JP2001141950A - 光導波路及びその製造方法 - Google Patents

光導波路及びその製造方法

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JP2001141950A
JP2001141950A JP2000142316A JP2000142316A JP2001141950A JP 2001141950 A JP2001141950 A JP 2001141950A JP 2000142316 A JP2000142316 A JP 2000142316A JP 2000142316 A JP2000142316 A JP 2000142316A JP 2001141950 A JP2001141950 A JP 2001141950A
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core
film
substrate
optical waveguide
clad
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JP2000142316A
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Hiroyuki Okubo
博行 大久保
Hiroaki Okano
広明 岡野
Seiichi Kashimura
誠一 樫村
Nobuaki Kitano
延明 北野
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アスペクト比が2以上の狭間隙のコア間隔を
有する光回路パターン上であっても特性良好なクラッド
膜を形成できる光導波路及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 基板10と、その基板10上に形成され
たコア20と、そのコア20を覆うように形成されたク
ラッド30とからなる光導波路及びその製造方法におい
て、上記コア20の断面形状が矩形状でかつ少なくとも
1か所以上の角部40が丸みを帯びるように形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光導波路及びその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光を使った通信システム、計測システ
ム、情報処理システム等の普及に伴い、より低損失で信
頼性の高い光部品の開発が進められている。特に石英系
材料を用いた導波路型の光部品は、その低損失性に加
え、複雑な回路を平面基板上に一括して形成できる可能
性があることから最も注目を集めている。
【0003】この導波路型光部品は、石英基板や、バッ
ファ層(下側にクラッド層)と呼ばれる低屈折率層を有
したSi基板や、同じくバッファ層を有した石英基板上
に、屈折率の高いコアと呼ばれる光の伝搬領域を形成
し、当該コアをそれより低屈折率のクラッド層で覆った
構造をとるのが一般的である。
【0004】特にコア部分の材料組成は、光ファイバの
低損失コア材料として実績のあるSiO2 −TiO2
成ガラスが有効とされている。ここで、コアに共添加す
る元素のTiはコアの屈折率を増加させる目的で添加さ
れている。
【0005】このSiO2 −TiO2 組成のコアを有す
る光導波路の製造方法の一例を図13、図14、及び図
15を用いて説明する。
【0006】図13に示すように、石英基板1101上
に、電子ビーム蒸着法によりTiO2 ドープSiO2
らなるコアガラス膜を成膜した後、ドライエッチング加
工によりコアガラス膜の不用な部分を除去して矩形状の
コア1102を形成する。そして、そのコア付き基板全
体を高温で熱処理する。さらに、例えばプラズマ励起化
学的気相成長法(Plasma Enhanced Chemical Vapor Dep
osition ;以下、「P−CVD法」と称する。)によ
り、コア1102上にノンドープのSiO2 クラッド膜
1103を形成することにより埋め込み型の光導波路を
完成させる。ここで、ノンドープのSiO2 クラッド膜
1103とは、H以外の元素をドープしないSiO2
である。
【0007】次に、SiO2 クラッド膜1103の形成
工程について詳しく説明する。
【0008】まず、図15にP−CVD装置の概略図を
示す。
【0009】図15に示すように、P−CVD装置は、
大きく分けてチャンバ1001、ヒータ1002、及び
チャンバ1001内にガスを導入するガス導入部100
8,1009,1017,1018,1010,101
1を含み、さらに13.56MHzのRF電源1003
−1、マッチングボックス1003−2が接続された下
部電極1004、基板1012が設置され、且つ基板1
012に高周波を印加するための13.56MHzのR
F電源1005−1、及びマッチングボックス1005
−2が接続された上部電極1006、チャンバ1001
内に導入されたガスを排気する排気系1007−1,1
007−2から成っている。
【0010】このP−CVD装置を用いてSiO2 クラ
ッド膜を形成するに際しては、原料ガスとして用いたS
iH4 の流量とO2 の流量、希ガスとして用いたArの
流量、成膜圧力、RFパワー、基板温度、電極間隔を最
適化して、チャンバ1001内にプラズマ1019を生
じさせ、基板1012上にSiO2 膜の成膜を行う。そ
の後、1200℃の熱処理を行うことにより、そのSi
2 膜の屈折率を1.4580〜1.4585とする。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来技術にあっては以下のような問題がある。
【0012】図14(a)、図14(b)は矩形コア上
にP−CVD法によりクラッド膜を成膜・熱処理した時
の状態を示した試料断面の模式図である。
【0013】図14(a)に示すように、P−CVD法
を用いて、基板1201上に形成されたコア1202に
それを覆うようにクラッド膜を成膜する場合、図14
(b)に示すように、埋め込み特性が不十分なため、複
数のコア1202が狭間隙のコア間隔(例えばアスペク
ト比が2以上)で形成されていると、それらのコア12
02の間にボイド(空所)1200が形成されてしま
い、コア1202がクラッド膜1203により完全には
埋め込まれない。ここで、アスペクト比とはコア高さを
コア間隔で除した値である。
【0014】すなわち、従来技術によりクラッド膜12
03を成膜・熱処理した場合、コア間隔の狭い領域に、
屈折率1.0のボイド1200が形成され、コア120
2の屈折率の約1.4700あるいはクラッド1203
