JP3631044B2 - 自走式破砕機の油圧駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジョークラッシャ、ロールクラッシャ、シュレッダ等、被破砕物を破砕する破砕装置を備えた自走式破砕機に関し、更に詳しくは、各補助機械の動作速度を破砕装置と関連づけて制御することにより、補助機械の寿命を向上し生産性を向上できる自走式破砕機の油圧駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
破砕機は、例えばビル解体時に搬出されるコンクリート塊や道路補修時に排出されるアスファルト塊などの建設現場で発生する大小さまざまな岩石・建設廃材、あるいは産業廃棄物等を、運搬する前にその作業現場で所定の大きさに破砕することにより、廃材の再利用、工事の円滑化、コスト削減等を図るものである。
【0003】
このような破砕機のうち、例えば自走式破砕機は、左・右の無限軌道履帯を備えた走行体と、ホッパから投入された被破砕物を所定の大きさに破砕する破砕装置と、この破砕装置による破砕作業に関連する作業を行う補助機械、例えばホッパから投入された被破砕物を破砕装置へ導くフィーダ、破砕装置で破砕され小さくなった破砕物を破砕機の運搬するコンベア、及びこのコンベアの上方に設けられコンベア上を運搬中の破砕物に含まれる磁性物を磁気的に吸引除去する磁選機とから構成されている。
【0004】
このような構成において、破砕機上部のホッパに投入された被破砕物は、ホッパ下方のフィーダによって破砕装置へ導かれ、この破砕装置で所定の大きさに破砕される。破砕された破砕物は、前記破砕装置下部の空間から破砕装置下方のコンベア上に落下し、このコンベアで運搬される。この運搬の途中で、コンベア上方に配置された磁選機によって例えばコンクリート塊に混入している鉄筋片等を吸着して取り除き、大きさがほぼ揃えられて最終的に破砕機の前部又は後部から搬出される。
【0005】
このとき、前記の無限軌道履帯、破砕装置、フィーダ、コンベア、及び磁選機は、それぞれに対応する油圧駆動のアクチュエータによって駆動動作される。すなわち、これら油圧アクチュエータを含む自走式破砕機の油圧駆動装置は、例えば、1つの原動機によって駆動される可変容量型の少なくとも1つの油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出される圧油によりそれぞれ駆動され、前記破砕装置及び補助機械をそれぞれ駆動する破砕用油圧モータ及び補助機械用油圧モータ(例えばフィーダ用油圧モータ、コンベア用油圧モータ、及び磁選機用油圧モータ)と、前記油圧ポンプからそれら油圧モータに供給される圧油の方向及び流量を制御する複数のコントロールバルブと、前記油圧ポンプの吐出流量を制御するポンプ制御手段等から構成されており、前記油圧ポンプから吐出された圧油は、各コントロールバルブを介して各油圧モータに供給されるようになっている。
【0006】
ところで、一般に、破砕機においては、破砕作業中は、破砕用油圧モータ、フィーダ用油圧モータ、コンベア用油圧モータ、及び磁選機用油圧モータのうち破砕用油圧モータの負荷圧力が最も大きく、またその変動も破砕用油圧モータが最も大きい。したがって、破砕用油圧モータに係わる油圧ポンプは、破砕用油圧モータの大きな負荷圧力により必然的に吐出圧が非常に大きくなるとともに、破砕用油圧モータの大きな圧力変動によって吐出圧が大きく変動することになる。これに対し、補助機械用油圧モータに係わる油圧ポンプは、上記と異なり、吐出圧は比較的小さくて足り、またその変動も少なくて足りるはずである。したがって、破砕用油圧モータに圧油を供給する油圧ポンプと、補助機械用油圧モータに圧油を供給する油圧ポンプとを別々に設けるとともに、それぞれに係わる油圧回路も分離して配置し、互いの影響を受けないようにするのが合理的である。
【0007】
このような観点から、実開平6−81641号公報に記載されているように、左・右無限軌道履帯を駆動する左・右走行モータ及び破砕用油圧モータを含む第1油圧回路と、補助機械用油圧モータを含む第2油圧回路とを互いに別個独立して設け、第1油圧回路には2つの可変容量型油圧ポンプを配置し、第2油圧回路には1つの固定容量型油圧ポンプを配置した自走式破砕機の油圧駆動装置が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術は、破砕用油圧モータを含む第1油圧回路と補助機械用油圧モータを含む第2油圧回路とを別個独立して設けることにより、互いの影響を受けないようにするものである。
【0009】
しかしながら、上記従来技術では、第2油圧回路に設けた油圧ポンプが固定容量型であることから、以下のような課題が存在した。
すなわち、上記従来技術中に特に明示はされていないが、この場合、通常のこの種の油圧駆動装置と同様、第1油圧回路の油圧ポンプと第2油圧回路に設けた油圧ポンプとを共通の原動機(例えばエンジン)で駆動するとともに、可変容量型である第1油圧回路の油圧ポンプの吐出流量を、その油圧ポンプによる負荷が原動機の出力トルクを超えないように制御する(入力トルク制限制御)のが一般的である。この入力トルク制限制御においては、第1油圧回路の油圧ポンプの吐出圧が大きくなるとその吐出流量を小さく制限することにより、油圧ポンプの入力トルクを所定値以下に制限するようになっている。
【0010】
ここで、例えば破砕装置に比較的圧縮強度が大きな被破砕物が投入された場合等においては、破砕用油圧モータの負荷圧力が増大するため、第1油圧回路の油圧ポンプの吐出圧が増大する。このとき、上記入力トルク制限制御の作用によって、例えばその油圧ポンプの斜板の傾転角を減少させることで吐出流量を小さくし(これにより破砕装置の動作速度は小さくなる)、油圧ポンプの入力トルクは所定値以下に制限される。したがって、原動機への負荷は増大することはないため、原動機の回転数は大きく低下することなく最終的には略そのままの回転数で保持される。
【0011】
一方、第2油圧回路に設けた油圧ポンプは固定容量型であり、その吐出流量は原動機の回転数のみに依存する。そのため、上記の場合、第2油圧回路の油圧ポンプの吐出流量はそのまま維持されることになり、この油圧ポンプからの圧油により駆動される補助機械の動作速度もそのまま維持される。しかし、上述のようにこのとき破砕装置の動作速度は小さくなり破砕量が低減しているはずであるから、本来、各補助機械についても、その動作速度を破砕装置と同様に小さくしても足りるはずである。すなわち、この従来技術では、各補助機械は、必要以上に大きな速度で動作することとなるため、その分各補助機械の寿命の短命化を招き、メンテナンスが頻繁に必要となって、生産性が低下する。
【0012】
本発明の目的は、破砕用油圧モータと補助機械用油圧モータとをそれぞれ別々の油圧回路に配置した自走式破砕機の油圧駆動装置において、各補助機械の動作速度を破砕装置と関連づけて制御することにより、補助機械の寿命を向上し生産性を向上できる構成を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、ホッパから投入された被破砕物を破砕する破砕装置及びこの破砕装置による破砕作業に関連する作業を行う補助機械を含む複数の機器と走行手段とを有する自走式破砕機に設けられ、原動機により駆動される第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプと、これら第1及び第2油圧ポンプから吐出される圧油により前記複数の機器及び前記走行手段をそれぞれ駆動する複数の機器用油圧モータ及び左・右走行用油圧モータと、前記第1及び第2油圧ポンプから前記複数の機器用油圧モータ及び左・右走行用油圧モータに供給される圧油の方向・流量をそれぞれ制御する複数の機器用制御弁手段及び左・右走行用制御弁手段を備えた複数の弁グループとを有し、かつ、前記複数の機器用油圧モータは、前記破砕装置及び補助機械をそれぞれ駆動する破砕用油圧モータ及び補助機械用油圧モータを含み、前記複数の機器用制御弁手段は、前記第1及び第2油圧ポンプから前記破砕用油圧モータ及び補助機械用油圧モータに供給される圧油の少なくとも流量をそれぞれ制御する破砕用制御弁手段及び補助機械用制御弁手段を含み、前記複数の弁グループは、前記第1及び第2油圧ポンプのうち該第1油圧ポンプの吐出管路にのみ接続され前記左・右走行用制御弁手段と前記破砕用制御弁手段とを備えた第1弁グループと、前記第1及び第2油圧ポンプのうち該第2油圧ポンプの吐出管路にのみ接続され前記補助機械用制御弁手段を備えた第2弁グループとを含む自走式破砕機の油圧駆動装置において、前記第1及び前記第2油圧ポンプは、いずれも可変容量型の油圧ポンプであり、かつ、前記第1油圧ポンプの吐出圧を検出する第1吐出圧検出手段と、少なくとも該第1吐出圧検出手段の検出結果に応じて、前記第1及び第2油圧ポンプの吐出流量を互いに関連づけて制御するポンプ制御手段とを設ける。
【0014】
破砕作業時において、第1油圧ポンプから吐出された圧油は、その吐出管路に接続された第1弁グループに導かれ、この第1弁グループの破砕用制御弁手段で方向及び流量を制御された後に破砕用油圧モータに供給され、これによって破砕装置が駆動される。このとき一方、第2油圧ポンプから吐出された圧油は、その吐出管路に接続された第2弁グループに導かれ、この第2弁グループの補助機械用制御弁手段で少なくとも流量を制御された後に補助機械に供給され、これによって補助機械が駆動される。
【0015】
通常、破砕機においては、破砕作業中は、破砕用油圧モータの負荷圧力が補助機械用油圧モータの負荷圧力に比べて著しく大きく、またその変動も大きい。本発明においては、上記のように第1油圧ポンプから破砕用油圧モータに至る圧油の流れと、第2油圧ポンプから補助機械用油圧モータに至る圧油の流れが完全に別個独立していることにより、破砕用油圧モータの大きな負荷圧力や圧力変動の影響を受けることなく、第2油圧ポンプの吐出圧を比較的小さくしかつ変動を少なくすることができる。
【0016】
ここで、破砕装置に比較的圧縮強度の大きな被破砕物が投入された等により破砕用油圧モータの負荷圧力が増大した場合、この破砕用油圧モータへ圧油を供給する第1油圧ポンプの吐出圧が増大する。このとき、ポンプ制御手段が、第1吐出圧検出手段で検出した第1油圧ポンプの吐出圧に応じ、第1及び第2油圧ポンプの吐出流量を互いに関連づけて制御している。これにより、例えばこのポンプ制御手段で入力トルク制限制御を行い前記の第1油圧ポンプ吐出圧増大に応じて、第1油圧ポンプの傾転角を減少させて吐出流量を小さくするとともに、第2油圧ポンプの吐出流量もこれに対応して小さくすることができる。したがって、第2油圧ポンプからの吐出油によって駆動される補助機械の動作速度を、第1油圧ポンプの吐出流量の減少による破砕装置の破砕量の減少に応じるように小さくできるので、従来技術のように各補助機械が必要以上に大きな速度で無駄に動作するのを防止できる。これにより、その分各補助機械の寿命を延ばすことができるの、メンテナンスの間隔を延ばすことができ、生産性を向上することができる。
【0017】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記ポンプ制御手段は、前記第1油圧ポンプの吐出流量を増大させるときは前記第2油圧ポンプの吐出流量を増大させ、前記第1油圧ポンプの吐出流量を減少させるときは前記第2油圧ポンプの吐出流量を減少させる。
【0018】
(3)上記(1)又は(2)において、また好ましくは、前記ポンプ制御手段は、前記第1油圧ポンプの吐出流量と前記第2油圧ポンプの吐出流量とが互いに略同一となるように制御する。
【0019】
(4)上記(1)又は(2)において、また好ましくは、前記ポンプ制御手段は、前記第1及び第2油圧ポンプの入力トルクを前記原動機の出力トルク以下に制限するように、前記第1及び第2油圧ポンプの吐出流量を制御する。
【0020】
(5)上記(1)において、また好ましくは、前記第1油圧ポンプ及び前記第2油圧ポンプの吐出圧の最大値を制限するためのリリーフ圧をそれぞれ設定する第1リリーフ弁及び第2リリーフ弁をさらに設け、かつ該第2リリーフ弁のリリーフ圧を、前記第1リリーフ弁のリリーフ圧よりも低く設定する。
【0021】
