場への輸送時には、輸送用トレーラーの荷台上に自力走行で移動して積載できることから、機動性が向上し、これによってリサイクル原料の発生現場あるいはリサイクル製品の使用現場へ適宜移動させての迅速かつ無駄のない(稼働率の高い)使用が可能となっている。
【0006】
なお、上述したように、自走式リサイクル製品生産機が自力走行を行う場合は、稼働現場(例えばリサイクル処理プラント)内における配置移動時と、輸送の際のトレーラーへの積み下ろし時の2つがある。通常、前者の場合は、稼働率の向上等の観点から操作者は前記走行用操作手段を比較的大きな操作量で操作して比較的高速での走行を行う。一方、後者の場合は、地面からトレーラー荷台積載面まで掛け渡した傾斜面上の走行であり、姿勢安定性(転倒防止)の面で十分な配慮が必要であるため、操作者は前記走行用操作手段を比較的小さな操作量で操作し、比較的低速での走行を行っている。
ところで、1990年代に入ってから、前記リサイクル法によって建設副産物再利用が義務づけられる等のリサイクル促進の機運の下、建設廃棄物・産業廃棄物等の発生量は年々増加している。このような背景の下、近年の自走式リサイクル製品生産機は、次第に大型化する傾向にある。その主たる要因は、コンベア(搬出用コンベア)の長尺化にある。
すなわち、一般に、コンベアは、搬出側(後方側)端部の地上からの高さが低いと、処理作業開始後短時間のうちにコンベア後方側端部下方の空間がリサイクル製品で埋まってしまい、以降の作業が不可能となり、作業を一旦中断しなければならない。これにより、リサイクル処理作業全体の連続処理性及び円滑性が損なわれ、作業効率が低下することとなる。逆に、コンベアの搬出側端部の高さ方向位置が高いと、搬出落下させるリサイクル製品を大量に山積み状態として保留(ストック)することができるので、作業効率を向上することができる。また、その高さ方向位置がある程度高いと、リサイクル製品を他の作業機械、例えばホイールローダ等で運搬可能になるというメリットもある。
このように、コンベアの搬送方向への長尺化により、自走式リサイクル製品生産機全体の走行前後方向の寸法は大型化する傾向となっている。
【0007】
ここにおいて、上記のように大型化する傾向にある自走式リサイクル製品生産機にあっては、前述したトレーラー荷台への自力走行による積み下ろし時において自走式リサイクル製品生産機全体の安定性確保(転倒・バタツキ防止)にさらに十分な配慮が必要となりつつある。そのため、自力走行時に従来よりもさらに速度の低い微速走行を行いたいというニーズが高まっている。
【0008】
そこで、このようなニーズに対応するために、例えば特開平8−299838号公報に記載のように、原動機により駆動される可変容量型の油圧ポンプと、前記油圧ポンプから吐出される圧油により走行手段を駆動する走行用油圧モータと、前記油圧ポンプから前記走行用油圧モータに供給される圧油の流れを制御する走行用制御弁手段と、この走行用制御弁手段を操作する走行用操作手段とを有する自走式リサイクル製品生産機の油圧駆動装置において、前記走行用油圧モータを可変容量型の油圧モータとしたものがある。
【0009】
このような構成とすることにより、上記従来技術の公報中には特に明確な記載はないが、トレーラー積み下ろし時には可変容量型走行用油圧モータの容量を増大させて同一供給流量あたりの自走速度を遅くすることができる。これにより、従来トレーラー積み下ろし時に走行用操作手段の小さな操作量で低速走行させていたときよりさらに低い速度の微速走行が同一の操作量で可能となり、自走式リサイクル製品生産機の安定性を向上することができる。その一方で、稼働現場内での平地走行時には可変容量型走行用油圧モータの容量をもとに戻して従来通りの高速走行を行うこともできる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、走行用油圧モータを可変容量型とすることにより、稼働現場内平地走行時の高速走行のニーズと、トレーラー積み下ろし時の微速走行のニーズとの両方を満たすものである。
【0011】
しかしながら、上記従来技術では、以下のような課題が存在する。
すなわち、一般に、油圧ポンプから吐出された圧油を走行用制御弁手段を介して走行用油圧モータへ供給して駆動するとき、油圧ポンプ→走行用制御弁手段→走行用油圧モータという一連の圧油供給経路のうち主として走行用制御弁手段にて圧力損失が発生するが、この圧力損失は走行用制御弁手段での通過流量が大きいほど大きくなる。
【0012】
ここで、上記従来技術では、微速走行時にも高速走行時と同一の大流量を供給する一方で油圧モータの容量を大きくすることで微速動作を行う方式である。そのため、微速走行時にも、走行用制御弁手段で高速走行時と同様の大流量による大きな圧力損失が発生する。そのため、この損失の分、油圧ポンプを駆動する原動機において、単位走行距離あたりに必要な投入馬力が増大し、燃料消費量が増大する。この結果、稼働時間が短くなり、生産性が低下する。
【0013】
本発明の目的は、平地走行時の高速走行及びトレーラー積み下ろし時の微速走行の両方を行うことができ、かつ微速走行時の圧力損失を低減して生産性を向上できる自走式リサイクル製品生産機の油圧駆動装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、走行手段で自走するとともに、受け入れ手段で受け入れたリサイクル原料を処理装置に導入して所定の処理を行いリサイクル製品とする自走式リサイクル製品生産機に設けられ、原動機により駆動される可変容量型の少なくとも1つの油圧ポンプと、前記油圧ポンプから吐出される圧油により前記走行手段を駆動する走行用油圧モータとを有する自走式リサイクル製品生産機の油圧駆動装置において、前記走行手段の動作速度に関する指示が入力される入力手段と、前記走行用油圧モータの要求流量に対して、前記入力手段での前記指示に応じた制御特性をもって前記油圧ポンプの吐出流量を制御する制御手段と、前記油圧ポンプから前記走行用油圧モータに供給される圧油の流れを制御する走行用制御弁手段と、この走行用制御弁手段を操作する走行用操作手段とを備え、前記制御手段は、前記走行用油圧モータの要求流量に対し所定の調整特性をもって前記油圧ポンプの吐出流量を調整するポンプ調整手段と、前記入力手段での前記指示に応じて前記ポンプ調整手段における前記調整特性を変化させる特性制御手段とを備え、前記ポンプ調整手段は、前記走行用油圧モータの要求流量に応じた制御圧力を発生させる制御圧力発生手段と、この制御圧力発生手段からの前記制御圧力に応じて前記油圧ポンプの吐出流量を制御するレギュレータ手段とを備えており、前記特性制御手段は、前記入力手段での前記指示に応じて前記制御圧力を変化させる。
【0024】
)上記()において、さらに好ましくは、前記走行用制御弁手段はセンターバイパス型の弁であり、前記制御圧力発生手段は、前記センターバイパス型の前記走行用制御弁手段のセンターバイパスラインの下流側に流れる圧油の流量を圧力に変換する圧力変換手段を含む。
【0025】
)上記目的を達成するために、また本発明は、走行手段で自走するとともに、受け入れ手段で受け入れたリサイクル原料を処理装置に導入して所定の処理を行いリサイクル製品とする自走式リサイクル製品生産機に設けられ、原動機により駆動される可変容量型の少なくとも1つの油圧ポンプと、前記油圧ポンプから吐出される圧油により前記走行手段を駆動する走行用油圧モータとを有する自走式リサイクル製品生産機の油圧駆動装置において、前記油圧ポンプから前記走行用油圧モータに供給される圧油の流れを制御するセンターバイパス型の走行用制御弁手段と、この走行用制御弁手段を操作する走行用操作手段と、前記走行手段の第1モード及び第2モードのいずれかが選択入力される選択手段と、前記走行用制御弁手段のセンターバイパスラインの下流側に流れる圧油の流量を圧力に変換し、前記走行用操作手段の操作量に応じた制御圧力を発生させる圧力変換手段と、この圧力変換手段からの前記制御圧力の増加に応じて前記油圧ポンプの吐出流量を増加させるように制御するレギュレータ手段と、前記選択手段で前記第1モードが選択された場合には、前記制御圧力の最大値を相対的に大きくして前記油圧ポンプの最大吐出流量を相対的に高い値とし、前記選択手段で第2モードが選択された場合には、前記制御圧力の最大値を相対的に小さくして前記油圧ポンプの最大吐出流量を相対的に低い値とする制御圧力切換手段とを有する。
【0026】
)上記(1)〜()のいずれか1つにおいて、好ましくは、前記自走式リサイクル製品生産機は、前記リサイクル原料としての被破砕物を破砕し前記リサイクル製品としての破砕物を生産する破砕装置を、前記処理装置として備える自走式破砕機である。
【0027】
)上記(1)〜()のいずれか1つにおいて、好ましくは、前記自走式リサイクル製品生産機は、前記リサイクル原料としての土砂を土質改良材と解砕混合し前記リサイクル製品としての改良土を生産する混合装置を、前記処理装置として備える自走式土質改良機である。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施の形態は、本発明を、自走式リサイクル製品生産機としての自走式破砕機に適用した場合の実施の形態である。
図1は、本発明の油圧駆動装置の一実施の形態を備えた自走式破砕機の全体構造を表す側面図であり、図2は図1に示した自走式破砕機の上面図である。
【0029】
これら図1及び図2において、この自走式破砕機は、例えば油圧ショベルのバケット等の作業具によりリサイクル原料としての被破砕物(例えばビル解体時に搬出されるコンクリート塊や道路補修時に排出されるアスファルト塊などの建設現場で発生する大小さまざまな建設廃材・産業廃棄物、若しくは岩石採掘現場や切羽で採掘される岩石・自然石等、以下適宜、岩石・建設廃材等という)が投入され、その岩石・建設廃材等を受け入れるホッパ1、ホッパ1に受け入れた岩石・建設廃材等を所定の大きさに破砕処理し下方へ排出する破砕装置、例えばジョークラッシャ2、及びホッパ1に受け入れた岩石・建設廃材等を破砕装置2へと搬送し導くフィーダ3を搭載した破砕機本体4と、この破砕機本体4の下方に設けられた走行体5と、破砕装置2で破砕され下方へ排出された破砕物を受け入れて自走式破砕機の後方側(後述するトラックフレーム破砕機取付け部8Aの長手方向の他方側、図1中右側)に運搬し搬出するコンベア6と、このコンベア6の上方に設けられコンベア6上を運搬中の破砕物に含まれる磁性物(鉄筋等)を磁気的に吸引除去して最終的にリサイクル用の破砕物製品とする磁選機7とを有する。
【0030】
前記の走行体5は、トラックフレーム8と、走行手段としての左・右無限軌道履帯14とを備えている。トラックフレーム8は、例えば略長方形の枠体によって形成され前記破砕装置2、前記ホッパ1、及び後述のパワーユニット24等を載置する破砕機取付け部8Aと、この破砕機取付け部8Aと前記の左・右無限軌道履帯14とを接続する脚部8Bとから構成される。また無限軌道履帯14は、前記脚部8Bに回転自在に支持された駆動輪12a及びアイドラ12bの間に掛け渡されており、駆動輪12a側に設けられた左・右走行用油圧モータ16,17によって駆動力が与えられることにより破砕機を走行させるようになっている。
【0031】
前記のホッパ1は、前記フィーダ3とともに、前記トラックフレーム破砕機取付け部8Aの長手方向(図1中左右方向)一方側(破砕機前方側、すなわち図1中左側)端部の上方に搭載されている。
【0032】
前記の破砕装置2は、前記ホッパ1及びフィーダ3よりも破砕機後方側(図1中右側)に位置しており、図1に示すように、前記トラックフレーム破砕機取付け部8Aの長手方向ほぼ中間部上に搭載されている。このとき、破砕用油圧モータ9(図2参照)で発生した駆動力をベルト(図示せず)を介してフライホイール2aに伝達し、さらにフライホイール2aに伝達された駆動力を公知の変換機構で動歯(図示せず)の揺動運動に変換し、この動歯を固定歯(図示せず)に対して前後に揺動させることにより、前記フィーダ3より供給された岩石・建設廃材等を所定の大きさに破砕するようになっている。
【0033】
前記のフィーダ3は、図1に示すように、トラックフレーム破砕機取付け部8Aの長手方向一方側(図1中左側)端部近傍に設けたフィーダフレーム15上に搭載されており、その略直上に前記ホッパ1が位置している。また、このフィーダ3は、いわゆるグリズリフィーダと称されるものであり、フィーダ用油圧モータ10で発生した駆動力によって、ホッパ1からの岩石・建設廃材等を載置する複数枚(この例では2枚)の鋸歯状プレート3a(図2参照)を含む底板部を加振する。このような構造により、ホッパ1に投入された岩石・建設廃材等を順次破砕装置2に搬送供給する(=搬送機能)とともに、その搬送中において岩石・建設廃材等中に含まれる細粒や細かい土砂等を鋸歯状プレート3aの鋸歯の隙間からシュート3b(図1参照)を介し下方に落下させコンベア6上へ導入するようになっている。すなわち、鋸歯状プレート3aの鋸歯の隙間の大きさよりも小さな粒度の岩石・建設廃材等をふるい落とすことにより、上記隙間の大きさ以上の粒度の岩石・建設廃材等を選別するという選別機能も併せて備えている。
前記のコンベア6は、コンベア用油圧モータ11(図2参照)によってベルト6aを駆動し、これによって前記破砕装置2からベルト6a上に落下してきた破砕物及び前記シュート3bを介した細粒落下物(未破砕)を運搬するようになっている。
【0034】
またこのコンベア6は、搬送側(言い換えれば破砕機後方側、図1中右側)の部分が支持部材6c,6dを介しパワーユニット24(詳細は後述)に取りつけたアーム部材18に吊り下げ支持されている。また、反搬送側(破砕機前方側、図1中左側)の部分は、前記トラックフレーム破砕機取付け部8Aよりも下方に位置し、支持部材(図示せず)を介しトラックフレーム破砕機取付け部8Aから吊り下げられるように支持されている。これにより、コンベア6は、図1に示すように、パワーユニット24の外縁部(後端部)の下方空間で、搬出方向(図1中右方)に斜めに立ち上がるように配置されている。そして、前記支持部材6cは、前記コンベア6が前記パワーユニット24に最も接近する箇所、すなわち前記コンベア6の搬送方向中間部6bと前記パワーユニット24外縁部(後端部)とをほぼ最短距離で結ぶように連結している。
【0035】
前記の磁選機7は、支持部材7bを介し前記アーム部材18に吊り下げ支持されており、前記のコンベアベルト6aの上方にこのコンベアベルト6aと略直交するように配置された磁選機ベルト7aを、磁選機用油圧モータ13によって磁力発生手段(図示せず)まわりに駆動することにより、磁力発生手段からの磁力を磁選機ベルト7a越しに作用させて磁性物を磁選機ベルト7aに吸着させた後、コンベアベルト6aと略直交する方向に運搬してそのコンベアベルト6aの側方に落下させるようになっている。
前記のトラックフレーム破砕機取付け部8Aの長手方向後方側(図1、図2中右側)端部の上部には、パワーユニット積載部材24bを介してパワーユニット24が搭載されている(図1参照)。このパワーユニット24は、原動機としてのエンジン21(後述の図5参照)と、このエンジン21によって駆動される可変容量型の第1油圧ポンプ19及び第2油圧ポンプ20(同)と、後述するコントロールバルブ26〜31を備えた制御弁装置が内蔵されている。また、パワーユニット24の前方側(図1及び図2中左側)には、操作者が搭乗する運転席24aが設けられている。
【0036】
ここで、上記破砕装置2、フィーダ3、走行体5、コンベア6、及び磁選機7は、この自走式破砕機に備えられる油圧駆動装置によって駆動される被駆動部材を構成している。図3、図4、及び図5は、本発明の自走式破砕機の油圧駆動装置の一実施の形態を表す油圧回路図である。
【0037】
