JP4002836B2 - 開き部を有するニット編地およびその編成方法 - Google Patents
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Description
本発明は、例えばカーディガンや前開きのあるベストなどといったニットウエアの一部が縦に割れた開き部を有する筒状編地や編地の一部にスリットが形成され、このスリットに沿う縁部が互いに前後に重なり合った部分をもつ筒状編地およびその編成方法に関する。
背景技術
出願人は、シームレスニットに関する基本技術を特公平3−75656号で提案した。これは前後に針床を対向配置させた所謂2枚ベッド横編機を用い、例えば前側編地の編成を奇数番目の針に、後側編地を偶数番目の針に割り当て、前後針床のそれぞれ1本置きの針を使用して編地を筒状に編成するものである。前側編地を編成する際に後側編地を後針床の針に付属させ、反対に後側編地を編成する際に前側編地を前後針床の針に付属させて前後に重ね合わせた状態で編地を編成することで各編地は対向する針床上に目移し用の空き針を常に確保でき、その結果リンクス、ガーター、リブ等の表目/裏目が混在した組織柄を筒状に編成できる。また、この空き針を使って編地を横に移動させ隣接する編地と接合することができる。
前後に更に一対の針床を付加した4枚ベッド横編機を使用する場合には、袖や身頃の前側の編地部分を下部前針床と上部後針床の針で編成し、同様に後側編地を下部後針床と上部前針床の針を使用して編成できるので2枚ベッド横編機のように前側編地を奇数番目の針に、後側編地を偶数番目の針に割り当てることは不要となる。これらの編成方法を用いることにより、ほぼ完成品に近いニットウエアが横編機上で製造され、縫製工程を省略ないし簡略することができる。
ベストをシームレスに編成する場合、前身頃と後身頃を裾ゴム部から始め、途中袖ぐりや衿ぐり等の開口を形成しながら肩まで編成し、次いで肩部において前後身頃を接合して伏目処理する。同様に、Tスリーブ、セットインスリーブ、ラグランスリーブを始めとした袖付きニットウエアを編成する場合、身頃と2つの袖を3つの筒状に同時に編成し、脇下のところから袖と身頃の接合を開始し、肩で身頃の前部と後部とを接続する。特開平2−91254,特開平2−229248、特開平4−209855、特開平4−153346号公報にはこれらニットウエアの編成方法が開示されている。
ところが例えばカーディガンや前開きのあるベストなどのニットウエアを編成する場合では、開き部に沿って延びる左右の縁部、通常この縁部には前立てを設けてボタンホールやボタンが取り付けられるのであるが、着用の際にこの縁部同士が前後に重なり合うように構成しなければならない。
2枚ベッド横編機を用いて1本置きの針を使用すれば前身頃と後身頃を重なり合った状態(断面2層状)に編成できるのは上述のとおりである。編成に使用する針を2本置き、3本置き、N本置きの針とすれば3層状、4層状と更に多層の編地が編成できる。したがって縁部が前後に重なりあった断面3層状に編成するには図19に示すように縁部121,122を例えば3本置きの針を使用して編成するようにすれば前開き102のあるニットウエアを2枚ベッド横編機で編成することができる。図中の参照符号105rは右前身頃、105lは左前身頃、107は後身頃を示す。
しかし縁部121,122を上記のようにして編成した場合には縁部の編目を形成する針間距離が広がるため緩い編目の縁部となってしまうなどその風合いに問題がでる。そのため縁部だけを別途編んでおき、縫製工程でこれを身頃に縫合するなどしていた。これは上記した前開きのあるベストやカーディガンに限るものでなく筒状編成される編地の一部にスリットなどの開き部が形成され、この開き部で縁部が前後に重ね合わされるタイプのもの全てに当てはまる。
本発明の課題は、筒状編成されるニット編地の一部にスリットなどの開き部が形成され、この開き部に沿って延びる縁部や、開き部に沿って延びる左右の縁部を有するベストやカーディガンなどのニットウエアをシームレスに編成する際に縁部が上記したような緩い編目とならず風合い等を改善することを目的とする。
発明の開示
本発明では上記課題を達成するために、少なくとも前後一対の針床を備え、各針床はそれぞれ多数の針を持ち、針床の少なくとも一方が左右にラッキング可能で、針床間で編目の移し替えが可能に構成される横編機を用いて、前側編地部分と、後側編地部分が編み幅の側端部で互いに接続された状態で編成し、且つ前側編地部分と後側編地部分の何れか一方の編地を編み幅の途中で左右に分離して編成し、この分離される箇所に縦方向に延びる開き部を形成するとともに、この開き部に沿って延びる適宜数のウエールからなる左右の縁部が着用の際に2層状に前後に重なった状態となる編地を製造するための編成方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする;
