JP2003084252A - 導波路型光部品及びその製造方法 - Google Patents
導波路型光部品及びその製造方法Info
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- JP2003084252A JP2003084252A JP2001279399A JP2001279399A JP2003084252A JP 2003084252 A JP2003084252 A JP 2003084252A JP 2001279399 A JP2001279399 A JP 2001279399A JP 2001279399 A JP2001279399 A JP 2001279399A JP 2003084252 A JP2003084252 A JP 2003084252A
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- Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来のものに比べて大幅な低消費電力化を図
ることができる新規な導波路型光部品及びその製造方法
の提供。 【解決手段】 基板1上に、コア2及びそのコア2を覆
うクラッド3からなる光導波路sを備えると共に、その
光導波路sの表面に薄膜ヒータ4を備えた導波路型光部
品において、上記光導波路の表面に断熱用の溝5を備え
ると共に、上記薄膜ヒータ4を備えた光導波路コア2の
下側に多数の空隙孔6を備えたものである。これによっ
て薄膜ヒータ4で発生した熱が周囲に逃げ難くなるた
め、薄膜ヒータ4を発熱させるための消費電力量を大幅
に削減できる。
ることができる新規な導波路型光部品及びその製造方法
の提供。 【解決手段】 基板1上に、コア2及びそのコア2を覆
うクラッド3からなる光導波路sを備えると共に、その
光導波路sの表面に薄膜ヒータ4を備えた導波路型光部
品において、上記光導波路の表面に断熱用の溝5を備え
ると共に、上記薄膜ヒータ4を備えた光導波路コア2の
下側に多数の空隙孔6を備えたものである。これによっ
て薄膜ヒータ4で発生した熱が周囲に逃げ難くなるた
め、薄膜ヒータ4を発熱させるための消費電力量を大幅
に削減できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信分野で広く
用いられる薄膜ヒータ付き光導波路型光部品及びその製
造方法に関するものである。
用いられる薄膜ヒータ付き光導波路型光部品及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、石英系ガラス導波路により構成さ
れる光干渉計を用いて光減衰器、光分波器、光スイッチ
等の機能部品が開発されている。通常、ガラス導波路型
光干渉計に用いられる位相シフタには、熱光学効果を利
用するための薄膜ヒータが用いられている。
れる光干渉計を用いて光減衰器、光分波器、光スイッチ
等の機能部品が開発されている。通常、ガラス導波路型
光干渉計に用いられる位相シフタには、熱光学効果を利
用するための薄膜ヒータが用いられている。
【0003】図4及び図5は、従来の光減衰器の構造を
示したものである。図示するようにこの光減衰器は、石
英ガラス基板1上に光導波路sを備え、この光導波路s
はY字状に分岐して再び合流する光導波路コア2を備え
ると共に、分岐した一方の光導波路コア2aの表面にク
ラッドガラス膜3を介してTa2N薄膜ヒータ4を備え
た構造となっている。
示したものである。図示するようにこの光減衰器は、石
英ガラス基板1上に光導波路sを備え、この光導波路s
はY字状に分岐して再び合流する光導波路コア2を備え
ると共に、分岐した一方の光導波路コア2aの表面にク
ラッドガラス膜3を介してTa2N薄膜ヒータ4を備え
た構造となっている。
【0004】そして、入力導波路コア2cから信号光を
入射すると、この入射光はY分岐導波路コア2dで二つ
に分かれ、アーム導波路コア2a,2bに等分配された
後、再びY合流導波路コア2eで合流し、出力導波路コ
ア2fを通して入力信号光パワーがそのまま出射するこ
とになるが、この時、薄膜ヒータ4に電力を供給して加
熱すると熱光学効果によってその薄膜ヒータ4が設けら
れたアーム導波路コア2aのコアガラスの屈折率が変化
