JP2003102385A - 紅茶飲料およびその製造方法 - Google Patents

紅茶飲料およびその製造方法

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JP2003102385A JP2001300078A JP2001300078A JP2003102385A JP 2003102385 A JP2003102385 A JP 2003102385A JP 2001300078 A JP2001300078 A JP 2001300078A JP 2001300078 A JP2001300078 A JP 2001300078A JP 2003102385 A JP2003102385 A JP 2003102385A
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Hiroshi Sasai
博司 笹井
Tatsuyuki Kudo
辰幸 工藤
Yasuyuki Suzuki
康之 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 香り立ちがよく爽快で、保存時の物性も安定
な紅茶飲料およびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 ダージリン種の紅茶茶葉を熱水抽出して
得られる紅茶抽出液とダージリン種以外の品種の紅茶茶
葉を熱水抽出して得られる紅茶抽出液とを含み、当該紅
茶抽出液の加熱殺菌後のpHをpH調整剤にてpH5.
6以上になるように調整したことを特徴とする紅茶飲料
および前記紅茶飲料の製造方法において、熱水抽出によ
り得られた紅茶抽出液の加熱殺菌後のpHをpH調整剤
にてpH5.6以上になるように調整する工程を含むこ
とを特徴とする紅茶飲料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は香り立ちがよく爽快
で、保存時の物性も安定な紅茶飲料およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、紅茶は優れた嗜好品として飲
用されているが、近年では、缶容器や紙容器、PETボ
トル等に密封された状態の紅茶飲料として多数市販され
るようになっている。日本においては、紅茶飲料の風味
として、すっきりとした香り立ちのよいものが一般に好
まれる傾向がある。このため、紅茶飲料の製造にあたっ
ては、紅茶茶葉の種類(ブレンド)や、固形分量などを
適宜検討し、風味良好な飲料を製造することが試みられ
ているが、消費者の嗜好性の向上に伴って、より一層の
風味改良が求められるようになっている。
【0003】紅茶飲料の風味改良技術としては、タンナ
ーゼ処理による苦渋味等の除去やデンプンの添加、窒素
充填やビタミンCの添加による酸化防止等が挙げられ
る。このような技術により、爽やかな紅茶飲料を得る工
夫がなされているが、十分に満足し得る程度のものとは
言い難い。特に、上記のような缶容器、紙容器など密封
容器に紅茶を充填した商品形態を採用する場合には、容
器への密封前後にUHT殺菌、レトルト殺菌等の加熱殺
菌を行う必要があり、この処理のために、飲料の香り立
ちや爽やかさが減退してしまうといった問題があった。
【0004】一方、紅茶飲料は製造時または長期保存中
に、クリームダウンまたはクリーミングと呼ばれる白濁
やオリが生じることが広く知られている。この現象を抑
制するため、遠心分離、珪藻土濾過、ポリフェノール吸
着樹脂によるポリフェノールの吸着、タンナーゼ処理に
よるタンニンの分解等、さまざまなクリームダウンやオ
リの抑制法が報告されているが、これらの処理によって
も紅茶の香り立ちや爽やかさが減退してしまうといった
問題が生じていた。
【0005】このような現状において、本発明者らは、
