JP3994860B2 - アレイ導波路型回折格子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平面導波路及びアレイ導波路型回折格子に係り、特に、平面導波路の端面近傍において、該コアの光に対する屈折率が光の伝搬方向に沿って徐々に変化して光のスポット径が光の伝搬方向に沿って徐々に変化する平面導波路、及び、損失が少ないアレイ導波路型回折格子に関する。
【0002】
近年、インタネットの急速な普及に伴って、データ、画像及び音声を含むトラフィックが急増しており、又、FTTH(Fiber To The Home )又は、FTTC(Fiber To The Cur)の普及が進むと特に画像のトラフィックが更に増加すると予想される。
一方、上記動向とは必ずしも関係なく光伝送システムの高速化と大容量化がめられてきたが、トラフィックの急増に迅速に対処するために波長多重(WDM; Wavelength Division Multiplexing)光伝送システム導入がピッチで勧められている。
【0003】
ところで、波長多重光伝送システムは幹線伝送路から導入され始めたが、ADSL(Asynchronous Digital Subscriber Loop) や、FTTH又はFTTCの導入による加入者系伝送路の広帯域化の必要性から、都市内通信網(Metropolitan Network)でも導入が計画されている。
このような都市内通信網においては、幹線系伝送路に比較して伝送距離が短い(最短は100mのステップ(a few)倍がありうるし、最長でも10kmの数(a few)倍のオーダーである。)ために、伝送ノードに配置される光伝送装置のコストがシステム・コストにめる割合が高くなる。
又、家庭内の端末装置に接続される光伝送装置も必要になる。
【0004】
従って、都市内通信網への波長多重光伝送システムの導入に当たっては、光伝送装置のコスト・ダウンが強く求められ、光伝送装置に使用される様々な光回路のコスト・ダウンが必須になる。
光回路では、光軸合わせをミクロン以下の精度で行なう必要があり、光回路のコスト・アップの主要な原因になっている。
この問題の解決に分けて、平面光波回路(PLC;Planar Lightwave Circuitを用いた集積化が進められている。
平面光波回路を適用すると、多数の平面導波路を基板上に形成することができて、光ファイバ・アレイとの一括調芯が可能であり、チップが小型であることから、1ウェハから多数のチップを作成することができるため、製造コストや調整コストの削減が可能である。
【0005】
そして、平面光波回路は、光の分岐と結合、レベル調整、波長多重と波長分離、光スイッチなど広範囲に使用され、小型化と共に重要になるのは、伝送損失の低下である。
【0006】
【従来の技術】
図12は、平面導波路の通常の製造プロセスの例である。
図12において、1は基板、2はアンダー・クラッド、3aはコア層、5aはマスク剤、5は露光、現像されたマスク、3はコア、4はオーバー・クラッドである。そして、典型的には、基板にはシリコンを使用し、アンダー・クラッドとコア及びオーバー・クラッドの主成分は二酸化シリコンである。
【0007】
まず、(イ)シリコンよりなる基板1上にCVD(Chemical Vap o r Deposition)法又は火炎堆積法によって二酸化シリコンを主成分とするアンダー・クラッド2を成膜し(ロ)アンダー・クラッド2上に二酸化シリコンを主成分とするコア層3aを成膜する。
因みに、アンダー・クラッド2の厚さは、平面導波路の伝送損失を低くするためにコアを伝搬する光のモード分布が基板1に達しない厚さにする必要があり、通常の屈折率のコアとクラッドの光に対する屈折率の差をコアの屈折率で除算して%表示した比屈折率差が0.5%程度の平面導波路では20μm程度にする必要がある。
【0008】
又、コア層3aの厚さは、コア中を伝搬する光がシングル・モードになるような厚さにする必要があり、比屈折率差0.5%の場合には7μm程度に設定する。
尚、アンダー・クラッド2及びコア層3aの成膜には、火炎堆積法を適用してもよい。
【0009】
ついで、(ハ)コア層3a上にマスク剤5aを塗布し、(ニ)マスク剤5上にコアのパターンを転写して露光・現像して、露光・現像されたマスク5aのパターンのみを残し、(ホ)CHF3 などのエッチング・ガスを使用してRIE(Reactive Ion Etching)法によって不要なコア層を除去してコア3を形成する。
【0010】
ついで、(ヘ)コア3とアンダー・クラッド2を覆うようにオーバー・クラッド4を成膜する。
尚、アンダー・クラッド2、コア層3a及びオーバー・クラッドを形成する際に使用する材料と異なる形成手段については、当業者が十分に知るところであるので、詳細の記載は省略している。
【0011】
このように形成された平面導波路において基本的な点は、伝送損失を小さくするためにコア3の近傍に光の伝搬モードを集中させることであり、このために被屈折率差の制御が重要になる。
特許文献1は、比屈折率差を精密に制御する技術が開示されており、特許文献2は、比屈折率差の増加等のためにホウ素(B)、リン(P)、フッ素(F)などを添加する技術が開示されている。
【0012】
図13は、従来のアレイ導波路型回折格子の構成である。
図13において、11、11a及び11bは光ファイバ、12はアレイ導波路型回折格子を構成するクラッド、13はアレイ導波路型回折格子を構成する入力導波路のコア、14は入力導波路からの光を分岐して入力されるチャネル導波路のコア、15はチャネル導波路14を伝搬する複数の波長の光を波長毎に出力する出力導波路のコア、16は入力導波路のコア13からの光をチャネル導波路のコア14に分岐するスラブ導波路、17はチャネル導波路のコア14からの光を波長毎に出力導波路のコア15に分岐するスラブ導波路である。尚、図の煩雑化を避けるために、チャネル導波路のコア14を3本とし、出力導波路のコア15を2本として図示しているが、実際には、チャネル導波路のコア14は数十本から数百本にのぼる。又、使用する出力波長の数に応じて出力導波路のコア15の本数が決まる。又、図13には入力導波路が1本の例を示しているが、一般的にはアレイ導波路型回折格子において入力導波路の本数は1本には限定されない。
【0013】
光ファイバ11から入力される光は複数の波長の光が波長多重された光であり、入力導波路のコア13に結合されてアレイ導波路型回折格子内に導かれ、入力導波路のコア13を伝搬した光はスラブ導波路16に結合される。スラブ導波路16の入力導波路のコア13との結合部は光に対するスリットと等価で、スラブ導波路16に結合された光は回折現象によってスラブ導波路16内に拡がって伝搬して、チャネル導波路のコア14に結合される。従って、入力導波路のコア13を伝搬してきた波長多重された光はスラブ導波路16によって分割されてチャネル導波路のコア14内を伝搬するようになる。
【0014】
波長多重されている複数の波長の光がそれぞれのチャネル導波路のコア14内で受ける位相変化が違い、且つ、図示の如く、全てのチャネル導波路のコア14の長さはそれぞれ異なっていて伝搬位相に差があるため、それぞれのチャネル導波路のコア14内を伝搬した波長多重された光はスラブ導波路17において干渉を起こす。そして、チャネル導波路のコア14の長さの差と、スラブ導波路17と出力導波路のコア15との結合点における各々の出力導波路のコア15の間隔を適宜設定すると、波長毎に異なる出力導波路のコア15に強度のピークを持つようになり、波長毎に異なる出力導波路のコア15に結合される。
