JP4014427B2 - 接写用凸レンズを具えた撮像機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する分野】
本発明は、接写撮影用とルーペを兼用できる凸レンズを具えたデジタルカメラ、カメラ付き携帯電話器、フィルムカメラ等の撮像機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
カメラのレンズの前方に凸レンズを配置すると、接写距離を短くできることは知られている。
但し、凸レンズがカメラレンズ前方の定位置から不用意に動くことを防止するための保持手段や、接写しない場合の凸レンズの収納等、携帯上の問題があり、実機に採用されことは殆どない。
本発明は、凸レンズを、接写用とルーペとに切り換えて使用できる様にボディ上に位置決め可能に配備することにより、接写撮影時の凸レンズの不用意な移動を防止し、機器の携帯性を損なわず、又、凸レンズをルーペとして機能させることのできる撮像機器を明らかにするものである。
【0003】
【課題を解決する手段】
本発明の撮像機器は、撮像機能を具えカメラレンズ ( 2 ) を設けた機器ボディ ( 1 ) と、機器ボディ ( 1 ) に開閉可能に配備したカメラレンズ保護用の蓋体 ( 5 ) と、蓋体 ( 5 ) に蓋体 ( 5 ) の開閉方向に移動可能に配備した保持部材 ( 4 ) と、保持部材 ( 4 ) が蓋体 ( 5 ) の閉方向に移動して蓋体 ( 5 ) から突出する部分に設けた凸レンズ ( 3 ) と、を具備し、蓋体 ( 5 ) が開いた状態で保持部材 ( 4 ) が蓋体 ( 5 ) から突出することによって凸レンズ ( 3 ) はカメラレンズ ( 2 ) の前方に位置し、蓋体 ( 5 ) が閉じた状態で保持部材 ( 4 ) が蓋体 ( 5 ) から突出することによって凸レンズ ( 3 ) は機器ボディ ( 1 ) からはみ出した位置となることを特徴とする。
【0004】
【作用及び効果】
接写撮影の場合は、凸レンズ(3)をカメラレンズ(2)の前方に位置させる。これにより焦点距離が短くなって、接写可能距離を短くできる。
凸レンズ(3)をボディ(1)からはみ出す位置にセットすると、該凸レンズ(3)をルーペとして使用できる。
上記の様に、凸レンズ(3)をカメラレンズ(2)の前方位置のみならず、機器ボディ(1)からはみ出す位置に切り換えてセットできるため、凸レンズ単体での拡大鏡の機能を果たさせることが出来る。又、凸レンズ(3)を位置の切換可能に機器ボディ(1)上に配備したため、凸レンズ(3)の紛失や、収納に気使う必要はなく、機器の携帯性を損なうこともない。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1は、デジタルカメラ又はフィルムカメラの実施例である。
カメラボディ(1)の前面に、支点(40)を中心に、該ボディ前面に沿って回動可能に保持部材(4)を配備し、該保持部材(4)の自由端にカメラレンズ(2)を設けている。
カメラレンズ(2)は、ガラス又は合成樹脂で形成し、保持部材(4)に開設したレンズ孔に取り付けても可いが、合成樹脂により保持部材(4)と一体成形することも出来る(後記する図2乃至図6の他の実施例の場合も同様)。
【0006】
保持部材(4)の支点(40)の位置及び該支点から凸レンズ(3)の中心位置までの距離は、保持部材(4)がカメラレンズ(2)側に回転したとき、凸レンズ(3)はカメラレンズ(2)に夫々の中心が一致して被さり、保持部材(4)が下向きに回転したときは、凸レンズ(3)全体がカメラボディ(1)からはみ出す様に決定される。実施例では、凸レンズ(3)がカメラレンズ(2)の邪魔にならず、且つ、カメラボディ(1)からはみ出さない中間位置にもセット可能である。
【0007】
保持部材(4)は軟係止手段によって、凸レンズ(3)がカメラレンズ(2)に重なる接写位置、上記中間位置及び凸レンズ(3)がボディ(1)がらはみ出るルーペ位置の3位置に軟係止可能である。実施例の軟係止手段は、保持部材(4)の裏面にバネ付勢して設けたクリックボール(41)と、上記3位置に対応してカメラボディ(1)に設けたクリックボール係合用の凹部(10)(10a)(10b)とによって構成される。クリックボール(41)が3つの凹部(10)(10a)(10b)の内、所望の凹部に浅く嵌まることによって、保持部材(4)、即ち凸レンズ(3)が不用意に移動することを防止できる。