破砕作業時において、第1油圧ポンプから吐出された圧油が第1弁グループの破砕用制御弁手段を介し破砕用油圧モータに供給され、また第2油圧ポンプから吐出された圧油が第2弁グループの補助機械用制御弁手段を介し補助機械用油圧モータに供給されているとき、各機器の負荷圧力の増大に応じて、第1及び第2油圧ポンプの吐出圧は増大する。この場合、それぞれのポンプの吐出管路に接続された油圧系、すなわち第1油圧ポンプの吐出管路から破砕用制御弁手段を介し破砕用油圧モータへ至る圧油供給経路や、第2油圧ポンプの吐出管路から補助機械用制御弁手段を介し補助機械用油圧モータへ至る圧油供給経路内の圧力も増大する。本発明においては、第1及び第2リリーフ弁を設けて第1及び第2油圧ポンプの吐出圧の最大値を制限することにより、上記のような場合に、圧油供給経路内の圧力がそのリリーフ圧よりも大きくならないように制限することができ、高圧による油圧系の破損が生じるのを防止できる。
【0022】
このとき、上記で説明したように、破砕作業中は、補助機械用油圧モータの負荷圧力は破砕用油圧モータの負荷圧力に比べて小さいため、通常状態では、第2油圧ポンプの吐出圧はあまり大きくなることはない。したがって、通常状態のみを考えれば、第2油圧ポンプに係わる油圧系は、第1油圧ポンプに係わる油圧系よりも比較的強度の小さい構造で足りる。但し、補助機械に何らかの異常事態が生じその動作が外的な力によってロックされてしまった場合、第2油圧ポンプに係わる上記の油圧系内の圧力は急速に上昇するため、もし第2リリーフ弁のリリーフ圧を第1リリーフ弁のリリーフ圧と同等の値に設定していた場合には、第2油圧ポンプに係わる油圧系も、第1油圧ポンプに係わる油圧系と同等の比較的大きな強度が必要となる。
【0023】
本発明においては、第2リリーフ弁のリリーフ圧を、前記第1リリーフ弁のリリーフ圧よりも低く設定することにより、上記のような異常事態発生時に第2油圧ポンプに係わる油圧系に発生する圧力を低くすることができる。したがって、その分上記油圧系に必要な強度を比較的小さくすることができ、コストダウンを図ることができる。
【0024】
また、第2リリーフ弁のリリーフ圧を第1リリーフ弁のリリーフ圧と同等の比較的高い値に設定していた場合、上記のような異常事態発生時にも原動機が停止しないようにするためには、第2油圧ポンプの駆動のために必要な原動機の出力トルクをある程度大きめに見込んでおかなければならず、その分第1油圧ポンプの駆動に寄与する出力トルクの割合が小さくなる。本発明においては、上記のように第2リリーフ弁のリリーフ圧を第1リリーフ弁よりも低く設定することにより、その低くした分の出力トルクを、大トルクが本来必要な破砕装置を駆動する第1油圧ポンプ側に振り分けることができるので、エネルギの有効活用を図れる。
【0025】
(6)上記(1)において、また好ましくは、前記第2油圧ポンプの吐出圧を検出する第2吐出圧検出手段をさらに有し、前記ポンプ制御手段は、前記第1吐出圧検出手段及び前記第2吐出圧検出手段の検出結果に応じて、前記第1及び第2油圧ポンプの吐出流量を互いに関連づけて制御する。
【0026】
第1及び第2油圧ポンプの吐出流量を互いに関連づけて制御するポンプ制御手段が、第1吐出圧検出手段で検出した第1油圧ポンプの吐出圧のみならず、第2吐出圧検出手段で検出した第2油圧ポンプの吐出圧にも応じて制御を行うことにより、例えば、補助機械用油圧モータの負荷圧力が低くなって第2油圧ポンプの吐出圧が低くなってきた場合には、これに応じて第1油圧ポンプの吐出流量を増大させることで、第2油圧ポンプ側で浮いた原動機出力トルクを第1油圧ポンプ側に割り振ることができる。これにより、第1油圧ポンプからの圧油で駆動する破砕用油圧モータの動作速度を増大させることができるので、破砕装置での破砕量を増大させ、破砕効率を向上することができる。
【0027】
(7)上記(1)において、また好ましくは、前記左・右走行用制御弁手段に設けられ、前記第1油圧ポンプから前記左・右走行用油圧モータに供給される圧油の流量をそれぞれ制御する2つの第1流量制御手段と、これら2つの第1流量制御手段の前後差圧をそれぞれ一定に保持する2つの第1圧力補償手段とをさらに有する。
【0028】
走行時において、第1油圧ポンプから吐出された圧油は、その吐出管路に接続された第1弁グループに導かれ、この第1弁グループの左・右走行用制御弁手段で方向及び流量を制御された後に左・右走行用油圧モータに供給され、これによって走行手段が駆動される。このように、第1油圧ポンプからの圧油が左・右走行用油圧モータに供給されるため、例えば走行手段を直進させるためには、それら左走行用油圧モータ及び右走行用油圧モータへ等しく圧油を分配する必要がある。本発明においては、左・右走行用油圧モータに供給される圧油の流量をそれぞれ制御する各第1流量制御手段の前後差圧を第1圧力補償手段で一定値に保持することにより、左・右走行用油圧モータそれぞれの負荷圧力の大小に関係なく、各第1流量制御手段の開度に応じた圧油を確実に左・右走行用油圧モータに分配することができる。したがって、例えば第1流量制御手段を備えた左・右走行用制御弁手段を等しい操作量で操作することにより、走行手段を確実に直進させることができる。
【0029】
(8)上記(7)において、さらに好ましくは、前記第1圧力補償手段は、前記左・右走行用油圧モータ及び前記破砕用油圧モータの負荷圧力のうち最大である第1最大負荷圧力を検出する第1最大負荷圧検出手段と、前記第1流量制御手段の下流側圧力と前記第1最大負荷圧力との差圧を一定に保持する第1圧力制御弁と、前記第1油圧ポンプの吐出圧と前記第1最大負荷圧力との差圧を一定に保持する第1アンロード弁とを備えている。
【0030】
第1アンロード弁により、第1油圧ポンプの吐出圧が第1最大負荷圧力より一定値だけ高くなるように保持され、また第1圧力制御弁により、第1流量制御手段の下流側圧力が第1最大負荷圧力よりも一定値だけ高くなるように保持される。この結果、第1油圧ポンプの吐出圧と第1流量制御手段の下流側圧力との差圧が一定となり、第1油圧ポンプの吐出圧が第1流量制御手段の下流側圧力よりも所定値だけ高くなるので、第1油圧ポンプの吐出圧を第1流量制御手段の上流側に導くようにすることで、第1流量制御手段の前後差圧を一定に保持することができる。
また、第1アンロード弁によって、第1油圧ポンプの吐出圧は、左・右走行用油圧モータ及び前記破砕用油圧モータの最大負荷圧力より一定値だけ高くなるように常に保持されることにより、各油圧モータを駆動するために必要な最小限の圧力となるように制御される。したがって、必要以上に無駄に第1油圧ポンプの吐出流量が増大して原動機の馬力を浪費することがなくなるので、さらに省エネルギ化を図ることができる。
【0031】
(9)上記(1)において、また好ましくは、前記補助機械は複数設けられており、これに対応して前記補助機械用油圧モータ及び前記補助機械用制御弁手段も複数ずつ設けられており、かつ、前記複数の補助機械用制御弁手段にそれぞれ設けられ、前記第2油圧ポンプから対応する前記補助機械用油圧モータに供給される圧油の流量をそれぞれ制御する複数の第2流量制御手段と、これら複数の第2流量制御手段の前後差圧をそれぞれ一定に保持する複数の第2圧力補償手段とをさらに設ける。
【0032】
破砕作業時、上記(1)で説明したように、第2油圧ポンプからの圧油は、補助機械用制御弁手段を介し補助機械用油圧モータに供給されるため、複数の補助機械用油圧モータが同時に動作する場合には、その圧油の分配を適正に行う必要がある。本発明においては、各油圧モータに供給される圧油の流量をそれぞれ制御する各第2流量制御手段の前後差圧を第2圧力補償手段で一定値に保持することにより、各油圧モータの負荷の大小に関係なく、各流量制御手段の開度に応じた圧油を適正かつ確実に各油圧モータに分配することができる。したがって、第2流量制御手段を備えた各補助機械用制御弁手段の操作に応じた所望の速度で各補助機械を動作させることができる。
【0033】
(10)上記(9)において、さらに好ましくは、前記第2圧力補償手段は、前記補助機械用油圧モータの負荷圧力のうち最大である第2最大負荷圧力を検出する第2最大負荷圧検出手段と、前記第2流量制御手段の下流側圧力と前記第2最大負荷圧力との差圧を一定に保持する第2圧力制御弁と、前記第2油圧ポンプの吐出圧と前記第2最大負荷圧力との差圧を一定に保持する第2アンロード弁とを備えている。
【0034】
第2アンロード弁により、第2油圧ポンプの吐出圧が第2最大負荷圧力より一定値だけ高くなるように保持され、また第2圧力制御弁により、第2流量制御手段の下流側圧力が第2最大負荷圧力よりも一定値だけ高くなるように保持される。この結果、第2油圧ポンプの吐出圧と第2流量制御手段の下流側圧力との差圧が一定となり、第2油圧ポンプの吐出圧が第2流量制御手段の下流側圧力よりも所定値だけ高くなるので、第2油圧ポンプの吐出圧を第2流量制御手段の上流側に導くようにすることで、第2流量制御手段の前後差圧を一定値に保持することができる。
また、第2アンロード弁によって、第2油圧ポンプの吐出圧は、コンベア用油圧モータ等の補助機械用油圧モータの最大負荷圧力(=第2最大負荷圧力)より一定値だけ高くなるように常に保持されることにより、各油圧モータを駆動するために必要な最小限の圧力となるように制御される。したがって、必要以上に無駄に第2油圧ポンプの吐出流量が増大して原動機の馬力を浪費することがなくなるので、さらに省エネルギ化を図ることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を自走式破砕機に適用した場合の一実施の形態を図1〜図6を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態が適用される自走式破砕機の全体構造を表す側面図であり、図2は、図1に示した自走式破砕機の上面図であり、図3は、図1中III−III断面で見た断面図である。
【0036】
これら図1〜図3において、自走式破砕機1は、近年の廃棄物再利用促進の背景に基づく小型化のニーズに対応し、例えば総重量が10トン程度になっており、10トン積みのトラック(好ましくはトレーラでない単車型のトラック)に積載し運搬可能で輸送性を向上させたものとなっている。
【0037】
これら図1〜図3において、自走式破砕機1は、例えば油圧ショベルのバケット等の作業具により被破砕物が投入され、その被破砕物を受け入れるホッパ2、側断面形状が略V字形をなしホッパ2に受け入れた被破砕物を所定の大きさに破砕する破砕装置、例えばジョークラッシャ3、及びホッパ2に受け入れた被破砕物をジョークラッシャ3へと搬送し導くフィーダ4を備えた破砕機本体7と、ジョークラッシャ3で破砕され小さくなった破砕物を破砕機1の後方側(図1及び図2中右側)に運搬し搬出するコンベア5と、このコンベア5の上方に設けられコンベア5上を運搬中の破砕物に含まれる磁性物を磁気的に吸引除去する磁選機6と、前記の破砕機本体7の下方に設けられ左・右の無限軌道履帯8a及びトラックフレーム9を備えた走行体8とを有する。
【0038】
ホッパ2及びフィーダ4は、トラックフレーム9の長手方向前方側(詳細には、トラックフレーム9の破砕機取付け部9Aの長手方向前方側、すなわち図1及び図2中左側)端部の上方に搭載されている。
【0039】
ジョークラッシャ3は、ホッパ2及びフィーダ4よりも後方側(図1及び図2中右側)に位置しており、図1及び図2に示すように、トラックフレーム9の長手方向(図1及び図2中左右方向)中間部上に搭載されている。このとき、クラッシャ用油圧モータ10で発生した駆動力をベルト11を介してフライホイール12に伝達し、さらにフライホイール12に伝達された駆動力を公知の変換機構で動歯3a(図2参照)の揺動運動に変換し、この動歯3aを固定歯3b(同)に対して前後に揺動させることにより、フィーダ4より供給された被破砕物を所定の大きさに破砕するようになっている。また、このジョークラッシャ3の上方及び側方はハウジング13に覆われているが、ハウジング13の上側部分には開閉可能なカバー14が設けられ、これを開くことにより図2に示すように上方(直上方及び側方側・前後方向側上方を含む)からジョークラッシャ3内部を視認できるようになっている。
【0040】
フィーダ4は、図1及び図2に示すように、トラックフレーム9の長手方向(図1及び図2中左右方向)前方側(図1及び図2中左側)端部に支柱16aを介して設けたフィーダフレーム16上に搭載されており、その略直上にホッパ2が位置している。このフィーダ4は、いわゆるグリズリフィーダと称されるものであり、フィーダ用油圧モータ15で発生した駆動力によって、ホッパ2からの被破砕物を載置する複数枚(この例では2枚)の鋸歯状プレート4aを含む底板部を加振する。これによってホッパ2に投入された被破砕物を順次ジョークラッシャ3に搬送供給する(=搬送機能)とともに、その搬送中において被破砕物に付着した細かい土砂等を鋸歯状プレート4aの鋸歯の隙間から下方に落下させるようになっている。すなわち、鋸歯状プレート4aの鋸歯の隙間の大きさよりも小さな粒度の被破砕物をふるい落とすことにより、上記隙間の大きさ以上の粒度の被破砕物を選別するという選別機能も併せて備えている。
