JP4008135B2 - 抹茶入り茶類飲料の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、抹茶入り茶類飲料の製造方法に関し、詳しくは抹茶風味のある透明な抹茶入り茶類飲料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
消費者の嗜好の多様性に応えるため、各種の飲料が市場に出回っており、茶類飲料についても、多くの種類が販売されている。その中の1つに抹茶入り茶類飲がある。ところが、原料として用いる抹茶粉末自体が固形物であるため、沈殿を生じ易く、外観上飲料の品質に問題があるかの如き誤解を生ずる可能性がある。そのため、ペットボトル等の内容物が見える透明容器が使用できず、従来は抹茶入り茶類飲料は缶製品に限られていた。
しかし、缶製品であっても、コップ等に注いで飲用する場合、濁りの点で品質に誤解を受け易かった。そのため、透明容器を使用する場合は、抹茶自体を使用しないで、代わりに抹茶香料あるいは抹茶エキスを用いることしか考えられなかった。
一方、ペットボトルを用いた飲料の市場は近年益々活性化されてきており、その使用は、あらゆるタイプの飲料にまで拡大されており、抹茶を含む茶類飲料の容器としての利用も検討されつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、ペットボトル等の透明容器に充填しても、沈殿を生じない抹茶入り茶類飲料の開発が必要となってきた。本発明者らは、かかる課題を解決すべく検討を重ねた結果、抹茶成分の沈殿防止のため、該飲料をろ過等により透明化しても、抹茶風味が消失しない製品が得られることを見出して、本発明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、抹茶入り茶類飲料を製造するにあたり、40〜70℃の温水により茶葉から抽出して得た茶抽出液を15〜25℃に冷却し、茶抽出液に対して0.01〜0.1%(w/v)の抹茶粉末を加えて抹茶エキスを抽出した後、抹茶の固形分を除去することを特徴とする抹茶入り茶類飲料の製造方法である。
請求項2記載の本発明は、抽出処理を、L−アスコルビン酸ナトリウムを含有する温水で行なう請求項1に記載の方法である。
請求項3記載の本発明は、抹茶の固形分を、遠心分離処理と珪藻土ろ過によって除去する請求項1又は2に記載の方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の抹茶入り茶類飲料は、茶葉と抹茶を主な原料として用いる。茶葉としては、緑茶(玉露、番茶も含む。)、ウーロン茶、玄米茶、はと麦茶あるいはこれらの混合茶等茶類全般が使用可能であるが、緑茶が一般的に使用される。
その他、所望により、酸化防止作用を有するビタミンCなどのビタミン類、香料、pH調整剤等を適宜用いることができる。
【0006】
次に、本発明の抹茶入り茶類飲料の製造方法について説明する。
請求項1に記載した方法では、まず原料の茶葉を加温した水で抽出する。このとき用いる温水は40〜70℃、好ましくは50〜60℃程度の温度のものを使用する。温水には、L−アスコルビン酸ナトリウムなどの酸化防止剤を適宜加えることにより、品質の安定したエキス分を抽出できる。
抽出操作は、温水に原料の茶葉を加え、好ましくは攪拌しながら1〜20分、通常は2〜10分程度行なう。このようにして、茶葉からエキス分を抽出する。
【0007】
抽出操作が終了した後、ろ過(第1ろ過)を行ない、茶葉などの固形分を除去する。
次いで、得られた抽出液を15〜25℃程度、好ましくは20℃程度の温度まで冷却する。冷却した抽出液に抹茶を投入する。抹茶の添加量は、調合液に対して0.01〜0.1%程度が適当である。抹茶を投入した後、好ましくは攪拌しながら5〜10分間抽出処理を行ない、抹茶のエキスを抽出する。
【0008】
次に、抹茶エキスを含む抽出液をろ過(第2ろ過)する。はじめに、この抽出液を遠心分離装置にかけ、さらに珪藻土ろ過を行なう。ここで、珪藻土ろ過は、ろ過エレメントのろ過面に珪藻土をプリコートすると共に、ろ過すべき抽出液にも適量の珪藻土を添加(ボディーフィード)して行なう。
第2ろ過を行なうことによって、エキスを抽出した後の不溶性抹茶粉末をほぼ完全に除去することができる。
【0009】