これら図3〜図5において、油圧駆動装置は、上記エンジン21と、このエンジン21によって駆動される可変容量型の上記第1油圧ポンプ19及び上記第2油圧ポンプ20と、同様にエンジン21によって駆動される固定容量型のパイロットポンプ25と、第1及び第2油圧ポンプ19,20から吐出される圧油がそれぞれ供給される前記油圧モータ9,10,11,13,16,17と、第1及び第2油圧ポンプ19,20からそれら油圧モータ9,10,11,13,16,17に供給される圧油の流れ(方向及び流量、若しくは流量のみ)を制御する6つのコントロールバルブ26,27,28,29,30,31と、前記の運転席24aに設けられ(図1参照)、左・右走行用コントロールバルブ27,28(後述)をそれぞれ切り換え操作するための左・右走行用操作レバー32a,33aと、第1及び第2油圧ポンプ19,20の吐出流量QP1,QP2(後述の図7参照)を調整するポンプ制御手段、例えばレギュレータ装置34,35と、破砕機本体4(例えば前記の運転席24a内)に設けられ、破砕装置2、フィーダ3、コンベア6、及び磁選機7の始動・停止等を操作者が指示入力して操作するための操作盤36とを有している。
【0038】
6つの油圧モータ9,10,11,13,16,17は、前述のように、破砕装置2動作用の駆動力を発生する上記破砕用油圧モータ9、フィーダ3動作用の駆動力を発生する上記フィーダ用油圧モータ10、コンベア6動作用の駆動力を発生する上記コンベア用油圧モータ11、磁選機7動作用の駆動力を発生する上記磁選機用油圧モータ13、及び左・右無限軌道履帯14への駆動力を発生する上記左・右走行用油圧モータ16,17とから構成されている。
【0039】
コントロールバルブ26〜31は、2位置切換弁又は3位置切換弁であり、破砕用油圧モータ9に接続された破砕用コントロールバルブ26と、左走行用油圧モータ16に接続された左走行用コントロールバルブ27と、右走行用油圧モータ17に接続された右走行用コントロールバルブ28と、フィーダ用油圧モータ10に接続されたフィーダ用コントロールバルブ29と、コンベア用油圧モータ11に接続されたコンベア用コントロールバルブ30と、磁選機用油圧モータ13に接続された磁選機用コントロールバルブ31とから構成されている。
【0040】
このとき、第1及び第2油圧ポンプ19,20のうち、第1油圧ポンプ19は、左走行用コントロールバルブ27及び破砕用コントロールバルブ26を介して左走行用油圧モータ16及び破砕用油圧モータ9へ供給するための圧油を吐出するようになっている。これらコントロールバルブ27,26はいずれも、対応する油圧モータ16,9への圧油の方向及び流量を制御可能な3位置切換弁となっており、第1油圧ポンプ19の吐出管路37に接続されたセンターバイパスライン22aを備えた上記第1弁グループ22において、上流側から、左走行用コントロールバルブ27、破砕用コントロールバルブ26の順序で配置されている。なお、センターバイパスライン22aの最下流側には、ポンプコントロールバルブ38(詳細は後述)が設けられている。
【0041】
一方、第2油圧ポンプ20は、右走行用コントロールバルブ28、フィーダ用コントロールバルブ29、コンベア用コントロールバルブ30、及び磁選機用コントロールバルブ31を介し、フィーダ用油圧モータ10、コンベア用油圧モータ11、及び磁選機用油圧モータ13へ供給するための圧油を吐出するようになっている。これらのうち右走行用コントロールバルブ28は対応する右走行用油圧モータ17への圧油の流れを制御可能な3位置切換弁となっており、その他のコントロールバルブ28,29,30,31は対応する油圧モータ10,11,13への圧油の流量を制御可能な2位置切換弁となっており、第2油圧ポンプ20の吐出管路39に接続されたセンターバイパスライン23a及びこれの下流側にさらに接続されたセンターライン23bを備えた上記第2弁グループ23において、上流側から、右走行用コントロールバルブ28、磁選機用コントロールバルブ31、コンベア用コントロールバルブ30、及びフィーダ用コントロールバルブ29の順序で配置されている。なお、センターライン23bは、最下流側のフィーダ用コントロールバルブ29の下流側で閉止されている。
【0042】
上記コントロールバルブ26〜31のうち、左・右走行用コントロールバルブ27,28はそれぞれ、パイロットポンプ25で発生されたパイロット圧を用いて操作されるセンターバイパス型のパイロット操作弁である。これら左・右走行用コントロールバルブ27,28は、パイロットポンプ25で発生され前述の操作レバー32a,33aを備えた操作レバー装置32,33で所定圧力に減圧されたパイロット圧により操作される。
【0043】
すなわち、操作レバー装置32,33は、操作レバー32a及び33aとその操作量に応じたパイロット圧を出力する一対の減圧弁32b,32b及び33b,33bとを備えている。操作レバー装置32の操作レバー32aを図3中a方向(又はその反対方向、以下対応関係同じ)に操作すると、パイロット圧がパイロット管路40(又は41)を介して左走行用コントロールバルブ27の駆動部27a(又は27b)に導かれ、これによって左走行用コントロールバルブ27が図1中上側の切換位置27A(又は下側の切換位置27B)に切り換えられ、第1油圧ポンプ19からの圧油が吐出管路37、センターバイパスライン22a、及び左走行用コントロールバルブ27の切換位置27A(又は下側の切換位置27B)を介して左走行用油圧モータ16に供給され、左走行用油圧モータ16が順方向(又は逆方向)に駆動される。
【0044】
なお、操作レバー32aを図3に示す中立位置にすると、左走行用コントロールバルブ27はばね27c,27dの付勢力で図3に示す中立位置に復帰し、左走行用油圧モータ16は停止する。
【0045】
同様に、操作レバー装置33の操作レバー33aを図3中b方向(又はその反対方向)に操作すると、パイロット圧がパイロット管路42(又は43)を介し右走行用コントロールバルブ28の駆動部28a(又は28b)に導かれて図3中上側の切換位置28A(又は下側の切換位置28B)に切り換えられ、右走行用油圧モータ17が順方向(又は逆方向)に駆動されるようになっている。操作レバー33aを中立位置にするとばね28c,28dの付勢力で右走行用コントロールバルブ28は中立位置に復帰し右走行用油圧モータ17は停止する。
【0046】
ここで、パイロットポンプ25からのパイロット圧を操作レバー装置32,33に導くパイロット導入管路44a,44bには、コントローラ45からの駆動信号St(後述)で切り換えられるソレノイド制御弁46が設けられている。このソレノイド制御弁46は、ソレノイド46aに入力される駆動信号StがONになると図5中左側の連通位置46Aに切り換えられ、パイロットポンプ25からのパイロット圧を導入管路44a,44bを介し操作レバー装置32,33に導き、操作レバー32a,33aによる左・右走行用コントロールバルブ27,28の上記操作を可能とする。
【0047】
一方、駆動信号StがOFFになると、ソレノイド制御弁46はばね46bの復元力で図5中右側の遮断位置46Bに復帰し、導入管路44aと導入管路44bとを遮断すると共に導入管路44bをタンク47へのタンクライン47aに連通させ、この導入管路44b内の圧力をタンク圧とし、操作レバー装置32,33による左・右走行用コントロールバルブ27,28の上記操作を不可能とするようになっている。
【0048】
破砕用コントロールバルブ26は、両端にソレノイド駆動部26a,26bを備えたセンターバイパス型の電磁比例弁である。ソレノイド駆動部26a,26bには、コントローラ45からの駆動信号Scrで駆動されるソレノイドがそれぞれ設けられており、破砕用コントロールバルブ26はその駆動信号Scrの入力に応じて切り換えられるようになっている。
【0049】
すなわち、駆動信号Scrが破砕装置2の正転(又は逆転、以下、対応関係同じ)に対応する信号、例えばソレノイド駆動部26a及び26bへの駆動信号ScrがそれぞれON及びOFF(又はソレノイド駆動部26a及び26bへの駆動信号ScrがそれぞれOFF及びON)になると、破砕用コントロールバルブ26が図3中上側の切換位置26A(又は下側の切換位置26B)に切り換えられる。これにより、第1油圧ポンプ19からの圧油が吐出管路37、センターバイパスライン22a、及び破砕用コントロールバルブ26の切換位置26A(又は下側の切換位置26B)を介して破砕用油圧モータ9に供給され、破砕用油圧モータ9が順方向(又は逆方向)に駆動される。
【0050】
駆動信号Scrが破砕装置2の停止に対応する信号、例えばソレノイド駆動部26a及び26bへの駆動信号ScrがともにOFFになると、コントロールバルブ26がばね26c,26dの付勢力で図3に示す中立位置に復帰し、破砕用油圧モータ9は停止する。
【0051】
ポンプコントロールバルブ38は、流量を圧力に変換する機能を備えるものであり、前記のセンターバイパスライン22aとタンクライン47bとを絞り部分38aaを介して接続・遮断可能なピストン38aと、このピストン38aの両端部を付勢するばね38b,38cと、前記のパイロットポンプ25の吐出管路79にパイロット導入管路83a(後述)、ソレノイド制御弁110(同)、及びパイロット導入管路83c(同)を介して上流側が接続されてパイロット圧が導かれ、下流側がタンクライン47cに接続され、かつ前記のばね38bによってリリーフ圧が可変に設定される可変リリーフ弁38dとを備えている。
【0052】
このような構成により、ポンプコントロールバルブ38は以下のように機能する。すなわち、上述したように左走行用コントロールバルブ27及び破砕用コントロールバルブ26はセンターバイパス型の弁となっており、センターバイパスライン22aを流れる流量は、各コントロールバルブ27,26の操作量(すなわちスプールの切換ストローク量)により変化する。各コントロールバルブ27,26の中立時、すなわち第1油圧ポンプ19へ要求する各コントロールバルブ27,26の要求流量(言い換えれば左走行用油圧モータ16及び破砕用油圧モータ9の要求流量)が少ない場合には、第1油圧ポンプ19から吐出される圧油のうちほとんどが余剰流量Qt1(後述の図6参照)としてセンターバイパスライン22aを介してポンプコントロールバルブ38に導入され、比較的大きな流量の圧油がピストン38aの絞り部分38aaを介してタンクライン47bへ導出される。これにより、ピストン38aは図3中右側に移動するので、ばね38bによるリリーフ弁38dの設定リリーフ圧が低くなり、管路83cから分岐して設けられ後述のネガティブ傾転制御用の第1サーボ弁95へ至る管路81に、比較的低い制御圧力(ネガコン圧)Pc1を発生する。
【0053】
逆に、各コントロールバルブ27,26が操作されて開状態となった場合、すなわち第1油圧ポンプ19へ要求する要求流量が多い場合には、センターバイパスライン22aに流れる前記余剰流量Qt1は、油圧モータ16,9側へ流れる流量分だけ減じられるため、ピストン絞り部分38aaを介しタンクライン47bへ導出される圧油流量は比較的小さくなり、ピストン38aは図3中左側に移動してリリーフ弁38dの設定リリーフ圧が高くなるので、管路81の制御圧力Pc1は高くなる。
【0054】
本実施の形態では、後述するように、この制御圧力(ネガコン圧)Pc1の変動に基づき、第1油圧ポンプ19の斜板19Aの傾転角を制御するようになっている(詳細は後述)。
【0055】
なお、第1及び第2油圧ポンプ19,20の吐出管路37,39から分岐した管路87,88には、リリーフ弁89及びリリーフ弁90がそれぞれ設けられており、第1及び第2油圧ポンプ19,20の吐出圧P1,P2の最大値を制限するためのリリーフ圧の値を、それぞれに備えられたばね89a,90aの付勢力で設定するようになっている。
【0056】
フィーダ用コントロールバルブ29は、ソレノイド駆動部29aを備えた電磁切換弁である。ソレノイド駆動部29aには、コントローラ45からの駆動信号Sfで駆動されるソレノイドが設けられており、フィーダ用コントロールバルブ29はその駆動信号Sfの入力に応じて切り換えられるようになっている。すなわち、駆動信号Sfがフィーダ3を動作させるON信号になると、フィーダ用コントロールバルブ29が図4中上側の切換位置29Aに切り換えられる。
これにより、吐出管路39、センターバイパスライン23a、及びセンターライン23bを介し導かれた第2油圧ポンプ20からの圧油は、切換位置29Aに備えられた絞り手段29Aaから、これに接続する管路50、この管路50に設けられた圧力制御弁51(詳細は後述)、切換位置29Aに備えられたポート29Ab、及びこのポート29Abに接続する供給管路52を経て、フィーダ用油圧モータ10に供給され、この油圧モータ10が駆動される。駆動信号Sfがフィーダ3の停止に対応するOFF信号になると、フィーダ用コントロールバルブ29はばね29bの付勢力で図4に示す遮断位置に復帰し、フィーダ用油圧モータ10は停止する。
【0057】
コンベア用コントロールバルブ30は、上記フィーダ用コントロールバルブ29同様、そのソレノイド駆動部30aにコントローラ45からの駆動信号Scomで駆動されるソレノイドが設けられる。駆動信号Scomがコンベア6を動作させるON信号になると、コンベア用コントロールバルブ30は図4中上側の連通位置30Aに切り換えられ、センターライン23bからの圧油が、切換位置30Aの絞り手段30Aaから、管路53、圧力制御弁54(詳細は後述)、切換位置30Aのポート30Ab、及びこのポート30Abに接続する供給管路55を介しコンベア用油圧モータ11に供給されて駆動される。駆動信号Scomがコンベア6の停止に対応するOFF信号になると、コンベア用コントロールバルブ30はばね30bの付勢力で図4に示す遮断位置に復帰し、コンベア用油圧モータ11は停止する。
【0058】
磁選機用コントロールバルブ31は、上記フィーダ用コントロールバルブ29及びコンベア用コントロールバルブ30同様、ソレノイド駆動部31aのソレノイドがコントローラ45からの駆動信号Smで駆動される。駆動信号SmがON信号になると、磁選機用コントロールバルブ31は図4中上側の連通位置31Aに切り換えられ、圧油が絞り手段31Aa→管路56→圧力制御弁57(詳細は後述)→ポート31Ab→供給管路58を介し磁選機用油圧モータ13に供給されて駆動される。駆動信号SmがOFF信号になると、磁選機用コントロールバルブ31はばね31bの付勢力で遮断位置に復帰する。
【0059】
なお、上記したフィーダ用油圧モータ10、コンベア用油圧モータ11、及び磁選機用油圧モータ13への圧油の供給に関し、回路保護等の観点から、供給管路52,55,58とタンクライン47bとの間を接続する管路59,60,61に、それぞれリリーフ弁62,63,64が設けられている。
ここで、前述した管路50,53,56に設けた圧力制御弁51,54,57に係わる機能について説明する。
【0060】
フィーダ用コントロールバルブ29の切換位置29Aの前記ポート29Ab、コンベア用コントロールバルブ30の切換位置30Aの前記ポート30Ab、及び磁選機用コントロールバルブ31の切換位置31Aのポート31Abには、それぞれ、対応するフィーダ用油圧モータ10、コンベア用油圧モータ11、磁選機用油圧モータ13の負荷圧力をそれぞれ検出するための負荷検出ポート29Ac、負荷検出ポート30Ac、負荷検出ポート31Acが連通されている。このとき、負荷検出ポート29Acは負荷検出管路65に接続しており、負荷検出ポート30Acは負荷検出管路66に接続しており、負荷検出ポート31Acは負荷検出管路67に接続している。
【0061】
ここで、フィーダ用油圧モータ10の負荷圧力が導かれる前記負荷検出管路65と、コンベア用油圧モータ11の負荷圧力が導かれる前記負荷検出管路66とは、さらにシャトル弁68を介して負荷検出管路69に接続され、シャトル弁68を介して選択された高圧側の負荷圧力はこの負荷検出管路69に導かれるようになっている。またこの負荷検出管路69と、磁選機用油圧モータ13の負荷圧力が導かれる前記負荷検出管路67とは、シャトル弁70を介して最大負荷検出管路71に接続され、シャトル弁70で選択された高圧側の負荷圧力が最大負荷圧力として最大負荷検出管路71に導かれるようになっている。
【0062】
そして、この最大負荷検出管路71に導かれた最大負荷圧力は、最大負荷検出管路71に接続する管路72,73,74,75を介して、対応する前記圧力制御弁51,54,57の一方側にそれぞれ伝達される。このとき、圧力制御弁51,54,57の他方側には前記の管路50,53,56内の圧力、すなわち絞り手段29Aa,30Aa,31Aaの下流側圧力が導かれている。
【0063】
