JP2002341158A - アレイ導波路格子型光波長合分波器 - Google Patents

アレイ導波路格子型光波長合分波器

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JP2002341158A
JP2002341158A JP2001143573A JP2001143573A JP2002341158A JP 2002341158 A JP2002341158 A JP 2002341158A JP 2001143573 A JP2001143573 A JP 2001143573A JP 2001143573 A JP2001143573 A JP 2001143573A JP 2002341158 A JP2002341158 A JP 2002341158A
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waveguide
slab
slab waveguide
width
waveguides
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Yasuyuki Inoue
靖之 井上
Katsunari Okamoto
勝就 岡本
Tsutomu Kito
勤 鬼頭
Yoshinori Hibino
善典 日比野
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Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな過剰損失を発生させることなく、チャ
ンネル波長間隔に対して相対的に広い3dB透過スペク
トル幅を実現する。 【解決手段】 単一波長の光を入力導波路1から入射し
たときに生じる第2スラブ導波路5出力端での光強度分
布と、第2スラブ導波路5出力端に接続する出力導波路
6の導波モードの光強度分布が共にガウス形状であり、
かつその半値幅が故意に異なるように回路設計を行う。
第1スラブ導波路2に接続する入力導波路幅と第2スラ
ブ導波路5に接続する出力導波路幅とを互いに異ならせ
る。または、第1スラブ導波路2の長さと第2スラブ導
波路5の長さを互いに異ならせる。または、第1スラブ
導波路2に接続するアレイ導波路4の間隔と、第2スラ
ブ導波路5に接続するアレイ導波路4の間隔とを互いに
異ならせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平面光導波路で構
成されたアレイ導波路格子型光波長合分波器に関し、よ
り詳細には、僅かな過剰損失と引き替えに透過スペクト
ル幅が広くなるアレイ導波路格子型光波長合分波器に関
する。
【0002】
【従来の技術】現在、通信容量の拡大のために複数の光
波長を用いた光波長多重通信システム(WDMシステ
ム)の開発が盛んである。この光波長多重通信システム
において、送信側で複数の波長の光信号を合波する光波
長合波器として、アレイ導波路格子型光波長合分波器
(以下、AWGという)が広く使用されている。その理
由は、AWGは複数波長(2〜数百波)の光を一括して
合分波でき、他の技術に比べてコンパクトで低コスト化
が図られるためである。
【0003】図12は、従来のAWGの回路構成を示す
図で、入力導波路51に入射された光は、第1のスラブ
導波路52でシリコン基板53と水平方向に回折し、複
数のアレイ導波路54に結合する。隣接するアレイ導波
路54はそれぞれ一定の光路長差を有しているため、第
2のスラブ導波路55に結合する際に、複数の光ビーム
は波長に依存する位相差を有する。この結果として、複
数の光ビームの干渉で生じる焦点は波長に依存して位置
が変化する。その焦点位置に予め複数の出力導波路5を
配置しておくことにより、AWGは複数光波長を一括し
て合分波する光波長合分波器として機能する。ここで第
2のスラブ導波路端に形成される焦点は、入力導波路端
における光強度分布に等しい。
【0004】一般に、AWGを合波器として使用する場
合は、入力導波路を複数本、出力導波路を1本設計し、
それぞれ光ファイバと隣接する。AWGの原理に関して
は、H. Takahashi, S. Suzuki. and I. Nishi. “Wave
length multiplexer based on SiO2 TaO2 arrayed-wav
eguide grating,”IEEE Journal of Lightwave Technol
ogy, vol. 12, no. 6, pp. 989-995, 1994.に記載され
ている。
【0005】従来のAWGでは、原理的に損失の低いガ
ウス型の透過スペクトルを有するガウス型AWGと、3
〜4dB程度の過剰損失があるが透過スペクトルが平坦
