JP4002771B2 - 既設単純桁橋梁を連続化した連続桁構造 - Google Patents

既設単純桁橋梁を連続化した連続桁構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、既設の単純桁橋梁を連続化した構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
既設の橋梁は、経済性や技術上の理由により単純桁構造のものが多い。近年、このような既設の単純桁橋梁の耐震補強工事として主桁を連結化する事例が多くなっている。図6は、この主桁連結化工法の一例を示したものであり、橋軸方向に隣り合う2つの主桁1A,1B(単純桁)のウエブ2間に上下3段の連結板3A,3B,3Cが架け渡されている。特に上段の連結板3Aは、各主桁1A,1Bの垂直補剛材4を貫通して長く延びている。これによって、2つの主桁1A,1Bの活荷重及び連結後の死荷重に対する挙動を連続桁としての挙動に近づけることができ、耐震性の向上を図ることができる。その他、重交通(道路橋示方書の改訂により、設計時に比して現行の活荷重が増加したこと)に対する長寿命化、振動・騒音の軽減による周辺地域の環境改善、ノージョイント化によるメンテナンスフリー化などの多くのメリットを得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の主桁連結化工法を実施するには、連結されるべき2つの主桁どうしの通りが略一直線になっていなければならないという制約があり、通りが非直線状の場合、すなわち、
(1)連結されるべき主桁どうしが橋幅方向に大きくずれている場合、
(2)連結されるべき主桁どうしが大きく角折れしている場合、
(3)連結されるべき主桁の少なくとも一方が大きく曲がった曲線桁である場合には、これら主桁どうしを連結板で繋げるのが物理的に不可能であった。そのため、連結化の必要性が高くても実施をあきらめざるを得なかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、本発明は、径間ごとに鋼製主桁が架設され、しかも隣り合う径間の主桁どうしの通りが非直線状(これら主桁どうしの軸線が互いにずれ、若しくは角折れし、又は少なくとも一方の主桁が曲線桁であること)になった既設の単純桁橋梁を連続化した構造に係る。上記隣り合う径間どうしの間には、橋幅方向に延びる鉄筋コンクリート製の横梁が、各主桁の端部と交差するようにして構築されている。各主桁の端部には、上記横梁のコンクリートに埋設されるようにして応力伝達部材が設けられている。この応力伝達部材を介して上記横梁と各主桁とが応力伝達可能になっている。これによって、主桁の通りが非直線状になっていても、確実に連続化でき、連続桁橋梁とすることができる。
【0005】
ここで、上記応力伝達部材は、上記主桁のウエブに溶植されたスタッドであることが望ましい。これによって、構成を簡素化でき、しかも応力伝達を確実に行わせることができる。
【0006】
上記横梁は、緊張された複数本のプレストレス鋼材を含み、プレストレストコンクリートを構成していることが望ましい。これによって、ねじりモーメントに対する抵抗を増大させることができ、梁断面を縮小化することができる。これらプレストレス鋼材のうち数本は、上記主桁のウエブを貫通して橋幅方向に延びていることが望ましい。
【0007】
上記主桁における横梁との交差部近傍の上側部と、上記横梁の上側部との間には、プレストレス鋼材からなる外ケーブルが緊張されて架け渡されていることが望ましい。これによって、主桁又は横梁の上側部に作用する引張り応力の一部をこの外ケーブルを介して伝達することができ、主桁と横梁の接合部に局所的な応力集中が起きないようにすることができる。
【0008】
上記主桁における横梁との交差部近傍には、上下のフランジとウエブとで画成された凹部に、鉄筋コンクリートが、上記横梁に連なるようにして充填され、この鉄筋コンクリートが、上記フランジに対し垂直に延びる第1鉄筋と、これに直交して上記ウエブに沿って水平に延びる第2鉄筋とを含み、上記第1鉄筋の上下端が上下のフランジに連結されていることが望ましい。これによって、主桁と横梁との間の急激な断面変化を緩和でき、接合部への局所的な応力集中を確実に防止できる。上記第2鉄筋は、上記横梁の内部に延長され、横梁の鉄筋を兼ねていることが望ましい。これによって、横梁と鉄筋コンクリートを確実に一体化することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図5は、連続化される前の既設単純桁橋梁Bにおける主桁10の配置を示したものである。各主桁10は、ウエブ11と上下のフランジ12,13とを有するI形断面鋼で構成されている。ウエブ11の両側面には、垂直補剛材14が間隔を置いて設けられている。
