JP2004261758A - 自走式破砕機の原動機制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】定常性を確保しつつエネルギロスを低減することができる自走式破砕機の原動機制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン61の回転数を制御する燃料噴射制御装置139と、油圧ショベル300の運転室内に設けたフットスイッチ303の操作信号を受信する受信器305と、この受信器305で受信した操作信号に基づき、少なくともエンジン61の回転数が予め設定したアイドリング回転数から定常回転数に復帰するように、燃料噴射制御装置139を制御するコントローラ84とを備える。
【選択図】 図9
【解決手段】エンジン61の回転数を制御する燃料噴射制御装置139と、油圧ショベル300の運転室内に設けたフットスイッチ303の操作信号を受信する受信器305と、この受信器305で受信した操作信号に基づき、少なくともエンジン61の回転数が予め設定したアイドリング回転数から定常回転数に復帰するように、燃料噴射制御装置139を制御するコントローラ84とを備える。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジョークラッシャ、ロールクラッシャ、シュレッダ、木材破砕機等の自走式破砕機の原動機制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自走式破砕機は、左・右の無限軌道履帯を備えた走行体と、被破砕物を所定の大きさに破砕する破砕装置と、ホッパから投入された被破砕物を上記破砕装置へ導くフィーダを含み、上記破砕装置による破砕作業に関連する作業を行う補助機械と、これら破砕装置及び補助機械を含む複数の機器をそれぞれ駆動する油圧アクチュエータ(破砕装置用油圧モータ、フィーダ用油圧モータ等)と、これら油圧アクチュエータを駆動する圧油を吐出する油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動する原動機(エンジン)とを備えている。
【0003】
このように構成される自走式破砕機において、従来より、上記複数の機器のうちの所定の機器が停止状態か、又はフィーダ及び破砕装置が空運転である場合に、エンジン回転数を定常回転数からアイドリング回転数に低下させるものがある(例えば、特許文献1参照)。これにより、例えば破砕作業において、実質破砕作業をしていないときにエンジン回転数を低下させることで、エネルギロスを低減することができるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−136739
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では以下のような課題が存在する。
すなわち、上記従来技術においては、フィーダ又は破砕装置に負荷が生じて初めてエンジン回転数がアイドリング回転数から定常回転数に復帰するようになっているため、フィーダや破砕装置はこれらフィーダや破砕装置に被破砕物が導入され負荷が生じて初めて定常駆動に復帰し始めることになる。このとき、例えば固定歯に対して動歯を揺動させこれらの間に被破砕物を導入して破砕を行うジョークラッシャや、破砕ビットを備えた破砕ロータを回転させて被破砕物である木材を破砕する木材破砕機等のように、破砕装置の慣性力が大きく定常運転に復帰するために時間がかかる自走式破砕機においては、復帰が完了していない状態の破砕装置に被破砕物が導入されることとなり、駆動力不足による破砕生産物の不均一、更には破砕装置の停止といった事態を招く恐れがあった。
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、定常性を確保しつつエネルギロスを低減することができる自走式破砕機の原動機制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、破砕装置及びこの破砕装置による破砕作業に関連する作業を行う補助機械を含む複数の機器と、これら複数の機器をそれぞれ駆動する複数の油圧アクチュエータと、これら複数の油圧アクチュエータに圧油を供給する油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動する原動機とを備える自走式破砕機の原動機制御装置において、前記原動機の回転数を制御する回転数制御手段と、自走式破砕機外に設けた第1の遠隔操作手段の操作信号を受信する受信手段と、この受信手段で受信した操作信号に基づき、少なくとも前記原動機の回転数が予め設定したアイドリング回転数からそれ以上の回転数となるように、前記回転数制御手段を制御する第1の制御手段とを備えるものとする。
【0008】
本発明の原動機制御装置を備える自走式破砕機においては、例えば、油圧ショベル等によりホッパに被破砕物が投入されると、投入された被破砕物はフィーダによって搬送され、破砕装置で所定の大きさに破砕される。破砕された破砕物は、排出コンベアで搬送されつつ、その途中で磁選機により鉄筋等の異物を吸着除去された上で、最終的に機外に排出される。
【0009】
以上のようにして行われる一連の破砕作業は、通常、連続的に行われるが、例えば投入機である油圧ショベルが排出物を片付ける等の作業を行うことにより投入作業が一時中断する場合がある。このような投入作業中断時や上記破砕作業の開始時(操作者が自走式破砕機の各機器を起動してから被破砕物を投入するまでの間)には、破砕装置及びこの破砕装置による破砕作業に関連する作業を行う補助機械を含む複数の機器(上記フィーダ、排出コンベア、磁選機等)が、駆動されてはいるが被破砕物が導入されていない空運転状態となることがある。このとき、例えば、第1の制御手段で回転数制御手段を制御して、原動機の回転数を予め設定した定常回転数より低いアイドリング回転数にするものとする。
【0010】
このアイドリング運転状態で、操作者は上記油圧ショベルを操作して被破砕物を自走式破砕機のホッパに投入する。このとき、前述の従来技術のようにフィーダ又は破砕装置に負荷が生じて初めて原動機回転数を定常回転数に復帰する構造においては、ホッパに投入された被破砕物がフィーダ又は破砕装置に導入されて初めて破砕装置が定常駆動し始めることとなるので、例えば固定歯に対して動歯を揺動させこれらの間に被破砕物を導入して破砕を行うジョークラッシャや、破砕ビットを備えた破砕ロータを回転させて被破砕物である木材を破砕する木材破砕機等のように、破砕装置の慣性力が大きく定常運転に復帰するために時間がかかる自走式破砕機の場合には、破砕装置が定常運転に復帰していない状態でこの破砕装置に被破砕物が導入されることとなり、駆動力不足による破砕生産物の不均一、更には破砕装置の停止といった事態を招く恐れがあった。
【0011】
これに対し、本発明によれば、操作者が、油圧ショベルで被破砕物の投入を行う前に例えばその油圧ショベルの運転室から第1の遠隔操作手段を操作することで、その操作信号が受信手段で受信され、この操作信号に基づいて第1の制御手段が回転数制御手段を制御して、原動機の回転数をアイドリング回転数から例えば定常回転数に復帰することができる。このように、事前に原動機回転数を定常回転数に復帰し、破砕装置を定常運転とした上で、油圧ショベルで被破砕物をホッパに投入することが可能である。これにより、上記従来技術のように駆動力不足による破砕生産物の不均一及び破砕装置の停止を招くことなく、定常通り破砕作業を行うことができる。したがって、空運転時には自走式破砕機をアイドリング運転することでエネルギロスを低減し、且つ適宜に定常運転に復帰させて破砕作業を行うことができるので、定常性を確保しつつエネルギロスを低減することができる。
【0012】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記第1の制御手段は、前記複数の機器のうち前記破砕装置を含む所定の機器が全て停止状態であるか、若しくは前記所定の機器のうち動作状態にあるものが全て被破砕物に対し前記破砕又は破砕作業に関連する作業を行っていない空運転状態である場合に、前記原動機の回転数が前記アイドリング回転数となるように、前記回転数制御手段を制御するものとする。
【0013】
(3)上記(1)又は(2)において、また好ましくは、前記第1の遠隔操作手段は、油圧ショベルの運転室内に設けたフットスイッチであるものとする。
これにより、操作者は足でフットスイッチを操作することで、油圧ショベルの操作レバーを離さずに投入作業を継続しながら自走式破砕機を定常運転に復帰することができる。したがって、作業効率を向上することができる。
【0014】
(4)上記目的を達成するために、また本発明は、破砕装置及びこの破砕装置による破砕作業に関連する作業を行う補助機械を含む複数の機器と、これら複数の機器をそれぞれ駆動する複数の油圧アクチュエータと、これら複数の油圧アクチュエータに圧油を供給する油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動する原動機とを備える自走式破砕機の原動機制御装置において、前記原動機の回転数を制御する回転数制御手段と、自走式破砕機外に設けた第2の遠隔操作手段の操作信号を受信する受信手段と、この受信手段で受信した操作信号に基づき、前記原動機の回転数が予め設定したアイドリング回転数となるように前記回転数制御手段を制御し、また前記原動機の回転数が前記アイドリング回転数からそれ以上の回転数となるように、前記回転数制御手段を制御する第2の制御手段とを備えるものとする。
【0015】
(5)上記(4)において、好ましくは、前記第2の遠隔操作手段は、油圧ショベルの運転室内に設けたフットスイッチであるものとする。
【0016】
(6)上記目的を達成するために、また本発明は、破砕装置及びこの破砕装置による破砕作業に関連する作業を行う補助機械を含む複数の機器と、これら複数の機器をそれぞれ駆動する複数の油圧アクチュエータと、これら複数の油圧アクチュエータに圧油を供給する油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動する原動機とを備える自走式破砕機の原動機制御装置において、前記原動機の回転数を制御する回転数制御手段と、前記複数の機器のうち前記破砕装置を含む所定の機器が全て停止状態であるか、若しくは前記所定の機器のうち動作状態にあるものが全て被破砕物に対し前記破砕又は破砕作業に関連する作業を行っていない空運転状態であることを検出する検出手段と、この検出手段の検出結果に基づき、前記原動機の回転数を復帰応答性を確保しつつ省エネルギを図るため予め設定したスタンバイ回転数にするように、前記回転数制御手段を制御する第3の制御手段とを備えるものとする。
【0017】
本発明の原動機制御装置を備える自走式破砕機においては、例えば油圧ショベル等によりホッパに被破砕物が投入されると、投入された被破砕物はフィーダによって搬送され、破砕装置で所定の大きさに破砕される。破砕された破砕物は、排出コンベアで搬送されつつ、その途中で磁選機により鉄筋等の異物を吸着除去された上で、最終的に機外に排出される。
【0018】
以上のようにして行われる一連の破砕作業は、通常、連続的に行われるが、例えば投入機である油圧ショベルが排出物を片付ける等の作業を行うことにより投入作業が一時中断する場合がある。このような投入作業中断時や、上記破砕作業の開始時(操作者が自走式破砕機の各機器を起動してから被破砕物を投入するまでの間)においては、破砕装置や補助機械等(フィーダ、排出コンベア、磁選機等)の複数の機器は動作状態のままそれら機器中に被破砕物が存在しない空運転状態となることがある。その場合、余分な動力を消費することとなる。
【0019】
本発明によれば、検出手段で上記複数の機器の内動作状態の所定の機器全てが空運転状態であることを検出した場合に、第3の制御手段で回転数制御手段を制御することにより、原動機の回転数を予め設定したスタンバイ回転数に制御することで、原動機回転数を低く抑える。また、操作者によって所定の機器が全て停止状態とされた場合にも、検出手段でそれらの停止状態を検出し、同様に第3の制御手段で原動機回転数を低く抑える。
【0020】
このとき、本発明によれば、上記予め設定したスタンバイ回転数を、定常回転数に比べて小さく上述したようにエネルギロスを低減することができる回転数でありながら、被破砕物がホッパに投入され破砕装置を含む所定の機器が破砕又はそれに関連する作業を行い始めた際には素早く定常回転数に復帰することができる回転数としている。これにより、例えば固定歯に対して動歯を揺動させこれらの間に被破砕物を導入して破砕を行うジョークラッシャや、破砕ビットを備えた破砕ロータを回転させて被破砕物である木材を破砕する木材破砕機等のように、破砕装置の慣性力が大きく定常駆動に復帰するために時間がかかる自走式破砕機である場合にも、破砕作業時には原動機回転数がスタンバイ回転数から定常回転数に素早く復帰して破砕装置を比較的早く定常運転に戻すことができる。したがって、前述の従来技術のように駆動力不足による破砕生産物の不均一及び破砕装置の停止を招くことなく、定常通り破砕作業を行うことができる。
【0021】
以上のように、本発明によれば、空運転時にはスタンバイ運転とすることによりエネルギロスを低減し、且つ破砕作業を行う際には素早く定常運転に復帰することができるので、定常性を確保しつつエネルギロスを低減することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の自走式破砕機の原動機制御装置の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
まず、本発明の一実施の形態を図1乃至図11を用いて説明する。図1は、本発明の自走式破砕機の原動機制御装置の一実施の形態を備える自走式破砕機の全体構造を表す側面図、図2はその上面図、図3は図1中左側から見た正面図である。
【0023】
これら図1乃至図3において、1は走行体で、この走行体1は、走行装置2と、この走行装置2の上部にほぼ水平に延設した本体フレーム3とで構成されている。また、4は走行装置2のトラックフレームで、このトラックフレーム4は、本体フレーム3の下部に連設している。5,6はそれぞれこのトラックフレーム4の両端に設けた従動輪(アイドラ)及び駆動輪、7はこれら従動輪5及び駆動輪6に巻回した履帯(無限軌道履帯)、8は駆動輪6に直結した走行用油圧モータであり、この走行用油圧モータ8は自走式破砕機の左側に配置された左走行用油圧モータ8L及び右側に配置された右走行用油圧モータ8Rで構成されている(後述の図4参照)。9,10は本体フレーム3の長手方向一方側(図1中左側)に立設した支持ポスト、11はこれら支持ポスト9,10に支持された支持バーである。
【0024】
12は破砕対象となる被破砕物を受入れるホッパで、このホッパ12は、下方に向かって縮径するよう形成されており、上記支持バー11上に複数の支持部材13を介して支持されている。なお、本実施の形態における自走式破砕機は、例えばビル解体時に搬出されるコンクリート塊や道路補修時に排出されるアスファルト塊等の建設現場で発生する大小様々な建設廃材、産業廃棄物、若しくは岩石採掘現場や切羽で採掘される岩石・自然石等を処理対象とし、これらを上記被破砕物として受け入れ破砕処理するものである。
【0025】
15はホッパ12のほぼ直下に位置するフィーダ(グリズリフィーダ)で、このフィーダ15は、ホッパ12に受け入れた被破砕物を後述のジョークラッシャ20に搬送し供給する役割を果たし、ホッパ12とは独立して支持バー11に支持されている。16はフィーダ15の本体で、このフィーダ本体16内には、先端(図2中右側端部)が櫛歯状に形成された櫛歯プレート17が複数(この例では2枚)階段状に固定されており、複数のばね18を介して支持バー11上に振動可能に支持されている。19はフィーダ用油圧モータで、このフィーダ用油圧モータ19は、投入された櫛歯プレート17上の被破砕物が後方側(図1中右側)に送られるようフィーダ15を加振するようになっている。なお、フィーダ用油圧モータ19の構成は、特に限定されるものではないが、例えば偏芯軸を回転駆動させる振動モータ等が挙げられる。なお、14は櫛歯プレート17の櫛歯部分のほぼ直下に設けたシュートで、このシュート14は、櫛歯プレート17の櫛歯の隙間から落下する被破砕物中に含まれた細粒(いわゆるズリ)等を後述の排出コンベア40上に導く役割を果たすものである。
【0026】
20は被破砕物を破砕する破砕装置としてのジョークラッシャで、このジョークラッシャ20は、ホッパ12及びフィーダ15よりも後方側(図1中右側)に位置し、図1に示すように、本体フレーム3の長手方向(図1中左右方向)中央付近に搭載されている。また、ジョークラッシャ20は、公知の構成のものであり、内部には、互いの間隙空間が下方に向かって縮径するよう対向した一対の動歯及び固定歯(共に図示せず)が設けられている。21は破砕装置用油圧モータ(図2参照)で、この破砕装置用油圧モータ21はフライホイール22を回転駆動させ、更にこのフライホイール22の回転運動は、公知の変換機構を介して動歯(図示せず)の揺動運動に変換されるようになっている。即ち、動歯は、静止した固定歯に対して概ね前後方向(図1中左右方向)に揺動するようになっている。なお、本実施の形態において、破砕装置用油圧モータ21からフライホイール22への駆動伝達構造は、ベルト(図示せず)を介した構成となっているが、これに限られるものではなく、例えばチェーンを介する構成等、他の構成であっても構わない。
【0027】
25は各作動装置の動力源を内蔵した動力装置(パワーユニット)で、この動力装置25は、図1に示したように、ジョークラッシャ20より更に後方側(図1中右側)に位置し、支持部材26を介し本体フレーム3の長手方向他方側(図1中右側)端部に支持されている。また、動力装置25内には、動力源となる後述のエンジン(原動機)61やこのエンジン61によって駆動される油圧ポンプ62,63等が備えられている(後述の図6参照)。30,31はそれぞれ動力装置25に内蔵した燃料タンク及び作動油タンク(共に図示せず)の給油口で、これら給油口30,31は、動力装置25の上部に設けられている。32はプレクリーナで、このプレクリーナ32は、エンジン61への吸気中の塵埃を、動力装置25内のエアクリーナ(図示せず)の上流側にて事前に捕集するものである。また、35は操作者が搭乗する運転席で、この運転席35は、動力装置25の前方側(図1中左側)の区画に設けられている。36a,37aは左・右走行用油圧モータ8L,8Rを操作するための左・右走行用操作レバーである。
【0028】
40は被破砕物を破砕した破砕物や前述のズリ等を機外に搬送し排出する排出コンベアで、この排出コンベア40は、排出側(この場合、図1中右側)の部分が、斜めに立ち上がるよう、支持部材41,42を介し、動力装置25に取りつけたアーム部材43から懸架されている。また、この排出コンベア40は、その排出側と反対側(図1中左側)の部分が本体フレーム3からほぼ水平な状態で吊り下げ支持されている。45は排出コンベア40のコンベアフレーム、46,47はこのコンベアフレーム45の両端に設けた従動輪(アイドラ)及び駆動輪、48は駆動輪47に直結した排出コンベア用油圧モータ(図2参照)である。50は従動輪46及び駆動輪47に巻回した搬送ベルトで、この搬送ベルト50は、排出コンベア用油圧モータ48によって駆動輪47が回転駆動させられることにより循環駆動するようになっている。
【0029】
55は排出する破砕物中の鉄筋等といった異物(磁性物)を除去する磁選機で、この磁選機55は、支持部材56を介し上記アーム部材43に吊り下げ支持されている。磁選機55は、駆動輪57及び従動輪58に巻回した磁選機ベルト59が、排出コンベア40の搬送ベルト50の搬送面に対しほぼ直交するよう近接配置してある。60は駆動輪57に直結した磁選機用油圧モータである。なお、磁選機ベルト59の循環軌跡の内側には、図示しない磁力発生手段が設けられており、搬送ベルト50上の鉄筋等の異物は、磁選機ベルト59越しに作用する磁力発生手段からの磁力により磁選機ベルト59に吸着され、排出コンベア40の側方に搬送され落下させられるようになっている。
【0030】
ここで、上記走行体1、フィーダ15、ジョークラッシャ20、排出コンベア40、及び磁選機55は、この自走式破砕機に備えられる油圧駆動装置によって駆動される被駆動部材を構成している。図4乃至図6は、本実施の形態の自走式破砕機に備えられる油圧駆動装置の全体構成を表す油圧回路図である。
【0031】
これら図4乃至図6において、油圧駆動装置は、エンジン61と、このエンジン61によって駆動される可変容量型の第1油圧ポンプ62及び第2油圧ポンプ63と、同様にエンジン61によって駆動される固定容量型のパイロットポンプ64と、第1及び第2油圧ポンプ62,63から吐出される圧油がそれぞれ供給される左・右走行用油圧モータ8L,8R、フィーダ用油圧モータ19、破砕装置用油圧モータ21、排出コンベア用油圧モータ48、及び磁選機用油圧モータ60と、第1及び第2油圧ポンプ62,63からこれら油圧モータ8L,8R,19,21,48,60に供給される圧油の流れ(方向及び流量、若しくは流量のみ)を制御する6つのコントロールバルブ65,66,67,68,69,70と、前記の運転席35に設けられ、左・右走行用コントロールバルブ66,67(後述)をそれぞれ切り換え操作するための左・右走行用操作レバー36a,37aと、第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出流量Q1,Q2(後述の図8参照)を調整する制御手段、例えばレギュレータ装置71,72と、例えば運転席35内に設けられ、ジョークラッシャ20、フィーダ15、排出コンベア40、及び磁選機55の始動・停止等を操作者が指示入力して操作するための操作盤73とを有している。
【0032】
上記6つのコントロールバルブ65〜70は、2位置切換弁又は3位置切換弁であり、破砕装置用油圧モータ21に接続された破砕装置用コントロールバルブ65と、左走行用油圧モータ8Lに接続された左走行用コントロールバルブ66と、右走行用油圧モータ8Rに接続された右走行用コントロールバルブ67と、フィーダ用油圧モータ19に接続されたフィーダ用コントロールバルブ68と、排出コンベア用油圧モータ48に接続された排出コンベア用コントロールバルブ69と、磁選機用油圧モータ60に接続された磁選機用コントロールバルブ70とから構成されている。
【0033】
このとき、第1及び第2油圧ポンプ62,63のうち、第1油圧ポンプ62は、左走行用コントロールバルブ66及び破砕装置用コントロールバルブ65を介して左走行用油圧モータ8L及び破砕装置用油圧モータ21へ供給するための圧油を吐出するようになっている。これらコントロールバルブ65,66はいずれも、対応する油圧モータ21,8Lへの圧油の方向及び流量を制御可能な3位置切換弁となっており、第1油圧ポンプ62の吐出管路74に接続されたセンターバイパスライン75において、上流側から、左走行用コントロールバルブ66、破砕装置用コントロールバルブ65の順序で配置されている。なお、センターバイパスライン75の最下流側には、ポンプコントロールバルブ76(詳細は後述)が設けられている。
【0034】