の屈折率の1.458と大きな屈折率差を生じていた。
このため、その屈折率差の大きな部分で光導波路を伝搬
した伝搬光が散乱され、光損失が増大するという問題が
あった。
【0015】一方、これ以外の石英系の光導波路のクラ
ッド膜の成膜方法としては、一般的には火炎堆積法が用
いられている。
【0016】この火炎堆積法は2工程から成る。それら
の工程を簡単に説明する。
【0017】第1の工程はSiCl4 、PCl3 、BC
3 の原料ガスを酸水素バーナー中で分解し基板上にガ
ラス微粒子膜を形成する工程であり、第2の工程はその
微粒子膜が形成された基板ごとを焼結する工程である。
【0018】しかし、火炎堆積法では埋め込み特性が良
好であるが、2つの大きな問題がある。
【0019】第1の問題とは、クラッド微粒子膜の焼結
工程が1300℃以上の高温であるため基板の反りが増
大してしまうこと、第2の問題は、SiO2 以外にB、
Pをドープするためコア周辺にPの高濃度層が形成さ
れ、このPの高濃度層のために光の伝搬損失が増大して
しまうということである。
【0020】よって、P−CVD法によっても、また火
炎堆積法によっても、アスペクト比が2以上の狭間隙の
コア間隔を有する光回路パターン上に、特性良好なクラ
ッド膜を形成することが困難であった。
【0021】以上説明したように、従来技術の問題点
は、コアが矩形状でアスペクト比が2以上のコア間隔を
P−CVD法により作製するSiO2 クラッド膜で埋め
込もうとする際、ボイドが形成されてしまうことであ
る。
【0022】以下に、狭間隙のコア間隔がP−CVD法
で成膜したSiO2 クラッド膜で十分に埋め込まれない
理由を説明する。
【0023】狭間隙のコア間隔にP−CVD法によりS
iO2 クラッド膜を成膜する場合、そのSiO2 クラッ
ド膜は下地の矩形コアパターンを忠実に転写しながら堆
積していく。ところが、上述したように、アスペクト比
が2以上のコア間隔ではRF電源で生成されたプラズマ
中のイオン、ラジカルがランダムな動きをしているため
にコア間隔の底部に届くイオン、ラジカルの量が少な
い。さらに、狭いコア間隔のコア角部にコア底部より多
くのイオン、ラジカルが到達してSiO2 クラッド膜の
成膜速度がコア底部よりはるかに速い(1桁以上)ため
に、コア角部にひさしが形成されてしまい、このひさし
が、イオン、ラジカルがコア底部に届くのを妨げる。そ
れによって、最終的には、コア間隔にボイドが形成され
てしまうのである。
【0024】そこで、本発明の目的は、従来技術の課題
を解決し、アスペクト比が2以上の狭間隙のコア間隔を
有する光回路パターン上であっても特性良好なクラッド
膜を形成できる光導波路及びその製造方法を提供するこ
とにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1の発明は、基板と、その基板上に形成された
コアと、そのコアを覆うように形成されたクラッドとか
らなる光導波路において、上記コアの断面形状が矩形状
でかつ少なくとも1か所以上の角部が丸みを帯びるよう
に形成されているものである。
【0026】請求項2の発明は、基板と、その基板上に
形成されたコアと、そのコアを覆うように形成されたク
ラッドとからなる光導波路において、上記コアの断面形
状が台形状でかつ少なくとも1か所以上の角部が丸みを
帯びるように形成されているものである。
【0027】請求項3の発明は、基板と、その基板上に
形成されたコアと、そのコアを覆うように形成されたク
ラッドとからなる光導波路において、上記コアの断面形
状は上底の幅に対して下底の幅が1.5倍以上の台形状
に形成されているものである。
【0028】請求項4の発明は、基板上にコア膜を形成
するコア膜形成工程と、そのコア膜をフォトリソグラフ
ィ及びエッチングにより断面台形状のコアに加工するコ
ア加工工程と、そのコアが形成されたコア付き基板全体
を熱処理する基板熱処理工程と、その基板上のコア全体
にコアより低屈折率のクラッド膜を被覆するクラッド膜
被覆工程と、そのクラッド膜が被覆されたクラッド膜付
き基板全体を高温で熱処理するクラッド膜熱処理工程と
からなる方法である。
【0029】請求項5の発明は、基板上にコア膜を形成
するコア膜形成工程と、そのコア膜をフォトリソグラフ
ィ及びエッチングにより断面矩形状でかつ少なくとも1
か所以上の角部が丸みを帯びたコアに加工するコア加工
工程と、そのコアが形成されたコア付き基板全体を熱処
理する基板熱処理工程と、その基板上のコア全体にコア
より低屈折率のクラッド膜を被覆するクラッド膜被覆工
程と、そのクラッド膜が被覆されたクラッド膜付き基板
全体を高温で熱処理するクラッド膜熱処理工程とからな
る方法である。
【0030】請求項6の発明は、基板上にコア膜を形成
するコア膜形成工程と、そのコア膜をフォトリソグラフ
ィ及びエッチングにより断面台形状でかつ少なくとも1
か所以上の角部が丸みを帯びたコアに加工するコア加工
工程と、そのコアが形成されたコア付き基板全体を熱処
理する基板熱処理工程と、その基板上のコア全体にコア
より低屈折率のクラッド膜を被覆するクラッド膜被覆工
程と、そのクラッド膜が被覆されたクラッド膜付き基板
全体を高温で熱処理するクラッド膜熱処理工程とからな
る方法である。
【0031】請求項7の発明は、基板上にコア膜を形成
するコア膜形成工程と、そのコア膜をフォトリソグラフ
ィ及びエッチングにより上底の幅に対して下底の幅が
1.5倍以上の台形状のコアに加工するコア加工工程
と、そのコアが形成されたコア付き基板全体を熱処理す
る基板熱処理工程と、その基板上のコア全体にコアより
低屈折率のクラッド膜を被覆するクラッド膜被覆工程
と、そのクラッド膜が被覆されたクラッド膜付き基板全
体を高温で熱処理するクラッド膜熱処理工程とからなる
方法である。
【0032】請求項8の発明は、上記コア膜のフォトリ
ソグラフィは、コア膜上にレジストをパターニングした
後、そのレジストに紫外線照射する方法である。
【0033】請求項9の発明は、上記エッチング方法と
して、ドライエッチング法によりコア膜を加工する方法
である。
【0034】請求項10の発明は、上記ドライエッチン
グ法として、プラズマドライエッチング法、スパッタエ
ッチング法、あるいはイオンミリング法のうち、少なく
とも1つ以上の方法によりコア膜を加工する方法であ
る。
【0035】請求項11の発明は、上記エッチング方法
としてウェットエッチング法によりコア膜を加工する方
法である。
【0036】請求項12の発明は、上記コア加工工程
は、コア膜の加工後に熱処理することにより、少なくと
も1か所以上のコア角部に丸みを帯びさせる方法であ
る。
【0037】請求項13の発明は、上記コア加工工程
