JP2005215009A - 光導波路回路及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スラブ導波路5から分岐導波路7への分岐点における各コア3の間隔は、コア3の上面を含む平面における各コア3の間隔より狭い部分を有するようにし、分岐点におけるコア3の間隔を実効的に狭くする。
【選択図】 図1
Description
まず、図8(b)に示すように、シリコンなどから構成された基板1の上に、下クラッド層2が形成され、下クラッド層2の上にコア3が形成され、コア3を覆うように上クラッド層4が形成されている。複数のコア3によりアレイ導波路43が構成されている。
入力導波路41に入射した波長多重された光信号は、入力スラブ導波路42で回折によって広がり、アレイ導波路43に入射される。
分岐部での放射損失に関しては、スラブ導波路とアレイ導波路の接続部において、アレイ導波路間から漏れ出た放射光によるものが主である。これは作製技術の限界によるものであり、分岐部導波路間に一定の開口幅gを設けなければならないため、スラブ導波路領域と分岐される導波路とで電界分布に差異が生ずるために発生する。
また、上記問題を改善するために、例えば、ファイバ結合損失の低減を目的とした技術も提案されている(特許文献8参照)。この技術では、コアの先端幅を細くすることでスポットサイズを広げ、ファイバ結合損失を低減してようとしている。
また、分岐部での放射損失とファイバ結合損失をともに低減するためには、各々に最適化されたコア側面形状が望まれるが、通常両者は同時にパターニングされるため両者の両立は難しいという問題も併存していた。
この中で、コアの側面形状は、90度未満の斜度を有するようにすればよい。また、コアの側面形状は、90度未満の斜度を有する第1の側部と、この第1の側部より大きい斜度の第2の側部とを少なくとも備えるようにしてもよい。
また、上記光導波路回路において、コアの側面及び上面を覆う第2コアを備え、第2コアを含む各コアは、各々分離しているようにしてもよい。
図1は、本発明の実施の形態における光導波路回路の構成例を示す部分的な平面図(a)と、この中のAA’線における部分的な断面図(b)である。なお、以降では、基板1を基準とし、この法線方向の上部に上クラッド層4があるものとする。従って、コア3は、下面が下クラッド層2に接して形成され、側面及び上面は、上クラッド層4に覆われた状態となっている。
図1に示す光導波路回路は、コア3の側面が、垂直ではなく、隣接するコア3との間隙が狭まるような形状に成形されている。従って、フォトリソグラフィによる制限を受けるために開口幅gは従来と同じに設定したとしても、実質的にコア3間の間隙幅が狭くなる効果を有する。
例えば、gが3μm以下、特に、1.5μm以下の場合、放射損失が最も低減されるようになり、きわめて大きな効果が得られる。上述したgの範囲とすることで、コア3の間隙幅の変化に対する電界分布の変化が大きくなり、スラブ接続損をより大きく低減することが可能となる。
これに対し、図1に示す構成では、コア3の上面におけるコア間隔は従来と同程度であっても、コア3の深さ方向に、より狭くなるように形成し、スラブ部接続損失を低減するようにしたものである。これは、コア断面の角に丸みを与えたものではなく、また、コアを形成するエッチング時のマスクパターンの細り効果などを利用し、コアの断面を断面形状に形成したものではない。コアの断面形状は、重要ではなく、隣り合うコアの全体的な間隔が、コア上面の間隔より狭くなっていることが重要である。
ついで、公知のフォトリソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により上記石英系膜をエッチング加工してコア31が形成されている状態とする。コア31のエッチング加工では、コア31の側面が斜度θとなるようにする。また、コア31を形成するためのエッチング深さは6.5μmとする。
なお、上記の構成は一例に過ぎず、エッチング角度は3種類以上であってもよく、また各エッチング角度の値は別の値を選ぶことも可能である。