保持部材(4)を手で回転させると、クリックボール(41)がバネに抗して凹むため、保持部材(4)の回転に支障はない。
【0008】
図2は、カメラボディ(1)の前面にスライド可能に配備したカメラレンズ保護用の蓋体(5)に、凸レンズ(3)付きの保持部材(4)を配備した実施例を示している。
図2Cに示す如く、蓋体(5)は、カメラレンズ(2)を開放する撮影位置、図2Bに示す、カメラレンズ(2)に被さる収納位置の2位置に切換可能であり、図示しない軟係止手段によって夫々の位置で軟係止される。
【0009】
蓋体(5)の内面に蓋体のスライド方向にスライド可能に保持部材(4)を配備し、該保持部材(4)上に凸レンズ(3)及び、撮影補助部材である拡散板(6)を設ける。
拡散板(6)はボディ(1)上のストロボ(7)の発光面より少し大きなガラス板又は合成樹脂板の表面に微細な凹凸を形成したもので、凸レンズ(3)と同様にして合成樹脂にて保持部材(4)と一体に成形することができる。
【0010】
保持部材(4)にはスライド操作用の指掛かり突起(45)が突設され、蓋体(5)には、該突起(45)がスライド可能に嵌まって外側に臨出する長孔(51)が、保持部材(4)のスライド方向に開設されている。
【0011】
凸レンズ(3)と拡散板(6)の位置は、図2Dに示す如く、保持部材(4)が撮影位置の蓋体(5)からカメラレンズ(2)側にスライドして突出した状態にて、凸レンズ(3)はカメラレンズ(2)に夫々の中心が一致して被さり、拡散板(6)はカメラボディ(1)上のストロボ(7)の発光面に被さる様に決められる。
又、図2Aに示す如く、収納位置の蓋体(5)から保持部材(4)の約1/2がボディ(1)の外側に突出した状態で、凸レンズ(3)全体がボディ(1)からはみ出す。
【0012】
図2Cに示す如く、蓋体(5)が撮影位置にあり、保持部材(4)が蓋体(5)に完全に納まっている状態で、カメラレンズ(2)及びストロボ(7)の発光面は完全に開放される。このとき、蓋体(5)は、凸レンズ(3)と拡散板(6)を保護する役割を果たしている。
【0013】
尚、上記の場合、凸レンズ(3)と共に移動する撮影補助部材は、ストロボ(7)の発光面に被さる拡散板(6)であるが、ストロボ(7)の位置にビューファインダー(9)があるとすれば、拡散板(6)の位置に対物レンズ(8)を配置して撮影補助部材となすことができる。
【0014】
図4は、カメラ付き縦型携帯電話器での実施例である。
携帯電話器の縦長ボディ(1)の上部に画像表示部(11)及びアンテナ(12)、下部に操作釦群からなる操作部(16)が設けられ、操作部(16)の画像表示部(11)側端部にカメラレンズ(2)が位置している。
操作部(16)の外端に、操作部(16)の大きさに対応する板状の保持部材(4)がヒンジ部(41)を介して回動可能に取り付けられている。
保持部材(4)には、該保持部材が操作部(16)に被さった状態でカメラレンズ(2)と対応する位置に凸レンズ(3)が設けられている。
【0015】
保持部材(4)を操作部(16)に重ねると、係止手段又は軟係止手段(図示せず)によって、保持部材(4)が不用意に移動しない様に係止される。この状態で凸レンズ(3)がカメラレンズ(2)に夫々の中心が一致して被さり、接写に備えることができる。又、この状態では、保持部材(4)は、操作部(16)の操作釦群を不用意に押すことを防止する蓋の役割も果たす。
保持部材(4)を開くと、凸レンズ(3)はルーペとして使用できる。
【0016】
カメラのシャッタースイッチは、操作部(16)に被さった保持部材(4)に邪魔されない位置に設けるか、或いは、操作部(16)に保持部材(4)が被さったままシャッタースイッチが操作できる様に、保持部材(4)のシャッタースイッチとの対応位置を開口(図示せず)しておけば可い。
【0017】
図5は、縦型携帯電話器での他の実施例を示しており、カメラレンズ(2)は、携帯電話器の背面上端に位置している。
携帯電話器のボディ(1)の背面に、凸レンズ(3)を有する保持部材(4)をカメラレンズ(2)上を通過する様にスライド可能に配備する。
凸レンズ(3)は保持部材(6)の先端部に設けられる。
保持部材(6)は該凸レンズ(3)がカメラレンズ(2)に夫々の中心が一致する様に被さる撮影位置、凸レンズ(3)がボディ(1)がらはみ出るルーペ位置、凸レンズ(3)がカメラレンズ(2)よりも内側に位置する収納位置の3位置に、軟係止手段(図示せず)によって切換可能である。
【0018】