【0041】
コンベア5は、コンベア用油圧モータ17によってベルト5aを駆動し、これによってジョークラッシャ3からベルト5a上に落下してきた破砕物を運搬するようになっている。
【0042】
磁選機6は、支持部材6bを介し、前述のパワーユニット32に取り付けられており、前記のコンベアベルト5aの上方にこのコンベアベルト5aと略直交するように配置された磁選機ベルト6aを、磁選機用油圧モータ18によって磁力発生手段(図示せず)まわりに駆動することにより、磁力発生手段からの磁力をベルト6a越しに作用させて磁性物をベルト6aに吸着させた後、コンベアベルト5aと略直交する方向に運搬してそのコンベアベルト5aの側方に落下させるようになっている。
【0043】
無限軌道履帯8aはそれぞれ、走行体8に設けられた駆動輪19とアイドラ20との間に掛け渡されており、駆動輪19側に設けられた左・右走行用油圧モータ21,22(22は後述の図5参照)によって駆動力が与えられることにより破砕機1を走行させるようになっている。
【0044】
トラックフレーム9は、略長方形の枠体によって形成された上記破砕機取付け部9Aと、この破砕機取付け部9Aの下方に溶接一体構造として設けられ、左・右下部に前記無限軌道履帯8aを設けた脚部9Bとから構成されている。そして、トラックフレーム破砕機取付け部9Aの長手方向後方側(図1,図2中右側)端部の上部には、パワーユニット32の基礎下部構造をなすパワーユニットフレーム32aを搭載している(図1参照)。
【0045】
パワーユニット32は、前述のようにトラックフレーム破砕機取付け部9Aの長手方向後方側端部に設けられ、ジョークラッシャ3よりさらに後方側(図1及び図2中右側)に位置している。そして、前記のクラッシャ用油圧モータ10、フィーダ用油圧モータ15、コンベア用油圧モータ17、磁選機用油圧モータ18、左・右走行用油圧モータ21,22等の油圧アクチュエータへの圧油を吐出する油圧ポンプ44,45(後述の図6参照)と、前記油圧ポンプ44,45を駆動する原動機としてのエンジン43(同)と、これら油圧ポンプ44,45から前記油圧アクチュエータへ供給される圧油の方向・流量を制御する第1及び第2弁グループ57,59(後述の図4、図5参照)を備えたコントロールバルブ装置(図示せず)と、給油口34aを備えた前記エンジン43の燃料タンク34と、給油口35aを備えた作動油タンク35とを内蔵している。
【0046】
このパワーユニット32において、エンジンカバー36の下方にあるエンジン43を起動すると、上記のように油圧ポンプ44,45が駆動される。その一方、その駆動力によって、エンジン43の冷却風(後述する)上流側に設けたファン(図示せず)が回転し、外部の空気が吸気孔37からパワーユニット32内部空間に導入され、冷却風となってラジエータ(図2にその冷却水点検口38を示す)を冷却した後、ファンに流入する。さらにファンから吹き出された冷却風は、エンジン43、マフラ(図示せず)、油圧ポンプ44,45等を冷却した後、排気孔39から大気放出される。またこのとき、エンジン43からの排気ガスは、エンジン43の排気マニホールド(図示せず)からマフラに流入して消音された後、マフラに接続された排気ガス管40から大気中に放出される。なお41は、エンジン43への吸入空気を清浄化するエアクリーナの吸入口である。
【0047】
また、パワーユニット32の前方側(図2中左側)には、操作者が搭乗する運転席42が併設されており、操作者がこの運転席42に立つ(図1参照)ことにより、破砕作業中においてフィーダ4による被破砕物の供給状況やジョークラッシャ3による破砕状況を監視することができるようになっている。なお、前記のトラックフレーム破砕機取付け部9Aには、前記運転席42への乗り降りのための足場となる補助ステップ9Aaが取り付けられている。
【0048】
ここで、上記ジョークラッシャ3、フィーダ4、コンベア5、磁選機6、及び走行体8は、この自走式破砕機1に備えられる油圧駆動装置によって駆動される被駆動部材を構成している。図4、図5、及び図6は、本発明の自走式破砕機の油圧駆動装置の一実施の形態を表す油圧回路図である。
【0049】
これら図4〜図6において、油圧駆動装置は、エンジン43と、このエンジン43によって駆動される可変容量型の第1油圧ポンプ44及び第2油圧ポンプ45と、同様にエンジン43によって駆動される固定容量型のパイロットポンプ46と、第1及び第2油圧ポンプ44,45から吐出される圧油がそれぞれ供給される前記油圧モータ10,15,17,18,21,22と、第1及び第2油圧ポンプ44,45からそれら油圧モータ10,15,17,18,21,22に供給される圧油の流れ(方向及び流量、若しくは流量のみ)を制御する5つのコントロールバルブ47,48,49,50,51と、前記の運転席42に設けられ(図1参照)、左・右走行用コントロールバルブ48,49(後述)をそれぞれ手動で切り換え操作するための左・右走行用操作レバー52,53と、第1及び第2油圧ポンプ44,45の吐出流量を調整するポンプ制御手段、例えばレギュレータ装置54と、破砕機本体7(例えば前記の運転席42内)に設けられ、ジョークラッシャ3、フィーダ4、コンベア5、及び磁選機6の始動・停止を操作者が指示入力して操作するための操作盤55とを有している。
【0050】
6つの油圧モータ10,15,17,18,21,22は、前述のように、フィーダ4動作用の駆動力を発生する上記フィーダ用油圧モータ15、ジョークラッシャ3動作用の駆動力を発生する上記破砕用油圧モータ10、コンベア5動作用の駆動力を発生する上記コンベア用油圧モータ17、磁選機6動作用の駆動力を発生する上記磁選機用油圧モータ18、及び左・右無限軌道履帯8aへの駆動力を発生する上記左・右走行油圧モータ21,22とから構成されている。
【0051】
コントロールバルブ47〜51は、2位置切換弁又は3位置切換弁であり、破砕用油圧モータ10に接続された破砕用コントロールバルブ47と、左走行油圧モータ21に接続された左走行用コントロールバルブ48と、右走行油圧モータ22に接続された右走行用コントロールバルブ49と、フィーダ用油圧モータ15に接続されたフィーダ用コントロールバルブ50と、コンベア用油圧モータ17及び磁選機用油圧モータ18に接続されたコンベア・磁選機用コントロールバルブ51とから構成されている。
【0052】
第1及び第2油圧ポンプ44,45のうち、第1油圧ポンプ44は、右走行用コントロールバルブ49、左走行用コントロールバルブ48、及び破砕用コントロールバルブ47を介して右走行用油圧モータ22、左走行用油圧モータ21、及び破砕用油圧モータ10へ供給するための圧油を吐出するようになっている。これらコントロールバルブ47〜49はいずれも、対応する油圧モータ10,21,22への圧油の方向及び流量を制御可能な3位置切換弁となっており、第1油圧ポンプ44の吐出管路56に接続されたセンターライン57aを備え1つのバルブユニットとして形成された第1弁グループ57において、上流側から、右走行用コントロールバルブ49、左走行用コントロールバルブ48、及び破砕用コントロールバルブ47の順序で配置されている。なお、センターライン57aは、最下流側の破砕用コントロールバルブ47の下流側で閉止されている。
【0053】
左・右走行用コントロールバルブ48,49はそれぞれ、前述のように操作レバー52,53を用いて操作される手動操作弁である。
【0054】
例えば運転席42において操作レバー52を前方(又は後方、以下、対応関係同じ)に操作すると、この動きが、操作レバー52に接続されたワイヤーロープ(図示せず)を介しコントロールバルブ48のスプール(図示せず)に伝達され、コントロールバルブ48が図5中下方の切換位置48A(又は図5中上方の切換位置48B)に切り換えられる。これにより、センターライン57aからの圧油は、切換位置48A(又は切換位置48B)に備えられた絞り手段48Aa(又は絞り手段48Ba)から、これに接続する管路62、この管路62に設けられた圧力制御弁63(詳細は後述)、切換位置48Aに備えられたポート48Ab(又は切換位置48Bに備えられたポート48Bb)、及びこのポート48Ab(又はポート48Bb)に接続する前進用供給管路64(又は後進用供給管路65)を経て、左走行用油圧モータ21に供給され、このモータ21が順方向(又は逆方向)に駆動される。操作レバー52を中立位置に戻すと、コントロールバルブ48がばね48Ac,48Bcの付勢力で図5に示す中立位置に復帰し、センターライン57aと前進用供給管路64及び後進用供給管路65は遮断され、これによって左走行用油圧モータ21は停止する。
【0055】
同様に、操作レバー53についても、その操作がワイヤーロープを介してコントロールバルブ49のスプールに伝達され、図5中下方の切換位置49A(又は上方の49B)に切り換えられる。センターライン57aからの圧油は、切換位置49A(又は切換位置49B)の絞り手段49Aa(又は絞り手段49Ba)から、管路68、圧力制御弁69(詳細は後述)、ポート49Ab(又はポート49Bb)、及び前進用供給管路70(又は後進用供給管路71)を経て、右走行用油圧モータ22に供給され順方向(又は逆方向)に駆動される。操作レバー53を中立位置に戻すとコントロールバルブ49がばね49Ac,49Bcの付勢力で図5に示す中立位置に復帰し、右走行用油圧モータ22は停止する。
【0056】
破砕用コントロールバルブ47は、その駆動部47a,47bに、パイロット管路72,73,74a,74bを介してパイロットポンプ46からのパイロット圧がそれぞれ導かれる。このときその駆動部47a,47bには、コントローラ75からの駆動信号Scrで駆動されるソレノイド制御弁76a,76bがそれぞれ設けられている。これらソレノイド制御弁76a,76bはその駆動信号Scrの入力に応じて切り換えられ、パイロット管路74a,74bからのパイロット圧を駆動部47a,47bに導くようになっている。すなわち、駆動信号Scrがジョークラッシャ3の正転(又は逆転、以下、対応関係同じ)に対応する信号になると、ソレノイド制御弁76a(又はソレノイド制御弁76b)が開き状態になると共にソレノイド制御弁76b(又はソレノイド制御弁76a)が閉じ状態に駆動され、パイロットポンプ46からのパイロット圧を駆動部47a(又は駆動部47b)に導き、これによって破砕用コントロールバルブ47が図5中下側の切換位置47A(又は上側の切換位置47B)に切り換えられる。
【0057】
これにより、センターライン57aからの圧油は、切換位置47A(又は切換位置47B)に備えられた絞り手段47Aa(又は絞り手段47Ba)から、これに接続する管路77、この管路77に設けられた圧力制御弁78(詳細は後述)、切換位置47Aに備えられたポート47Ab(又は切換位置47Bに備えられたポート47Bb)、及びこのポート47Ab(又はポート47Bb)に接続する正転用供給管路79(又は後進用供給管路80)を経て、破砕用油圧モータ10に供給され、このモータ10が順方向(又は逆方向)に駆動される。
【0058】
駆動信号Scrがジョークラッシャ3の停止に対応する信号になると、ソレノイド制御弁76a,76bはともに閉じ状態に駆動され、コントロールバルブ47がばね47Ac,47Bcの付勢力で図5に示す中立位置に復帰し、破砕用油圧モータ10は停止する。
【0059】
ここで、前述した管路62,68,77に設けた圧力制御弁63,69,78に係わる機能について説明する。
【0060】
左走行用コントロールバルブ48の切換位置48Aの前記ポート48Ab(又は切換位置48Bのポート48Bb)、右走行用コントロールバルブ49の切換位置49Aの前記ポート49Ab(又は切換位置49Bのポート49Bb)、及び破砕用コントロールバルブ47の切換位置47Aのポート47Ab(又は切換位置47Bのポート47Bb)には、それぞれ、対応する左走行用油圧モータ21、右走行用油圧モータ22、破砕用油圧モータ10の負荷圧力をそれぞれ検出するための負荷検出ポート48Ad(又は負荷検出ポート48Bd)、負荷検出ポート49Ad(又は負荷検出ポート49Bd)、負荷検出ポート47Ad(又は負荷検出ポート47Bd)が連通されている。このとき、負荷検出ポート48Ad(又は負荷検出ポート48Bd)は負荷検出管路81に接続しており、負荷検出ポート49Ad(又は負荷検出ポート49Bd)は負荷検出管路82に接続しており、負荷検出ポート47Ad(又は負荷検出ポート47Bd)は負荷検出管路83に接続している。