一方、第2油圧ポンプ63は、右走行用コントロールバルブ67、フィーダ用コントロールバルブ68、排出コンベア用コントロールバルブ69、及び磁選機用コントロールバルブ70を介し、右走行用油圧モータ8R、フィーダ用油圧モータ19、排出コンベア用油圧モータ48、及び磁選機用油圧モータ60へ供給するための圧油を吐出するようになっている。これらのうち右走行用コントロールバルブ67は対応する右走行用油圧モータ8Rへの圧油の流れを制御可能な3位置切換弁となっており、その他のコントロールバルブ68,69,70は対応する油圧モータ19,48,60への圧油の流量を制御可能な2位置切換弁となっており、第2油圧ポンプ63の吐出管路77に接続されたセンターバイパスライン78a及びこれの下流側にさらに接続されたセンターライン78bにおいて、上流側から、右走行用コントロールバルブ67、磁選機用コントロールバルブ70、排出コンベア用コントロールバルブ69、及びフィーダ用コントロールバルブ68の順序で配置されている。なお、センターライン78bは、最下流側のフィーダ用コントロールバルブ68の下流側で閉止されている。
【0035】
上記コントロールバルブ65〜70のうち、左・右走行用コントロールバルブ66,67はそれぞれ、パイロットポンプ64で発生されたパイロット圧を用いて操作されるセンターバイパス型のパイロット操作弁である。これら左・右走行用コントロールバルブ66,67は、パイロットポンプ64で発生され前述の操作レバー36a,37aを備えた操作レバー装置36,37で所定圧力に減圧されたパイロット圧により操作される。
【0036】
すなわち、操作レバー装置36,37は、操作レバー36a,37aとその操作量に応じたパイロット圧を出力する一対の減圧弁36b,36b及び37b,37bとを備えている。操作レバー装置36の操作レバー36aを図4中a方向(又はその反対方向、以下対応関係同じ)に操作すると、パイロット圧がパイロット管路79(又はパイロット管路80)を介して左走行用コントロールバルブ66の駆動部66a(又は駆動部66b)に導かれ、これによって左走行用コントロールバルブ66が図4中上側の切換位置66A(又は下側の切換位置66B)に切り換えられ、第1油圧ポンプ62からの圧油が吐出管路74、センターバイパスライン75、及び左走行用コントロールバルブ66の切換位置66A(又は下側の切換位置66B)を介して左走行用油圧モータ8Lに供給され、左走行用油圧モータ8Lが順方向(又は逆方向)に駆動される。
【0037】
なお、操作レバー36aを図4に示す中立位置にすると、左走行用コントロールバルブ66はばね66c,66dの付勢力で図4に示す中立位置に復帰し、左走行用油圧モータ8Lは停止する。
【0038】
同様に、操作レバー装置37の操作レバー37aを図4中b方向(又はその反対方向)に操作すると、パイロット圧がパイロット管路81(又はパイロット管路82)を介し右走行用コントロールバルブ67の駆動部67a(又は駆動部67b)に導かれて図4中上側の切換位置67A(又は下側の切換位置67B)に切り換えられ、右走行用油圧モータ8Rが順方向(又は逆方向)に駆動されるようになっている。操作レバー37aを中立位置にするとばね67c,67dの付勢力で右走行用コントロールバルブ67は中立位置に復帰し右走行用油圧モータ8Rは停止する。
【0039】
ここで、パイロットポンプ64からのパイロット圧を操作レバー装置36,37に導くパイロット導入管路83a,83bには、コントローラ84(正確には後述する駆動制御部84a、以下同様)からの駆動信号St(後述)で切り換えられるソレノイド制御弁85が設けられている。このソレノイド制御弁85は、ソレノイド85aに入力される駆動信号StがONになると図6中左側の連通位置85Aに切り換えられ、パイロットポンプ64からのパイロット圧を導入管路83a,83bを介し操作レバー装置36,37に導き、操作レバー36a,37aによる左・右走行用コントロールバルブ66,67の上記操作を可能とする。
【0040】
一方、駆動信号StがOFFになると、ソレノイド制御弁85はばね85bの復元力で図6中右側の遮断位置85Bに復帰し、導入管路83aと導入管路83bとを遮断すると共に導入管路83bをタンク86へのタンクライン86aに連通させ、この導入管路83b内の圧力をタンク圧とし、操作レバー装置36,37による左・右走行用コントロールバルブ66,67の上記操作を不可能とするようになっている。
【0041】
破砕装置用コントロールバルブ65は、両端にソレノイド駆動部65a,65bを備えたセンターバイパス型の電磁比例弁である。ソレノイド駆動部65a,65bには、コントローラ84からの駆動信号Scrで駆動されるソレノイドがそれぞれ設けられており、破砕装置用コントロールバルブ65はその駆動信号Scrの入力に応じて切り換えられるようになっている。
【0042】
すなわち、駆動信号Scrがジョークラッシャ20の正転(又は逆転、以下、対応関係同じ)に対応する信号、例えばソレノイド駆動部65a及び65bへの駆動信号ScrがそれぞれON及びOFF(又はソレノイド駆動部65a及び65bへの駆動信号ScrがそれぞれOFF及びON)になると、破砕装置用コントロールバルブ65が図4中上側の切換位置65A(又は下側の切換位置65B)に切り換えられる。これにより、第1油圧ポンプ62からの圧油が吐出管路74、センターバイパスライン75、破砕装置用コントロールバルブ65の切換位置65A(又は下側の切換位置65B)、及び供給管路205a(又は供給管路205b)を介して破砕装置用油圧モータ21に供給され、破砕装置用油圧モータ21が順方向(又は逆方向)に駆動される。
【0043】
駆動信号Scrがジョークラッシャ20の停止に対応する信号、例えばソレノイド駆動部65a及び65bへの駆動信号ScrがともにOFFになると、コントロールバルブ65がばね65c,65dの付勢力で図4に示す中立位置に復帰し、破砕装置用油圧モータ21は停止する。
【0044】
ポンプコントロールバルブ76は、流量を圧力に変換する機能を備えるものであり、前記のセンターバイパスライン75とタンクライン86bとを絞り部分76aaを介して接続・遮断可能なピストン76aと、このピストン76aの両端部を付勢するばね76b,76cと、前記のパイロットポンプ64の吐出管路87にパイロット導入管路88a及びパイロット導入管路88cを介して上流側が接続されてパイロット圧が導かれ、下流側がタンクライン86cに接続され、かつ前記のばね76bによってリリーフ圧が可変に設定される可変リリーフ弁76dとを備えている。
【0045】
このような構成により、ポンプコントロールバルブ76は以下のように機能する。すなわち、上述したように左走行用コントロールバルブ66及び破砕装置用コントロールバルブ65はセンターバイパス型の弁となっており、センターバイパスライン75を流れる流量は、各コントロールバルブ66,65の操作量(すなわちスプールの切換ストローク量)により変化する。各コントロールバルブ66,65の中立時、すなわち第1油圧ポンプ62へ要求する各コントロールバルブ66,65の要求流量(言い換えれば左走行用油圧モータ8L及び破砕装置用油圧モータ21の要求流量)が少ない場合には、第1油圧ポンプ62から吐出される圧油のうちほとんどが余剰流量Qt1(後述の図7参照)としてセンターバイパスライン75を介してポンプコントロールバルブ76に導入され、比較的大きな流量の圧油がピストン76aの絞り部分76aaを介してタンクライン86bへ導出される。これにより、ピストン76aは図4中右側に移動するので、ばね76bによるリリーフ弁76dの設定リリーフ圧が低くなり、管路88cから分岐して設けられ後述のネガティブ傾転制御用の第1サーボ弁131へ至る管路90に、比較的低い制御圧力(ネガコン圧)Pc1を発生する。
【0046】
逆に、各コントロールバルブ66,65が操作されて開状態となった場合、すなわち第1油圧ポンプ62へ要求する要求流量が多い場合には、センターバイパスライン75に流れる前記余剰流量Qt1は、油圧モータ8L,21側へ流れる流量分だけ減じられるため、ピストン絞り部分76aaを介しタンクライン86bへ導出される圧油流量は比較的小さくなり、ピストン76aは図4中左側に移動してリリーフ弁76dの設定リリーフ圧が高くなるので、管路90の制御圧力Pc1は高くなる。
【0047】
本実施の形態では、後述するように、この制御圧力(ネガコン圧)Pc1の変動に基づき、第1油圧ポンプ62の斜板62Aの傾転角を制御するようになっている(詳細は後述)。
【0048】
なお、第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出管路74,77から分岐した管路91,92には、リリーフ弁93及びリリーフ弁94がそれぞれ設けられており、第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出圧P1,P2の最大値を制限するためのリリーフ圧の値を、それぞれに備えられたばね93a,94aの付勢力で設定するようになっている。
【0049】
フィーダ用コントロールバルブ68は、ソレノイド駆動部68aを備えた電磁切換弁である。ソレノイド駆動部68aには、コントローラ84からの駆動信号Sfで駆動されるソレノイドが設けられており、フィーダ用コントロールバルブ68はその駆動信号Sfの入力に応じて切り換えられるようになっている。すなわち、駆動信号Sfがフィーダ15を動作させるON信号になると、フィーダ用コントロールバルブ68が図5中上側の切換位置68Aに切り換えられる。
【0050】
これにより、吐出管路77、センターバイパスライン78a、及びセンターライン78bを介し導かれた第2油圧ポンプ63からの圧油は、切換位置68Aに備えられた絞り手段68Aaから、これに接続する管路95、この管路95に設けられた圧力制御弁96(詳細は後述)、切換位置68Aに備えられたポート68Ab、及びこのポート68Abに接続する供給管路97を経て、フィーダ用油圧モータ19に供給され、この油圧モータ19が駆動される。駆動信号Sfがフィーダ15の停止に対応するOFF信号になると、フィーダ用コントロールバルブ68はばね68bの付勢力で図5に示す遮断位置68Bに復帰し、フィーダ用油圧モータ19は停止する。
【0051】
排出コンベア用コントロールバルブ69は、上記フィーダ用コントロールバルブ68同様、そのソレノイド駆動部69aにコントローラ84からの駆動信号Sconで駆動されるソレノイドが設けられる。駆動信号Sconが排出コンベア40を動作させるON信号になると、排出コンベア用コントロールバルブ69は図5中上側の連通位置69Aに切り換えられ、センターライン78bからの圧油が、切換位置69Aの絞り手段69Aaから、管路98、圧力制御弁99(詳細は後述)、切換位置69Aのポート69Ab、及びこのポート69Abに接続する供給管路100を介し排出コンベア用油圧モータ48に供給されて駆動される。駆動信号Sconが排出コンベア40の停止に対応するOFF信号になると、排出コンベア用コントロールバルブ69はばね69bの付勢力で図5に示す遮断位置69Bに復帰し、排出コンベア用油圧モータ48は停止する。
【0052】
磁選機用コントロールバルブ70は、上記フィーダ用コントロールバルブ68及び排出コンベア用コントロールバルブ69同様、ソレノイド駆動部70aのソレノイドがコントローラ84からの駆動信号Smで駆動される。駆動信号SmがON信号になると、磁選機用コントロールバルブ70は図5中上側の連通位置70Aに切り換えられ、圧油が絞り手段70Aa、管路101、圧力制御弁102(詳細は後述)、ポート70Ab、供給管路103を介し磁選機用油圧モータ60に供給されて駆動される。駆動信号SmがOFF信号になると、磁選機用コントロールバルブ70はばね70bの付勢力で遮断位置70Bに復帰する。
【0053】
なお、上記したフィーダ用油圧モータ19、排出コンベア用油圧モータ48、及び磁選機用油圧モータ60への圧油の供給に関し、回路保護等の観点から、供給管路97,100,103とタンクライン86bとの間を接続する管路104,105,106に、それぞれリリーフ弁107,108,109が設けられている。
【0054】
ここで、前述した管路95,98,101に設けた圧力制御弁96,99,102に係わる機能について説明する。
フィーダ用コントロールバルブ68の切換位置68Aの前記ポート68Ab、排出コンベア用コントロールバルブ69の切換位置69Aの前記ポート69Ab、及び磁選機用コントロールバルブ70の切換位置70Aのポート70Abには、それぞれ、対応するフィーダ用油圧モータ19、排出コンベア用油圧モータ48、磁選機用油圧モータ60の負荷圧力をそれぞれ検出するための負荷検出ポート68Ac,69Ac,70Acが連通されている。このとき、負荷検出ポート68Acは負荷検出管路110に接続しており、負荷検出ポート69Acは負荷検出管路111に接続しており、負荷検出ポート70Acは負荷検出管路112に接続している。
【0055】
ここで、フィーダ用油圧モータ19の負荷圧力が導かれる前記負荷検出管路110と、排出コンベア用油圧モータ48の負荷圧力が導かれる前記負荷検出管路111とは、さらにシャトル弁113を介して負荷検出管路114に接続され、シャトル弁113を介して選択された高圧側の負荷圧力はこの負荷検出管路114に導かれるようになっている。またこの負荷検出管路114と、磁選機用油圧モータ60の負荷圧力が導かれる前記負荷検出管路112とは、シャトル弁115を介して最大負荷検出管路116に接続され、シャトル弁115で選択された高圧側の負荷圧力が最大負荷圧力として最大負荷検出管路116に導かれるようになっている。
【0056】
そして、この最大負荷検出管路116に導かれた最大負荷圧力は、最大負荷検出管路116に接続する管路117,118,119,120を介して、対応する前記圧力制御弁96,99,102の一方側にそれぞれ伝達される。このとき、圧力制御弁96,99,102の他方側には前記の管路95,98,101内の圧力、すなわち絞り手段68Aa,69Aa,70Aaの下流側圧力が導かれている。
【0057】
以上により、圧力制御弁96,99,102は、コントロールバルブ68,69,70の絞り手段68Aa,69Aa,70Aaの下流側圧力と、フィーダ用油圧モータ19、排出コンベア用油圧モータ48、及び磁選機用油圧モータ60のうちの最大負荷圧力との差圧に応答して作動し、各油圧モータ19,48,60の負荷圧力の変化にかかわらず、前記の差圧を一定値に保持するようになっている。すなわち、絞り手段68Aa,69Aa,70Aaの下流側圧力を、前記の最大負荷圧力よりもばね96a,99a,102aによる設定圧分だけ高くするようになっている。
【0058】
一方、第2油圧ポンプ63の吐出管路77に接続したセンターバイパスライン78a及びセンターライン78bから分岐したブリードオフ管路121には、ばね122aを備えたリリーフ弁(アンロード弁)122が設けられている。このリリーフ弁122の一方側には、最大負荷検出管路116、これに接続する管路123を介し最大負荷圧力が導かれており、またリリーフ弁122の他方側にはポート122bを介しブリードオフ管路121内の圧力が導かれている。これにより、リリーフ弁122は、管路121及びセンターライン78b内の圧力を、前記の最大負荷圧力よりもばね122aによる設定圧分だけ高くするようになっている。すなわち、リリーフ弁122は、管路121及びセンターライン78b内の圧力が、最大負荷圧が導かれる管路123内の圧力にばね122aのばね力分が加算された圧力になったときに、管路121の圧油をポンプコントロールバルブ124を介してタンク86へと導くようになっている。以上の結果、第2油圧ポンプ63の吐出圧が最大負荷圧よりもばね122aによる設定圧分だけ高くなるロードセンシング制御が実現される。
なお、このときばね122aで設定されるリリーフ圧は、前述したリリーフ弁93及びリリーフ弁94の設定リリーフ圧よりも小さい値に設定されている。
【0059】
そして、ブリードオフ管路121のリリーフ弁122より下流側には、前記のポンプコントロールバルブ76と同様の流量−圧力変換機能をもつポンプコントロールバルブ124が設けられており、タンクライン86dに接続されるタンクライン86eと管路121とを絞り部分124aaを介して接続・遮断可能なピストン124aと、このピストン124aの両端部を付勢するばね124b,124cと、前記のパイロットポンプ64の吐出管路87にパイロット導入管路88a及びパイロット導入管路88bを介して上流側が接続されてパイロット圧が導かれ、下流側が上記タンクライン86eに接続され、かつ前記のばね124bによってリリーフ圧が可変に設定される可変リリーフ弁124dとを備えている。
【0060】
このような構成により、破砕作業時において、ポンプコントロールバルブ124は以下のように機能する。すなわち、上述したようにセンターライン78bの最下流側端は閉止されており、また破砕作業時には後述のように右走行用コントロールバルブ67は操作されないため、センターライン78bを流れる圧油の圧力は、フィーダ用コントロールバルブ68、排出コンベア用コントロールバルブ69、磁選機用コントロールバルブ70の操作量(すなわちスプールの切換ストローク量)により変化する。各コントロールバルブ68,69,70の中立時、すなわち第2油圧ポンプ63へ要求する各コントロールバルブ68,69,70の要求流量(言い換えれば各油圧モータ19,48,60の要求流量)が少ない場合には、第2油圧ポンプ63から吐出される圧油はほとんど供給管路97,100,103に導入されないため、余剰流量Qt2(後述の図7参照)としてリリーフ弁122から下流側へ導出され、ポンプコントロールバルブ124に導入される。これにより、比較的大きな流量の圧油がピストン124aの絞り部分124aaを介してタンクライン86eへ導出されるので、ピストン124aは図5中右側に移動してばね124bによるリリーフ弁124dの設定リリーフ圧が低くなり、パイロット導入管路88bから分岐して設けられ後述のネガティブ傾転制御用の第1サーボ弁132へ至る管路125に、比較的低い制御圧力(ネガコン圧)Pc2を発生する。
【0061】
逆に、各コントロールバルブが操作されて開状態となった場合、すなわち第2油圧ポンプ63への要求流量が多い場合には、ブリードオフ管路121に流れる前記余剰流量Qt2が油圧モータ19,48,60側へ流れる流量分だけ減じられるため、ピストン絞り部分124aaを介しタンクライン86eへ導出される圧油流量は比較的小さくなり、ピストン124aは図5中左側に移動してリリーフ弁124dの設定リリーフ圧が高くなるので、管路125の制御圧力Pc2は高くなる。本実施の形態では、後述するように、この制御圧力Pc2の変動に基づき、第2油圧ポンプ63の斜板63Aの傾転角を制御するようになっている(詳細は後述)。
【0062】
以上説明した、圧力制御弁96,99,102による絞り手段68Aa,69Aa,70Aaの下流側圧力と最大負荷圧力との間の制御、及びリリーフ弁122によるブリードオフ管路121内の圧力と最大負荷圧力との間の制御により、絞り手段68Aa,69Aa,70Aaの前後差圧を一定とする圧力補償機能を果たすこととなる。これにより、各油圧モータ19,48,60の負荷圧力の変化にかかわらず、コントロールバルブ68,69,70の開度に応じた流量の圧油を対応する油圧モータに供給できるようになっている。
そして、この圧力補償機能と、ポンプコントロールバルブ124からの制御圧力Pc2の出力に基づく後述の油圧ポンプ63の斜板63Aの傾転角制御とにより、結果として、第2油圧ポンプ63の吐出圧と絞り手段68Aa,69Aa,70Aaの下流側圧力との差が一定に保持されるようになっている(詳細は後述)。
【0063】
また、最大負荷圧が導かれる管路123とタンクライン86eとの間にはリリーフ弁126が設けられ、管路123内の最大圧力をばね126aの設定圧以下に制限し、回路保護を図るようになっている。すなわち、このリリーフ弁126と前記リリーフ弁122とでシステムリリーフ弁を構成しており、管路123内の圧力が、ばね126aで設定された圧力より大きくなると、リリーフ弁126の作用により管路123内の圧力がタンク圧に下がり、これによって前述のリリーフ弁122が作動しリリーフ状態となるようになっている。
【0064】
前記のレギュレータ装置71,72は、傾転アクチュエータ129,130と、第1サーボ弁131,132と第2サーボ弁133,134とを備え、これらのサーボ弁131〜134によりパイロットポンプ64や第1及び第2油圧ポンプ62,63から傾転アクチュエータ129,130に作用する圧油の圧力を制御し、第1及び第2油圧ポンプ62,63の斜板62A,63Aの傾転(すなわち押しのけ容積)を制御するようになっている。
【0065】
傾転アクチュエータ129,130は、両端に大径の受圧部129a,130a及び小径の受圧部129b,130bを有する作動ピストン129c,130cと、受圧部129a,129b及び130a,130bがそれぞれ位置する受圧室129d,129e及び130d,130eとを有する。そして、両受圧室129d,129e及び130d,130eの圧力が互いに等しいときは、作動ピストン129c,130cは受圧面積の差によって図6中右方向に移動し、これによって斜板62A,63Aの傾転は大きくなり、ポンプ吐出流量Q1,Q2が増大する。また、大径側の受圧室129d,130dの圧力が低下すると、作動ピストン129c,130cは図6中左方向に移動し、これによって斜板62A,63Aの傾転が小さくなりポンプ吐出流量Q1,Q2が減少するようになっている。なお、大径側の受圧室129d,130dは第1及び第2サーボ弁131〜134を介して、パイロットポンプ64の吐出管路87に連通する管路135に接続されており、小径側の受圧室129e,130eは直接管路135に接続されている。
【0066】
第1サーボ弁131,132のうち、レギュレータ装置71の第1サーボ弁131は前述したようにポンプコントロールバルブ76からの制御圧力(ネガコン圧)Pc1により駆動されるネガティブ傾転制御用のサーボ弁であり、レギュレータ装置72の第1サーボ弁132は、前述したようにポンプコントロールバルブ124からの制御圧力Pc2により駆動されるネガティブ傾転制御用のサーボ弁であり、これらは互いに同等の構造となっている。
【0067】
すなわち、制御圧力Pc1,Pc2が高いときは弁体131a,132aが図6中右方向に移動し、パイロットポンプ64からのパイロット圧Pp1を減圧せずに傾転アクチュエータ129,130の受圧室129d,130dに伝達し、これによって斜板62A,63Aの傾転が大きくなって第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出流量Q1,Q2を増大させる。そして制御圧力Pc1,Pc2が低下するにしたがって弁体131a,132aがばね131b,132bの力で図6中左方向に移動し、パイロットポンプ64からのパイロット圧Pp1を減圧して受圧室129d,130dに伝達し、第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出流量Q1,Q2を減少させるようになっている。
【0068】