紅茶茶葉のブレンドによる紅茶飲料の風味改良の検討を
行ったところ、紅茶茶葉として、主にダージリン種の茶
葉を用いて紅茶を調製することで、爽やかで香り立ちの
高い飲料を得られることを見出した。ところが、当該紅
茶を高温で加熱殺菌した後、密封容器に充填・保存した
場合に、他の茶葉由来の抽出液で製造した紅茶飲料には
見られないオリが経時的に形成されることを知った。
【0006】このオリは、紅茶飲料の見た目を悪化さ
せ、消費者の購入、飲用意欲を削いでしまい、紅茶飲料
そのものの商品価値を低下させてしまうものであり、そ
の改良が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、爽
やかで香り立ちのよいダージリン種の紅茶茶葉を用い、
オリ形成等物性面での劣化を抑制した紅茶飲料およびそ
の製造方法を提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、香り立ち
がよく爽快で、保存時の物性も安定な紅茶飲料を得るべ
く、鋭意研究を行った結果、ダージリン種とダージリン
種以外の品種の紅茶茶葉の熱水抽出により得られる紅茶
抽出液を含む紅茶飲料のpHをpH調整剤により調整す
ることにより、上記の課題を解決することができること
を見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち本発明は、ダージリン種の紅茶茶
葉を熱水抽出して得られる紅茶抽出液とダージリン種以
外の品種の紅茶茶葉を熱水抽出して得られる紅茶抽出液
とを含み、当該紅茶抽出液の加熱殺菌後のpHをpH調
整剤にてpH5.6以上になるように調整したことを特
徴とする紅茶飲料を提供するものである。
【0010】また本発明は、ダージリン種の紅茶茶葉を
熱水抽出して得られる紅茶抽出液とダージリン種以外の
品種の紅茶茶葉を熱水抽出して得られる紅茶抽出液を含
む紅茶飲料の製造方法において、熱水抽出により得られ
た紅茶抽出液の加熱殺菌後のpHをpH調整剤にてpH
5.6以上になるように調整する工程を含むことを特徴
とする紅茶飲料の製造方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において使用されるダージ
リン種の紅茶茶葉はインドダージリン地方で栽培、生産
される紅茶茶葉の総称であり、「紅茶のシャンパン」と
も称され、マスカットフレーバーと称される格別の香味
を持っている。
【0012】また、本発明において使用されるダージリ
ン種以外の紅茶茶葉としては、ダージリン種の香りを引
き立てるものであれば特に限定されないが、例えばセイ
ロン種、アッサム種、ニルギリ種等が挙げられ、紅茶飲
料の風味を良好とするためには、特にセイロン種の使用
が好ましい。このセイロン種の紅茶茶葉はスリランカ
(セイロン)で栽培、生産される紅茶葉の総称であり、
水色、味、香りの三要素のバランスが良いとされている
ことが特徴である。なお、セイロン種の中には、ディン
ブラ種やウバ種、ヌワラエリア種等の亜種があるがこれ
らを使用してもよい。
【0013】紅茶茶葉は何れの方法で得られたものを用
いてもよく、例えばオーソドックス法やCTC機による
アンオーソドックス法によって得られたものを使用でき
る。また、この紅茶茶葉はそのまま用いても、細断等適
宜加工して用いてもよい。なお、オーソドックス法にお
いては、茶葉は摘採した茶葉を萎凋、揉捻、発酵、乾
燥、再製、仕上げの工程を経て製造され、茶葉の大きさ
によってOP型とBOP型にふるい分けられる。
【0014】本発明においては、ダージリン種紅茶茶葉
とそれ以外の品種の紅茶茶葉あるいは、それらの紅茶茶
葉由来の紅茶抽出液をブレンドするが、作業性の面から
は、茶葉の段階でブレンドすることが好ましい。その際
のブレンドの比率は、ダージリン種とセイロン種とを使
用する場合はそれらの質量比で、1:9から7:3が好