なフラット型AWGとが知られている。
【0006】[第1従来例]ガウス型AWGは、第1の
スラブ導波路と、複数のアレイ導波路と、第2のスラブ
導波路とが線対称に配置されており、かつ第1のスラブ
導波路に接続する入力導波路幅と第2のスラブ導波路に
接続する出力導波路幅とが等しい。このため、入力導波
路から入射された任意の波長の光は、第2のスラブ導波
路端に入力導波路の導波モードに相当する光強度分布を
形成する。この光強度分布は出力導波路の導波モードに
等しいため、特定の波長では、入射された光は原理的に
損失なしに出力導波路と結合し、外部に出射される。こ
の場合の透過スペクトル幅は、第1および第2のスラブ
導波路に接続する入出力導波路端での光強度分布の重な
り積分で決まる。
【0007】したがって、透過スペクトル幅を広げるた
めに、入出力導波路がスラブに接続する部分にその光強
度分布を広げるためのテーパ導波路を付加している。た
だし、複数波長の合波器を形成する場合、入力導波路は
チャンネル波長間隔に相当する間隔で配置する必要があ
る。このためテーパ導波路幅としては、その入力導波路
間隔が限界であった。この場合、3dB透過幅はチャン
ネル波長間隔の6割程度になる。
【0008】図13は、実際に作製した100GHz1
6チャンネル・ガウス型AWGの透過スペクトル(中央
3ポートの特性)を示す図で、挿入損失(最も損失の小
さくなる波長における挿入損失)は、2.8dB、3d
B透過幅は58GHzであった。
【0009】[第2従来例]一方、フラット型AWGで
は、第2のスラブ導波路端での光強度分布として双峰性
の分布を実現することにより、出力導波路の導波モード
との重なり積分が平坦な透過スペクトルを有するように
設計されている。双峰性光強度分布を実現する方法とし
ては、入力導波路端にマルチモード干渉計(MMI)、
パラボラホーン、Y分岐などを配置したものが報告され
ている。この原理については、J. B.D. Soole, M. R. A
mersfoort, H. P. LeBlanc. N. C. Andreadakis, A. Ra
jhel,and C. Caneau. “Passband flattening of array
ed waveguide filters, ”LEOS '95(San Francisco), p
aper PD 1.3, Oct. 1995. および K. Okamoto and A.Su
gita,“Flat spectral response arrayed-waveguide gr
ating multiplexer with parabolic waveguide horn
s,”Electron. Lett., vol. 32, no. 18, pp. 1661-166
2, Aug., 1996.に記載されている。これらの方法では、
チャンネル波長間隔の8割程度の3dB透過幅が得られ
る代わりに過剰損失が3〜4dB程度が生じる。これ
は、第2のスラブ導波路端に形成される双峰性光強度分
布と、出力導波路の導波モードであるガウス型光強度分
布とが互いに大きく異なるため、およびMMI,パラボ
ラホーン、Y分岐などによる過剰損失が原因である。
【0010】図14は、パラボラホーンを入力導波路端
に配置して作製した100GHz16チャンネル・フラ
ット型AWGの透過スペクトル(中央3ポートのスペク
トル)を示す図で、挿入損失は7.5dB、3dB透過
幅は77GHzであった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、ガウ
ス型AWGは損失が低い代わりにチャンネル波長間隔の
6割程度の3dB透過幅しか得られないという問題があ
った。一方、フラット型AWGはチャンネル波長間隔の
8割程度の3dB透過幅が得られるが、過剰損失が3〜
4dB程度生じるという問題があった。
【0012】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、大きな過剰損失を
発生させることなく、チャンネル波長間隔に対して相対
的に広い3dB透過スペクトル幅を実現するアレイ導波
路格子型光波長合分波器を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、請求項1に記載の発明は、基板上
に形成された第1のスラブ導波路と、第2のスラブ導波
路と、それらを結ぶ互いに長さの異なる複数のアレイ導
波路と、前記第1のスラブ導波路の入力端に接続する複
数本の入力導波路と、前記第2のスラブ導波路の出力端
に接続する1本あるいは複数本の出力導波路とから構成
されるアレイ導波路格子型光波長合分波器において、単
一波長の光を前記入力導波路から入射したときに生じる
前記第2のスラブ導波路の出力端での光強度分布と、前