以上により、圧力制御弁51,54,57は、コントロールバルブ29,30,31の絞り手段29Aa,30Aa,31Aaの下流側圧力と、フィーダ用油圧モータ10、コンベア用油圧モータ11、及び磁選機用油圧モータ13のうちの最大負荷圧力との差圧に応答して作動し、各油圧モータ10,11,13の負荷圧力の変化にかかわらず、前記の差圧を一定値に保持するようになっている。すなわち、絞り手段29Aa,30Aa,31Aaの下流側圧力を、前記の最大負荷圧力よりもばね51a,54a,57aによる設定圧分だけ高くするようになっている。
【0064】
一方、第2油圧ポンプ20の吐出管路39に接続したセンターバイパスライン23a及びセンターライン23bから分岐したブリードオフ管路76には、ばね77aを備えたリリーフ弁(アンロード弁)77が設けられている。このリリーフ弁77の一方側には、最大負荷検出管路71、これに接続する管路78を介し最大負荷圧力が導かれており、またリリーフ弁77の他方側にはポート77bを介しブリードオフ管路76内の圧力が導かれている。これにより、リリーフ弁77は、管路76及びセンターライン23b内の圧力を、前記の最大負荷圧力よりもばね77aによる設定圧分だけ高くするようになっている。すなわち、リリーフ弁77は、管路76及びセンターライン23b内の圧力が、最大負荷圧が導かれる管路78内の圧力にばね77aのばね力分が加算された圧力になったときに、管路76の圧油をポンプコントロールバルブ82を介してタンク47へと導き、これによってフィーダ用コントロールバルブ29、コンベア用コントロールバルブ30、及び磁選機用コントロールバルブ31からの流量が一定になるように制御する。
【0065】
またこのときばね77aで設定されるリリーフ圧は、前述したリリーフ弁89及びリリーフ弁90の設定リリーフ圧よりも小さい値に設定されている。
【0066】
そして、ブリードオフ管路76のリリーフ弁77より下流側には、前記のポンプコントロールバルブ38と同様の流量−圧力変換機能をもつポンプコントロールバルブ82が設けられており、タンクライン47dに接続されるタンクライン47eとを絞り部分82aaを介して接続・遮断可能なピストン82aと、このピストン82aの両端部を付勢するばね82b,82cと、前記のパイロットポンプ25の吐出管路79にパイロット導入管路83a(後述)、ソレノイド制御弁110(同)、及びパイロット導入管路83b(同)を介して上流側が接続されてパイロット圧が導かれ、下流側が上記タンクライン47eに接続され、かつ前記のばね82bによってリリーフ圧が可変に設定される可変リリーフ弁82dとを備えている。
【0067】
このような構成により、破砕作業時において、ポンプコントロールバルブ82は以下のように機能する。すなわち、上述したようにセンターライン23bの最下流側端は閉止されており、また破砕作業時には後述のように右走行用コントロールバルブ28は操作されないため、センターライン23bを流れる圧油の圧力は、フィーダ用コントロールバルブ29、コンベア用コントロールバルブ30、磁選機用コントロールバルブ31の操作量(すなわちスプールの切換ストローク量)により変化する。各コントロールバルブ29,30,31の中立時、すなわち第2油圧ポンプ20へ要求する各コントロールバルブ29,30,31の要求流量(言い換えれば各油圧モータ10,11,13の要求流量)が少ない場合には、第2油圧ポンプ20から吐出される圧油はほとんど供給管路52,55,58に導入されないため、余剰流量Qt2(後述の図6参照)としてリリーフ弁77から下流側へ導出され、ポンプコントロールバルブ82に導入される。これにより、比較的大きな流量の圧油がピストン82aの絞り部分82aaを介してタンクライン47eへ導出されるので、ピストン82aは図4中右側に移動してばね82bによるリリーフ弁82dの設定リリーフ圧が低くなり、管路83から分岐して設けられ後述のロードセンシング傾転制御用の第1サーボ弁96へ至る管路84に、比較的低い制御圧力(ロードセンシング圧)Pc2を発生する。
【0068】
逆に、各コントロールバルブが操作されて開状態となった場合、すなわち第2油圧ポンプ20への要求流量が多い場合には、ブリードオフ管路76に流れる前記余剰流量Qt2が油圧モータ10,11,13側へ流れる流量分だけ減じられるため、ピストン絞り部分82aaを介しタンクライン47eへ導出される圧油流量は比較的小さくなり、ピストン82aは図3中左側に移動してリリーフ弁82dの設定リリーフ圧が高くなるので、管路84のロードセンシング圧Pc2は高くなる。本実施の形態では、後述するように、このロードセンシング圧Pc2の変動に基づき、第2油圧ポンプ20の斜板20Aの傾転角を制御するようになっている(詳細は後述)。
【0069】
以上説明した、圧力制御弁51,54,57による絞り手段29Aa,30Aa,31Aaの下流側圧力と最大負荷圧力との間の制御、及びリリーフ弁77によるブリードオフ管路76内の圧力と最大負荷圧力との間の制御により、絞り手段29Aa,30Aa,31Aaの前後差圧を一定とする圧力補償機能を果たすこととなる。これにより、各油圧モータ10,11,13の負荷圧力の変化にかかわらず、コントロールバルブ29,30,31の開度に応じた流量の圧油を対応する油圧モータに供給できるようになっている。
そして、この圧力補償機能と、ポンプコントロールバルブ82からのロードセンシング圧Pc2の出力に基づく後述の油圧ポンプ20の斜板20Aの傾転角制御とにより、結果として、第2油圧ポンプ20の吐出圧と絞り手段29Aa,30Aa,31Aaの下流側圧力との差が一定に保持されるようになっている(詳細は後述)。
【0070】
また、最大負荷圧が導かれる管路78とタンクライン47eとの間にはリリーフ弁85が設けられ、管路78内の最大圧力をばね85aの設定圧以下に制限し、回路保護を図るようになっている。すなわち、このリリーフ弁85と前記リリーフ弁75とでシステムリリーフ弁を構成しており、管路78内の圧力が、ばね85aで設定された圧力より大きくなると、リリーフ弁85の作用により管路78内の圧力がタンク圧に下がり、これによって前述のリリーフ弁77が作動しリリーフ状態となるようになっている。
【0071】
なお、上記のような配置において、第1弁グループ22の破砕用コントロールバルブ26及び左走行用コントロールバルブ27と、第2弁グループの右走行用コントロールバルブ28と、ポンプコントロールバルブ38と、リリーフ弁89,90とは、高圧側系統としてまとめられ、メインバルブユニット91に一体的に組み込まれている。一方、第2弁グループ23のフィーダ用コントロールバルブ29、コンベア用コントロールバルブ30、及び磁選機用コントロールバルブ31と、リリーフ弁77と、ポンプコントロールバルブ82と、リリーフ弁85とは、低圧側系統としてまとめられ、サブバルブユニット92に一体的に組み込まれている。メインバルブユニット91のセンターバイパスライン23aの下流側のキャリオーバポート91aは、センターライン23bに連通するサブバルブユニット92のポンプポート92aに接続されている。
【0072】
またこのとき、詳細構造は図示しないが、フィーダ用コントロールバルブ29、コンベア用コントロールバルブ30、及び磁選機用コントロールバルブ31のそれぞれのスプールの径は、破砕用コントロールバルブ26、左走行用コントロールバルブ27、及び右走行用コントロールバルブ28のスプールの径よりも小さくなっている。
【0073】
レギュレータ装置34,35は、傾転アクチュエータ93,94と、第1サーボ弁95,96と第2サーボ弁97,98とを備え、これらのサーボ弁95〜98によりパイロットポンプ25や第1及び第2油圧ポンプ19,20から傾転アクチュエータ93,94に作用する圧油の圧力を制御し、第1及び第2油圧ポンプ19,20の斜板19A,20Aの傾転(すなわち押しのけ容積)を制御するようになっている。
傾転アクチュエータ93,94は、両端に大径の受圧部93a,94a及び小径の受圧部93b,94bを有する作動ピストン93c,94cと、受圧部93a,93b及び94a,94bがそれぞれ位置する受圧室93d,93e及び94d,94eとを有する。そして、両受圧室93d,93e及び94d,94eの圧力が互いに等しいときは、作動ピストン93c,94cは受圧面積の差によって図5中右方向に移動し、これによって斜板19A,20Aの傾転は大きくなり、ポンプ吐出流量QP1,QP2が増大する。また、大径側の受圧室93d,94dの圧力が低下すると、作動ピストン93c,94cは図5中左方向に移動し、これによって斜板19A,20Aの傾転が小さくなりポンプ吐出流量QP1,QP2が減少するようになっている。なお、大径側の受圧室93d,94dは第1及び第2サーボ弁95〜98を介して、パイロットポンプ25の吐出管路79に連通する管路99に接続されており、小径側の受圧室93e,94eは直接管路99に接続されている。
【0074】
第1サーボ弁95,96のうち、レギュレータ装置34の第1サーボ弁95は前述したようにポンプコントロールバルブ38からの制御圧力(ネガコン圧)Pc1により駆動されるネガティブ傾転制御用のサーボ弁であり、レギュレータ装置35の第1サーボ弁96は、前述したようにポンプコントロールバルブ82からの制御圧力(ロードセンシング圧)Pc2により駆動されるロードセンシング制御用のサーボ弁であり、これらは互いに同等の構造となっている。
【0075】
すなわち、制御圧力PC1,PC2が高いときは弁体95a,96aが図5中右方向に移動し、パイロットポンプ25からのパイロット圧PPを減圧せずに傾転アクチュエータ93,94の受圧室93d,94dに伝達し、これによって斜板19A,20Aの傾転が大きくなって第1及び第2油圧ポンプ19,20の吐出流量QP1,QP2を増大させる。そして制御圧力PC1,PC2が低下するにしたがって弁体95a,96aがばね95b,96bの力で図5中左方向に移動し、パイロットポンプ25からのパイロット圧PPを減圧して受圧室93d,94dに伝達し、第1及び第2油圧ポンプ19,20の吐出流量QP1,QP2を減少させるようになっている。
以上により、レギュレータ装置34の第1サーボ弁95では、前述したポンプコントロールバルブ38の機能と併せてコントロールバルブ26,27の要求流量に応じた吐出流量QP1が得られるよう、具体的にはセンターバイパスライン22aから流入しポンプコントロールバルブ38を通過する流量が最小となるように第1油圧ポンプ19の斜板19Aの傾転(吐出流量)を制御する、いわゆるネガティブコントロールが実現される。
また、レギュレータ装置35の第1サーボ弁96では、前述したポンプコントロールバルブ82の機能と併せ、コントロールバルブ28,29,30,31の要求流量に応じた吐出流量QP2が得られるよう、具体的には第2油圧ポンプ20の吐出圧P2と絞り手段29Aa,30Aa,31Aaの下流側圧力との差が一定に保持されるように第2油圧ポンプ20の斜板20Aの傾転(吐出流量)を制御するいわゆるロードセンシング制御が実現される。
【0076】
一方、第2サーボ弁97,98は、いずれも入力トルク制限制御用のサーボ弁で、互いに同一の構造となっている。すなわち、第2サーボ弁97,98は、第1及び第2油圧ポンプ19,20の吐出圧P1,P2により作動する弁であり、それら吐出圧P1,P2が、第1及び第2油圧ポンプ19,20の吐出管路37,39から分岐して設けられた吐出圧検出管路100a〜c,101a〜cを介し、操作駆動部97aの受圧室97b,97c及び操作駆動部98aの受圧室98b,98cにそれぞれ導かれるようになっている。
【0077】
すなわち、第1及び第2油圧ポンプ19,20の吐出圧力の和P1+P2によって操作駆動部97a,98aに作用する力がばね97d,98dで設定されるばね力によって弁体97e,98eに作用する力より小さいときは、弁体97e,98eは図5中右方向に移動し、パイロットポンプ25から第1サーボ弁95,96を介し導かれたパイロット圧PPを減圧せずに傾転アクチュエータ93,94の受圧室93d,94dに伝達し、これによって第1及び第2油圧ポンプ19,20の斜板19A,20Aの傾転を大きくして吐出流量を大きくする。
そして、第1及び第2油圧ポンプ19,20の吐出圧力の和P1+P2による力がばね97d,98dのばね力設定値による力よりも大きくなるにしたがって弁体97e,98eが図5中左方向に移動し、パイロットポンプ25から第1サーボ弁95,96を介し導かれたパイロット圧PPを減圧して受圧室93d,94dに伝達し、これによって第1及び第2油圧ポンプ19,20の吐出流量を減少させるようになっている。
【0078】
以上により、第1及び第2油圧ポンプ19,20の吐出圧力P1,P2が上昇するに従って第1及び第2油圧ポンプ19,20の吐出流量Q1,Q2の最大値Q1max,Q2maxが小さく制限され、第1及び第2油圧ポンプ19,20の入力トルクの合計をエンジン21の出力トルク以下に制限するように第1及び第2油圧ポンプ19,20の斜板19A,20Aの傾転が制御されるいわゆる入力トルク制限制御(馬力制御)が実現される。このとき、さらに詳細には、第1油圧ポンプ19の吐出圧P1と第2油圧ポンプ20の吐出圧P2との和に応じて、第1及び第2油圧ポンプ19,20の入力トルクの合計をエンジン21の出力トルク以下に制限するいわゆる全馬力制御が実現される。
【0079】
本実施の形態では、第1油圧ポンプ19及び第2油圧ポンプ20の両方がほぼ同一の特性に制御される。すなわち、レギュレータ装置34の第2サーボ弁97において第1油圧ポンプ19を制御するときにおける第1及び第2油圧ポンプ19,20の吐出圧の和P1+P2と第1油圧ポンプ19の吐出流量Q1の最大値Q1maxとの関係と、レギュレータ装置35の第2サーボ弁98において第2油圧ポンプ20を制御するときにおける第1及び第2油圧ポンプ19,20の吐出圧の和P1+P2と第2油圧ポンプ20の吐出流量Q2の最大値Q2maxとの関係とが、互いに略同一の関係(例えば10%程度の幅で)となるように、かつ、第1及び第2油圧ポンプ19,20の吐出流量Q1,Q2の最大値Q1max,Q2maxを互いに略同じ値(同)で制限するようになっている。
【0080】
ここで、本実施の形態の最も大きな特徴は、パイロットポンプ25からのパイロット圧を前記ポンプコントロールバルブ38,82の可変リリーフ弁38d,82dに導くパイロット導入管路83aとパイロット導入管路83b,83cとの間に、コントローラ45からの駆動信号Sv(後述)で切り換えられるソレノイド制御弁110を設けたことである。このソレノイド制御弁110は、ソレノイド110aに入力される駆動信号SvがONになると図4中左側の連通位置110Aに切り換えられ、パイロットポンプ25からのパイロット圧をパイロット導入管路83a及びパイロット導入管路83c,83bを介し前記可変リリーフ弁38d,82dに導く。これにより、前述した各コントロールバルブの要求流量の大小に応じた制御圧力Pc1,Pc2の発生を行うことができ、この結果、前述したように、コントロールバルブ26,27の要求流量に応じた吐出流量QP1が得られるよう第1油圧ポンプ19の斜板19Aの傾転を制御するネガティブコントロールや、コントロールバルブ28,29,30,31の要求流量に応じた吐出流量QP2が得られるよう第2油圧ポンプ20の斜板20Aの傾転を制御するロードセンシング制御を実現することができる。
【0081】
一方、駆動信号SvがOFFになると、ソレノイド制御弁110はばね110bの復元力で図4中右側の遮断位置110Bに復帰し、パイロット導入管路83aとパイロット導入管路83b,83cとを遮断すると共にパイロット導入管路83b,83cを前記タンクライン47dから分岐したタンクライン47f(図4参照)に連通させ、これら導入管路83b,83c内の圧力をタンク圧PTとする。これにより、前述した各コントロールバルブの要求流量の大小に関係なく、制御圧力Pc1,Pc2は常に前記タンク圧PTに等しくなる。言い換えれば、前述したネガティブコントロールやロードセンシング制御を用いた、コントロールバルブの要求流量に応じた吐出流量を得るためのポンプ傾転制御が無効となる。以上のようなソレノイド制御弁110の機能の結果実現される、前記ポンプコントロールバルブ38,82及び前記レギュレータ装置34,35によるポンプ吐出流量及び走行用油圧モータ供給流量の制御特性を図6〜図8を用いて説明する。