【0015】
つまり、入力導波路のコア13を伝搬した波長多重された光は、波長毎に異なる出力導波路のコア15に分離されるので、図13の構成を使用して入力導波路のコア13側から波長多重された光を入力すると、波長毎に分離された光が各々の出力導波路のコア15から得られる。
逆に、各々の出力導波路のコア15から波長がそれぞれ異なる光を入力すると、スラブ導波路17において生ずる干渉によってそれぞれのチャネル導波路のコア14を波長多重された光が伝搬するようになり、スラブ導波路16において全てのチャネル導波路のコア14を伝搬してきた光が入力導波路のコア13に結合されて出力される。
【0016】
即ち、図13のアレイ導波路型回折格子は、光ファイバ11側から波長多重された光を入力すると光ファイバ11a及び光ファイバ11bには波長分離された光が出力される波長分離素子として機能し、光ファイバ11a及び11b側から異なる波長の光を入力すると、光ファイバ11には波長多重された光が出力される波長多重素子として機能する。
【0017】
従って、アレイ導波路型回折格子としては波長多重された光をそれぞれの出力導波路のコア15に分岐する機能と、独立な波長の光を入力導波路のコア13に波長依存性なく合波する機能が重要で、これらについて、特許文献3、特許文献4開示されている。
【0018】
ところで、図13のアレイ導波路型回折格子の構成では、チャネル導波路のコアに対して波長毎に異なる位相変化を与えるために、各々のチャネル導波路のコアの長さを異ならせているが、各々のチャネル導波路のコア14の光に対する屈折率を変えて全てのチャネル導波路のコアを等しい長さで形成してもよい。
ただ、前者は一回のプロセスでチャネル導波路のコアを形成できるのに対して、後者は各々のチャネル導波路のコア毎に添加物の量や添加物組み合わせを変えて1本ずつチャネル導波路のコアを形成する必要があるので、実用的には各々のコアの長さを異ならせて屈折率を一定にしてチャネル導波路のコアを形成するのが通常である。
【特許文献1】
特開平5−34527号公報
【特許文献2】
特開平5−181031号公報
【特許文献3】
特開2000−147281号公報
【特許文献4】
特開2001−174653号公報
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
上に記載したように、通常のアレイ導波路型回折格子では、各々のチャネル導波路のコアの長さを異ならせて屈折率を一定にする。このために、図13に図示した如く、入力導波路のコア13、チャネル導波路のコア14及び出力導波路のコア15を曲げて形成することが必須になる。
【0024】
ところで、光ファイバ又は平面導波路においてコアを曲げると、曲げの部分で光の伝搬モードに変化が生じて曲がり損失が生ずる。この曲がり損失は、コアとクラッドの比屈折率差が大きい程少ないので、アレイ導波路型回折格子を構成する平面導波路においては比屈折率差を0.8%程度以上に設定して、曲がり損失を低下させるようにしている。
【0025】
しかし、比屈折率差が大きいという条件で、平面導波路に光の伝搬モードが唯一存在する、つまりシングル・モードになるためには、光の伝搬モードのスポット・サイズが小さくなる必要がある。典型的には、通常の光ファイバのスポット・サイズ10ミクロンに対して平面導波路のスポット・サイズは6ミクロン程度と小さくなる。このように、光ファイバと平面導波路のスポット・サイズに差があると、光の伝搬方向に関係なく、光ファイバと平面導波路の結合部における結合損失が大きくなる。
【0026】
即ち、アレイ導波路型回折格子において平面導波路のコアとクラッドの比屈折率差を大きくして曲がり損失を低下させるようにすると、アレイ導波路型回折格子と光ファイバとの結合損失が増加するという矛盾する現象が生ずる。
又、アレイ導波路型回折格子を構成するスラブ導波路とチャネル導波路のコアとの結合部、スラブ導波路と出力導波路のコアとの結合部での結合損失も無視することができない。
【0027】
本発明は、上記問題に鑑み、平面導波路の端面近傍において、該コアの光に対する屈折率が光の伝搬方向に沿って徐々に変化して光のスポット径が光の伝搬方向に沿って徐々に変化する平面導波路、及び、損失が少ないアレイ導波路型回折格子を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
第一の発明は、基板と、該基板の主面に形成された、アンダー・クラッドとコア及びオーバー・クラッドとから成り、該コアが該アンダー・クラッド及び該オーバー・クラッドの間に埋め込まれた構造の平面導波路であって、該コアを、光に対して一定の屈折率を呈するベースとなるコアと、該ベースとなるコアとは屈折率が異なる異屈折率部とで構成し、平面導波路の端面近傍において、該異屈折率部の添加物の量を光の伝搬方向に沿って端面に向かって徐々に変化させたことを特徴とする平面導波路である。
【0029】
第一の発明によれば、該コアを、光に対して一定の屈折率を呈するベースとなるコアと、該ベースとなるコアとは屈折率が異なる異屈折率部とで構成し、平面導波路の端面近傍において、該異屈折率部の添加物の量を光の伝搬方向に沿って徐々に変化させるので、平面導波路の中心部と端面部とで光のスポット・サイズを異ならせることができる。
【0030】
第二の発明は、第一の発明の平面導波路であって、上記平面導波路の端面近傍において、上記異屈折率部の添加物の量を光の伝搬方向に沿って端面に向かって徐々に低下させたことを特徴とする平面導波路である。
第二の発明によれば、該平面導波路の端面近傍において、該平面導波路の端面近傍において、上記異屈折率部の添加物の量を光の伝搬方向に沿って徐々に低下させるので、該平面導波路の中心部ではスポット・サイズを小さく、端面部ではスポット・サイズを中心部より大きくすることができる。
【0031】
第三の発明は、第二の発明の平面導波路であって、上記ベースとなるコアを、通常の屈折率の二酸化シリコンを主成分とするコアとし、上記平面導波路の中心部において、該異屈折率部の屈折率を該所定の屈折率より大きい屈折率とする添加物を所定量イオン注入し、該平面導波路の端面近傍において、上記異屈折率部の添加物の量を光の伝搬方向に沿って徐々に低下させたことを特徴とする平面導波路である。
【0032】
第三の発明によれば、該ベースとなるコアを、通常の屈折率の二酸化シリコンを主成分とするコアとし、該平面導波路の中心部において、該異屈折率部の屈折率を該所定の屈折率より大きい屈折率とする添加物を所定量イオン注入し、該平面導波路の端面近傍において、上記異屈折率部の添加物の量を光の伝搬方向に沿って徐々に低下させるので、該平面導波路の中心部ではスポット・サイズを小さくして該コアの曲がりによる損失を低下させ、該平面導波路の端面ではスポット・サイズを光ファイバと同程度にして平面導波路と光ファイバとの結合部における結合損失を低下させることができる。
【0033】
第四の発明は、入力導波路と、チャネル導波路と、出力導波路のと、該入力導波路と該チャネル導波路とを結合する第一のスラブ導波路と、該チャネル導波路と該出力導波路とを結合する第二のスラブ導波路とを備えるアレイ導波路型回折格子であって、該入力導波路と該チャネル導波路と該出力導波路に、第一の発明乃至第三の発明いずれかの平面導波路を適用したことを特徴とするアレイ導波路型回折格子である。