【0010】
主桁10は、橋脚40(図2に図示)で区切られた径間S,S…ごとに橋軸方向に延びるようにして架設されている。各々の径間S,S…には、橋幅方向に離れて複数の主桁10が並設されている。この実施形態の橋梁Bでは、径間Sに3つの主桁10が並設され、その隣の径間Sに4つの主桁10が上記径間Sより狭い間隔で並設されている。
【0011】
なお、各径間S,S…における主桁10の端部どうしは、鋼製の端支点横桁(図示省略。図1〜図4において同様。)によって連ねられている。端支点横桁の端部は、支承(図2参照)の真上(主桁10の最も端側)の垂直補剛材14に宛がわれてボルト締めされている。
【0012】
隣り合う径間S1,Sにおける橋幅方向両サイドの主桁10どうしは、互いに一直線上に配され、通りが直線状になっている。
一方、径間Sの橋幅方向中央の主桁10と径間Sの橋幅方向中側の2つの主桁10とは、互いに軸線がずれ、通りが非直線状になっている。本発明は、このような非直線状の通りをなす主桁10どうしを連続化して連続桁を構築するものである。
【0013】
上記単純桁橋梁Bを連続化した連続桁構造を説明する。
図1に示すように、連続化された橋梁Bでは、各中間支点すなわち隣り合う径間S,S…どうしの境に、プレストレストコンクリートからなる横梁20が橋幅方向に延びるようにして構築されている。横梁20は、各主桁10と交差している。すなわち、横梁20のコンクリート21内部に、各主桁10の端部が埋設されている。図2及び図4に示すように、この埋設部分のウエブ11には、適宜長さのスタッド15(応力伝達部材)が溶植されている。スタッド15は、ウエブ11の上下方向の全域にわたって多数配されている。これらスタッドによって、主桁10と横梁20とが確実に応力伝達可能になっている。
【0014】
横梁20について詳述する。図2〜図4に示すように、横梁20のコンクリート21内には、横梁20の軸方向(橋幅方向)に延びる普通鉄筋22と、横梁20の幅方向(橋軸方向)に延びる普通鉄筋24が複数本ずつ配筋されている。
【0015】
鉄筋22は、コンクリート21のかぶり厚を確保する位置に配筋されている。一方の径間S寄りに配された鉄筋22は、その径間Sの主桁10の端部と交差し、他方の径間S寄りに配された鉄筋22は、その径間Sの主桁10の端部と交差している。各主桁10の端部のウエブ11には、これら鉄筋22を通す貫通孔11aが形成されている。横桁20の軸方向にはすべての鉄筋22を囲むようにしてスターラップ筋26が配筋されるとともに、各主桁10の近傍には、その主桁10を貫通する複数本の鉄筋22だけを囲むスターラップ筋26も設けられている。
【0016】
更に、横梁20のコンクリート21内には、鉄筋22と平行をなして横梁20の軸方向(橋幅方向)に延びるPCケーブル(プレストレス鋼材)23と、鉄筋24と平行をなして横梁20の幅方向(橋軸方向)に延びるPC鋼材(プレストレス鋼材)25とが、複数本ずつ配筋されている。PCケーブル23は、鉄筋22よりもコンクリート21の内側に配されている。これらPCケーブル23のうち径間S寄りに配されたPCケーブル23は、その径間Sの主桁10の端部と交差し、径間S寄りに配されたPCケーブル23は、その径間Sの主桁10の端部と交差している。各主桁10のウエブ11には、PCケーブル23を通す貫通孔11bが形成されている。図1に示すように、これらPCケーブル23は、その延び方向に緊張され、両端が横梁20の端面から突出されるとともに、この端面に設けられた定着部材28Aに定着されている。これによって、コンクリート21には、横梁20の軸方向(橋幅方向)に沿うプレストレスが付与されている。
【0017】
同様にして、図1及び図3に示すように、横梁20の幅方向(橋軸方向)に延びるPC鋼材25は、横梁20の側面から突出され、この側面に設けられた定着部材28Bに緊張状態で定着されている。これによって、コンクリート21には、幅方向(橋軸方向)のプレストレスも付与されている。
【0018】
なお、横梁20の鉄筋22,24及びプレストレス鋼材23,25の延び方向、配筋位置、本数等は、上記に限定されるものではなく、設計強度確保の必要に応じて種々の態様(例えば延び方向を斜めや垂直にする等)が採用される。
【0019】