図6は、第1油圧ポンプ19から吐出されセンターバイパスライン22aを介してポンプコントロールバルブ38のピストン絞り部分38aaへ導かれる前記余剰流量Qt1、又は第2油圧ポンプ20から吐出されリリーフ弁77を介してポンプコントロールバルブ82の前記ピストン絞り部分82aaへ導かれる前記余剰流量Qt2と、このときポンプコントロールバルブ38,82の前記可変リリーフ弁38d,82dの機能によって発生される前記制御圧力Pc1,Pc2との関係を表した図である。
【0082】
また、図7は、上記のような制御圧力Pc1,Pc2と第1及び第2油圧ポンプ19,20のポンプ吐出流量QP1,QP2との関係を示した図である。
【0083】
さらに、図8は、左・右走行用コントロールバルブ27,28の要求流量に対応する左・右走行用操作レバー32a,33aの操作量と、左・右走行用油圧モータ16,17への供給流量QMとの関係を表した図である。
【0084】
(i)ソレノイド制御弁110が連通位置110Aの場合
この場合、パイロットポンプ25からのパイロット圧を前記可変リリーフ弁38d,82dに導くので、前述したように、各コントロールバルブの要求流量の大小(言い換えれば余剰流量Qt1,Qt2の小大)に応じた制御圧力Pc1,Pc2の発生を行う。
すなわち、図6において、コントロールバルブ27,26(又は28,31,30,29、以下対応関係同じ)の要求流量が多く第1油圧ポンプ19からポンプコントロールバルブ38(又は82)への余剰流量Qt1(又はQt2)が全くないと制御圧力Pc1(又はPc2)は最大値P1となり(図6中の点▲1▼)、この結果、図7中の点▲1▼′に示すように、ポンプ吐出流量QP1(又はQP2)は最大値Qmaxとなる。
コントロールバルブ27,26(又は28,31,30,29)の要求流量が減少して第1油圧ポンプ19からポンプコントロールバルブ38(又は82)への余剰流量Qt1(又はQt2)が増加するにつれて、図6中実線アで示すように、制御圧力Pc1(又はPc2)は前記最大値P1からほぼ直線的に減少し、この結果、図7に示すように、ポンプ吐出流量QP1(又はQP2)も前記最大値Qmaxからほぼ直線的に減少する。
そして、図6において、コントロールバルブ27,26(又は28,31,30,29)の要求流量がさらに減少し余剰流量Qt1(又はQt2)がさらに増加して制御圧力Pc1(又はPc2)がタンク圧PTまで減少すると(図6中の点▲2▼)、図7中の点▲2▼′に示すようにポンプ吐出流量QP1(又はQP2)は最小値Qminとなるが、これ以降は、可変リリーフ弁38d,82dが全開状態となり、余剰流量Qt1(又はQt2)が増加しても制御圧力Pc1(又はPc2)はタンク圧PTのままとなり、ポンプ吐出流量QP1(又はQP2)も最小値Qminのままとなる(図7中の点▲2▼′)。
【0085】
この結果、前述したように、コントロールバルブ26,27の要求流量に応じた吐出流量QP1が得られるよう第1油圧ポンプ19の斜板19Aの傾転を制御するネガティブコントロールや、コントロールバルブ28,29,30,31の要求流量に応じた吐出流量QP2が得られるよう第2油圧ポンプ20の斜板20Aの傾転を制御するロードセンシング制御を実現することができる。
【0086】
そして、左・右走行用油圧モータ16,17以外は動作しない走行時においては、左走行用コントロールバルブ27の要求流量に応じた吐出流量QP1がネガティブコントロールされた第1油圧ポンプ19から吐出され、右走行用コントロールバルブ28の要求流量に応じた吐出流量QP2がロードセンシング制御された第2油圧ポンプ20から吐出される。このとき、前述したように、左・右走行用コントロールバルブ27,28の要求流量と左・右走行用操作レバー32a,33aの操作量とは対応しているから、左・右走行用操作レバー32a,33aの操作量と左・右走行用油圧モータ16,17への供給流量QMとの関係は直線的な関係となる。すなわち、左・右走行用操作レバー32a,33aの操作量Xが0のときはモータ供給流量QMは0であり、操作量Xが増加するにつれて、図8中実線エで示すように、供給流量QMはほぼ直線的に増大し、操作量Xが最大値Xmaxになるとモータ供給流量QMは前記ポンプ吐出流量最大値Qmaxとなる。
【0087】
(ii)ソレノイド制御弁110が遮断位置110Bの場合
この場合、パイロット導入管路83b,83c内の圧力をタンク圧PTとするので、図6の直線イに示すように、各コントロールバルブの要求流量の大小(言い換えれば余剰流量Qt1,Qt2の小大)に関係なく、制御圧力Pc1,Pc2は常にタンク圧PTとなる(言い換えれば、上記(i)の場合における制御圧力の最大値Pc1,Pc2=P1に比べて制御圧力の最大値が低減される)。この結果、図7中の点▲2▼′に示すように、ポンプ吐出流量QP1(又はQP2)は常に最小値Qminとなる(言い換えれば、上記(i)の場合における最大ポンプ吐出流量QP1(又はQP2)=Qmaxに比べて最大吐出流量が低減される)。このようにして、前述したネガティブコントロールやロードセンシング制御を用いた、コントロールバルブの要求流量に応じた吐出流量を得るためのポンプ傾転制御が解除される。
【0088】
そして、左・右走行用油圧モータ16,17以外は動作しない走行時においては、左・右走行用コントロールバルブ27,28の要求流量(すなわち左・右走行用操作レバー32a,33aの操作量)に関係なく、第1及び第2油圧ポンプ19,20からは最小流量Qminが吐出され、その流量Qminのうち左・右走行用コントロールバルブ27,28の開度に応じた部分のみが左・右走行用油圧モータ16,17への供給流量QMとなる。すなわち、左・右走行用操作レバー32a,33aの操作量と左・右走行用油圧モータ16,17への供給流量QMとの関係は、図8中直線オに示すように、上記(i)の場合の直線エよりも傾きの小さな直線となり、操作量Xが0のときはモータ供給流量QMは0であり、操作量Xが増加するにつれて供給流量QMはほぼ直線的に増大し、操作量Xが最大値Xmax(バルブ全開状態)になるとモータ供給流量QMは前記ポンプ吐出流量最小値Qminとなる。
【0089】
図3〜図5に戻り、前記の操作盤36には、破砕装置2を起動・停止させるためのクラッシャ起動・停止スイッチ36aと、破砕装置2の動作方向を正転又は逆転方向のいずれかに選択するためのクラッシャ正転・逆転選択ダイヤル36bと、フィーダ3を起動・停止させるためのフィーダ起動・停止スイッチ36cと、コンベア6を起動・停止させるためのコンベア起動・停止スイッチ36dと、磁選機7を起動・停止させるための磁選機起動・停止スイッチ36eと、走行操作を行う走行モード及び破砕作業を行う破砕モードのいずれか一方を選択するためのモード選択スイッチ36fと、本実施の形態の大きな特徴である走行速度の通常モード又は微速モードを選択するための走行モード選択スイッチ36gとを備えている。
【0090】
操作者が上記操作盤36の各種スイッチ及びダイヤルの操作を行うと、その操作信号が前記のコントローラ45に入力される。コントローラ45は、操作盤36からの操作信号に基づき、前述した破砕用コントロールバルブ26、フィーダ用コントロールバルブ29、コンベア用コントロールバルブ30、磁選機用コントロールバルブ31、ソレノイド制御弁46、及びソレノイド制御弁110のソレノイド駆動部26a,26b、ソレノイド駆動部29a、ソレノイド駆動部30a、ソレノイド駆動部31a、ソレノイド46a、及びソレノイド110aへの前記の駆動信号Scr,Sf,Scom,Sm,St,Svを生成し、対応するソレノイドにそれらを出力するようになっている。
すなわち、操作盤36のモード選択スイッチ36fで「走行モード」が選択された場合には、ソレノイド制御弁46の駆動信号StをONにしてソレノイド制御弁46を図3中左側の連通位置に切り換え、操作レバー32a,33aによる走行用コントロールバルブ27,28の操作を可能とする。操作盤36のモード選択スイッチ36fで「破砕モード」が選択された場合には、ソレノイド制御弁46の駆動信号StをOFFにして図3中右側の遮断位置に復帰させ、操作レバー32a,33aによる走行用コントロールバルブ27,28の操作を不可能とする。
また、操作盤36のクラッシャ正転・逆転選択ダイヤル36bで「正転」(又は「逆転」、以下、対応関係同じ)が選択された状態でクラッシャ起動・停止スイッチ36aが「起動」側へ押された場合、破砕用コントロールバルブ26のソレノイド駆動部26a(又はソレノイド駆動部26b)への駆動信号ScrをONにするとともにソレノイド駆動部26b(又はソレノイド駆動部26a)への駆動信号ScrをOFFにし、破砕用コントロールバルブ26を図3中上側の切換位置26A(又は下側の切換位置26B)に切り換え、第1油圧ポンプ19からの圧油を破砕用油圧モータ9に供給して駆動し、破砕装置2を正転方向(又は逆転方向)に起動する。
その後、クラッシャ起動・停止スイッチ36aが「停止」側へ押された場合、破砕用コントロールバルブ26のソレノイド駆動部26a及びソレノイド駆動部26bの駆動信号ScrをともにOFFにして図3に示す中立位置に復帰させ、破砕用油圧モータ9を停止し、破砕装置2を停止させる。
また、操作盤36のフィーダ起動・停止スイッチ36cが「起動」側へ押された場合、フィーダ用コントロールバルブ29のソレノイド駆動部29aへの駆動信号SfをONにして図4中上側の切換位置29Aに切り換え、第2油圧ポンプ20からの圧油をフィーダ用油圧モータ10に供給して駆動し、フィーダ3を起動する。その後、操作盤36のフィーダ起動・停止スイッチ36cが「停止」側へ押されると、フィーダ用コントロールバルブ29のソレノイド駆動部29aへの駆動信号SfをOFFにして図4に示す中立位置に復帰させ、フィーダ用油圧モータ10を停止し、フィーダ3を停止させる。
同様に、コンベア起動・停止スイッチ36dが「起動」側へ押された場合、コンベア用コントロールバルブ30を図4中上側の切換位置30Aに切り換え、コンベア用油圧モータ11を駆動してコンベア6を起動し、コンベア起動・停止スイッチ36dが「停止」側へ押されると、コンベア用コントロールバルブ30を中立位置に復帰させ、コンベア6を停止させる。
また、磁選機起動・停止スイッチ36eが「起動」側へ押された場合、磁選機用コントロールバルブ31を図4中上側の切換位置31Aに切り換え、磁選機用油圧モータ13を駆動して磁選機7を起動し、磁選機起動・停止スイッチ36eが「停止」側へ押されると、磁選機用コントロールバルブ31を中立位置に復帰させ、磁選機7を停止させる。
また、走行モード選択スイッチ36gで「通常モード」が選択された場合には、ソレノイド制御弁110の駆動信号SvをONにしてソレノイド制御弁110を図4中左側の連通位置110Aに切り換え、前述のように左・右走行用コントロールバルブ26,27の要求流量(左・右走行用操作レバー32a,33aの操作量X)に応じたポンプ吐出流量の制御を可能とする。走行モード選択スイッチ36gで「微速モード」が選択された場合には、ソレノイド制御弁110の駆動信号SvをOFFにして図4中右側の遮断位置110Bに復帰させ、前述のように左・右走行用コントロールバルブ26,27の要求流量に応じたポンプ吐出流量の制御を中止し、ポンプ吐出流量QP1,QP2を一定値Qminとする。
【0091】
以上において、無限軌道履帯14が特許請求の範囲各項記載の走行手段を構成し、ホッパ1がリサイクル原料を受け入れる受け入れ手段を構成し、破砕装置2がリサイクル原料に所定の処理を行う処理装置を構成する。また、左・右走行用コントロールバルブ27,28が、走行用油圧モータに供給される圧油の流れを制御する走行用制御弁手段を構成し、左・右走行用操作レバー装置32,33が、走行用制御弁手段を操作する走行用操作手段を構成する。
【0092】
また、操作盤36の走行モード選択スイッチ36gが、走行手段の第1モード及び第2モードのいずれかが選択入力される選択手段を構成するとともに、走行手段の動作速度に関する指示が入力される入力手段をも構成する。このとき、通常モードが第1モードに相当し、微速モードが第2モードに相当する。
【0093】
さらに、ポンプコントロールバルブ38,82が、走行用制御弁手段のセンターバイパスラインの下流側に流れる圧油の流量を圧力に変換する圧力変換手段を構成し、走行用油圧モータの要求流量に応じた制御圧力を発生させる制御圧力発生手段をも構成する。また、レギュレータ装置34,35が、制御圧力発生手段からの制御圧力に応じて油圧ポンプの吐出流量を制御するレギュレータ手段を構成する。そしてこれらレギュレータ装置34,35及びポンプコントロールバルブ38,82が走行用油圧モータの要求流量に対し所定の調整特性をもって油圧ポンプの吐出流量を調整するポンプ調整手段を構成し、図6及び図7に示す特性線がそのときの所定の調整特性に相当する。
また、ソレノイド制御弁110が、選択手段で第1モードが選択された場合には、制御圧力の最大値を相対的に大きくして油圧ポンプの最大吐出流量を相対的に高い値とし、選択手段で第2モードが選択された場合には、制御圧力の最大値を相対的に小さくして油圧ポンプの最大吐出流量を相対的に低い値とする制御圧力切換手段を構成し、入力手段での指示に応じて上記ポンプ調整手段の調整特性あるいは上記制御圧力を変化させる特性制御手段をも構成する。
そして、これらレギュレータ装置34,35、ポンプコントロールバルブ38,82、及びソレノイド制御弁110が、走行用油圧モータの要求流量に対して、入力手段での指示に応じた制御特性をもって油圧ポンプの吐出流量を制御する制御手段を構成する。
【0094】
次に、上記構成の本実施の形態に係る自走式破砕機の動作を以下に説明する。
【0095】
(I)破砕作業時
上記構成の自走式破砕機において、破砕作業時には、操作者は、操作盤36のモード選択スイッチ36fで「破砕モード」を選択して走行操作を不可能にした後、クラッシャ正転・逆転選択ダイヤル36bで「正転」を選択しかつクラッシャ速度設定ダイヤル36cを所望の設定速度となる位置までまわしつつ、磁選機起動・停止スイッチ36f、コンベア起動・停止スイッチ36e、クラッシャ起動・停止スイッチ36a、及びフィーダ起動・停止スイッチ36dを順次「起動」側へ押す。
【0096】
上記の操作により、コントローラ45から磁選機用コントロールバルブ31のソレノイド駆動部31aへの駆動信号SmがONになって磁選機用コントロールバルブ31が図4中上側の切換位置31Aに切り換えられ、またコントローラ45からコンベア用コントロールバルブ30のソレノイド駆動部30aへの駆動信号ScomがONになってコンベア用コントロールバルブ30が図4中上側の切換位置30Aに切り換えられる。さらに、コントローラ45から破砕用コントロールバルブ26のソレノイド駆動部26aへの駆動信号ScrがONになるとともにソレノイド駆動部26bへの駆動信号ScrがOFFになり、破砕用コントロールバルブ26が図3中上側の切換位置26Aに切り換えられ、またフィーダ用コントロールバルブ29のソレノイド駆動部29aへの駆動信号SfがONになってフィーダ用コントロールバルブ29が図4中上側の切換位置29Aに切り換えられる。
【0097】
これにより、第2油圧ポンプ20からの圧油がメインバルブユニット91のセンターバイパスライン23a及びキャリオーバポート91aを介し、サブバルブユニット92のポンプポート92a及びセンタライン23bへ導入され、さらに磁選機用油圧モータ13、コンベア用油圧モータ11、及びフィーダ用油圧モータ10に供給され、磁選機7、コンベア6、及びフィーダ3が起動される。一方、第1油圧ポンプ19からの圧油が破砕用油圧モータ9に供給されて破砕装置2が正転方向に起動される。
【0098】
そして、例えば油圧ショベルのバケットでホッパ1に破砕原料を投入すると、その投入された破砕原料が、フィーダ3において所定粒度以上のもののみが選別されつつ破砕装置2へと導かれ、破砕装置2で所定の大きさに破砕される。破砕された破砕物は、破砕装置2下部の空間からコンベア6上に落下して運搬され、その運搬途中で磁選機7によって破砕物に混入した磁性物(例えばコンクリートの建設廃材に混入している鉄筋片等)が取り除かれ、大きさがほぼ揃えられて、最終的に破砕機の後部(図1中右端部)から搬出される。