【0034】
第四の発明によれば、該入力導波路と該チャネル導波路と該出力導波路に、第一の発明ないし第三の発明のいずれか平面導波路を適用するので、アレイ導波路型回折格子内及びアレイ導波路型回折格子と他の光伝搬要素との結合部における損失を低下させることができる。
第五の発明は、入力導波路と、チャネル導波路と、出力導波路と、該入力導波路と該チャネル導波路とを結合する第一のスラブ導波路と、該チャネル導波路と該出力導波路とを結合する第二のスラブ導波路とを備えるアレイ導波路型回折格子であって、該第一のスラブ導波路又は第二のスラブ導波路において、該入力導波路又は該チャネル導波路又は該出力導波路との結合部の両脇の部分の光に対する屈折率を低下させた構成を有することを特徴とするアレイ導波路型回折格子である。
【0035】
第五の発明によれば、該第一のスラブ導波路又は該第二のスラブ導波路において、該入力導波路又は該チャネル導波路又は該出力導波路との結合部の両脇の部分の光に対する屈折率を低下させた構成を有するので、該第一のスラブ導波路及び該第二のスラブ導波路において、該入力導波路、該チャネル導波路、該出力導波路との結合部における損失を低下させることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以降、図面を併用して本発明の平面導波路とアレイ導波路型回折格子の技術を詳細に説明する。
図1は、本発明の平面導波路の第一の実施の形態で、平面導波路の側面から見た光路方向の断面図を図1(A)に、平面導波路の上から見た平面図を図1(B)に、平面導波路の光路と直交する断面図を図1(C)及び図1(D)に示している。尚、図1(C)は、図1(B)におけるP−P’で切った断面図、図1(D)は、図1(B)におけるQ−Q’で切った断面図である。
【0037】
図1において、1は基板、2はアンダー・クラッドである。3−1はベースとなるコア、3−3はベースとなるコア内に形成された高屈折率部で、ベースとなるコア3−1と高屈折率部3−3によって本発明の平面導波路のコアを構成する。又、4はオーバー・クラッドである。尚、図1(A)のオーバー・クラッド4内の直線は、コアの厚みの影響でオーバー・クラッド4が平坦にならないことを表現するために、コア上に形成されたオーバー・クラッド4の部分とコアがない箇所に形成されたオーバー・クラッド4の部分の境界を誇張して表現したものである。尚、プロセス条件によっては、オーバー・クラッド4の上面が平坦になることもある。
【0038】
即ち、図1の平面導波路の構成は、アンダー・クラッド2とオーバー・クラッド4の間に、ベースとなるコア3−1と、ベースとなるコア3−1内上部に形成された屈折率が一定の高屈折率部3−3とより成るコアが挟み込まれている。そして、高屈折率部3−3の厚さは一定であり、高屈折率部3−3の幅は平面導波路の中心部では一定で、平面導波路の端面近傍で幅が徐々に小さくなってゆき、平面導波路の端面では高屈折率部3−3がなくなっている。
【0039】
図2は、図1の構成の平面導波路の製造プロセスである。
図2において、1は基板、2はアンダー・クラッド、3−1はベースとなるコア、3−1aはベースとなるコア層、3−3は高屈折率部、4はオーバー・クラッド、5は露光、現像されたマスク、6はエッチング・マスクである。
基板1上にアンダー・クラッド2を形成し、アンダー・クラッド2上にベースとなるコア層3−1aを形成し、ベースとなるコア層の上にマスク剤5aを塗布する迄の工程は図12(イ)乃至図12(ハ)と同じであるので、図2では上記工程を省略している。以降の工程は下記の通りである。
【0040】
(ニ)マスク剤5aを露光、現像してマスク5を形成する。従来の平面導波路の製造プロセスを示した図12(ニ)では、マスク剤5aはコア3上を覆うものであったが、ここでは、高屈折率部3−3を形成する部分だけ除去して形成したものであることに留意されたい。
(ホ)図12(ニ)の状態で図面上方からイオン注入をして、高屈折率部3−3を形成する。屈折率を上昇させるためのイオン注入であるので、例えばゲルマニウム・イオンを注入する。
【0041】
(ヘ)マスク剤5aを除去する。
(ト)ベースとなるコア層3−1aの一部と高屈折率部3−3を覆うようにエッチング・マスク6を形成する。尚、エッチング・マスク6の幅は、ベースとなるコア3−1として残す部分の幅とほぼ等しくする。尚、エッチング条件によっては、ベースとなるコア3−1として残す部分の幅が目減りする場合があるので、この場合には目減り分だけエッチング・マスク6の幅を広くすることが好ましい。
【0042】
(チ)エッチングによってベースとなるコア3−1として残す以外のベースとなるコア層3−1aを除去する。この段階で、高屈折率部3−3とベースとなるコア3−1とによって構成される、本発明の平面導波路のコアがアンダー・クラッド2上に残る。
(リ)図2(チ)の状態でオーバー・クラッド4を形成する。これで、図1の構成の平面導波路が完成される。
【0043】
先にも記載した通り、図1の構成の平面導波路は、アンダー・クラッド2とオーバー・クラッド4の間にベースとなるコア3−1が形成されており、ベースとなるコア3−1内上部に屈折率が一定の高屈折率部3−3が形成されている。そして、高屈折率部3−3の厚さは一定であり、高屈折率部3−3の幅は平面導波路の中心部では一定で、平面導波路の端面近傍で幅が小さくなってゆき、平面導波路の端面では、高屈折率部3−3がなくなっている。
【0044】
従って、ベースとなるコアの屈折率を通常のコアの屈折率としておけば、平面導波路の中心部ではコアの等価屈折率が通常のコアの屈折率より高くなっており、平面導波路の端面近傍でコアの等価屈折率が徐々に低下してゆき、平面導波路の端面ではコアの等価屈折率が通常のコアの屈折率に等しくなる。
このため、平面導波路の中心部ではスポット・サイズが小さくなっていて、平面導波路が曲がっていても曲がり損失を小さくすることができる。従って、アレイ導波路型回折格子の入力導波路、チャネル導波路及び出力導波路に図1の構成の平面導波路を適用すれば、アレイ導波路型回折格子を構成する平面導波路で生ずる曲がり損失を低下させることが可能になる。
【0045】
一方、平面導波路の端面では、コアの等価屈折率は通常の屈折率に等しくなるので、スポット・サイズが中心部に比較して大きくなる。この、平面導波路の端面におけるスポット・サイズを光ファイバ等のスポット・サイズに等しくなるように設定することは容易であるので、アレイ導波路型回折格子における複数の結合部での結合損失を低下させることができる。
【0046】
即ち、図1の構成の平面導波路によって、アレイ導波路型回折格子で生じていた矛盾する現象を一遍に解決することができ、アレイ導波路型回折格子で生ずる損失を低下させることができる。
さて、図1と図2では、高屈折率部3−3の幅がベースとなるコア3−1の幅より小さい例を示して説明したが、高屈折率部3−3に注入するイオンの種類や量によってはベースとなるコア3−1の全幅にわたって高屈折率部3−3を形成してもよいし、更に、ベースとなるコア3−1の全厚にわたって高屈折率部3−3を形成してもよい。このことは、以降に説明する他の実施の形態においても同様である。
【0047】