【0061】
ここで、右走行用油圧モータ22の負荷圧力が導かれる前記負荷検出管路82と、左走行用油圧モータ21の負荷圧力が導かれる前記負荷検出管路81とは、さらにシャトル弁84を介して負荷検出管路85に接続され、シャトル弁84を介して選択された高圧側の負荷圧力はこの負荷検出管路85に導かれるようになっている。またこの負荷検出管路85と、破砕用油圧モータ10の負荷圧力が導かれる前記負荷検出管路83とは、シャトル弁86を介して最大負荷検出管路87に接続され、シャトル弁86で選択された高圧側の負荷圧力が最大負荷圧力として最大負荷検出管路87に導かれるようになっている。
【0062】
そして、この最大負荷検出管路87に導かれた最大負荷圧力は、最大負荷検出管路87に接続する管路88,89,90及び管路91を介して、対応する前記圧力制御弁63,69,78の一方側にそれぞれ伝達される。このとき、圧力制御弁63,69,78の他方側には前記の管路62,68,77内の圧力、すなわち絞り手段48Aa,49Aa,47Aa(又は48Ba,49Ba,47Ba)の下流側圧力が導かれている。
【0063】
以上により、圧力制御弁63,69,78は、コントロールバルブ48,49,47の絞り手段48Aa,49Aa,47Aa(又は48Ba,49Ba,47Ba)の下流側圧力と、左走行用油圧モータ21、右走行用油圧モータ22、及び破砕用油圧モータ10のうちの最大負荷圧力との差圧に応答して作動し、各油圧モータ21,22,10の負荷圧力の変化にかかわらず、前記の差圧を一定値に保持するようになっている。すなわち、絞り手段48Aa,49Aa,47Aa(又は48Ba,49Ba,47Ba)の下流側圧力を、前記の最大負荷圧力よりもばね63a,69a,78aによる設定圧分だけ高くするようになっている。
【0064】
一方、第1油圧ポンプ44の吐出管路56に接続したセンターライン57aから分岐した管路92には、ばね93aを備えたアンロード弁93が設けられている。このアンロード弁93の一方側には、最大負荷検出管路87、前記の管路88、及びこの管路88に接続した管路94を介し、最大負荷圧力が導かれており、またアンロード弁93の他方側には、管路92内の圧力(すなわち第1油圧ポンプ44の吐出圧)が導かれている。これにより、アンロード弁93は、管路92及びセンターライン57a内に導かれる第1油圧ポンプ44の吐出圧を、前記の最大負荷圧力よりもばね93aによる設定圧分だけ高くするようになっている(いわゆる公知のロードセンシング制御)。なお、管路92のアンロード弁93より下流側はタンクライン35aを介してタンク35に接続されているが、その管路92下流側と、最大負荷圧力が導かれる前記の管路94との間にはリリーフ弁97が設けられ、前記の最大負荷検出管路87及び管路88,89,90,91,94内の最大圧力をばね97aの設定圧以下に制限し、回路保護を図るようになっている。
【0065】
以上説明した、圧力制御弁63,69,78による絞り手段48Aa,49Aa,47Aa(又は48Ba,49Ba,47Ba)の下流側圧力と最大負荷圧力との間の制御、及びアンロード弁93による第1油圧ポンプ44吐出圧と最大負荷圧力との間の制御により、結果として、第1油圧ポンプ44の吐出圧と、絞り手段48Aa,49Aa,47Aa(又は48Ba,49Ba,47Ba)の下流側圧力との差が、一定に保持されることとなる。すなわち、絞り手段48Aa,49Aa,47Aa(又は48Ba,49Ba,47Ba)の前後差圧を一定とする圧力補償機能を果たすこととなる。これにより、各油圧モータ21,22,10の負荷圧力の変化にかかわらず、コントロールバルブ48,49,47の開度に応じた流量の圧油を対応する油圧モータに供給できるようになっている。なお、このような左走行用油圧モータ21、右走行用油圧モータ22、破砕用油圧モータ10への圧油の供給に関し、衝撃防止や回路保護等の観点からそれぞれ付帯回路が設けられている。これを以下に説明する。
【0066】
まず、左走行用油圧モータ21に左走行用コントロールバルブ48から圧油を導く前進用・後進用供給管路64,65には、パーキングブレーキ作動用の切換弁99が設けられている。
すなわち、左走行用コントロールバルブ48が切換位置48A(又は切換位置48B、以下、対応関係同じ)に切り換えられて前進用供給管路64(又は後進用供給管路65)に圧油が供給されると、この前進用供給管路64(又は後進用供給管路65)から分岐して設けられた管路101(又は管路102)により絞り101a(又は絞り102a)を介して圧油が導かれ、切換弁99が図5中左側の切換位置99A(又は右側の切換位置99B)に切り換えられる。すると、前進用供給管路64(又は後進用供給管路65)からの圧油が、これに分岐するポート99Aa(又はポート99Ba)から管路103に導かれ、絞り98aを介しパーキングブレーキ用シリンダ98のロッド側に流入し、ばね98bによって制動されていた左走行用油圧モータ21を開放し、駆動可能な状態とする。これによって、前進用供給管路64(又は後進用供給管路65)からの圧油により左走行用油圧モータ21が順方向(又は逆方向)に駆動される。このとき、この順方向駆動時(又は逆方向駆動時)における回路保護のために、前進用供給管路64と後進用供給管路65との間を接続する管路104(又は管路105)に、リリーフ弁104a(又はリリーフ弁105a)が設けられている。
【0067】
なお、左走行用コントロールバルブ48が図5に示す中立位置に復帰し前進用供給管路64及び後進用供給管路65のいずれにも圧油が供給されなくなると、切換弁99はばね99Ab,99Bbの付勢力によって図5に示す中立位置に復帰する。これにより、前記の管路103は、管路106を介しタンクライン35aに接続する管路107に接続されるので、パーキングブレーキ用シリンダ98のロッド側は、管路103から管路107,106及びタンクライン35aを介しタンク35に連通し、その圧力はタンク圧となる。したがって、ばね98bの付勢力によってパーキングブレーキ用シリンダ98は伸張し、左走行用油圧モータ21を制動する。
【0068】
右走行用油圧モータ22についても上記左走行用油圧モータ21と同様であり、前進用供給管路70(又は後進用供給管路71、以下、対応関係同じ)に圧油が供給されると、管路108(又は管路109)により絞り108a(又は絞り109a)を介し切換弁110が切換位置110A(又は切換位置110B)に切り換えられ、圧油がポート110Aa(又はポート110Ba)から管路111に導かれ、絞り112aを介しパーキングブレーキ用シリンダ112のロッド側に流入し、ばね112bの制動から右走行用油圧モータ22を開放する。また、前進用供給管路70と後進用供給管路71との間を接続する管路113,114に、リリーフ弁113a,114aが設けられている。
【0069】
前進・後進用供給管路70,71のいずれにも圧油が供給されなくなると、切換弁110はばね110Ab,99Bbの付勢力によって中立位置に復帰し、パーキングブレーキ用シリンダ112のロッド側は、管路111から管路115,106及びタンクライン35aを介しタンク35に連通し、ばね112bの付勢力によって右走行用油圧モータ22を制動する。
【0070】
一方、破砕用油圧モータ10は、上記左・右走行用油圧モータ21,22と異なる方法でパーキングブレーキを作動させるようになっている。
【0071】
すなわち、パーキングブレーキ作動用の切換弁116は、パイロットポンプ46からのパイロット圧が導かれる前述したパイロット管路72に管路117を介し接続された管路118を連通・遮断するように設けられている。自走式破砕機1のエンジン43が起動してパイロットポンプ46が駆動されると、そのパイロット圧が前記のパイロット管路72及び管路117を介し管路118aに導かれる。このとき、切換弁116の駆動部116aには、管路118aから分岐する管路119を介して前記のパイロット圧が導入され、これによって切換弁116が図5中下方に示す連通位置に切り換えられ、管路118a,118bを連通させる。したがって、管路118bからのパイロット圧がパーキングブレーキ用シリンダ120のロッド側に流入し、ばね120aによって制動されていた破砕用油圧モータ10を開放し、駆動可能な状態とする。これによって、正転用供給管路79(又は逆転用供給管路80)からの圧油により破砕用油圧モータ10が正転方向(又は逆転方向)に駆動可能となる。なおこのとき、この正転方向駆動時(又は逆転方向駆動時)における回路保護のために、正転用供給管路79と逆転用供給管路80との間を接続する管路121(又は管路122)に、リリーフ弁121a(又はリリーフ弁122a)が設けられている。
【0072】
また、エンジン43が停止してパイロットポンプ46が停止し、管路119にパイロット圧が立たなくなると、切換弁116はばね116bの付勢力によって図5に示す遮断位置に復帰する。これにより、管路118bは、前記管路106を介しタンクライン35aに接続する管路123に接続されるので、パーキングブレーキ用シリンダ120のロッド側は、管路118bから管路123,106及びタンクライン35aを介しタンク35に連通し、その圧力はタンク圧となる。したがって、ばね120aの付勢力によってパーキングブレーキ用シリンダ120は伸張し、破砕用油圧モータ10を制動する。
【0073】
なお、特に詳細な説明を省略するが、左走行用コントロールバルブ48、右走行用コントロールバルブ49、及び破砕用コントロールバルブ47は、公知のインターロック機構により、左走行用コントロールバルブ48及び右走行用コントロールバルブ49のうち少なくとも一方が中立位置から切り換えられるときには、破砕用コントロールバルブ47は中立位置からの切り換えが不能となり、逆に破砕用コントロールバルブ47が中立位置から切り換えられるときには、左走行用コントロールバルブ48及び右走行用コントロールバルブ49のいずれもが中立位置からの切り換えが不能となるように関連づけられている。
【0074】
一方、第1及び第2油圧ポンプ44,45のうち、第2油圧ポンプ45は、コンベア・磁選機用コントロールバルブ51及びフィーダ用コントロールバルブ50を介し、コンベア用油圧モータ17及び磁選機用油圧モータ18とフィーダ用油圧モータ15とへ供給するための圧油を吐出するようになっている。これらコントロールバルブ51,50はいずれも、対応する油圧モータ17,18及び15への圧油の流量を制御可能な2位置切換弁となっており、第2油圧ポンプ45の吐出管路58に接続されたセンターライン59aを備え1つのバルブユニットとして形成された第2弁グループ59において、上流側から、コンベア・磁選機用コントロールバルブ51、フィーダ用コントロールバルブ50の順序で配置されている。なお、センターライン59aは、最下流側のフィーダ用コントロールバルブ50の下流側で閉止されている。
【0075】
フィーダ用コントロールバルブ50は、その駆動部50aに、前記のパイロット管路72,117、及びパイロット管路124を介してパイロットポンプ46からのパイロット圧が導かれる。このときその駆動部50aには、コントローラ75からの駆動信号Sfで駆動されるソレノイド制御弁125が設けられている。このソレノイド制御弁125はその駆動信号Sfの入力に応じて切り換えられ、パイロット管路124からのパイロット圧を駆動部50aに導くようになっている。すなわち、駆動信号Sfがフィーダ4を動作させるON信号になると、ソレノイド制御弁125が開き状態に駆動され、パイロットポンプ46からのパイロット圧を駆動部50aに導き、これによってフィーダ用コントロールバルブ50が図4中下側の連通位置50Aに切り換えられる。
これにより、センターライン59aからの圧油は、切換位置50Aに備えられた絞り手段50Aaから、これに接続する管路126、この管路126に設けられた圧力制御弁127(詳細は後述)、切換位置50Aに備えられたポート50Ab、及びこのポート50Abに接続する供給管路128を経て、フィーダ用油圧モータ15に供給され、この油圧モータ15が駆動される。
駆動信号Sfがフィーダ4の停止に対応するOFF信号になると、ソレノイド制御弁125は閉じ状態に駆動され、コントロールバルブ50がばね50bの付勢力で図4に示す遮断位置に復帰し、フィーダ用油圧モータ15は停止する。
【0076】