以上により、レギュレータ装置71の第1サーボ弁131では、前述したポンプコントロールバルブ76の機能と併せてコントロールバルブ65,66の要求流量に応じた吐出流量Q1が得られるよう、具体的にはセンターバイパスライン75から流入しポンプコントロールバルブ76を通過する流量が最小となるように第1油圧ポンプ62の斜板62Aの傾転(吐出流量)を制御する、いわゆるネガティブコントロールが実現される。
【0069】
また、レギュレータ装置72の第1サーボ弁132では、前述したポンプコントロールバルブ124の機能と併せ、コントロールバルブ67,68,69,70の要求流量に応じた吐出流量Q2が得られるよう、具体的にはセンターバイパスライン78aから流入しポンプコントロールバルブ124を通過する流量が最小となるように第2油圧ポンプ63の斜板63Aの傾転(吐出流量)を制御する、いわゆるネガティブコントロールが実現される。
【0070】
以上のような構成の結果実現される、前記ポンプコントロールバルブ76,124及び前記レギュレータ装置71,72によるポンプ吐出流量の制御特性を図7及び図8を用いて説明する。
図7は、第1油圧ポンプ62から吐出されセンターバイパスライン75を介してポンプコントロールバルブ76のピストン絞り部分76aaへ導かれる前記余剰流量Qt1、又は第2油圧ポンプ63から吐出されリリーフ弁122を介してポンプコントロールバルブ124の前記ピストン絞り部分124aaへ導かれる前記余剰流量Qt2と、このときポンプコントロールバルブ76,124の前記可変リリーフ弁76d,124dの機能によって発生される前記制御圧力Pc1,Pc2との関係を表した図である。また、図8は、上記制御圧力Pc1,Pc2と第1及び第2油圧ポンプ62,63のポンプ吐出流量Q1,Q2との関係を示した図である。
【0071】
これらの図7及び図8において、コントロールバルブ65,66(又はコントロールバルブ67,70,69,68、以下対応関係同じ)の要求流量が多く第1油圧ポンプ62(又は第2油圧ポンプ63)からポンプコントロールバルブ76(又はポンプコントロールバルブ124)への余剰流量Qt1(又は余剰流量Qt2)が全くないと制御圧力Pc1(又は制御圧力Pc2)は最大値P1となり(図7中の点▲1▼)、この結果、図8中の点▲1▼′に示すように、ポンプ吐出流量Q1(又はポンプ吐出流量Q2)は最大値Qmaxとなる。
【0072】
コントロールバルブ65,66(又はコントロールバルブ67,70,69,68)の要求流量が減少して第1油圧ポンプ62(又は第2油圧ポンプ63)からポンプコントロールバルブ76(又はポンプコントロールバルブ124)への余剰流量Qt1(又はQt2)が増加するにつれて、図7中実線Aで示すように、制御圧力Pc1(又は制御圧力Pc2)は前記最大値P1からほぼ直線的に減少し、この結果、図8に示すように、ポンプ吐出流量Q1(又はポンプ吐出流量Q2)も前記最大値Qmaxからほぼ直線的に減少する。
【0073】
そして、図7において、コントロールバルブ65,66(又はコントロールバルブ67,70,69,68)の要求流量がさらに減少し余剰流量Qt1(又はQt2)がさらに増加して制御圧力Pc1(又はPc2)がタンク圧PTまで減少すると(図7中の点▲2▼)、図8中の点▲2▼′に示すようにポンプ吐出流量Q1(又はポンプ吐出流量Q2)は最小値Qminとなるが、これ以降は、可変リリーフ弁76d,124dが全開状態となり、余剰流量Qt1(又はQt2)が増加しても制御圧力Pc1(又はPc2)はタンク圧PTのままとなり、ポンプ吐出流量Q1(又はQ2)も最小値Qminのままとなる(図8中の点▲2▼′)。
【0074】
この結果、前述したように、コントロールバルブ65,66の要求流量に応じた吐出流量Q1が得られるよう第1油圧ポンプ62の斜板62Aの傾転を制御するネガティブコントロールや、コントロールバルブ67,70,69,68の要求流量に応じた吐出流量Q2が得られるよう第2油圧ポンプ63の斜板63Aの傾転を制御するネガティブコントロールを実現するようになっている。
【0075】
図4乃至図6に戻り、第2サーボ弁133,134は、いずれも入力トルク制限制御用のサーボ弁で、互いに同一の構造となっている。すなわち、第2サーボ弁133,134は、第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出圧P1,P2により作動する弁であり、それら吐出圧P1,P2が、第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出管路74,77から分岐して設けられた吐出圧検出管路136a〜c,137a〜cを介し、操作駆動部133aの受圧室133b,133c及び操作駆動部134aの受圧室134c,134bにそれぞれ導かれるようになっている。
【0076】
すなわち、第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出圧の和P1+P2によって操作駆動部133a,134aに作用する力がばね133d,134dで設定されるばね力によって弁体133e,134eに作用する力より小さいときは、弁体133e,134eは図6中右方向に移動し、パイロットポンプ64から第1サーボ弁131,132を介し導かれたパイロット圧Pp1を減圧せずに傾転アクチュエータ129,130の受圧室129d,130dに伝達し、これによって第1及び第2油圧ポンプ62,63の斜板62A,63Aの傾転を大きくして吐出流量を大きくする。
【0077】
そして、第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出圧の和P1+P2による力がばね133d,134dのばね力設定値による力よりも大きくなるにしたがって弁体133e,134eが図6中左方向に移動し、パイロットポンプ64から第1サーボ弁131,132を介し導かれたパイロット圧Pp1を減圧して受圧室129d,130dに伝達し、これによって第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出流量を減少させるようになっている。
【0078】
以上により、第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出圧P1,P2が上昇するに従って第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出流量Q1,Q2の最大値Q1max,Q2maxが小さく制限され、第1及び第2油圧ポンプ62,63の入力トルクの合計をエンジン61の出力トルク以下に制限するように第1及び第2油圧ポンプ62,63の斜板62A,63Aの傾転が制御されるいわゆる入力トルク制限制御(馬力制御)が実現される。このとき、さらに詳細には、第1油圧ポンプ62の吐出圧P1と第2油圧ポンプ63の吐出圧P2との和に応じて、第1及び第2油圧ポンプ62,63の入力トルクの合計をエンジン61の出力トルク以下に制限するいわゆる全馬力制御が実現されるようになっている。
【0079】
本実施の形態では、第1油圧ポンプ62及び第2油圧ポンプ63の両方がほぼ同一の特性に制御される。すなわち、レギュレータ装置71の第2サーボ弁133において第1油圧ポンプ62を制御するときにおける第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出圧の和P1+P2と第1油圧ポンプ62の吐出流量Q1の最大値Q1maxとの関係と、レギュレータ装置72の第2サーボ弁134において第2油圧ポンプ63を制御するときにおける第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出圧の和P1+P2と第2油圧ポンプ63の吐出流量Q2の最大値Q2maxとの関係とが、互いに略同一の関係(例えば10%程度の幅で)となるように、かつ、第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出流量Q1,Q2の最大値Q1max,Q2maxを互いに略同じ値(同)で制限するようになっている。
【0080】
前記の操作盤73は、ジョークラッシャ20を起動・停止させるためのクラッシャ起動・停止スイッチ73aと、ジョークラッシャ20の動作方向を正転又は逆転方向のいずれかに選択するためのクラッシャ正転・逆転選択ダイヤル73bと、フィーダ15を起動・停止させるためのフィーダ起動・停止スイッチ73cと、排出コンベア40を起動・停止させるための排出コンベア起動・停止スイッチ73dと、磁選機55を起動・停止させるための磁選機起動・停止スイッチ73eと、走行操作を行う走行モード及び破砕作業を行う破砕モードのいずれか一方を選択するためのモード選択スイッチ73fとを備えている。
【0081】
操作者が上記操作盤73の各種スイッチ及びダイヤルの操作を行うと、その操作信号が先に述べたコントローラ84の駆動制御部84aに入力される(後述の図9参照)。この駆動制御部84aは、操作盤73からの操作信号に基づき、前述した破砕装置用コントロールバルブ65、フィーダ用コントロールバルブ68、排出コンベア用コントロールバルブ69、磁選機用コントロールバルブ70、及びソレノイド制御弁85のソレノイド駆動部65a,65b、ソレノイド駆動部68a、ソレノイド駆動部69a、ソレノイド駆動部70a、及びソレノイド85aへの前記の駆動信号Scr,Sf,Scon,Sm,Stを生成し、対応するソレノイドにそれらを出力するようになっている。
【0082】
すなわち、操作盤73のモード選択スイッチ73fで「走行モード」が選択された場合には、ソレノイド制御弁85への駆動信号StをONにしてソレノイド制御弁85を図6中左側の連通位置85Aに切り換え、操作レバー36a,37aによる走行用コントロールバルブ66,67の操作を可能とする。操作盤73のモード選択スイッチ73fで「破砕モード」が選択された場合には、ソレノイド制御弁85への駆動信号StをOFFにして図6中右側の遮断位置85Bに復帰させ、操作レバー36a,37aによる走行用コントロールバルブ66,67の操作を不可能とする。
【0083】
また、操作盤73のクラッシャ正転・逆転選択ダイヤル73bで「正転」(又は「逆転」、以下、対応関係同じ)が選択された状態でクラッシャ起動・停止スイッチ73aが「起動」側へ押された場合、破砕装置用コントロールバルブ65のソレノイド駆動部65a(又はソレノイド駆動部65b)への駆動信号ScrをONにするとともにソレノイド駆動部65b(又はソレノイド駆動部65a)への駆動信号ScrをOFFにし、破砕装置用コントロールバルブ65を図4中上側の切換位置65A(又は下側の切換位置65B)に切り換え、第1油圧ポンプ62からの圧油を破砕装置用油圧モータ21に供給して駆動し、ジョークラッシャ20を正転方向(又は逆転方向)に起動する。
【0084】
その後、クラッシャ起動・停止スイッチ73aが「停止」側へ押された場合、破砕装置用コントロールバルブ65のソレノイド駆動部65a及びソレノイド駆動部65bへの駆動信号ScrをともにOFFにして図4に示す中立位置に復帰させ、破砕装置用油圧モータ21を停止し、ジョークラッシャ20を停止させる。
【0085】
また、操作盤73のフィーダ起動・停止スイッチ73cが「起動」側へ押された場合、フィーダ用コントロールバルブ68のソレノイド駆動部68aへの駆動信号SfをONにして図5中上側の切換位置68Aに切り換え、第2油圧ポンプ63からの圧油をフィーダ用油圧モータ19に供給して駆動し、フィーダ15を起動する。その後、操作盤73のフィーダ起動・停止スイッチ73cが「停止」側へ押されると、フィーダ用コントロールバルブ68のソレノイド駆動部68aへの駆動信号SfをOFFにして図5に示す中立位置に復帰させ、フィーダ用油圧モータ19を停止し、フィーダ15を停止させる。
【0086】
同様に、排出コンベア起動・停止スイッチ73dが「起動」側へ押された場合、排出コンベア用コントロールバルブ69を図5中上側の切換位置69Aに切り換え、排出コンベア用油圧モータ48を駆動して排出コンベア40を起動し、排出コンベア起動・停止スイッチ73dが「停止」側へ押されると、排出コンベア用コントロールバルブ69を中立位置に復帰させ、排出コンベア40を停止させる。
【0087】
また、磁選機起動・停止スイッチ73eが「起動」側へ押された場合、磁選機用コントロールバルブ70を図5中上側の切換位置70Aに切り換え、磁選機用油圧モータ60を駆動して磁選機55を起動し、磁選機起動・停止スイッチ73eが「停止」側へ押されると、磁選機用コントロールバルブ70を中立位置に復帰させ、磁選機55を停止させる。
【0088】
このような構成の自走式破砕機において、本実施の形態の最大の特徴は、無負荷運転時に自走式破砕機のエンジン回転数を自動的にアイドリング回転数とし、破砕作業開始時には、操作者が手動による遠隔操作にて自走式破砕機の外部よりエンジン回転数をアイドリング回転数から定常回転数に戻すことができるようにしたことである。以下、この詳細について説明する。
【0089】
前記の図4乃至図6において、200はエンジン61の回転数を操作者が手動で設定入力するスロットル装置、138はエンジン61へ燃料を噴射する燃料噴射手段としての燃料噴射装置、139はこの燃料噴射装置138の燃料噴射量を制御する燃料噴射制御装置、140はエンジン61の回転数を検出する回転数センサ、202は左走行用コントロールバルブ66に係わるパイロット管路79,80に接続されたシャトル弁201を介しパイロット管路79,80の最大パイロット圧を検出する圧力センサ、204は右走行用コントロールバルブ67に係わるパイロット管路81,82に接続されたシャトル弁203を介しパイロット管路81,82の最大パイロット圧を検出する圧力センサ、206,207は破砕装置用コントロールバルブ65と破砕装置用油圧モータ21との間の前記供給管路205a,205b内の負荷圧力をそれぞれ検出する圧力センサ、208はフィーダ用コントロールバルブ68とフィーダ用油圧モータ19との間の供給管路97内の負荷圧力を検出する圧力センサ、209はオートアイドル機能(ジョークラッシャ20、フィーダ15、排出コンベア40、磁選機55、及び走行体1のすべてが停止状態となるか、走行体1が停止状態でかつジョークラッシャ20及びフィーダ15が空運転状態となったときにエンジン回転数をアイドリング回転数に低下させる機能)を実行するかどうかを操作者が手動で選択する選択スイッチである。
【0090】
上記スロットル装置200からのエンジン回転数の設定信号、回転数センサ140からの回転数信号、圧力センサ202,204,206,207,208で検出された各圧力検出信号、及び選択スイッチ209からの選択信号は、コントローラ84(正確には後述のエンジン制御部84b)に出力されるようになっている。図9はこのコントローラ84の機能を示す機能ブロック図である。
【0091】
この図9に示すように、コントローラ84は、前記の駆動制御部84aと共にエンジン回転数を制御するエンジン制御部84bを備えている。このエンジン制御部84bには上記の各信号が入力されるようになっており、またこのエンジン制御部84bは駆動制御部84aから駆動信号Scr,Sf,Scon,Smをそれぞれ読み出すようになっている。
【0092】
またこの図9において、300は被破砕物をホッパ12に投入するための油圧ショベル、301はこの油圧ショベル300の例えば運転室に配置された送信器、302はこの送信機と接続された増幅器、303はこの増幅器にケーブル304を介して接続されたフットスイッチ、305は自走式破砕機の例えば前記の操作盤73に併設された受信器である。図10は、上記油圧ショベル300の運転室内に設けたフットスイッチ303の配置状態を示した図であり、この図10に示すようにフットスイッチ303は油圧ショベル300の運転シート307の足元に配置されている。これにより、操作者がフットスイッチ303を足で押すと、このフットスイッチ303から入力され増幅器302で増幅された復帰信号Sreが送信機301で所定の変換処理を施され、電波信号として受信器305に送信され、受信器305はこの電波信号に送信機301と逆の変換処理を施して復帰信号Sreに復元した後、上記エンジン制御部84bに出力するようになっている。これにより、操作者は油圧ショベル300の操作レバー306を離さずに油圧ショベル300の操作を継続しながら復帰信号Sreを自走式破砕機に送信できるようになっている。なお、上記フットスイッチ303はケーブル304の長さ範囲内において任意に移動可能に設けてあり、操作者が適宜自分の足位置に合わせることができるようになっている。また、このフットスイッチ303は例えば内蔵された電池により電源供給されている(又は運転室内に設けられたシガーライター等を用いて油圧ショベル300側から電源供給するようにしてもよい)。
【0093】
上記エンジン制御部84bは、入力された選択信号、エンジン回転数の設定信号、圧力検出信号、及び復帰信号Sreと、駆動制御部84aから読み出した駆動信号Scr,Sf,Scon,Smに基づいて、各機器(ジョークラッシャ20、フィーダ15、排出コンベア40、磁選機55、及び走行体1)の動作状態及びジョークラッシャ20及びフィーダ15の運転状態の判断を行い、上記燃料噴射制御装置139に制御信号Senを出力する。燃料噴射制御装置139は、この制御信号Senに基づき、燃料噴射装置138に備えられた例えば公知の燃料噴射ポンプの燃料噴射量を制御する。この燃料噴射量に応じてエンジン61の回転数が決まり、この回転数は上記回転数センサ140で検出されてエンジン制御部84bにフィードバックされる。このようにして、エンジン61の回転数は、エンジン制御部84bによって制御されるようになっている。図11は、このエンジン制御部84bの制御内容を表すフローチャートである。なお、コントローラ84は例えば電源が投入された時点からこの図11に示すフローを開始し、電源が投入されている間はこのフローを繰り返すようになっている。
【0094】
この図11において、まず、ステップ100で、選択スイッチ209での選択が、オートアイドル機能を行うON位置となっているかどうかを判定する。選択スイッチ209での選択がオートアイドル機能を行わないOFF位置である場合には、判定が満たされずにステップ140に移り、エンジン61の回転数がスロットル装置200で設定した回転数となるように、燃料噴射装置138からの燃料噴射量を制御する制御信号Senを燃料噴射制御装置139に出力し、最初に戻る。一方、選択スイッチ209がON位置である場合は、判定が満たされて次のステップ110に移る。
【0095】
ステップ110では、圧力センサ202,204(図4参照)の検出信号に基づき、自走式破砕機が走行状態であるか非走行状態であるかを判定する。具体的には、例えば圧力センサ202,204での検出圧力がいずれも0近傍の所定のしきい値未満であれば、操作レバー装置36,37の操作レバー36a,37aがいずれも操作されていないこととなるため、自走式破砕機が非走行状態であると判定し、検出圧力の少なくとも一方がそのしきい値以上であれば、自走式破砕機が走行状態であると判定する。これにより、自走式破砕機が走行状態であると判定した場合には、ステップ140に移ってエンジン回転数を設定回転数とする。一方、自走式破砕機が非走行状態であると判定した場合には、次のステップ115に移る。
【0096】
ステップ115では、前記の受信器305から復帰信号Sreが入力されたかどうかどうかを判定する。復帰信号Sreが入力されていれば、判定が満たされてステップ140に移り、エンジン回転数を設定回転数とする。復帰信号Sreが入力されていなければ、判定が満たされずに次のステップ120に移る。
【0097】
ステップ120では、フィーダ15、ジョークラッシャ20、排出コンベア40、及び磁選機55のうち少なくとも1つの機器が動作状態であるかどうかを判定する。具体的には、駆動制御部84aから読み出した駆動信号Scr,Sf,Scon,Sm(の例えば電流値)が0近傍の所定のしきい値以上であるかどうかを判定する。すなわち、駆動信号Scr,Sf,Scon,Smが全て所定のしきい値より小さければ全機器が停止状態であると判定し、いずれかの駆動信号が所定のしきい値以上であれば少なくとも1つの機器が動作状態であると判定する。これにより、少なくとも1つの機器が動作状態であると判定した場合には、次のステップ121に移る。
【0098】
ステップ121では、フィーダ15が動作状態であるかどうかを判定する。すなわち、駆動信号Sfが0近傍の所定のしきい値以上であるかどうかを判定する。動作状態である場合には、判定が満たされて次のステップ122に移る。
【0099】
ステップ122では、フィーダ15が実運転状態(=フィーダ15が被破砕物をジョークラッシャ20へ送り込んでいる状態)であるか空運転状態(=フィーダ15に被破砕物が存在せず無負荷運転をしている状態)であるかを判定する。
具体的には、圧力センサ208(図5参照)での検出圧力が所定のしきい値以上であるかどうかを基準にする。実運転状態であった場合には判定が満たされてステップ140へ移り、エンジン回転数を設定回転数とする。
【0100】
上記ステップ121又はステップ122の判定が満たされなかった場合には、ステップ123へ移る。ステップ123では、ジョークラッシャ20が動作状態であるかどうかを判定する。これも上記フィーダと同様に、駆動信号Scrが0近傍の所定のしきい値以上であるかどうかを判定する。動作状態である場合には判定が満たされて次のステップ124に移る。
【0101】
ステップ124では、ジョークラッシャ20が実運転状態(=ジョークラッシャ20が被破砕物を破砕している状態)であるか空運転状態(=ジョークラッシャ20に被破砕物が存在せず無負荷運転をしている状態)であるかを判定する。
これは、圧力センサ206,207(図4参照)のうちいずれか一方の検出圧力が所定のしきい値以上であるかどうかを基準にする。実運転状態である場合には判定が満たされてステップ140へ移り、エンジン回転数を設定回転数とする。
【0102】
先のステップ120で全機器が停止状態である場合、ステップ123でジョークラッシャ20が停止状態である場合、又はステップ124でジョークラッシャ20が空運転状態である場合には、いずれも判定が満たされず、ステップ130に移る。このステップ130では、スロットル装置200での設定回転数に関係なく、エンジン61の回転数をアイドリング回転数(=予め定められた回転数、例えばスロットル装置200で設定し得る最も低い回転数より低い回転数)に制限するための制御信号Senを燃料噴射制御装置139に出力し、最初に戻る。
【0103】
以上において、フィーダ15、排出コンベア40、及び磁選機55は特許請求の範囲各項記載の破砕装置による破砕作業に関連する作業を行う補助機械を構成し、これらフィーダ15、排出コンベア40、及び磁選機55とジョークラッシャ20及び走行装置2とが破砕装置及びこの破砕装置による破砕作業に関連する作業を行う補助機械を含む複数の機器を構成し、左・右走行用油圧モータ8L,8R、破砕装置用油圧モータ21、フィーダ用油圧モータ19、排出コンベア用油圧モータ48、及び磁選機用油圧モータ60は複数の機器をそれぞれ駆動する複数の油圧アクチュエータを構成する。また、フィーダ15とジョークラッシャ20とは、破砕装置を含む所定の機器をも構成する。
【0104】
