JP2002202419A - アレイ導波路回折格子型光合分波器および光導波回路 - Google Patents

アレイ導波路回折格子型光合分波器および光導波回路

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JP2002202419A
JP2002202419A JP2000400362A JP2000400362A JP2002202419A JP 2002202419 A JP2002202419 A JP 2002202419A JP 2000400362 A JP2000400362 A JP 2000400362A JP 2000400362 A JP2000400362 A JP 2000400362A JP 2002202419 A JP2002202419 A JP 2002202419A
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waveguide
width
optical
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Kazuhisa Kashiwabara
一久 柏原
Kazutaka Nara
一孝 奈良
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Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1dB帯域幅が大きく、光損失が小さく、隣
接クロストークとバックグラウンドクロストークの劣化
を抑制できるアレイ導波路回折格子型光合分波器を提供
する。 【解決手段】 光入力導波路12と、第1のスラブ導波
路13と、互いの長さが設定量異なる複数のチャンネル
導波路14aを並設してなるアレイ導波路14と、第2
のスラブ導波路15と、複数の並設した光出力導波路1
6とを順に接続してなる導波路形成部10を基板11上
に形成する。少なくとも1本以上の光入力導波路12の
出射側にアレイ導波路14側に向かうにつれて拡幅する
台形状導波路5を設ける。台形状導波路5の上底4は光
入力導波路12の幅より広く、かつ、シングルモード条
件を満たす幅とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信分野などに
使用されるアレイ導波路回折格子型光合分波器および光
導波回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信においては、その伝送容量
を飛躍的に増加させる方法として、光波長多重通信の研
究開発が盛んに行なわれ、実用化が進みつつある。光波
長多重通信は、例えば互いに異なる波長を有する複数の
光を波長多重化して伝送させるものであり、このような
光波長多重通信のシステムにおいては、伝送される波長
多重光から互いに異なる複数の波長の光を分波したり、
互いに異なる複数の波長の光を合波する光合分波器が必
要である。
【0003】この種の光合分波器には、以下のような性
能が要求される。すなわち、第1に、情報の伝送容量を
高めるために、予め定められた設定波長範囲内におい
て、できるだけ狭い波長間隔で光の合分波を行なえるこ
とが要求される。例えば、波長1.55μm帯において
波長間隔が約0.8nmに相当する100GHz間隔の
光を合分波できることが要求される。
【0004】第2に、合波または分波する光の中心波長
付近において、低損失であることが要求される。例え
ば、波長1.55μm帯において、100GHz間隔の
光を合分波する素子には、上記中心波長付近における光
損失(光伝搬損失)を4dB以下とすることが波長多重
伝送システム側から要求されている。
【0005】第3に、合波または分波する各波長の光の
波長帯域が広いことが要求される。例えば、波長1.5
5μm帯において、100GHz間隔の光を合分波する
素子には、1dB帯域幅を0.2nm以上(好ましくは
0.24nm以上)とすることが波長多重伝送システム
側から要求されている。
【0006】第4に、隣接する通過波長間のクロストー
ク(以下、隣接クロストークと呼ぶ)と、隣接以遠の全
通過帯域における最悪クロストーク(以下、バックグラ
ウンドクロストークと呼ぶ)が共に低いこと、すなわ
ち、トータルクロストークが低いことが要求される。波
長多重システム側からの要求値は、例えば隣接クロスト
ークが−26dB以下、バックグラウンドクロストーク
が−30dB以下である。
【0007】上記要求性能のうち、第1の要求性能を満
たす光波長合分波器の一例として、アレイ導波路回折格
子(AWG;Arrayed Waveguide G
rating)型光合分波器がある。アレイ導波路回折
格子型光合分波器は、例えば図18の(a)に示すよう
な導波路構成を有する導波路形成領域10を基板11上
に形成したものである。
【0008】前記導波路構成は、1本以上の並設された
光入力導波路12の出射側に、第1のスラブ導波路13
が接続され、第1のスラブ導波路13の出射側には、ア
レイ導波路14が接続され、アレイ導波路14の出射側
には第2のスラブ導波路15が接続され、第2のスラブ
導波路15の出射側には複数の並設された光出力導波路
16が接続されて形成されている。
【0009】前記アレイ導波路14は、第1のスラブ導
波路13から導出された光を伝搬するものであり、複数
のチャンネル導波路14aを並設して形成されており、
隣り合うチャンネル導波路14aの長さは互いに設定量
(ΔL)異なるように形成されている。また、光入力導
波路12、光出力導波路16の太さは互いに等しく形成
されている。
【0010】なお、光出力導波路16は、例えばアレイ
導波路回折格子型光合分波器によって分波される互いに
異なる波長の信号光の数に対応させて設けられるもので
あり、アレイ導波路14を構成するチャンネル導波路1
4aは、通常、例えば100本といったように多数設け
られるが、同図においては、図の簡略化のために、これ
らのチャンネル導波路14a,光出力導波路16及び光
入力導波路12の本数を簡略的に示してある。
【0011】図18の(a)の鎖線枠A内の拡大図の概
略図が同図の(b)に示されており、この図に示すよう
に、従来のアレイ導波路回折格子型光合分波器において
は、やや曲線形状の光入力導波路12の出射側のほぼ直
線形状部分が第1のスラブ導波路13の入射側に直接接
続されている。また、同様に、第2のスラブ導波路15
の出射側に、やや曲線形状の光出力導波路16の入射側
のほぼ直線形状部分が直接接続されている。
【0012】光入力導波路12には、例えば送信側の光
ファイバが接続されて、波長多重光が導入されるように
なっており、光入力導波路12を通って第1のスラブ導
波路13に導入された光は、その回折効果によって広が
ってアレイ導波路14に入射し、アレイ導波路14を伝
搬する。
【0013】アレイ導波路14を伝搬した光は、第2の
スラブ導波路15に達し、さらに、光出力導波路16に
集光されて出力されるが、アレイ導波路14の隣り合う
チャンネル導波路14a長さが設定量互いに異なること
から、アレイ導波路14を伝搬した後に個々の光の位相
にずれが生じ、このずれ量に応じて集束光の波面が傾
き、この傾き角度により集光する位置が決まるため、波
長の異なった光の集光位置は互いに異なることになり、
その位置に光出力導波路16を形成することによって、
波長の異なった光を各波長ごとに異なる光出力導波路1
6から出力できる。
【0014】例えば、同図に示すように、1本の光入力
導波路12から波長λ1,λ2,λ3,・・・λn(n
は2以上の整数)の波長多重光を入力させると、これら
の光は、第1のスラブ導波路13で広げられ、アレイ導
波路14に到達し、アレイ導波路14と第2のスラブ導