a)一方の針床に付属させて左右の縁部を互いに並べた状態で編成するために開き部を形成する側の編地の、左右に分岐して編まれる編地の少なくとも一方の編地に対し、その編み幅側端で対向する他方の針床に付属させて編まれる側の編地に続く前記縁部のウエール数に応じて決定される数の側端ウエールを、予め対向する他方の針床に付属させて編まれる編地側へ回した状態でコース編成を繰り返し行う工程、
b)前記開き部を形成する側の編地に対して減らし編成を行うことで開き部を広げる工程、
c)前記a)の工程で予め他方の針床へ回していた側端ウエールを開き部を形成する側の編地の外に移す工程。
好ましくは前記工程b)は、左右の縁部を互いに離間する向きに移動させることで開き部を広げ、前記並べて編成していた左右の縁部間の空き針の数を増加させ、前記工程c)は、工程b)に続いて行われ、他方の針床へ回していた側端ウエールを1目づつラッキングしながら開き部を形成する側の編地の外に移すとともに続くコース編成のために目移しにより編目の再配置を行う。
好ましくは前記工程b)と工程c)は繰り返し行われ、前記工程b)は縁部は移動せずに一方の針床に付属する縁部に隣接する左右の編地部分を寄せることで開き部を広げ、このときに形成される空き針に対して他方の針床へ回していた側端ウエールを移す。
好ましくは前記編成を開き部が形成される側の編地の左右両方に対して行う。
好ましくは前記編成を開き部が形成される側の編地の左右何れか一方に対して行う。
好ましくは前記工程c)で移される側端ウエールの編目が捻れ目にならないように目移しによる編目の捻れを解消する向きに給糸して編目を形成する。
またもう一つの発明では少なくとも前後一対の針床を備え、各針床はそれぞれ多数の針を持ち、針床の少なくとも一方が左右にラッキング可能で、針床間で編目の移し替えが可能な横編機を用いて、前側編地部分と、後側編地部分が編み幅の側端部で互いに接続された状態で編成し、且つ前側編地部分と後側編地部分の何れか一方の編地を編み幅の途中で左右に分離して編成し、この分離される箇所に縦方向に延びる開き部を形成するとともに、この開き部に沿って延びる適宜数のウエールからなる左右の縁部の編み終わり部で縁部同士が2層状に前後に重合された形態の編地を製造するための編成方法であって、以下の工程
を含むことを特徴とする;
a)一方の針床に付属させて左右の縁部を互いに並べた状態で編成するために開き部が形成される側の編地の、左右に分岐して編まれる編地の少なくとも一方の編地に対し、その編み幅側端で対向する他方の針床に付属させて編まれる側の編地に続く前記縁部のウエール数に応じて決定される数の側端ウエールを、予め対向する他方の針床に付属させて編まれる編地側へ回した状態でコース編成を行って編地を編成する工程、
b)前記a)の工程で予め他方の針床へ回していた前記ウエールを1目づつラッキングしながら開き部が形成される側の編地の外に移す工程、
c)編地を移動して左右の縁部同士を目移しにより重ねるとともに後続のコース編成を行うために目移しにより編目の再配置を行う工程、
d)上記工程c)に続いて前側編地部分と後側編地部分が編み幅の側端部で接続されるとともに編地全体が完全な筒状体としてコース編成を行う工程。
また編地を上記した方法の何れかにより製造した。
この発明によればニット編地として例えばカーディガンやベストのようなニットウエアを編成する場合に、その前身頃と後身頃が編み幅の側端部で接続されたシームレス状に編成するとともに前身頃に縦方向に延びる開き部を形成するのであるが、この開き部に沿って形成される左右の縁部が着用の際に2層状に前後に重なった状態となるように左右の縁部が針床上で互いに前後に重った状態で編成する方法に代えてこれら縁部を左右に並べた状態で編成する。縁部を並べて編成することで針床上において前身頃の編み幅は後身頃の編み幅よりも広くなってしまうが、前身頃の右側または左側の一方あるいは両方の側端に位置する適宜数のウエールを後身頃側へ回した状態で編成する。これにより前後の針床で編まれる編み幅を概ね等しくでき、その結果前身頃と後身頃のコース編成を遂行できる。 そして前記開き部を形成する側の編地に対して減らし編成を行うことで開き部を広げるとともに他方の針床へ回していた側端ウエールを開き部を形成する側の編地の外に移していく。具体的には左右の縁部をそれぞれが付属する側の前身頃に寄せていくことで開き部を広げていくことが可能である。カーディガンやベストの場合にはこれが衿ぐり開口部となる。開口部が広げられるにつれて左右の縁部の間に挿入される空き針の数は増えていく。その後、後身頃が付属する他方の針床へ回していた前身頃の側端ウエールを1目づつラッキングしながら前身頃側にこれら側端ウエールが一列に並ぶように移す。この編成と同時に、またはこの編成に続いて針床上における前身頃と後身頃の編み幅を揃え後続のコース編成が遂行できるように編地の移し替えを行うのであるが、この際に前記挿入された空き針がある範囲を編地の移し替えに利用して編目を再配置させる。