は、コア膜の加工後にそのコアをフッ酸に浸漬させる方
法により、少なくとも1か所以上のコア角部に丸みを帯
びさせる方法である。
【0038】請求項14の発明は、上記クラッド膜被覆
工程は、火炎堆積法、スパッタリング法、又は化学的気
相成長法のいずれか1つの方法を選択してクラッドを被
覆する方法である。
【0039】請求項15の発明は、上記クラッド膜被覆
工程は、化学的気相成長法のうち、プラズマCDV法を
用い、基板側に強制的に自己バイアスを形成すべく、高
周波電圧に直流電圧を重畳させた電圧を印加させたプラ
ズマCVD法によりクラッド膜を成膜する方法である。
【0040】請求項16の発明は、上記プラズマCVD
法に用いる原料ガスの主原料は、SiH4 又はテトラエ
チルオルソシリケートである方法である。
【0041】請求項17の発明は、上記クラッド膜を上
下2層に分け、第1層目をテトラエチルオルソシリケー
ト系原料ガスを用いたプラズマCVD法により成膜し、
第2層目をSiH4 系原料ガスを用いたプラズマCVD
法により成膜する方法である。
【0042】請求項18の発明は、上記プラズマCVD
法に用いる添加ガスはAr、Kr、及びXeの希ガスの
中から少なくとも1種類以上用いる方法である。
【0043】すなわち、本発明は、コア断面形状の改良
及びクラッド膜の成膜方法の改良を行ったものである。
【0044】手段その1として、コア断面形状を矩形状
あるいは台形状でかつコア角部に丸みを帯びた形状に形
成するか、又はコア断面形状を矩形状から台形状とし、
上底の幅に対して下底の幅が1.5倍以上とすることに
より、クラッド膜を成膜する時にコア角部に形成される
ひさしがコア間隔を塞ぐまでにかかる時間を長くした。
言い換えれば、コア間隔にできるひさしを形成しにくく
した。
【0045】コア断面形状を矩形状あるいは台形状のコ
ア角部に丸みを帯びた形状に形成する方法及びコア断面
形状を上底の幅に対して下底の幅が1.5倍以上の台形
状に形成する方法としては、主にドライエッチング法あ
るいはウエットエッチング法などを用いる。
【0046】ここでは、特にドライエッチング法の中で
もプラズマドライエッチング法を用いた。
【0047】一般的に、矩形状のコアを形成する場合、
石英基板に形成されたコア膜上にWSi膜を成膜し、そ
の上にフォトリソグラフィを行ってレジストパターンを
形成した後、レジストパターンをマスクとしてWSi膜
をドライエッチング法でパターニングし、パターニング
されたWSi膜をマスクとしてコア膜をドライエッチン
グ法でパターニングする。それによって、断面形状が矩
形状のコアが得られる。
【0048】本発明にあっては、WSi膜を用いずに、
コア膜を直接パターニングする。すなわち、石英基板上
のコア膜に直接フォトリソグラフィを行ってレジストパ
ターンを形成した後、パターニングされたレジストに紫
外線を照射することによりレジストを硬化させ、レジス
トパターンをマスクとしてコア膜をドライエッチング法
でパターニングする。
【0049】コアを台形状に形成するドライエッチング
法でプラズマドライエッチング法以外の方法としては、
スパッタエッチング法あるいはイオンミリング法などが
ある。あるいはプラズマドライエッチング法とスパッタ
エッチング法とイオンミリング法のうち、2方法以上を
組み合わせてコアを台形状に形成することもできる。
【0050】手段その2として、クラッド膜の成膜方法
を化学的気相成長法とし、その中でも特にプラズマ励起
化学的気相成長法とした。
【0051】本プラズマ励起化学的気相成長法を行う際
に用いたプラズマCVD装置は、平行平板型のプラズマ
CVD装置で、2つの電極両方にRF電源あるいはDC
電源を印加することが可能な装置構成とした。
【0052】それによって、高周波電源あるいは直流電
源を下部電極だけではなく上部電極にも印加することが
でき、基板側に積極的に自己バイアスを形成することに
よって、基板へのイオンの入射が促進され、コア間隔の
底部へイオンが到達しやすくした。それによって、コア
底部におけるSiO2 クラッド膜の成膜速度がコア角部
と同程度とすることができ、ボイドがより形成されにく
くなる。
【0053】手段その3として、プラズマCVD法に用
いる主原料ガスを、SiH4 より表面拡散速度が大きい
テトラエチルオルソシリケート(Tetra Ethel Ortho Si
licate;TEOS)とした。
【0054】TEOSの分解過程ではエチル基が1つあ
るいは2つ切り離された中間体が生成されるが、その中
間生成体の拡散速度が速いためにコアリッジ表面上から
狭いコア間隔に中間生成体が拡散していき、コア底部に
おけるSiO2 膜の成膜速度が速められる。それによっ
ても、コア間隔におけるボイドが形成されにくくなる。
尚、アスペクト比が1以下の小さなコア間隔を埋め込む
際には、プラズマCVD法に用いる主原料ガスをSiH
4 とすることもできる。
【0055】以上説明したように、コア断面形状を矩形
状あるいは台形状でかつコア角部に丸みを帯びた形状に
形成すること、又はコア断面形状を矩形状から上底の幅
に対して下底の幅が1.5倍以上の台形状に形成するこ
とにより、クラッド膜を成膜する時にコア角部に形成さ
れるひさしがコア間隔を塞ぐまでにかかる時間を長くし
た。それによって、コア間隔をひさしで塞ぐ時間が約2
倍以上となる。
【0056】本発明では、レジストパターンをマスクと
してコア膜をドライエッチング法でパターニングする
が、レジストとコア膜のエッチングレートの比が約1:
3となるようなレジスト材料を選択し、紫外線照射を行
った。よって、レジスト膜厚としては約2.0μm以上
必要となる。それによって、コア膜をドライエッチング
する間にレジスト端が目減りしていくために、結果的に
出来上がりのコア断面形状は台形となる。
【0057】上記構成に加えて本発明では、クラッド膜
の成膜方法を化学的気相成長法とし、その中でも特にプ
ラズマ励起化学的気相成長法を用いた。本プラズマ励起
化学的気相成長法を行う際に用いたプラズマCVD装置
は、平行平板型のプラズマCVD装置で、2つの電極両
方にRF電源あるいはDC電源を印加することが可能な
装置構成とした。
【0058】このRF電源としては、主に13.56M
Hzの高周波電源が用いられる。それによって、高周波
電源あるいは直流電源を下部電極だけではなく上部電極
にも印加することができ、基板側に積極的に自己バイア
スを形成することによって、基板へのSiH3 + 、O2
+ 等のプラスイオンの入射が促進され、コア間隔の底部
へイオンが到達しやすくした。それによって、コア底部
におけるSiO2 クラッド膜の成膜速度がコア角部と同
程度とすることができ、ボイドが形成されにくくするこ