波路15を通って、前記の如く、波長によって異なる位
置に集光され、互いに異なる光出力導波路16に入射
し、それぞれの光出力導波路16を通って、光出力導波
路16の出射端から出力される。そして、各光出力導波
路16の出射端に光出力用の光ファイバを接続すること
により、この光ファイバを介して、前記各波長の光が取
り出される。
【0015】このアレイ導波路回折格子型光合分波器に
おいては、回折格子の波長分解能の向上が回折格子を構
成するアレイ導波路14の各チャンネル導波路14a長
さの差(ΔL)に比例するために、ΔLを大きく設計す
ることにより、従来の回折格子では実現できなかった波
長間隔の狭い波長多重光の光合分波が可能となり、高密
度の光波長多重通信の実現に必要とされている、複数の
信号光の光合分波機能、すなわち、波長間隔が1nm以
下の複数の光信号を分波または合波する機能を果たすこ
とができる。
【0016】アレイ導波路回折格子型光合分波器は、例
えばシリコン(Si)からなる基板11上に、上記導波
路構成を有する導波路形成領域10を例えば以下のよう
にして形成することにより得られる。
【0017】すなわち、基板11上に火炎堆積法により
下部クラッド層(SiOが主成分)、コア層(例えば
GeOを添加したSiOが主成分のガラス)を順次
積層、透明ガラス化し、次いでフォトリソグラフィーと
ドライエッチングによりコア層を設定回路構成として上
記のような導波路構成をコアにより形成する。次に、コ
アの導波路構成を覆う上部クラッド層を火炎堆積法によ
り積層形成し、その後、基板11及び導波路形成領域1
0の全体を加熱して透明ガラス化して形成される。
【0018】そこで、本発明者は、このようなアレイ導
波路回折格子型光合分波器が、前記光合分波器に要求さ
れる要求性能を有するかどうかを確認するために、波長
1.55μm帯域において約0.8nmの波長間隔で光
を合分波できる16チャンネルのアレイ導波路回折格子
型光合分波器を上記のようにして試作し、その特性を求
めた。
【0019】なお、この試作のアレイ導波路回折格子型
光合分波器は、上記導波路構成を有するコアの高さを
6.5μmとし、光入力導波路12、光出力導波路16
の幅を6.5μmとし、導波路の比屈折率差Δを0.8
%として形成した。
【0020】その結果、前記光合分波器に要求される第
2要求性能である光損失は2.0dBと良好(低光損
失)であったが、第3要求特性である1dB帯域幅は
0.1nmで満足できる結果が得られなかった。
【0021】そこで、上記1dB帯域幅を広くするため
の検討を以下のようにして行なった。まず、図20に示
すような、特開平5―313029号に開示されている
テーパ構造のテーパ状導波路2を、図19の(a)、
(b)に示すように、アレイ導波路回折格子型光合分波
器の光入力導波路12の出射端側に設けた。そして、波
長1.55μm帯域において約0.8nmの波長間隔で
光を合分波できる16チャンネルのアレイ導波路回折格
子型光合分波器を形成し、その特性を求めた。
【0022】なお、このアレイ導波路回折格子型光合分
波器において、図20に示すテーパ状導波路2の出力端
(第1のスラブ導波路13への入射端)部でのテーパ導
波路幅W5を25μmとし、テーパ角度θ=0.23°
とした。
【0023】その結果、光合分波器への第2要求特性で
ある光損失は3.8dB、第3要求特性の1dB帯域幅
は0.3nmで、共に良好になった。しかし、上記光合
分波器への第4要求性能に関し、隣接クロストークが−
27dBで良好であるものの、バックグラウンドクロス
トークは−28dBで満足できる結果が得られなかっ
た。
【0024】なお、この検討に際し、隣接クロストーク
は通過帯(通過帯=通過波長±0.1nm)の中心波長
(以下、光透過中心波長と記す)に対して0.8±0.
1nmの隣接波長範囲内における光透過中心波長での損
失に対する最悪クロストークとし、バックグラウンドク
ロストークは光透過中心波長に対して1.5nm隣接以
遠の全通過帯域における最悪クロストークとした。
【0025】そこで、図22に示すような、特開平8―
122557号に開示されているスリット状構造のスリ
ット状導波路50を、図21の(a)、(b)に示すよ
うに、アレイ導波路回折格子型光合分波器の光入力導波
路12の出射端側に設けた。そして、波長1.55μm
帯域において約0.8nmの波長間隔で光を合分波でき
る16チャンネルのアレイ導波路回折格子型光合分波器
を形成し、その特性を求めた。
【0026】なお、スリット状導波路50は、図22に
示すように、テーパ角度θで拡幅するテーパ導波路部2
Aを有し、このテーパ導波路部2Aの中央部に台形状の
スリット19を形成することにより2本の狭幅導波路部
8が間隔を介して配置された構成と成している。狭幅導
波路部8同士の間隔は、図の左側から右側にかけて(す
なわち第1のスラブ導波路13側に向けて)、CWから
SWに徐々に広く形成されている。
【0027】ここで、光入力導波路12の導波路幅W1
は6.5μm、テーパ導波路部2Aのテーパ角度θ=
0.4°、テーパ導波路部2Aの出力端部における狭幅
導波路8同士の間隔CW=3.2μm、第1のスラブ導
波路12の入力端部における狭幅導波路8同士の間隔S
W=5.0μm、第1のスラブ導波路13との接続部幅
W5=18μmとした。また、各導波路の高さを6.5
μm、導波路の比屈折率差を0.8%とした。
【0028】その結果、前記光合分波器への第3要求特
性の広帯域化の指標としての1dB帯域幅は0.30n
mで良好であったが、第2要求特性である光損失は5d
Bと満足なものが得られず、また、光合分波器の第4要
求特性である隣接クロストークは−24dB、バックグ
ラウンドクロストークは−27dBで共に満足できない
ことが分かった。
【0029】次に、図24に示すような、特開平9―2
97228号に開示されているパラボリック構造のパラ
ボリック状導波路20を、図23の(a)、(b)に示
すように、アレイ導波路回折格子型光合分波器の光入力
導波路12の出射端側に設けた。そして、波長1.55
μm帯域において約0.8nmの波長間隔で光を合分波
できる16チャンネルのアレイ導波路回折格子型光合分
波器を形成し、その特性を求めた。
【0030】なお、このアレイ導波路回折格子型光合分
波器において、図24に示す光入力導波路12の幅W1
を6.5μm、パラボリックテーパ長さL8=420μ
m、パラボリックテーパ拡幅端幅W8=19μmとし
た。また、導波路の高さは6.5μm、導波路の比屈折
率差=0.8%とした。
【0031】その結果、前記光合分波器への第2要求特
性である光損失は3.2dBで良好であり、第3要求特
性である1dB帯域幅が0.22nmで良好であり、第
4要求特性の1つであるバックグラウンドクロストーク
は−33dBと良好であったが、隣接クロストークは−
24dBで満足できないことが分かった。
【0032】また、上記パラボリック状導波路20を有
する構成について、より詳細に特性を検討するために、
同一の寸法で5つの光合分波器を試作し、その特性を検
討したところ、表1のようになり、設計寸法が同じであ
るにもかかわらず、1dB帯域幅のばらつき及び隣接ク
ロストークのばらつきが大きいことが分かった。
【0033】
【表1】
【0034】前記の如く、一般に、波長多重光伝送シス
テム側から光合分波器に対し、1dB帯域幅を0.2n
m以上(好ましくは0.24nm以上)とすること、隣
接クロストークを−26dB以下、バックグラウンドク
ロストークを−30dB以下とすることが波長多重伝送
システム側から要求されている。
【0035】そこで、これらの要求値を規格値とする
と、表1のサンプル1〜5のうち、2個は不良となっ
て、歩留まりは3/5となってしまう。また、この規格
のうち、1dB帯域幅のみをより好ましい値である0.