あるいは上記に代えて左右の縁部に対して前身頃を寄せて編み幅を減らすことで実質的に開き部が広げられる。このようにして前身頃を縁部に向けて寄せることで縁部を含む前身頃側を付属する針床上の外側に空き針が形成される。減らし編成を繰り返し行いながらその都度形成される空き針に他方の針床へ回していた前身頃の側端ウエールを1目づつ移すことで前身頃と後身頃の編み幅を揃える。このようにして針床上における前身頃と後身頃の編み幅を等しくしてこれに続くコースの編成を行っていく。
このようにして編成することで縁部は身頃と一体に編成することができるとともに縁部は従来に比してしっかりした風合いに仕上げられ、着用したときに前後に重なり合うものになる。
上記で側端ウエールの編目が捻れ目にならないように目移しによる編目の捻れを解消する向きに給糸して編目を形成する。そのため続いて行われる目移しの際にこの捻れが解消されることとなり、このように編成した編地は美観を損ねることはない。
またもう一つの発明によれば、例えばニット編地としてワンピーススカートのように、その前身頃と後身頃が編み幅の側端部で接続したシームレス状に編成するとともに前身頃を左右に分離してスリットを形成し、このスリットに沿って延びる左右の縁部がその編み終わり部で互いに前後に重合された状態となるように左右の縁部が針床上で互いに前後に重った状態で編成する方法に代えてこれら縁部を左右に並べた状態で編成する。縁部を並べて編成することで針床上において前身頃の編み幅は後身頃の編み幅よりも広くなってしまうが、前身頃の右側または左側の一方あるいは両方の側端に位置する適宜数のウエールを後身頃側へ回した状態で編成する。これにより前後の針床で編まれる編み幅を概ね等しくでき、その結果前身頃と後身頃のコース編成を遂行できる。
そしてこの編成を行ってスリットを形成した後、前身頃の後身頃が付属する他方の針床へ回していた側端ウエールを1目づつラッキングしながら前身頃側にこれら側端ウエールが一列に並ぶように移す。この編成と同時に、またはこの編成に続いて左右の縁部同士を目移しにより重ねることでスリットの編成を終えるとともに編み幅を減少させる。そして後続のコース編成が完全な筒状体として編成できるように編地の移し替えを行って編目を再配置させてから続くコースの編成を行っていく。このようにして編成することで縁部は身頃と一体に編成することができるとともに縁部は従来に比してしっかりした風合いに仕上げられ、着用したときに前後に重なり合うものにすることができる。
発明を実施するための最良の形態
次に本発明の好適な実施例を図面とともに以下説明する。図1はニットウエアとしてカーディガン1を示す。図2は図1の線ii−iiにおける断面図を示し、カーディガン1は着用時に開き部2に沿って延びる左右の縁部21,22が互いに前後に重なり合うように構成されている。図示せぬが縁部21,22の一方にはボタンホールが設けられ、他方にボタンが取り付けられる。
本実施例ではカーディガン1の編成を2枚ベッド横編機で行うものとする。横編機は左右方向に延び、かつ前後に対向する針床を有し、各針床はそれぞれ多数の針を持ち、針床の少なくとも一方が左右にラッキング可能で、前記針床間で編目の目移しが可能ないわゆる汎用タイプのものが使用される。
図3は、横編機でカーディガン1をシームレスに編成する場合の工程を模式的に示し、図4は、各段階P1〜P4に対応する編地の針床での係止状態を簡略化して示したものである。カーディガン1は裾ゴムと縁部21,22以外は表編みされる無地とする。
段階P1では、カーディガン1は、着用時に互いに前後に重なり合う前身頃5の開き部2に沿って延びる縁部21,22を左右に並置させて編成する。前身頃5と後身頃7からなる身頃部3と左右の袖11,13を裾側から肩に向けて編成を開始する。身頃部3は例えば単一の給糸口(不図示)を用いて開き部2を給糸口の反転箇所として概略”C”字状を描くようにして編成し、袖11,13は個別の給糸口により袖前部11a,13a、次に袖後部11b,13bと周回状に給糸して編成する。これにより身頃部3と袖11,13はそれぞれの前側編地部分5、11a,13aと後側編地部分7、11b,13bが側端部で接続された筒状編地として針床上の異なる領域を使用して編成される。本明細書でいう筒状編地とはプルオーバーのセーターの身頃のように周囲が完全に包囲されたものだけでなくカーディガンのような周囲の一部が開放されたようなものを含むものとする。この状態では身頃3と袖11,13の前側編地部分が前針床の針に、後側編地部分が後針床の針に係止されている。この編成を繰り返し行い縁部21,22がまっすぐストレートに延びる部分を編成する。