記第2のスラブ導波路の出力端に接続する出力導波路の
導波モードの光強度分布が共にガウス形状であり、かつ
その半値幅が故意に異なるように設計されることを特徴
とする。
【0014】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明において、前記第1のスラブ導波路に接続
する入力導波路幅と、前記第2のスラブ導波路に接続す
る出力導波路幅が互いに異なることを特徴とする。
【0015】また、請求項3に記載の発明は、請求項2
に記載の発明において、前記第2のスラブ導波路に接続
する出力導波路幅が、前記第1のスラブ導波路に接続す
る複数本の入力導波路間隔よりも広いことを特徴とす
る。
【0016】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
に記載の発明において、前記第1のスラブ導波路の長さ
と、前記第2のスラブ導波路の長さが互いに異なること
を特徴とする。
【0017】また、請求項5に記載の発明は、請求項1
に記載の発明において、前記第1のスラブ導波路に接続
するアレイ導波路の間隔と、前記第2のスラブ導波路に
接続するアレイ導波路の間隔とが互いに異なることを特
徴とする。
【0018】また、請求項6に記載の発明は、請求項1
に記載の発明において、前記アレイ導波路において、隣
接するアレイ導波路の長さの差が一定ではなく、アレイ
導波路の長さがその番号に対して2次関数で表されるこ
とを特徴とする。
【0019】このような構成により、僅かな過剰損失で
チャンネル波長間隔に対して相対的に広い透過スペクト
ル幅を有するアレイ導波路格子型光波長合分波器を実現
することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0021】[第1の実施形態]図1は、本発明の第1
実施形態における100GHz間隔16チャンネルAW
Gの回路構成を示す図で、シリコン基板3上に形成され
た第1のスラブ導波路2と、第2のスラブ導波路5と、
それらを結ぶ互いに長さの異なる複数のアレイ導波路4
と、第1のスラブ導波路2の入力端に接続する複数本の
入力導波路1と、第2のスラブ導波路5の出力端に接続
する1本あるいは複数本の出力導波路6とから構成され
るアレイ導波路格子型光波長合分波器であって、16本
の入力導波路1と、第1のスラブ導波路2と、100本
のアレイ導波路4と、第2のスラブ導波路5と、1本の
出力導波路6と、入力導波路1と第1のスラブ導波路2
とを接続する第1テーパ導波路1aと、出力導波路6と
第2のスラブ導波路5とを接続する第2テーパ導波路6
aから構成されている。
【0022】AWGの透過スペクトルは、入力導波路1
が第1のスラブ導波路2に接続する位置での光強度分布
と、出力導波路6が第2のスラブ導波路5に接続する位
置での光強度分布との重なり積分で決まる。このため、
透過スペクトル幅を広げるためには第1および第2テー
パ導波路1a,6aを用いて、各々の光強度分布を広げ
ればよい。しかし、従来のAWGでは損失を最小にする
ため第1テーパ導波路幅と第2テーパ導波路幅を等しく
していたため、その幅の限界はチャンネル波長間隔に相
当する第1テーパ導波路間隔で決まっていた。
【0023】これに対して、本実施例では図2及び図3
に示すように、第1テーパ導波路幅と第2テーパ導波路
幅を故意に異ならせた。その結果として、原理的に僅か
な過剰損失が生じる代わりに、広い3dB透過幅を実現
できる。つまり、単一波長の光を入力導波路1から入射
したときに生じる第2のスラブ導波路5の出力端での光
強度分布と、第2のスラブ導波路5の出力端に接続する
出力導波路6の導波モードの光強度分布とが共にガウス
形状であり、かつその半値幅が異なるようにしたもので
ある。
【0024】本実施例のデメリットは、隣接クロストー
クが悪いことである。AWGを分波器として使用する場
合、隣接クロストークは重要なパラメータであり、本実
施例のAWGは実用上使うことができない。しかし、A
WGを合波器として使用する場合は、クロストークは問
題にならない。言い換えれば、本実施例は合波器として
のAWGはクロストークが問題にならないことに着目し
て、如何に透過スペクトル幅を広げるかを追求した結果
生まれたアイデアである。
【0025】以下に具体的な計算結果および実験結果を
示す。本実施例では、第1のスラブ導波路端における第
1テーパ導波路間隔を25μm、第1テーパ導波路幅を
22μmと設定した。第1テーパ導波路幅を25μmで
なく22μmにした理由は、複数の第1テーパ導波路間
で光結合が生じないようにするためである。第1及び第
2テーパ導波路を含む入出力導波路以外のアレイ導波路
及び第1及び第2スラブ導波路の設計は左右対称とし
た。
【0026】次に、本実施例では出力導波路は1本しか