以下に説明する本実施の形態では、図4に示すように、コア33の上面にエッチング保護層6が形成されているようにした。図4に示す構成は、コアを形成するためのエッチング深さが増加するほど、形成されたコアの間隙幅が狭まる効果を利用したものである。
エッチング保護層6を用いて上述したようにエッチングすることで、スラブ導波路とアレイ導波路の接続部近傍において両者の電界分布の差異は小さくなり、放射損失はさらに低減されるという効果を有する。
このように、エッチング保護膜を用いることで、コアの上面の幅を、マスクパターンの幅より広く形成することが可能となる。言い換えると、エッチング保護膜を用いることで、マスクパターンの製造限界を超えたより狭い間隔で、コアの間隔を形成することが可能となる。
上述した製造方法により、図2に示した構成における1.3μmに対し、コア33の厚さ方向中央部での間隙幅は、0.2μmに減少した。コア間隙幅平均値をより狭くすることで、スラブ導波路とアレイ導波路の接続部近傍において両者間の電界分布の差異は小さくなり、放射損失は、図2に示した構成に比較してさらに低減されるという効果を有する。
以下に説明する本実施の形態では、図5に示すように、コア34の側面を曲面状に成形し、平均的なコア間隙幅を狭くした。
図5に示す構成は、以下に説明するように製造することができる。
次に、下クラッド層2と同様の材料を堆積し、コアを覆うようにしたクラッド層2の上に上クラッド層4が形成されている状態とする。上クラッド層4は、膜厚15μm程度に形成する。上述した各層となる膜の形成には、化学気相堆積法を用いればよい。なお、コアと各クラッドとの比屈折率差Δは、0.7%とする。
以下に説明する本実施の形態では、図6に示すように、コア35の側面にさらに別の第2コア8を形成し、平均的なコア間隙幅を狭くした。
図6に示す構成は、以下に説明するように製造することができる。
また、出力導波路25の一端は、図7(d)に示されているように、コア37の側面が垂直に形成され、かつ、先細りの形状とした。各々の領域の境界部は、2つのスラブ導波路内に含まれている。
Claims (15)
- 基板の上に形成されたクラッド層と、このクラッド層に覆われたコアとから構成された導波路を備え、
前記導波路は、複数の異なる方向に分岐する分岐点を有し、
前記分岐点における各コア間は、前記コアの上面を含む平面における各コア間の間隔より狭い部分を有する
ことを特徴とする光導波路回路。 - 請求項1記載の光導波路回路において、
前記コアの側面形状は、90度未満の斜度を有する
ことを特徴とする光導波路回路。 - 請求項1又は2記載の光導波路回路において、
前記コアの側面形状は、90度未満の斜度を有する第1の側部と、この第1の側部より大きい斜度の第2の側部とを少なくとも備える
ことを特徴とする光導波路回路。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光導波路回路において、
前記コアの上面に配置された保護層を備えることを特徴とする光導波路回路。 - 請求項1又は4記載の光導波路回路において、
前記コアの側面は、曲面から構成されている
ことを特徴とする光導波路回路。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光導波路回路において、
前記コアの側面及び上面を覆う第2コアを備え、前記第2コアを含む各コアは、各々分離していることを特徴とする光導波路回路。 - 少なくとも一本以上の入力導波路、入力スラブ導波路、複数の導波路からなる分岐導波路がこの順に光学的に結合して形成される分岐導波路回路を含む光導波路回路において、
入力導波路を含む第1領域、分岐導波路を含む第2領域とで、各領域は入力スラブ導波路または出力スラブ導波路内に境界を含み、かつ少なくとも第2領域のコア側面形状は第1または第2領域のコア側面形状よりも傾斜角度が小さいまたは湾曲している状態のいずれかである
ことを特徴とする光導波路回路。 - 少なくとも一本以上の入力導波路、入力スラブ導波路、一定の光路長差を有する複数の導波路からなるアレイ導波路、出力スラブ導波路、複数の導波路からなる出力導波路がこの順に光学的に結合して形成されるアレイ導波路格子回路を含む光導波路回路において、