段階P2では衿ぐり開口部9を広げていく編成を行いながら脇下25まで身頃3を袖11,13と同時進行形に編成する。次の段階P3は、脇下25で身頃部3と袖11,13を接続し、これらを1つの大きな筒状体とし、以降脇下25までの身頃部3の編成と同じように単一の給糸口を用いて開き部2を給糸口の反転箇所としてC字状を描くようにして編成する。段階P4は、衿ぐり開口部9が更に広げられるとともに袖の大半が身頃に接合された状態を示す。脇下25で袖11,13と身頃3を接合した後このように編成していくことは周知であるのでここではその詳細な説明は省略する。
<実施例1>
縁部21,22が互いに重なり合ったものとするために本実施例では前針床の針で編まれる前身頃5の一方、ここでは左前身頃5lの左袖11と隣り合う適宜数の側端ウエール27(▲1▼▲2▼▲3▼)を後針床の針で編まれる後身頃7と並べて編成するように後針床へ配置させて行う場合について説明する。
図5は本実施例の編成の概略フローを示し、aは縁部21,22が前後に重なった編み立て後の状態の身頃3、a1〜a5は編成の進行に伴い身頃3および袖11,13の針床での係止状態の変化を示す。図では後身頃7を実線、縁部21,22を含む前身頃5を太線、そして袖11,13を一点鎖線で示した。また前後針床間に延びる渡り糸を破線で示した。
a1は左前身頃5lの一部(図中の▲1▼▲2▼▲3▼)が後針床に保持された状態で編成を行う段階、a2,a3は開き2の間隙を広げていく段階、a4は後針床に配置させていた左前身頃5lの一部▲1▼▲2▼▲3▼を前針床に送り込み、更に右袖13と身頃3の右半分を右へ移動させた段階、a5は袖11,13と身頃3を接合して編成していく段階を示す。
図6〜図10は上記各段階の詳細な編成ステップを示す。各図では説明の便宜を図るため実際の編地編成に使用される針数に比して極少数の針数とした。図の左端に示した数字はステップを示し、アルファベットは1本置きの針に対し付し、下の1は奇数番目の針、2は偶数番目の針を示す。カーディガン1の前側部分は後針床に配置されて編まれる一部のウエール27(▲1▼▲2▼▲3▼)を除いて奇数番目の針を用いて編まれ、後側部分は偶数番目の針を用いて編まれるものとする。図中の黒く塗りつぶした丸は縁部21,22の編目を示し、黒く塗りつぶした四角は袖11,13の編目を示す。
ステップ1は、側端部21,22がストレートに延びる部分(図5のa1に対応)の針床における各部の係止状態を示す。右前身頃5rは前針床のD,E,F,…P,Q,Rに示す奇数番目の針に係止される。左前身頃5lは前針床のS,T,U,…b,c,dの奇数番目の針と後針床のd,c,bの偶数番目の針に係止され、後針床のd,c,bの偶数番目の針に側端ウエール27(図中の▲1▼▲2▼▲3▼)が係止される。後身頃7は後針床のD,E,F,…Y,Z,aの偶数番目の針に係止される。開き部2に沿って延びる縁部21,22はそれぞれ5ウエールで構成され、縁部22は針N,O,P,Q,R、縁部21はS,T,U,V,Wの奇数番目の針に係止される。また右袖13はA,B,Cの前針床の奇数番目の針に右袖前部13aが、後針床の同じA,B,Cの偶数番目の針に右袖後部13bが係止され、h,i,jの前針床の奇数番目の針に左袖前部11a、後針床の偶数番目の針に左袖後部11bが係止される。右袖13は身頃3に隣接した状態で編成され、左袖11は後述するが後続編成のために予め身頃3から所定距離をあけて編成される。縁部21,22は毎コース間で表目と裏目が入れ替わるガーター編み組織を有する。このステップ1の状態をラッキング原点とし、以下この原点を基準として針床の振り量を表す。
まずステップ1では上記した状態で係止される身頃3、袖11,13の各編目を係止する針へ給糸して各部のコースの編成を行う。ステップ2では次のコースの編成を行い、その際に縁部21,22の編目を対向する後針床の針へ移して裏目を形成する。ステップ3は縁部21,22の編目を前針床の元の針へ移し戻してからコース編成を行う。上記ステップ1〜3の編成を所定回数繰り返して縁部21,22がストレートに延びる部分の身頃3を編成する。以降の編成においても縁部21,22はその都度目移しされガーター編みされるがその説明は省略するものとする。
ステップ4〜10は縁部21,22をそれぞれが付属する前身頃側5r,5lへ向けて移動して隣接する編目同士を重ねる減らし編成を示す。この編成は身頃部3を例えば2コース編成される毎に行う。コース編成とこの縁部21,22の移動を繰り返し行うことで衿ぐり開口部9を形成していくもので図5のa2,a3に対応する。ステップ4で縁部21,22を後針床へ移した後、ステップ5で後針床を左へ針2本分ラッキングし、続くステップ6で縁部22を前針床のM,N,O,P,Qの奇数番目の針へ移すことで針M1に重ね目を形成する。ステップ7は側端部22を前針床のT,U,V,W,Xの奇数番目の針に移して針X1に重ね目を形成する。ステップ8はラッキングを原点に戻した状態の各針床における編地の係止状態を示す。これにより元々編目を係止していた前針床の針R1,S1が空き針となり、縁部21,22間の距離が広がっているのがわかる。ステップ9は縁部21,22の移動が再度行われた後の状態を示し、ステップ10は更にもう一度行われた後の状態を示す。これにより縁部21,22の編目を係止していた前針床のP,Q,R,S,T,Uの奇数番目の針が空き針となる。