ましく、特に1:9〜1:1が好ましい。特に、ダージ
リン種とディンブラ種をブレンドしたものは乳成分、果
汁等を含まないストレート紅茶飲料に、ダージリン種と
セイロン種をブレンドしたものはレモン風味の紅茶飲料
に、ダージリン種とセイロン種およびウバ種をブレンド
したものはミルク風味の紅茶飲料にそれぞれ使用すると
よい。このような比率のブレンドが風味良好であること
の参考として、製造例を下記参考例1に示す。
【0015】各々の紅茶茶葉あるいは上記のようにして
ブレンドされた紅茶茶葉から紅茶抽出液を得るために
は、30℃〜90℃で5分〜15分間熱水抽出すること
が好ましく、特に50℃〜70℃で5分間〜12分間熱
水抽出することが好ましい。ここで紅茶茶葉と熱水の割
合は質量比で1:30〜1:60が好ましく、特に1:
40〜1:50が好ましい。
【0016】上記の熱水抽出により得られた紅茶抽出液
は、まず、そのブリックス糖度を水、紅茶エキス等で調
整され、次いで、グラニュー糖等の甘味料で調整する。
【0017】水、紅茶エキス等による紅茶のブリックス
糖度の調整は、最終製品において0.175°〜0.27
5°程度となるまで行うことが好ましく、特に0.2°
〜0.25°が好ましい。また、紅茶エキスでブリック
ス糖度を調整することも可能であり、この場合には紅茶
エキスを紅茶由来の全ブリックスの10〜30%程度、
特に10〜25%程度とすることが妥当である。
【0018】また、グラニュー糖等の甘味料の添加によ
るブリックス糖度の調整は、紅茶飲料(製品)のブリッ
クス糖度が4.0°〜4.6°程度となるように行うこと
が好ましく、特に4.2°〜4.4°が好ましい。
【0019】このようにして、ブリックス糖度の調整さ
れた紅茶抽出液は、pH調整剤によりそのpHを調整す
るが、紅茶抽出液のpHは加熱殺菌により低下するた
め、予めそれを見込んで調整することが好ましい。ま
た、最終製品がストレート紅茶飲料やミルク風味の紅茶
飲料の場合には問題ないが、最終製品がレモン風味とな
る場合には、加熱殺菌によるpHの低下に加えて、レモ
ン果汁の添加によるpHの低下も見込んでpHを調製す
ることが好ましい。具体的には加熱殺菌後のpHが5.
6以上が好ましく、特にpH5.6〜6.2が風味面、紅
茶由来のオリ防止の点から好ましい。pH調整剤として
は、紅茶の風味を損なわず通常食品の分野において使用
されるものであれば特に限定されないが、重曹の使用が
好ましい。このpH調整剤は加熱殺菌前後の何れの段階
の紅茶抽出液に添加してもよいが、特に加熱殺菌前に添
加することが好ましい。また、このpH調整剤の添加方
法としては、加熱殺菌前の紅茶抽出液にpH調整剤を直
接添加する方法あるいは別途pH調整剤を溶解した溶液
を調整し、それを加熱殺菌後の紅茶抽出液に添加する方
法等が挙げられる。加熱殺菌は、例えばUHT殺菌であ
れば130℃で60秒程度行えばよい。なお、これらの
紅茶抽出液は何れの段階でフィルター等による精密濾過
を行っても良い。
【0020】斯くして得られた紅茶抽出液を製品とする
には、上記紅茶抽出液に必要により、レモン等の果汁、
香料、牛乳、クリーム等の乳成分、ショ糖脂肪酸エステ
ル等の乳化剤、グラニュー糖等の糖質、アスコルビン酸
ナトリウム、アスコルビン酸等を添加して混合液とす
る。こうして得られた混合液は加熱殺菌後、更に缶、ビ
ン、紙容器等の密封容器に充填、密封すればよい。この
紅茶飲料は冷却、常温あるいは加温して保存しても、1
4日以上紅茶由来のオリの発生がないものである。
【0021】
【作用】本発明において、保存時のオリの発生が抑制さ
れるメカニズムは定かではない。しかし、通常、紅茶の
pHは4.7〜5.3ぐらいであり、ダージリン種を用い
てこの程度のpHの紅茶飲料を製造すると、保存時にオ
リが発生してしまうが、紅茶飲料を容器に充填して製品
とする前に、pH調整剤により、紅茶のpHをpH5.