して熱光学効果により伝搬光の位相が変化し、Y分岐導
波路コアで結合する光信号の強度が変化することから、
この薄膜ヒータ4に供給する電力を変えることによって
この光信号の強度を任意にコントロールすることができ
るようになっている。
入射すると、この入射光はY分岐導波路コア2dで二つ
に分かれ、アーム導波路コア2a,2bに等分配された
後、再びY合流導波路コア2eで合流し、出力導波路コ
ア2fを通して入力信号光パワーがそのまま出射するこ
とになるが、この時、薄膜ヒータ4に電力を供給して加
熱すると熱光学効果によってその薄膜ヒータ4が設けら
れたアーム導波路コア2aのコアガラスの屈折率が変化
して熱光学効果により伝搬光の位相が変化し、Y分岐導
波路コアで結合する光信号の強度が変化することから、
この薄膜ヒータ4に供給する電力を変えることによって
この光信号の強度を任意にコントロールすることができ
るようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の光減衰器においては、石英ガラス基板1を通して
薄膜ヒータ4の熱が逃げ易く、所望の屈折率変化を維持
するために必要な電力が大きくなってしまうといった問
題があった。
従来の光減衰器においては、石英ガラス基板1を通して
薄膜ヒータ4の熱が逃げ易く、所望の屈折率変化を維持
するために必要な電力が大きくなってしまうといった問
題があった。
【0006】そのため、この対策として図6に示すよう
に2本のアーム導波路コア2a,2bの両側にこれを挟
むようにその長手方向に延びる溝5をそれぞれ形成する
ことで薄膜ヒータ4からの熱を断熱するようにしている
が、そのアーム導波路コア2aの下側はそのまま石英ガ
ラス基板1と連続しているため、その溝5で断たれた熱
がそのまま基板1側へ逃げてしまい、大幅な低消費電力
化を図ることは困難であった。
に2本のアーム導波路コア2a,2bの両側にこれを挟
むようにその長手方向に延びる溝5をそれぞれ形成する
ことで薄膜ヒータ4からの熱を断熱するようにしている
が、そのアーム導波路コア2aの下側はそのまま石英ガ
ラス基板1と連続しているため、その溝5で断たれた熱
がそのまま基板1側へ逃げてしまい、大幅な低消費電力
化を図ることは困難であった。
【0007】そこで、本発明はこのような課題を有効に
解決するために案出されたものであり、その目的は、従
来のものに比べて大幅な低消費電力化を図ることができ
る新規な導波路型光部品及びその製造方法を提供するも
のである。
解決するために案出されたものであり、その目的は、従
来のものに比べて大幅な低消費電力化を図ることができ
る新規な導波路型光部品及びその製造方法を提供するも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、請求項1に示すように、基板上に、コア及
びそのコアを覆うクラッドからなる光導波路を備えると
共に、その光導波路の表面に薄膜ヒータを備えた導波路
型光部品において、上記光導波路の表面に断熱用の溝を
備えると共に、上記薄膜ヒータを備えた光導波路コアの
下側に多数の空隙孔を備えたものである。
に本発明は、請求項1に示すように、基板上に、コア及
びそのコアを覆うクラッドからなる光導波路を備えると
共に、その光導波路の表面に薄膜ヒータを備えた導波路
型光部品において、上記光導波路の表面に断熱用の溝を
備えると共に、上記薄膜ヒータを備えた光導波路コアの
下側に多数の空隙孔を備えたものである。
【0009】これによって、導波路コアの側面方向のみ
ならず基板側も伝熱が制限されるため、薄膜ヒータから
の熱が逃げ難くなり、効率的に導波路コアを加熱できる
ので薄膜ヒータの発熱に要する消費電力を大幅に削減す
ることができる。
ならず基板側も伝熱が制限されるため、薄膜ヒータから
の熱が逃げ難くなり、効率的に導波路コアを加熱できる
ので薄膜ヒータの発熱に要する消費電力を大幅に削減す
ることができる。
【0010】より具体的には請求項2に示すように、石
英ガラス基板上に、Y字状に分岐して再び合流する光導
波路コアを備えると共に、分岐した少なくとも一方の光
導波路コアの表面に薄膜ヒータを備えた導波路型光部品
において、上記分岐した導波路コアの両側に断熱のため
の溝を形成すると共に、上記薄膜ヒータを備えた光導波