図1及び図3に示すように、横梁20の上側部であって、しかも主桁10の近傍には、橋軸方向に延びるプレストレス鋼材として、PC鋼材25に代えてPC外ケーブル27が配筋されている。PC外ケーブル27は、延び方向に緊張された状態で、一端部が横梁20における上記近傍の主桁10とは逆側の側面の定着部材28Bに定着される一方、他端部が横梁20から外に出されて、上記近傍の主桁10のウエブ11上側部に設けられた定着部材29に定着されている。これによって、主桁10と横梁20の上側部どうし間の応力伝達がPCケーブル27を介してもなされるようになっている。
【0020】
図1に示すように、主桁10における横梁20との交差部近傍には、ウエブ11と上下のフランジ12,13とで作る凹部10aに、鉄筋コンクリート30が充填されている。鉄筋コンクリート30のコンクリート31は、横梁20のコンクリート21と打ち継目無しに一体に連なっている。コンクリート31の外側面は、フランジ12,13あるいは垂直補剛材14の縁と面一になっている。なお、設計上必要とされる強度によっては、コンクリート31をフランジ12,13や垂直補剛材14より薄く、あるいは厚く打設することもある。鉄筋コンクリート30における横梁20とは逆側の端面は、垂直補剛材14によって画されているが、これに限定されるものではなく、隣接する2つの垂直補剛材14の間に露出するように位置されていてもよい。
【0021】
図2に示すように、コンクリート31の内部には、フランジに対し垂直をなす鉄筋32(第1鉄筋)と、ウエブ11に沿ってフランジに水平をなす鉄筋33(第2鉄筋)とがそれぞれ複数本ずつ埋設されている。複数の垂直鉄筋32は、主桁10の延び方向に間隔を置いて配されている。各垂直鉄筋32の上下端は、上下のフランジ12,13にそれぞれ突き当てられ、アーク溶接やスポット溶接にて連結されている。
【0022】
複数の水平鉄筋33は、上下に間隔を置いて配されている。これら水平鉄筋33は、主桁10の上側部(桁断面の中立軸よりも上側の引張応力が作用する領域)の方に、下側部(圧縮応力が作用する領域)よりも多数配されている。なお、主桁10の上側部に配される水平鉄筋33を、下側部に配される水平鉄筋33より太くしたり、強度の高いものを用いたりしてもよい。各水平鉄筋33は、横梁20の内部にも入り込み、横梁20の幅方向鉄筋24を兼ねている。これによって、横梁20と鉄筋コンクリート30ひいては主桁10とが一層確実に一体化されている。主桁10の垂直補剛材14には、上記水平鉄筋33を通す貫通孔14aが形成されている。
【0023】
なお、横梁20のコンクリート21内には、上述の図示しない端支点横桁が埋められている。この端支点横桁には、横梁20の幅方向鉄筋24,33、PC鋼材25、及びPCケーブル27を通す貫通孔が形成されている。
【0024】
更に、連続化された橋梁Bにおいては、隣り合う径間S,S…どうしの間すなわち中間支点部に、単純桁用の伸縮装置に代えて、場所打ちコンクリートからなる床版50が設けられている。床版50は、横梁20のコンクリート21上に打ち継がれている。また、橋脚40上には、各主桁10の端部ごとに中間支点用支承41が設けられている。(なお、中間支点用支承41は、横梁20の幅方向の中間位置に設け、横梁20を介して各主桁10の端部を支えるようにしてもよい。)
【0025】
上記橋梁Bを連続化する施工手順を説明する。
まず、主桁10のウエブ11にスタッド15を溶植する。また、鉄筋22,24,26,32,33やプレストレス鋼材23,25,27を配筋する。配筋に際して、予め主桁10に貫通孔11a,11b,14aを開穿しておく。(貫通孔は、上記図示しない端支点横桁にも開穿しておく。)更に、横梁20用及び鉄筋コンクリート30用の型枠(図示せず)を設置する。型枠には、定着部材28,29を取り付け、それにプレストレス鋼材23,25,27の端部を止める。なお、この実施形態では、鉄筋コンクリート30における横梁20とは逆側の端面については、垂直補剛材14によって画されているので、この垂直補剛材14を上記逆側端面のための型枠材として用いることができ、専用の型枠材は不要である。(上記逆側端面を2つの垂直補剛材14の間に位置させる場合には、この位置に上記逆側端面用の型枠材を設置することになる。)
【0026】
そして、型枠内にコンクリート21,31を打設する。このコンクリート21,31の養生後、型枠を撤去する。そして、プレストレス鋼材23,25,27を緊張させ、コンクリート21にプレストレスを付与する。その後、橋梁Bの交通を一時遮断したうえで、伸縮装置を外して床版50のコンクリートを場所打ちする。また、主桁10をジャッキで支えながら、単純桁用の支承を連続桁用の支承41に取り替える。