尚、上記製造プロセスでは、イオン・ビームをウェハ全面に照射するタイプのイオン注入法を想定しているが、上記タイプの他に、ウェハの特定箇所にイオン・ビームの焦点を絞り、焦点を絞ったイオン・ビームをウェハ面上を走査させてパターン状にイオン注入できるFIB(Focused Ion Beam)法があり、該FIB法を本発の平面導波路の製造プロセスに適用できることはいうまでもない。
そして、FIB法を適用した場合には、図2に示す製造プロセスの中で、イオン注入のためのマスク生成工程(ニ)及び同マスク除去(ヘ)の工程を省略して、図2(ヘ)に示した断面形状を有する高屈折率部3−3のパターンを形成できる。
【0048】
図3は、本発明の平面導波路の第一の実施の形態の変形で、平面導波路の側面から見た光路方向の断面図を図3(A)に、平面導波路の上から見た平面図を図3(B)に、平面導波路の光路と直交する断面図を図3(C)及び図3(D)に示している。尚、図3(C)は、図3(B)におけるP−P’で切った断面図、図3(D)は、図3(B)におけるQ−Q’で切った断面図である。
【0049】
図3において、1は基板、2はアンダー・クラッドである。3−1はベースとなるコア、3−4はベースとなるコア内に形成された低屈折率部で、ベースとなるコア3−1と低屈折率部3−4によって本発明の平面導波路のコアを構成する。又、4はオーバー・クラッドである。尚、図3(A)のオーバー・クラッド4内の直線は、コアの厚みの影響でオーバー・クラッド4が平坦にならないことを表現するために、コア上に形成されたオーバー・クラッド4の部分とコアがない箇所に形成されたオーバー・クラッド4の部分の境界を誇張して表現したものである。
【0050】
尚、低屈折率部3−4を形成するには、例えばフッ素イオンをベースとなるコア中に注入すればよい。
即ち、図3の平面導波路の構成は、アンダー・クラッド2とオーバー・クラッド4の間に、ベースとなるコア3−1と、ベースとなるコア3−1内上部に形成された屈折率が一定の低屈折率部3−4とより成るコアが挟み込まれている。そして、低屈折率部3−4の厚さは一定であり、低屈折率部3−4の幅は平面導波路の中心部では0で、平面導波路の端面近傍で幅が徐々に大きくなってゆき、平面導波路の端面では低屈折率部3−4が見えるようになっている。
【0051】
従って、ベースとなるコアの屈折率を通常のコアの屈折率より高くしておけば、平面導波路の端面近傍でコアの等価屈折率が中心部の屈折率より徐々に低下してゆく。そして、平面導波路の端面ではコアの等価屈折率が通常のコアの屈折率に等しくなるようにすることは容易である。
このため、平面導波路の中心部ではスポット・サイズが小さくなっていて、平面導波路が曲がっていても曲がり損失を小さくすることができる。従って、アレイ導波路型回折格子の入力導波路、チャネル導波路及び出力導波路に図3の構成の平面導波路を適用すれば、アレイ導波路型回折格子を構成する平面導波路で生ずる曲がり損失を低下させることが可能になる。
【0052】
一方、平面導波路の端面では、コアの等価屈折率は通常の屈折率に等しくなるので、スポット・サイズが中心部に比較して大きくなる。この、平面導波路の端面におけるスポット・サイズを光ファイバ等のスポット・サイズに等しくなるように設定することは容易であるので、アレイ導波路型回折格子における複数の結合部での結合損失を低下させることができる。
【0053】
即ち、図3の構成の平面導波路によって、アレイ導波路型回折格子で生じていた矛盾する現象を一遍に解決することができ、アレイ導波路型回折格子で生ずる損失を低下させることができる。
さて、図3では、低屈折率部3−4の幅がベースとなるコア3−1の幅より小さい例を示して説明したが、低屈折率部3−4に注入するイオンの種類や量によってはベースとなるコア3−1の全幅にわたって低屈折率部3−4を形成してもよいし、更に、ベースとなるコア3−1の全厚にわたって低屈折率部3−4を形成してもよい。
【0054】
尚、図3の構成の平面導波路の製造プロセスと図1の構成の平面導波路の製造プロセスは、高屈折率部を形成するためのマスクの開口部と低屈折率部を形成するためのマスクの開口部の位置が異なるだけで他は同じであるので、製造プロセスの図示は省略する。
図4は、本発明の平面導波路の第二の実施の形態で、平面導波路の側面から見た光路方向の断面図を図4(A)に、平面導波路の上から見た平面図を図4(B)に、平面導波路の光路と直交する断面図を図4(C)及び図4(D)に示している。尚、図4(C)は、図4(B)におけるP−P’で切った断面図、図4(D)は、図4(B)におけるQ−Q’で切った断面図である。
【0055】
図4の構成と図1の構成とは本質的に同じあるが、高屈折率部3−3の形状が違うので、敢えて構成の全てを説明する。
図4において、1は基板、2はアンダー・クラッドである。3−1はベースとなるコア、3−3はベースとなるコア内に形成された高屈折率部で、ベースとなるコア3−1と高屈折率部3−3によって本発明の平面導波路のコアを構成する。又、4はオーバー・クラッドである。
【0056】
即ち、図4の平面導波路の構成は、アンダー・クラッド2とオーバー・クラッド4の間に、ベースとなるコア3−1と、ベースとなるコア3−1内上部に形成された屈折率が一定の高屈折率部3−3とより成るコアが挟み込まれている。そして、高屈折率部3−3の幅は一定であり、高屈折率部3−3の厚さは平面導波路の中心部では一定で、平面導波路の端面近傍で厚さが徐々に小さくなってゆき、平面導波路の端面では高屈折率部3−3がなくなっている。
【0057】
図5は、図4の構成の平面導波路の製造プロセスである。これは、図1の構成の製造プロセスと本質的には同じであるが、高屈折率部3−3の形状が違うのに対応してマスクの形状が異なるので、必要な部分を全て説明する。尚、図5では平面導波路の側面から見た断面図を主に図示し、一部の工程では平面導波路の中心部における光路に垂直な断面図も合わせて図示する。
【0058】
図5において、1は基板、2はアンダー・クラッド、3−1はベースとなるコア、3−1aはベースとなるコア層、3−3は高屈折率部、4はオーバー・クラッド、5は露光、現像されたマスク、6はエッチング・マスクである。
基板1上にアンダー・クラッド2を形成し、アンダー・クラッド2上にベースとなるコア層3−1aを形成し、ベースとなるコア層の上にマスク剤を塗布する迄の工程は図12(イ)乃至図12(ハ)と同じであるので、図5では上記工程を省略している。以降の工程は下記の通りである。
【0059】
(ニ)マスク剤5aを露光、現像してマスク5を形成する。ここでは、マスク5は高屈折率部3−3を形成する部分だけ除去して形成したものであること、及び、高屈折率部3−3の厚さを可変にする箇所があるために、一部マスクの厚さが変化する箇所があることに留意されたい。尚、マスクの厚さに変化を持たせるのは、光の透過率が徐々に変わるフォト・マスクを用いてフォト・レジストを露光することによって可能である。
【0060】
(ホ)図5(ニ)の状態で図面上方からイオン注入をして、高屈折率部3−3を形成する。屈折率を上昇させるためのイオン注入であるので、例えばゲルマニウム・イオンを注入する。そして、マスクの厚さが変化している箇所では高屈折率部3−3の厚さが可変に制御できる。
(ヘ)マスク5を除去する。
【0061】
(ト)ここからは、平面導波路の中心部における光路に垂直な断面図も合わせて図示する。ベースとなるコア層3−1aの一部と高屈折率部3−3を覆うようにエッチング・マスク6を形成する。尚、エッチング・マスク6の幅は、ベースとなるコア3−1として残す部分の幅とほぼ等しくする。