【0099】
(II)自力走行時
前述したように、通常、自走式破砕機等の自走式リサイクル製品生産機が自力走行を行う場合は、稼働現場(例えばリサイクル処理プラント)内における配置移動時(すなわち平地走行時)と、輸送の際のトレーラーへの積み下ろし時の2つがある。そこで、自力走行時の動作を、これら2つの場合に分けて以下説明する。
【0100】
(II−1)平地走行時
例えば稼働現場内において自走式破砕機を平地走行させる場合は、操作者は、操作盤36のモード選択スイッチ36fで「走行モード」を選択するとともに、走行モード選択スイッチ36gで「通常モード」を選択し、運転席24aに搭乗して操作レバー32a,33aを前方に操作する。これにより、左・右走行用コントロールバルブ27,28が図3中上方の切換位置27A,28Aに切り換えられ、第1油圧ポンプ19からセンターバイパスライン22aを介し導かれた圧油が左・右走行用油圧モータ16,17に供給され、これらが順方向に駆動され、破砕機の両側の無限軌道履帯14が順方向に駆動されて走行体5が前方へ走行する。
【0101】
このとき、走行モード選択スイッチ36gで「通常モード」を選択していることからソレノイド制御弁110が連通位置110Aとなり、前述したように、左・右走行用操作レバー32a,32bの操作量Xに応じた吐出流量QP1が第1及び第2油圧ポンプ19,20から吐出されるとともに、その操作量Xに応じて左・右走行用コントロールバルブ27,28の開度が大きくなる。これらの結果、その操作量Xに応じた供給流量QMが左・右走行用油圧モータ16,17に供給される。
【0102】
そして、このときの操作量Xとモータ供給流量QMとの関係は、前述の図8中実線エで示されるように、左・右走行用操作レバー32a,33aの操作量Xが0から最大値Xmaxまで増加するとき、モータ供給流量QMは0からポンプ吐出流量最大値Qmaxまで増加する。このようにして、左・右走行用操作レバー32a,32bが最大値Xmaxであるとき(すなわちフルレバー時)の左・右走行用油圧モータ16,17への供給流量を大きくして高速で走行させることができ、かつ、左・右走行用操作レバー32a,32bの操作量Xの増加に対し比較的高い割合で左・右走行用油圧モータ16,17の供給流量を増加させ走行速度の増大量を大きくすることができる。
【0103】
これにより、操作者が走行用操作レバー32a,32bを比較的大きな操作量で操作することで高速走行が可能となるので、可動現場内において素早く所望の位置へ移動することができ、稼働率の向上等を図ることができる。
【0104】
(II−2)トレーラーへの積み下ろし時
例えば稼動現場に向かうためにトレーラーに積載するためにトレーラー荷台上へ向かって自走する場合(又は稼働現場に到着後トレーラー荷台から下りるために自走する場合、以下この項においてかっこ内対応関係同じ)は、操作者は、操作盤36のモード選択スイッチ36fで「走行モード」を選択するとともに、走行モード選択スイッチ36gで「微速モード」を選択し、運転席24aに搭乗して操作レバー32a,33aを前方に(又は後方)に操作する。これにより、左・右走行用コントロールバルブ27,28が図3中上方の切換位置27A,28A(又は27B,28B)に切り換えられ、第1油圧ポンプ19からセンターバイパスライン22aを介し導かれた圧油が左・右走行用油圧モータ16,17に供給され、これらが順方向(又は逆方向)に駆動され、破砕機の両側の無限軌道履帯14が順方向(又は逆方向)に駆動されて走行体5が前方(又は後方)へ走行する。
【0105】
このとき、走行モード選択スイッチ36gで「微速モード」を選択していることからソレノイド制御弁110が遮断位置110Bとなり、前述したように、左・右走行用操作レバー32a,32bの操作量Xに関係なく常時ポンプ最小吐出流量Qminが第1及び第2油圧ポンプ19,20から吐出されるとともに、操作量Xに応じた左・右走行用コントロールバルブ27,28の開度が大きくなる(絞りが小さくなる)。これらの結果、操作量Xに応じた供給流量QMが左・右走行用油圧モータ16,17に供給される。
【0106】
そして、このときの操作量Xとモータ供給流量QMとの関係は、前述の図8中実線オで示されるように、左・右走行用操作レバー32a,33aの操作量Xが0から最大値Xmaxまで増加するときに、モータ供給流量QMは0からポンプ吐出流量最小値Qminまでしか増加しない。このようにして、左・右走行用操作レバー32a,32bが最大値Xmaxであるとき(すなわちフルレバー時)における左・右走行用油圧モータ16,17への供給流量を小さくすることができる(言い換えれば、左・右走行用操作レバー操作量と走行速度との関係を上記「通常モード」のときに比べて変化させることができる)。これにより、操作者が走行用操作レバー32a,32bを比較的小さな操作量で操作することで超低速走行(微速走行)が可能となる。また、左・右走行用操作レバー32a,32bの操作量Xの増加に対し比較的低い割合で左・右走行用油圧モータ16,17の供給流量を増加させるので、操作量Xの変化量に対する速度変化を小さくすることができ、自走速度の精密な制御が可能となる。
以上説明したような構成及び動作である本発明の一実施の形態による自走式破砕機の油圧駆動装置によれば、以下のような効果を得られる。
【0107】
(1)微速走行時の圧力損失低減による生産性向上効果
本実施の形態によれば、上述したように、第1及び第2油圧ポンプ19,20のポンプ吐出流量QP1,QP2を増減し左・右走行用油圧モータ16,17への供給流量QM自体を増減することで、高速走行及び微速走行の両方を可能とする。これにより、微速走行時には、第1及び第2油圧ポンプ19,20→左・右走行用コントロールバルブ27,28→左・右走行用油圧モータ16,17という一連の圧油供給経路の流量が小さくなるので、左・右走行用コントロールバルブ27,28の通過流量も小さくすることができる。これにより、少なくとも、微速走行時にも高速走行時と同一の大流量が供給されることになる前記の従来技術に比べれば左・右走行用コントロールバルブ27,28行で発生する圧力損失を低減することができ、その分油圧ポンプ19,20を駆動するエンジン21に必要な馬力を低減できる。この結果、エンジン21の燃料消費量を低減できるので、稼働時間を長くでき、生産性を向上することができる。
(2)固定容量型左・右走行用油圧モータによる効果
また本実施の形態によれば、左・右走行用油圧モータ16,17は固定容量型で足り、前記の従来技術のように可変容量型とする必要がなくなる。これにより、容量を可変とするための種々の機構(例えば斜板駆動機構)等を省略できるので、部品数を低減できるとともに構造を簡素化でき、信頼性の向上やコストダウンを図ることができる。
【0108】
なお、上記本発明の一実施の形態では、ソレノイド制御弁110をON−OFF電磁切換弁とし、「微速モード」選択に対応する遮断位置110Bにおいてはパイロット導入管路83b,83c内の圧力をタンク圧まで低下させて制御圧力Pc1,Pc2をタンク圧PTまで低下させ(図6中の実線イ参照)、この結果図7中では点▲2▼′に示す特性となり、これによって図8の実線オに示すような特性となるようにしたが、これに限られるものではない。
【0109】
すなわち、ソレノイド制御弁110を電磁比例弁とし、操作盤36に別途微速モード選択時の最高速度を適宜設定可能な速度設定ダイヤルを設け、「微速モード」選択時にその速度設定ダイヤルの操作量に応じた駆動電流値の信号をコントローラ45からソレノイド制御弁110に出力してその速度設定ダイヤルの設定値に応じた開度になるようにしてもよい。この場合、その設定値に応じてパイロット導入管路83b,83c内の圧力を所望のP2(但しPT<P2<P1)として制御圧力Pc1,Pc2の値もそのP2まで低下させ(図6中の2点鎖線ウ参照)、この結果、図7中では点▲2▼′〜点▲3▼′間の特性となり、これによって図8の2点鎖線カに示すような特性となる。この場合、前記速度設定ダイヤルの設定により、微速モード時にどの程度の低速走行とするか(あるいはどの程度の精密な速度制御を行うか)を、操作者が任意に設定できるというメリットがある。
【0110】
また、上記本発明の一実施の形態では、管路65,66,67,69,71,78及びシャトル弁68,70で補助機械用油圧モータ10,11,13の最大負荷圧力を検出する一方、圧力制御弁51,54,57で、絞り手段29Aa,30Aa,31Aaの下流側圧力と最大負荷圧力との差圧を一定に保持し、さらにアンロード弁77で第2油圧ポンプ20の吐出圧P2と上記最大負荷圧力との差圧を一定に保持し、これらによって絞り手段29Aa,30Aa,31Aaの前後差圧をそれぞれ一定に保持し、確実な分配機能を得るようにしたが、これに限られるものではない。例えば、単に絞り手段29Aa,30Aa,31Aaの前後差圧がそれぞれ両端に導かれる圧力補償弁を設け、そのばねの設定圧によって上記前後差圧を一定に保持するようにしてもよい。
さらに、上記において、アンロード弁77を用いて第2油圧ポンプ20の吐出圧P2と上記最大負荷圧力との差圧を一定に保持することによりロードセンシング制御を行ったが、これにも限られない。すなわち、第2油圧ポンプ20の吐出圧P2を例えば圧力センサ等で検出しておき、また上記最大負荷圧力も圧力センサ等で検出しておき、両方の検出結果をロードセンシング用コントローラに入力してそれらの差圧を演算し、その演算結果に応じて、その差圧が一定に保持されるように、第2油圧ポンプ20の傾転角を制御してもよい。
【0111】
また、上記本発明の一実施の形態においては、左・右走行用コントロールバルブ27,28のうち、左走行用コントロールバルブ27を第1弁グループ22に、右走行用コントロールバルブ28を第2弁グループ23に振り分け配置したが、上記効果(1)(2)を得る限りにおいては、必ずしもこのような配置である必要はなく、例えば右走行用コントロールバルブ28も第1弁グループ22に配置しても良い。但しこの場合は、直進性確保の観点から、走行時に左・右走行用コントロールバルブ27,28を介し左・右走行用油圧モータ16,17へ供給される圧油のバランスをとる何らかの手段(例えば左・右走行用コントロールバルブ27,28の圧力補償手段)を設けることが好ましい。
【0112】
さらに、上記本発明の一実施形態においては、破砕装置2として動歯と固定歯とで破砕を行うジョークラッシャを備えた自走式破砕機を例にとって説明したが、これに限られず、他の破砕装置、例えば、ロール状の回転体に破砕用の刃を取り付けたものを一対としてそれら一対を互いに逆方向へ回転させ、それら回転体の間に岩石・建設廃材等を挟み込んで破砕を行う回転式破砕装置(いわゆるロールクラッシャを含む6軸破砕機等)や、平行に配置された軸にカッタを備え、互いに逆回転させることにより岩石・建設廃材等をせん断する破砕装置(いわゆるシュレッダを含む2軸せん断機等)や、複数個の刃物を備えた打撃板を高速回転させ、この打撃板からの打撃及び反発板との衝突を用いて岩石・建設廃材等を衝撃的に破砕する破砕装置(いわゆるインパクトクラッシャ)や、木材、枝木材、建設廃木等の木材をカッタを備えたロータに投入することにより細片にする木材破砕機にも適用可能である。これらの場合には、フィーダ3を適宜省略しても良い。これらの場合にも同様の効果を得る。
また、上記本発明の一実施の形態においては、フィーダ3として、油圧モータの駆動力を用いて、被破砕物を載置する複数枚の鋸歯状プレート3aを含む底板部を加振するグリズリフィーダを備えた自走式破砕機を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、他のタイプのフィーダ、例えば、ホッパから投入された被破砕物をホッパ下方に設けた略平板形状の底板に載置し、この底板を油圧モータで発生した駆動力に基づきベース駆動機構によって略水平方向に往復運動させることにより、後続の被破砕物の投入によって先行の被破砕物を底板上で順次押し出し、底板の前端から被破砕物を破砕装置へと順次供給するいわゆるプレートフィーダを備えた破砕機にも適用可能である。
【0113】
また、上記本発明の一実施の形態においては、破砕装置2による破砕作業に関連する作業を行う補助機械として、フィーダ3、コンベア6、及び磁選機7を備えた自走式破砕機に適用した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、フィーダ3、コンベア6、及び磁選機7のうち、いくつかを適宜省略した自走式破砕機、例えばフィーダ3がなくホッパ1からダクトやシュートを介し直接破砕装置2に破砕原料を供給するものや、さらにはホッパ1もなくシュート自体が受け入れ手段を構成するものや、作業事情に応じ磁選機7が省略されているものに対し適用しても良い。逆に、フィーダ3、コンベア6、及び磁選機7に加え、さらに追加の補助機械、例えば、コンベア6の路程を長くするためにコンベア6の下流側(又は上流側)に位置する補助コンベア(2次コンベア、3次コンベア、サブコンベア等)や、破砕物の粒度に応じさらなる選別を行うために破砕装置2の下流側に位置する振動スクリーンを設けた自走式破砕機に適用しても良い。なお、補助機械を追加する場合、これに対応するコントロールバルブを第2弁グループ23に設け、第2油圧ポンプ20からの圧油を供給されるようにすることは言うまでもない。これらの場合も、同様の効果を得る。
なお、以上は、本発明による油圧駆動装置の適用対象である自走式リサイクル製品生産機として、例えば岩石・建設廃材あるいは産業廃棄物等(=被破砕物)をリサイクル原料として、リサイクル用の破砕物製品を生産する自走式破砕機を例にとって説明したが、これに限られるものではない。すなわち、例えばガス管等の埋設工事、上下水道工事、及びその他の道路工事・基礎工事等において発生する掘削土のうち埋め戻しに適さないものをリサイクル原料として、リサイクル用製品としての改良土を生産する自走式土質改良機(掘削発生土をスラリー状態にする自走式流動化処理機も含む)に適用してもよい。本発明による油圧駆動装置を自走式土質改良機に適用した場合を以下説明する。
【0114】
図9は、この自走式の土質改良機械200の詳細構造を表す側面図である。この図9において、土質改良機械200は、例えば油圧ショベルのバケット等の作業具によりリサイクル原料(=改良対象となる土砂)が投入されその投入土砂を所定の粒度に選別する(詳細は後述)篩ユニット201、この篩ユニット201で選別された土砂を受け入れ一時的に貯留しておく受け入れ手段としての土砂ホッパ202、この土砂ホッパ202から導入された土砂を所定の土質改良材(固化材)と解砕・混合処理して下方へ排出する処理装置としての混合装置(処理槽)203、土砂ホッパ202に受け入れた土砂を前記混合装置203へと搬送して導入する搬入コンベア(フィーダ)204、及び前記土質改良材を供給するための土質改良材供給装置205を搭載した土質改良機本体206と、この土質改良機本体206の下方に設けられた走行体207と、混合装置203で混合され下方へ排出された混合物を受け入れて自走式土質改良機械200の後方側(後述するトラックフレーム土質改良機取付け部209Aの長手方向の他方側、図9中右側)に運搬し搬出する搬出コンベア208とを有する。
【0115】
前記の走行体207は、トラックフレーム209と、走行手段としての左・右無限軌道履帯210とを備えている。トラックフレーム209は、例えば略長方形の枠体によって形成され前記篩ユニット201、前記土砂ホッパ202、前記混合装置203、前記土質改良材供給装置205、及び後述のパワーユニット(機械室)279等を載置する車台を構成する土質改良機取付け部(本体フレーム)209Aと、この土質改良機取付け部209Aと前記の左・右無限軌道履帯210とを接続する脚部209Bとから構成される。また無限軌道履帯210は、前記脚部209Bに回転自在に支持された駆動輪211及び従動輪(アイドラ)212の間に掛け渡されており、駆動輪211側に設けられた左・右走行用油圧モータ213によって駆動力が与えられることにより自走式土質改良機械200を走行させるようになっている。
【0116】