コンベア・磁選機用コントロールバルブ51は、上記フィーダ用コントロールバルブ50同様、その駆動部51aに前記パイロット管路124を介しパイロット圧が導かれ、駆動部51aにはコントローラ75からの駆動信号Scomで駆動されるソレノイド制御弁129が設けられる。ソレノイド制御弁129は、駆動信号Scomがコンベア5及び磁選機6を動作させるON信号になると、開き状態に駆動され、パイロットポンプ46からのパイロット圧を駆動部51aに導き、これによってコンベア・磁選機用コントロールバルブ51が図4中下側の連通位置51Aに切り換えられる。
これにより、センターライン59aからの圧油が、切換位置51Aの絞り手段51Aaから、管路130、圧力制御弁131(詳細は後述)、切換位置51Aのポート51Ab、及びこのポート51Abに接続するコンベア用供給管路132を介しコンベア用油圧モータ17に供給され、さらに磁選機用供給管路133を介し磁選機用油圧モータ18に供給され、それら油圧モータ17,18がともに駆動される。
駆動信号Scomがコンベア5及び磁選機6の停止に対応するOFF信号になると、ソレノイド制御弁129は閉じ状態に駆動され、コントロールバルブ51がばね51bの付勢力で図4に示す遮断位置に復帰し、コンベア用油圧モータ17及び磁選機用油圧モータ18は停止する。
【0077】
なお、前記管路126,130に設けた前記圧力制御弁127,131に係わる機能は、前述した第1弁グループ57の圧力制御弁63,69,78とほぼ同様である。
すなわち、フィーダ用コントロールバルブ50の連通位置50Aの前記ポート50Ab及びコンベア・磁選機用コントロールバルブ51の連通位置51Aの前記ポート51Abには、それぞれ、対応するフィーダ用油圧モータ15、又はコンベア用油圧モータ17及び磁選機用油圧モータ18の負荷圧力をそれぞれ検出するための負荷検出ポート50Ac、負荷検出ポート51Acが連通されている。このとき、負荷検出ポート50Acは負荷検出管路134に接続しており、負荷検出ポート51Acは負荷検出管路135に接続している。
【0078】
ここで、フィーダ用油圧モータ15の負荷圧力が導かれる前記負荷検出管路134と、コンベア用油圧モータ17及び磁選機用油圧モータ18の負荷圧力が導かれる前記負荷検出管路135とは、さらにシャトル弁136を介して最大負荷検出管路137に接続され、シャトル弁136を介して選択された高圧側の最大負荷圧力はこの最大負荷検出管路137に導かれるようになっている。
【0079】
そして、この最大負荷検出管路137に導かれた最大負荷圧力は、最大負荷検出管路137に接続する管路138、及び管路139,140を介して、対応する前記圧力制御弁127,131の一方側にそれぞれ伝達される。このとき、圧力制御弁127,131の他方側には前記の管路126,130内の圧力、すなわち絞り手段50Aa,51Aaの下流側圧力が導かれている。
【0080】
以上により、圧力制御弁127,131は、コントロールバルブ50,51の絞り手段50Aa,51Aaの下流側圧力と、フィーダ用油圧モータ15、コンベア用油圧モータ17、及び磁選機用油圧モータ18のうちの最大負荷圧力との差圧に応答して作動し、各油圧モータ15,17,18の負荷圧力の変化にかかわらず、前記の差圧を一定値に保持するようになっている。すなわち、絞り手段50Aa,51Aaの下流側圧力を、前記の最大負荷圧力よりもばね127a,131aによる設定圧分だけ高くするようになっている。
【0081】
一方、第2油圧ポンプ45の吐出管路58に接続したセンターライン59aから分岐した管路141には、ばね142aを備えたアンロード弁142が設けられている。このアンロード弁142の一方側には、最大負荷検出管路137、前記の管路139、及びこの管路139に接続した管路143を介し、最大負荷圧力が導かれており、またアンロード弁142の他方側には、管路141内の圧力(すなわち第2油圧ポンプ45の吐出圧)が導かれている。これにより、アンロード弁142は、管路141及びセンターライン59a内に導かれる第2油圧ポンプ45の吐出圧を、前記の最大負荷圧力よりもばね142aによる設定圧分だけ高くするようになっている(いわゆる公知のロードセンシング制御)。なお、管路141のアンロード弁142より下流側はタンクライン35bを介してタンク35に接続されているが、その管路141下流側と、最大負荷圧力が導かれる前記の管路139との間にはリリーフ弁144が設けられ、前記の最大負荷検出管路137及び管路138,139,140,143内の最大圧力をばね144aの設定圧以下に制限し、回路保護を図るようになっている。
【0082】
以上説明した、圧力制御弁127,131による絞り手段50Aa,51Aaの下流側圧力と最大負荷圧力との間の制御、及びアンロード弁142による第2油圧ポンプ45吐出圧と最大負荷圧力との間の制御により、結果として、第2油圧ポンプ45の吐出圧と、絞り手段50Aa,51Aaの下流側圧力との差が、一定に保持されることとなる。すなわち、絞り手段50Aa,51Aaの前後差圧を一定とする圧力補償機能を果たすこととなる。これにより、フィーダ用油圧モータ15、コンベア用油圧モータ17、及び磁選機用油圧モータ18の負荷圧力の変化にかかわらず、コントロールバルブ50,51の開度に応じた流量を対応する油圧モータに供給できるようになっている。
【0083】
なお、フィーダ用油圧モータ15への圧油の供給に関し、前記の左・右走行用モータ21,22及び破砕用油圧モータ10と同様に、回路保護等の観点から、供給管路128と排出管路145との間を接続する管路146,147に、リリーフ弁146a,147aが設けられている。
【0084】
レギュレータ装置54は、第1及び第2油圧ポンプ44,45の斜板44a,45aの一端側に連結されたピストン148a,148bと、これらピストン148a,148bをそれぞれ摺動可能に収納する油室149a,149bと、小径部151aa,151baがこれら油室149a,149bに摺動可能に収納されたピストン151a,151bと、これらピストン151a,151bの大径部151ab,151bbが摺動可能に収納される油室152a,152bと、前記のピストン大径部151ab,151bb及び小径部151aa,151baの接続部が収納されかつタンク35に連通する油室153a,153bと、前記第1及び第2油圧ポンプ斜板44a,45aの他端部に連結されこれらを付勢するばね部154とを備えている。
【0085】
ピストン148a,148bは、ばね部154の付勢力に抗して図6中右方に移動すると、第1及び第2油圧ポンプ44,45からの吐出流量が減少するようにそれら第1及び第2油圧ポンプ44,45の前記斜板44a,45aの傾転角(すなわちポンプ押しのけ容積)を変え、ばね部154の付勢力によって図6中左方に移動すると、第1及び第2油圧ポンプ44,45からの吐出流量が増大するように斜板44a,45aの傾転角を変えるようになっている。なおこのとき、斜板44aと斜板45aは、互いに傾転角が略同一(例えば角度差が10°以内)となる関係を常に維持しつつ、その傾転角の値を変化させるようになっている。
【0086】
ピストン148aを収納する前記油室149aには、第1油圧ポンプ44の前記吐出管路56から分岐して設けた吐出圧検出管路155を介し、第1油圧ポンプ44の吐出圧P1が導入される。これにより、第1油圧ポンプ44の吐出圧P1が高いときはピストン148aが図6中右方に移動して第1及び第2油圧ポンプ44,45からの吐出流量が減少し、第1油圧ポンプ44の吐出圧P1が低いときはピストン148aが図6中左方に移動して第1及び第2油圧ポンプ44,45からの吐出流量が増大するようになっている。
また、ピストン148bを収納する前記油室149bには、第2油圧ポンプ45の前記吐出管路58から分岐して設けた吐出圧検出管路156を介し、第2油圧ポンプ45の吐出圧が導入される。これにより、上記同様に、第2油圧ポンプ45の吐出圧P2が高いときはピストン148bが図6中右方に移動して第1及び第2油圧ポンプ44,45からの吐出流量が減少し、第2油圧ポンプ45の吐出圧P2が低いときはピストン148bが図6中左方に移動して第1及び第2油圧ポンプ44,45からの吐出流量が増大するようになっている。
【0087】
ここで、例えば、第1油圧ポンプ44の吐出圧P1が第2油圧ポンプ45の吐出圧P2より大きい場合、上記ピストン148a,148bの受圧面積が等しくなっていることから、ピストン148aを図6中右方へ押圧する力の方が、ピストン148bを図6中右方へ押圧する力よりも大きくなる。
このとき、前記吐出圧検出管路155で検出された第1油圧ポンプ44の吐出圧P1と、前記吐出圧検出管路156で検出された第2油圧ポンプ45の吐出圧P2のうちの高圧側圧力(すなわちポンプ最大吐出圧)Pmaxが、管路157に配置されたシャトル弁158で選択され、この最大吐出圧Pmaxはさらに管路159を介し、前記の油室152a,152bに導かれている。P1>P2の場合には、最大吐出圧Pmax=P1となることから、ピストン151aの大径部151ab及びピストン151bの大径部151bbいずれに対しても第1油圧ポンプ吐出圧P1が図6中右方へ作用する。これに対し、油室149aにおいてピストン151aの小径部151aaに図6中左方へ作用する圧力はP1であるが、油室149bにおいてピストン151bの小径部151baに図6中左方へ作用する圧力はP2であるため、ピストン151aとピストン151bとで比較すると、ピストン151bのほうがより大きな力で図6中右方へ押圧されることになる。
【0088】
一方、第2油圧ポンプ45の吐出圧P2が第1油圧ポンプ44の吐出圧P1より大きい場合、上記とは逆に、ピストン148bを図6中右方へ押圧する力の方がピストン148aを図6中右方へ押圧する力よりも大きくなるが、最大吐出圧Pmax=P2となることから、ピストン151aとピストン151bとでみると、ピストン151aのほうがより大きな力で図6中右方へ押圧されることになる。
【0089】
上記の結果、P1>P2の場合及びP2>P1の場合のいずれの場合も、ピストン148a,151aが全体としてピストンベース148cを図6中右方へ押圧する力と、ピストン148b,151bが全体としてピストンベース148cを図6中右方へ押圧する力とが、常に略同一となるようになっている。これにより、第1及び第2油圧ポンプ44,45からの吐出流量は、第1油圧ポンプ44の吐出圧P1と第2油圧ポンプ45の吐出圧P2との両方に応じて制御され、第1及び第2油圧ポンプ44,45の入力トルクがエンジン43の出力トルクを超えないように斜板44a,45aの傾転が制御される(公知の入力トルク制限制御)。
【0090】
このとき、第1及び第2油圧ポンプ44,45の吐出管路56,58から分岐した管路160,161には、第1リリーフ弁162及び第2リリーフ弁163がそれぞれ設けられており、第1及び第2油圧ポンプ44,45の吐出圧P1,P2の最大値を制限するためのリリーフ圧Pr1,Pr2の値を、それぞれに備えられたばね162a,163aの付勢力で設定するようになっている。このとき、第2リリーフ弁163のリリーフ圧Pr2のほうが、第1リリーフ弁162のリリーフ圧Pr1よりも小さくなるように設定されている(例えばPr1=265kgf/cm2、Pr2=140kgf/cm2)。なお、パイロットポンプ46からのパイロット圧が導かれるパイロット管路72から分岐した管路164にも、リリーフ弁165が設けられている。
【0091】
また、操作盤55には、ジョークラッシャ3を起動・停止させるためのクラッシャ起動・停止スイッチ55aと、ジョークラッシャ3の動作方向を正転又は逆転方向のいずれかに選択するためのクラッシャ正転・逆転選択ダイヤル55bと、フィーダ4を起動・停止させるためのフィーダ起動・停止スイッチ55cと、フィーダ4の動作スピードを調節するためのフィーダスピードダイヤル55dと、コンベア5及び磁選機6を起動・停止させるためのコンベア・磁選機起動・停止スイッチ55eと、ジョークラッシャ3、フィーダ4、コンベア5、及び磁選機6のすべての機器を停止する非常停止ボタン55fとを備えている。なお、そのほかに、オプションで設置する機器を起動・停止させるための予備スイッチ55g等を設ける場合もある。
【0092】
操作者が上記操作盤55の各種スイッチ、ボタン、及びダイヤルの操作を行うと、その操作信号が電気配線(図示せず)を介して、前記のコントローラ75に入力される。コントローラ75は、操作盤55からの操作信号に基づき、前述したソレノイド弁76a,76b、ソレノイド弁125、ソレノイド弁129への駆動信号Scr,Sf,Scomを生成し、対応するコントロールバルブ47,50,51にそれらを出力するようになっている。
【0093】