24nm以上とした場合、表1のサンプル1〜5のう
ち、4個は不良となって、歩留まりは1/5となってし
まう。
【0036】以上のように、従来提案されている様々な
構成を適用しても、光合分波器の前記第1から第4の要
求特性を全て満足でき、歩留まりが高いアレイ導波路回
折格子型光合分波器を得ることはできなかった。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記従来
のアレイ導波路回折格子型光合分波器と、上記テーパ状
導波路2、スリット状導波路50、パラボリック状導波
路20のいずれか1つの構成を光入力導波路12の出力
端側に設けたアレイ導波路回折格子型光合分波器におい
て、第1のスラブ導波路13に入射する光の光電界振幅
分布(光振幅)を周知のビーム伝搬法によりシミュレー
トし、その結果から、以下の着想を得た。
【0038】すなわち、従来のアレイ導波路回折格子型
光合分波器においては、光電界振幅分布は、図14に示
すように鋭いピークの一山形状を呈しており、この山の
周りの光電界振幅はほぼ0である。
【0039】それに対し、テーパ状導波路2を光入力導
波路12の出力端に設けた場合、光電界振幅分布は、図
15に示すように、テーパ状導波路2を設けない場合に
比べて滑らかなピークの一山形状を呈している。また、
この山の両端には、光電界振幅がほぼ0になるところ
(図のAの位置)を経て僅かな光電界振幅を有する領域
a1,a2が形成される。この領域a1,a2は、山の
ピークの中心から離れる方向に光電界振幅分布が広がっ
ている。
【0040】また、スリット状導波路50を光入力導波
路12の出力端に設けた場合、光電界振幅分布は図16
に示すように二山形状を呈しており、なだらかな裾野部
分b1,b2が形成され、また、二山の外側(ピーク中
心から離れる方向)になだらかに広がる分布も形成され
る。
【0041】さらに、パラボリック状導波路20を光入
力導波路12の出力端に設けた場合、光電界振幅分布
は、図17に示すように、パラボリック状導波路20を
設けない場合に比べて滑らかなピークの一山形状を呈し
ている。また、この山の両端には、袴状の分布c1,c
2が形成されるが、この部分よりもピークの中心から離
れる方向には光電界振幅分布が広がっていない。
【0042】本発明者は、上記図14、図15、図1
6、図17にそれぞれ示した各光電界振幅分布と、前記
光合分波器に要求される要求特性に関する検討結果とを
参照し、山の頂点付近の幅が広ければ1dB帯域幅を広
くできること、山の頂点付近からの光電界振幅分布の広
がり方がなだらかな場合には隣接クロストークが劣化
し、ピークの中心から離れる方向に光電界振幅分布が広
がっている場合は、バックグラウンドクロストークが劣
化することを推論した。
【0043】そして、この推論に基づき、アレイ導波路
回折格子型光合分波器の光入力導波路12側から第1の
スラブ導波路13に入射する光の電界振幅分布が、第1
のスラブ導波路13の入射面において以下の形状の電界
振幅分布となるようにすれば、光損失を小さくし、1d
B帯域幅を大きくし、さらに、隣接クロストーク及びバ
ックグラウンドクロストークの劣化を抑制できると考え
た。
【0044】すなわち、上記第1のスラブ導波路13に
入射する光の電界振幅分布を、一山形状とし、その山の
頂点における幅は、図18に示したアレイ導波路回折格
子型光合分波器における第1のスラブ導波路13に入射
する光の電界振幅分布の幅(図14参照)よりも広く、
図15に示した領域a1,a2、図16に示した裾野部
分b1,b2、図17に示した袴状の部分c1,c2を
いずれも生じない形状の光電界振幅分布形状となるよう
にすれば、上記効果を発揮できると考えた。
【0045】また、上記検討結果は、アレイ導波路回折
格子型光合分波器のみならず、他の光合分波器等を構成
する様々な光導波回路に適用可能であると考えた。
【0046】本発明は上記検討に基づき、上記従来の課
題を解決するために成されたものであり、その目的は、
合分波する波長が広帯域で1dB帯域幅が広く、隣接ク
ロストーク及びバックグラウンドクロストークが共に小
さく、低損失のアレイ導波路回折格子型光合分波器およ
び光導波回路を提供することにある。
【0047】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は次のような構成をもって課題を解決するた
めの手段としている。すなわち、第1の発明のアレイ導
波路回折格子型光合分波器は、1本以上の並設された光
入力導波路の出射側に第1のスラブ導波路が接続され、
該第1のスラブ導波路の出射側には該第1のスラブ導波
路から導出された光を伝搬する互いの長さが設定量異な
る複数のチャンネル導波路が並設されて成るアレイ導波
路が接続され、該アレイ導波路の出射側には第2のスラ
ブ導波路が接続され、該第2のスラブ導波路の出射側に
は複数の並設された光出力導波路が接続されて成る導波
路構成を有し、前記少なくとも1本以上の光入力導波路
の出射側と前記少なくとも1本以上の出力導波路の入射
側の少なくとも一方には、対応する光入力導波路または
光出力導波路の幅よりも広幅で、かつ、シングルモード
条件を満たす端部幅を有するシングルモード端部幅導波
路が接続されており、該シングルモード端部幅導波路の
少なくとも一部分にアレイ導波路側に向かうにつれて拡
幅する形状の拡幅導波路を有している構成をもって課題
を解決する手段としている。
【0048】また、第2の発明のアレイ導波路回折格子
型光合分波器は、上記第1の発明の構成に加え、1本以
上の光入力導波路と拡幅導波路の間と、1本以上の光出
力導波路と拡幅導波路の間の少なくとも一方には、直線
導波路が介設されており、該直線導波路は対応する光入
力導波路または光出力導波路の幅よりも狭幅と成してい
る構成をもって課題を解決する手段としている。
【0049】さらに、第3の発明のアレイ導波路回折格
子型光合分波器は、上記第1の発明の構成に加え、1本
以上の光入力導波路と拡幅導波路の間と、1本以上の光
出力導波路と拡幅導波路の間の少なくとも一方には、対
応する拡幅導波路の狭幅端の幅と同じ幅の等幅導波路が
形成されている構成をもって課題を解決する手段として
いる。
【0050】さらに、第4の発明のアレイ導波路回折格
子型光合分波器は、上記第1の発明の構成に加え、1本
以上の光入力導波路と拡幅導波路の間と、1本以上の光
出力導波路と拡幅導波路の間の少なくとも一方には、対
応する拡幅導波路の狭幅端の幅と同じ幅の等幅導波路が
形成されており、この等幅導波路に対応する光入力導波
路と光出力導波路の少なくとも一方と等幅導波路との間