前記の篩ユニット201は、上下方向に振動可能ないわゆる振動篩であり、前記トラックフレーム土質改良機取付け部209Aに立設した支持ポスト214の上に設けた支持部材215に、ばね216を介して弾性的に支持された支持枠体217と、この支持枠体217に装着された格子部材(図示せず)と、この格子部材の振動軸(同)を内部に挿通した回転ドラム(同)を回転駆動させるための駆動力を発生する加振用油圧モータ(同)とを有している。そして、加振用油圧モータの駆動力を回転ドラムに伝達して回転させ、格子部材の振動軸を振動させることにより、格子部材及び支持枠体217が上下方向に振動するようになっている。
【0117】
前記の搬入コンベア204は、前記トラックフレーム土質改良機取付け部9Aの長手方向一方側から他方側へ向かって(自走式土質改良機械200の後方へ向かって)所定角度だけ斜めに立ち上がるように傾斜して設けられている。そしてこの搬入コンベア204は、フレーム222と、このフレーム222に支持され図示しない搬入コンベア用油圧モータで駆動される駆動輪223と従動輪(アイドラ)224との間に巻回して設けられた搬送ベルト225と、この搬送ベルト225における搬送面を支持するためのガイドローラ226と、搬送ベルト225の搬送面の下流側端部において幅方向左右両側に設けられた規制板227とを備えている。
【0118】
前記の土砂ホッパ202は、上端部が前記支持部材215に固定して設けられており、その下端部は搬入コンベア204の傾斜角に応じた角度傾斜している。またこの土砂ホッパ202は、篩ユニット201からの円滑な土砂投入時の便宜のため、上方へ向かって拡径となる無底の箱型形状(言い換えれば略角筒形状あるいは枠体形状)となっており、その上下は開口している。
【0119】
このとき、この土砂ホッパ202の前記枠体を構成する四周の側壁(図示せず)のうち、搬入コンベア204の送り方向の下流側に位置する側壁(同)には、高さが前記規制板227の高さとほぼ同じでありかつ幅方向寸法が前記搬入コンベア204の前記搬送ベルト225の幅より若干小さい図示しない土砂供給用開口部(ゲート)が形成されている。そして、土砂ホッパ202は、前記篩ユニット201より上方開口部を介して投入された土砂を搬入コンベア204の搬送ベルト225上に落下させて下流側へと搬送し、このときその搬送ベルト225上を搬送されていく投入土砂のうち前記供給用開口部を通り抜けたもの(=供給用開口部の高さ分だけの量)だけを土砂ホッパ202外へ導出し(引き出し)、混合装置203へと導く。これにより、搬入コンベア204における搬送ベルト225の搬送速度と、土砂供給用開口部の開口面積とにより定まる所定量の土砂が、土砂ホッパ202から混合装置203へ供給されるようになっている。
【0120】
前記の土質改良材供給装置205は、トラックフレーム土質改良機取付け部209A上に立設した4本(または3本)の支柱232上に設けた例えば略長方形状の台板233に支持されている。このとき、前記の搬入コンベア204は、その下流側端部が、前記支柱232,232間にまで延在されており、このような位置関係において、その搬入コンベア204下流側端部の直上にある土質改良材供給装置205によって、土砂ホッパ202から供給された土砂に対し搬入コンベア4上で所定量の土質改良材が添加されるようになっている。
【0121】
土質改良材供給装置205は、所定量の土質改良材を貯留する貯留タンク234と、この貯留タンク234の下部に連設され、所定量ずつ土質改良材を供給するフィーダ235とを備えている。なお、土質改良材は、土砂を改良改質し先に述べた高品質水硬性複合路盤材の粒度調整材(安定処理材)を製造するために混合されるものであり、例えば石灰が使用される。
【0122】
前記の貯留タンク234は、全体が概略円筒形状で内部に土質改良材を貯留する空間を有するものであり、その高さ寸法が可変(詳細は後述)な構成となっている。すなわち、貯留タンク234は、下部側が前記台板233上に設置され、有底筒形の下部タンク部236と、天板部237と、下部タンク部236と天板部237との間に設けた上部側の容積が可変な上部タンク部としての蛇腹部238とから構成される。
【0123】
前記下部タンク部236の底板(図示せず)には、所定の開口径を有する土質改良材供給開口が設けられ、この開口から土質改良材をフィーダ235へ供給するようになっている。そして、下部タンク部236内の下部には、タンク内撹拌装置(図示せず)が設けられている。
【0124】
このタンク内撹拌装置は、下部タンク部236の底板中央部を貫通して伸びる回転軸230に複数本の主攪拌翼(図示せず)を取り付けたものからなり、主攪拌翼は下部タンク部236内の底板に近接した位置に配置される。一方、回転軸230の下部タンク部236外の位置は、その底板の裏面側に固定して設けた撹拌用油圧モータ(図示せず)に連結されている。
このような構成により、タンク内攪拌装置は、貯留タンク234内に貯留された土質改良材を攪拌して均一性・流動性を向上し、円滑かつ確実にフィーダ235への供給が行えるように図られている。
【0125】
前記フィーダ235はいわゆるロータリーフィーダと称されるものであり、その内部に、図示しないフィーダ用モータによって回転駆動されるロータ(図示せず)が設けられている。このロータには複数の隔壁(同)が放射状に設けられており、ロータが所定角度回転する毎に相隣接する隔壁間の空間に相当する分の土質改良材が分離され、その空間の容積分の土質改良材が定量ずつ供給されるようになっている。これにより、前記フィーダ用モータの回転速度を制御することで、土質改良材の供給量(添加率)を制御し、土砂と土質改良材との混合比を正確に一定にできるようになっている。
具体的には、例えば搬入コンベア204による土砂の搬送量を図示しない検出手段で検出し(あるいは搬出コンベア208による土砂・土質改良材混合物の量を検出することで間接的に搬入コンベア204による土砂の搬送量を検出しても良い)、その検出量に応じてフィーダ用油圧モータを駆動制御するようになっている。
なお、前記した貯留タンク234を上下に分けて、上部側に蛇腹部238を設けたのは、貯留タン2ク34による土質改良材の収容量を多くし、かつ自走式土質改良機械200全体をトレーラ等で輸送する際にその高さ寸法を低くするためである。
【0126】
すなわち、前記天板部237に設けた取付板257に支持杆258が垂設されており、前記台板233の各支持杆258の垂設位置に対応する位置にガイド筒259が立設されている。そして、ガイド筒259に設けたピン挿通孔261に対し支持杆258の下方に設けた挿通孔260を一致させた状態にしてストッパピン(図示せず)を挿通させると、蛇腹部238は伸長した作動状態に保持され(図9の状態)、支持杆258の上方に設けたピン挿通孔260を前記ピン挿通孔261と一致させてストッパピンを挿通させると、蛇腹部238は格納状態に保持されるようになっている。
【0127】
前記の混合装置203は、長手方向(=略水平方向)に配置した長方形状容器からなる混合装置本体262と、前記混合装置本体262の前方側上部に設けられ、前記搬入コンベア204からの土砂及び土質改良材供給装置205からの土質改良材を導入する導入口(図示せず)と、前記混合装置本体262の後方側下部に設けられた排出口(同)と、混合装置本体262内に互いに平行に設けられた偶数本(例えば2本の)のパドルミキサと、駆動力を発生させる混合用油圧モータ272とを有している。
【0128】
前記パドルミキサは、回転軸(図示せず)に攪拌・移送部材としての羽根(パドル、図示せず)を間欠的(例えば周方向に90°ごと、軸方向に所定ピッチごと)に多数設けた構造であり、前記回転軸の後端部は、伝達ギア(図示せず)を介し混合用油圧モータ272の出力軸に連結されている。そして、混合用油圧モータ272を駆動することで、パドルミキサの両回転軸を同時にかつ相互に反対方向に(両回転軸の対向側が上向き回転となるように)回転駆動させ、前記導入口を介し両パドルミキサ間の中央部に導入された土砂及び土質改具材を攪拌しつつ排出口側に向けて移送し、その移送の間にそれら混合物を解砕(粗解砕)しかつ均一に混合して、改良土を製造するようになっている。そして、このようにして製造された改良土は排出口から自重の作用で前記搬出コンベア208上に排出されるようになっている。
【0129】
前記の搬出コンベア208は、搬出コンベア用油圧モータ274によってベルト75を駆動し、これによって前記混合装置203からベルト275上に落下してきた混合物(改良土)を運搬し、自走式土質改良機200の後部から搬出するようになっている。
前記のトラックフレーム土質改良機取付け部209Aの長手方向後方側(図1、図9中右側)端部の上部には、パワーユニット積載部材278を介してパワーユニット279が搭載されている。このパワーユニット279の前方側(図9中左側)には、操作者が搭乗する運転席(図示せず)が設けられている。
【0130】
ここで、上記篩ユニット201、混合装置203、搬入コンベア204、走行体207、搬出コンベア208、及びタンク内攪拌装置は、この自走式土質改良機に備えられる油圧駆動装置によって駆動される被駆動部材を構成している。kの油圧駆動装置は、前述の図3〜図5を用いて説明した油圧駆動装置とほぼ同様の構成である。すなわち、それら図3〜図5において左・右走行用油圧モータ16,17を前記左・右走行用油圧モータ213に、破砕用油圧モータ9を前記混合用油圧モータ272に、フィーダ用油圧モータ10を前記搬入コンベア用油圧モータに、コンベア用油圧モータ11を前記攪拌用油圧モータに、磁選機用油圧モータ13を前記搬出コンベア用油圧モータ274に置き換え、かつ、それらに対応して左・右走行用コントロールバルブ27,28を前記左・右走行用油圧モータ213への圧油を制御する左・右走行用コントロールバルブに、破砕用コントロールバルブ26を前記混合用油圧モータ272への圧油を制御する混合用コントロールバルブに、フィーダ用コントロールバルブ29を前記搬入コンベア用油圧モータへの圧油を制御する搬入コンベア用コントロールバルブに、コンベア用コントロールバルブ30を前記攪拌用油圧モータへの圧油を制御する攪拌用コントロールバルブに、磁選機用コントロールバルブ31を前記搬出コンベア用油圧モータ274への圧油を制御する搬出コンベア用コントロールバルブに置き換え、さらに図4においてセンターライン23bの上流側からの上記磁選機用コントロールバルブ31、コンベア用コントロールバルブ30、及びフィーダ用コントロールバルブ29の3つのコントロールバルブの並びに対し、さらにフィーダ用コントロールバルブ29の下流側に同一構造の篩ユニット用コントロールバルブを設け、このコントロールバルブによって篩ユニット201を加振する前記加振用油圧モータへの圧油を制御するものである。
【0131】
その他の構成は、図3〜図5に示す構成とほぼ同様である。
【0132】
なおこのとき、上記各種コントロールバルブを内蔵する制御弁装置(図示せず)は、エンジン21、第1及び第2油圧ポンプ19,20とともに、前記パワーユニット279内に収納配置されている。
【0133】
以上のような自走式土質改良機の油圧駆動装置においても、前述した自走式破砕機の油圧駆動装置と同様の原理で、同様の作用効果を得られる。
【0134】
すなわち、土質改良作業時には、第2油圧ポンプ20からの圧油がメインバルブユニット91のセンターバイパスライン23a及びキャリオーバポート91aを介し、サブバルブユニット92のポンプポート92a及びセンタライン23bへ導入され、さらに搬出コンベア用油圧モータ274、攪拌用油圧モータ、搬入コンベア用油圧モータ、及び篩ユニット201の加振用油圧モータに供給され、搬出コンベア208、タンク内攪拌装置、搬入コンベア204、及び篩ユニット201が起動される。一方、第1油圧ポンプ19からの圧油が混合用油圧モータ272に供給されて混合装置203が起動される。
【0135】
自力走行時には、操作者がパワーユニット279の前記運転席に搭乗しその運転席に設けられた操作レバー32a,33a(図3参照)を操作する。これにより、左・右走行用コントロールバルブ27,28が切り換えられ、第1油圧ポンプ19からセンターバイパスライン22aを介し導かれた圧油が左・右走行用油圧モータ213,213に供給され、これらが駆動されて無限軌道履帯210が駆動されて走行体207が走行する。このとき、走行モード選択スイッチ36gで「通常モード」か「微速モード」かを選択することにより、左・右走行用操作レバー操作量と走行速度との関係を変化させることができ、超低速走行(微速走行)が可能となり、自走速度の精密な制御が可能となる。
そしてこのとき、上記自走式破砕機の油圧駆動装置と同様、上記(1)微速走行時の圧力損失低減による生産性向上効果、及び(2)固定容量型左・右走行用油圧モータによる効果を得ることができる。
【0136】
以上の説明から分かるように、本発明の根本的な技術思想は、操作者側の指示入力に応じて左・右走行用操作レバー32a,33a操作量と自走式リサイクル製品生産機の自走速度との関係を変化させて、高速走行と微速走行とを両立させるとき、前記指示入力に応じて左・右走行用操作レバー32a,33aの操作量に対する第1及び第2油圧ポンプ19,20の吐出流量QP1,QP2の制御特性を変化させるようにすることにあり、これによって、微速走行時の圧力損失を低減して、生産性を向上できるようにするものである。
【0137】
【発明の効果】
本発明によれば、入力手段で相対的に低速の指示が入力された場合には最大ポンプ吐出流量を相対的に低い値に抑制できるので、トレーラー積み下ろし時の微速走行が可能となり、精密な速度制御が可能となる。一方、入力手段で相対的に高速の指示が入力された場合には、最大ポンプ吐出流量を相対的に高い値とすることが可能であり、平地走行時の高速走行を行うことができる。そして以上のようにポンプ吐出流量を増減し走行用油圧モータへの供給流量自体を増減することで高速走行及び微速走行の両方を可能とするので、微速走行時の圧力損失を低減して生産性を向上できる。
【0138】
また、走行用油圧モータは固定容量型で足りるので、容量を可変とするための種々の機構(例えば斜板駆動機構)等を省略できる。これにより、部品数を低減できるとともに構造を簡素化でき、信頼性の向上やコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の油圧駆動装置の一実施の形態を備えた自走式リサイクル製品生産機の全体構造を表す側面図である。
【図2】図1に示した自走式破砕機の上面図である。
【図3】本発明の油圧駆動装置の一実施の形態を表す油圧回路図である。
【図4】本発明の油圧駆動装置の一実施の形態を表す油圧回路図である。
【図5】本発明の油圧駆動装置の一実施の形態を表す油圧回路図である。
【図6】本発明の油圧駆動装置の一実施の形態において、油圧ポンプからのポンプコントロールバルへ導入される余剰流量と、このときポンプコントロールバルブによって発生される制御圧力との関係を表した図である。
【図7】本発明の油圧駆動装置の一実施の形態において、制御圧力と油圧ポンプ吐出流量との関係を示した図である。
【図8】本発明の油圧駆動装置の一実施の形態において、左・右走行用操作レバーの操作量と、左・右走行用油圧モータへの供給流量との関係を表した図である。
【図9】本発明の油圧駆動装置の一実施の形態を備えた自走式リサイクル製品生産機の全体構造を表す側面図である。
【符号の説明】
1 ホッパ(受け入れ手段)
2 破砕装置(処理装置)
14 無限軌道履帯(走行手段)
16,17 走行用油圧モータ
19 第1油圧ポンプ
20 第2油圧ポンプ
21 エンジン(原動機)
27,28 走行用コントロールバルブ(走行用制御弁手段)
32,33 走行用操作レバー装置(走行用操作手段)
38,82 ポンプコントロールバルブ(圧力変換手段、制御圧力発生手段、ポンプ調整手段、制御手段)
34,35 レギュレータ装置(レギュレータ手段、ポンプ調整手段、制御手段)
36g 走行モード選択スイッチ(選択手段、入力手段)
110 ソレノイド制御弁(制御圧力切換手段、特性制御手段、制御手段)
202 土砂ホッパ(受け入れ手段)
203 混合装置(処理装置)
210 無限軌道履帯(走行手段)
213 走行用油圧モータ
QP1,QP2 ポンプ吐出流量