図6は、カメラ付き折畳み型携帯電話器での実施例である。
携帯電話器のボディ(1)は、操作釦群からなる操作部を具えたボディ半体(13)(14)と、画像表示部を備えたボディ半体(14)をヒンジ部(15)にて枢支連結して構成される。
操作部側ボディ半体(13)のヒンジ部(15)寄り端部背面にカメラレンズ(2)が位置している。
【0019】
画像表示部側ボディ半体(14)の背面に、先端に凸レンズ(3)を具えた保持部材(4)がヒンジ部(15)を越えてスライド可能に配備される。
保持部材(4)は、バネ(42)によってヒンジ部(15)側とは反対方向に付勢されている。
保持部材(4)側のボディ半体(14)には、保持部材(4)に係脱可能に掛け外し片(43)が配備される。
掛け外し片(43)はその略中央部が定位置にて回転可能に支持され、両端がボディ半体(14)の両面から臨出する方向にバネ(図示せず)にて付勢されている。
掛け外し片(43)の保持部材(4)側の自由端は、保持部材(4)に設けた位置決め用当たり部(44)に係脱可能な掛かり片(43a)であり、保持部材(4)の他方の自由端は、カメラレンズ(2)側に突出した保持部材(4)を元位置に戻すための操作片(43b)である。
【0020】
図6Cに示す如く、ボディ(1)が開いた状態にて、保持部材(4)をヒンジ部(15)を越えて最大スライドさせると、掛け外し片(43)の掛かり片(43a)がバネ力によりボディ半体(14)の表面から臨出して保持部材(4)の当たり部(44)に係合し、保持部材(4)を係止する。この状態で、保持部材(4)上の凸レンズ(3)はカメラレンズ(2)に夫々の中心を一致させて被さり、接写態勢となる。
上記状態で、ボディ(1)をヒンジ部(15)で折り畳むと、凸レンズ(3)をルーペとして使用できる。
ボディ半体(14)から臨出している掛け外し片(43)の操作片(43b)を押すと、反対側の掛かり片(43a)がボディ半体(14)内に沈み、保持部材(4)との係合が外れて、バネ(62)力により、図6Bに示す如く保持部材(4)は元位置に復帰する。
【0021】
上記の様に、凸レンズ(3)をカメラレンズ(2)の前方位置のみならず、機器ボディ(1)からはみ出す位置に切り換えてセットできる様にすることで、凸レンズ単体での拡大鏡の機能を果たさせることが出来る。
接写撮影の場合は、凸レンズ(3)をカメラレンズ(2)の前方に位置させることにより焦点距離が短くなって、接写距離を短くできる。
凸レンズ(3)はカメラレンズ(2)に被さった状態で位置決めされるから、凸レンズ(3)が不用意な移動して、撮影の支障になることはない。
【0022】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の斜面図である。
【図2】第2実施例の凸レンズの位置の説明図であり、A図はルーペ位置、B図は収納位置、C図は撮影位置、D図は接写位置である。
【図3】図2BのX−X線に沿う断面図である。
【図4】第3実施例の斜面図である。
【図5】第4実施例の背面図である。
【図6】第4実施例の折畳み型携帯電話器の、A図は背面側の斜面図、B図は折畳み状態の断面図、C図は接写態勢の断面図である。
【符号の説明】
(1) ボディ
(2) カメラレンズ
(3) 凸レンズ
Claims (4)
- 撮像機能を具えカメラレンズを設けた機器ボディと、
前記機器ボディに開閉可能に配備したカメラレンズ保護用の蓋体と、
前記蓋体に前記蓋体の開閉方向に移動可能に配備した保持部材と、
前記保持部材が前記蓋体の閉方向に移動して前記蓋体から突出する部分に設けた凸レンズと、
を具備し、
前記蓋体が開いた状態で前記保持部材が前記蓋体から突出することによって前記凸レンズはカメラレンズの前方に位置し、前記蓋体が閉じた状態で前記保持部材が前記蓋体から突出することによって前記凸レンズは前記機器ボディからはみ出した位置となることを特徴とする接写用凸レンズを具えた撮像機器。 - 前記保持部材に、接写時に用いる撮影補助部材を配備したことを特徴とする請求項1に記載の接写用凸レンズを具えた撮像機器。
- 前記撮影補助部材は前記機器ボディに設けられたストロボの発光面に被さる拡散板である請求項2に記載の接写用凸レンズを具えた撮像機器。
- 前記撮影補助部材は前記機器ボディに設けられたビューファインダーに被さる対物レンズである請求項2に記載の接写用凸レンズを具えた撮像機器。
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