続くステップ11〜14は左前身頃5lの後針床で編成していた▲1▼▲2▼▲3▼で示す側端ウエール27を1目づつラッキングしながら▲1▼から順に一つずつ前針床へ送り込む編成を示す。ステップ11では左袖後部11bを前針床へ移すとともに右袖前部13aと右前身頃5rを後針床へ移す。ステップ12で後針床を右へ針1本分ラッキングして左前身頃5lの▲1▼を針e1へ移す。次のステップ13では後針床を右へ針5本分ラッキングして▲2▼を針f1に移し、ステップ14で後針床を右へ針9本分ラッキングして▲3▼を針g1へ移す。これにより側端ウエール27は左前身頃5lの外側に一列に並ぶ。
上記のようにして側端ウエール27を前針床へ回す。そして続くステップ15〜20は、続く脇下25以降においても前身頃5と後身頃7が左右の袖11,13を含めてシームレスに編成できるように縁部21,22間に挿入された空き針がある範囲を編地の移し替えに利用して編目を再配置させるための編地の移動を示す。
まずステップ15では後針床を右へ針10本分ラッキングして針A〜Oに係止させた右袖13と右前身頃5rおよび右前身頃5rに対峙する後身頃7の全ての編目を前針床の針F〜Tに移すとともに後身頃7の残る編目を針U〜fの偶数番目の針へと移して後針床の針を全てフリーにする。ステップ16では後針床を原点へとラッキングして右袖後部13bと後身頃7を後針床へ移す。ステップ17は目移しが完了した後の各編目の係止状態を示したもので上記ステップ7〜10による縁部21,22の移動により形成された空き針に縁部21の編目が移し替えられるようにカーディガン1の右半分が全体に右へ移動されているのがわかる。ステップ18では縁部21を含む前左身頃5lと左袖11の編目を後針床へ移し、次のステップ19では後針床を左へ針2本分ラッキングした状態にして前針床の対向する針へ移し替える。ステップ20はラッキングを原点に復帰させ左袖後部11bを対向する後針床の針へ移す。これらステップ18〜20の編成により前側部分と後側部分の編目を編成する針立て(針の並び)を以前と同じ、例えばステップ1に見られるように後側部分が前側部分より右へ針1本分ズレた状態で編まれるようにするためのもので必ずしも必要なステップではない。ステップ21では編地の移動が完了した後の針床における編地の係止状態を示す。これは図5のa4に対応する。
上記は編目を再配置させるための一つの例を示したに過ぎない。上記ではステップ12〜14で側端ウエール27を前針床へ回した後、ステップ15〜20で続くコース編成のために編目の再配置を行うようにしたが、側端ウエール27を前針床へ回す編成と編目の再配置の編成とを並行して行うようにしてもよい。その際カーディガン1の左半分を全体に左へ移動するようにしてもよいなどを始め種々変更することはできる。
脇下25以降については開き部2を給糸口の反転箇所としてC字状を描くようにして肩に向けて編成を行っていき、その間に袖11,13を身頃3に移動させて重ねていき、同時に衿ぐり開口部9を更に広げる編成を行いながらコース編成を進める(図5のa5に対応)。
上記編成では後針床で編まれていた前身頃5のウエール27が前針床に送られた後、続くコースが前針床で編まれるためにウエール27の送られた編目は捻れ目となって編地に現れる。この捻れ目の発生を防ぐにはステップ10でのコース編成の際に後針床の針b2,c2,d2に対する給糸方向を逆にして編目を予め捻れた状態に形成すれば、続く目移しの際にこの捻れが解消される。なお以下の実施例においても同様の編み方により捻れ目を解消できるが、その編成について上記を参照するものとして省略する。また符号等についても実施例1と同じものについては同一の符号を用いた。
<実施例2>
上記実施例では前身頃5の左前身頃5lのみをその側端の数ウエールを後針床に配置させて編成したが、実施例2では左右の前身頃5r,5lのそれぞれの側端の数ウエールを後針床に配置させて編成する場合、即ち上記実施例1で示したのと同様な編成を左右において行う場合の例である。したがって実施例2は実施例1の変形例に相当するので図6〜図10のような編成ステップ図がなくても容易に理解されるので省略する。