(チ)エッチングによってベースとなるコア3−1として残す以外のベースとなるコア層3−1aを除去する。この段階で、高屈折率部3−3とベースとなるコア3−1とによって構成される、本発明の平面導波路のコアがアンダー・クラッド2上に残る。
【0062】
(リ)図5(チ)の状態でオーバー・クラッド4を形成する。これで、図4の構成の平面導波路が完成される。
尚、上記製造プロセスでは、イオン・ビームをウェハ全面に照射するタイプのイオン注入法を想定しているが、FIB法を本発明の平面導波路の製造プロセスに適用できることはいうまでもない。そして、FIB法を適用した場合には、図5に示す製造プロセスの中で、イオン注入のためのマスク生成工程(ニ)及び同マスク除去(ヘ)の工程を省略して、図5(ヘ)に示した断面形状を有する高屈折率部3−3のパターンを形成できる。特に、高屈折率部3−3の厚さが変わる部分では、高屈折率部3−3が厚い部分でイオン加速エネルギーを大きく、薄い部分でイオン加速エネルギーを小さくして、イオン加速エネルギーを変化させながら走査する。
【0063】
先にも記載した通り、図4の平面導波路の構成は、アンダー・クラッド2とオーバー・クラッド4の間に、ベースとなるコア3−1と、ベースとなるコア3−1内上部に形成された屈折率が一定の高屈折率部3−3とより成るコアが挟み込まれている。そして、高屈折率部3−3の幅は一定であり、高屈折率部3−3の厚さは平面導波路の中心部では一定で、平面導波路の端面近傍で厚さが徐々に小さくなってゆき、平面導波路の端面では高屈折率部3−3がなくなっている。
【0064】
従って、ベースとなるコアの屈折率を通常のコアの屈折率としておけば、平面導波路の中心部ではコアの等価屈折率が通常のコアの屈折率より高くなっており、平面導波路の端面近傍でコアの等価屈折率が徐々に低下してゆき、平面導波路の端面ではコアの等価屈折率が通常のコアの屈折率に等しくなる。
このため、平面導波路の中心部ではスポット・サイズが小さくなっていて、平面導波路が曲がっていても曲がり損失を小さくすることができる。従って、アレイ導波路型回折格子の入力導波路、チャネル導波路及び出力導波路に図4の構成の平面導波路を適用すれば、アレイ導波路型回折格子を構成する平面導波路で生ずる曲がり損失を低下させることが可能になる。
【0065】
一方、平面導波路の端面では、コアの等価屈折率は通常の屈折率に等しくなるので、スポット・サイズが中心部に比較して大きくなる。この、平面導波路の端面におけるスポット・サイズを光ファイバ等のスポット・サイズに等しくなるように設定することは容易であるので、アレイ導波路型回折格子における複数の結合部での結合損失を低下させることができる。
【0066】
即ち、図4の構成の平面導波路によって、アレイ導波路型回折格子で生じていた矛盾する現象を一遍に解決することができ、アレイ導波路型回折格子で生ずる損失を低下させることができる。
ここで、高屈折率部3−3の幅や厚さについては先にコメントした通りであり、又、高屈折率のベースとなるコア中に低屈折率部を設けることによっても同じ作用を得ることができることも先に記載した通りである。
【0067】
図6は、本発明の平面導波路の第三の実施の形態で、平面導波路の側面から見た光路方向の断面図を図6(A)に、平面導波路の上から見た平面図を図6(B)に、平面導波路の光路と直交する断面図を図6(C)及び図6(D)に示している。尚、図6(C)は、図6(B)におけるP−P’で切った断面図、図6(D)は、図6(B)におけるQ−Q’で切った断面図である。
【0068】
図6の構成と図1の構成とは本質的に同じあるが、高屈折率部3−3の形状が違うので、敢えて構成の全てを説明する。
図6において、1は基板、2はアンダー・クラッドである。3−1はベースとなるコア、3−3はベースとなるコア内に形成された高屈折率部で、ベースとなるコア3−1と高屈折率部3−3によって本発明の平面導波路のコアを構成する。又、4はオーバー・クラッドである。
【0069】
即ち、図6の平面導波路の構成は、アンダー・クラッド2とオーバー・クラッド4の間に、ベースとなるコア3−1と、ベースとなるコア3−1内上部に形成された屈折率が一定の高屈折率部3−3とより成るコアが挟み込まれている。そして、平面導波路の中心部で高屈折率部3−3の幅と厚さは一定であり、平面導波路の端面近傍で幅と厚さが徐々に小さくなってゆき、平面導波路の端面では高屈折率部3−3がなくなっている。
【0070】
従って、ベースとなるコアの屈折率を通常のコアの屈折率としておけば、平面導波路の中心部ではコアの等価屈折率が通常のコアの屈折率より高くなっており、平面導波路の端面近傍でコアの等価屈折率が徐々に低下してゆき、平面導波路の端面ではコアの等価屈折率が通常のコアの屈折率に等しくなる。
このため、平面導波路の中心部ではスポット・サイズが小さくなっていて、平面導波路が曲がっていても曲がり損失を小さくすることができる。従って、アレイ導波路型回折格子の入力導波路、チャネル導波路及び出力導波路に図6の構成の平面導波路を適用すれば、アレイ導波路型回折格子を構成する平面導波路で生ずる曲がり損失を低下させることが可能になる。
【0071】
一方、平面導波路の端面では、コアの等価屈折率は通常の屈折率に等しくなるので、スポット・サイズが中心部に比較して大きくなる。この、平面導波路の端面におけるスポット・サイズを光ファイバ等のスポット・サイズに等しくなるように設定することは容易であるので、アレイ導波路型回折格子における複数の結合部での結合損失を低下させることができる。
【0072】
即ち、図6の構成の平面導波路によって、アレイ導波路型回折格子で生じていた矛盾する現象を一遍に解決することができ、アレイ導波路型回折格子で生ずる損失を低下させることができる。
ここで、高屈折率部3−3の幅や厚さについては先にコメントした通りであり、又、高屈折率のベースとなるコア中に低屈折率部を設けることによっても同じ作用を得ることができることも先に記載した通りである。
【0073】
尚、図6の構成の平面導波路の製造プロセスと図4の構成の平面導波路の製造プロセスは、高屈折率部を形成するためのマスクの形状が異なるだけで他は同じであるので、製造プロセスの図示は省略する。
図7は、本発明の平面導波路の第四の実施の形態で、平面導波路の側面から見た光路方向の断面図を図7(A)に、平面導波路の上から見た平面図を図7(B)に、平面導波路の光路と直交する断面図を図7(C)及び図7(D)に示している。尚、図7(C)は、図7(B)におけるP−P’で切った断面図、図7(D)は、図7(B)におけるQ−Q’で切った断面図である。
【0074】
図7において、1は基板、2はアンダー・クラッドである。3−1はベースとなるコア、3−3はベースとなるコア内に形成された高屈折率部で、ベースとなるコア3−1と高屈折率部3−3によって本発明の平面導波路のコアを構成する。又、4はオーバー・クラッドである。
即ち、図7の平面導波路の構成は、アンダー・クラッド2とオーバー・クラッド4の間に、ベースとなるコア3−1と、ベースとなるコア3−1の中心に形成された屈折率が一定の高屈折率部3−3とより成るコアが挟み込まれている。そして、平面導波路の中心部で高屈折率部3−3の幅は一定であり、平面導波路の端面近傍で幅が徐々に小さくなってゆき、平面導波路の端面では高屈折率部3−3がなくなっている。つまり、本発明の平面導波路の第一の実施の形態における高屈折率部をベースとなるコアの中心部に形成したのが図7の構成である。