すなわち、操作盤55のクラッシャ正転・逆転選択ダイヤル55bで「正転」(又は「逆転」、以下、対応関係同じ)が選択された状態でクラッシャ起動・停止スイッチ55aが「起動」側へ押された場合、破砕用コントロールバルブ47のソレノイド弁76a(又はソレノイド弁76b)への駆動信号ScrをONにするとともにソレノイド弁76b(又はソレノイド弁76aへ)の駆動信号ScrをOFFにし、破砕用コントロールバルブ47を図5中下側の切換位置47A(又は上側の切換位置47B)に切り換え、第1油圧ポンプ44からの圧油を破砕用油圧モータ10に供給して駆動し、ジョークラッシャ3を正転方向(又は逆転方向)に起動する。
その後、クラッシャ起動・停止スイッチ55aが「停止」側へ押された場合、破砕用コントロールバルブ47のソレノイド弁76a及びソレノイド弁76bの駆動信号ScrをともにOFFにし、破砕用コントロールバルブ47を図5に示す中立位置に復帰させ、破砕用油圧モータ10を停止し、ジョークラッシャ3を停止させる。
【0094】
また、操作盤55のフィーダ起動・停止スイッチ55cが「起動」側へ押された場合、フィーダ用コントロールバルブ50のソレノイド弁125の駆動信号SfをONにし、フィーダ用コントロールバルブ50を図4中下側の連通位置50Aに切り換え、第2油圧ポンプ45からの圧油をフィーダ用油圧モータ15に供給して駆動し、フィーダ4を起動する。そしてこのとき、フィーダスピードダイヤル55dの操作量に応じて駆動信号Sfの信号電流値を調整し、ソレノイドバルブ125の駆動量を調整しその開度を制御することで駆動部50aに導入されるパイロット圧を制御し、フィーダ用コントロールバルブ50の連通位置50Aへの切換ストロークを制御し、フィーダ用油圧モータ15に供給される圧油の量を調整する。その結果、フィーダ4は、フィーダスピードダイヤル55dの操作量に応じた速度で動作する。
その後、操作盤55のフィーダ起動・停止スイッチ55cが「停止」側へ押されると、フィーダ用コントロールバルブ50のソレノイド弁125の駆動信号SfをOFFにし、フィーダ用コントロールバルブ50を図4に示す中立位置に復帰させ、フィーダ用油圧モータ15を停止し、フィーダ4を停止させる。
【0095】
また、操作盤55のコンベア・磁選機起動・停止スイッチ55eが「起動」側へ押された場合、コンベア・磁選機用コントロールバルブ51のソレノイド弁129への駆動信号ScomをONにし、コンベア・磁選機用コントロールバルブ51を連通位置51Aに切り換え、第2油圧ポンプ45からの圧油をコンベア用油圧モータ17及び磁選機用油圧モータ18に供給し、コンベア5及び磁選機6を起動する。その後、操作盤55のコンベア・磁選機起動・停止スイッチ55eが「停止」側へ押されると、コンベア・磁選機用コントロールバルブ51のソレノイド弁129への駆動信号ScomをOFFにし、コンベア・磁選機用コントロールバルブ51を中立位置に復帰させ、コンベア5及び磁選機6を停止させる。
【0096】
なお、操作盤55の非常停止ボタン55fが押されると、上述したすべての機器を停止させるような信号を出力する。すなわち、破砕用コントロールバルブ47のソレノイド弁76a及びソレノイド弁76bへの駆動信号ScrをともにOFFにし、フィーダ用コントロールバルブ50のソレノイド弁125への駆動信号SfをOFFにし、コンベア・磁選機用コントロールバルブ51のソレノイド弁129への駆動信号ScomをOFFにする。これらにより、破砕用油圧モータ10、フィーダ用油圧モータ15、コンベア用油圧モータ17、及び磁選機用油圧モータ18をすべて停止し、ジョークラッシャ3、フィーダ4、コンベア5、及び磁選機6をすべて停止させる。
【0097】
以上説明した構成において、フィーダ4、コンベア5、及び磁選機6が、破砕装置による破砕作業に関連する作業を行う補助機械を構成し、これらとジョークラッシャ3とが複数の機器を構成し、また無限軌道履帯8aが走行手段を構成する。
【0098】
また、フィーダ用油圧モータ15、コンベア用油圧モータ17、及び磁選機用油圧モータ18は、補助機械用油圧モータを構成し、これらと破砕用油圧モータ10とが複数の機器用油圧モータを構成する。またフィーダ用コントロールバルブ50及びコンベア・磁選機用コントロールバルブ51は補助機械用制御弁手段を構成し、破砕用コントロールバルブ47が破砕用制御弁手段を構成し、これら2つが複数の機器用制御弁手段を構成する。また、左走行用コントロールバルブ48及び右走行用コントロールバルブ49は、左・右走行用制御弁手段を構成する。さらに、弁グループ57が、第1油圧ポンプの吐出管路にのみ接続され左・右走行用制御弁手段と破砕用制御弁手段とを備えた第1弁グループを構成し、弁グループ59が、第2油圧ポンプの吐出管路にのみ接続され補助機械用制御弁手段を備えた第2弁グループを構成する。
【0099】
また、吐出圧検出管路155は、第1油圧ポンプの吐出圧を検出する第1吐出圧検出手段を構成し、吐出圧検出管路156は、第2油圧ポンプの吐出圧を検出する第2吐出圧検出手段を構成する。また左・右走行用コントロールバルブ48,49の絞り手段48Aa,49Aa(又は48Ab,49Ab)が、左・右走行用制御弁手段に設けられ、第1油圧ポンプから左・右走行用油圧モータに供給される圧油の流量をそれぞれ制御する2つの第1流量制御手段を構成する。
【0100】
さらに、管路81,82,83,85,87,88,89,90,91,94及びシャトル弁84,86が、左・右走行用油圧モータ及び破砕用油圧モータの負荷圧力のうち最大である第1最大負荷圧力を検出する第1最大負荷圧検出手段を構成し、圧力制御弁63,69,78が、第1流量制御手段の下流側圧力と第1最大負荷圧力との差圧を一定に保持する第1圧力制御弁を構成し、アンロード弁93が、第1油圧ポンプの吐出圧と第1最大負荷圧力との差圧を一定に保持する第1アンロード弁を構成し、これら3つが、2つの第1流量制御手段の前後差圧をそれぞれ一定に保持する2つの第1圧力補償手段を構成する。
【0101】
また、フィーダ用コントロールバルブ50及びコンベア・磁選機用コントロールバルブ51の絞り手段50Aa,51Aaが、複数の補助機械用制御弁手段にそれぞれ設けられ、第2油圧ポンプから対応する補助機械用油圧モータに供給される圧油の流量をそれぞれ制御する複数の第2流量制御手段を構成する。さらに、管路134,135,137,138,139,140,143及びシャトル弁136が、補助機械用油圧モータの負荷圧力のうち最大である第2最大負荷圧力を検出する第2最大負荷圧検出手段を構成し、圧力制御弁127,131が、第2流量制御手段の下流側圧力と前記第2最大負荷圧力との差圧を一定に保持する第2圧力制御弁を構成し、アンロード弁142が、第2油圧ポンプの吐出圧と第2最大負荷圧力との差圧を一定に保持する第2アンロード弁を構成し、これら3つが、複数の第2流量制御手段の前後差圧をそれぞれ一定に保持する複数の第2圧力補償手段を構成する。
【0102】
次に、上記構成の本発明の一実施の形態に係る自走式破砕機の動作を以下に説明する。
【0103】
上記構成の自走式破砕機1において、例えば破砕作業を行う箇所まで自走式破砕機1を自走させる時には、操作者は、運転席42に搭乗し、操作レバー52,53を前方に操作する。これにより、左・右走行用コントロールバルブ48,49が図5中下方の切換位置48A,49Aに切り換えられ、第1油圧ポンプ44からセンターライン57aを介し導かれた圧油が前進用供給管路64,70を経て、左・右走行用油圧モータ21,22に供給され、これらモータ21,22が順方向に駆動され、両側の無限軌道履帯8aが順方向に駆動されて走行体8が前方へ走行する。
【0104】
また、破砕作業時には、操作者は、操作盤55のクラッシャ正転・逆転選択ダイヤル55bで「正転」を選択した後、フィーダ起動・停止スイッチ55c、クラッシャ起動・停止スイッチ55a、及びコンベア・磁選機起動・停止スイッチ55eを順次「起動」側へ押す。これにより、コントローラ75から破砕用コントロールバルブ47のソレノイド弁76aへの駆動信号ScrがONになるとともにソレノイド弁76bへの駆動信号ScrがOFFになり、破砕用コントロールバルブ47が図5中下側の切換位置47Aに切り換えられる。また、コントローラ75からフィーダ用コントロールバルブ50のソレノイド弁125への駆動信号SfがONになってフィーダ用コントロールバルブ50が図4中下側の連通位置50Aに切り換えられ、さらにコンベア・磁選機用コントロールバルブ51のソレノイド弁129への駆動信号ScomがONになってコンベア・磁選機用コントロールバルブ51が連通位置51Aに切り換えられる。
【0105】
これにより、第1油圧ポンプ44からの圧油が破砕用油圧モータ10に供給されてジョークラッシャ3が正転方向に起動される一方、第2油圧ポンプ45からの圧油がフィーダ用油圧モータ15とコンベア用油圧モータ17及び磁選機用油圧モータ18とに供給され、フィーダ4、コンベア5、及び磁選機6が起動される。
【0106】
そして、例えば油圧ショベルのバケットでホッパ2に被破砕物を投入すると、その投入された被破砕物が、フィーダ4において所定粒度以上のもののみが選別されつつジョークラッシャ3へと導かれ、ジョークラッシャ3で所定の大きさに破砕される。破砕された破砕物は、ジョークラッシャ3下部の空間からコンベア5上に落下して運搬され、その運搬途中で磁選機6によって破砕物に混入した磁性物(例えばコンクリートの建設廃材に混入している鉄筋片等)が取り除かれ、大きさがほぼ揃えられて、最終的に破砕機1の後部(図1中右端部)から搬出される。
【0107】
以上説明したような構成及び動作である本発明の一実施の形態の自走式破砕機の油圧駆動装置における作用及び効果を以下に順を追って説明する。
【0108】
(1)補助機械寿命向上による生産性向上効果
通常、破砕機においては、破砕作業中は、破砕用油圧モータの負荷圧力が、フィーダ用油圧モータ、コンベア用油圧モータ、磁選機用油圧モータ等の補助機械用油圧モータの負荷圧力に比べて著しく大きく、またその変動も大きい。上記本発明の一実施の形態の油圧駆動装置においては、上記のように、第1油圧ポンプ44から弁グループ57を介し破砕用油圧モータ10に至る圧油の流れと、第2油圧ポンプ45から弁グループ59を介し上記補助機械用油圧モータ15,17,18に至る圧油の流れが完全に別個独立していることにより、破砕用油圧モータ10の大きな負荷圧力や圧力変動の影響を受けることなく、第2油圧ポンプ45の吐出圧を比較的小さくしかつ変動を少なくすることができる。
【0109】
ここで、ジョークラッシャ3に比較的圧縮強度の大きな被破砕物が投入された等により破砕用油圧モータ10の負荷圧力が増大した場合、この破砕用油圧モータ10へ圧油を供給する第1油圧ポンプ44の吐出圧P1が増大する。このとき、レギュレータ54により入力トルク制限制御が行われ、第1油圧ポンプ44の吐出圧P1増大に応じて、第1及び第2油圧ポンプ44,45の斜板44a,45aの傾転角を減少させて第1及び第2油圧ポンプ44,45の吐出流量を小さくする。したがって、第2油圧ポンプ45からの吐出油によって駆動されるフィーダ4、コンベア5、磁選機6等の補助機械の動作速度を、第1油圧ポンプ44の吐出流量の減少によるジョークラッシャ3の破砕量の減少に応じるように小さくできるので、従来技術のように各補助機械が必要以上に大きな速度で無駄に動作するのを防止できる。これにより、その分上記補助機械4,5,6等の寿命を延ばすことができるので、メンテナンスの間隔を延ばすことができ、生産性を向上することができる。
【0110】
(2)第2油圧ポンプ吐出圧検出による破砕効率向上効果
レギュレータ54は、吐出圧検出管路155で検出した第1油圧ポンプ44の吐出圧P1と、吐出圧検出管路156で検出した第2油圧ポンプ45の吐出圧P2との両方に応じて、第1及び第2油圧ポンプ斜板44a,45aの傾転角についていわゆる入力トルク制限制御を行う。これにより、例えば、上記補助機械用油圧モータ15,17,18の負荷圧力が低くなって第2油圧ポンプ45の吐出圧P2が低くなってきた場合には、これに応じて第1油圧ポンプ44の吐出流量を増大させるので、第2油圧ポンプ45側で浮いたエンジン43の出力トルクを第1油圧ポンプ44側に割り振ることができる。これにより、第1油圧ポンプ44からの圧油で駆動する破砕用油圧モータ10の動作速度を増大させることができるので、ジョークラッシャ3での破砕量を増大させ、破砕効率を向上することができる。
【0111】
(3)リリーフ圧大小設定によるコストダウン・省エネルギ効果