には、前記対応する光入力導波路または光出力導波路の
幅よりも狭幅の狭幅直線導波路が設けられている構成を
もって課題を解決する手段としている。
【0051】さらに、第5の発明のアレイ導波路回折格
子型光合分波器は、1本以上の並設された光入力導波路
の出射側に第1のスラブ導波路が接続され、該第1のス
ラブ導波路の出射側には該第1のスラブ導波路から導出
された光を伝搬する互いの長さが設定量異なる複数のチ
ャンネル導波路が並設されて成るアレイ導波路が接続さ
れ、該アレイ導波路の出射側には第2のスラブ導波路が
接続され、該第2のスラブ導波路の出射側には複数の並
設された光出力導波路が接続されて成る導波路構成を有
し、前記少なくとも1本以上の光入力導波路の出射側と
前記少なくとも1本以上の出力導波路の入射側の少なく
とも一方には、アレイ導波路側に向かうにつれて拡幅す
る台形状導波路が接続されており、該台形状導波路の前
記アレイ導波路と反対側の端部幅は対応する光入力導波
路または光出力導波路の幅よりも広幅で、かつ、シング
ルモード条件を満たす幅である構成をもって課題を解決
する手段としている。
【0052】さらに、第6の発明のアレイ導波路回折格
子型光合分波器は、上記第5の発明の構成に加え、1本
以上の光入力導波路と台形状導波路の間と、1本以上の
光出力導波路と台形状導波路の間の少なくとも一方に
は、直線導波路が介設されており、該直線導波路は対応
する光入力導波路または光出力導波路の幅よりも狭幅と
成している構成をもって課題を解決する手段としてい
る。
【0053】さらに、第7の発明のアレイ導波路回折格
子型光合分波器は、上記第5の発明の構成に加え、前記
1本以上の光入力導波路と台形状導波路の間と、1本以
上の光出力導波路と台形状導波路の間の少なくとも一方
には、対応する台形状導波路の狭幅端の幅と同じ幅の等
幅導波路が形成されている構成をもって課題を解決する
手段としている。
【0054】さらに、第8の発明のアレイ導波路回折格
子型光合分波器は、上記第5の発明の構成に加え、1本
以上の光入力導波路と台形状導波路の間と、1本以上の
光出力導波路と台形状導波路の間の少なくとも一方に
は、対応する台形状導波路の狭幅端の幅と同じ幅の等幅
導波路が形成されており、この等幅導波路に対応する光
入力導波路と光出力導波路の少なくとも一方と等幅導波
路との間には、前記対応する光入力導波路または光出力
導波路の幅よりも狭幅の狭幅直線導波路が設けられてい
る構成をもって課題を解決する手段としている。
【0055】さらに、第9の発明の光導波回路は、シン
グルモード導波路に、該シングルモード導波路の幅より
も広幅で、かつ、シングルモード条件を満たす端部幅を
有するシングルモード端部幅導波路が接続されており、
該シングルモード端部幅導波路の少なくとも一部分に光
の進行方向に向かうにつれて拡幅する形状の拡幅導波路
を有する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0056】さらに、第10の発明の光導波回路は、上
記第9の発明の構成に加え、前記拡幅導波路は台形状導
波路であることを特徴とする構成をもって課題を解決す
る手段としている。
【0057】本発明者は、合分波する波長が広帯域で1
dB帯域幅が広く、隣接クロストーク及びバックグラウ
ンドクロストークが共に小さく、低光損失のアレイ導波
路回折格子型光合分波器を構成するために、光入力導波
路と第1のスラブ導波路との接続部構成に着目し、様々
に検討を行なった。
【0058】そして、例えばアレイ導波路回折格子型光
合分波器の少なくとも1本以上の光入力導波路の出射側
に、以下に示す特徴的な導波路構成を接続することによ
り、光入力導波路側から第1のスラブ導波路に入射する
光の電界振幅分布(第1のスラブ導波路の入射端部にお
ける光電界振幅分布)を、一山形状とし、その山の頂点
における幅は広く、裾野部分が切り落とされた形状(す
なわち、図15に示した領域a1,a2、図16に示し
た裾野部分b1,b2、図17に示した袴状の部分c
1,c2等をいずれも生じない形状)にできることを見
出した。
【0059】上記特徴的な導波路構成は、対応する光入
力導波路の幅よりも広幅で、かつ、シングルモード条件
を満たす端部幅を有するシングルモード端部幅導波路が
接続されており、該シングルモード端部幅導波路の少な
くとも(その長手方向の)一部分にアレイ導波路側に向
かうにつれて拡幅する形状の拡幅導波路を有する構成で
ある。なお、シングルモード端部幅導波路は、光入力導
波路側の幅を対応する光入力導波路の幅よりも広幅で、
かつ、シングルモード条件を満たす端部幅としている。
【0060】上記シングルモード端部幅導波路は、例え
ば、第1のスラブ導波路側に向かうにつれて拡幅する台
形状導波路として、この台形状導波路の斜辺はほぼ直線
状とし、台形状導波路の上底(光入力導波路側の辺)を
光入力導波路の幅よりも広幅で、かつ、シングルモード
条件を満たす幅である構成とすることができる。
【0061】したがって、本発明のアレイ導波路回折格
子型光合分波器において、上記構成の台形状導波路を接
続することにより、第1のスラブ導波路の入射面におい
て、光入力導波路側から第1のスラブ導波路に入射する
光の電界振幅分布を、その入射端で上記のような頂点付
近の幅が広く裾野部分が切り落とされた一山形状にでき
る。
【0062】なお、上記シングルモード条件を満たす幅
は、以下のようにして求められるものである。すなわ
ち、まず、光ファイバを伝搬する光の規格化周波数ν
は、一般に、以下の式(数1)により表わされることが
知られている。
【0063】
【数1】
【0064】ここで、aは光ファイバのコア半径、n
はコア屈折率、nはクラッド屈折率、kは規格化波
数であり、k=2π/λで与えられる。なお、λは光
の波長である。
【0065】また、上記式(数1)を矩形導波路に対応
させると、矩形導波路の幅(もしくは高さ)をWとした
とき、a=w/2.5と置くことで比較的良好に近似で
きることが分かっている。したがって、(数1)は次式
(数2)により近似できる。
【0066】
【数2】
【0067】また、シングルモード条件を満たすために
は、次式(数3)を満たすことが必要となり、(数2)
と(数3)から式(数4)が導かれる。
【0068】
【数3】
【0069】
【数4】
【0070】例えば、アレイ導波路回折格子型光合分波
器などの光導波回路の比屈折率差Δを0.8%とし、伝
搬する光の波長λを1.55μmとし、屈折率n
1.4560、屈折率n=1.4443とすると、w
は8.03μm未満となる。