6以上にすることで、長期保存時のオリ発生の抑制を可
能としたものである。なお、このオリ発生の抑制はスト
レート紅茶飲料で顕著である。
【0022】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はこれらに何ら制約されるものではない。
【0023】試 験 例 1 紅茶の選抜:紅茶茶葉として、ダージリン種、アッサム
種、ニルギリ種、セイロン種ミックス、セイロンの1種
であるディンブラ種およびウバ種を使用した。各紅茶茶
葉10gを400gの60℃熱水で10分間抽出し、得
られた抽出液を水で希釈してブリックス糖度(Bx)が
0.25°となるよう調製した。これを下記評価基準と
自由描写の官能検査により専門パネラー5名で風味を評
価した。その結果を表1に示す。
【0024】 < 評 価 > : < 内 容 > ◎ : 非常に良好 ○ : 良好 △ : 普通 × : 悪い
【0025】
【表1】
【0026】紅茶茶葉としてダージリン種を使用するこ
とにより、軽く、クリアな香り立ちで良好な(上質な)
紅茶感を得ることができた。しかし、ダージリン単品で
はさっぱりしすぎた感があり、渋味も強く感じられた。
そこで、次に紅茶茶葉をブレンドすることにした。
【0027】試 験 例 2 紅茶茶葉のブレンド:紅茶茶葉として、試験例1と同様
のダージリン種、アッサム種、ディンブラ種、セイロン
種ミックスおよびウバ種を下記表2に示すような比率で
ブレンドし、試験例1と同様に抽出液を調製し、これを
試験例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】試験例1より、ダージリン種単品ではさっ
ぱりしすぎた感があり、渋味も強く感じられたので、渋
味がまろやかで厚みもあり、風味にまとまりもあるセイ
ロン種ミックスあるいはディンブラ種とブレンドしたと
ころ、上質なクリアな香り立ちで風味に厚みとまとまり
が増し、バランス良い紅茶感を有するものができた。ま
た、ウバ種をブレンドすることで風味にこくとボディ感
が増し、特にミルクティーへの使用に適したものとなっ
た。
【0030】試 験 例 3 抽出条件の検討:紅茶茶葉としては、ダージリン種とデ
ィンブラ種を1:1でブレンドしたものを使用した。抽
出条件として、抽出温度、抽出時間、紅茶茶葉と水との
比率について検討した。評価の際には、抽出液を水で希
釈してブリックス糖度0.25°となるよう調製した抽
出液を用いた。なお、風味評価は試験例1と同様の基準
で行った。
【0031】(1)抽出温度 抽出条件として抽出温度を検討した。抽出温度以外の他
の抽出条件である抽出時間および茶葉と水の比率を、9
分間および1:40に固定して行った結果を表3に示
す。
【0032】
【表3】
【0033】抽出温度を検討した結果、抽出温度は30
℃〜90℃で良好な風味を奏し、50〜70℃で特に好
ましい風味を奏することが明らかとなった。
【0034】(2)抽出時間 抽出条件として抽出時間を検討した。抽出時間以外の他
の抽出条件である抽出温度および茶葉と水の比率を、6
0℃および1:40に固定して行った結果を表4に示
す。
【0035】
【表4】
【0036】抽出時間を検討した結果、抽出時間は5分
間〜12分間が好ましく、特に9分間が好ましいことが
明らかとなった。
【0037】(3)茶葉と水との比率 抽出条件として茶葉と水との比率を検討した。茶葉と水
との比率意外の他の抽出条件である抽出温度および抽出
時間を60℃および9分間に固定して行った結果を表5
に示す。
【0038】
【表5】
【0039】茶葉と水との比率を検討した結果、茶葉と
水との比率は1:30〜1:60が好ましく、特に1:
40〜1:50が好ましいことが明らかとなった。
【0040】上記抽出条件を検討した結果、抽出条件は
抽出温度60℃、抽出時間9分間、茶葉と水との比率
1:40が良いことが示された。
【0041】試 験 例 4 ブリックス(Bx)糖度の検討: (1)紅茶由来のブリックス糖度 上記抽出条件で、紅茶を抽出し、水で希釈してブリック
ス糖度の異なる紅茶抽出液を調製した。これらを試験例
1と同様に風味評価した結果を表6に示す。