また、燃料噴射制御装置139は原動機の回転数を制御する回転数制御手段を構成し、フットスイッチ303は自走式破砕機外に設けた第1の遠隔操作手段を構成し、受信器305は第1の遠隔操作手段の操作信号を受信する受信手段を構成し、コントローラ84(詳細にはエンジン制御部84b)は第1の制御手段を構成する。
【0105】
次に、上記構成の本発明の自走式破砕機の原動機制御装置の一実施の形態の動作及び作用を以下に説明する。
破砕作業時には、まず、操作者は、スロットル装置200のダイヤル(図示せず)を操作し、エンジン61の回転数を適宜設定する。この回転数は、例えば、破砕作業中に破砕用油圧モータ21に加わる最大負荷に応じた圧油を第1油圧ポンプ62が吐出できるような比較的高めの回転数とする。そして、オートアイドル機能を実行させる場合には、操作者は選択スイッチ209をオートアイドル機能を行うON位置とする。
【0106】
次に、操作者は、操作盤73のモード選択スイッチ73fで「破砕モード」を選択して走行操作を不可能にした後、磁選機起動・停止スイッチ73e、排出コンベア起動・停止スイッチ73d、クラッシャ起動・停止スイッチ73a、及びフィーダ起動・停止スイッチ73cを順次「起動」側へ押す。
【0107】
上記の操作により、コントローラ84から磁選機用コントロールバルブ70のソレノイド駆動部70aへの駆動信号SmがONになって磁選機用コントロールバルブ70が図5中上側の切換位置70Aに切り換えられ、またコントローラ84から排出コンベア用コントロールバルブ69のソレノイド駆動部69aへの駆動信号SconがONになって排出コンベア用コントロールバルブ69が図5中上側の切換位置69Aに切り換えられる。さらに、コントローラ84から破砕装置用コントロールバルブ65のソレノイド駆動部65aへの駆動信号ScrがONになるとともにソレノイド駆動部65bへの駆動信号ScrがOFFになり、破砕用コントロールバルブ65が図4中上側の切換位置65Aに切り換えられ、またフィーダ用コントロールバルブ68のソレノイド駆動部68aへの駆動信号SfがONになってフィーダ用コントロールバルブ68が図5中上側の切換位置68Aに切り換えられる。
【0108】
これにより、第2油圧ポンプ63からの圧油がセンターバイパスライン78a及びセンタライン78bへ導入され、さらに磁選機用油圧モータ60、排出コンベア用油圧モータ48、及びフィーダ用油圧モータ19に供給され、磁選機55、排出コンベア40、及びフィーダ15が起動される。一方、第1油圧ポンプ62からの圧油が破砕装置用油圧モータ65に供給されてジョークラッシャ20が正転方向に起動される。
【0109】
このようにして各機器を駆動した後、油圧ショベル300によりホッパ12に被破砕物を投入すると、ホッパ12で受け入れられた被破砕物は、フィーダ15によって搬送される。このとき、櫛歯プレート17の櫛歯間の間隙よりも小さなもの(ズリ等)は、櫛歯間の隙間からシュート14を介して排出コンベア40上に導かれ、それより大きなものはジョークラッシャ20へと搬送される。ジョークラッシャ20に搬送された被破砕物は、固定歯及び動歯により所定の粒度に砕かれ、下方の排出コンベア40上に落下する。排出コンベア40上に導かれた破砕物やズリ等は、後方(図1中右側)に向かって搬送され、その途中で磁選機55により鉄筋等の異物を吸着除去された上で、最終的に機外に排出される。
【0110】
このようにして行われる一連の破砕作業は、通常、連続的に行われるが、例えば油圧ショベル300が排出物を片付ける等の作業を行うことにより投入作業が一時中断する場合がある。このような投入作業中断時は、各機器は駆動を維持しつつ被破砕物がほとんど存在しない無負荷状態(すなわち空運転状態)となる。
また、破砕作業の開始時においても、操作者が自走式破砕機の各機器を起動した後、油圧ショベル300に乗り込み被破砕物の投入作業を行うまでの間は同様に空運転状態となる。このとき、フィーダ15及びジョークラッシャ20が無負荷の空運転状態であることが圧力センサ206,207,208を介して検出され、また走行停止状態であることがシャトル弁201,203及び圧力センサ202,204を介して検出される。そして、操作者がフットスイッチ303を押していない場合、コントローラ84のエンジン制御部84bの制御フローにおいては、図11中ステップ100、ステップ110、及びステップ115を介してステップ120での判定が満たされ、その先のステップ122及びステップ124の判定が満たされなくなる。これにより、次のステップ130で、エンジン制御部84bからの制御信号Senに基づいて燃料噴射制御装置139が燃料噴射装置138を制御し、エンジン61の回転数が低速のアイドリング回転数に制限される。
【0111】
次に、破砕作業を開始する際には、操作者は油圧ショベル300に乗り込み、この油圧ショベル300を操作して被破砕物を自走式破砕機のホッパ12に投入する。このとき、前述の従来技術のように、事前にエンジン回転数をアイドリング回転数から定常回転数に復帰する手段がない構造においては、上記ホッパ12に投入された被破砕物がフィーダ15及びジョークラッシャ20に導入されると、これらフィーダ15及びジョークラッシャ20が実運転状態に復帰したことが圧力センサ206,207,208を介して検出され、図11に示すエンジン制御部84bの制御フローにおいては、ステップ122の判定が満たされて、ステップ140でエンジン61の回転数がスロットル装置200で設定した回転数(定常回転数)に復帰される状態となる。このように、ホッパ12に投入された被破砕物がフィーダ15又はジョークラッシャ20に導入されて初めて、エンジン回転数が定常回転数に復帰し、その結果ジョークラッシャ20が定常駆動し始めることとなるが、通常、ジョークラッシャのような破砕装置は慣性力が大きいため定常駆動に復帰するまでに時間がかかるので、ジョークラッシャ20が完全に定常駆動に復帰していない状態で被破砕物がこのジョークラッシャ20導入されることとなり、駆動力不足による破砕生産物の不均一、更にはジョークラッシャ20の停止といった事態を招く恐れがあった。
【0112】
これに対し、本実施の形態によれば、油圧ショベル300で被破砕物の投入を行う前に操作者がその油圧ショベル300の運転室内でフットスイッチ303を足で押すことで、油圧ショベル300に設けられた送信器301から自走式破砕機に設けられた受信器305にその復帰信号Sreが送信され、この受信器305からエンジン制御部84bにその復帰信号Sreが入力される。これにより、図11に示すエンジン制御部84bの制御フローにおいては、ステップ115の判定が満たされてステップ140に進み、エンジン61の回転数がアイドリング回転数から定常回転数に復帰される状態となる。このようにして、操作者は被破砕物の投入を行う前に、事前にエンジン回転数を定常回転数に復帰してジョークラッシャ20を定常駆動とした上で、油圧ショベル300で被破砕物をホッパ12に投入することが可能となる。これにより、上記駆動力不足による破砕生産物の不均一及びジョークラッシャ20の停止を招くことなく、定常通り破砕作業を行うことができる。したがって、本実施の形態によれば、空運転時には自走式破砕機をアイドリング運転することでエネルギロスを低減し、且つ適宜に定常運転に復帰させて破砕作業を行うことができるので、定常性を確保しつつエネルギロスを低減することができる。さらに本実施の形態によれば、フットスイッチ303を用いることで油圧ショベル300の操作レバー306を離さずにこの油圧ショベルの操作(例えば走行操作等)を継続しながら自走式破砕機を定常運転に復帰することができるので、作業効率を向上することができる。
【0113】
なお、上記本発明の一実施の形態においては、フットスイッチ303を用いてアイドリング運転から定常運転への復帰のみを行うようにしたが、これに限らず、定常運転からアイドリング運転への切り換えについても遠隔操作で任意に変更できるようにしてもよい。この場合、特に図示はしないが、例えば足で押す度に定常→アイドリング→定常→アイドリングといったように運転を切り換え可能であるフットスイッチ303′を設けてもよいし、また、例えばフットスイッチ303とは別に定常運転からアイドリング運転への切換用のフットスイッチ310を設けてもよく、それと共にこれらのフットスイッチの操作信号に応じて燃料噴射制御装置139に制御信号Sen′を出力してエンジン回転数を制御する機能を備えたコントローラ84′を設けるようにすればよい。なお、本変形例においては、フットスイッチ303,310又はフットスイッチ303′は請求項4及び8記載の第2の遠隔操作手段を構成し、コントローラ84′は第2の制御手段を構成する。
【0114】
また、上記本発明の一実施の形態においては、遠隔操作手段としてフットスイッチを用いたが、これに限らない。すなわち、例えば操作レバー306に一体的又は別付けで設けたスイッチを遠隔操作手段として用いてもよい。この場合も上記一実施の形態のフットスイッチを用いる場合と同様に、操作者は油圧ショベルの操作を継続しながら同時に自走式破砕機を定常運転に復帰することが可能である。また、例えば運転シート307の側方側に位置するコンソールボックス等に設けられたスイッチを用いてもよい。なお、これらのスイッチは、例えば運転室内に設けられたシガーライター等より適宜のケーブルを介して油圧ショベル300本体から電源を供給されるようにすれば足りる(又は電池を内蔵するようにしてもよい)。
【0115】
次に、本発明の自走式破砕機の原動機制御装置の他の実施の形態を図12及び図13を用いて説明する。本実施の形態は、自走式破砕機が無負荷運転状態のときにエンジン回転数を自動的にスタンバイ回転数に制御するものである。
本実施の形態の自走式破砕機の構成と前述の一実施の形態の自走式破砕機の構成とにおいて相違する点は、前述の一実施の形態で設けた遠隔操作手段及び送受信手段であるフットスイッチ303、増幅器302、送信機301、受信器305を設けないようにしたことと、エンジン61の回転数を自動的にスタンバイ回転数にするかどうかを選択する選択スイッチを設けたことと、コントローラの制御内容のみである。その他の構成はほぼ同等であるので説明を省略する。
【0116】
図12は、本実施の形態のコントローラの機能を示す機能ブロック図である。
この図12において、コントローラ84″は、駆動制御部84″aとエンジン制御部84″bとを備えている。上記駆動制御部84″aは前述の一実施の形態における駆動制御部84aと同等の機能を有しており、操作盤73からの操作信号に基づき、各コントロールバルブ(破砕装置用コントロールバルブ65、フィーダ用コントロールバルブ68、排出コンベア用コントロールバルブ69、磁選機用コントロールバルブ70、及びソレノイド制御弁85)に対し駆動信号Scr,Sf,Scon,Sm,Stをそれぞれ出力するようになっている。
【0117】
また、209′は、オートスタンバイ機能(ジョークラッシャ20、フィーダ15、排出コンベア40、磁選機55、及び走行体1のすべてが停止状態となるか、走行体1が停止状態でかつジョークラッシャ20及びフィーダ15が空運転状態となったときにエンジン回転数をスタンバイ回転数に低下させる機能)を実行するかどうかを操作者が手動で選択する選択スイッチである。
【0118】
エンジン制御部84″bは、選択スイッチ209′から入力された選択信号、スロットル装置200から入力されたエンジン回転数の設定信号、及び圧力センサ202,204,206,207,208からそれぞれ入力された圧力検出信号と、上記駆動制御部84″aから読み出した駆動信号Scr,Sf,Scon,Smに基づいて、各機器(ジョークラッシャ20、フィーダ15、排出コンベア40、磁選機55、及び走行体1)の動作状態及びジョークラッシャ20及びフィーダ15の運転状態の判断を行い、燃料噴射制御装置139に制御信号Sen″を出力する。燃料噴射制御装置139は、この制御信号Sen″に基づき、燃料噴射装置138を制御してエンジン61の回転数を制御するようになっている。
【0119】
図13は、上記エンジン制御部84″bの制御内容を表すフローチャートである。なお、コントローラ84″は例えば電源が投入された時点からこの図13に示すフローを開始し、電源が投入されている間はこのフローを繰り返すようになっている。
この図13において、まず、ステップ200で、選択スイッチ209′での選択が、オートスタンバイ機能を行うON位置となっているかどうかを判定する。
選択スイッチ209′での選択がオートスタンバイ機能を行わないOFF位置となっていた場合には、判定が満たされずにステップ240に移り、エンジン61の回転数がスロットル装置200での設定回転数となる。一方、選択スイッチ209′がON位置である場合は、判定が満たされて次のステップ210に移る。
【0120】
ステップ210では、前述の一実施の形態における図11中ステップ110と同様に、圧力センサ202,204(図4参照)の検出信号に基づいて自走式破砕機が走行状態であるか非走行状態であるかを判定する。自走式破砕機が走行状態である場合には、判定が満たされてステップ240に移り、エンジン回転数を設定回転数とする。一方、自走式破砕機が非走行状態である場合には、次のステップ220に移る。
【0121】
ステップ220では、フィーダ15、ジョークラッシャ20、排出コンベア40、及び磁選機55のうち少なくとも1つの機器が動作状態であるかどうかを、駆動制御部84″aから読み出した駆動信号Scr,Sf,Scon,Smに基づいて判定する。少なくとも1つの機器が動作状態である場合には、次のステップ221に移る。
【0122】
ステップ221では、フィーダ15が動作状態であるかどうかを、駆動信号Sfに基づいて判定する。動作状態である場合には判定が満たされて次のステップ222に移る。
【0123】
ステップ222では、フィーダ15が実運転状態であるか空運転状態であるかを圧力センサ208(図5参照)の検出圧力に基づいて判定する。実運転状態である場合には判定が満たされてステップ240へ移り、エンジン回転数を設定回転数とする。
【0124】
上記ステップ221又はステップ222の判定が満たされない場合は、ステップ223へ移る。ステップ223では、ジョークラッシャ20が動作状態であるかどうかを駆動信号Scrに基づいて判定する。動作状態である場合には判定が満たされて次のステップ224に移る。
【0125】
ステップ224では、ジョークラッシャ20が実運転状態であるか空運転状態であるかを圧力センサ206,207(図4参照)のうちいずれか一方の検出圧力に基づいて判定する。実運転状態である場合には判定が満たされてステップ240へ移り、エンジン回転数を設定回転数とする。
【0126】
先のステップ220で全機器が停止状態である場合、ステップ223でジョークラッシャ20が停止状態である場合、又はステップ224でジョークラッシャ20が空運転状態である場合は、いずれも判定が満たされず、ステップ230に移る。このステップ230では、スロットル装置200での設定回転数に関係なく、エンジン61の回転数を予め定められたスタンバイ回転数に制限するための制御信号Sen″を燃料噴射制御装置139に出力し、最初に戻る。
【0127】
以上において、コントローラ84″(詳細にはエンジン制御部84″b)は第3の制御手段を構成し、このコントローラ84″と圧力センサ202,204,206,207,208とが空運転状態であることを検出する検出手段を構成する。
【0128】
以上のような構成の本発明の他の実施の形態の動作及び作用を以下に説明する。
本実施の形態の自走式破砕機においては、無負荷運転時等に、コントローラ84″のエンジン制御部84″bが、各圧力センサ202,204,206,207,208で検出した圧力検出値と駆動制御部84″aから読み出した駆動信号Scr,Sf,Scon,Smとに基づいて、走行体1が停止且つフィーダ15とジョークラッシャ20とが空運転状態であることを検出した場合に、このエンジン制御部84″bが制御信号Sen″を燃料噴射制御装置139に出力して燃料噴射装置138を制御することで、エンジン61の回転数が低速のスタンバイ回転数に制限される。
【0129】
このとき、本実施の形態によれば、スタンバイ回転数を、スロットル装置200で設定した回転数(定常回転数)よりも小さく、前述の一実施の形態におけるアイドリング回転数よりも大きな回転数として予め設定している。これにより、空運転時のエネルギロスを低減することができ、且つ破砕作業時には素早く定常回転数に復帰することができるようになっており、その結果、本実施の形態のように破砕装置が慣性力が大きく定常駆動に復帰するために時間がかかるジョークラッシャである場合でも、破砕作業時にはエンジン回転数がスタンバイ回転数から定常回転数に素早く復帰してジョークラッシャ20を比較的早く定常運転に戻すことができる。したがって、前述の従来技術のように駆動力不足による破砕生産物の不均一及び破砕装置の停止を招くことなく、定常通り破砕作業を行うことができる。
【0130】
以上のように、本実施の形態によれば、フィーダ15やジョークラッシャ20が空運転状態であるときにはスタンバイ運転とすることで余分な動力消費を抑えてエネルギロスを低減することができ、且つ、破砕作業を行う際には素早く定常運転に復帰することができる。したがって、定常性を確保しつつエネルギロスを低減することができる。
【0131】
なお、上記本発明の一実施の形態及び他の実施の形態においては本発明の原動機制御装置をジョークラッシャについて適用した例を説明したが、これに限らず、他の破砕装置、例えば被破砕物をせん断して所定の大きさに破砕するせん断式の破砕装置(いわゆる2軸シュレッダ等)や、ロール状の回転体に破砕用の刃を取り付けたものを一対としてそれら一対を互いに逆方向へ回転させる回転式破砕装置(いわゆるロールクラッシャを含む6軸破砕機等)や、複数個の刃物を備えた打撃板を高速回転させ、この打撃板からの打撃及び反発板との衝突を用いて被破砕物を衝撃的に破砕する破砕装置(いわゆるインパクトクラッシャ)や、木材を破砕ビットを備えた破砕ロータに投入することにより細片にする木材破砕装置を備えた自走式破砕機にも適用可能である。
【0132】
【発明の効果】
本発明によれば、油圧ショベルから遠隔操作にて自走式破砕機の原動機の回転数をアイドリング回転数から定常回転数に復帰させて破砕装置を通常駆動とした上で、被破砕物をホッパに投入することが可能である。これにより、駆動力不足による破砕生産物の不均一及び破砕装置の停止を招くことなく、定常通り破砕作業を行うことができる。したがって、空運転時には自走式破砕機をアイドリング運転することでエネルギロスを低減し、且つ適宜に定常運転に復帰させて破砕作業を行うことができるので、定常性を確保しつつエネルギロスを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原動機制御装置の一実施の形態を備える自走式破砕機の全体構造を表す側面図である。
【図2】本発明の原動機制御装置の一実施の形態を備える自走式破砕機の全体構造を表す上面図である。
【図3】本発明の原動機制御装置の一実施の形態を備える自走式破砕機の全体構造を表す図1中左側から見た正面図である。
【図4】本発明の原動機制御装置の一実施の形態を備える自走式破砕機の油圧駆動装置の全体構成を表す油圧回路図である。
【図5】本発明の原動機制御装置の一実施の形態を備える自走式破砕機の油圧駆動装置の全体構成を表す油圧回路図である。
【図6】本発明の原動機制御装置の一実施の形態を備える自走式破砕機の油圧駆動装置の全体構成を表す油圧回路図である。
【図7】本発明の原動機制御装置の一実施の形態を備える自走式破砕機における、第1油圧ポンプから吐出されセンターバイパスラインを介してポンプコントロールバルブのピストン絞り部分へ導かれる余剰流量、及び第2油圧ポンプから吐出されリリーフ弁を介してポンプコントロールバルブのピストン絞り部分へ導かれる余剰流量と、このときポンプコントロールバルブの可変リリーフ弁の機能によって発生される制御圧力との関係を表す図である。
【図8】本発明の原動機制御装置の一実施の形態を備える自走式破砕機における、制御圧力と第1及び第2油圧ポンプのポンプ吐出流量との関係を示す図である。
【図9】本発明の原動機制御装置の一実施の形態を構成するコントローラの機能を示す機能ブロック図である。
【図10】本発明の原動機制御装置の一実施の形態を構成するフットスイッチの、被破砕物を投入する油圧ショベルの運転室内での配置状態を表す図である。
【図11】本発明の原動機制御装置の一実施の形態を構成するコントローラの機能のうち、オートアイドル機能に係わる制御内容を表すフローチャートである。
【図12】本発明の原動機制御装置の他の実施の形態を構成するコントローラの機能を示す機能ブロック図である。
【図13】本発明の原動機制御装置の他の実施の形態を構成するコントローラの機能のうち、オートスタンバイ機能に係わる制御内容を表すフローチャートである。
【符号の説明】
2 走行装置(複数の機器)
8L,8R 左・右走行用油圧モータ(複数の油圧アクチュエータ)
15 フィーダ(補助機械;複数の機器;所定の機器)
19 フィーダ用油圧モータ(複数の油圧アクチュエータ)
20 ジョークラッシャ(破砕装置;複数の機器;所定の機器)
21 破砕装置用油圧モータ(複数の油圧アクチュエータ)
40 排出コンベア(補助機械;複数の機器)
48 排出コンベア用油圧モータ(複数の油圧アクチュエータ)
55 磁選機(補助機械;複数の機器)
60 磁選機用油圧モータ(複数の油圧アクチュエータ)
61 エンジン(原動機)
62 第1油圧ポンプ
63 第2油圧ポンプ
84 コントローラ(第1の制御手段)
84′ コントローラ(第2の制御手段)
84″ コントローラ(第3の制御手段;検出手段)
139 燃料噴射制御装置(回転数制御手段)
202 圧力センサ(検出手段)
204 圧力センサ(検出手段)
206 圧力センサ(検出手段)
207 圧力センサ(検出手段)
208 圧力センサ(検出手段)
300 油圧ショベル
303 フットスイッチ(第1の遠隔操作手段;第2の遠隔操作手段)
303′ フットスイッチ(第2の遠隔操作手段)
305 受信器(受信手段)
310 フットスイッチ(第2の遠隔操作手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジョークラッシャ、ロールクラッシャ、シュレッダ、木材破砕機等の自走式破砕機の原動機制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自走式破砕機は、左・右の無限軌道履帯を備えた走行体と、被破砕物を所定の大きさに破砕する破砕装置と、ホッパから投入された被破砕物を上記破砕装置へ導くフィーダを含み、上記破砕装置による破砕作業に関連する作業を行う補助機械と、これら破砕装置及び補助機械を含む複数の機器をそれぞれ駆動する油圧アクチュエータ(破砕装置用油圧モータ、フィーダ用油圧モータ等)と、これら油圧アクチュエータを駆動する圧油を吐出する油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動する原動機(エンジン)とを備えている。
【0003】