【0071】一般に、現在用いられているアレイ導波路
回折格子型光合分波器において、光入力導波路の幅は
6.5μmであり、上記台形状導波路の上底幅を8.0
3μm未満(例えば7.5μm程度)にすることによ
り、上記シングルモード条件を満たし、かつ、対応する
光入力導波路の幅よりも広くすることができるので、台
形状導波路に入射した光はシングルモード条件を満たし
たまま、その幅方向に広がり、上記効果を発揮すること
になる。
【0072】本発明のアレイ導波路回折格子型光合分波
器は、上記検討に基づいて、例えば光入力導波路の出射
端側に上記台形状導波路等のシングルモード端部幅導波
路を設けることにより、第1のスラブ導波路の入射面に
おける光入力導波路側から第1のスラブ導波路に入射す
る光の電界振幅分布を、頂点付近の幅が広く裾野部分が
切り落とされた一山形状にすることができ、それによ
り、1dB帯域幅が広く、光損失が小さく、隣接クロス
トーク及びバックグラウンドクロストークが低いアレイ
導波路回折格子型光合分波器を提供することが可能とな
る。
【0073】なお、シングルモード端部幅導波路は、上
記のように、例えば台形状導波路そのものとすることも
できるし、拡幅導波路としての台形状導波路を有する構
成とすることもできる。
【0074】本発明において、例えば光入力導波路と台
形状導波路等の拡幅導波路との間に光入力導波路幅より
狭幅の直線導波路を設けることにより、光入力導波路が
曲線部を有していて、光がこの曲線部を伝搬するときに
光強度分布の中心位置が光入力導波路幅方向中心位置か
らずれたとしても、直線導波路を通るときに光強度分布
の中心位置を直線導波路中心に移動させることができ、
光強度中心を拡幅導波路(例えば台形状導波路)の幅方
向中心に入射できるため、拡幅導波路を出射する光強度
分布形状を全体的に歪みの無いものとすることが可能と
なる。
【0075】なお、アレイ導波路回折格子型光合分波器
は光回路の相反性を利用して形成されているので、各光
出力導波路の入射側に、対応する光出力導波路の幅より
も広幅で、かつ、シングルモード条件を満たす端部幅を
有するシングルモード端部幅導波路が接続されており、
該シングルモード端部幅導波路の少なくとも(その長手
方向の)一部分にアレイ導波路側に向かうにつれて拡幅
する形状の拡幅導波路を有する場合も同様に、1dB帯
域幅が広く、光損失が小さく、隣接クロストーク及びバ
ックグラウンドクロストークが低いアレイ導波路回折格
子型光合分波器を提供することが可能となる。
【0076】なお、上記の場合、シングルモード端部幅
導波路は、光出力導波路側の幅を対応する光出力導波路
の幅よりも広幅で、かつ、シングルモード条件を満たす
端部幅とする。
【0077】また、上記本発明のアレイ導波路回折格子
型光合分波器の構成は、簡単な構成であるため、容易に
製造可能で、製造歩留まりの高いアレイ導波路回折格子
型光合分波器となる。
【0078】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。なお、本実施形態例の説明におい
て、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重
複説明は省略する。図1の(a)には、本発明に係るア
レイ導波路回折格子型光合分波器の第1実施形態例の要
部構成斜視図が、その動作と共に模式的に示されてお
り、図1の(b)には、同図の(a)に示す破線枠A内
の拡大平面図が示されている。さらに、この拡大図にお
ける1本の光入力導波路12の端部をより具体的に示し
たものが、図2に示されている。
【0079】本実施形態例は、図1の(a)に示すよう
に、従来例のアレイ導波路回折格子とほぼ同様に構成さ
れており、本実施形態例が従来例および前記説明した各
提案例と異なる特徴的なことは、図1の(b)および図
2に示すように、各光入力導波路12の出射側に、対応
する光入力導波路12の幅よりも広幅で、かつ、シング
ルモード条件を満たす端部幅を有するシングルモード端
部幅導波路としての台形状導波路5が接続されているこ
とである。
【0080】図2に示す構成は、シングルモード導波路
としての光入力導波路12の出射側に、シングルモード
端部幅導波路としての台形状導波路5を接続した構成で
ある。また、台形状導波路5は、光の進行方向に向かう
につれて(この場合、第1のスラブ導波路13側に向か
うにつれて)拡幅する形状の拡幅導波路である。
【0081】図2に示すように、本実施形態例におい
て、各光入力導波路12の幅はW1、台形状導波路5の
アレイ導波路4と反対側の端部(上底4)の幅はW3で
ある。台形状導波路5は、テーパ角度θで拡幅してお
り、台形状導波路5の斜辺3はほぼ直線状(実質的にほ
ぼ直線)と成している。台形状導波路5の幅は、台形状
導波路5の全領域において、対応する光入力導波路12
の幅よりも広幅と成し、台形状導波路5の下底6の幅は
W4である。下底6は僅かに曲線状と成している。
【0082】本実施形態例において、上記パラメータ
は、以下のように形成されている。すなわち、光入力導
波路12の幅W1=6.5μm、台形状導波路5の上底
4の幅W3=7.5μm、テーパ角度θ=0.2°、台
形状導波路5の下底6の幅W4=19.0μmである。
また、本実施形態例のアレイ導波路回折格子型光合分波
器は、波長1.55μm帯において約0.8nmの波長
間隔で(言い換えれば波長間隔100GHzで)光波長
合分波を行なう機能を有するものとした。
【0083】本実施形態例は以上のように構成されてお
り、本実施形態例でも、従来のアレイ導波路回折格子と
同様に、光入力導波路12には、例えば送信側の光ファ
イバが接続されて、波長多重光が導入されるようになっ
ているが、本実施形態例では、光入力導波路12を通っ
た光は、台形状導波路5に入射する。
【0084】台形状導波路5に入射された光は導波路幅
方向に広がり、ついで、台形状導波路5において光電界
振幅分布を変化させながら進行していく。そして、台形
状導波路5が第1のスラブ導波路13側に向かうにつれ
て拡幅していることから、光の進行に伴って光電界振幅
分布の山頂付近の幅を広げながら、また、光電界振幅分
布の裾野部分は切り落とされながら進行していくと考え
られる。
【0085】図3には、この光電界振幅分布をビーム伝
搬法でシミュレーションしたときの第1のスラブ導波路
13の入射端における光電界振幅分布が示されている。
同図に示すように、光電界振幅分布は、一山形状を呈し
ており、その山頂付近における幅は広く、かつ、裾野部
分(両端側)の立ち上がりが非常に良好である(図15
に示した領域a1,a2、図16に示した裾野部分b