とができる。
【0059】上記構成に加えて本発明では、プラズマC
VD法に用いる主原料ガスを、その分解種である中間生
成体の表面拡散速度が大きいテトラエチルオルソシリケ
ート(TEOS)とした。TEOSの分解過程ではエチ
ル基が1つあるいは2つ切り離された中間体が生成され
るが、その中間生成体の拡散速度が速いためにコアリッ
ジ表面上から狭いコア間隔に中間生成体が拡散してい
き、コア底部におけるSiO2 クラッド膜の生成速度が
速められる。それによっても、コア間隔にボイドが形成
しにくくすることができる。
【0060】本発明を簡単にまとめると、1)矩形状あ
るいは台形状のコア断面形状のコア角部に丸みを帯びさ
せること、又はコア断面形状を矩形状から上底の幅に対
して下底の幅が1.5倍以上の台形状に形成することで
実質的なアスペクト比を2から低下させることにより、
P−CVD法で作製したSiO2 クラッド膜のコア狭間
隙部における埋め込み特性を向上させ、2)高周波電源
を下部電極だけではなく上部電極にも印加することで基
板側にイオンの入射を促進することによりコア間隔の底
部でのSiO2 クラッド膜の成膜速度をコア角部と同程
度とし、3)P−CVD法に用いる主原料ガスを、その
分解種である中間生成体の表面拡散速度が大きいTEO
Sとすることにより、コア底部におけるSiO2 クラッ
ド膜の成膜速度が速められる。
【0061】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好適一実施の形態
を添付図面に基づいて詳述する。
【0062】図1に本発明にかかる光導波路の断面図を
示す。
【0063】図1に示すように、本発明にかかる光導波
路は、石英基板10上に、SiO2を主成分とするコア
20が形成されており、さらにそのコア20を覆うよう
にノンドープのSiO2 からなる低屈折率のクラッド3
0が形成されている。
【0064】このコア20は、断面矩形状に形成されて
いると共に、少なくとも1か所以上の角部40が丸みを
帯びるように形成されている。
【0065】また、図2に本発明の他の実施の形態を示
す。
【0066】図2に示すように、この光導波路は、コア
60の断面形状が、上底の幅に対して下底の幅が1.5
倍未満の台形状に形成されている。
【0067】そして、図1のコアと同様に少なくとも1
か所以上の角部70が丸みを帯びるように形成されてい
る。
【0068】さらに、図3に本発明の他の実施の形態を
示す。
【0069】図3に示すように、この光導波路は、コア
80の断面形状が、上底の幅に対して下底の幅が1.5
倍以上の台形状に形成されている。
【0070】またさらに、図4に本発明の他の実施の形
態を示す。
【0071】図4に示すように、この光導波路は、石英
基板10上に、コア90が狭間隙のコア間隔で2列に形
成されたものである。
【0072】これらのコア90は、コア高さをコア間隔
で除した値であるスペクト比が2以上である。
【0073】そして、それぞれのコア90は、断面形状
が上底90uの幅に対して下底90dの幅が1.5倍以
上の台形状に形成されている。
【0074】次に、これら図1から図4に示した光導波
路の製造方法を作用と共に説明する。
【0075】本実施の形態では、図1から図4に示した
光導波路の製造方法はドライエッチングの際のエッチン
グ条件が異なるのみなので、図2に示した断面台形状の
コア60を有する光導波路を製造する場合について説明
する。また、コア膜の形成に際しては、電子ビーム蒸着
法を用い、コア膜の加工に際しては、フォトリソグラフ
ィ及びプラズマドライエッチングを用い、クラッド膜の
形成に際してはP−CVD法を用いる製造方法について
説明する。
【0076】以下、各工程を順に説明する。
【0077】まず、コア膜を形成するための装置とし
て、電子ビーム蒸着法を実施するための電子ビーム蒸着
装置を図7に示す。
【0078】図7に示すように、電子ビーム装置は、内
部に石英基板204−1〜204−3が収容されるチャ
ンバ201と、コア及びクラッドの主成分となるSiO
2 のタブレット202−1,202−2と、それらのタ
ブレット202−1,202−2に電圧を印加する電子
ビーム装置207−1,207−2と、チャンバ201
内に酸化性ガスを導入すると共に必要により屈折率制御
用添加物を添加するための酸化性ガス導入系203と、
基板204−1〜204−3を加熱するためのヒータ2
05−1〜205−2と、チャンバ201内部のガスを
排気するための排気系206とから主に構成されてい
る。
【0079】タブレット202−1,202−2は、S
iO2 を主成分、TiO2 を屈折率制御用添加物として
含んだ粉末をホットプレスにより固めてブロック状にし
たものである。
【0080】尚、屈折率制御用添加物としては、TiO
2 の他にGeO2 、Al2 3 、P2 5 、Ta2 5
などを用いることができる。
【0081】この電子ビーム装置を用いて、電子ビーム
蒸着法によるコア膜の形成方法について説明する。
【0082】まず、成膜直前に、チャンバ201内は高
真空(10-5Pa程度)の状態になるように真空排気系
206で排気し、成膜開始時には、チャンバ201内に
酸化性ガス(例えばO2 ,N2 Oなど)203を導入
し、7×10-2〜7×10-3Paになるように上記酸化
性ガスの流量を調節する。
【0083】このような状態において、それぞれのタブ
レット202−1,202−2に電圧を印加し、基板2
04−1〜204−3上にガラス膜(コア膜)の形成を
行う。そのタブレット202−1,202−2は電子ビ
ーム207−1,207−2のビーム電流を調節するこ
とによって蒸発量及び蒸発速度が制御される。成膜速度
は約100nm/minである。
【0084】上記成膜方法により、石英基板204−1
〜204−3上に膜厚:6.0μm、屈折率:1.45
80のTiO2 ドープSiO2 コア膜を成膜する。
【0085】そして、コア膜を形成した後、そのコア膜
付き基板全体を高温で熱処理する工程は省略し、そのコ
ア膜をフォトリソグラフィ及びエッチングにより図2に
示したような断面台形状のコア60に加工する工程に入
る。
【0086】フォトリソグラフィは一般的なプロジェク
ションタイプの露光装置を用い、石英基板204−1〜
204−3上のコア膜に直接フォトリソグラフィを行っ
てレジストパターンを形成する。レジストとTiO2
SiO2 コア膜のエッチングレートの比、すなわち選択
比が1:3であるため、膜厚6.0μmのコア膜をエッ
チングするために必要なレジスト膜厚は2.0μmとな
る。本実施の形態ではプロセスマージンを1.0μmと
して、レジスト膜厚は3.0μmに設定する。