図11は実施例1の図5に対応する本実施例での編成の概略フローを示す。a’は縁部21,22が前後に重なった編み立て後の状態の身頃3を示す。a’1〜a’5は編成の進行に伴い身頃3および袖11,13の針床での係止状態の変化を示す。a’1は右前身頃5rと左前身頃5lの側端のウエール29l,29r(図中の▲1▼▲2▼)がそれぞれ後針床に保持された状態で編成を行う段階を示し、a’2およびa’3は衿ぐり開口部9を形成するために縁部21,22を外へ移動して間隙を広げていく段階を示す。a’4は後針床に配置させていた前身頃5r,5lの側端ウエールの編目を前針床に送り込むとともに縁部21,22の移動により形成された空き針に前身頃5r、5lをそれぞれ移し替えるとともに袖11,13を移し替える編目の再配置を行う段階を示す。a’5は袖11,13と身頃3を接合して編成していく段階を示す。この実施例の場合には実施例1と異なり針床上で左右の前身頃5r,5lの編成を左右対称に行える。
<実施例3>
上記実施例では身頃編成の間に左右の縁部をそれぞれの身頃側に寄せていくことで衿ぐり開口部を広げるとともに前身頃の編み幅を減らすようにしたが、本実施例では縁部の移動に代えて前身頃を移動させる場合について示す。
図12〜図15は本実施例の編成ステップを示し、ステップ1は、縁部21,22がストレートに延びる部分(図11のa’1に対応)の針床における各部の係止状態を示す。右前身頃5rは前針床のD,E,F,…N,O,Pに示す奇数番目の針と右前身頃5rの側端ウエール29r(図中の▲1▼▲2▼)が後針床のD,Eの偶数番目の針に係止される。左前身頃5lは前針床のQ,R,S,…a,b,cの奇数番目の針と左前身頃5lの側端ウエール29l(図中の▲1▼▲2▼)が後針床のc,bの偶数番目の針に係止される。後身頃7は後針床のF,G,H,…Y,Z,aの偶数番目の針に係止される。開き部2に沿って延びる縁部21,22はそれぞれ5ウエールで構成され、縁部22は針L,M,N,O,P、縁部21はQ,R,S,T,Uの奇数番目の針に係止される。また右袖13はA,B,Cの前針床の奇数番目の針に右袖前部13aが、後針床の同じA,B,Cの偶数番目の針に右袖後部13bが係止され、d,e,fの前針床の奇数番目の針に左袖前部11a、後針床の偶数番目の針に左袖後部11bが係止される。縁部21,22は先の実施例と同様なガーター編みでもよいがここではその説明を省略する。
まずステップ1では上記した状態で係止される身頃の各編目を係止する針へ給糸して各部のコースの編成を行う。続くステップ2では、前針床のD,E,F,…I,J,Kの奇数番目の針に係止される右前身頃5rおよびV,W,X,…a,b,cの奇数番目の針に係止される左前身頃5lの編目を後針床へ移す。このとき右袖後部13b、左袖後部11bを前針床に移し、後続の編成でラッキングが行われても袖の編目に負荷がかからないようにする。ステップ3では右前身頃5rの編目を縁部22側へ寄せるために後針床を右へ針2本分ラッキングして対向する前針床の針へ移す。これにより右前身頃5rの元々前針床のKの奇数番目の針に係止されていた編目と縁部22の側端の編目とが重なってウエール1本が減ったことになる。同様にステップ4では左へ針2本分ラッキングして左前身頃5lの編目を縁部21側へ寄せる。続くステップ5では左へ針1本分ラッキングして左前身頃5lの後針床の針cの偶数番目の針に係止される側端ウエール29lの編目▲1▼を前針床の針へ移し、次のステップ6でラッキングを原点として身頃の続くコースの編成を行う。
ステップ7〜9は身頃の減らし編成を示し、ステップ7で前針床のE,F5…I,J,Kの奇数番目の針に係止される右前身頃5rおよびV,W,X,…a,b,cの奇数番目の針に係止される左前身頃5lの編目を後針床へ移し、ステップ8で後針床を右へ針2本分ラッキングして右前身頃5rの編目を前針床の針へ移し、右前身頃5rの端の編目を縁部22の側端の編目に重ねるとともに次のステップ9で右へ針1本分ラッキングして右前身頃5rの後針床の針Dの偶数番目の針に係止される側端ウエール29rの編目▲1▼を前針床の針へ移す。ステップ10は後針床を左へ針2本分ラッキングして左前身頃5lの編目を前針床の針へ移して縁部21の編目に重ねる。ここまでの編成により左右の前身頃5r,5lでそれぞれ2ウエールが減少したことになる。
ステップ11はステップ10が終了した後の後針床が原点の状態の編目の係止状態を示す。続く身頃の編成において上記ステップ2から10の編成と同様な編成を繰り返し行うことで前身頃5r,5lを縁部21,22に向けて移動していく。ステップ12は更に1回の寄せが行われた状態の編目の係止状態を示す。ステップ13は更に寄せがもう一回行われた状態の編目の係止状態を示す。ステップ14は左右の袖11,13が身頃の横に移動した状態を示す。このようにして本実施例では、縁部21,22の編目を固定した状態とし、所定数のコース編成の毎に左右の前身頃5r,5lを縁部21,22側へ寄せていくことで衿ぐり開口部が形成されるとともにこのときの減らし編成によって形成される前針床の空き針に後針床へ回していた側端ウエール29r,29lの編目を移すようにしている。