路コアの下側に多数の空隙孔を形成したものである。
英ガラス基板上に、Y字状に分岐して再び合流する光導
波路コアを備えると共に、分岐した少なくとも一方の光
導波路コアの表面に薄膜ヒータを備えた導波路型光部品
において、上記分岐した導波路コアの両側に断熱のため
の溝を形成すると共に、上記薄膜ヒータを備えた光導波
路コアの下側に多数の空隙孔を形成したものである。
【0011】そして、このような多数の空隙孔は、請求
項3に示すように、上記石英ガラス基板上にフォトリソ
グラフィと反応性イオンエッチングにより多数のトレン
チ溝を形成した後、その上にCVD法あるいはRFスパ
ッタリング法のいずれかの手法によりガラス膜を形成す
ることにより容易に作製することができる。
項3に示すように、上記石英ガラス基板上にフォトリソ
グラフィと反応性イオンエッチングにより多数のトレン
チ溝を形成した後、その上にCVD法あるいはRFスパ
ッタリング法のいずれかの手法によりガラス膜を形成す
ることにより容易に作製することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施する好適一形
態を添付図面を参照しながら説明する。
態を添付図面を参照しながら説明する。
【0013】図1は本発明に係る導波路型光部品の実施
の一形態を示す平面図、図2はそのA−A線断面図、図
3は同じく図1中B−B線断面図である。
の一形態を示す平面図、図2はそのA−A線断面図、図
3は同じく図1中B−B線断面図である。
【0014】図示するようにこの導波路型光部品は、従
来と同様に矩形状の石英ガラス基板1上に、光導波路s
を備えたものであり、この導波路sは、Y字状に分岐し
て再び合流する光導波路コア2を備えると共に、分岐し
た光導波路コア2a,2bのうち一方の光導波路コア2
aの表面にガラスクラッド膜3を介して薄膜ヒータ4を
備えた構造となっている。
来と同様に矩形状の石英ガラス基板1上に、光導波路s
を備えたものであり、この導波路sは、Y字状に分岐し
て再び合流する光導波路コア2を備えると共に、分岐し
た光導波路コア2a,2bのうち一方の光導波路コア2
aの表面にガラスクラッド膜3を介して薄膜ヒータ4を
備えた構造となっている。
【0015】また、この分岐した光導波路コア(アーム
導波路コア)2a,2bの両側には、その長手方向に沿
って延びる断熱溝5,5,5がそれぞれ独立して形成さ
れており、光導波路コア2a,2bから側面方向への伝
熱を遮断するようになっている。
導波路コア)2a,2bの両側には、その長手方向に沿
って延びる断熱溝5,5,5がそれぞれ独立して形成さ
れており、光導波路コア2a,2bから側面方向への伝
熱を遮断するようになっている。
【0016】そして、本発明の導波路型光部品にあって
は、この薄膜ヒータ4が備えられた光導波路コア2aの
下側に、その長手方向に沿って多数の空隙孔6,6…を
形成したものであり、これによって基板1側への伝熱を
効果的に遮断でき、薄膜ヒータ4の発熱に要する消費電
力を大幅に削減することが可能となる。
は、この薄膜ヒータ4が備えられた光導波路コア2aの
下側に、その長手方向に沿って多数の空隙孔6,6…を
形成したものであり、これによって基板1側への伝熱を
効果的に遮断でき、薄膜ヒータ4の発熱に要する消費電
力を大幅に削減することが可能となる。
【0017】すなわち、前述したように光信号の強度を
コントロールすべく薄膜ヒータ4に電力を供給してこれ
を発熱させると、その熱がその薄膜ヒータ4直下のガラ
スクラッド膜3を介して光導波路コア2a側に伝わり、
さらにその熱の一部は、その光導波路コア2a及びその
周囲のガラスクラッド膜3を介して基板1側に逃げよう
とするが、光導波路コア2aの下側には多数の空隙孔6
が形成されているため、この空隙孔6によってその熱の
移動が効果的に制限される。これによって、その光導波
路コア2a及びその周囲のガラスクラッド膜3の蓄熱効
果が高まることから、新たに供給する電力量が減り、結
果的に電力消費量を大幅に削減することができる。
コントロールすべく薄膜ヒータ4に電力を供給してこれ
を発熱させると、その熱がその薄膜ヒータ4直下のガラ
スクラッド膜3を介して光導波路コア2a側に伝わり、
さらにその熱の一部は、その光導波路コア2a及びその