破砕作業時において、第1油圧ポンプ44から吐出された圧油が弁グループ57の破砕用コントロールバルブ47を介し破砕用油圧モータ10に供給され、また第2油圧ポンプ45から吐出された圧油が弁グループ59のフィーダ用コントロールバルブ50及びコンベア・磁選機用コントロールバルブ51を介しフィーダ用油圧モータ15、コンベア用油圧モータ17、磁選機用油圧モータ18に供給されているとき、各機器の負荷圧力の増大に応じて、第1及び第2油圧ポンプ44,45の吐出圧P1,P2は増大する。この場合、それぞれのポンプの吐出管路に接続された油圧系、すなわち第1油圧ポンプ44の吐出管路56から破砕用コントロールバルブ47を介し破砕用油圧モータ10へ至る圧油供給経路や、第2油圧ポンプ45の吐出管路58からコントロールバルブ50,51を介し油圧モータ15,17,18へ至る圧油供給経路内の圧力も増大する。
【0112】
本実施の形態においては、第1及び第2リリーフ弁162,163を設けて第1及び第2油圧ポンプ44,45の吐出圧P1,P2の最大値を制限することにより、上記のような場合に、圧油供給経路内の圧力がそのリリーフ圧Pr1,Pr2よりも大きくならないように制限することができ、高圧による上記油圧系の破損が生じるのを防止できる。
【0113】
このとき、上記(1)で説明したように、破砕作業中は、フィーダ用油圧モータ15、コンベア用油圧モータ17、磁選機用油圧モータ18等の補助機械用油圧モータの負荷圧力は、破砕用油圧モータ10の負荷圧力に比べて小さいため、通常状態では、第2油圧ポンプ45の吐出圧はあまり大きくなることはない。したがって、通常状態のみを考えれば、第2油圧ポンプ45に係わる上記油圧系は、第1油圧ポンプ44に係わる油圧系よりも比較的強度の小さい構造で足りる。
【0114】
しかしながら、フィーダ4、コンベア5、磁選機6等の補助機械に何らかの異常事態が生じその動作が外的な力によってロックされてしまった場合、第2油圧ポンプ45に係わる上記の油圧系内の圧力は急速に上昇するため、もし第2リリーフ弁163のリリーフ圧Pr2を第1リリーフ弁162のリリーフ圧Pr1と同等の値に設定していた場合には、第2油圧ポンプ45に係わる上記油圧系も、第1油圧ポンプ44に係わる上記油圧系と同等の比較的大きな強度が必要となる。
【0115】
本実施の形態においては、第2リリーフ弁163のリリーフ圧Pr2を、第1リリーフ弁162のリリーフ圧Pr1よりも低く設定することにより、上記のような異常事態発生時に第2油圧ポンプ45に係わる上記油圧系に発生する圧力を低くすることができる。したがって、その分この油圧系に必要な強度を比較的小さくすることができ、コストダウンを図ることができる。
【0116】
また、第2リリーフ弁163のリリーフ圧Pr2を第1リリーフ弁162のリリーフ圧Pr1と同等の比較的高い値に設定していた場合、上記のような異常事態発生時にもエンジン43が停止しないようにするためには、第2油圧ポンプ45の駆動のために必要なエンジン43の出力トルクをある程度大きめに見込んでおかなければならず、その分第1油圧ポンプ44の駆動に寄与する出力トルクの割合が小さくなる。本実施の形態においては、上記のように第2リリーフ弁163のリリーフ圧Pr2を第1リリーフ弁162のリリーフ圧Pr1よりも低く設定することにより、その低くした分の出力トルクを、大トルクが本来必要なジョークラッシャ3を駆動する第1油圧ポンプ44側に振り分けることができるので、エネルギの有効活用を図れる。
【0117】
(4)走行左・右圧力補償による走行直進性確保
前記の走行時において、第1油圧ポンプ44から吐出された圧油は、その吐出管路56に接続された弁グループ57に導かれ、この第1弁グループ57の左・右走行用コントロールバルブ52,53で方向及び流量を制御された後に左・右走行用油圧モータ21,22に供給され、これによって左・右の無限軌道履帯8aが駆動される。このように第1油圧ポンプ44からの圧油が左・右走行用油圧モータ21,22の両方に供給されるため、例えば走行体8を直進させるためには、それら左走行用油圧モータ21及び右走行用油圧モータ22へ等しく圧油を分配する必要がある。
【0118】
本実施の形態においては、前述のようにして、左・右走行用油圧モータ21,22に供給される圧油の流量をそれぞれ制御するコントロールバルブ48,49の絞り手段48Aa,49Aa(又は絞り手段48Ba,49Ba)の前後差圧を一定値に保持することにより、左・右走行用油圧モータ21,22それぞれの負荷圧力の大小に関係なく、絞り手段48Aa,49Aa(又は絞り手段48Ba,49Ba)の開度(すなわちコントロールバルブ48,49のスプールの切換ストローク量)に応じた量の圧油を確実に左・右走行用油圧モータ21,22に分配することができる。したがって、例えば運転席42の操作レバー52,53を等しい操作量で操作することで、自走式破砕機1を確実に直進自走させることができる。
【0119】
(5)左・右走行ロードセンシングによる省エネルギ効果
本実施の形態においては、弁グループ57に設けたアンロード弁93によって、第1油圧ポンプ44の吐出圧は、左・右走行用油圧モータ21,22及び破砕用油圧モータ10の最大負荷圧力より一定値だけ高くなるように常に保持されることにより、各油圧モータ10,21,22を駆動するために必要な最小限の圧力となるように制御される。したがって、必要以上に無駄に第1油圧ポンプ44の吐出流量が増大しエンジン43の馬力を浪費することがなくなるので、さらに省エネルギ化を図ることができる。
【0120】
(6)補助機械圧力補償による動作性確保
破砕作業時には、前述したように、第2油圧ポンプ45からの圧油は、フィーダ用コントロールバルブ50及びコンベア・磁選機用コントロールバルブ51を介しフィーダ用油圧モータ15、コンベア用モータ17、及び磁選機用モータ18に供給されるため、それらへの圧油の分配を適正に行う必要がある。本実施の形態においては、前述のようにして、上記油圧モータ15,17,18に供給される圧油の流量をそれぞれ制御する各コントロールバルブ50,51の絞り手段50Aa,51Aaの前後差圧を一定値に保持することにより、各油圧モータ15,17,18の負荷の大小に関係なく、絞り手段50Aa,51Aaの開度(すなわちコントロールバルブ50,51のスプールの切換ストローク量)に応じた量の圧油を適正かつ確実に各油圧モータ15,17,18に分配することができる。したがって、フィーダ4、コンベア5、磁選機6等の各補助機械を確実に動作させることができる。
【0121】
(7)補助機械ロードセンシングによる省エネルギ効果
本実施の形態においては、弁グループ58に設けたアンロード弁142によって、第2油圧ポンプ45の吐出圧は、フィーダ用油圧モータ15、コンベア用油圧モータ17、磁選機用油圧モータ18等の補助機械用油圧モータの最大負荷圧力より一定値だけ高くなるように常に保持されることにより、各油圧モータ15,17,18を駆動するために必要な最小限の圧力となるように制御される。したがって、必要以上に無駄に第2油圧ポンプ45の吐出流量が増大しエンジン43の馬力を浪費することがなくなるので、さらに省エネルギ化を図ることができる。
【0122】
なお、上記本発明の一実施の形態においては、コンベア用油圧モータ17と磁選機用油圧モータ18とを直列に接続して共通のコンベア・磁選機用コントロールバルブ51によって圧油の供給を行ったが、これに限られず、それぞれに別々のコントロールバルブを設け、それぞれについて上記コントロールバルブ51と同様に構成して圧力補償機能をもたせてもよい。この場合も同様の効果を得る。
【0123】
また、上記本発明の一実施の形態では、第1及び第2の油圧ポンプ44,45の斜板44a,45aを図6に示すように機械的に連結することにより、1つのレギュレータ54によって略同一の傾転角に制御したが、これに限られない。すなわち例えば、レギュレータ54と同一の機能を備えたレギュレータを別個独立に2つ設け、それぞれが第1油圧ポンプ斜板44a又は第2油圧ポンプ斜板45aを制御するようにし、このときそれらレギュレータ同士で何らかの制御連携を行わせることで、第1及び第2の油圧ポンプ44,45の斜板44a,45aを略同一の傾転角に制御してもよい。
また、本発明の基本的な効果である上記(1)の効果を得る限りにおいては、上記のレギュレータ54等によって第1及び第2の油圧ポンプ斜板44a,45aを略同一の傾転角に制御することにも限られず、例えば第2油圧ポンプ斜板45aの傾転角θ2を第1油圧ポンプ斜板44aの傾転角θ1の0.8倍となるように比例的に関連づける等、少なくとも、第1油圧ポンプ44の吐出流量を増大させるときは第2油圧ポンプ45の吐出流量も増大させ、第1油圧ポンプ44の吐出流量を減少させるときは第2油圧ポンプ45の吐出流量も減少させるようにすれば足りる。さらには、これにも限られず、レギュレータ54等が、例えば第1油圧ポンプ斜板44aの傾転角θ1の所定のしきい値を境に第2油圧ポンプ斜板45aの傾転角θ2の値をステップ状に増減させ、θ1がこのしきい値より小さくなったらθ2の値を相対的に低くする等、第1及び第2油圧ポンプ44,45の吐出流量を互いに関連づけて制御してもよい。
【0124】
また、レギュレータ54は、第1及び第2の油圧ポンプ45の吐出圧P1,P2に応じて第1及び第2油圧ポンプ44,45の斜板44a,45aの傾転角の制御を行ったが、本発明の最も基本的な効果である上記(1)の効果を得る限りにおいては、これに限られず、第1の油圧ポンプ45の吐出圧P1に応じて第1及び第2油圧ポンプ44,45の斜板44a,45aの傾転角の制御を行えば足りることは言うまでもない。
【0125】
また、上記本発明の一実施の形態では、ポンプ制御手段を、油圧作動ピストンを備えた油圧方式のレギュレータ54によって構成したが、これに限られない。例えば、第1及び第2吐出圧検出手段としての圧力センサからの検出信号を入力し、これに応じて駆動信号を出力するコントローラと、このコントローラからの駆動信号に応じてパイロットポンプ46からのパイロット圧を減圧する電磁比例減圧弁と、第1及び第2油圧ポンプ44,45の斜板44a,45aに連結され、その電磁比例減圧弁を介したパイロット圧により動作する油圧作動ピストンとを備えたものを用いても良い。この場合、上記本発明の一実施の形態54で油圧的に行っていた入力トルク制限制御は、前記のコントローラ内に所定のテーブルを設けて前記の駆動信号の出力を、入力トルク制限制御が可能なように設定すれば足りる。
【0126】
さらに、上記本発明の一実施の形態においては、管路81,82,83,85,87,88,94及びシャトル弁84,86で左・右走行用油圧モータ及び破砕用油圧モータの最大負荷圧力を検出する一方、圧力制御弁63,69,78で、絞り手段48Aa,49Aa(又は48Ab,49Ab)の下流側圧力と第1最大負荷圧力との差圧を一定に保持し、さらにアンロード弁93で第1油圧ポンプ44吐出圧と上記最大負荷圧力との差圧を一定に保持し、これらによって絞り手段48Aa,49Aa(又は48Ab,49Ab)の前後差圧をそれぞれ一定に保持し、確実な分配機能を得るようにしたが、これに限られるものではない。例えば、単に絞り手段48Aa,49Aa(又は48Ab,49Ab)の前後差圧がそれぞれ両端に導かれる圧力補償弁を設け、そのばねの設定圧によって上記前後差圧を一定に保持するようにしてもよい。これは、弁グループ59における絞り手段50Aa,51Aaについても同様である。
また、上記において、アンロード弁93を用いて第1油圧ポンプ44吐出圧と上記最大負荷圧力との差圧を一定に保持することによりロードセンシング制御を行ったが、これにも限られない。すなわち、第1油圧ポンプ44の吐出圧を例えば圧力センサ等で検出しておき、また上記最大負荷圧力も圧力センサ等で検出しておき、両方の検出結果をコントローラに入力してそれらの差圧を演算し、その演算結果に応じて、その差圧が一定に保持されるように、公知のポンプ制御手段、例えばレギュレータによって第1油圧ポンプ44の傾転角を制御してもよい。これは、第2油圧ポンプ45についても同様である。
【0127】
また、上記本発明の上記効果(4)(6)を得る限りにおいては、上記したロードセンシングは必ずしも必要はなく、圧力補償による確実な分配機能があれば足りることは言うまでもない。また、上記本発明の最も基本的な効果(1)を得る限りにおいては、上記分配機能も必ずしも必要ではなく、第1油圧ポンプ44の吐出圧P1に応じて、第1及び第2油圧ポンプ44,45の吐出流量を関連づけて制御すれば足りることは言うまでもない。
【0128】