<実施例4>
次に本発明の方法を筒状編成されるワンピースのスカート30のセンター正面にスリット(開き部)32を形成する場合について適用した場合の実施例について説明する。図16はワンピーススカート30の正面図を示し、41,42は縁部、35r,35lは左右の前身頃、37は後身頃を示す。図17はスリット32が形成される筒状部の編成の概略フローを示した図で、図18はその編成ステップを示す。スカートは縁部41,42を含め無地の平編み組織とした。
図17のaは前後に重なる縁部41,42間にスリット32が形成される部分の編み立て後の状態を示す。a1は左前身頃35lの側端のウエール38(図18の▲1▼▲2▼)を後針床に保持された状態にすることでスリット32に沿って延びる縁部41,42を左右に並置して編成する段階、a2はスリット32形成後に縁部41,42を突き合わせる段階で、a3は縁部41,42が重ね合わされた段階を示す。
図18はステップ1は上記a2の段階の針床上での編目の係止状態を示し、左前身頃35lの側端の後身頃につながるウエール38(▲1▼▲2▼)が後針床の針で編まれるように配置されている。この状態でスリット32で給糸口を反転させてC編編成を行い、所要長さのスリット32を得る。ステップ2では前身頃35r,35lの編目を後針床へ移し、次のステップ3で後針床を左8針分ラッキングして縁部41を縁部42が係止されていた前針床の針G1,H1,I1,J1に移す。ステップ4、ステップ5では後針床を左7針、左3針ランキングして左前身頃35lのウエール38の編目を針O、針Pに移す。
ステップ6では後針床を原点へ復帰させ縁部41に縁部42が向き合うようにし、続くステップ7では後針床に預けられていた右前身頃35rの編目を前針床へ移す。ステップ8は目移し完了後の編目の係止状態を示し、針G1,H1,H1,J1で縁部41,42の編目が重ね目として係止される。ステップ9は前針床のA,B,…O,Pの奇数番目の針に給糸して前記縁部41,42の重ね目に続くコース編成を行うことで縁部41,42同士を重合する。続いて後針床のP,O,…B,Aの偶数番目の針に給糸して後身頃のコース編成を行う。以降ステップ9の編成を繰り返し行って周囲が囲まれた完全な筒状の身頃部を形成する。この場合も編目の係止状態をステップ1の状態からステップ8の状態へと移行する編目の移し替えの手順は上記した方法に限られるものでなく結果としてステップ8の状態となれば種々の変更は可能である。
なお上記実施例1では、縁部はガーター編み組織の例を示したが、編み組織はこれに限るものではなく縁部以外の部分と同じ編み組織として編成することも勿論可能である。この場合でも縁部の編目を形成する針間距離が従来のように広がることがないのでその風合いを劣化させることはない。また縁はカールせず、しっかりとした形態安定性の高いものが好ましく、そのために該部分だけを増し糸して編成したり、太めの糸に変えて編成することも当然可能である。また前後に重ね合わされる縁部のウエール数を多くすればそれに応じて他方に回して編まれる側端ウエールの数は増えるがこのようにして編むことでダブルのスーツのようなデザインとすることができる。また2枚ベッド横編機を用いた例を示したが、これに代えて4枚ベッド横編機など一般的な汎用機よりも高い性能を有する横編機に対しても適宜実施できる。また上記ではカーディガンやワンピーススカートの編成に適用した例を示したが前開きのあるベストは勿論のこと例えば袖口に開き部を設けボタンやボタンホールを取り付けるようにすればニットスーツなど洋服ライクなニットウエアをシームレスに編成することができる。また開き部は前身頃でなく後身頃に形成して後身頃の側端のウエールを前身頃側へ配置させるようにして編成することなどを含め本発明の主旨を逸脱しない範囲において実施できるのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の実施例により編成されたカーディガンを示す。
図2は、図1の線ii−iiにおける断面図を示す。
図3は横編機でカーディガンをシームレスに編成する場合の工程を模式的に示した図である。
図4は、図3の各段階P1〜P4に対応する編地の針床での係止状態を簡略化して示した図である。
図5は、実施例1の編成の概略フローを示した図である。