1,b2、図17に示した袴状の部分c1,c2を有し
ていない)。
【0086】本実施形態例によれば、光入力導波路12
の出射側に、直線導波路1と台形状導波路5を接続する
ことにより、光電界振幅分布を上記のように変化させ、
台形状導波路5の出射端(言い換えれば第1のスラブ導
波路13の入射面)における光の電界振幅分布を、図3
に示すような形状にでき、1dB帯域幅が広く、光損失
が小さく、隣接クロストーク及びバックグラウンドクロ
ストークが低いアレイ導波路回折格子型光合分波器を提
供することができる。
【0087】また、本実施形態例は、各光入力導波路1
2の出射側に、第1のスラブ導波路13側に向かうにつ
れて拡幅する、斜辺3がほぼ直線状の台形状導波路5を
接続した簡単な構成であるため、容易に製造可能で、製
造歩留まりの高いアレイ導波路回折格子型光合分波器と
することができる。
【0088】(実施例)以下、上記第1実施形態例の実
施例について説明する。上記設計値に基づき、上記第1
実施形態例のアレイ導波路回折格子型光合分波器を複数
製造し、それらの性能を検討した。
【0089】その結果、光損失は2.9dB、1dB帯
域幅は0.26nm、隣接クロストークは−34dB、
バックグラウンドクロストークは−40dBとなり、い
ずれの特性も良好となった。なお、図4には、本実施例
の光透過率の波長特性を示すスペクトルが示されてい
る。
【0090】また、表2に示すように、光損失、1dB
帯域幅、隣接クロストーク、バックグラウンドクロスト
ークのばらつきは小さく、アレイ導波路回折格子型光合
分波器の歩留まりも高いことが確認できた。
【0091】
【表2】
【0092】次に、本発明に係るアレイ導波路回折格子
型光合分波器の第2実施形態例について説明する。な
お、本第2実施形態例の説明において、上記第1実施形
態例との重複説明は省略する。図5の(a)には、本第
2実施形態例のアレイ導波路回折格子型光合分波器の要
部構成斜視図が、その動作と共に模式的に示されてお
り、図bの(b)には、同図の(a)に示す破線枠A内
の拡大平面図が示されている。さらに、この拡大図にお
ける1本の光入力導波路12の端部をより具体的に示し
たものが、図6に示されている。
【0093】本第2実施形態例は上記第1実施形態例と
ほぼ同様に構成されており、本第2実施形態例が上記第
1実施形態例と異なる特徴的なことは、光入力導波路1
2と台形状導波路5の間に、対応する光入力導波路12
の幅よりも狭幅の直線導波路(狭幅直線導波路)1が介
設されていることである。
【0094】各直線導波路1の幅方向の中心は、対応す
る台形状導波路5の入射端の幅方向の中心と位置合わせ
されている。各直線導波路1は、各直線導波路1に接続
されている光入力導波路12を伝搬してきた光信号のパ
ワーの中心を直線導波路1の幅方向の中心に移動させ
て、該光信号パワー中心を台形状導波路5の入射端の幅
方向の中心に入射させる光パワー中心位置調整手段と成
している。直線導波路1の幅はW2であり、その長さは
L1である。
【0095】本第2実施形態例において、直線導波路1
の幅W2=3.0μm、直線導波路1の長さL1=50
0μmとし、それ以外の上記パラメータ(W1、W3、
θ、W4)は上記第1実施形態例におけるパラメータと
同じ値にした。また、本第2実施形態例のアレイ導波路
回折格子型光合分波器は、上記第1実施形態例と同様
に、波長1.55μm帯において約0.8nmの波長間
隔で光波長合分波を行なう機能を有するものとした。
【0096】本第2実施形態例は以上のように構成され
ており、本第2実施形態例において、光入力導波路12
に導入された波長多重光は、直線導波路1に入射し、直
線導波路1によって、光パワーの中心が直線導波路1の
中心に移動させられ、光パワーの中心が台形状導波路5
の幅方向の中心に入射する。
【0097】そして、台形状導波路5に入射された光
は、上記第1実施形態例と同様に、導波路幅方向に広が
り、ついで、台形状導波路5において光電界振幅分布を
変化させながら進んでいく。そして、上記第1実施形態
例と同様に、光の進行に伴って光電界振幅分布の山頂付
近の幅を広げながら、光電界振幅分布の裾野部分は切り
落とされながら進行していくと考えられる。
【0098】図7には、この光電界振幅分布をビーム伝
搬法でシミュレーションしたときの第1のスラブ導波路
13の入射端における光電界振幅分布が示されている。
同図に示すように、上記第1実施形態例と同様に、光電
界振幅分布は、一山形状を呈しており、その山頂付近に
おける幅は広く、かつ、裾野部分(両端側)の立ち上が
りが非常に良好となった。
【0099】本第2実施形態例も上記第1実施形態例と
同様の効果を奏することができる。
【0100】また、本第2実施形態例では、光入力導波
路12と台形状導波路5との間に、直線導波路1を介設
しているので、直線導波路1によって光強度の中心を台
形状導波路5の幅方向の中心に入射することができる。
【0101】そのため、本第2実施形態例は、たとえ光
入力導波路12を伝搬する光強度の中心位置が光入力導
波路12の幅方向中心位置からずれていたとしても、そ
の光強度の中心位置を台形状導波路5の幅方向の中心に
入射し、光電界振幅分布をより一層確実に、上記形状と
することができ、光損失特性、1dB帯域幅、隣接クロ
ストーク及びバックグラウンドクロストークが良好なア
レイ導波路回折格子型光合分波器とすることができる。
【0102】(実施例)以下、上記第2実施形態例の実
施例について説明する。上記設計値に基づき、上記第2
実施形態例のアレイ導波路回折格子型光合分波器を複数
製造し、その性能を検討した。
【0103】その結果、光損失は2.7dB、1dB帯
域幅は0.26nm、隣接クロストークは−31dB、
バックグラウンドクロストークは−37dBとなり、い
ずれの特性も良好となった。また、同一設計の上記第2
実施形態例のアレイ導波路回折格子型光合分波器におい
て、光損失、1dB帯域幅、隣接クロストーク、バック
グラウンドクロストークのばらつきを検討したところ、
いずれもばらつきは小さいことが確認できた。
【0104】次に、本発明に係るアレイ導波路回折格子
型光合分波器の第3実施形態例について説明する。な
お、本第3実施形態例の説明において、上記第1、第2
実施形態例との重複説明は省略する。図8には、本第3
実施形態例のアレイ導波路回折格子型光合分波器の要部
構成斜視図が、その動作と共に模式的に示されており、
図8の(b)には、同図の(a)に示す破線枠A内の拡
大平面図が示されている。さらに、この拡大図における
1本の光入力導波路12の端部をより具体的に示したも