【0042】
【表6】
【0043】この結果、紅茶を水で希釈してブリックス
糖度を0.175°〜0.275°にすることが好まし
く、特に0.220°〜0.25°とすることが好ましい
ことが明らかとなった。また、上記ブリックス糖度の範
囲内で、紅茶エキスとブレンドすることにより、程良い
渋みと呈味感を増すことができた。
【0044】実 施 例 1 紅茶飲料への重曹の添加: (1)重曹添加量と製品色調との関係 紅茶茶葉として、下記表7のブレンドの紅茶茶葉を使用
した。この紅茶茶葉を60℃で9分間、茶葉と水を1:
40の質量比で熱水抽出して紅茶抽出液を得た。次い
で、この紅茶抽出液にダージリンの紅茶エキスを0.4
%添加した後、6,000Gで遠心分離した。このとき
の遠心分離は紅茶エキス添加前後の何れでもよい。この
紅茶抽出液にグラニュー糖、アスコルビン酸ナトリウ
ム、香料、原料水を加え、ブリックス糖度を4.4°に
調整し、重曹でpHを調整した。次いでこれを85℃達
温まで加熱後、容器に充填し、122℃、7分間オート
クレーブで加熱殺菌処理を行い紅茶飲料を製造した。加
熱殺菌後の製品のpH、透明度、色調の測定、風味評価
を自由描写で行った。その結果を表8に示す。
【0045】
【表7】
【0046】
【表8】
【0047】この結果、重曹の添加量が増加すると(p
Hが上昇すると)透明度および色調L値は低下し、色調
a値(赤色)および色調b値は増加することが明らかと
なった。紅茶飲料は加熱殺菌後にpH5.6〜6.2であ
ると水色も透明度も良好であり、これよりもpHが低い
と水色が薄く、これよりもpHが高いと水色が濃く、透
明度も低いものとなってしまった。また風味について
は、紅茶飲料の加熱殺菌後にpH5.6〜6.2であると
風味が良好であり、このpHの範囲内ではpHが高くな
るにつれてまろやかになり風味に厚みが増し、逆に低く
なるにつれてあっさりとした風味が増した。なお、透明
度、色調、風味を考慮すると加熱殺菌後のpHが5.7
〜5.9のものが最良であった。
【0048】なお、加熱殺菌後のpHを5.7にした紅
茶飲料は55℃で2週間保存しても、オリの発生は認め
られなかった。また、pHを調整しなかったものは55
℃で保存した場合、5〜7日で紅茶由来のオリが発生し
た。
【0049】実 施 例 2 紅茶飲料の製造(1):紅茶茶葉として、ダージリン種
を5g、セイロン種を5gブレンドした紅茶茶葉を使用
した。この紅茶茶葉を400gの60℃の熱水で9分間
抽出して紅茶抽出液を得た。この紅茶抽出液にブリック
ス糖度12°の紅茶エキスを7g添加した後、6,00
0Gで遠心分離した。次いで、グラニュー糖を70g、
アスコルビン酸ナトリウムを0.5g、香料、原料水を
加え、ブリックス糖度を4.5°に調整し、重曹でpH
を調整して1,600gの調合半製品を得た。次いで、
これを85℃まで加熱後、缶容器に充填し、122℃で
7分間オートクレーブで加熱殺菌して紅茶飲料を製造し
た。これらの紅茶飲料を55℃および80℃で保存した
場合の紅茶由来のオリの発生について下記評価基準で評
価した。
【0050】 < 評 価 > : < 内 容 > − : オリがない。 ± : オリがわずかにある。 + : オリがある。
【0051】
【表9】
【0052】この結果より、加熱殺菌後のpHをpH
5.6〜6.2に調整すると、55℃で14日、80℃で
も9日以降、オリの発生が認められないことが明らかと
なった。また、これらの紅茶飲料は保存後も香り立ちが
よく爽快であった。
【0053】実 施 例 3 紅茶飲料の製造(2):紅茶茶葉としてダージリン種を
1gとセイロン種を9gブレンドした紅茶茶葉を400
gの90℃の熱水で5分間抽出して紅茶抽出液を得た。
この紅茶抽出液を6,000Gで遠心分離後、重曹でp
H6.5に調整した。次いで、100gの75℃熱水で
1gの乳化剤(シュガーエステル)を溶解した乳化剤溶
液とグラニュー糖80g、牛乳370g、香料、原料水
を加え1,500gの調合半製品を得た。次いでこれを
85℃まで加熱後、缶容器に充填し、122℃で25分
間オートクレーブで加熱殺菌してブリックス糖度が9.