周囲のガラスクラッド膜3を介して基板1側に逃げよう
とするが、光導波路コア2aの下側には多数の空隙孔6
が形成されているため、この空隙孔6によってその熱の
移動が効果的に制限される。これによって、その光導波
路コア2a及びその周囲のガラスクラッド膜3の蓄熱効
果が高まることから、新たに供給する電力量が減り、結
果的に電力消費量を大幅に削減することができる。
【0018】次に、本発明の特徴である多数の空隙孔6
の形成方法、すなわち、このような多数の空隙孔6を備
えた本発明の導波路型光部品の製造方法を説明する。
の形成方法、すなわち、このような多数の空隙孔6を備
えた本発明の導波路型光部品の製造方法を説明する。
【0019】先ず、石英ガラス基板1の表面に、フォト
リソグラフィと反応性イオンエッチングを利用して空隙
孔6の元となるトレンチ溝を多数形成した後、その上に
ガラスクラッド膜3の一部を構成する下側ガラスクラッ
ド層3aを形成(成膜)してそのトレンチ溝を塞ぐ。
尚、ここでこのトレンチ溝の幅と深さの比は、下側ガラ
スクラッド膜3aを形成する際に意図的に空隙を生ずる
(埋め込みできない)値を選択する必要があり、一般に
トレンチ溝長さに対する深さの比が大きくなると一般的
なCVD法やRFスパッタリング法など真空中での成膜
手法では埋め込みが困難になることが知られている。特
にこれらの手法ではガス圧が高いほどこの傾向は顕著で
ある。従って適切な圧力条件で成膜することによって再
現性良く同じ大きさの空洞を作製することができる。次
に、このようにして形成された下側ガラスクラッド膜3
aの表面に対してCMP(chemical mech
anical polishing)を施してその表面
の凹凸を除去してからアニールを施して屈折率の安定化
を図った後、平坦化された下側ガラスクラッド膜3aの
表面上にスパッタリング法によってそれよりも屈折率の
高いコア用ガラス膜を形成する。その後、従来と同様
に、このコア用ガラス膜に対してフォトリゾグラフィ技
術と反応性イオンエッチング等を用いてY字状に分岐・
合流する断面矩形状の光導波路コア2を形成してからア
ニールを施してその屈折率の安定化を図った後、このコ
ア2上にプラズマCVD法等により上側クラッドガラス
膜3bを形成してから同じくアニールを施してその屈折
率の安定化を図る。そして、最後にY字状に分岐した一
方の光導波路コア上に、RFスパッタリング法等によっ
てTa2N膜を堆積させてから、フォトリソグラフィ技
術を用いてパターニングしたレジストをマスク材として
反応性イオンエッチングによりヒータ形状パターンにエ
ッチングして薄膜ヒータ4を形成することで、本発明の
導波路型光部品を容易に製造することができる。
リソグラフィと反応性イオンエッチングを利用して空隙
孔6の元となるトレンチ溝を多数形成した後、その上に
ガラスクラッド膜3の一部を構成する下側ガラスクラッ
ド層3aを形成(成膜)してそのトレンチ溝を塞ぐ。
尚、ここでこのトレンチ溝の幅と深さの比は、下側ガラ
スクラッド膜3aを形成する際に意図的に空隙を生ずる
(埋め込みできない)値を選択する必要があり、一般に
トレンチ溝長さに対する深さの比が大きくなると一般的
なCVD法やRFスパッタリング法など真空中での成膜
手法では埋め込みが困難になることが知られている。特
にこれらの手法ではガス圧が高いほどこの傾向は顕著で
ある。従って適切な圧力条件で成膜することによって再
現性良く同じ大きさの空洞を作製することができる。次
に、このようにして形成された下側ガラスクラッド膜3
aの表面に対してCMP(chemical mech
anical polishing)を施してその表面
の凹凸を除去してからアニールを施して屈折率の安定化
を図った後、平坦化された下側ガラスクラッド膜3aの
表面上にスパッタリング法によってそれよりも屈折率の
高いコア用ガラス膜を形成する。その後、従来と同様
に、このコア用ガラス膜に対してフォトリゾグラフィ技
術と反応性イオンエッチング等を用いてY字状に分岐・
合流する断面矩形状の光導波路コア2を形成してからア
ニールを施してその屈折率の安定化を図った後、このコ
ア2上にプラズマCVD法等により上側クラッドガラス
膜3bを形成してから同じくアニールを施してその屈折
率の安定化を図る。そして、最後にY字状に分岐した一