このように構成される自走式破砕機において、従来より、上記複数の機器のうちの所定の機器が停止状態か、又はフィーダ及び破砕装置が空運転である場合に、エンジン回転数を定常回転数からアイドリング回転数に低下させるものがある(例えば、特許文献1参照)。これにより、例えば破砕作業において、実質破砕作業をしていないときにエンジン回転数を低下させることで、エネルギロスを低減することができるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−136739
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では以下のような課題が存在する。
すなわち、上記従来技術においては、フィーダ又は破砕装置に負荷が生じて初めてエンジン回転数がアイドリング回転数から定常回転数に復帰するようになっているため、フィーダや破砕装置はこれらフィーダや破砕装置に被破砕物が導入され負荷が生じて初めて定常駆動に復帰し始めることになる。このとき、例えば固定歯に対して動歯を揺動させこれらの間に被破砕物を導入して破砕を行うジョークラッシャや、破砕ビットを備えた破砕ロータを回転させて被破砕物である木材を破砕する木材破砕機等のように、破砕装置の慣性力が大きく定常運転に復帰するために時間がかかる自走式破砕機においては、復帰が完了していない状態の破砕装置に被破砕物が導入されることとなり、駆動力不足による破砕生産物の不均一、更には破砕装置の停止といった事態を招く恐れがあった。
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、定常性を確保しつつエネルギロスを低減することができる自走式破砕機の原動機制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、破砕装置及びこの破砕装置による破砕作業に関連する作業を行う補助機械を含む複数の機器と、これら複数の機器をそれぞれ駆動する複数の油圧アクチュエータと、これら複数の油圧アクチュエータに圧油を供給する油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動する原動機とを備える自走式破砕機の原動機制御装置において、前記原動機の回転数を制御する回転数制御手段と、自走式破砕機外に設けた第1の遠隔操作手段の操作信号を受信する受信手段と、この受信手段で受信した操作信号に基づき、少なくとも前記原動機の回転数が予め設定したアイドリング回転数からそれ以上の回転数となるように、前記回転数制御手段を制御する第1の制御手段とを備えるものとする。
【0008】
本発明の原動機制御装置を備える自走式破砕機においては、例えば、油圧ショベル等によりホッパに被破砕物が投入されると、投入された被破砕物はフィーダによって搬送され、破砕装置で所定の大きさに破砕される。破砕された破砕物は、排出コンベアで搬送されつつ、その途中で磁選機により鉄筋等の異物を吸着除去された上で、最終的に機外に排出される。
【0009】
以上のようにして行われる一連の破砕作業は、通常、連続的に行われるが、例えば投入機である油圧ショベルが排出物を片付ける等の作業を行うことにより投入作業が一時中断する場合がある。このような投入作業中断時や上記破砕作業の開始時(操作者が自走式破砕機の各機器を起動してから被破砕物を投入するまでの間)には、破砕装置及びこの破砕装置による破砕作業に関連する作業を行う補助機械を含む複数の機器(上記フィーダ、排出コンベア、磁選機等)が、駆動されてはいるが被破砕物が導入されていない空運転状態となることがある。このとき、例えば、第1の制御手段で回転数制御手段を制御して、原動機の回転数を予め設定した定常回転数より低いアイドリング回転数にするものとする。
【0010】
このアイドリング運転状態で、操作者は上記油圧ショベルを操作して被破砕物を自走式破砕機のホッパに投入する。このとき、前述の従来技術のようにフィーダ又は破砕装置に負荷が生じて初めて原動機回転数を定常回転数に復帰する構造においては、ホッパに投入された被破砕物がフィーダ又は破砕装置に導入されて初めて破砕装置が定常駆動し始めることとなるので、例えば固定歯に対して動歯を揺動させこれらの間に被破砕物を導入して破砕を行うジョークラッシャや、破砕ビットを備えた破砕ロータを回転させて被破砕物である木材を破砕する木材破砕機等のように、破砕装置の慣性力が大きく定常運転に復帰するために時間がかかる自走式破砕機の場合には、破砕装置が定常運転に復帰していない状態でこの破砕装置に被破砕物が導入されることとなり、駆動力不足による破砕生産物の不均一、更には破砕装置の停止といった事態を招く恐れがあった。
【0011】
これに対し、本発明によれば、操作者が、油圧ショベルで被破砕物の投入を行う前に例えばその油圧ショベルの運転室から第1の遠隔操作手段を操作することで、その操作信号が受信手段で受信され、この操作信号に基づいて第1の制御手段が回転数制御手段を制御して、原動機の回転数をアイドリング回転数から例えば定常回転数に復帰することができる。このように、事前に原動機回転数を定常回転数に復帰し、破砕装置を定常運転とした上で、油圧ショベルで被破砕物をホッパに投入することが可能である。これにより、上記従来技術のように駆動力不足による破砕生産物の不均一及び破砕装置の停止を招くことなく、定常通り破砕作業を行うことができる。したがって、空運転時には自走式破砕機をアイドリング運転することでエネルギロスを低減し、且つ適宜に定常運転に復帰させて破砕作業を行うことができるので、定常性を確保しつつエネルギロスを低減することができる。
【0012】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記第1の制御手段は、前記複数の機器のうち前記破砕装置を含む所定の機器が全て停止状態であるか、若しくは前記所定の機器のうち動作状態にあるものが全て被破砕物に対し前記破砕又は破砕作業に関連する作業を行っていない空運転状態である場合に、前記原動機の回転数が前記アイドリング回転数となるように、前記回転数制御手段を制御するものとする。
【0013】
(3)上記(1)又は(2)において、また好ましくは、前記第1の遠隔操作手段は、油圧ショベルの運転室内に設けたフットスイッチであるものとする。
これにより、操作者は足でフットスイッチを操作することで、油圧ショベルの操作レバーを離さずに投入作業を継続しながら自走式破砕機を定常運転に復帰することができる。したがって、作業効率を向上することができる。
【0014】
(4)上記目的を達成するために、また本発明は、破砕装置及びこの破砕装置による破砕作業に関連する作業を行う補助機械を含む複数の機器と、これら複数の機器をそれぞれ駆動する複数の油圧アクチュエータと、これら複数の油圧アクチュエータに圧油を供給する油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動する原動機とを備える自走式破砕機の原動機制御装置において、前記原動機の回転数を制御する回転数制御手段と、自走式破砕機外に設けた第2の遠隔操作手段の操作信号を受信する受信手段と、この受信手段で受信した操作信号に基づき、前記原動機の回転数が予め設定したアイドリング回転数となるように前記回転数制御手段を制御し、また前記原動機の回転数が前記アイドリング回転数からそれ以上の回転数となるように、前記回転数制御手段を制御する第2の制御手段とを備えるものとする。
【0015】
(5)上記(4)において、好ましくは、前記第2の遠隔操作手段は、油圧ショベルの運転室内に設けたフットスイッチであるものとする。
【0016】
(6)上記目的を達成するために、また本発明は、破砕装置及びこの破砕装置による破砕作業に関連する作業を行う補助機械を含む複数の機器と、これら複数の機器をそれぞれ駆動する複数の油圧アクチュエータと、これら複数の油圧アクチュエータに圧油を供給する油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動する原動機とを備える自走式破砕機の原動機制御装置において、前記原動機の回転数を制御する回転数制御手段と、前記複数の機器のうち前記破砕装置を含む所定の機器が全て停止状態であるか、若しくは前記所定の機器のうち動作状態にあるものが全て被破砕物に対し前記破砕又は破砕作業に関連する作業を行っていない空運転状態であることを検出する検出手段と、この検出手段の検出結果に基づき、前記原動機の回転数を復帰応答性を確保しつつ省エネルギを図るため予め設定したスタンバイ回転数にするように、前記回転数制御手段を制御する第3の制御手段とを備えるものとする。
【0017】
本発明の原動機制御装置を備える自走式破砕機においては、例えば油圧ショベル等によりホッパに被破砕物が投入されると、投入された被破砕物はフィーダによって搬送され、破砕装置で所定の大きさに破砕される。破砕された破砕物は、排出コンベアで搬送されつつ、その途中で磁選機により鉄筋等の異物を吸着除去された上で、最終的に機外に排出される。
【0018】
以上のようにして行われる一連の破砕作業は、通常、連続的に行われるが、例えば投入機である油圧ショベルが排出物を片付ける等の作業を行うことにより投入作業が一時中断する場合がある。このような投入作業中断時や、上記破砕作業の開始時(操作者が自走式破砕機の各機器を起動してから被破砕物を投入するまでの間)においては、破砕装置や補助機械等(フィーダ、排出コンベア、磁選機等)の複数の機器は動作状態のままそれら機器中に被破砕物が存在しない空運転状態となることがある。その場合、余分な動力を消費することとなる。
【0019】
本発明によれば、検出手段で上記複数の機器の内動作状態の所定の機器全てが空運転状態であることを検出した場合に、第3の制御手段で回転数制御手段を制御することにより、原動機の回転数を予め設定したスタンバイ回転数に制御することで、原動機回転数を低く抑える。また、操作者によって所定の機器が全て停止状態とされた場合にも、検出手段でそれらの停止状態を検出し、同様に第3の制御手段で原動機回転数を低く抑える。
【0020】
このとき、本発明によれば、上記予め設定したスタンバイ回転数を、定常回転数に比べて小さく上述したようにエネルギロスを低減することができる回転数でありながら、被破砕物がホッパに投入され破砕装置を含む所定の機器が破砕又はそれに関連する作業を行い始めた際には素早く定常回転数に復帰することができる回転数としている。これにより、例えば固定歯に対して動歯を揺動させこれらの間に被破砕物を導入して破砕を行うジョークラッシャや、破砕ビットを備えた破砕ロータを回転させて被破砕物である木材を破砕する木材破砕機等のように、破砕装置の慣性力が大きく定常駆動に復帰するために時間がかかる自走式破砕機である場合にも、破砕作業時には原動機回転数がスタンバイ回転数から定常回転数に素早く復帰して破砕装置を比較的早く定常運転に戻すことができる。したがって、前述の従来技術のように駆動力不足による破砕生産物の不均一及び破砕装置の停止を招くことなく、定常通り破砕作業を行うことができる。
【0021】
以上のように、本発明によれば、空運転時にはスタンバイ運転とすることによりエネルギロスを低減し、且つ破砕作業を行う際には素早く定常運転に復帰することができるので、定常性を確保しつつエネルギロスを低減することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の自走式破砕機の原動機制御装置の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
まず、本発明の一実施の形態を図1乃至図11を用いて説明する。図1は、本発明の自走式破砕機の原動機制御装置の一実施の形態を備える自走式破砕機の全体構造を表す側面図、図2はその上面図、図3は図1中左側から見た正面図である。
【0023】
これら図1乃至図3において、1は走行体で、この走行体1は、走行装置2と、この走行装置2の上部にほぼ水平に延設した本体フレーム3とで構成されている。また、4は走行装置2のトラックフレームで、このトラックフレーム4は、本体フレーム3の下部に連設している。5,6はそれぞれこのトラックフレーム4の両端に設けた従動輪(アイドラ)及び駆動輪、7はこれら従動輪5及び駆動輪6に巻回した履帯(無限軌道履帯)、8は駆動輪6に直結した走行用油圧モータであり、この走行用油圧モータ8は自走式破砕機の左側に配置された左走行用油圧モータ8L及び右側に配置された右走行用油圧モータ8Rで構成されている(後述の図4参照)。9,10は本体フレーム3の長手方向一方側(図1中左側)に立設した支持ポスト、11はこれら支持ポスト9,10に支持された支持バーである。
【0024】
12は破砕対象となる被破砕物を受入れるホッパで、このホッパ12は、下方に向かって縮径するよう形成されており、上記支持バー11上に複数の支持部材13を介して支持されている。なお、本実施の形態における自走式破砕機は、例えばビル解体時に搬出されるコンクリート塊や道路補修時に排出されるアスファルト塊等の建設現場で発生する大小様々な建設廃材、産業廃棄物、若しくは岩石採掘現場や切羽で採掘される岩石・自然石等を処理対象とし、これらを上記被破砕物として受け入れ破砕処理するものである。
【0025】
15はホッパ12のほぼ直下に位置するフィーダ(グリズリフィーダ)で、このフィーダ15は、ホッパ12に受け入れた被破砕物を後述のジョークラッシャ20に搬送し供給する役割を果たし、ホッパ12とは独立して支持バー11に支持されている。16はフィーダ15の本体で、このフィーダ本体16内には、先端(図2中右側端部)が櫛歯状に形成された櫛歯プレート17が複数(この例では2枚)階段状に固定されており、複数のばね18を介して支持バー11上に振動可能に支持されている。19はフィーダ用油圧モータで、このフィーダ用油圧モータ19は、投入された櫛歯プレート17上の被破砕物が後方側(図1中右側)に送られるようフィーダ15を加振するようになっている。なお、フィーダ用油圧モータ19の構成は、特に限定されるものではないが、例えば偏芯軸を回転駆動させる振動モータ等が挙げられる。なお、14は櫛歯プレート17の櫛歯部分のほぼ直下に設けたシュートで、このシュート14は、櫛歯プレート17の櫛歯の隙間から落下する被破砕物中に含まれた細粒(いわゆるズリ)等を後述の排出コンベア40上に導く役割を果たすものである。
【0026】
20は被破砕物を破砕する破砕装置としてのジョークラッシャで、このジョークラッシャ20は、ホッパ12及びフィーダ15よりも後方側(図1中右側)に位置し、図1に示すように、本体フレーム3の長手方向(図1中左右方向)中央付近に搭載されている。また、ジョークラッシャ20は、公知の構成のものであり、内部には、互いの間隙空間が下方に向かって縮径するよう対向した一対の動歯及び固定歯(共に図示せず)が設けられている。21は破砕装置用油圧モータ(図2参照)で、この破砕装置用油圧モータ21はフライホイール22を回転駆動させ、更にこのフライホイール22の回転運動は、公知の変換機構を介して動歯(図示せず)の揺動運動に変換されるようになっている。即ち、動歯は、静止した固定歯に対して概ね前後方向(図1中左右方向)に揺動するようになっている。なお、本実施の形態において、破砕装置用油圧モータ21からフライホイール22への駆動伝達構造は、ベルト(図示せず)を介した構成となっているが、これに限られるものではなく、例えばチェーンを介する構成等、他の構成であっても構わない。
【0027】
25は各作動装置の動力源を内蔵した動力装置(パワーユニット)で、この動力装置25は、図1に示したように、ジョークラッシャ20より更に後方側(図1中右側)に位置し、支持部材26を介し本体フレーム3の長手方向他方側(図1中右側)端部に支持されている。また、動力装置25内には、動力源となる後述のエンジン(原動機)61やこのエンジン61によって駆動される油圧ポンプ62,63等が備えられている(後述の図6参照)。30,31はそれぞれ動力装置25に内蔵した燃料タンク及び作動油タンク(共に図示せず)の給油口で、これら給油口30,31は、動力装置25の上部に設けられている。32はプレクリーナで、このプレクリーナ32は、エンジン61への吸気中の塵埃を、動力装置25内のエアクリーナ(図示せず)の上流側にて事前に捕集するものである。また、35は操作者が搭乗する運転席で、この運転席35は、動力装置25の前方側(図1中左側)の区画に設けられている。36a,37aは左・右走行用油圧モータ8L,8Rを操作するための左・右走行用操作レバーである。
【0028】
40は被破砕物を破砕した破砕物や前述のズリ等を機外に搬送し排出する排出コンベアで、この排出コンベア40は、排出側(この場合、図1中右側)の部分が、斜めに立ち上がるよう、支持部材41,42を介し、動力装置25に取りつけたアーム部材43から懸架されている。また、この排出コンベア40は、その排出側と反対側(図1中左側)の部分が本体フレーム3からほぼ水平な状態で吊り下げ支持されている。45は排出コンベア40のコンベアフレーム、46,47はこのコンベアフレーム45の両端に設けた従動輪(アイドラ)及び駆動輪、48は駆動輪47に直結した排出コンベア用油圧モータ(図2参照)である。50は従動輪46及び駆動輪47に巻回した搬送ベルトで、この搬送ベルト50は、排出コンベア用油圧モータ48によって駆動輪47が回転駆動させられることにより循環駆動するようになっている。
【0029】
55は排出する破砕物中の鉄筋等といった異物(磁性物)を除去する磁選機で、この磁選機55は、支持部材56を介し上記アーム部材43に吊り下げ支持されている。磁選機55は、駆動輪57及び従動輪58に巻回した磁選機ベルト59が、排出コンベア40の搬送ベルト50の搬送面に対しほぼ直交するよう近接配置してある。60は駆動輪57に直結した磁選機用油圧モータである。なお、磁選機ベルト59の循環軌跡の内側には、図示しない磁力発生手段が設けられており、搬送ベルト50上の鉄筋等の異物は、磁選機ベルト59越しに作用する磁力発生手段からの磁力により磁選機ベルト59に吸着され、排出コンベア40の側方に搬送され落下させられるようになっている。
【0030】
ここで、上記走行体1、フィーダ15、ジョークラッシャ20、排出コンベア40、及び磁選機55は、この自走式破砕機に備えられる油圧駆動装置によって駆動される被駆動部材を構成している。図4乃至図6は、本実施の形態の自走式破砕機に備えられる油圧駆動装置の全体構成を表す油圧回路図である。
【0031】
これら図4乃至図6において、油圧駆動装置は、エンジン61と、このエンジン61によって駆動される可変容量型の第1油圧ポンプ62及び第2油圧ポンプ63と、同様にエンジン61によって駆動される固定容量型のパイロットポンプ64と、第1及び第2油圧ポンプ62,63から吐出される圧油がそれぞれ供給される左・右走行用油圧モータ8L,8R、フィーダ用油圧モータ19、破砕装置用油圧モータ21、排出コンベア用油圧モータ48、及び磁選機用油圧モータ60と、第1及び第2油圧ポンプ62,63からこれら油圧モータ8L,8R,19,21,48,60に供給される圧油の流れ(方向及び流量、若しくは流量のみ)を制御する6つのコントロールバルブ65,66,67,68,69,70と、前記の運転席35に設けられ、左・右走行用コントロールバルブ66,67(後述)をそれぞれ切り換え操作するための左・右走行用操作レバー36a,37aと、第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出流量Q1,Q2(後述の図8参照)を調整する制御手段、例えばレギュレータ装置71,72と、例えば運転席35内に設けられ、ジョークラッシャ20、フィーダ15、排出コンベア40、及び磁選機55の始動・停止等を操作者が指示入力して操作するための操作盤73とを有している。
【0032】
上記6つのコントロールバルブ65〜70は、2位置切換弁又は3位置切換弁であり、破砕装置用油圧モータ21に接続された破砕装置用コントロールバルブ65と、左走行用油圧モータ8Lに接続された左走行用コントロールバルブ66と、右走行用油圧モータ8Rに接続された右走行用コントロールバルブ67と、フィーダ用油圧モータ19に接続されたフィーダ用コントロールバルブ68と、排出コンベア用油圧モータ48に接続された排出コンベア用コントロールバルブ69と、磁選機用油圧モータ60に接続された磁選機用コントロールバルブ70とから構成されている。
【0033】
このとき、第1及び第2油圧ポンプ62,63のうち、第1油圧ポンプ62は、左走行用コントロールバルブ66及び破砕装置用コントロールバルブ65を介して左走行用油圧モータ8L及び破砕装置用油圧モータ21へ供給するための圧油を吐出するようになっている。これらコントロールバルブ65,66はいずれも、対応する油圧モータ21,8Lへの圧油の方向及び流量を制御可能な3位置切換弁となっており、第1油圧ポンプ62の吐出管路74に接続されたセンターバイパスライン75において、上流側から、左走行用コントロールバルブ66、破砕装置用コントロールバルブ65の順序で配置されている。なお、センターバイパスライン75の最下流側には、ポンプコントロールバルブ76(詳細は後述)が設けられている。
【0034】
一方、第2油圧ポンプ63は、右走行用コントロールバルブ67、フィーダ用コントロールバルブ68、排出コンベア用コントロールバルブ69、及び磁選機用コントロールバルブ70を介し、右走行用油圧モータ8R、フィーダ用油圧モータ19、排出コンベア用油圧モータ48、及び磁選機用油圧モータ60へ供給するための圧油を吐出するようになっている。これらのうち右走行用コントロールバルブ67は対応する右走行用油圧モータ8Rへの圧油の流れを制御可能な3位置切換弁となっており、その他のコントロールバルブ68,69,70は対応する油圧モータ19,48,60への圧油の流量を制御可能な2位置切換弁となっており、第2油圧ポンプ63の吐出管路77に接続されたセンターバイパスライン78a及びこれの下流側にさらに接続されたセンターライン78bにおいて、上流側から、右走行用コントロールバルブ67、磁選機用コントロールバルブ70、排出コンベア用コントロールバルブ69、及びフィーダ用コントロールバルブ68の順序で配置されている。なお、センターライン78bは、最下流側のフィーダ用コントロールバルブ68の下流側で閉止されている。
【0035】
上記コントロールバルブ65〜70のうち、左・右走行用コントロールバルブ66,67はそれぞれ、パイロットポンプ64で発生されたパイロット圧を用いて操作されるセンターバイパス型のパイロット操作弁である。これら左・右走行用コントロールバルブ66,67は、パイロットポンプ64で発生され前述の操作レバー36a,37aを備えた操作レバー装置36,37で所定圧力に減圧されたパイロット圧により操作される。
【0036】
すなわち、操作レバー装置36,37は、操作レバー36a,37aとその操作量に応じたパイロット圧を出力する一対の減圧弁36b,36b及び37b,37bとを備えている。操作レバー装置36の操作レバー36aを図4中a方向(又はその反対方向、以下対応関係同じ)に操作すると、パイロット圧がパイロット管路79(又はパイロット管路80)を介して左走行用コントロールバルブ66の駆動部66a(又は駆動部66b)に導かれ、これによって左走行用コントロールバルブ66が図4中上側の切換位置66A(又は下側の切換位置66B)に切り換えられ、第1油圧ポンプ62からの圧油が吐出管路74、センターバイパスライン75、及び左走行用コントロールバルブ66の切換位置66A(又は下側の切換位置66B)を介して左走行用油圧モータ8Lに供給され、左走行用油圧モータ8Lが順方向(又は逆方向)に駆動される。