0°、pH6.7の紅茶飲料を製造した。この紅茶飲料
は55℃で2週間保存しても紅茶由来のオリの発生はな
く、風味も良好であった。
【0054】参 考 例 1 紅茶飲料の製造:紅茶茶葉としてダージリンを5gとセ
イロン種を5gブレンドした紅茶茶葉を400gの80
℃の熱水で5分間抽出して紅茶抽出液を得た。この紅茶
抽出液にブリックス糖度12°の紅茶エキスを5g添加
した後、6,000Gで遠心分離した。次いでグラニュ
ー糖を120g、ブリックス糖度が4.5のレモン濃縮
果汁を1g、アスコルビン酸を1g、香料、原料水を加
え、重曹でpH3.7に調整して2,000gの調合半製
品を得た。次いでこれを85℃まで加熱後、缶容器に充
填してホットパック殺菌を行いブリックス糖度が6.3
°、pH3.7の紅茶飲料を製造した。
【0055】
【発明の効果】本発明の紅茶飲料は、ブレンドした紅茶
抽出液のpHをpH5.6以上に調整することにより、
長期間保存しても紅茶由来のオリの発生が無く、また加
熱殺菌後にも紅茶本来の香り立ちが良いものであった。
【0056】従って、本発明の紅茶飲料は嗜好性が高
く、長期保存が可能なため商品価値の高いものとなる。 以 上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 康之 東京都港区東新橋1丁目1番19号 株式会 社ヤクルト本社内 Fターム(参考) 4B027 FB13 FC01 FC05 FE08 FK01 FP81 FP85

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダージリン種の紅茶茶葉を熱水抽出して
    得られる紅茶抽出液とダージリン種以外の品種の紅茶茶
    葉を熱水抽出して得られる紅茶抽出液とを含み、当該紅
    茶抽出液の加熱殺菌後のpHをpH調整剤にてpH5.
    6以上になるように調整したことを特徴とする紅茶飲
    料。
  2. 【請求項2】 ダージリン種以外の品種の紅茶茶葉が、
    セイロン種である請求項1記載の紅茶飲料。
  3. 【請求項3】 ダージリン種の紅茶茶葉とセイロン種の
    紅茶茶葉が、質量比で1:9〜7:3である請求項第1
    項または第2項記載の紅茶飲料。
  4. 【請求項4】 紅茶抽出液が、紅茶茶葉に50〜70℃
    の熱水を1:40〜1:50の質量比で加え、5〜12
    分間抽出することにより得られる請求項第1項ないし第
    3項の何れかの項記載の紅茶飲料。
  5. 【請求項5】 pH調整剤が重曹である請求項第1項な
    いし第4項の何れかの項記載の紅茶飲料。
  6. 【請求項6】 紅茶抽出液をpH調整後に加熱殺菌した
    ものである請求項第1項ないし第5項の何れかの項記載
    の紅茶飲料。
  7. 【請求項7】 ストレート紅茶飲料である請求項第1項
    ないし第6項の何れかの項記載の紅茶飲料。
  8. 【請求項8】 ダージリン種の紅茶茶葉を熱水抽出して
    得られる紅茶抽出液とダージリン種以外の品種の紅茶茶
    葉を熱水抽出して得られる紅茶抽出液を含む紅茶飲料の
    製造方法において、熱水抽出により得られた紅茶抽出液
    の加熱殺菌後のpHをpH調整剤にてpH5.6以上に
    なるように調整する工程を含むことを特徴とする紅茶飲
    料の製造方法。
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