【0087】そして、フォトリソグラフィした後、基板
全体に紫外線を照射する。照射条件は波長:248n
m、照射の光量:1〜1000mW/cm2 、照射時間
を15minとする。
【0088】次に、コア膜をエッチングするための装置
として、プラズマドライエッチング法を実施するための
プラズマドライエッチング装置を図8に示す。
【0089】図8に示すように、ドライエッチング装置
は、フォトリソグラフィを行った試料基板311を収容
するチャンバ301と、試料基板311上に電圧を印加
するための上部電極304及び下部電極305と、試料
基板311上に上部電極304を通してエッチングガス
を吹きつけるべくガスを導入するガス導入部302と、
チャンバ301内のガスを排気するガス排気部303
と、試料基板311が設置される側の下部電極305に
高周波を印加するための13.56MHzのRF電源3
06−1、及びこのRF電源306−1から効率的に高
周波を送り込むためのマッチングボックス306−2と
から主に構成されている。
【0090】上部電極304と下部電極305との間隔
は60mm、上部電極304及び下部電極305の直径
は約200mmである。
【0091】さらに、試料基板311が設置される側の
下部電極305の内部に、下部電極冷却用の液体が循環
するための液体循環管307があり、下部電極305の
上部に、円形石英カバー310が設置され、その円形石
英カバー310上に試料基板311が置かれるように構
成されている。
【0092】また、上部電極304はその中に円形の孔
がシャワー状に多数形成されており、エッチングガスは
その孔を通してウエハ(試料基板311)に向かって上
方から下方へ流れるように構成されている。
【0093】この装置構成において、従来技術と同様
に、液体循環管307を流す液体として水308を、ま
たエッチングガスとしてCHF3 を用い、試料基板31
1としてSiO2 ウエハ上の数μm〜数10μmのガラ
ス膜を微細加工する。
【0094】この図8のプラズマドライエッチング装置
を用いて、ドライエッチング法によるコアの形成方法に
ついて説明する。
【0095】フォトリソグラフィによりレジストパター
ンが形成されたコア膜付き石英基板をプラズマドライエ
ッチング装置内に導入し、レジストパターンをマスクと
してコア膜をドライエッチン法でパターニングする。
【0096】エッチング条件を、CHF3 の流量:20
cm3 /min、エッチング圧力:2.5Pa、基板温
度200℃、下部電極305のRFパワー:200W、
RFパワー密度:1.1W/cm2 となるように設定し
て、プラズマ312を生じさせ、エッチングを開始す
る。
【0097】本エッチング条件で200minエッチン
グした場合、エッチング深さが6.0μm、エッチング
レートは30nm/minであった。
【0098】このドライエッチング法によりエッチング
される断面台形状のコアのドライエッチング進行中の様
子を図6(a)から図6(c)に示す。
【0099】図6(a)に示すように、基板401上の
コア膜402の上に形成されたレジストパターン403
eは、図6(b)に示すように、コア膜402をドライ
エッチングする間にレジスト端403eが目減りしてい
くために、図6(c)に示すように、結果的にできあが
りのコア断面形状は台形状となる。
【0100】また、エッチングされるコアが断面矩形状
のコアの場合には、図5(a)に示すように、基板40
1上に形成された断面矩形状のコア402のコア角部4
02cの角度はエッチング条件に強く依存することか
ら、特に基板温度を低温にすればする程、図5(b)に
示すようにコア角部402cのうち上部の2つの内角が
大きくなり、また下底の上底に対する比率が大きくな
る。このようなコアは図5(c)に示すようにクラッド
膜403を形成した時にコア間隔にボイドが形成されな
い。
【0101】そして、このようにコア膜を加工した後、
そのコア付き基板全体を高温で熱処理する。熱処理温度
は1100℃、熱処理ガスはO2 、熱処理ガスの流量は
1.5l/min、熱処理時間は3.0hとする。
【0102】次に、基板上のコア全体に低屈折率膜のク
ラッド膜を被覆する方法を説明する。
【0103】クラッド膜の成膜方法は、化学的気相成長
法の一種であるP−CVD法により成膜する。
【0104】図9に、P−CVD法を実施するためのP
−CVD装置として平行平板型のP−CVD装置を示
す。
【0105】図9に示すように、この平行平板型のP−
CVD装置は、コアを形成した基板512を収容するチ
ャンバ501と、基板512を加熱するためのヒータ5
02と、チャンバ501内にガスを導入するガス導入部
508〜511が接続された上部電極503と、高周波
電圧を印加するための13.56MHzの高周波(R
F)電源504−1、この高周波電源504−1から効
率的に高周波を送り込むためのマッチングボックス50
4−2が接続された下部電極506と、チャンバ501
内のガスを排気するロータリーポンプ507−1及びメ
カニカルブースターポンプ507−2とから主に構成さ
れている。
【0106】ガス導入系(部)508〜511は、Si
O(C2 5 4 ガスが容器508からガスライン50
9を通してチャンバ501内に導入され、O2 ガスがO
2 ガスボンベ510からガスライン511を通してチャ
ンバ501内に導入されるように構成されている。さら
に、これらのガスライン509,511は、SiO(C
2 5 4 ガスとO2 ガスの混合ガスが上部電極503
中に形成されたシャワー状の多数のガス穴からチャンバ
501内に導入されるように、上部電極503と接続さ
れている。ここで、図示されていないが、ガス穴の直径
は2〜3mmである。また、下部電極506は、3〜4
インチ基板512を3枚設置することができるようにな
っている。
【0107】また、上部電極503と下部電極506と
の間隔は15〜30mmの間で可変であり、本実施の形
態では電極間隔を25mmとした。さらに、上部電極5
03及び下部電極506は円板状に形成されており、そ
の直径はそれぞれ上部電極503が280mm、下部電
極506が270mmである。
【0108】このP−CVD装置を用い、基板512と
してSiO2 ウエハあるいはSiウエハを用いて、10
μmのSiO2 クラッド膜の成膜を行う工程を説明す
る。
【0109】まず、チャンバ501内を真空引きして1
-1Pa以下にする。次に、成膜条件をSiO(C2
5 4 ガスの流量:5cm3 /min、O2 ガスの流
量:100cm3 /min、成膜圧力:2.7Pa、基
板温度:350℃、下部電極506のRFパワー:75
0W、RFパワー密度:1.2W/cm2 となるように