方の光導波路コア上に、RFスパッタリング法等によっ
てTa2N膜を堆積させてから、フォトリソグラフィ技
術を用いてパターニングしたレジストをマスク材として
反応性イオンエッチングによりヒータ形状パターンにエ
ッチングして薄膜ヒータ4を形成することで、本発明の
導波路型光部品を容易に製造することができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を説明する。
【0021】先ず、石英ガラス基板1の表面にフォトリ
ソグラフィと反応性イオンエッチングを利用して長さ
(導波路長手方向)10μm,幅50μm,深さ15μ
mのトレンチ溝を20μmピッチで石英ガラス基板1の
長手方向に多数形成した。次に、このトレンチ溝上に形
成する下側ガラス(Si2O)クラッド膜3aの形成方
法としてSiH4ガスとO2ガスを用いたプラズマCVD
法を選択し、ガス圧を0.4Paに設定して膜厚15μ
mの成膜を行った。尚、成膜後にこのトレンチ溝部分の
断面を観察した結果、トレンチ溝の上部開口部は完全に
封じられ、かつその中には空洞ができていることがはっ
きりと確認できた。次に、成膜後の表面の凹凸を除去す
るためCMPを行うと共にその屈折率の安定化を図るた
め、酸素ガス中1100℃の温度で3時間アニールを実
施した。次いで、平坦化された下側ガラスクラッド膜3
a上にSiO2−GeO2焼結体ターゲットを用いたRF
スパッタリング法により、この下側クラッドガラス膜3
aよりも高い屈折率を有するSiO2−GeO2組成のコ
ア用ガラス膜を形成した。光導波路コア2はフォトリソ
グラフィ技術とCHF3ガスを用いた反応性イオンエッ
チングを用いて断面が矩形となるように加工し、再度コ
アの屈折率を安定化させるためにアニールを酸素ガス中
1100℃の温度で3時間実施した。その後、このコア
2上にTEOS材料とO2ガスを用いたプラズマCVD
法により上側クラッドガラス膜3bを形成すると共に、
酸素ガス中1100℃の温度で3時間アニールを実施し
た。
ソグラフィと反応性イオンエッチングを利用して長さ
(導波路長手方向)10μm,幅50μm,深さ15μ
mのトレンチ溝を20μmピッチで石英ガラス基板1の
長手方向に多数形成した。次に、このトレンチ溝上に形
成する下側ガラス(Si2O)クラッド膜3aの形成方
法としてSiH4ガスとO2ガスを用いたプラズマCVD
法を選択し、ガス圧を0.4Paに設定して膜厚15μ
mの成膜を行った。尚、成膜後にこのトレンチ溝部分の
断面を観察した結果、トレンチ溝の上部開口部は完全に
封じられ、かつその中には空洞ができていることがはっ
きりと確認できた。次に、成膜後の表面の凹凸を除去す
るためCMPを行うと共にその屈折率の安定化を図るた
め、酸素ガス中1100℃の温度で3時間アニールを実
施した。次いで、平坦化された下側ガラスクラッド膜3
a上にSiO2−GeO2焼結体ターゲットを用いたRF
スパッタリング法により、この下側クラッドガラス膜3
aよりも高い屈折率を有するSiO2−GeO2組成のコ
ア用ガラス膜を形成した。光導波路コア2はフォトリソ
グラフィ技術とCHF3ガスを用いた反応性イオンエッ
チングを用いて断面が矩形となるように加工し、再度コ
アの屈折率を安定化させるためにアニールを酸素ガス中
1100℃の温度で3時間実施した。その後、このコア
2上にTEOS材料とO2ガスを用いたプラズマCVD
法により上側クラッドガラス膜3bを形成すると共に、
酸素ガス中1100℃の温度で3時間アニールを実施し
た。
【0022】薄膜ヒータ4は、Taをターゲットとし、
N2とArの混合ガスプラズマを用いてRFスパッタリ
ング法により、Ta2N膜を0.2μm堆積した。その
後、ヒータ形状パターンはフォトリソグラフィ技術を用
いてパターニングしたレジストをマスク材としてSF6
ガスを用いた反応性イオンエッチングにより形成した。
N2とArの混合ガスプラズマを用いてRFスパッタリ
ング法により、Ta2N膜を0.2μm堆積した。その
後、ヒータ形状パターンはフォトリソグラフィ技術を用
いてパターニングしたレジストをマスク材としてSF6
ガスを用いた反応性イオンエッチングにより形成した。
【0023】そして、このようにして形成された本発明
の導波路型光部品(光減衰器)の光信号が10dBとな
るヒータ電力を、従来の導波路型光部品のそれと比較し