のが、図9に示されている。
【0105】本第3実施形態例は上記第1実施形態例と
ほぼ同様に構成されており、本第3実施形態例が上記第
1実施形態例と異なる特徴的なことは、光入力導波路1
2と台形状導波路5の間に、台形状導波路5の狭幅端の
幅と同じ幅の等幅導波路9が形成されていることであ
る。
【0106】本第3実施形態例においても台形状導波路
5は、シングルモード導波路としての光入力導波路12
の光出射側に設けられ、光の進行方向に向かうにつれて
拡幅する形状の拡幅導波路と同様に機能する。
【0107】本第3実施形態例において、等幅導波路9
の幅(台形状導波路5の上底4の幅)W3=7.5μ
m、等幅導波路9の長さL2=250μmとしており、
それ以外の上記パラメータ(W1、θ、W4)は上記第
1実施形態例におけるパラメータと同じ値にした。ま
た、本第3実施形態例のアレイ導波路回折格子型光合分
波器は、上記第1実施形態例と同様に、波長1.55μ
m帯において約0.8nmの波長間隔で光波長合分波を
行なう機能を有するものとした。
【0108】図10には、この光電界振幅分布をビーム
伝搬法でシミュレーションしたときの第1のスラブ導波
路13の入射端における光電界振幅分布が示されてい
る。同図に示す光電界振幅分布は、上記第1実施形態例
と同様に、一山形状を呈しており、その山頂付近におけ
る幅は広く、かつ、裾野部分(両端側)の立ち上がりが
非常に良好となった。
【0109】本第3実施形態例も上記第1実施形態例と
同様の効果を奏することができる。
【0110】(実施例)以下、上記第3実施形態例の実
施例について説明する。上記設計値に基づき、上記第2
実施形態例のアレイ導波路回折格子型光合分波器を製造
し、その性能を検討した。
【0111】その結果、光損失は2.8dB、1dB帯
域幅は0.26nm、隣接クロストークは−32dB、
バックグラウンドクロストークは−40dBとなった。
また、同一設計の第3実施形態例のアレイ導波路回折格
子型光合分波器において、光損失、1dB帯域幅、隣接
クロストーク、バックグラウンドクロストークのばらつ
きを検討したところ、いずれもばらつきは小さいことが
確認できた。
【0112】次に、本発明に係るアレイ導波路回折格子
型光合分波器の第4実施形態例について説明する。な
お、本第4実施形態例の説明において、上記各実施形態
例との重複説明は省略する。図11の(a)には、本第
4実施形態例のアレイ導波路回折格子型光合分波器の要
部構成斜視図が、その動作と共に模式的に示されてお
り、図11の(b)には、同図の(a)に示す破線枠A
内の拡大平面図が示されている。さらに、この拡大図に
おける1本の光入力導波路12の端部をより具体的に示
したものが、図12に示されている。
【0113】本第4実施形態例は上記第3実施形態例と
ほぼ同様に構成されており、本第4実施形態例が上記第
3実施形態例と異なる特徴的なことは、光入力導波路1
2と等幅導波路9の間に、対応する光入力導波路12の
幅よりも狭幅の直線導波路(狭幅直線導波路)1が介設
されていることである。
【0114】各直線導波路1の幅方向の中心は、対応す
る等幅導波路9の入射端の幅方向の中心と位置合わせさ
れている。各直線導波路1は、各直線導波路1に接続さ
れている光入力導波路12を伝搬してきた光信号のパワ
ーの中心を直線導波路1の幅方向の中心に移動させて、
該光信号パワー中心を等幅導波路9の入射端の幅方向の
中心に入射させる。直線導波路1の幅はW2であり、そ
の長さはL1である。
【0115】本第4実施形態例において、直線導波路1
の幅W2=3.0μm、直線導波路1の長さL1=50
0μmとし、それ以外の上記パラメータ(W1、W3、
θ、W4、L2)は上記第3実施形態例におけるパラメ
ータと同じ値にした。また、本第4実施形態例のアレイ
導波路回折格子型光合分波器も、上記各実施形態例と同
様に、波長1.55μm帯において約0.8nmの波長
間隔で光波長合分波を行なう機能を有するものとした。
【0116】本第4実施形態例は以上のように構成され
ており、本第4実施形態例において、光入力導波路12
に導入された波長多重光は、直線導波路1に入射し、直
線導波路1によって、光パワーの中心が直線導波路1の
中心に移動させられ、光パワーの中心が等幅導波路9の
幅方向の中心に入射する。
【0117】そして、等幅導波路9に入射された光は、
上記第2実施形態例と同様に、導波路幅方向に広がり、
ついで、台形状導波路5において光電界振幅分布を変化
させながら進んでいき、上記第3実施形態例と同様の効
果を奏する。
【0118】図13には、この光電界振幅分布をビーム
伝搬法でシミュレーションしたときの第1のスラブ導波
路13の入射端における光電界振幅分布が示されてい
る。同図に示す光電界振幅分布は、上記各実施形態例と
同様に一山形状を呈しており、その山頂付近における幅
は広く、かつ、裾野部分(両端側)の立ち上がりが非常
に良好となった。
【0119】また、本第4実施形態例では、光入力導波
路12と等幅導波路9との間に、直線導波路1を介設し
ているので、直線導波路1によって光強度の中心を等幅
状導波路9の幅方向の中心に入射することができる。
【0120】そのため、本第4実施形態例では、たとえ
光入力導波路12を伝搬する光強度の中心位置が光入力
導波路12の幅方向中心位置からずれていたとしても、
その光強度の中心位置を等幅導波路9の幅方向の中心に
入射し、光電界振幅分布をより一層確実に、上記形状と
することができ、光損失特性、1dB帯域幅、隣接クロ
ストーク及びバックグラウンドクロストークが良好なア
レイ導波路回折格子型光合分波器とすることができる。
【0121】(実施例)以下、上記第4実施形態例の実
施例について説明する。上記設計値に基づき、上記第4
実施形態例のアレイ導波路回折格子型光合分波器を複数
製造し、その性能を検討した。
【0122】その結果、光損失は2.8dB、1dB帯
域幅は0.26nm、隣接クロストークは−30dB、
バックグラウンドクロストークは−35dBとなった。
また、同一設計の第4実施形態例のアレイ導波路回折格
子型光合分波器において、光損失、1dB帯域幅、隣接
クロストーク、バックグラウンドクロストークのばらつ
きを検討したところ、いずれもばらつきは小さいことが
確認できた。
【0123】以上のように、上記各実施形態例のような
本発明の新たな構成によって初めて、上記優れた効果を
奏することができる優れたアレイ導波路回折格子型光合
分波器を提供できることが確認できた。
【0124】なお、本発明は上記実施形態例に限定され
ることはなく様々な実施の態様を採り得る。例えば、上