【0037】
なお、操作レバー36aを図4に示す中立位置にすると、左走行用コントロールバルブ66はばね66c,66dの付勢力で図4に示す中立位置に復帰し、左走行用油圧モータ8Lは停止する。
【0038】
同様に、操作レバー装置37の操作レバー37aを図4中b方向(又はその反対方向)に操作すると、パイロット圧がパイロット管路81(又はパイロット管路82)を介し右走行用コントロールバルブ67の駆動部67a(又は駆動部67b)に導かれて図4中上側の切換位置67A(又は下側の切換位置67B)に切り換えられ、右走行用油圧モータ8Rが順方向(又は逆方向)に駆動されるようになっている。操作レバー37aを中立位置にするとばね67c,67dの付勢力で右走行用コントロールバルブ67は中立位置に復帰し右走行用油圧モータ8Rは停止する。
【0039】
ここで、パイロットポンプ64からのパイロット圧を操作レバー装置36,37に導くパイロット導入管路83a,83bには、コントローラ84(正確には後述する駆動制御部84a、以下同様)からの駆動信号St(後述)で切り換えられるソレノイド制御弁85が設けられている。このソレノイド制御弁85は、ソレノイド85aに入力される駆動信号StがONになると図6中左側の連通位置85Aに切り換えられ、パイロットポンプ64からのパイロット圧を導入管路83a,83bを介し操作レバー装置36,37に導き、操作レバー36a,37aによる左・右走行用コントロールバルブ66,67の上記操作を可能とする。
【0040】
一方、駆動信号StがOFFになると、ソレノイド制御弁85はばね85bの復元力で図6中右側の遮断位置85Bに復帰し、導入管路83aと導入管路83bとを遮断すると共に導入管路83bをタンク86へのタンクライン86aに連通させ、この導入管路83b内の圧力をタンク圧とし、操作レバー装置36,37による左・右走行用コントロールバルブ66,67の上記操作を不可能とするようになっている。
【0041】
破砕装置用コントロールバルブ65は、両端にソレノイド駆動部65a,65bを備えたセンターバイパス型の電磁比例弁である。ソレノイド駆動部65a,65bには、コントローラ84からの駆動信号Scrで駆動されるソレノイドがそれぞれ設けられており、破砕装置用コントロールバルブ65はその駆動信号Scrの入力に応じて切り換えられるようになっている。
【0042】
すなわち、駆動信号Scrがジョークラッシャ20の正転(又は逆転、以下、対応関係同じ)に対応する信号、例えばソレノイド駆動部65a及び65bへの駆動信号ScrがそれぞれON及びOFF(又はソレノイド駆動部65a及び65bへの駆動信号ScrがそれぞれOFF及びON)になると、破砕装置用コントロールバルブ65が図4中上側の切換位置65A(又は下側の切換位置65B)に切り換えられる。これにより、第1油圧ポンプ62からの圧油が吐出管路74、センターバイパスライン75、破砕装置用コントロールバルブ65の切換位置65A(又は下側の切換位置65B)、及び供給管路205a(又は供給管路205b)を介して破砕装置用油圧モータ21に供給され、破砕装置用油圧モータ21が順方向(又は逆方向)に駆動される。
【0043】
駆動信号Scrがジョークラッシャ20の停止に対応する信号、例えばソレノイド駆動部65a及び65bへの駆動信号ScrがともにOFFになると、コントロールバルブ65がばね65c,65dの付勢力で図4に示す中立位置に復帰し、破砕装置用油圧モータ21は停止する。
【0044】
ポンプコントロールバルブ76は、流量を圧力に変換する機能を備えるものであり、前記のセンターバイパスライン75とタンクライン86bとを絞り部分76aaを介して接続・遮断可能なピストン76aと、このピストン76aの両端部を付勢するばね76b,76cと、前記のパイロットポンプ64の吐出管路87にパイロット導入管路88a及びパイロット導入管路88cを介して上流側が接続されてパイロット圧が導かれ、下流側がタンクライン86cに接続され、かつ前記のばね76bによってリリーフ圧が可変に設定される可変リリーフ弁76dとを備えている。
【0045】
このような構成により、ポンプコントロールバルブ76は以下のように機能する。すなわち、上述したように左走行用コントロールバルブ66及び破砕装置用コントロールバルブ65はセンターバイパス型の弁となっており、センターバイパスライン75を流れる流量は、各コントロールバルブ66,65の操作量(すなわちスプールの切換ストローク量)により変化する。各コントロールバルブ66,65の中立時、すなわち第1油圧ポンプ62へ要求する各コントロールバルブ66,65の要求流量(言い換えれば左走行用油圧モータ8L及び破砕装置用油圧モータ21の要求流量)が少ない場合には、第1油圧ポンプ62から吐出される圧油のうちほとんどが余剰流量Qt1(後述の図7参照)としてセンターバイパスライン75を介してポンプコントロールバルブ76に導入され、比較的大きな流量の圧油がピストン76aの絞り部分76aaを介してタンクライン86bへ導出される。これにより、ピストン76aは図4中右側に移動するので、ばね76bによるリリーフ弁76dの設定リリーフ圧が低くなり、管路88cから分岐して設けられ後述のネガティブ傾転制御用の第1サーボ弁131へ至る管路90に、比較的低い制御圧力(ネガコン圧)Pc1を発生する。
【0046】
逆に、各コントロールバルブ66,65が操作されて開状態となった場合、すなわち第1油圧ポンプ62へ要求する要求流量が多い場合には、センターバイパスライン75に流れる前記余剰流量Qt1は、油圧モータ8L,21側へ流れる流量分だけ減じられるため、ピストン絞り部分76aaを介しタンクライン86bへ導出される圧油流量は比較的小さくなり、ピストン76aは図4中左側に移動してリリーフ弁76dの設定リリーフ圧が高くなるので、管路90の制御圧力Pc1は高くなる。
【0047】
本実施の形態では、後述するように、この制御圧力(ネガコン圧)Pc1の変動に基づき、第1油圧ポンプ62の斜板62Aの傾転角を制御するようになっている(詳細は後述)。
【0048】
なお、第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出管路74,77から分岐した管路91,92には、リリーフ弁93及びリリーフ弁94がそれぞれ設けられており、第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出圧P1,P2の最大値を制限するためのリリーフ圧の値を、それぞれに備えられたばね93a,94aの付勢力で設定するようになっている。
【0049】
フィーダ用コントロールバルブ68は、ソレノイド駆動部68aを備えた電磁切換弁である。ソレノイド駆動部68aには、コントローラ84からの駆動信号Sfで駆動されるソレノイドが設けられており、フィーダ用コントロールバルブ68はその駆動信号Sfの入力に応じて切り換えられるようになっている。すなわち、駆動信号Sfがフィーダ15を動作させるON信号になると、フィーダ用コントロールバルブ68が図5中上側の切換位置68Aに切り換えられる。
【0050】
これにより、吐出管路77、センターバイパスライン78a、及びセンターライン78bを介し導かれた第2油圧ポンプ63からの圧油は、切換位置68Aに備えられた絞り手段68Aaから、これに接続する管路95、この管路95に設けられた圧力制御弁96(詳細は後述)、切換位置68Aに備えられたポート68Ab、及びこのポート68Abに接続する供給管路97を経て、フィーダ用油圧モータ19に供給され、この油圧モータ19が駆動される。駆動信号Sfがフィーダ15の停止に対応するOFF信号になると、フィーダ用コントロールバルブ68はばね68bの付勢力で図5に示す遮断位置68Bに復帰し、フィーダ用油圧モータ19は停止する。
【0051】
排出コンベア用コントロールバルブ69は、上記フィーダ用コントロールバルブ68同様、そのソレノイド駆動部69aにコントローラ84からの駆動信号Sconで駆動されるソレノイドが設けられる。駆動信号Sconが排出コンベア40を動作させるON信号になると、排出コンベア用コントロールバルブ69は図5中上側の連通位置69Aに切り換えられ、センターライン78bからの圧油が、切換位置69Aの絞り手段69Aaから、管路98、圧力制御弁99(詳細は後述)、切換位置69Aのポート69Ab、及びこのポート69Abに接続する供給管路100を介し排出コンベア用油圧モータ48に供給されて駆動される。駆動信号Sconが排出コンベア40の停止に対応するOFF信号になると、排出コンベア用コントロールバルブ69はばね69bの付勢力で図5に示す遮断位置69Bに復帰し、排出コンベア用油圧モータ48は停止する。
【0052】
磁選機用コントロールバルブ70は、上記フィーダ用コントロールバルブ68及び排出コンベア用コントロールバルブ69同様、ソレノイド駆動部70aのソレノイドがコントローラ84からの駆動信号Smで駆動される。駆動信号SmがON信号になると、磁選機用コントロールバルブ70は図5中上側の連通位置70Aに切り換えられ、圧油が絞り手段70Aa、管路101、圧力制御弁102(詳細は後述)、ポート70Ab、供給管路103を介し磁選機用油圧モータ60に供給されて駆動される。駆動信号SmがOFF信号になると、磁選機用コントロールバルブ70はばね70bの付勢力で遮断位置70Bに復帰する。
【0053】
なお、上記したフィーダ用油圧モータ19、排出コンベア用油圧モータ48、及び磁選機用油圧モータ60への圧油の供給に関し、回路保護等の観点から、供給管路97,100,103とタンクライン86bとの間を接続する管路104,105,106に、それぞれリリーフ弁107,108,109が設けられている。
【0054】
ここで、前述した管路95,98,101に設けた圧力制御弁96,99,102に係わる機能について説明する。
フィーダ用コントロールバルブ68の切換位置68Aの前記ポート68Ab、排出コンベア用コントロールバルブ69の切換位置69Aの前記ポート69Ab、及び磁選機用コントロールバルブ70の切換位置70Aのポート70Abには、それぞれ、対応するフィーダ用油圧モータ19、排出コンベア用油圧モータ48、磁選機用油圧モータ60の負荷圧力をそれぞれ検出するための負荷検出ポート68Ac,69Ac,70Acが連通されている。このとき、負荷検出ポート68Acは負荷検出管路110に接続しており、負荷検出ポート69Acは負荷検出管路111に接続しており、負荷検出ポート70Acは負荷検出管路112に接続している。
【0055】
ここで、フィーダ用油圧モータ19の負荷圧力が導かれる前記負荷検出管路110と、排出コンベア用油圧モータ48の負荷圧力が導かれる前記負荷検出管路111とは、さらにシャトル弁113を介して負荷検出管路114に接続され、シャトル弁113を介して選択された高圧側の負荷圧力はこの負荷検出管路114に導かれるようになっている。またこの負荷検出管路114と、磁選機用油圧モータ60の負荷圧力が導かれる前記負荷検出管路112とは、シャトル弁115を介して最大負荷検出管路116に接続され、シャトル弁115で選択された高圧側の負荷圧力が最大負荷圧力として最大負荷検出管路116に導かれるようになっている。
【0056】
そして、この最大負荷検出管路116に導かれた最大負荷圧力は、最大負荷検出管路116に接続する管路117,118,119,120を介して、対応する前記圧力制御弁96,99,102の一方側にそれぞれ伝達される。このとき、圧力制御弁96,99,102の他方側には前記の管路95,98,101内の圧力、すなわち絞り手段68Aa,69Aa,70Aaの下流側圧力が導かれている。
【0057】
以上により、圧力制御弁96,99,102は、コントロールバルブ68,69,70の絞り手段68Aa,69Aa,70Aaの下流側圧力と、フィーダ用油圧モータ19、排出コンベア用油圧モータ48、及び磁選機用油圧モータ60のうちの最大負荷圧力との差圧に応答して作動し、各油圧モータ19,48,60の負荷圧力の変化にかかわらず、前記の差圧を一定値に保持するようになっている。すなわち、絞り手段68Aa,69Aa,70Aaの下流側圧力を、前記の最大負荷圧力よりもばね96a,99a,102aによる設定圧分だけ高くするようになっている。
【0058】
一方、第2油圧ポンプ63の吐出管路77に接続したセンターバイパスライン78a及びセンターライン78bから分岐したブリードオフ管路121には、ばね122aを備えたリリーフ弁(アンロード弁)122が設けられている。このリリーフ弁122の一方側には、最大負荷検出管路116、これに接続する管路123を介し最大負荷圧力が導かれており、またリリーフ弁122の他方側にはポート122bを介しブリードオフ管路121内の圧力が導かれている。これにより、リリーフ弁122は、管路121及びセンターライン78b内の圧力を、前記の最大負荷圧力よりもばね122aによる設定圧分だけ高くするようになっている。すなわち、リリーフ弁122は、管路121及びセンターライン78b内の圧力が、最大負荷圧が導かれる管路123内の圧力にばね122aのばね力分が加算された圧力になったときに、管路121の圧油をポンプコントロールバルブ124を介してタンク86へと導くようになっている。以上の結果、第2油圧ポンプ63の吐出圧が最大負荷圧よりもばね122aによる設定圧分だけ高くなるロードセンシング制御が実現される。
なお、このときばね122aで設定されるリリーフ圧は、前述したリリーフ弁93及びリリーフ弁94の設定リリーフ圧よりも小さい値に設定されている。
【0059】
そして、ブリードオフ管路121のリリーフ弁122より下流側には、前記のポンプコントロールバルブ76と同様の流量−圧力変換機能をもつポンプコントロールバルブ124が設けられており、タンクライン86dに接続されるタンクライン86eと管路121とを絞り部分124aaを介して接続・遮断可能なピストン124aと、このピストン124aの両端部を付勢するばね124b,124cと、前記のパイロットポンプ64の吐出管路87にパイロット導入管路88a及びパイロット導入管路88bを介して上流側が接続されてパイロット圧が導かれ、下流側が上記タンクライン86eに接続され、かつ前記のばね124bによってリリーフ圧が可変に設定される可変リリーフ弁124dとを備えている。
【0060】
このような構成により、破砕作業時において、ポンプコントロールバルブ124は以下のように機能する。すなわち、上述したようにセンターライン78bの最下流側端は閉止されており、また破砕作業時には後述のように右走行用コントロールバルブ67は操作されないため、センターライン78bを流れる圧油の圧力は、フィーダ用コントロールバルブ68、排出コンベア用コントロールバルブ69、磁選機用コントロールバルブ70の操作量(すなわちスプールの切換ストローク量)により変化する。各コントロールバルブ68,69,70の中立時、すなわち第2油圧ポンプ63へ要求する各コントロールバルブ68,69,70の要求流量(言い換えれば各油圧モータ19,48,60の要求流量)が少ない場合には、第2油圧ポンプ63から吐出される圧油はほとんど供給管路97,100,103に導入されないため、余剰流量Qt2(後述の図7参照)としてリリーフ弁122から下流側へ導出され、ポンプコントロールバルブ124に導入される。これにより、比較的大きな流量の圧油がピストン124aの絞り部分124aaを介してタンクライン86eへ導出されるので、ピストン124aは図5中右側に移動してばね124bによるリリーフ弁124dの設定リリーフ圧が低くなり、パイロット導入管路88bから分岐して設けられ後述のネガティブ傾転制御用の第1サーボ弁132へ至る管路125に、比較的低い制御圧力(ネガコン圧)Pc2を発生する。
【0061】
逆に、各コントロールバルブが操作されて開状態となった場合、すなわち第2油圧ポンプ63への要求流量が多い場合には、ブリードオフ管路121に流れる前記余剰流量Qt2が油圧モータ19,48,60側へ流れる流量分だけ減じられるため、ピストン絞り部分124aaを介しタンクライン86eへ導出される圧油流量は比較的小さくなり、ピストン124aは図5中左側に移動してリリーフ弁124dの設定リリーフ圧が高くなるので、管路125の制御圧力Pc2は高くなる。本実施の形態では、後述するように、この制御圧力Pc2の変動に基づき、第2油圧ポンプ63の斜板63Aの傾転角を制御するようになっている(詳細は後述)。
【0062】
以上説明した、圧力制御弁96,99,102による絞り手段68Aa,69Aa,70Aaの下流側圧力と最大負荷圧力との間の制御、及びリリーフ弁122によるブリードオフ管路121内の圧力と最大負荷圧力との間の制御により、絞り手段68Aa,69Aa,70Aaの前後差圧を一定とする圧力補償機能を果たすこととなる。これにより、各油圧モータ19,48,60の負荷圧力の変化にかかわらず、コントロールバルブ68,69,70の開度に応じた流量の圧油を対応する油圧モータに供給できるようになっている。
そして、この圧力補償機能と、ポンプコントロールバルブ124からの制御圧力Pc2の出力に基づく後述の油圧ポンプ63の斜板63Aの傾転角制御とにより、結果として、第2油圧ポンプ63の吐出圧と絞り手段68Aa,69Aa,70Aaの下流側圧力との差が一定に保持されるようになっている(詳細は後述)。
【0063】
また、最大負荷圧が導かれる管路123とタンクライン86eとの間にはリリーフ弁126が設けられ、管路123内の最大圧力をばね126aの設定圧以下に制限し、回路保護を図るようになっている。すなわち、このリリーフ弁126と前記リリーフ弁122とでシステムリリーフ弁を構成しており、管路123内の圧力が、ばね126aで設定された圧力より大きくなると、リリーフ弁126の作用により管路123内の圧力がタンク圧に下がり、これによって前述のリリーフ弁122が作動しリリーフ状態となるようになっている。
【0064】
前記のレギュレータ装置71,72は、傾転アクチュエータ129,130と、第1サーボ弁131,132と第2サーボ弁133,134とを備え、これらのサーボ弁131〜134によりパイロットポンプ64や第1及び第2油圧ポンプ62,63から傾転アクチュエータ129,130に作用する圧油の圧力を制御し、第1及び第2油圧ポンプ62,63の斜板62A,63Aの傾転(すなわち押しのけ容積)を制御するようになっている。
【0065】
傾転アクチュエータ129,130は、両端に大径の受圧部129a,130a及び小径の受圧部129b,130bを有する作動ピストン129c,130cと、受圧部129a,129b及び130a,130bがそれぞれ位置する受圧室129d,129e及び130d,130eとを有する。そして、両受圧室129d,129e及び130d,130eの圧力が互いに等しいときは、作動ピストン129c,130cは受圧面積の差によって図6中右方向に移動し、これによって斜板62A,63Aの傾転は大きくなり、ポンプ吐出流量Q1,Q2が増大する。また、大径側の受圧室129d,130dの圧力が低下すると、作動ピストン129c,130cは図6中左方向に移動し、これによって斜板62A,63Aの傾転が小さくなりポンプ吐出流量Q1,Q2が減少するようになっている。なお、大径側の受圧室129d,130dは第1及び第2サーボ弁131〜134を介して、パイロットポンプ64の吐出管路87に連通する管路135に接続されており、小径側の受圧室129e,130eは直接管路135に接続されている。
【0066】
第1サーボ弁131,132のうち、レギュレータ装置71の第1サーボ弁131は前述したようにポンプコントロールバルブ76からの制御圧力(ネガコン圧)Pc1により駆動されるネガティブ傾転制御用のサーボ弁であり、レギュレータ装置72の第1サーボ弁132は、前述したようにポンプコントロールバルブ124からの制御圧力Pc2により駆動されるネガティブ傾転制御用のサーボ弁であり、これらは互いに同等の構造となっている。
【0067】
すなわち、制御圧力Pc1,Pc2が高いときは弁体131a,132aが図6中右方向に移動し、パイロットポンプ64からのパイロット圧Pp1を減圧せずに傾転アクチュエータ129,130の受圧室129d,130dに伝達し、これによって斜板62A,63Aの傾転が大きくなって第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出流量Q1,Q2を増大させる。そして制御圧力Pc1,Pc2が低下するにしたがって弁体131a,132aがばね131b,132bの力で図6中左方向に移動し、パイロットポンプ64からのパイロット圧Pp1を減圧して受圧室129d,130dに伝達し、第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出流量Q1,Q2を減少させるようになっている。
【0068】
以上により、レギュレータ装置71の第1サーボ弁131では、前述したポンプコントロールバルブ76の機能と併せてコントロールバルブ65,66の要求流量に応じた吐出流量Q1が得られるよう、具体的にはセンターバイパスライン75から流入しポンプコントロールバルブ76を通過する流量が最小となるように第1油圧ポンプ62の斜板62Aの傾転(吐出流量)を制御する、いわゆるネガティブコントロールが実現される。
【0069】
また、レギュレータ装置72の第1サーボ弁132では、前述したポンプコントロールバルブ124の機能と併せ、コントロールバルブ67,68,69,70の要求流量に応じた吐出流量Q2が得られるよう、具体的にはセンターバイパスライン78aから流入しポンプコントロールバルブ124を通過する流量が最小となるように第2油圧ポンプ63の斜板63Aの傾転(吐出流量)を制御する、いわゆるネガティブコントロールが実現される。
【0070】
以上のような構成の結果実現される、前記ポンプコントロールバルブ76,124及び前記レギュレータ装置71,72によるポンプ吐出流量の制御特性を図7及び図8を用いて説明する。
図7は、第1油圧ポンプ62から吐出されセンターバイパスライン75を介してポンプコントロールバルブ76のピストン絞り部分76aaへ導かれる前記余剰流量Qt1、又は第2油圧ポンプ63から吐出されリリーフ弁122を介してポンプコントロールバルブ124の前記ピストン絞り部分124aaへ導かれる前記余剰流量Qt2と、このときポンプコントロールバルブ76,124の前記可変リリーフ弁76d,124dの機能によって発生される前記制御圧力Pc1,Pc2との関係を表した図である。また、図8は、上記制御圧力Pc1,Pc2と第1及び第2油圧ポンプ62,63のポンプ吐出流量Q1,Q2との関係を示した図である。
【0071】
これらの図7及び図8において、コントロールバルブ65,66(又はコントロールバルブ67,70,69,68、以下対応関係同じ)の要求流量が多く第1油圧ポンプ62(又は第2油圧ポンプ63)からポンプコントロールバルブ76(又はポンプコントロールバルブ124)への余剰流量Qt1(又は余剰流量Qt2)が全くないと制御圧力Pc1(又は制御圧力Pc2)は最大値P1となり(図7中の点▲1▼)、この結果、図8中の点▲1▼′に示すように、ポンプ吐出流量Q1(又はポンプ吐出流量Q2)は最大値Qmaxとなる。
【0072】