Claims (5)

  1. 走行手段で自走するとともに、受け入れ手段で受け入れたリサイクル原料を処理装置に導入して所定の処理を行いリサイクル製品とする自走式リサイクル製品生産機に設けられ、原動機により駆動される可変容量型の少なくとも1つの油圧ポンプと、前記油圧ポンプから吐出される圧油により前記走行手段を駆動する走行用油圧モータとを有する自走式リサイクル製品生産機の油圧駆動装置において、
    前記走行手段の動作速度に関する指示が入力される入力手段と、前記走行用油圧モータの要求流量に対して、前記入力手段での前記指示に応じた制御特性をもって前記油圧ポンプの吐出流量を制御する制御手段と、前記油圧ポンプから前記走行用油圧モータに供給される圧油の流れを制御する走行用制御弁手段と、この走行用制御弁手段を操作する走行用操作手段とを備え、
    前記制御手段は、前記走行用油圧モータの要求流量に対し所定の調整特性をもって前記油圧ポンプの吐出流量を調整するポンプ調整手段と、前記入力手段での前記指示に応じて前記ポンプ調整手段における前記調整特性を変化させる特性制御手段とを備え、
    前記ポンプ調整手段は、前記走行用油圧モータの要求流量に応じた制御圧力を発生させる制御圧力発生手段と、この制御圧力発生手段からの前記制御圧力に応じて前記油圧ポンプの吐出流量を制御するレギュレータ手段とを備えており、
    前記特性制御手段は、前記入力手段での前記指示に応じて前記制御圧力を変化させることを特徴とする自走式リサイクル製品生産機の油圧駆動装置。
  2. 請求項記載の自走式リサイクル製品生産機の油圧駆動装置において、前記走行用制御弁手段はセンターバイパス型の弁であり、前記制御圧力発生手段は、前記センターバイパス型の前記走行用制御弁手段のセンターバイパスラインの下流側に流れる圧油の流量を圧力に変換する圧力変換手段を含むことを特徴とする自走式リサイクル製品生産機の油圧駆動装置。
  3. 走行手段で自走するとともに、受け入れ手段で受け入れたリサイクル原料を処理装置に導入して所定の処理を行いリサイクル製品とする自走式リサイクル製品生産機に設けられ、原動機により駆動される可変容量型の少なくとも1つの油圧ポンプと、前記油圧ポンプから吐出される圧油により前記走行手段を駆動する走行用油圧モータとを有する自走式リサイクル製品生産機の油圧駆動装置において、
    前記油圧ポンプから前記走行用油圧モータに供給される圧油の流れを制御するセンターバイパス型の走行用制御弁手段と、
    この走行用制御弁手段を操作する走行用操作手段と、
    前記走行手段の第1モード及び第2モードのいずれかが選択入力される選択手段と、
    前記走行用制御弁手段のセンターバイパスラインの下流側に流れる圧油の流量を圧力に変換し、前記走行用操作手段の操作量に応じた制御圧力を発生させる圧力変換手段と、
    この圧力変換手段からの前記制御圧力の増加に応じて前記油圧ポンプの吐出流量を増加させるように制御するレギュレータ手段と、
    前記選択手段で前記第1モードが選択された場合には、前記制御圧力の最大値を相対的に大きくして前記油圧ポンプの最大吐出流量を相対的に高い値とし、前記選択手段で第2モードが選択された場合には、前記制御圧力の最大値を相対的に小さくして前記油圧ポンプの最大吐出流量を相対的に低い値とする制御圧力切換手段とを有することを特徴とする自走式リサイクル製品生産機の油圧駆動装置。
  4. 請求項1〜のいずれか1項記載の自走式リサイクル製品生産機の油圧駆動装置において、前記自走式リサイクル製品生産機は、前記リサイクル原料としての被破砕物を破砕し前記リサイクル製品としての破砕物を生産する破砕装置を、前記処理装置として備える自走式破砕機であることを特徴とする自走式リサイクル製品生産機の油圧駆動装置。
  5. 請求項1〜のいずれか1項記載の自走式リサイクル製品生産機の油圧駆動装置において、前記自走式リサイクル製品生産機は、前記リサイクル原料としての土砂を土質改良材と解砕混合し前記リサイクル製品としての改良土を生産する混合装置を、前記処理装置として備える自走式土質改良機であることを特徴とする自走式リサイクル製品生産機の油圧駆動装置。
JP2000081877A 2000-03-23 2000-03-23 自走式リサイクル製品生産機の油圧駆動装置 Expired - Lifetime JP4014782B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000081877A JP4014782B2 (ja) 2000-03-23 2000-03-23 自走式リサイクル製品生産機の油圧駆動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000081877A JP4014782B2 (ja) 2000-03-23 2000-03-23 自走式リサイクル製品生産機の油圧駆動装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001263482A JP2001263482A (ja) 2001-09-26
JP4014782B2 true JP4014782B2 (ja) 2007-11-28