なお、横梁20施工中の交通を考慮する必要が無い場合には、コンクリート21,31の打設工程において床版50のコンクリートをも一緒に打設することにしてもよい。また、支承41の取り替えは連続化施工の初期ないし中途の段階で行ってもよい。
【0027】
連続化された橋梁Bの作用を説明する。
例えば、径間Sの中央の主桁10に下向きの活荷重が作用したとする。この主桁10の端部は横梁20に拘束されているため、そこに負の曲げモーメントが発生し、これが横梁20に伝達される。この時、主桁10端部のスタッド15によって横梁20への応力伝達を確実に行うことができる。また、主桁10と横梁20の上側部どうしの間で伝達される引張り応力については、PC外ケーブル27を介しても伝達することができ、主桁10と横梁20の接合部に局所的な応力集中が起きないようにすることができる。更に、横梁20近傍の主桁ウエブ11には、鉄筋コンクリート30が横梁20に連なるようにして充填されているので、主桁10と横梁20との間の急激な断面変化を緩和でき、上記接合部への局所的な応力集中をより一層確実に防止することができる。この鉄筋コンクリート30の垂直鉄筋32は、上下のフランジ12,13を拘束することにより大きな強度を発現でき、水平鉄筋33は、引張り応力に対して十分な耐力を発現できる。これによって、上記負の曲げモーメントに対して十分な強度を発揮することができる。
【0028】
横梁20内においては、上記曲げモーメントがねじりモーメントとして径間S中央の主桁10との接合部から横梁20の軸方向の両側に向けて伝達される。この時、横梁20のコンクリート21は、プレストレス鋼材23,25によってプレストレスを付与されているので、上記ねじれに対して大きな抵抗を発揮することができる。したがって、横梁20の断面を小さくでき、軽量化ひいては橋脚に作用する地震時水平力の軽減を図ることができる。
【0029】
上記横梁20内のねじりモーメントは、径間Sの中側の2つの主桁10との接合部において、これら主桁10の端部に負の曲げモーメントとして伝達される。この時、上述した径間S中央の主桁の場合と同様に、径間S中側の主桁10のスタッド15によって確実に応力伝達することができ、特に上側部の引張り応力についてはPCケーブル27によって一層確実に伝達でき、更に鉄筋コンクリート30によって応力集中を確実に緩和できる。
【0030】
このようにして、隣り合う径間S,Sの主桁10の通りが一直線になっていなくても、一方の径間Sの主桁10に作用した応力を横梁20を介して他方の径間Sの主桁10に確実に伝達することができる。よって、橋梁Bは、連続桁と同様の挙動を示す。これによって、耐震性を向上でき、落橋を確実に防止することができると共に、重交通に対する長寿命化が可能となる。また、横梁20はコンクリート製であるので、鋼製の場合よりも現場に搬入すべき部材重量の軽量化を図ることができ、現場作業性を向上させることができる。更に、連結後の中間支点となる主桁端部の剛性が増加するため、車両走行時の振動・騒音を大幅に軽減することができる。
【0031】
本発明は、隣り合う径間の主桁の通りが一直線状になっていない全ての場合に適用できる。すなわち、隣り合う径間の主桁どうしがずれている場合に限られず、角折れしている場合や、一方又は両方の主桁が曲線桁になっている場合でも、これら主桁の端部と交差するコンクリート製横梁を構築することによって、この横梁を介して確実に応力伝達でき、連続桁として挙動させることができる。
【0032】
更に、本発明は種々の改変をなすことができる。
例えば、スタッドに代えて、主桁ウエブを貫通する鉄筋を横梁内に多数埋設し、これを主桁と横梁との間の応力伝達部材としてもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、既設単純桁橋梁の主桁の通りが非直線状になっていても、これら主桁と交差するコンクリート製横梁を構築し、応力伝達部材を介して横梁と各主桁間の応力伝達を行わせることによって、主桁どうしを確実に連続化でき、連続桁橋梁にすることができる。これによって、耐震性の向上、落橋の防止、振動・騒音の軽減等を図ることができる。主桁端部のウエブにスタッドを溶植して横梁に埋設し、これを上記応力伝達部材とすることによって構成を簡素化でき、しかも応力伝達を確実に行わせることができる。
【0034】
上記横梁にプレストレスを導入することによって、ねじりモーメントに対する抵抗を増大させることができ、梁断面を縮小化して、軽量化ひいては橋脚に作用する地震時水平力の軽減を図ることができる。
【0035】
上記主桁と横梁の上側部間にプレストレス鋼材からなる外ケーブルを架け渡すことによって、主桁又は横梁の上側部に作用する引張り応力の一部をこの外ケーブルを介して伝達することができ、主桁と横梁の接合部に局所的な応力集中が起きないようにすることができる。