さらに、上記本発明の一実施の形態においては、原動機として、エンジン43を備えた自走式破砕機に適用した場合を例にとって説明したが、これに限られず、例えば原動機として電動モータ等を備えた自走式破砕機に適用してもよい。
【0129】
また、上記本発明の一実施形態においては、破砕装置として動歯3aと固定歯3bとで破砕を行うジョークラッシャ3を備えた自走式破砕機1を例にとって説明したが、これに限られず、他の破砕装置、例えば、ロール状の回転体に破砕用の刃を取り付けたものを一対としてそれら一対を互いに逆方向へ回転させ、それら回転体の間に被破砕物を挟み込んで破砕を行う回転式破砕装置(いわゆるロールクラッシャを含む6軸破砕機等)や、平行に配置された軸にカッタを備え、互いに逆回転させることにより被破砕物をせん断する破砕装置(いわゆるシュレッダを含む2軸せん断機等)を備えた破砕機にも適用可能である。これらの場合には、フィーダ4を省略しても良い。これらの場合にも同様の効果を得る。
【0130】
さらに、上記本発明の一実施形態においては、フィーダ4として、油圧モータの駆動力を用いて、被破砕物を載置する複数枚の鋸歯状プレート4aを含む底板部を加振するグリズリフィーダを備えた自走式破砕機1を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、他のタイプのフィーダ、例えば、ホッパから投入された被破砕物をホッパ下方に設けた略平板形状の底板に載置し、この底板を油圧モータで発生した駆動力に基づきベース駆動機構によって略水平方向に往復運動させることにより、後続の破砕原料の投入によって先行の破砕原料を底板上で順次押し出し、底板の前端から破砕原料を破砕装置へと順次供給するいわゆるプレートフィーダを備えた破砕機にも適用可能である。
【0131】
また、上記本発明の一実施の形態においては、破砕装置による破砕作業に関連する作業を行う補助機械として、フィーダ4、コンベア5、及び磁選機6を備えた自走式破砕機に適用した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、フィーダ4、コンベア5、及び磁選機6のうち、いくつかを適宜省略した自走式破砕機、例えばフィーダ4がなくホッパ2からダクトやシュートを介し直接ジョークラッシャ3に被破砕物を供給するものや、作業事情に応じ磁選機6が省略されているものに対し適用しても良い。逆に、フィーダ4、コンベア5、及び磁選機6に加え、さらに追加の補助機械、例えば、コンベア5の路程を長くするためにコンベア5の下流側(又は上流側)に位置する補助コンベア(2次コンベア)や、破砕物の粒度に応じさらなる選別を行うためにジョークラッシャ3の下流側に位置する振動スクリーンを設けた自走式破砕機に適用しても良い。なお、補助機械を追加する場合、これに対応するコントロールバルブを弁グループ57に設け、第2油圧ポンプ45からの圧油を供給されるようにすることは言うまでもない。これらの場合も、同様の効果を得る。
【0132】
なお、本発明は、上記一実施の形態のように小型の自走式破砕機にその適用対象が限定されるものではなく、いわゆる中型や大型の自走式破砕機に適用してもよい。この場合も同様の効果を得る。
【0133】
【発明の効果】
本発明によれば、ポンプ制御手段で、第1吐出圧検出手段の検出結果に応じて第1及び第2油圧ポンプの吐出流量を互いに関連づけて制御するので、各補助機械の動作速度を破砕装置と関連づけて制御でき、補助機械の寿命を向上し生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態が適用される自走式破砕機の全体構造を表す側面図である。
【図2】図1に示した自走式破砕機の上面図である。
【図3】図1中III−III断面で見た断面図である。
【図4】本発明の自走式破砕機の油圧駆動装置の一実施の形態を表す油圧回路図である。
【図5】本発明の自走式破砕機の油圧駆動装置の一実施の形態を表す油圧回路図である。
【図6】本発明の自走式破砕機の油圧駆動装置の一実施の形態を表す油圧回路図である。
【符号の説明】
2 ホッパ
3 ジョークラッシャ(破砕装置、機器)
4 フィーダ(補助機械、機器)
5 コンベア(補助機械、機器)
6 磁選機(補助機械、機器)
7 破砕機本体
8 走行体
8a 無限軌道履帯(走行手段)
9 トラックフレーム
10 破砕用油圧モータ(機器用油圧モータ、油圧アクチュエータ)
15 フィーダ用油圧モータ(補助機械用油圧モータ、機器用油圧モータ、油圧アクチュエータ)
17 コンベア用油圧モータ(補助機械用油圧モータ、機器用油圧モータ、油圧アクチュエータ)
18 磁選機用油圧モータ(補助機械用油圧モータ、機器用油圧モータ、油圧アクチュエータ)
21 左走行用油圧モータ(油圧アクチュエータ)
22 右走行用油圧モータ(油圧アクチュエータ)
32 パワーユニット
42 運転席
43 エンジン(原動機)
44 第1油圧ポンプ
45 第2油圧ポンプ
47 破砕用コントロールバルブ(機器用制御弁手段)
48 左走行用コントロールバルブ(左走行用制御弁手段)
48Aa,b 絞り手段(第1流量制御手段)
49 右走行用コントロールバルブ(右走行用制御弁手段)
49Aa,b 絞り手段(第1流量制御手段)
50 フィーダ用コントロールバルブ(補助機械用制御弁手段、機器用制御弁手段)
50Aa,b 絞り手段(第2流量制御手段)
51 コンベア・磁選機用コントロールバルブ(補助機械用制御弁手段、機器用制御弁手段)
54 レギュレータ装置(ポンプ制御手段)
55 操作盤
57 弁グループ(第1弁グループ)
59 弁グループ(第2弁グループ)
63 圧力制御弁(第1圧力制御弁、第1圧力補償手段)
69 圧力制御弁(第1圧力制御弁、第1圧力補償手段)
78 圧力制御弁(第1圧力制御弁、第1圧力補償手段)
81〜83 負荷検出管路(第1最大負荷圧検出手段、第1圧力補償手段)
84 シャトル弁(第1最大負荷圧検出手段、第1圧力補償手段)
85 負荷検出管路(第1最大負荷圧検出手段、第1圧力補償手段)
86 シャトル弁(第1最大負荷圧検出手段、第1圧力補償手段)
87 最大負荷検出管路(第1最大負荷圧検出手段、第1圧力補償手段)
88〜91 管路(第1最大負荷圧検出手段、第1圧力補償手段)
93 アンロード弁(第1アンロード弁、第1圧力補償手段)
94 管路(第1最大負荷圧検出手段、第1圧力補償手段)
127 圧力制御弁(第2圧力制御弁、第2圧力補償手段)
131 圧力制御弁(第2圧力制御弁、第2圧力補償手段)
134,135 負荷検出管路(第2最大負荷圧検出手段、第2圧力補償手段)
136 シャトル弁(第2最大負荷圧検出手段、第2圧力補償手段)
137 最大負荷検出管路(第2最大負荷圧検出手段、第2圧力補償手段)
138〜140 管路(第2最大負荷圧検出手段、第2圧力補償手段)
143 管路(第2最大負荷圧検出手段、第2圧力補償手段)
155 吐出圧検出管路(第1吐出圧検出手段)
156 吐出圧検出管路(第2吐出圧検出手段)
162 第1リリーフ弁
163 第2リリーフ弁
Claims (10)
- ホッパから投入された被破砕物を破砕する破砕装置及びこの破砕装置による破砕作業に関連する作業を行う補助機械を含む複数の機器と走行手段とを有する自走式破砕機に設けられ、原動機により駆動される第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプと、これら第1及び第2油圧ポンプから吐出される圧油により前記複数の機器及び前記走行手段をそれぞれ駆動する複数の機器用油圧モータ及び左・右走行用油圧モータと、前記第1及び第2油圧ポンプから前記複数の機器用油圧モータ及び左・右走行用油圧モータに供給される圧油の方向・流量をそれぞれ制御する複数の機器用制御弁手段及び左・右走行用制御弁手段を備えた複数の弁グループとを有し、かつ、前記複数の機器用油圧モータは、前記破砕装置及び補助機械をそれぞれ駆動する破砕用油圧モータ及び補助機械用油圧モータを含み、前記複数の機器用制御弁手段は、前記第1及び第2油圧ポンプから前記破砕用油圧モータ及び補助機械用油圧モータに供給される圧油の少なくとも流量をそれぞれ制御する破砕用制御弁手段及び補助機械用制御弁手段を含み、前記複数の弁グループは、前記第1及び第2油圧ポンプのうち該第1油圧ポンプの吐出管路にのみ接続され前記左・右走行用制御弁手段と前記破砕用制御弁手段とを備えた第1弁グループと、前記第1及び第2油圧ポンプのうち該第2油圧ポンプの吐出管路にのみ接続され前記補助機械用制御弁手段を備えた第2弁グループとを含む自走式破砕機の油圧駆動装置において、
前記第1及び前記第2油圧ポンプは、いずれも可変容量型の油圧ポンプであり、かつ、
前記第1油圧ポンプの吐出圧を検出する第1吐出圧検出手段と、
少なくとも該第1吐出圧検出手段の検出結果に応じて、前記第1及び第2油圧ポンプの吐出流量を互いに関連づけて制御するポンプ制御手段とを設けたことを特徴とする自走式破砕機の油圧駆動装置。 - 請求項1記載の自走式破砕機の油圧駆動装置において、前記ポンプ制御手段は、前記第1油圧ポンプの吐出流量を増大させるときは前記第2油圧ポンプの吐出流量を増大させ、前記第1油圧ポンプの吐出流量を減少させるときは前記第2油圧ポンプの吐出流量を減少させることを特徴とする自走式破砕機の油圧駆動装置。
- 請求項1又は2記載の自走式破砕機の油圧駆動装置において、前記ポンプ制御手段は、前記第1油圧ポンプの吐出流量と前記第2油圧ポンプの吐出流量とが互いに略同一となるように制御することを特徴とする自走式破砕機の油圧駆動装置。
- 請求項1又は2記載の自走式破砕機の油圧駆動装置において、前記ポンプ制御手段は、前記第1及び第2油圧ポンプの入力トルクを前記原動機の出力トルク以下に制限するように、前記第1及び第2油圧ポンプの吐出流量を制御することを特徴とする自走式破砕機の油圧駆動装置。
- 請求項1記載の自走式破砕機の油圧駆動装置において、前記第1油圧ポンプ及び前記第2油圧ポンプの吐出圧の最大値を制限するためのリリーフ圧をそれぞれ設定する第1リリーフ弁及び第2リリーフ弁をさらに設け、かつ該第2リリーフ弁のリリーフ圧を、前記第1リリーフ弁のリリーフ圧よりも低く設定したことを特徴とする自走式破砕機の油圧駆動装置。
- 請求項1記載の自走式破砕機の油圧駆動装置において、前記第2油圧ポンプの吐出圧を検出する第2吐出圧検出手段をさらに有し、前記ポンプ制御手段は、前記第1吐出圧検出手段及び前記第2吐出圧検出手段の検出結果に応じて、前記第1及び第2油圧ポンプの吐出流量を互いに関連づけて制御することを特徴とする自走式破砕機の油圧駆動装置。
- 請求項1記載の自走式破砕機の油圧駆動装置において、前記左・右走行用制御弁手段に設けられ、前記第1油圧ポンプから前記左・右走行用油圧モータに供給される圧油の流量をそれぞれ制御する2つの第1流量制御手段と、これら2つの第1流量制御手段の前後差圧をそれぞれ一定に保持する2つの第1圧力補償手段とをさらに有することを特徴とする自走式破砕機の油圧駆動装置。
- 請求項7記載の自走式破砕機の油圧駆動装置において、前記第1圧力補償手段は、前記左・右走行用油圧モータ及び前記破砕用油圧モータの負荷圧力のうち最大である第1最大負荷圧力を検出する第1最大負荷圧検出手段と、前記第1流量制御手段の下流側圧力と前記第1最大負荷圧力との差圧を一定に保持する第1圧力制御弁と、前記第1油圧ポンプの吐出圧と前記第1最大負荷圧力との差圧を一定に保持する第1アンロード弁とを備えていることを特徴とする自走式破砕機の油圧駆動装置。
- 請求項1記載の自走式破砕機の油圧駆動装置において、前記補助機械は複数設けられており、これに対応して前記補助機械用油圧モータ及び前記補助機械用制御弁手段も複数ずつ設けられており、かつ、前記複数の補助機械用制御弁手段にそれぞれ設けられ、前記第2油圧ポンプから対応する前記補助機械用油圧モータに供給される圧油の流量をそれぞれ制御する複数の第2流量制御手段と、これら複数の第2流量制御手段の前後差圧をそれぞれ一定に保持する複数の第2圧力補償手段とをさらに設けたことを特徴とする自走式破砕機の油圧駆動装置。
- 請求項9記載の自走式破砕機の油圧駆動装置において、前記第2圧力補償手段は、前記補助機械用油圧モータの負荷圧力のうち最大である第2最大負荷圧力を検出する第2最大負荷圧検出手段と、前記第2流量制御手段の下流側圧力と前記第2最大負荷圧力との差圧を一定に保持する第2圧力制御弁と、前記第2油圧ポンプの吐出圧と前記第2最大負荷圧力との差圧を一定に保持する第2アンロード弁とを備えていることを特徴とする自走式破砕機の油圧駆動装置。
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