第2ろ過を終了した後、抽出液に純水を加えて濃度調整して飲み易い飲料とする。この際、酸化防止剤(ビタミンC)、pH調整剤(重曹など、pH6.2程度に調整)等を適宜添加する(調合工程)。
上記調合工程の後、殺菌処理を行なう。殺菌処理は、130〜140℃で20〜60秒、好ましくは30〜40秒程度で行なう。この後、液温を85〜95℃程度まで下げるために冷却処理を実施する。液温を調整した茶類飲料を容器(ペットボトル等)に充填して製品を得る。
【0010】
【実施例】
以下に、本発明を実施例によって詳しく説明する。
実施例1(茶類飲料10リットル(L)調合の場合)
55℃の温水3Lに適量のL−アスコルビン酸ナトリウムを加えて溶解し、この温水に原料茶葉0.1kgを加え、攪拌しながら4分間処理してエキス分の抽出を行なった。
抽出終了後、ろ過を行なって茶葉を除去した。得られた抽出液3Lを約20℃まで冷却した。次いで、この抽出液に抹茶粉末3gを添加し、10分間程攪拌しながら抹茶エキスを抽出した。
【0011】
抹茶エキスを含む抽出液を遠心分離(8000rpm、10分間)した後、珪藻土ろ過を行なった。すなわち、ろ過エレメントのろ過面に珪藻土を塗布したものを用いると共に、前記抽出液にも適量の珪藻土を添加し、これを該ろ過器でろ過した。これにより、抹茶粉末などに由来する固形分は除かれた。
得られた抹茶エキスを含む透明な抽出液2.5Lに純水7.5Lを加えて濃度調整を行なった。さらに、酸化防止剤であるビタミンCを5g添加し、重曹を用いて調合液のpHを6.2に調整した。
【0012】
次に、抽出液を130〜140℃で30〜40秒加熱処理して殺菌した。この後、抽出液の液温を85〜90℃に冷却した。
【0013】
比較例1
55℃の温水3Lに適量のL−アスコルビン酸ナトリウムを加えて溶解し、この温水に原料茶葉0.1kgと抹茶粉末3gを加え、攪拌しながら4分間処理してエキス分の抽出を行なった。
抽出終了後、ろ過を行なって茶葉を除去した後、実施例1と同様に遠心分離及び珪藻土ろ過を行なって抹茶エキスを含む透明な抽出液を得た。
得られた透明な抽出液2.5Lに純水7.5Lを加えて濃度調整を行なった。さらに、酸化防止剤であるビタミンCを添加し、重曹を用いて調合液のpHを6.2に調整した。
【0014】
次に、抽出液を130〜140℃で30〜40秒加熱処理して殺菌した。この後、抽出液の液温を85〜90℃に冷却した。
【0015】
比較例2
実施例1において、遠心分離及び珪藻土ろ過を行なわなかったこと以外は同様にして抹茶エキスを含む茶類飲料製品を製造した。
【0016】
試験例
このようにして得た3種類の抹茶入り茶類飲料製品について700nmの波長を有する光の吸光度を測定することによって濁度を比較した。
その結果、実施例1及び比較例1の製品の濁度は0.05であったの対して比較例2の製品の濁度は0.15で、両者間に有意差が認められた。また、目視による判定においても、実施例1及び比較例1の製品は透明性に優れていた。
さらに、3種類の製品を試飲して比較したところ、抹茶の香りと味の点ではいずれの製品にも差異は感じられなかった。しかし、淡白でスッキリした飲み心地は、実施例1及び比較例1の製品の方が比較例2の製品よりも良かった。また、実施例1及び比較例1の製品の間では、実施例1の製品の方が比較例1の製品よりも、抹茶の特徴がより明確に感じられた。したがって、香味の優位性の面で、抹茶の添加時期は原料茶葉の抽出後に行なう方が有効であることが分かった。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、製造過程において添加した抹茶自体を除去したにもかかわらず、抹茶風味を保持した透明な抹茶入り茶類飲料が提供される。したがって、従来のように抹茶香料を使用しなくても抹茶の香りを十分に保有する透明な茶類飲料が得られる。
Claims (3)
- 抹茶入り茶類飲料を製造するにあたり、40〜70℃の温水により茶葉から抽出して得た茶抽出液を15〜25℃に冷却し、茶抽出液に対して0.01〜0.1%(w/v)の抹茶粉末を加えて抹茶エキスを抽出した後、抹茶の固形分を除去することを特徴とする抹茶入り茶類飲料の製造方法。
- 抽出処理を、L−アスコルビン酸ナトリウムを含有する温水で行なう請求項1に記載の方法。
- 抹茶の固形分を、遠心分離処理と珪藻土ろ過によって除去する請求項1又は2に記載の方法。
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