コントロールバルブ65,66(又はコントロールバルブ67,70,69,68)の要求流量が減少して第1油圧ポンプ62(又は第2油圧ポンプ63)からポンプコントロールバルブ76(又はポンプコントロールバルブ124)への余剰流量Qt1(又はQt2)が増加するにつれて、図7中実線Aで示すように、制御圧力Pc1(又は制御圧力Pc2)は前記最大値P1からほぼ直線的に減少し、この結果、図8に示すように、ポンプ吐出流量Q1(又はポンプ吐出流量Q2)も前記最大値Qmaxからほぼ直線的に減少する。
【0073】
そして、図7において、コントロールバルブ65,66(又はコントロールバルブ67,70,69,68)の要求流量がさらに減少し余剰流量Qt1(又はQt2)がさらに増加して制御圧力Pc1(又はPc2)がタンク圧PTまで減少すると(図7中の点▲2▼)、図8中の点▲2▼′に示すようにポンプ吐出流量Q1(又はポンプ吐出流量Q2)は最小値Qminとなるが、これ以降は、可変リリーフ弁76d,124dが全開状態となり、余剰流量Qt1(又はQt2)が増加しても制御圧力Pc1(又はPc2)はタンク圧PTのままとなり、ポンプ吐出流量Q1(又はQ2)も最小値Qminのままとなる(図8中の点▲2▼′)。
【0074】
この結果、前述したように、コントロールバルブ65,66の要求流量に応じた吐出流量Q1が得られるよう第1油圧ポンプ62の斜板62Aの傾転を制御するネガティブコントロールや、コントロールバルブ67,70,69,68の要求流量に応じた吐出流量Q2が得られるよう第2油圧ポンプ63の斜板63Aの傾転を制御するネガティブコントロールを実現するようになっている。
【0075】
図4乃至図6に戻り、第2サーボ弁133,134は、いずれも入力トルク制限制御用のサーボ弁で、互いに同一の構造となっている。すなわち、第2サーボ弁133,134は、第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出圧P1,P2により作動する弁であり、それら吐出圧P1,P2が、第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出管路74,77から分岐して設けられた吐出圧検出管路136a〜c,137a〜cを介し、操作駆動部133aの受圧室133b,133c及び操作駆動部134aの受圧室134c,134bにそれぞれ導かれるようになっている。
【0076】
すなわち、第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出圧の和P1+P2によって操作駆動部133a,134aに作用する力がばね133d,134dで設定されるばね力によって弁体133e,134eに作用する力より小さいときは、弁体133e,134eは図6中右方向に移動し、パイロットポンプ64から第1サーボ弁131,132を介し導かれたパイロット圧Pp1を減圧せずに傾転アクチュエータ129,130の受圧室129d,130dに伝達し、これによって第1及び第2油圧ポンプ62,63の斜板62A,63Aの傾転を大きくして吐出流量を大きくする。
【0077】
そして、第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出圧の和P1+P2による力がばね133d,134dのばね力設定値による力よりも大きくなるにしたがって弁体133e,134eが図6中左方向に移動し、パイロットポンプ64から第1サーボ弁131,132を介し導かれたパイロット圧Pp1を減圧して受圧室129d,130dに伝達し、これによって第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出流量を減少させるようになっている。
【0078】
以上により、第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出圧P1,P2が上昇するに従って第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出流量Q1,Q2の最大値Q1max,Q2maxが小さく制限され、第1及び第2油圧ポンプ62,63の入力トルクの合計をエンジン61の出力トルク以下に制限するように第1及び第2油圧ポンプ62,63の斜板62A,63Aの傾転が制御されるいわゆる入力トルク制限制御(馬力制御)が実現される。このとき、さらに詳細には、第1油圧ポンプ62の吐出圧P1と第2油圧ポンプ63の吐出圧P2との和に応じて、第1及び第2油圧ポンプ62,63の入力トルクの合計をエンジン61の出力トルク以下に制限するいわゆる全馬力制御が実現されるようになっている。
【0079】
本実施の形態では、第1油圧ポンプ62及び第2油圧ポンプ63の両方がほぼ同一の特性に制御される。すなわち、レギュレータ装置71の第2サーボ弁133において第1油圧ポンプ62を制御するときにおける第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出圧の和P1+P2と第1油圧ポンプ62の吐出流量Q1の最大値Q1maxとの関係と、レギュレータ装置72の第2サーボ弁134において第2油圧ポンプ63を制御するときにおける第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出圧の和P1+P2と第2油圧ポンプ63の吐出流量Q2の最大値Q2maxとの関係とが、互いに略同一の関係(例えば10%程度の幅で)となるように、かつ、第1及び第2油圧ポンプ62,63の吐出流量Q1,Q2の最大値Q1max,Q2maxを互いに略同じ値(同)で制限するようになっている。
【0080】
前記の操作盤73は、ジョークラッシャ20を起動・停止させるためのクラッシャ起動・停止スイッチ73aと、ジョークラッシャ20の動作方向を正転又は逆転方向のいずれかに選択するためのクラッシャ正転・逆転選択ダイヤル73bと、フィーダ15を起動・停止させるためのフィーダ起動・停止スイッチ73cと、排出コンベア40を起動・停止させるための排出コンベア起動・停止スイッチ73dと、磁選機55を起動・停止させるための磁選機起動・停止スイッチ73eと、走行操作を行う走行モード及び破砕作業を行う破砕モードのいずれか一方を選択するためのモード選択スイッチ73fとを備えている。
【0081】
操作者が上記操作盤73の各種スイッチ及びダイヤルの操作を行うと、その操作信号が先に述べたコントローラ84の駆動制御部84aに入力される(後述の図9参照)。この駆動制御部84aは、操作盤73からの操作信号に基づき、前述した破砕装置用コントロールバルブ65、フィーダ用コントロールバルブ68、排出コンベア用コントロールバルブ69、磁選機用コントロールバルブ70、及びソレノイド制御弁85のソレノイド駆動部65a,65b、ソレノイド駆動部68a、ソレノイド駆動部69a、ソレノイド駆動部70a、及びソレノイド85aへの前記の駆動信号Scr,Sf,Scon,Sm,Stを生成し、対応するソレノイドにそれらを出力するようになっている。
【0082】
すなわち、操作盤73のモード選択スイッチ73fで「走行モード」が選択された場合には、ソレノイド制御弁85への駆動信号StをONにしてソレノイド制御弁85を図6中左側の連通位置85Aに切り換え、操作レバー36a,37aによる走行用コントロールバルブ66,67の操作を可能とする。操作盤73のモード選択スイッチ73fで「破砕モード」が選択された場合には、ソレノイド制御弁85への駆動信号StをOFFにして図6中右側の遮断位置85Bに復帰させ、操作レバー36a,37aによる走行用コントロールバルブ66,67の操作を不可能とする。
【0083】
また、操作盤73のクラッシャ正転・逆転選択ダイヤル73bで「正転」(又は「逆転」、以下、対応関係同じ)が選択された状態でクラッシャ起動・停止スイッチ73aが「起動」側へ押された場合、破砕装置用コントロールバルブ65のソレノイド駆動部65a(又はソレノイド駆動部65b)への駆動信号ScrをONにするとともにソレノイド駆動部65b(又はソレノイド駆動部65a)への駆動信号ScrをOFFにし、破砕装置用コントロールバルブ65を図4中上側の切換位置65A(又は下側の切換位置65B)に切り換え、第1油圧ポンプ62からの圧油を破砕装置用油圧モータ21に供給して駆動し、ジョークラッシャ20を正転方向(又は逆転方向)に起動する。
【0084】
その後、クラッシャ起動・停止スイッチ73aが「停止」側へ押された場合、破砕装置用コントロールバルブ65のソレノイド駆動部65a及びソレノイド駆動部65bへの駆動信号ScrをともにOFFにして図4に示す中立位置に復帰させ、破砕装置用油圧モータ21を停止し、ジョークラッシャ20を停止させる。
【0085】
また、操作盤73のフィーダ起動・停止スイッチ73cが「起動」側へ押された場合、フィーダ用コントロールバルブ68のソレノイド駆動部68aへの駆動信号SfをONにして図5中上側の切換位置68Aに切り換え、第2油圧ポンプ63からの圧油をフィーダ用油圧モータ19に供給して駆動し、フィーダ15を起動する。その後、操作盤73のフィーダ起動・停止スイッチ73cが「停止」側へ押されると、フィーダ用コントロールバルブ68のソレノイド駆動部68aへの駆動信号SfをOFFにして図5に示す中立位置に復帰させ、フィーダ用油圧モータ19を停止し、フィーダ15を停止させる。
【0086】
同様に、排出コンベア起動・停止スイッチ73dが「起動」側へ押された場合、排出コンベア用コントロールバルブ69を図5中上側の切換位置69Aに切り換え、排出コンベア用油圧モータ48を駆動して排出コンベア40を起動し、排出コンベア起動・停止スイッチ73dが「停止」側へ押されると、排出コンベア用コントロールバルブ69を中立位置に復帰させ、排出コンベア40を停止させる。
【0087】
また、磁選機起動・停止スイッチ73eが「起動」側へ押された場合、磁選機用コントロールバルブ70を図5中上側の切換位置70Aに切り換え、磁選機用油圧モータ60を駆動して磁選機55を起動し、磁選機起動・停止スイッチ73eが「停止」側へ押されると、磁選機用コントロールバルブ70を中立位置に復帰させ、磁選機55を停止させる。
【0088】
このような構成の自走式破砕機において、本実施の形態の最大の特徴は、無負荷運転時に自走式破砕機のエンジン回転数を自動的にアイドリング回転数とし、破砕作業開始時には、操作者が手動による遠隔操作にて自走式破砕機の外部よりエンジン回転数をアイドリング回転数から定常回転数に戻すことができるようにしたことである。以下、この詳細について説明する。
【0089】
前記の図4乃至図6において、200はエンジン61の回転数を操作者が手動で設定入力するスロットル装置、138はエンジン61へ燃料を噴射する燃料噴射手段としての燃料噴射装置、139はこの燃料噴射装置138の燃料噴射量を制御する燃料噴射制御装置、140はエンジン61の回転数を検出する回転数センサ、202は左走行用コントロールバルブ66に係わるパイロット管路79,80に接続されたシャトル弁201を介しパイロット管路79,80の最大パイロット圧を検出する圧力センサ、204は右走行用コントロールバルブ67に係わるパイロット管路81,82に接続されたシャトル弁203を介しパイロット管路81,82の最大パイロット圧を検出する圧力センサ、206,207は破砕装置用コントロールバルブ65と破砕装置用油圧モータ21との間の前記供給管路205a,205b内の負荷圧力をそれぞれ検出する圧力センサ、208はフィーダ用コントロールバルブ68とフィーダ用油圧モータ19との間の供給管路97内の負荷圧力を検出する圧力センサ、209はオートアイドル機能(ジョークラッシャ20、フィーダ15、排出コンベア40、磁選機55、及び走行体1のすべてが停止状態となるか、走行体1が停止状態でかつジョークラッシャ20及びフィーダ15が空運転状態となったときにエンジン回転数をアイドリング回転数に低下させる機能)を実行するかどうかを操作者が手動で選択する選択スイッチである。
【0090】
上記スロットル装置200からのエンジン回転数の設定信号、回転数センサ140からの回転数信号、圧力センサ202,204,206,207,208で検出された各圧力検出信号、及び選択スイッチ209からの選択信号は、コントローラ84(正確には後述のエンジン制御部84b)に出力されるようになっている。図9はこのコントローラ84の機能を示す機能ブロック図である。
【0091】
この図9に示すように、コントローラ84は、前記の駆動制御部84aと共にエンジン回転数を制御するエンジン制御部84bを備えている。このエンジン制御部84bには上記の各信号が入力されるようになっており、またこのエンジン制御部84bは駆動制御部84aから駆動信号Scr,Sf,Scon,Smをそれぞれ読み出すようになっている。
【0092】
またこの図9において、300は被破砕物をホッパ12に投入するための油圧ショベル、301はこの油圧ショベル300の例えば運転室に配置された送信器、302はこの送信機と接続された増幅器、303はこの増幅器にケーブル304を介して接続されたフットスイッチ、305は自走式破砕機の例えば前記の操作盤73に併設された受信器である。図10は、上記油圧ショベル300の運転室内に設けたフットスイッチ303の配置状態を示した図であり、この図10に示すようにフットスイッチ303は油圧ショベル300の運転シート307の足元に配置されている。これにより、操作者がフットスイッチ303を足で押すと、このフットスイッチ303から入力され増幅器302で増幅された復帰信号Sreが送信機301で所定の変換処理を施され、電波信号として受信器305に送信され、受信器305はこの電波信号に送信機301と逆の変換処理を施して復帰信号Sreに復元した後、上記エンジン制御部84bに出力するようになっている。これにより、操作者は油圧ショベル300の操作レバー306を離さずに油圧ショベル300の操作を継続しながら復帰信号Sreを自走式破砕機に送信できるようになっている。なお、上記フットスイッチ303はケーブル304の長さ範囲内において任意に移動可能に設けてあり、操作者が適宜自分の足位置に合わせることができるようになっている。また、このフットスイッチ303は例えば内蔵された電池により電源供給されている(又は運転室内に設けられたシガーライター等を用いて油圧ショベル300側から電源供給するようにしてもよい)。
【0093】
上記エンジン制御部84bは、入力された選択信号、エンジン回転数の設定信号、圧力検出信号、及び復帰信号Sreと、駆動制御部84aから読み出した駆動信号Scr,Sf,Scon,Smに基づいて、各機器(ジョークラッシャ20、フィーダ15、排出コンベア40、磁選機55、及び走行体1)の動作状態及びジョークラッシャ20及びフィーダ15の運転状態の判断を行い、上記燃料噴射制御装置139に制御信号Senを出力する。燃料噴射制御装置139は、この制御信号Senに基づき、燃料噴射装置138に備えられた例えば公知の燃料噴射ポンプの燃料噴射量を制御する。この燃料噴射量に応じてエンジン61の回転数が決まり、この回転数は上記回転数センサ140で検出されてエンジン制御部84bにフィードバックされる。このようにして、エンジン61の回転数は、エンジン制御部84bによって制御されるようになっている。図11は、このエンジン制御部84bの制御内容を表すフローチャートである。なお、コントローラ84は例えば電源が投入された時点からこの図11に示すフローを開始し、電源が投入されている間はこのフローを繰り返すようになっている。
【0094】
この図11において、まず、ステップ100で、選択スイッチ209での選択が、オートアイドル機能を行うON位置となっているかどうかを判定する。選択スイッチ209での選択がオートアイドル機能を行わないOFF位置である場合には、判定が満たされずにステップ140に移り、エンジン61の回転数がスロットル装置200で設定した回転数となるように、燃料噴射装置138からの燃料噴射量を制御する制御信号Senを燃料噴射制御装置139に出力し、最初に戻る。一方、選択スイッチ209がON位置である場合は、判定が満たされて次のステップ110に移る。
【0095】
ステップ110では、圧力センサ202,204(図4参照)の検出信号に基づき、自走式破砕機が走行状態であるか非走行状態であるかを判定する。具体的には、例えば圧力センサ202,204での検出圧力がいずれも0近傍の所定のしきい値未満であれば、操作レバー装置36,37の操作レバー36a,37aがいずれも操作されていないこととなるため、自走式破砕機が非走行状態であると判定し、検出圧力の少なくとも一方がそのしきい値以上であれば、自走式破砕機が走行状態であると判定する。これにより、自走式破砕機が走行状態であると判定した場合には、ステップ140に移ってエンジン回転数を設定回転数とする。一方、自走式破砕機が非走行状態であると判定した場合には、次のステップ115に移る。
【0096】
ステップ115では、前記の受信器305から復帰信号Sreが入力されたかどうかどうかを判定する。復帰信号Sreが入力されていれば、判定が満たされてステップ140に移り、エンジン回転数を設定回転数とする。復帰信号Sreが入力されていなければ、判定が満たされずに次のステップ120に移る。
【0097】
ステップ120では、フィーダ15、ジョークラッシャ20、排出コンベア40、及び磁選機55のうち少なくとも1つの機器が動作状態であるかどうかを判定する。具体的には、駆動制御部84aから読み出した駆動信号Scr,Sf,Scon,Sm(の例えば電流値)が0近傍の所定のしきい値以上であるかどうかを判定する。すなわち、駆動信号Scr,Sf,Scon,Smが全て所定のしきい値より小さければ全機器が停止状態であると判定し、いずれかの駆動信号が所定のしきい値以上であれば少なくとも1つの機器が動作状態であると判定する。これにより、少なくとも1つの機器が動作状態であると判定した場合には、次のステップ121に移る。
【0098】
ステップ121では、フィーダ15が動作状態であるかどうかを判定する。すなわち、駆動信号Sfが0近傍の所定のしきい値以上であるかどうかを判定する。動作状態である場合には、判定が満たされて次のステップ122に移る。
【0099】
ステップ122では、フィーダ15が実運転状態(=フィーダ15が被破砕物をジョークラッシャ20へ送り込んでいる状態)であるか空運転状態(=フィーダ15に被破砕物が存在せず無負荷運転をしている状態)であるかを判定する。
具体的には、圧力センサ208(図5参照)での検出圧力が所定のしきい値以上であるかどうかを基準にする。実運転状態であった場合には判定が満たされてステップ140へ移り、エンジン回転数を設定回転数とする。
【0100】
上記ステップ121又はステップ122の判定が満たされなかった場合には、ステップ123へ移る。ステップ123では、ジョークラッシャ20が動作状態であるかどうかを判定する。これも上記フィーダと同様に、駆動信号Scrが0近傍の所定のしきい値以上であるかどうかを判定する。動作状態である場合には判定が満たされて次のステップ124に移る。
【0101】
ステップ124では、ジョークラッシャ20が実運転状態(=ジョークラッシャ20が被破砕物を破砕している状態)であるか空運転状態(=ジョークラッシャ20に被破砕物が存在せず無負荷運転をしている状態)であるかを判定する。
これは、圧力センサ206,207(図4参照)のうちいずれか一方の検出圧力が所定のしきい値以上であるかどうかを基準にする。実運転状態である場合には判定が満たされてステップ140へ移り、エンジン回転数を設定回転数とする。
【0102】
先のステップ120で全機器が停止状態である場合、ステップ123でジョークラッシャ20が停止状態である場合、又はステップ124でジョークラッシャ20が空運転状態である場合には、いずれも判定が満たされず、ステップ130に移る。このステップ130では、スロットル装置200での設定回転数に関係なく、エンジン61の回転数をアイドリング回転数(=予め定められた回転数、例えばスロットル装置200で設定し得る最も低い回転数より低い回転数)に制限するための制御信号Senを燃料噴射制御装置139に出力し、最初に戻る。
【0103】
以上において、フィーダ15、排出コンベア40、及び磁選機55は特許請求の範囲各項記載の破砕装置による破砕作業に関連する作業を行う補助機械を構成し、これらフィーダ15、排出コンベア40、及び磁選機55とジョークラッシャ20及び走行装置2とが破砕装置及びこの破砕装置による破砕作業に関連する作業を行う補助機械を含む複数の機器を構成し、左・右走行用油圧モータ8L,8R、破砕装置用油圧モータ21、フィーダ用油圧モータ19、排出コンベア用油圧モータ48、及び磁選機用油圧モータ60は複数の機器をそれぞれ駆動する複数の油圧アクチュエータを構成する。また、フィーダ15とジョークラッシャ20とは、破砕装置を含む所定の機器をも構成する。
【0104】
また、燃料噴射制御装置139は原動機の回転数を制御する回転数制御手段を構成し、フットスイッチ303は自走式破砕機外に設けた第1の遠隔操作手段を構成し、受信器305は第1の遠隔操作手段の操作信号を受信する受信手段を構成し、コントローラ84(詳細にはエンジン制御部84b)は第1の制御手段を構成する。
【0105】
次に、上記構成の本発明の自走式破砕機の原動機制御装置の一実施の形態の動作及び作用を以下に説明する。
破砕作業時には、まず、操作者は、スロットル装置200のダイヤル(図示せず)を操作し、エンジン61の回転数を適宜設定する。この回転数は、例えば、破砕作業中に破砕用油圧モータ21に加わる最大負荷に応じた圧油を第1油圧ポンプ62が吐出できるような比較的高めの回転数とする。そして、オートアイドル機能を実行させる場合には、操作者は選択スイッチ209をオートアイドル機能を行うON位置とする。
【0106】
次に、操作者は、操作盤73のモード選択スイッチ73fで「破砕モード」を選択して走行操作を不可能にした後、磁選機起動・停止スイッチ73e、排出コンベア起動・停止スイッチ73d、クラッシャ起動・停止スイッチ73a、及びフィーダ起動・停止スイッチ73cを順次「起動」側へ押す。
【0107】
上記の操作により、コントローラ84から磁選機用コントロールバルブ70のソレノイド駆動部70aへの駆動信号SmがONになって磁選機用コントロールバルブ70が図5中上側の切換位置70Aに切り換えられ、またコントローラ84から排出コンベア用コントロールバルブ69のソレノイド駆動部69aへの駆動信号SconがONになって排出コンベア用コントロールバルブ69が図5中上側の切換位置69Aに切り換えられる。さらに、コントローラ84から破砕装置用コントロールバルブ65のソレノイド駆動部65aへの駆動信号ScrがONになるとともにソレノイド駆動部65bへの駆動信号ScrがOFFになり、破砕用コントロールバルブ65が図4中上側の切換位置65Aに切り換えられ、またフィーダ用コントロールバルブ68のソレノイド駆動部68aへの駆動信号SfがONになってフィーダ用コントロールバルブ68が図5中上側の切換位置68Aに切り換えられる。
【0108】
これにより、第2油圧ポンプ63からの圧油がセンターバイパスライン78a及びセンタライン78bへ導入され、さらに磁選機用油圧モータ60、排出コンベア用油圧モータ48、及びフィーダ用油圧モータ19に供給され、磁選機55、排出コンベア40、及びフィーダ15が起動される。一方、第1油圧ポンプ62からの圧油が破砕装置用油圧モータ65に供給されてジョークラッシャ20が正転方向に起動される。