必要でないため、第2テーパ導波路幅は決まるものはな
い。そこで、第2テーパ導波路幅を変化させたときの3
dB透過幅および過剰損失を計算で求めたものを図4及
び図5に示す。第2テーパ幅を22μmから35μmに
まで増加させることにより3dB透過幅が58GHzか
ら80GHzにまで増加することがわかる。このときの
過剰損失は0.6dBである。この過剰損失は、パラボ
ラホーンを使用した場合の3〜4dBに比べて大幅に小
さな値である。
【0027】次に、上述した計算結果に基づいて、第1
テーパ導波路幅を22μmに、第2テーパ導波路幅を3
5μmに設定したAWGを実際に作製した。本実施形態
の石英系ガラス導波路作製方法を、図6を用いて説明す
る。
【0028】シリコン基板21上に、火炎堆積法でSi
を主体にした下部クラッドガラススート22と、S
iOにGeOを添加したコアガラススート23を堆
積する。
【0029】その後、1000℃以上の高温ガラス透明
化を行う。この時に、下部クラッドガラス層22は30
ミクロン厚、コアガラス23は7ミクロン厚となるよう
に、ガラスの堆積を行っている。
【0030】引き続き、フォトリソグラフィ技術を用い
てコアガラス23上にエッチングマスク24を形成し、
反応性イオンエッチングによってコアガラス23のパタ
ーン化を行う。
【0031】エッチングマスク24を除去した後、上部
クラッドガラス25を再度火炎堆積法で形成する。上部
クラッドガラス25にはBやPなどのドー
パントを添加してガラス転移温度を下げ、それぞれのコ
アガラス23と、コアガラス23の狭い隙間にも上部ク
ラッドガラス25が入り込むようにしている。
【0032】図7は、このようにして作製したAWGの
透過スペクトル(中央3ポートの特性)を示す図で、こ
のときの挿入損失は3.6dB、3dB透過幅は82G
Hzであった。図13に示す第1従来例の透過スペクト
ルと比較して、挿入損失が0.8dB増加したものの、
3dB透過幅は、58GHzから82GHzへ大幅に拡
大した。隣接クロストークは−18dBであった。この
結果は、第2従来例と比較して80GHzというほぼ同
程度の透過幅を実現するための過剰損失が、第2従来例
では、3〜4dBであったのに比べて本実施例では0.
8dBで実現された。このことは本実施例の大きな特徴
である。しかしその代わりに、第2従来例では、−30
dB以下の隣接クロストークを実現できているのに比べ
て、本実施例では−18dBしか得られていない。
【0033】したがって、クロストークが重要な意味を
持つ分波器として使用する場合は、第2従来例のタイプ
のAWGの方が有利である。しかし、AWGを光合波器
として使用する場合、挿入損失と3dB透過幅が最も重
要でクロストークは問題にならない。このため、光合波
器としては第2従来例よりも本実施例のAWGの方が、
挿入損失が低い分だけ優れている。
【0034】[第2の実施形態]図8は、本実施形態の
100GHz間隔16チャンネルAWGの回路構成を示
す図で、第1および第2のスラブ導波路32,35に接
続するテーパ導波路幅が等しい代わりに、第1および第
2のスラブ導波路端における焦点の波長依存性(線分散
と呼ぶ)が互いに異なる。より詳しくは、第1のスラブ
導波路端における線分散を第2のスラブ導波路端におけ
る線分散よりも大きな値とした。第1のスラブ導波路端
の線分散が第2のスラブ導波路端の線分散よりも大きい
ために、第2のスラブ導波路端では単一波長の入射光が
結ぶ光強度分布が入力テーパ導波路端における導波モー
ドよりも小さくなる。この光強度分布に対して入力テー
パ導波路幅と等しい幅を有する出力テーパ導波路を接続
すると、その重なり積分で決まる透過スペクトル幅は広
くなる。これが本実施形態の透過スペクトル幅を広げる
ための原理である。なお、図中符号31は入力導波路、
33はシリコン基板、34はアレイ導波路、36は出力
導波路を示している。
【0035】次に、第1のスラブ導波路端における線分
散を第2のスラブ導波路端における線分散よりも大きな
値にするための方法について説明する。
【0036】スラブ導波路端における線分散は次式で与
えられる。
【0037】
【数1】
【0038】ここで、xはスラブ端での位置、λは光波
長、fはスラブ長(焦点距離)、mは回折次数(整
数)、dはスラブ導波路に接続するアレイ導波路の間
隔、nはスラブ導波路における実効屈折率、nはチ
ャンネル導波路の群屈折率、nはチャンネル導波路の
実効屈折率をそれぞれ意味する。
【0039】本実施例では、第1のスラブ導波路端にお
ける線分散を第2のスラブ導波路端における線分散より
も大きくするために、(1)式からわかるように第1の
スラブ導波路長f1を第2のスラブ導波路長f2よりも
大きな値に設定した。具体的には、第1のスラブ導波路
長f1を9.6mm、第2のスラブ導波路長f2を4.