て調べた。
の導波路型光部品(光減衰器)の光信号が10dBとな
るヒータ電力を、従来の導波路型光部品のそれと比較し
て調べた。
【0024】この結果、以下の表1に示すように、光導
波路コアの下側に空洞を備えた本発明の導波路型光部品
のヒータ電力量は105mWであり、従来の導波路型光
部品の消費電力(200mW,180mW)に比べて約
半分の消費電力で光信号を同じ値に減衰することができ
た。
波路コアの下側に空洞を備えた本発明の導波路型光部品
のヒータ電力量は105mWであり、従来の導波路型光
部品の消費電力(200mW,180mW)に比べて約
半分の消費電力で光信号を同じ値に減衰することができ
た。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、薄膜ヒー
タで発生した熱が基板側に逃げるのを確実に防止するこ
とができる。この結果、薄膜ヒータで発生した熱が有効
利用されるため、低消費電力で所望の屈折率を生じさせ
ることが可能となり、低消費電力で動作する高品位な光
減衰器等を提供することができる。
タで発生した熱が基板側に逃げるのを確実に防止するこ
とができる。この結果、薄膜ヒータで発生した熱が有効
利用されるため、低消費電力で所望の屈折率を生じさせ
ることが可能となり、低消費電力で動作する高品位な光
減衰器等を提供することができる。
【図1】本発明に係る導波路型光部品の実施の一形態を
示す平面図である。
示す平面図である。
【図2】図1中A−A線断面図である。
【図3】図1中B−B線断面図である。
【図4】従来の導波路型光部品の一例を示す平面図であ
る。
る。
【図5】図4中A−A線断面図である。
【図6】従来の導波路型光部品の他の例を示す断面図で
ある。
ある。
1 石英ガラス基板
2 光導波路コア
3 ガラスクラッド膜
3a 下側ガラスクラッド膜
3b 上側ガラスクラッド膜
4 薄膜ヒータ
5 断熱用の溝
6 空隙孔
s 光導波路
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 田中 康太郎
茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立
電線株式会社オプトロシステム研究所内
Fターム(参考) 2H047 KA04 KA12 LA12 NA01 PA04
PA05 PA24 QA04 RA08 TA11
2H079 AA06 BA01 BA03 DA14 EA05
EB27 JA02 JA07
Claims (3)
- 【請求項1】 基板上に、コア及びそのコアを覆うクラ
ッドからなる光導波路を備えると共に、その光導波路の
表面に薄膜ヒータを備えた導波路型光部品において、上
記光導波路の表面に断熱用の溝を備えると共に、上記薄
膜ヒータを備えた光導波路コアの下側に多数の空隙孔を
備えたことを特徴とする導波路型光部品。 - 【請求項2】 基板上に、Y字状に分岐して再び合流す
る光導波路コアを備えると共に、分岐した少なくとも一
方の光導波路コアの表面に薄膜ヒータを備えた導波路型
光部品において、上記分岐した導波路コアの両側に断熱
用の溝を形成すると共に、上記薄膜ヒータを備えた光導
波路コアの下側に多数の空隙孔を形成したことを特徴と
する導波路型光部品。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の導波路型光部品
の製造方法において、上記光導波路コアの下側に形成さ
れる多数の空隙孔は、上記基板上にフォトリソグラフィ
と反応性イオンエッチングにより多数のトレンチ溝を形
成した後、その上にCVD法あるいはRFスパッタリン
グ法のいずれかの手法によりガラス膜を形成して塞ぐこ
とにより形成するようにしたことを特徴とする導波路型
光部品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001279399A JP2003084252A (ja) | 2001-09-14 | 2001-09-14 | 導波路型光部品及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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