【0109】
このようにして各機器を駆動した後、油圧ショベル300によりホッパ12に被破砕物を投入すると、ホッパ12で受け入れられた被破砕物は、フィーダ15によって搬送される。このとき、櫛歯プレート17の櫛歯間の間隙よりも小さなもの(ズリ等)は、櫛歯間の隙間からシュート14を介して排出コンベア40上に導かれ、それより大きなものはジョークラッシャ20へと搬送される。ジョークラッシャ20に搬送された被破砕物は、固定歯及び動歯により所定の粒度に砕かれ、下方の排出コンベア40上に落下する。排出コンベア40上に導かれた破砕物やズリ等は、後方(図1中右側)に向かって搬送され、その途中で磁選機55により鉄筋等の異物を吸着除去された上で、最終的に機外に排出される。
【0110】
このようにして行われる一連の破砕作業は、通常、連続的に行われるが、例えば油圧ショベル300が排出物を片付ける等の作業を行うことにより投入作業が一時中断する場合がある。このような投入作業中断時は、各機器は駆動を維持しつつ被破砕物がほとんど存在しない無負荷状態(すなわち空運転状態)となる。
また、破砕作業の開始時においても、操作者が自走式破砕機の各機器を起動した後、油圧ショベル300に乗り込み被破砕物の投入作業を行うまでの間は同様に空運転状態となる。このとき、フィーダ15及びジョークラッシャ20が無負荷の空運転状態であることが圧力センサ206,207,208を介して検出され、また走行停止状態であることがシャトル弁201,203及び圧力センサ202,204を介して検出される。そして、操作者がフットスイッチ303を押していない場合、コントローラ84のエンジン制御部84bの制御フローにおいては、図11中ステップ100、ステップ110、及びステップ115を介してステップ120での判定が満たされ、その先のステップ122及びステップ124の判定が満たされなくなる。これにより、次のステップ130で、エンジン制御部84bからの制御信号Senに基づいて燃料噴射制御装置139が燃料噴射装置138を制御し、エンジン61の回転数が低速のアイドリング回転数に制限される。
【0111】
次に、破砕作業を開始する際には、操作者は油圧ショベル300に乗り込み、この油圧ショベル300を操作して被破砕物を自走式破砕機のホッパ12に投入する。このとき、前述の従来技術のように、事前にエンジン回転数をアイドリング回転数から定常回転数に復帰する手段がない構造においては、上記ホッパ12に投入された被破砕物がフィーダ15及びジョークラッシャ20に導入されると、これらフィーダ15及びジョークラッシャ20が実運転状態に復帰したことが圧力センサ206,207,208を介して検出され、図11に示すエンジン制御部84bの制御フローにおいては、ステップ122の判定が満たされて、ステップ140でエンジン61の回転数がスロットル装置200で設定した回転数(定常回転数)に復帰される状態となる。このように、ホッパ12に投入された被破砕物がフィーダ15又はジョークラッシャ20に導入されて初めて、エンジン回転数が定常回転数に復帰し、その結果ジョークラッシャ20が定常駆動し始めることとなるが、通常、ジョークラッシャのような破砕装置は慣性力が大きいため定常駆動に復帰するまでに時間がかかるので、ジョークラッシャ20が完全に定常駆動に復帰していない状態で被破砕物がこのジョークラッシャ20導入されることとなり、駆動力不足による破砕生産物の不均一、更にはジョークラッシャ20の停止といった事態を招く恐れがあった。
【0112】
これに対し、本実施の形態によれば、油圧ショベル300で被破砕物の投入を行う前に操作者がその油圧ショベル300の運転室内でフットスイッチ303を足で押すことで、油圧ショベル300に設けられた送信器301から自走式破砕機に設けられた受信器305にその復帰信号Sreが送信され、この受信器305からエンジン制御部84bにその復帰信号Sreが入力される。これにより、図11に示すエンジン制御部84bの制御フローにおいては、ステップ115の判定が満たされてステップ140に進み、エンジン61の回転数がアイドリング回転数から定常回転数に復帰される状態となる。このようにして、操作者は被破砕物の投入を行う前に、事前にエンジン回転数を定常回転数に復帰してジョークラッシャ20を定常駆動とした上で、油圧ショベル300で被破砕物をホッパ12に投入することが可能となる。これにより、上記駆動力不足による破砕生産物の不均一及びジョークラッシャ20の停止を招くことなく、定常通り破砕作業を行うことができる。したがって、本実施の形態によれば、空運転時には自走式破砕機をアイドリング運転することでエネルギロスを低減し、且つ適宜に定常運転に復帰させて破砕作業を行うことができるので、定常性を確保しつつエネルギロスを低減することができる。さらに本実施の形態によれば、フットスイッチ303を用いることで油圧ショベル300の操作レバー306を離さずにこの油圧ショベルの操作(例えば走行操作等)を継続しながら自走式破砕機を定常運転に復帰することができるので、作業効率を向上することができる。
【0113】
なお、上記本発明の一実施の形態においては、フットスイッチ303を用いてアイドリング運転から定常運転への復帰のみを行うようにしたが、これに限らず、定常運転からアイドリング運転への切り換えについても遠隔操作で任意に変更できるようにしてもよい。この場合、特に図示はしないが、例えば足で押す度に定常→アイドリング→定常→アイドリングといったように運転を切り換え可能であるフットスイッチ303′を設けてもよいし、また、例えばフットスイッチ303とは別に定常運転からアイドリング運転への切換用のフットスイッチ310を設けてもよく、それと共にこれらのフットスイッチの操作信号に応じて燃料噴射制御装置139に制御信号Sen′を出力してエンジン回転数を制御する機能を備えたコントローラ84′を設けるようにすればよい。なお、本変形例においては、フットスイッチ303,310又はフットスイッチ303′は請求項4及び8記載の第2の遠隔操作手段を構成し、コントローラ84′は第2の制御手段を構成する。
【0114】
また、上記本発明の一実施の形態においては、遠隔操作手段としてフットスイッチを用いたが、これに限らない。すなわち、例えば操作レバー306に一体的又は別付けで設けたスイッチを遠隔操作手段として用いてもよい。この場合も上記一実施の形態のフットスイッチを用いる場合と同様に、操作者は油圧ショベルの操作を継続しながら同時に自走式破砕機を定常運転に復帰することが可能である。また、例えば運転シート307の側方側に位置するコンソールボックス等に設けられたスイッチを用いてもよい。なお、これらのスイッチは、例えば運転室内に設けられたシガーライター等より適宜のケーブルを介して油圧ショベル300本体から電源を供給されるようにすれば足りる(又は電池を内蔵するようにしてもよい)。
【0115】
次に、本発明の自走式破砕機の原動機制御装置の他の実施の形態を図12及び図13を用いて説明する。本実施の形態は、自走式破砕機が無負荷運転状態のときにエンジン回転数を自動的にスタンバイ回転数に制御するものである。
本実施の形態の自走式破砕機の構成と前述の一実施の形態の自走式破砕機の構成とにおいて相違する点は、前述の一実施の形態で設けた遠隔操作手段及び送受信手段であるフットスイッチ303、増幅器302、送信機301、受信器305を設けないようにしたことと、エンジン61の回転数を自動的にスタンバイ回転数にするかどうかを選択する選択スイッチを設けたことと、コントローラの制御内容のみである。その他の構成はほぼ同等であるので説明を省略する。
【0116】
図12は、本実施の形態のコントローラの機能を示す機能ブロック図である。
この図12において、コントローラ84″は、駆動制御部84″aとエンジン制御部84″bとを備えている。上記駆動制御部84″aは前述の一実施の形態における駆動制御部84aと同等の機能を有しており、操作盤73からの操作信号に基づき、各コントロールバルブ(破砕装置用コントロールバルブ65、フィーダ用コントロールバルブ68、排出コンベア用コントロールバルブ69、磁選機用コントロールバルブ70、及びソレノイド制御弁85)に対し駆動信号Scr,Sf,Scon,Sm,Stをそれぞれ出力するようになっている。
【0117】
また、209′は、オートスタンバイ機能(ジョークラッシャ20、フィーダ15、排出コンベア40、磁選機55、及び走行体1のすべてが停止状態となるか、走行体1が停止状態でかつジョークラッシャ20及びフィーダ15が空運転状態となったときにエンジン回転数をスタンバイ回転数に低下させる機能)を実行するかどうかを操作者が手動で選択する選択スイッチである。
【0118】
エンジン制御部84″bは、選択スイッチ209′から入力された選択信号、スロットル装置200から入力されたエンジン回転数の設定信号、及び圧力センサ202,204,206,207,208からそれぞれ入力された圧力検出信号と、上記駆動制御部84″aから読み出した駆動信号Scr,Sf,Scon,Smに基づいて、各機器(ジョークラッシャ20、フィーダ15、排出コンベア40、磁選機55、及び走行体1)の動作状態及びジョークラッシャ20及びフィーダ15の運転状態の判断を行い、燃料噴射制御装置139に制御信号Sen″を出力する。燃料噴射制御装置139は、この制御信号Sen″に基づき、燃料噴射装置138を制御してエンジン61の回転数を制御するようになっている。
【0119】
図13は、上記エンジン制御部84″bの制御内容を表すフローチャートである。なお、コントローラ84″は例えば電源が投入された時点からこの図13に示すフローを開始し、電源が投入されている間はこのフローを繰り返すようになっている。
この図13において、まず、ステップ200で、選択スイッチ209′での選択が、オートスタンバイ機能を行うON位置となっているかどうかを判定する。
選択スイッチ209′での選択がオートスタンバイ機能を行わないOFF位置となっていた場合には、判定が満たされずにステップ240に移り、エンジン61の回転数がスロットル装置200での設定回転数となる。一方、選択スイッチ209′がON位置である場合は、判定が満たされて次のステップ210に移る。
【0120】
ステップ210では、前述の一実施の形態における図11中ステップ110と同様に、圧力センサ202,204(図4参照)の検出信号に基づいて自走式破砕機が走行状態であるか非走行状態であるかを判定する。自走式破砕機が走行状態である場合には、判定が満たされてステップ240に移り、エンジン回転数を設定回転数とする。一方、自走式破砕機が非走行状態である場合には、次のステップ220に移る。
【0121】
ステップ220では、フィーダ15、ジョークラッシャ20、排出コンベア40、及び磁選機55のうち少なくとも1つの機器が動作状態であるかどうかを、駆動制御部84″aから読み出した駆動信号Scr,Sf,Scon,Smに基づいて判定する。少なくとも1つの機器が動作状態である場合には、次のステップ221に移る。
【0122】
ステップ221では、フィーダ15が動作状態であるかどうかを、駆動信号Sfに基づいて判定する。動作状態である場合には判定が満たされて次のステップ222に移る。
【0123】
ステップ222では、フィーダ15が実運転状態であるか空運転状態であるかを圧力センサ208(図5参照)の検出圧力に基づいて判定する。実運転状態である場合には判定が満たされてステップ240へ移り、エンジン回転数を設定回転数とする。
【0124】
上記ステップ221又はステップ222の判定が満たされない場合は、ステップ223へ移る。ステップ223では、ジョークラッシャ20が動作状態であるかどうかを駆動信号Scrに基づいて判定する。動作状態である場合には判定が満たされて次のステップ224に移る。
【0125】
ステップ224では、ジョークラッシャ20が実運転状態であるか空運転状態であるかを圧力センサ206,207(図4参照)のうちいずれか一方の検出圧力に基づいて判定する。実運転状態である場合には判定が満たされてステップ240へ移り、エンジン回転数を設定回転数とする。
【0126】
先のステップ220で全機器が停止状態である場合、ステップ223でジョークラッシャ20が停止状態である場合、又はステップ224でジョークラッシャ20が空運転状態である場合は、いずれも判定が満たされず、ステップ230に移る。このステップ230では、スロットル装置200での設定回転数に関係なく、エンジン61の回転数を予め定められたスタンバイ回転数に制限するための制御信号Sen″を燃料噴射制御装置139に出力し、最初に戻る。
【0127】
以上において、コントローラ84″(詳細にはエンジン制御部84″b)は第3の制御手段を構成し、このコントローラ84″と圧力センサ202,204,206,207,208とが空運転状態であることを検出する検出手段を構成する。
【0128】
以上のような構成の本発明の他の実施の形態の動作及び作用を以下に説明する。
本実施の形態の自走式破砕機においては、無負荷運転時等に、コントローラ84″のエンジン制御部84″bが、各圧力センサ202,204,206,207,208で検出した圧力検出値と駆動制御部84″aから読み出した駆動信号Scr,Sf,Scon,Smとに基づいて、走行体1が停止且つフィーダ15とジョークラッシャ20とが空運転状態であることを検出した場合に、このエンジン制御部84″bが制御信号Sen″を燃料噴射制御装置139に出力して燃料噴射装置138を制御することで、エンジン61の回転数が低速のスタンバイ回転数に制限される。
【0129】
このとき、本実施の形態によれば、スタンバイ回転数を、スロットル装置200で設定した回転数(定常回転数)よりも小さく、前述の一実施の形態におけるアイドリング回転数よりも大きな回転数として予め設定している。これにより、空運転時のエネルギロスを低減することができ、且つ破砕作業時には素早く定常回転数に復帰することができるようになっており、その結果、本実施の形態のように破砕装置が慣性力が大きく定常駆動に復帰するために時間がかかるジョークラッシャである場合でも、破砕作業時にはエンジン回転数がスタンバイ回転数から定常回転数に素早く復帰してジョークラッシャ20を比較的早く定常運転に戻すことができる。したがって、前述の従来技術のように駆動力不足による破砕生産物の不均一及び破砕装置の停止を招くことなく、定常通り破砕作業を行うことができる。
【0130】
以上のように、本実施の形態によれば、フィーダ15やジョークラッシャ20が空運転状態であるときにはスタンバイ運転とすることで余分な動力消費を抑えてエネルギロスを低減することができ、且つ、破砕作業を行う際には素早く定常運転に復帰することができる。したがって、定常性を確保しつつエネルギロスを低減することができる。
【0131】
なお、上記本発明の一実施の形態及び他の実施の形態においては本発明の原動機制御装置をジョークラッシャについて適用した例を説明したが、これに限らず、他の破砕装置、例えば被破砕物をせん断して所定の大きさに破砕するせん断式の破砕装置(いわゆる2軸シュレッダ等)や、ロール状の回転体に破砕用の刃を取り付けたものを一対としてそれら一対を互いに逆方向へ回転させる回転式破砕装置(いわゆるロールクラッシャを含む6軸破砕機等)や、複数個の刃物を備えた打撃板を高速回転させ、この打撃板からの打撃及び反発板との衝突を用いて被破砕物を衝撃的に破砕する破砕装置(いわゆるインパクトクラッシャ)や、木材を破砕ビットを備えた破砕ロータに投入することにより細片にする木材破砕装置を備えた自走式破砕機にも適用可能である。
【0132】
【発明の効果】
本発明によれば、油圧ショベルから遠隔操作にて自走式破砕機の原動機の回転数をアイドリング回転数から定常回転数に復帰させて破砕装置を通常駆動とした上で、被破砕物をホッパに投入することが可能である。これにより、駆動力不足による破砕生産物の不均一及び破砕装置の停止を招くことなく、定常通り破砕作業を行うことができる。したがって、空運転時には自走式破砕機をアイドリング運転することでエネルギロスを低減し、且つ適宜に定常運転に復帰させて破砕作業を行うことができるので、定常性を確保しつつエネルギロスを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原動機制御装置の一実施の形態を備える自走式破砕機の全体構造を表す側面図である。
【図2】本発明の原動機制御装置の一実施の形態を備える自走式破砕機の全体構造を表す上面図である。
【図3】本発明の原動機制御装置の一実施の形態を備える自走式破砕機の全体構造を表す図1中左側から見た正面図である。
【図4】本発明の原動機制御装置の一実施の形態を備える自走式破砕機の油圧駆動装置の全体構成を表す油圧回路図である。
【図5】本発明の原動機制御装置の一実施の形態を備える自走式破砕機の油圧駆動装置の全体構成を表す油圧回路図である。
【図6】本発明の原動機制御装置の一実施の形態を備える自走式破砕機の油圧駆動装置の全体構成を表す油圧回路図である。
【図7】本発明の原動機制御装置の一実施の形態を備える自走式破砕機における、第1油圧ポンプから吐出されセンターバイパスラインを介してポンプコントロールバルブのピストン絞り部分へ導かれる余剰流量、及び第2油圧ポンプから吐出されリリーフ弁を介してポンプコントロールバルブのピストン絞り部分へ導かれる余剰流量と、このときポンプコントロールバルブの可変リリーフ弁の機能によって発生される制御圧力との関係を表す図である。
【図8】本発明の原動機制御装置の一実施の形態を備える自走式破砕機における、制御圧力と第1及び第2油圧ポンプのポンプ吐出流量との関係を示す図である。
【図9】本発明の原動機制御装置の一実施の形態を構成するコントローラの機能を示す機能ブロック図である。
【図10】本発明の原動機制御装置の一実施の形態を構成するフットスイッチの、被破砕物を投入する油圧ショベルの運転室内での配置状態を表す図である。
【図11】本発明の原動機制御装置の一実施の形態を構成するコントローラの機能のうち、オートアイドル機能に係わる制御内容を表すフローチャートである。
【図12】本発明の原動機制御装置の他の実施の形態を構成するコントローラの機能を示す機能ブロック図である。
【図13】本発明の原動機制御装置の他の実施の形態を構成するコントローラの機能のうち、オートスタンバイ機能に係わる制御内容を表すフローチャートである。
【符号の説明】
2 走行装置(複数の機器)
8L,8R 左・右走行用油圧モータ(複数の油圧アクチュエータ)
15 フィーダ(補助機械;複数の機器;所定の機器)
19 フィーダ用油圧モータ(複数の油圧アクチュエータ)
20 ジョークラッシャ(破砕装置;複数の機器;所定の機器)
21 破砕装置用油圧モータ(複数の油圧アクチュエータ)
40 排出コンベア(補助機械;複数の機器)
48 排出コンベア用油圧モータ(複数の油圧アクチュエータ)
55 磁選機(補助機械;複数の機器)
60 磁選機用油圧モータ(複数の油圧アクチュエータ)
61 エンジン(原動機)
62 第1油圧ポンプ
63 第2油圧ポンプ
84 コントローラ(第1の制御手段)
84′ コントローラ(第2の制御手段)
84″ コントローラ(第3の制御手段;検出手段)
139 燃料噴射制御装置(回転数制御手段)
202 圧力センサ(検出手段)
204 圧力センサ(検出手段)
206 圧力センサ(検出手段)
207 圧力センサ(検出手段)
208 圧力センサ(検出手段)
300 油圧ショベル
303 フットスイッチ(第1の遠隔操作手段;第2の遠隔操作手段)
303′ フットスイッチ(第2の遠隔操作手段)
305 受信器(受信手段)
310 フットスイッチ(第2の遠隔操作手段)
Claims (6)
- 破砕装置及びこの破砕装置による破砕作業に関連する作業を行う補助機械を含む複数の機器と、これら複数の機器をそれぞれ駆動する複数の油圧アクチュエータと、これら複数の油圧アクチュエータに圧油を供給する油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動する原動機とを備える自走式破砕機の原動機制御装置において、
前記原動機の回転数を制御する回転数制御手段と、
自走式破砕機外に設けた第1の遠隔操作手段の操作信号を受信する受信手段と、
この受信手段で受信した操作信号に基づき、少なくとも前記原動機の回転数が予め設定したアイドリング回転数からそれ以上の回転数となるように前記回転数制御手段を制御する第1の制御手段とを備えたことを特徴とする自走式破砕機の原動機制御装置。 - 請求項1記載の自走式破砕機の原動機制御装置において、前記第1の制御手段は、前記複数の機器のうち前記破砕装置を含む所定の機器が全て停止状態であるか、若しくは前記所定の機器のうち動作状態にあるものが全て被破砕物に対し前記破砕又は破砕作業に関連する作業を行っていない空運転状態である場合に、前記原動機の回転数が前記アイドリング回転数となるように、前記回転数制御手段を制御することを特徴とする自走式破砕機の原動機制御装置。
- 請求項1又は2記載の自走式破砕機の原動機制御装置において、前記第1の遠隔操作手段は、油圧ショベルの運転室内に設けたフットスイッチであることを特徴とする自走式破砕機の原動機制御装置。
- 破砕装置及びこの破砕装置による破砕作業に関連する作業を行う補助機械を含む複数の機器と、これら複数の機器をそれぞれ駆動する複数の油圧アクチュエータと、これら複数の油圧アクチュエータに圧油を供給する油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動する原動機とを備える自走式破砕機の原動機制御装置において、
前記原動機の回転数を制御する回転数制御手段と、
自走式破砕機外に設けた第2の遠隔操作手段の操作信号を受信する受信手段と、
この受信手段で受信した操作信号に基づき、前記原動機の回転数が予め設定したアイドリング回転数となるように前記回転数制御手段を制御し、また前記原動機の回転数が前記アイドリング回転数からそれ以上の回転数となるように前記回転数制御手段を制御する第2の制御手段とを備えたことを特徴とする自走式破砕機の原動機制御装置。 - 請求項4記載の自走式破砕機の原動機制御装置において、前記第2の遠隔操作手段は、油圧ショベルの運転室内に設けたフットスイッチであることを特徴とする自走式破砕機の原動機制御装置。
- 破砕装置及びこの破砕装置による破砕作業に関連する作業を行う補助機械を含む複数の機器と、これら複数の機器をそれぞれ駆動する複数の油圧アクチュエータと、これら複数の油圧アクチュエータに圧油を供給する油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動する原動機とを備える自走式破砕機の原動機制御装置において、
前記原動機の回転数を制御する回転数制御手段と、
前記複数の機器のうち前記破砕装置を含む所定の機器が全て停止状態であるか、若しくは前記所定の機器のうち動作状態にあるものが全て被破砕物に対し前記破砕又は破砕作業に関連する作業を行っていない空運転状態であることを検出する検出手段と、
この検出手段の検出結果に基づき、前記原動機の回転数を復帰応答性を確保しつつ省エネルギを図るため予め設定したスタンバイ回転数にするように、前記回転数制御手段を制御する第3の制御手段とを備えたことを特徴とする自走式破砕機の原動機制御装置。
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