【0036】
上記主桁の上下のフランジとウエブとで画成された凹部に、横梁に連なるようにして鉄筋コンクリートを充填することによって、主桁と横梁との間の急激な断面変化を緩和でき、接合部への局所的な応力集中を確実に防止できる。上記鉄筋コンクリートの水平な第2鉄筋を横梁の内部に延長させることによって、横梁と鉄筋コンクリートを確実に一体化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る橋梁を、連続化後の状態で示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿う上記橋梁の断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う上記橋梁の断面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿う上記橋梁の断面図である。
【図5】連続化される前の上記橋梁の主桁の斜視図である。
【図6】従来の連結化工法を施された橋梁の斜視図である。
【符号の説明】
B 橋梁
,S 径間
10 主桁
10a 凹部
11 ウエブ
11a,11b 貫通孔
12 上フランジ
13 下フランジ
14 垂直補剛材
15 スタッド(応力伝達部材)
20 横梁
21 コンクリート
22,24 普通鉄筋
23 PCケーブル(プレストレスト鋼材)
25 PC鋼材(プレストレスト鋼材)
26 スターラップ筋
27 PC外ケーブル(プレストレスト鋼材)
28A,28B,29 定着部材
30 鉄筋コンクリート
31 コンクリート
32 垂直鉄筋(第1鉄筋)
33 水平鉄筋(第2鉄筋)
40 橋脚
41 支承
50 床版

Claims (7)

  1. 隣り合う2つの径間にそれぞれ複数の鋼製の主桁が架設された既設の単純桁橋梁連続化した構造であって、上記隣り合う2つの径間の主桁数及び主桁間隔が一致せず、双方の径間が、他方の径間の何れの主桁に対しても軸線がずれて通りが合わない主桁を含んでおり、上記隣り合う径間どうしの間には、橋幅方向に延びる鉄筋コンクリート製の横梁が、各主桁の端部と交差するようにして構築され、この横梁における上記2つの径間のうち一方の径間側の部分が、他方の径間側の部分より狭い間隔でより多くの主桁と交差し、上記通りが合わない主桁の端部のウエブには貫通孔が形成され、この貫通孔に上記横梁を構成する鉄筋コンクリートの鉄筋が通されており、さらに上記通りが合わない主桁の端部には、上記横梁のコンクリートに埋設されるようにして応力伝達部材が設けられ、この応力伝達部材を介して上記横梁と上記通りが合わない主桁とが応力伝達可能になっていることを特徴とする既設単純桁橋梁を連続化した連続桁構造。
  2. 上記応力伝達部材が、上記通りが合わない主桁のウエブに溶植されたスタッドであることを特徴とする請求項1に記載の既設単純桁橋梁を連続化した連続桁構造。
  3. 上記横梁が、緊張された複数本のプレストレス鋼材を含み、これによってプレストレストコンクリートを構成していることを特徴とする請求項1又は2に記載の既設単純桁橋梁を連続化した連続桁構造。
  4. 上記複数のプレストレス鋼材のうち数本が、上記通りが合わない主桁のウエブを貫通して橋幅方向に延びていることを特徴とする請求項3に記載の既設単純桁橋梁を連続化した連続桁構造。
  5. 上記通りが合わない主桁における横梁との交差部近傍の上側部と、上記横梁の上側部との間には、プレストレス鋼材からなる外ケーブルが緊張されて架け渡されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の既設単純桁橋梁を連続化した連続桁構造。
  6. 上記通りが合わない主桁における横梁との交差部近傍には、上下のフランジとウエブとで画成された凹部に、鉄筋コンクリートが、上記横梁に連なるようにして充填され、この鉄筋コンクリートが、フランジに対し垂直に延びる第1鉄筋と、上記ウエブに沿って水平に延びる第2鉄筋とを含み、上記第1鉄筋の上下端が上下のフランジに連結されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の既設単純桁橋梁を連続化した連続桁構造。
  7. 上記第2鉄筋が、上記横梁の内部に延長され、横梁の鉄筋を兼ねていることを特徴とする請求項6に記載の既設単純桁橋梁を連続化した連続桁構造。
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