設定して、プラズマ513を生じさせ、成膜を開始す
る。本成膜条件で400min成膜した場合、as−d
epo(成膜直後)のSiO2 クラッド膜の膜特性は以
下のようになる。
【0110】クラッド膜の膜厚は10.0μm、屈折率
は1.4650である。尚、成膜速度は約25nm/m
inである。
【0111】最後に、そのクラッド膜付き基板全体を高
温で熱処理する。熱処理温度は1100℃、熱処理ガス
はO2 、熱処理ガスの流量は、1.5l/min、熱処
理時間は3.0hとする。
【0112】その結果、図4に示した光導波路のよう
に、石英基板10上に2列に形成された台形状のコア9
0の周りに、ボイドを発生することなくクラッド30を
形成することができる。
【0113】以上説明したように、アスペクト比が2以
上で狭間隙のコアをクラッドで埋め込む場合、コアの断
面形状を矩形状あるいは台形状のコア角部が丸みを帯び
た形状に形成するか、又はコア断面形状を下底が上底の
1.5倍以上の台形状に形成することにより、ボイドを
発生することなくコアをクラッドで埋め込むことができ
る。
【0114】さらに、本発明は、クラッド膜を形成する
方法として、上下電極503にRF電源及びDC電源を
接続したプラズマCVD装置を用い、原料ガスにTEO
S、Ar等を用いることにより、よりボイドの発生を防
止することができ、火炎堆積法のような石英基板の反り
の増大及び光導波路の伝搬損失の増加を招くことがな
い。
【0115】また、上部電極503と下部電極506と
の距離を15〜30mmよりもさらに放すことにより、
よりボイドが発生しにくくなる。
【0116】上述した本実施の形態では、クラッド膜を
P−CVD法で成膜しているが、火炎堆積法あるいはス
パッタリング法を用いて成膜することもできる。
【0117】クラッド膜をスパッタリング法を用いて成
膜するスパッタ装置を、図10に示す。
【0118】図10において、601は真空容器、60
2は基板、603は基板ホルダ、604−1〜604−
4はSiO2 焼結体ターゲット、605−1〜605−
4はターゲット604−1〜604−4のそれぞれに電
力を供給するためのRFの高周波電源、606はヒータ
である。
【0119】図10に示すように、基板602は、回転
が可能な多面体形状を有した基板ホルダ603の外周側
面に取り付けられ、これら基板602と対向する真空容
器601の内壁にSiO2 焼結体ターゲット604−1
〜604−4が設けられ、このターゲット604−1〜
604−4にはそれぞれに電力を供給するためのRF高
周波電源605−1〜605−4、及びこれらRF高周
波電源605−1〜605−4より効率的に高周波を送
り込むためのマッチングボックス606−1〜606−
4が接続されている。尚、図示していないが、基板ホル
ダ603にもRFの高周波電源が接続されている。
【0120】このスパッタ装置を用いたクラッド膜の形
成方法について説明する。
【0121】真空容器601内に設けられた基板ホルダ
603の外周側面に石英基板602を取り付け、真空容
器601内を1×10-5Pa以下の真空度まで排気す
る。次に真空容器601内にスパッタガスであるArガ
スを100cm3 /min及び反応ガスであるO2 ガス
を5cm3 /min導入し、真空容器601内のガス圧
力を0.3Paに保持し、基板ホルダ603を回転させ
ながら、焼結体ターゲット604−1〜604−4のそ
れぞれにRF高周波電源605−1〜605−4よりそ
れぞれ8.0W/cm2 の電力を供給し、基板側には
1.7W/cm2 の電力を供給することにより成膜を行
う。
【0122】ここで、同様にスパッタ法で導波路コア用
のガラス膜を形成する場合は、厚さを、光ファイバとの
結合を考慮して光ファイバのコア径とほぼ等しい6〜1
0μmに設定することが望ましい。また、製造コストを
下げるため、多数枚の基板や大型の基板に均一に膜を形
成する必要がある。このため、少なくとも2つ以上の焼
結体ターゲット604−1〜604−4に同時にRF高
周波電力を印加し、回転機構を有する基板ホルダ603
に取り付けた基板602上にターゲット604−1〜6
04−4からスパッタされた材料を高速かつ均一に成膜
できることが望ましい。
【0123】また、本実施の形態では、原料ガスとして
TEOSを用いたP−CVD法でクラッド膜を成膜して
いるが、TEOS以外では例えばSiH4 を用いてもク
ラッド膜を成膜することができる。
【0124】このSiH4 を用いたP−CVD法により
SiO2 膜を成膜するためのP−CVD装置を図11に
示す。
【0125】図11に示すように、プラズマ励起化学気
相成長装置は、大きく分けてチャンバ701、ヒータ7
02、チャンバ701内にガスを導入するガス導入部を
含み、高周波を印加するための13.56MHzのRF
電源703−1、及びこのRF電源703−1から効率
的に高周波を送り込むためのマッチングボックス703
−2が接続された下部電極704、高周波を印加するた
めの13.56MHzのRF電源705−1、及びこの
RF電源705−1から効率的に高周波を送り込むため
のマッチングボックス705−2が接続され、且つ試料
基板711が設置される上部電極706、チャンバ70
1内のガスを排気するロータリーポンプ707−1、メ
カニカルブースターポンプ707−2から成っている。
【0126】原料ガスは、下部電極704の真空側表面
に形成された多数のガス穴から放出される。また、原料
ガスはArで希釈したSiH4 ガスボンベ708からの
Ar,SiH4 ガスとO2 ガスボンベ709からのO2
ガスの混合ガスが真空中へ放出される。ここで、ガス穴
の直径は2〜3mmである。
【0127】上部電極706には3〜4インチ基板71
1を20〜30枚設置することができ、つり下げ棒71
2の軸を中心に回転させることができる。
【0128】上部電極706と下部電極704との間隔
は30〜50mmの間で可変であり、上下部電極間隔を
35mmとした。また、上部電極706及び下部電極7
04の直径は約700mmである。
【0129】この装置を用いて、基板711として石英
基板あるいはSi基板を用い、この基板711上に数μ
m〜数十μmのガラス膜(クラッド膜)の成膜を行う方
法を説明する。
【0130】まず、チャンバー701内を真空引きして
10-1Pa以下にする。次に、成膜条件をSiH4 の流
量:60cm3 /min、O2 の流量:80cm3 /m
in、Arの流量:1760cm3 /min、成膜圧
力:53Pa、基板温度:300℃、下部電極704の
RFパワー:600W、上部電極706のRFパワー:
600W、RFパワー密度:0.32W/cm2 となる
ように設定して、プラズマ713を生じさせ、成膜開始