【0075】
図8は、図7の構成の平面導波路の製造プロセスである。
図8において、1は基板、2はアンダー・クラッド、3−1はベースとなるコア、3−1bはイオン注入より先に形成されるベースとなるコア層、3−1cはイオン注入より後に形成されるベースとなるコア層、3−3は高屈折率部、4はオーバー・クラッド、5は露光、現像されたマスク、6はエッチング・マスクである。
【0076】
基板1上にアンダー・クラッド2を形成し、アンダー・クラッド2上にイオン注入より先に形成されるベースとなるコア層3−1bを形成し、イオン注入より先に形成されるベースとなるコア層3−1bの上にマスク剤を塗布する迄の工程は図12(イ)乃至図12(ハ)と同じであるので、図8では上記工程を省略している。以降の工程は下記の通りである。
【0077】
(ニ)マスク剤を露光、現像してマスク5を形成する。このマスクは図2のものと同じである。
(ホ)図8(ニ)の状態で図面上方からイオン注入をして、高屈折率部3−3を形成する。屈折率を上昇させるためのイオン注入であるので、例えばゲルマニウム・イオンを注入する。
【0078】
(ヘ)マスク5を除去する。
(ト)図8(ヘ)の状態で、イオン注入後に形成するベースとなるコア層3−1cを形成する。これで、ベースとなるコア層3−1bが全て形成されたことになる。
(チ)高屈折率部3−3を含んでベースとなるコア層3−1bの一部を覆うようにエッチング・マスク6を形成する。尚、エッチング・マスク6の幅は、ベースとなるコア3−1として残す部分の幅とほぼ等しくする。
【0079】
(リ)エッチングによってベースとなるコア3−1として残す以外のベースとなるコア層3−1bを除去する。この段階で、高屈折率部3−3とベースとなるコア3−1とによって構成される、本発明の平面導波路のコアがアンダー・クラッド2上に残る。
(ヌ)図2(チ)の状態でオーバー・クラッド4を形成する。これで、図7の構成の平面導波路が完成される。
【0080】
先にも記載した通り、アンダー・クラッド2とオーバー・クラッド4の間に、ベースとなるコア3−1と、ベースとなるコア3−1の中心に形成された屈折率が一定の高屈折率部3−3とより成るコアが挟み込まれている。そして、平面導波路の中心部で高屈折率部3−3の幅は一定であり、平面導波路の端面近傍で幅が徐々に小さくなってゆき、平面導波路の端面では高屈折率部3−3がなくなっている。
【0081】
従って、ベースとなるコア3−1の屈折率を通常のコアの屈折率としておけば、平面導波路の中心部ではコアの等価屈折率が通常のコアの屈折率より高くなっており、平面導波路の端面近傍でコアの等価屈折率が徐々に低下してゆき、平面導波路の端面ではコアの等価屈折率が通常のコアの屈折率に等しくなる。
このため、平面導波路の中心部ではスポット・サイズが小さくなっていて、平面導波路が曲がっていても曲がり損失を小さくすることができる。従って、アレイ導波路型回折格子の入力導波路、チャネル導波路及び出力導波路に図7の構成の平面導波路を適用すれば、アレイ導波路型回折格子を構成する平面導波路で生ずる曲がり損失を低下させることが可能になる。
【0082】
一方、平面導波路の端面では、コアの等価屈折率は通常の屈折率に等しくなるので、スポット・サイズが中心部に比較して大きくなる。この、平面導波路の端面におけるスポット・サイズを光ファイバ等のスポット・サイズに等しくなるように設定することは容易であるので、アレイ導波路型回折格子における複数の結合部での結合損失を低下させることができる。
【0083】
即ち、図7の構成の平面導波路によって、アレイ導波路型回折格子で生じていた矛盾する現象を一遍に解決することができ、アレイ導波路型回折格子で生ずる損失を低下させることができる。
さて、高屈折率部3−3をベースとなるコア3−1の中心部に形成することの利点は、伝送モードの対称性を確保することができる点にある。
【0084】
又、平面導波路の端面近傍における高屈折率部の形状には既に説明した全ての形状を適用することができ、高屈折率部3−3の幅や厚さについては先にコメントした通りであり、高屈折率のベースとなるコア中に低屈折率部を設けることによっても同じ作用を得ることができることも先に記載した通りである。
図9は、本発明の平面導波路の第五の実施の形態で、平面導波路の側面から見た光路方向の断面図を図9(A)に、平面導波路の上から見た平面図を図9(B)に、平面導波路の光路と直交する断面図を図9(C)及び図9(D)に示している。尚、図9(C)は、図9(B)におけるP−P’で切った断面図、図9(D)は、図9(B)におけるQ−Q’で切った断面図である。
【0085】
図9において、1は基板、2はアンダー・クラッドである。3−1はベースとなるコア、3−3はベースとなるコア内に形成された高屈折率部で、ベースとなるコア3−1と高屈折率部3−3によって本発明の平面導波路のコアを構成する。又、4はオーバー・クラッドである。
図9の平面導波路の構成は、アンダー・クラッド2とオーバー・クラッド4の間に、ベースとなるコア3−1と、ベースとなるコア3−1の中心に形成された屈折率が一定の高屈折率部3−3とより成るコアが挟み込まれている。そして、平面導波路の中心部及び端面近傍で高屈折率部3−3の幅は一定である。更に、平面導波路の端面近傍のR−S部で高屈折率部を形成するための添加物の量が徐々に少なくなってゆき、平面導波路の端面では高屈折率部3−3がなくなっている。このように添加物の量を場所によって可変にするには、イオン・ビームを移動させるか平面導波路の基板を移動させるかに関係なく、イオン・ビームによって注入する添加物の量を時間によって変化させればよい。
【0086】
従って、ベースとなるコアの屈折率を通常のコアの屈折率としておけば、平面導波路の中心部ではコアの等価屈折率が通常のコアの屈折率より高くなっており、平面導波路の端面近傍でコアの等価屈折率が徐々に低下してゆき、平面導波路の端面ではコアの等価屈折率が通常のコアの屈折率に等しくなる。
このため、平面導波路の中心部ではスポット・サイズが小さくなっていて、平面導波路が曲がっていても曲がり損失を小さくすることができる。従って、アレイ導波路型回折格子の入力導波路、チャネル導波路及び出力導波路に図9の構成の平面導波路を適用すれば、アレイ導波路型回折格子を構成する平面導波路で生ずる曲がり損失を低下させることが可能になる。
【0087】
一方、平面導波路の端面では、コアの等価屈折率は通常の屈折率に等しくなるので、スポット・サイズが中心部に比較して大きくなる。この、平面導波路の端面におけるスポット・サイズを光ファイバ等のスポット・サイズに等しくなるように設定することは容易であるので、アレイ導波路型回折格子における複数の結合部での結合損失を低下させることができる。
【0088】
即ち、図9の構成の平面導波路によって、アレイ導波路型回折格子で生じていた矛盾する現象を一遍に解決することができ、アレイ導波路型回折格子で生ずる損失を低下させることができる。
ここで、高屈折率部3−3の幅や厚さについては先にコメントした通りであり、又、高屈折率部3−3の平面導波路の端面近傍における形状を既に説明したのと同じにすることもでき、更に、高屈折率のベースとなるコア中に低屈折率部を設けることによっても同じ作用を得ることができることも先に記載した通りである。
【0089】