8mmとした。この結果として得られた透過スペクトル
はほぼ図7に示したものと同じであった。挿入損失は
3.8dB、3dB透過幅は79GHzであった。
【0040】本実施例の方法は、第1の実施形態と原理
的には等しい。第1の実施形態が第1のスラブ導波路端
での光強度分布がそのまま第2のスラブ導波路端に転写
されて、その光強度分布よりも広い導波モードを有する
出力テーパ導波路を接続することで、僅かな過剰損失と
引き替えに広い透過スペクトル幅を実現した。これに対
して、本実施例では、第1のスラブ導波路端の線分散を
第2のスラブ導波路端の線分散よりも大きく設計するこ
とにより、第2のスラブ導波路端に結ぶ光強度分布を細
くして、その分布に比べて広い導波モードを有する出力
テーパ導波路を接続することにより、僅かな過剰損失と
引き替えに広い透過スペクトル幅を実現した。
【0041】第1及び第2のスラブ導波路の焦点距離は
互いに異ならせたAWGは、既に特願平9−15658
9号に記載されている。しかしながら、この特願平9−
156589号における目的は、「チャンネル波長間隔
が入力側と出力側とで異なるAWGを実現する」ことに
あり、その透過スペクトル幅に関しては記載されていな
い。本発明のAWGは、基本的に多入力1出力の光合波
器としての応用を想定しており、特願平9−15658
9号に記載された目的とは異なる。つまり、本発明の目
的は、前述したとおり、透過スペクトル幅を広げること
にあり、特願平9−156589号にはその点の記載は
なされていない。
【0042】[第3の実施形態]図9は、本実施形態の
100GHz間隔16チャンネルAWGの回路構成を示
す図で、図10は、図9のC部の拡大図、図11は、図
9のD部の拡大図をそれぞれ示す図である。図中符号4
1は入力導波路、42は第1のスラブ導波路、43はシ
リコン基板、44はアレイ導波路、44a,44bはテ
ーパ導波路、45は第2のスラブ導波路、46は出力導
波路を示している。
【0043】本実施形態のAWGの透過スペクトル幅を
広げるための原理は、第2の実施形態と等しい。すなわ
ち、第1のスラブ導波路端における線分散を第2のスラ
ブ導波路端における線分散よりも大きな値となるように
AWGの設計を行った。第2の実施形態との差異は、第
2の実施形態では第1のスラブ導波路長を第2のスラブ
導波路長よりも長く設計したのに対して、本実施例では
両者を等しくする代わりに第1のスラブ導波路に接続す
るアレイ導波路間隔dを第2のスラブ導波路に接続す
るアレイ導波路間隔dよりも小さくした。具体的に
は、dを12μm、dを25μmと設定した。この
結果として得られた透過スペクトルはほぼ図7に示した
ものと同じであった。挿入損失は3.9dB、3dB透
過幅は82GHzであった。
【0044】[第4の実施形態]本実施形態の100G
Hz間隔16チャンネルAWGでは、アレイ導波路に故
意に緩やかな周期の位相誤差を与えることにより、第2
のスラブ導波路出力端での光強度分布に焦点ぼけを発生
させてその半値幅を広げることにより、透過スペクトル
幅を広げている。アレイ導波路に与える位相誤差はミク
ロンオーダであるため、本実施形態のAWGの外観は図
1とほぼ等しくなる。
【0045】アレイ導波路の長さL(単位μm)は、
次式で与えた。 L=L+64.2・m+0.32・m (2) ここでmはアレイ導波路番号(1,2,…,100)、
は最も短いアレイ導波路の長さ(通常10.000μ
m程度)を意味する。実際に石英系ガラス導波路を用い
て作製したAWGの挿入損失は5.2dB、3dB透過
幅は78GHzであった。
【0046】上述した本発明の各実施形態では、シリコ
ン基板上の石英系ガラス導波路を用いたAWGを示した
が、その導波路材料がポリイミド、シリコン、半導体、
LiNbOなどであっても本発明の原理は適用可能で
ある。また、基板もシリコンに限定するものではない。
【0047】本発明の要旨は、単一波長の光を入力導波
路から入射したときに生じる第2スラブ導波路出力端で
の光強度分布と第2スラブ導波路出力端に接続する出力
導波路の導波モードの光強度分布が共にガウス形状であ
り、かつその半値幅が故意に異なることを特徴とする。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、単
一波長の光を前記入力導波路から入射したときに生じる
第2のスラブ導波路の出力端での光強度分布と、第2の
スラブ導波路の出力端に接続する出力導波路の導波モー
ドの光強度分布が共にガウス形状であり、かつその半値
幅が異なるようにしたので、僅かな過剰損失で広い透過
スペクトル幅を実現するアレイ導波路格子型光波長合分