Family

ID=18598747

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000081877A Expired - Lifetime JP4014782B2 (ja) 2000-03-23 2000-03-23 自走式リサイクル製品生産機の油圧駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4014782B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108452938B (zh) * 2017-09-14 2024-05-07 襄阳忠良工程机械有限责任公司 移动式砂金采选机

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001263482A (ja) 2001-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100709763B1 (ko) 자주식 파쇄기
US6955311B2 (en) Self-propelled recycling machine, and base unit and base frame of self-propelled recycling machine
JP3967497B2 (ja) 自走式破砕機のエンジン制御装置
JP4262864B2 (ja) 自走式リサイクル品生産機の油圧駆動装置
JP4014782B2 (ja) 自走式リサイクル製品生産機の油圧駆動装置
JP3784210B2 (ja) 自走式破砕機の油圧駆動装置
JP4199906B2 (ja) 自走式木材破砕機
JP2002239409A (ja) 自走式リサイクル製品生産機の油圧駆動装置
JP2002001157A (ja) 自走式破砕機の振動抑制方法及び自走式破砕機
JP2004261758A (ja) 自走式破砕機の原動機制御装置
JP3817167B2 (ja) 自走式破砕機
JP2001327891A (ja) 自走式木材破砕機
JP3631044B2 (ja) 自走式破砕機の油圧駆動装置
JP4286426B2 (ja) 自走式破砕機
JPH11253831A (ja) 破砕機のフィーダ制御装置
JP2006051453A (ja) 破砕機及びグリズリフィーダ
JP2001041202A (ja) 自走式破砕機の油圧駆動装置
JP3840381B2 (ja) 自走式破砕機の油圧駆動装置及び自走式破砕機の操作盤
JP4338878B2 (ja) 自走式木材破砕機
JP4566446B2 (ja) 自走式破砕機の油圧駆動装置及び自走式破砕機
JP2000325825A (ja) 自走式破砕機用走行体装置
JP2001190980A (ja) 自走式破砕機
JP2001321690A (ja) 自走式破砕機及び自走式破砕機の運転方法
JP4058331B2 (ja) 自走式破砕機
JP2008110296A (ja) リサイクル機械

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060403

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061226

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070911

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070912

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100921

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4014782

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100921

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110921

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110921

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120921

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120921

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130921

Year of fee payment: 6

EXPY Cancellation because of completion of term