尚、図9の構成の平面導波路の製造プロセスでは、イオン注入量を場所に対して変化させるために、FIB法の使用が望ましいが、図3の製造プロセスで説明した通りであるので、製造プロセスの図示は省略する。
以上で、平面導波路に関する本発明の技術の説明を終わりにして、以降は、アレイ導波路型回折格子に関する本発明の技術について記載する。
【0090】
図10は、本発明のアレイ導波路型回折格子の第一の実施の形態である。
図10において、11、11a及び11b光ファイバ、12はアレイ導波路型回折格子を構成するクラッド、13はアレイ導波路型回折格子を構成する入力導波路のコア、13−3は入力導波路のコア13中の高屈折率部、14は入力導波路からの光を分岐して入力されるチャネル導波路のコア、14−3はチャネル導波路のコア中の高屈折率部、15はチャネル導波路14を伝搬する複数の波長の光を波長毎に出力する出力導波路のコア、15−3は出力導波路中の高屈折率部、16は入力導波路のコア13からの光をチャネル導波路のコア14に分岐するスラブ導波路、17はチャネル導波路のコア14からの光を波長毎に出力導波路のコア15に分岐するスラブ導波路である。尚、図の煩雑化を避けるために、チャネル導波路のコア14を3本とし、出力導波路のコア15を2本として図示しているが、実際には、チャネル導波路のコア14は数十本から数百本にのぼり、使用する波長数に応じて出力導波路のコア15の本数が決まる。又、アレイ導波路型回折格子の機能については従来の技術で詳細に説明したので記載を省略する。
【0091】
図10の構成の特徴は、図1の構成の平面導波路を適用したことにある。従って、符号をふっていないベースとなるコアの屈折率を通常のコアの屈折率としておけば、平面導波路の中心部ではコアの等価屈折率が通常のコアの屈折率より高くなっており、平面導波路の端面近傍でコアの等価屈折率が徐々に低下してゆき、平面導波路の端面ではコアの等価屈折率が通常のコアの屈折率に等しくなる。
【0092】
このため、アレイ導波路型回折格子の入力導波路、チャネル導波路及び出力導波路に図1の構成の平面導波路を適用すれば、アレイ導波路型回折格子を構成する平面導波路で生ずる曲がり損失を低下させることが可能になる。
これと同時に、チャネル導波路及び出力導波路内の光のスポット・サイズはスラブ導波路との結合部に向かって広くなる効果がある。その結果、スラブ導波路で回折によって拡がった光が、スポット・サイズの大きいチャネル導波路及び出力導波路に効率よく導かれることになり、チャネル導波路及び出力導波路と2つのスラブ導波路との結合点における結合損失が低下する。
【0093】
一方、平面導波路の端面では、コアの等価屈折率は通常の屈折率に等しくなるので、スポット・サイズが中心部に比較して大きくなる。この、平面導波路の端面におけるスポット・サイズを光ファイバ等のスポット・サイズに等しくなるように設定することは容易であるので、アレイ導波路型回折格子における複数の結合部での結合損失を低下させることができる。
【0094】
ここでは、アレイ導波路型回折格子に図1の構成の平面導波路を適用することを想定して説明したが、図3、図4、図6、図7又は図9の構成の平面導波路を適用することも可能である。
図11は、本発明のアレイ導波路型回折格子の第二の実施の形態である。
図11において、11、11a及び11bは光ファイバ、12はアレイ導波路型回折格子を構成するクラッド、13はアレイ導波路型回折格子を構成する入力導波路のコア、14は入力導波路からの光を分岐して入力されるチャネル導波路のコア、15はチャネル導波路14を伝搬する複数の波長の光を波長毎に出力する出力導波路のコア、16は入力導波路のコア13からの光をチャネル導波路のコア14に分岐するスラブ導波路、16−4はスラブ導波路16のチャネル導波路14との結合部の両脇の部分に形成した低屈折率部、17はチャネル導波路のコア14からの光を波長毎に出力導波路のコア15に分岐するスラブ導波路、17−4はスラブ導波路17のチャネル導波路14及び出力導波路15との結合部の両脇の部分に形成した低屈折率部である。
【0095】
図11の構成の特徴は、スラブ導波路16及びスラブ導波路17において、チャネル導波路14及び複数の出力導波路15との結合部の両脇の部分の光に対する屈折率が小さい領域を形成したことにある。これにより、2つのスラブ導波路のチャネル導波路及び出力導波路との結合部にて、スラブ導波路内を進む光をチャネル導波路及び出力導波路との結合部周辺に導く効果が得られ、チャネル導波路及び出力導波路と2つのスラブ導波路の結合点における結合損失を低下させることが可能になる。尚、低屈折率部については、図11の例のように、チャネル導波路及び出力導波路との結合部に近いスラブ導波路のうち、チャネル導波路及び出力導波路に入射する経路の両脇等、光を導きたくない箇所に配置するのが好ましい。
【0096】
そして、勿論、図10の構成と図11の構成とを合わせ持つ構成も可能である。 尚、図10及び図11では入力導波路が1本の例を図示したが、一般的にはアレイ導波路型回折格子における入力導波路の本数は1本には限定されない。
又、図11には、2つのスラブ導波路に、複数のチャネル導波路及び複数の出力導波路との結合部において、該複数のチャネル導波路及び該複数の出力導波路との結合部の両脇の部分の光に対する屈折率を低下させた構成を設ける例を示しているが、一方のスラブ導波路に上記構成を設けてもよい。
【0097】
更に、図11には、1本の入力導波路との結合点においては光に対する屈折率を低下させた構成を設けない例を示しているが、ここにも光に対する屈折率を低下させた構成を設けることができる。
そして、必要に応じて、入力導波路、チャネル導波路、出力導波路との結合部を選択して上記構成を設けてもよい。
【0098】
(付記1) 基板と、該基板の主面に形成された、アンダー・クラッドとコア及びオーバー・クラッドとから成り、該コアが該アンダー・クラッド及び該オーバー・クラッドの間に埋め込まれた構造の平面導波路であって、
該コアを、光に対して一定の屈折率を呈するベースとなるコアと、該ベースとなるコアとは屈折率が異なる異屈折率部とで構成し、
平面導波路の端面近傍において、該コアの光に対する等価屈折率を光の伝搬方向に沿って端面に向かって徐々に変化させる、光のスポット・サイズ変換部を設けた
ことを特徴とする平面導波路。
【0099】
(付記2) 付記1に記載の平面導波路であって、
上記平面導波路の端面近傍において、上記コアの光に対する屈折率を光の伝搬方向に沿って端面に向かって徐々に低下させる、光のスポット・サイズ変換部を設けた
ことを特徴とする平面導波路。
【0100】
(付記3) 付記2に記載の平面導波路であって、
上記ベースとなるコアを、所定の屈折率の二酸化シリコンを主成分とするコアとし、
上記平面導波路の中心部において、該ベースとなるコア中に、該所定の屈折率より大きい屈折率とする添加物を所定量イオン注入し、
該平面導波路の端面近傍において、光の伝搬方向に沿って該添加物の量を徐々に減少させた
ことを特徴とする平面導波路。
【0101】
(付記4) 入力導波路と、チャネル導波路と、出力導波路と、該二鵜力導波路と該チャネル導波路とを結合する第一のスラブ導波路と、該チャネル導波路と該出力導波路とを結合する第二のスラブ導波路とを備えるアレイ導波路型回折格子であって、
該入力導波路と該チャネル導波路と該出力導波路に、付記1乃至付記3のいずれかに記載の平面導波路を適用した