入力導波路を含む第1領域、アレイ導波路を含む第2領域、出力導波路を含む第3領域とで、各領域は入力スラブ導波路または出力スラブ導波路内に境界を含み、かつ少なくとも第2領域のコア側面形状は第1または第2領域のコア側面形状よりも傾斜角度が小さいまたは湾曲している状態のいずれかである
ことを特徴とする光導波路回路。 - 基板の上に形成されたクラッド層と、このクラッド層に覆われたコアとから構成された導波路を備え、前記導波路が、複数の異なる方向に分岐する分岐点を有し、前記分岐点における各コア間が、前記コアの上面を含む平面における各コア間の間隔より狭い部分を有する光導波路回路の製造方法であって、
少なくとも分岐部近傍では、前記コアの間隙部におけるコア側面に傾斜がつくようにエッチングして前記コアを形成するコア形成工程
を備えることを特徴とする光導波路回路の製造方法。 - 請求項9記載の光導波路回路の製造方法において、
前記コア形成工程は、
前記コアの側面形状が90度未満の斜度を有する第1の側部を形成する第1工程と、
前記第1の側部より大きい斜度の第2の側部を形成する第2工程と
を少なくとも備えることを特徴とする光導波路回路の製造方法。 - 基板の上に形成されたクラッド層と、このクラッド層に覆われたコアとから構成された導波路を備え、前記導波路が、複数の異なる方向に分岐する分岐点を有し、前記分岐点における各コア間が、前記コアの上面を含む平面における各コア間の間隔より狭い部分を有する光導波路回路の製造方法であって、
前記コアとなる膜を形成する工程と、
前記膜の上にエッチング保護層を形成する工程と、
前記エッチング保護層の上に前記コアを形成するためのマスクパターンを形成する工程と、
前記マスクパターンをマスクとして前記エッチング保護層とともに前記膜を選択的にエッチングして前記コアを形成するコア形成工程と
を備え、
前記コア形成工程では、少なくとも前記分岐点の近傍では側面に斜度が形成される状態に前記エッチング保護層とともに前記膜をエッチングする
ことを特徴とする光導波路回路の製造方法。 - 基板の上に形成されたクラッド層と、このクラッド層に覆われたコアとから構成された導波路を備え、前記導波路が、複数の異なる方向に分岐する分岐点を有し、前記分岐点における各コア間が、前記コアの上面を含む平面における各コア間の間隔より狭い部分を有する光導波路回路の製造方法であって、
少なくとも分岐部近傍では、前記コアの間隙部におけるコア側面が曲面から構成された状態にする曲面形成工程
を備えることを特徴とする光導波路回路の製造方法。 - 請求項12記載の光導波路回路の製造方法において、
前記曲面形成工程は、前記クラッド層に覆われた前記コアを前記クラッド層とともに加熱する工程を含む
ことを特徴とする光導波路回路の製造方法。 - 基板の上に形成されたクラッド層と、このクラッド層に覆われたコアとから構成された導波路を備え、前記導波路が、複数の異なる方向に分岐する分岐点を有し、前記分岐点における各コア間が、前記コアの上面を含む平面における各コア間の間隔より狭い部分を有する光導波路回路の製造方法であって、
少なくとも分岐部近傍では、第1コアを形成した後、前記第1コアの上に第2コア層を形成して第1コアと第2コアとからなる前記コアを形成する工程
を備えることを特徴とする光導波路回路の製造方法。 - 基板の上に少なくともスラブ導波路を介して光学的に結合される複数のチャネル導波路が形成された光導波路回路の製造方法において、
前記スラブ導波路の一部を通過する境界線を境界に前記チャネル導波路となる第1領域が開放された第1マスクパターンを用いて前記第1領域を第1エッチング条件で加工し、前記チャネル導波路を構成する第1コアを形成する工程と、
前記境界線を境界に前記第1領域以外の第2領域が開放された第2マスクパターンを用いて前記第2領域を第2エッチング条件で加工し、前記チャネル導波路以外の導波路となる第2コアを形成する工程と
を少なくとも有することを特徴とする光導波路回路の製造方法。
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