波器が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるAWGの回路
構成図である。
【図2】図1のA部の拡大図(上面図)である。
【図3】図1のB部の拡大図(上面図)である。
【図4】第1の実施形態のAWGにおいて第2テーパ導
波路幅を変化させたときの3dB透過スペクトル幅(計
算結果)を示すグラフである。
【図5】第1の実施形態のAWGにおいて第2テーパ導
波路幅を変化させたときの過剰損失(計算結果)を示す
グラフである。
【図6】石英系ガラス導波路作製方法を説明するための
図である。
【図7】第1の実施形態におけるAWGの透過スペクト
ル(中央3ポートの特性)を示すグラフである。
【図8】第2の実施形態におけるAWGの回路構成図で
ある。
【図9】第3の実施形態におけるAWGの回路構成図で
ある。
【図10】図9のC部の拡大図(上面図)である。
【図11】図9のD部の拡大図(上面図)である。
【図12】従来のAWG回路構成図である。
【図13】従来のガウス型AWGの透過スペクトル(中
央3ポートの特性)を示すグラフである。
【図14】従来のフラット型AWGの透過スペクトル
(中央3ポートの特性)を示すグラフである。
【符号の説明】
1,31,41,51 入力導波路 1a,6a,44a,44b テーパ導波路 2,32,42,52 第1のスラブ導波路 3,32,43,53 シリコン基板 4,34,44,54 アレイ導波路 5,34,45,55 第2のスラブ導波路 6,36,46,56 出力導波路 21 シリコン基板 22 下部クラッドガラススート 23 コアガラススート 24 エッチングマスク 25 上部クラッドガラス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鬼頭 勤 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 日比野 善典 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 2H047 KA04 KA12 LA01 LA19 PA01 PA22 PA24 QA02 QA03 QA04 QA05 TA27

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された第1のスラブ導波路
    と、第2のスラブ導波路と、それらを結ぶ互いに長さの
    異なる複数のアレイ導波路と、前記第1のスラブ導波路
    の入力端に接続する複数本の入力導波路と、前記第2の
    スラブ導波路の出力端に接続する1本あるいは複数本の
    出力導波路とから構成されるアレイ導波路格子型光波長
    合分波器において、 単一波長の光を前記入力導波路から入射したときに生じ
    る前記第2のスラブ導波路の出力端での光強度分布と、
    前記第2のスラブ導波路の出力端に接続する出力導波路
    の導波モードの光強度分布が共にガウス形状であり、か
    つその半値幅が故意に異なるように設計されていること
    を特徴とするアレイ導波路格子型光波長合分波器。
  2. 【請求項2】 前記第1のスラブ導波路に接続する入力
    導波路幅と、前記第2のスラブ導波路に接続する出力導
    波路幅が互いに異なることを特徴とする請求項1に記載
    のアレイ導波路格子型光波長合分波器。
  3. 【請求項3】 前記第2のスラブ導波路に接続する出力
    導波路幅が、前記第1のスラブ導波路に接続する複数本
    の入力導波路間隔よりも広いことを特徴とする請求項2
    に記載のアレイ導波路格子型光波長合分波器。
  4. 【請求項4】 前記第1のスラブ導波路の長さと、前記
    第2のスラブ導波路の長さが互いに異なることを特徴と
    する請求項1に記載のアレイ導波路格子型光波長合分波
    器。
  5. 【請求項5】 前記第1のスラブ導波路に接続するアレ
    イ導波路の間隔と、前記第2のスラブ導波路に接続する
    アレイ導波路の間隔とが互いに異なることを特徴とする
    請求項1に記載のアレイ導波路格子型光波長合分波器。
  6. 【請求項6】 前記アレイ導波路において、隣接するア
    レイ導波路の長さの差が一定ではなく、アレイ導波路の
    長さがその番号に対して2次関数で表されることを特徴
    とする請求項1に記載のアレイ導波路格子型光波長合分
    波器。
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