図6〜21は実施例1に係る編成ステップを示し、図6は、編成ステップの1〜4を、図7は、編成ステップの5〜8を、図8は編成ステップの9〜12を、図9は編成ステップの13〜16を、図10は編成ステップの17〜21をそれぞれ示す。図11は、実施例2の編成の概略フローを示した図である。図12〜15は実施例3に係る編成ステップを示し、図12は編成ステップの1〜4を、図13は、編成ステップの5〜8を、図14は、編成ステップの9〜12を、図15は、編成ステップの13〜14をそれぞれ示す。図16は、実施例4のワンピーススカートの正面図を示す。図17は、実施例4のスリットが形成される筒状部の編成の概略フローを示した図である。図18は、実施例4に係る編成ステップを示した図である。図19は、断面3層状に編地を編成する従来の方法を示した図である。
Claims (7)
- 少なくとも前後一対の針床を備え、各針床はそれぞれ多数の針を持ち、針床の少なくとも一方が左右にラッキング可能で、針床間で編目の移し替えが可能に構成される横編機を用いて、前側編地部分と、後側編地部分が編み幅の側端部で互いに接続された状態で編成し、且つ前側編地部分と後側編地部分の何れか一方の編地を編み幅の途中で左右に分離して編成し、この分離される箇所に縦方向に延びる開き部を形成するとともに、この開き部に沿って延びる適宜数のウエールからなる左右の縁部が着用の際に2層状に前後に重なった状態となる編地を製造するための編成方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする編成方法。
a)一方の針床に付属させて左右の縁部を互いに並べた状態で編成するために開き部を形成する側の編地の、左右に分岐して編まれる編地の少なくとも一方の編地に対し、その編み幅側端で対向する他方の針床に付属させて編まれる側の編地に続く前記縁部のウエール数に応じて決定される数の側端ウエールを、予め対向する他方の針床に付属させて編まれる編地側へ回した状態でコース編成を繰り返し行う工程、
b)前記開き部を形成する側の編地に対して減らし編成を行うことで開き部を広げる工程、
c)前記a)の工程で予め他方の針床へ回していた側端ウエールを開き部を形成する側の編地の外に移す工程。 - 前記工程b)は、左右の縁部を互いに離間する向きに移動させることで開き部を広げ、前記並べて編成していた左右の縁部間の空き針の数を増加させ、前記工程c)は、工程b)に続いて行われ、他方の針床へ回していた側端ウエールを1目づつラッキングしながら開き部を形成する側の編地の外に移すとともに続くコース編成のために目移しにより編目の再配置を行う、ことを特徴とする請求項1に記載のニット編地の編成方法。
- 前記工程b)と工程c)は繰り返し行われ、前記工程b)は縁部は移動せずに一方の針床に付属する縁部に隣接する左右の編地部分を寄せることで開き部を広げ、このときに形成される空き針に対して他方の針床へ回していた側端ウエールを移すことを特徴とする請求項1に記載のニット編地の編成方法。
- 前記編成を開き部が形成される側の編地の左右両方に対して行うことを特徴とする請求項1に記載のニット編地の編成方法。
- 前記編成を開き部が形成される側の編地の左右何れか一方に対して行うことを特徴とする請求項1に記載のニット編地の編成方法。
- 前記工程c)で移される側端ウエールの編目が捻れ目にならないように目移しによる編目の捻れを解消する向きに給糸して編目を形成することを特徴とする請求項1に記載のニット編地の編成方法。
- 少なくとも前後一対の針床を備え、各針床はそれぞれ多数の針を持ち、針床の少なくとも一方が左右にラッキング可能で、針床間で編目の移し替えが可能な横編機を用いて、前側編地部分と、後側編地部分が編み幅の側端部で互いに接続された状態で編成し、且つ前側編地部分と後側編地部分の何れか一方の編地を編み幅の途中で左右に分離して編成し、この分離される箇所に縦方向に延びる開き部を形成するとともに、この開き部に沿って延びる適宜数のウエールからなる左右の縁部の編み終わり部で縁部同士が2層状に前後に重合された形態の編地を製造するための編成方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする編成方法。
a)一方の針床に付属させて左右の縁部を互いに並べた状態で編成するために開き部が形成される側の編地の、左右に分岐して編まれる編地の少なくとも一方の編地に対し、その編み幅側端で対向する他方の針床に付属させて編まれる側の編地に続く前記縁部のウエール数に応じて決定される数の側端ウエールを、予め対向する他方の針床に付属させて編まれる編地側へ回した状態でコース編成を行って編地を編成する工程、
b)前記a)の工程で予め他方の針床へ回していた前記ウエールを1目づつラッキングしながら開き部が形成される側の編地の外に移す工程、
c)編地を移動して左右の縁部同士を目移しにより重ねるとともに後続のコース編成を行うために目移しにより編目の再配置を行う工程、
d)上記工程c)に続いて前側編地部分と後側編地部分が編み幅の側端部で接続されるとともに編地全体が完全な筒状体としてコース編成を行う工程。
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