ことを特徴とするアレイ導波路型回折格子。
【0102】
(付記5) 入力導波路と、チャネル導波路と、出力導波路と、該入力導波路と該チャネル導波路とを結合する第一のスラブ導波路と、該チャネル導波路と該出力導波路とを結合する第二のスラブ導波路とを備えるアレイ導波路型回折格子であって、
該第一のスラブ導波路又は該第二のスラブ導波路において、該入力導波路又は該チャネル導波路又は該出力導波路との結合部の両脇の部分の光に対する屈折率を低下させた構成を有することを特徴とするアレイ導波路型回折格子。
【0103】
(付記6) 付記2に記載の平面導波路であって、
ベースとなるコアを、屈折率が所定値より大きい、二酸化シリコンを主成分とするコアとし、
該平面導波路の端面近傍において、屈折率を低下させる添加物を、該添加物の量を光の伝搬方向に沿って徐々に増加させてイオン注入した
ことを特徴とする平面導波路。
【0104】
(付記7) 付記3に記載の平面導波路であって、
上記平面導波路の端面近傍において、光の伝搬方向に沿って該添加物の量を端面に向かって徐々に減少させるために、イオン注入する幅、イオン注入する厚さ、イオン注入する添加物の濃度のいずれかを徐々に減少させた
ことを特徴とする平面導波路。
【0105】
(付記8) 付記6に記載の平面導波路であって、
上記平面導波路の端面近傍において、屈折率を低下させる添加物の量を光の伝搬方向に沿って徐々に増加させるために、イオン注入する幅、イオン注入する厚さ、イオン注入する添加物の濃度のいずれかを徐々に増加させた
ことを特徴とする平面導波路。
【0106】
(付記9) 付記4及び付記5に記載の構成を併せ持つ
ことを特徴とするアレイ導波路型回折格子。
【0107】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明により、平面導波路の端面近傍において、該コアの光に対する屈折率が光の伝搬方向に沿って徐々に変化して光のスポット径が光の伝搬方向に沿って徐々に変化する平面導波路、及び、損失が少ないアレイ導波路型回折格子を実現することができる。
【0108】
即ち、第一の発明によれば、コアを、光に対して一定の屈折率を呈するベースとなるコアと、該ベースとなるコアとは屈折率が異なる異屈折率部とで構成し、平面導波路の端面近傍において、該異屈折率部の添加物の量を光の伝搬方向に沿って徐々に変化させるので、平面導波路の中心部と端面部とで光のスポット・サイズを異ならせることができる。
【0109】
又、第二の発明によれば、平面導波路の端面近傍において、異屈折率部の添加物の量を光の伝搬方向に沿って徐々に低下させるので、該平面導波路の中心部ではスポット・サイズを小さく、端面部ではスポット・サイズを中心部より大きくすることができる。
又、第三の発明によれば、ベースとなるコアを、通常の屈折率の二酸化シリコンを主成分とするコアとし、平面導波路の中心部において、異屈折率部の屈折率を所定の屈折率より大きい屈折率とする添加物を所定量イオン注入し、該平面導波路の端面近傍において、該異屈折率部の添加物の量を光の伝搬方向に沿って徐々に低下させるので、該平面導波路の中心部ではスポット・サイズを小さくして該コアの曲がりによる損失を低下させ、該平面導波路の端面ではスポット・サイズを光ファイバと同程度にして平面導波路と光ファイバとの結合部における結合損失を低下させることができる。
【0110】
又、第四の発明によれば、入力導波路のコアとチャネル導波路と該出力導波路に、第一の発明乃至第三の発明のいずれかの平面導波路を適用するので、アレイ導波路型回折格子内及びアレイ導波路型回折格子と他の光伝搬要素との結合部における損失を低下させることができる。
更に、第五の発明によれば、第一のスラブ導波路又は第二のスラブ導波路において、入力導波路又はチャネル導波路のコア又は出力導波路のコアとの結合部の両脇の部分の光に対する屈折率を低下させた構成を有するので、該第一のスラブ導波路及び該第二のスラブ導波路において、該入力導波路、該チャネル導波路、該出力導波路のコアとの結合部における損失を低下させることができる。
【0111】
これにより、光伝送システムを構成する光伝送装置の小型化と低コスト化と低損失化を実現できるようになり、特に、加入者系の光伝送システムの導入を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の平面導波路の第一の実施の形態。
【図2】 図1の平面導波路の製造プロセス。
【図3】 本発明の平面導波路の第一の実施の形態の変形。
【図4】 本発明の平面導波路の第二の実施の形態。
【図5】 図4の構成の平面導波路の製造プロセス。
【図6】 本発明の平面導波路の第三の実施の形態。
【図7】 本発明の平面導波路の第四の実施の形態。
【図8】 図7の構成の平面導波路の製造プロセス。
【図9】 本発明の平面導波路の第五の実施の形態。
【図10】 本発明のアレイ導波路型回折格子の第一の実施の形態。
【図11】 本発明のアレイ導波路型回折格子の第二の実施の形態。
【図12】 平面導波路の通常の製造プロセス。
【図13】 従来のアレイ導波路型回折格子の構成。
【符号の説明】
1 基板
2 アンダー・クラッド
3 コア
3a コア層
3−1 ベースとなるコア
3−1a ベースとなるコア層
3−1b ベースとなるコア層
3−1c ベースとなるコア層
3−3 高屈折率部
3−4 低屈折率部
4 オーバー・クラッド
5 マスク
5a マスク剤
11 光ファイバ
11a 光ファイバ
11b 光ファイバ
12 クラッド
13 入力導波路のコア
14 チャネル導波路のコア
15 出力導波路のコア
16 スラブ導波路
17 スラブ導波路
13−3 高屈折率部
14−3 高屈折率部
15−3 高屈折率部
16−4 低屈折率部
17−4 低屈折率部

Claims (2)

  1. 基板と、該基板の主面に形成されたアンダー・クラッドと、コアと、オーバー・クラッドとから成り、該コアが該アンダー・クラッド及び該オーバー・クラッドの間に埋め込まれた構造の平面導波路構造を有する、入力導波路、チャネル導波路、および、出力導波路と、
    該入力導波路と該チャネル導波路とを結合する第一のスラブ導波路と、
    該チャネル導波路と該出力導波路とを結合する第二のスラブ導波路とを備え、
    該チャネル導波路は、互いにコアの長さの異なる複数の導波路より構成され、
    該入力導波路、該チャネル導波路、および、該出力導波路の上記コアは、光に対して一定の屈折率を呈するベースとなるコアと、該コアに屈折率を変化させる添加物がイオン注入され該ベースとなるコアより屈折率が高い該ベースとなるコア内に形成された異屈折率部を有し、
    異屈折率部の幅は、該添加物の注入により伝搬する光のスポットサイズが小さくなる幅であり、
    該入力導波路、該チャネル導波路、および、該出力導波路の両端部の近傍において、該異屈折率部の幅を保ちつつ該異屈折率部の添加物の量が該端部に向かって徐々に減少し、該端部においては該異屈折率部が存在しないことを特徴とするアレイ導波路型回折格子。
  2. 請求項1に記載のアレイ導波路型回折格子であって、
    上記ベースとなるコアは、通常の屈折率の二酸化シリコンを主成分とするコアであることを特徴とするアレイ導波路型回折格子。
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