する。
【0131】本成膜条件で120min成膜した場合、
as−depo(成膜直後)のSiO2 クラッド膜の膜
特性は以下のようになる。
【0132】クラッド膜の膜厚は12.0μm、屈折率
は1.4700、膜密度は2.0g/cm3 である。
尚、成膜速度は約100nm/minである。
【0133】また、本発明は上述した実施の形態に限定
されない。
【0134】例えば、本実施の形態では、コア膜付き基
板全体を高温で熱処理する工程を省略したが、この高温
での熱処理工程を実施してもよい。但し、熱処理を実施
した際、コア膜にクラックが入らないように弾力性を持
たせる元素、例えばGeO2などをコア膜にドープする
必要がある。
【0135】さらに、本実施の形態では、コア膜の加工
方法は、プラズマドライエッチング法としたが、ウエッ
トエッチング法を用いることもできる。
【0136】この場合、コア膜付きの石英基板上にレジ
ストをスピンコートし、露光・現像した後、低濃度のフ
ッ酸中にコア付き基板を浸水させることにより、コア断
面形状を、矩形状あるいは台形状のコア角部に丸みを帯
びさせた形状に形成することができる。さらに、フッ酸
の濃度を最適化することにより、台形状コアの上底と下
底の比率を1.5以上にすることができる。
【0137】さらに、他のコア膜の加工方法としては、
スパッタエッチング法あるいはイオンミリング法を用い
ることができる。尚、本エッチング方法の詳細な説明は
省略する。
【0138】またさらに、プラズマドライエッチング法
でも基板温度を200℃よりも低温化すれば、コア断面
形状の上底と下底の比率を大きくすることができる。プ
ラズマドライエッチングする際の基板温度の制御方法の
一例を図12に示す。
【0139】このプラズマドライエッチング装置は、図
8に示したプラズマドライエッチングとほぼ同じ装置構
成であるが、異なる箇所を説明する。
【0140】図12に示すように、円形石英カバーの中
心部の3インチ石英ウエハが入るぐらいの円形の孔を設
けたドーナツ状石英カバー810を用い、その孔の部分
にSiO2 ウエハ811を設置し、下部電極805に接
続された液体循環管807内に流す液体として−40〜
20℃のメタノール808を用い、メタノール808と
SiO2 ウエハ811との間にHe(813)を循環さ
せ、He(813)の漏洩を防止するためにOリング8
15を用いることにより、SiO2 ウエハ811の裏面
814を冷却しながらエッチングを行う。
【0141】また、有機金属原料としてはTEOS(S
iO(C2 5 4 )だけではなく、Si(OCH3
3 、Si(OC2 5 3 等も用いることができる。ま
た、原料ガスとしてSiH4 に限らず、Si2 6 、S
3 8 を用いることができる。
【0142】さらに、クラッド膜を2層に分け、第1層
目をTEOS系原料ガスを用いたP−CVD法により成
膜し、第2層目をSiH4 系原料ガスを用いたP−CV
D法により成膜することもできる。
【0143】また、有機金属材料をバブリングで蒸気化
することもできる。その際、用いるガラスとしては、反
応性がほとんどなく、そのイオンがスパッタ効果を有す
るAr、Kr、Xeなどの希ガスを用いることができ
る。希ガスイオンのスパッタ効果を利用することによ
り、成膜と同時にスパッタエッチングを行うことができ
る。それによって、狭間隙のコア角部に形成されたひさ
しを希ガスイオンのスパッタでエッチングしながらSi
2 クラッド膜の埋め込みが可能となる。
【0144】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば以下
のような顕著な効果が発揮される。
【0145】1)アスペクト比が2以上の狭間隙のコア
間隔のある光回路パターンのコア断面形状を、矩形状あ
るいは台形状のコア角部に丸みを帯びた形状に形成する
か、又は下底が上底の1.5倍以上の台形状に形成し、
上下電極にRF電源及びDC電源を接続したプラズマC
VD装置を用い、原料ガスにTEOS、Ar等を用いる
ことにより、コアをボイドなく特性良好なクラッド膜で
埋め込むことができる。
【0146】2)火炎堆積法を用いた場合の問題であっ
た、1300℃以上の高温プロセスとB、Pのドーピン
グが必要なくなるため、石英基板の反りの増大及び伝搬
損失の増加を招くことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す光導波路の断面図
である。
【図2】本発明の他の実施の形態を示す光導波路の断面
図である。
【図3】本発明の他の実施の形態を示す光導波路の断面
図である。
【図4】本発明の他の実施の形態を示す光導波路の断面
図である。
【図5】本発明にかかる光導波路の製造方法を説明する
ための図であり、(a)〜(c)は基板上に形成される
コアの断面図である。
【図6】本発明にかかる光導波路の製造方法を説明する
ための図であり、(a)〜(c)は基板上に形成される
コアの断面図である。
【図7】本発明のコアの成膜装置であるEB蒸着装置の
模式図である。
【図8】本発明のプラズマドライエッチング装置の模式
図である。
【図9】本発明のP−CVD装置の模式図である。
【図10】本発明の他の実施の形態を示すスパッタ装置
の模式図である。
【図11】本発明の他の実施の形態を示すクラッド成膜
用のスパッタリング装置の模式図である。
【図12】本発明の他の実施の形態を示すP−CVD装
置の模式図である。
【図13】従来の光導波路の断面図である。
【図14】従来の光導波路の製造方法によりクラッド膜
が形成される様子を示した図であり、(a)は成膜中の
状態を示す図であり、(b)は成膜後の状態を示す図で
ある。
【図15】従来のP−CVD装置の模式図である。
【符号の説明】
10 石英基板 20 コア 30 クラッド 40 角部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樫村 誠一 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社オプトロシステム研究所内 (72)発明者 北野 延明 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社オプトロシステム研究所内 Fターム(参考) 2H047 KA04 PA01 PA04 PA05 PA22 PA24 TA31

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、該基板上に形成されたコアと、
    該コアを覆うように形成されたクラッドとからなる光導
    波路において、上記コアの断面形状が矩形状でかつ少な
    くとも1か所以上の角部が丸みを帯びるように形成され
    ていることを特徴とする光導波路。
  2. 【請求項2】 基板と、該基板上に形成されたコアと、
    該コアを覆うように形成されたクラッドとからなる光導
    波路において、上記コアの断面形状が台形状でかつ少な
    くとも1か所以上の角部が丸みを帯びるように形成され
    ていることを特徴とする光導波路。
  3. 【請求項3】 基板と、該基板上に形成されたコアと、
    該コアを覆うように形成されたクラッドとからなる光導
    波路において、上記コアの断面形状は上底の幅に対して
    下底の幅が1.5倍以上の台形状に形成されていること
    を特徴とする光導波路。
  4. 【請求項4】 基板上にコア膜を形成するコア膜形成工
    程と、そのコア膜をフォトリソグラフィ及びエッチング
    により断面台形状のコアに加工するコア加工工程と、そ
    のコアが形成されたコア付き基板全体を熱処理する基板
    熱処理工程と、その基板上のコア全体にコアより低屈折
    率のクラッド膜を被覆するクラッド膜被覆工程と、その
    クラッド膜が被覆されたクラッド膜付き基板全体を高温
    で熱処理するクラッド膜熱処理工程とからなる光導波路
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 基板上にコア膜を形成するコア膜形成工
    程と、そのコア膜をフォトリソグラフィ及びエッチング
    により断面矩形状でかつ少なくとも1か所以上の角部が
    丸みを帯びたコアに加工するコア加工工程と、そのコア
    が形成されたコア付き基板全体を熱処理する基板熱処理
    工程と、その基板上のコア全体にコアより低屈折率のク
    ラッド膜を被覆するクラッド膜被覆工程と、そのクラッ
    ド膜が被覆されたクラッド膜付き基板全体を高温で熱処
    理するクラッド膜熱処理工程とからなる光導波路の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 基板上にコア膜を形成するコア膜形成工
    程と、そのコア膜をフォトリソグラフィ及びエッチング
    により断面台形状でかつ少なくとも1か所以上の角部が
    丸みを帯びたコアに加工するコア加工工程と、そのコア
    が形成されたコア付き基板全体を熱処理する基板熱処理
    工程と、その基板上のコア全体にコアより低屈折率のク
    ラッド膜を被覆するクラッド膜被覆工程と、そのクラッ
    ド膜が被覆されたクラッド膜付き基板全体を高温で熱処
    理するクラッド膜熱処理工程とからなる光導波路の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 基板上にコア膜を形成するコア膜形成工
    程と、そのコア膜をフォトリソグラフィ及びエッチング
    により上底の幅に対して下底の幅が1.5倍以上の台形
    状のコアに加工するコア加工工程と、そのコアが形成さ
    れたコア付き基板全体を熱処理する基板熱処理工程と、
    その基板上のコア全体にコアより低屈折率のクラッド膜
    を被覆するクラッド膜被覆工程と、そのクラッド膜が被
    覆されたクラッド膜付き基板全体を高温で熱処理するク
    ラッド膜熱処理工程とからなる光導波路の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記コア膜のフォトリソグラフィは、コ
    ア膜上にレジストをパターニングした後、該レジストに
    紫外線照射する請求項4から請求項7記載の光導波路の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 上記エッチング方法として、ドライエッ
    チング法によりコア膜を加工する請求項4から請求項7
    記載の光導波路の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記ドライエッチング法として、プラ
    ズマドライエッチング法、スパッタエッチング法、ある
    いはイオンミリング法のうち、少なくとも1つ以上の方
    法によりコア膜を加工する請求項9記載の光導波路の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 上記エッチング方法としてウェットエ
    ッチング法によりコア膜を加工する請求項4から請求項
    7記載の光導波路の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記コア加工工程は、コア膜の加工後
    に熱処理することにより、少なくとも1か所以上のコア
    角部に丸みを帯びさせる請求項5又は請求項6記載の光
    導波路の製造方法。
  13. 【請求項13】 上記コア加工工程は、コア膜の加工後
    に該コアをフッ酸に浸漬させる方法により、少なくとも
    1か所以上のコア角部に丸みを帯びさせる請求項5又は
    請求項6記載の光導波路の製造方法。
  14. 【請求項14】 上記クラッド膜被覆工程は、火炎堆積
    法、スパッタリング法、又は化学的気相成長法のいずれ
    か1つの方法を選択してクラッドを被覆する請求項4か
    ら請求項7記載の光導波路の製造方法。
  15. 【請求項15】 上記クラッド膜被覆工程は、化学的気
    相成長法のうち、プラズマCVD法を用い、基板側に強
    制的に自己バイアスを形成すべく、高周波電圧に直流電
    圧を重畳させた電圧を印加させたプラズマCVD法によ
    りクラッド膜を成膜する請求項4から請求項7記載の光
    導波路の製造方法。
  16. 【請求項16】 上記プラズマCVD法に用いる原料ガ
    スの主原料は、SiH4 又はテトラエチルオルソシリケ
    ートである請求項15記載の光導波路の製造方法。
  17. 【請求項17】 上記クラッド膜を上下2層に分け、第
    1層目をテトラエチルオルソシリケート系原料ガスを用
    いたプラズマCVD法により成膜し、第2層目をSiH
    4 系原料ガスを用いたプラズマCVD法により成膜する
    請求項15記載の光導波路の製造方法。
  18. 【請求項18】 プラズマCVD法に用いる添加ガスは
    Ar、Kr、及びXeの希ガスの中から少なくとも1種
    類以上用いる請求項15から請求項17記載の光導波路
    の製造方法。
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