記各実施形態例では、各光入力導波路12の出射側に台
形状導波路5を設けたが、少なくとも1本以上の光入力
導波路12の出射側に台形状導波路5を設けてもよい
し、少なくとも1本以上の光出力導波路16の入射側に
第2のスラブ導波路15に向かうにつれて拡幅する台形
状導波路5を接続してもよい。また、少なくとも1本以
上の光入力導波路12の出射側と少なくとも1本以上の
光出力導波路16の入射側の両方に上記台形状導波路5
を設けてもよい。
【0125】いずれも場合も、台形状導波路5は、アレ
イ導波路14側に向かうにつれて拡幅する台形状導波路
とし、かつ、該台形状導波路5の前記アレイ導波路14
と反対側の端部幅を、対応する光入力導波路12または
光出力導波路16の幅よりも広幅で、かつ、シングルモ
ード条件を満たす幅とすることにより、上記各実施形態
例と同様の効果を奏することができる。
【0126】さらに、少なくとも1本以上の光出力導波
路16側に台形状導波路5を設ける場合に、該光出力導
波路16と台形状導波路5の間に、上記第1実施形態例
のような直線導波路1を介設してもよい。また、該光出
力導波路16と台形状導波路5の間に、上記第3、4実
施形態例のように、等幅導波路9や直線導波路(狭幅直
線導波路)1を形成してもよい。
【0127】なお、光出力導波路16側に台形状導波路
5を設ける場合は、台形状導波路5のアレイ導波路14
と反対側の幅を光出力導波路16の幅よりも広幅と成
し、かつ、シングルモード条件を満たす幅とする。ま
た、各光出力導波路16と台形状導波路5の間に直線導
波路1を介設する場合は、該直線導波路1の幅を光出力
導波路16の幅よりも狭幅と成すようにする。さらに、
例えば台形状導波路5の斜辺はほぼ直線状とすることが
できる。
【0128】さらに、本発明において、台形状導波路の
幅や長さやテーパ角度、直線状導波路の長さや幅、等幅
導波路の長さ等は、例えば図3、図7、図10、図13
に示したような光電界振幅分布のシミュレーション結果
等に基づいて、アレイ導波路回折格子型光合分波器の仕
様に合わせて上記各値を設定することにより、上記各実
施形態例のような優れた効果を奏するアレイ導波路回折
格子型光合分波器とすることができる。
【0129】さらに、本発明のアレイ導波路回折格子型
光合分波器に適用されるシングルモード端部幅導波路は
必ずしも台形状導波路を有する構成とするとは限らず、
シングルモード端部幅導波路は、対応する光入力導波路
または光出力導波路の幅よりも広幅で、かつ、シングル
モード条件を満たす端部幅を有する構成とし、かつ、該
シングルモード端部幅導波路の少なくとも一部分にアレ
イ導波路側に向かうにつれて拡幅する形状の拡幅導波路
を有している構成とすればよい。
【0130】さらに、上記各実施形態例は、例えば図
2、図6、図9、図12に示したような本発明の構成を
アレイ導波路回折格子型光合分波器の回路構成の一部分
として適用したが、本発明の光導波回路は、アレイ導波
路回折格子型光合分波器以外の回路構成の光導波回路に
適用してもよい。
【0131】さらに、本発明の光導波回路に適用される
シングルモード端部幅導波路は必ずしも台形状導波路を
有する構成とするとは限らず、シングルモード端部幅導
波路は、対応する光入力導波路または光出力導波路の幅
よりも広幅で、かつ、シングルモード条件を満たす端部
幅を有する構成とし、かつ、シングルモード端部幅導波
路の少なくとも一部分にアレイ導波路側に向かうにつれ
て拡幅する形状の拡幅導波路を有している構成とすれば
よい。
【0132】
【発明の効果】本発明のアレイ導波路回折格子型光合分
波器は、例えば光入力導波路の出射側に、対応する光入
力導波路の幅よりも広幅で、かつ、シングルモード条件
を満たす端部幅を有するシングルモード端部幅導波路を
接続し、該シングルモード端部幅導波路の少なくとも一
部分にアレイ導波路側に向かうにつれて拡幅する形状の
拡幅導波路を有しているものである。なお、シングルモ
ード端部幅導波路の前記アレイ導波路と反対側の端部
(光入力導波路側の端部)が対応する光入力導波路の幅
よりも広幅で、かつ、シングルモード条件を満たす幅で
ある。
【0133】上記構成の本発明のアレイ導波路回折格子
型光合分波器は、その上記特徴的な構成によりシングル
モード条件を満たしたまま、光をシングルモード端部幅
導波路の幅方向に広げ、アレイ導波路側(第1のスラブ
導波路側)に向かうにつれて光電界振幅分布の山頂付近
の幅が広く、裾野部分の立ち上がりが良好な一山形状と
することができる。
【0134】したがって、上記構成の本発明のアレイ導
波路回折格子型光合分波器によれば、光損失が小さく、
1dB帯域幅が広く、隣接クロストーク及びバックグラ
ウンドクロストークが小さいアレイ導波路回折格子型光
合分波器とすることができる。
【0135】上記シングルモード端部幅導波路は、例え
ばアレイ導波路側に向かうにつれて拡幅する台形状導波
路とすることができる。また、シングルモード端部幅導
波路は、上記拡幅導波路として台形状導波路を有する構
成とすることができる。この場合、光を台形状導波路の
幅方向に広げ、その後、アレイ導波路側(第1のスラブ
導波路側)に向かうにつれて光電界振幅分布をその山頂
付近の幅が広く、裾野部分の立ち上がりが良好な一山形
状とすることができ、上記効果を奏することができる。
【0136】また、上記本発明のアレイ導波路回折格子
型光合分波器の構成は、簡単な構成であるため、容易に
製造可能で、製造歩留まりの高いアレイ導波路回折格子
型光合分波器とすることができる。
【0137】また、アレイ導波路回折格子型光合分波器
は、光回路の相反性を有しているために、本発明のアレ
イ導波路回折格子型光合分波器において、光出力導波路
の入射側に、対応する光出力導波路の幅よりも広幅で、
かつ、シングルモード条件を満たす端部幅を有するシン
グルモード端部幅導波路を接続し、該シングルモード端
部幅導波路の少なくとも一部分にアレイ導波路側に向か
うにつれて拡幅する形状の拡幅導波路を有する構成とし
た場合も、同様の効果を奏することができる。
【0138】なお、この場合も、上記シングルモード端
部幅導波路は、例えばアレイ導波路側に向かうにつれて
拡幅する台形状導波路とすることができる。また、シン
グルモード端部幅導波路は、上記拡幅導波路として台形
状導波路を有する構成とすることができる。
【0139】また、上記台形状導波路等の拡幅導波路の
狭幅端に該狭幅端と同じ幅の等幅導波路を形成したアレ
イ導波路回折格子型光合分波器においても、上記と同様
の効果を奏することができる。
【0140】さらに、各光入力導波路と台形状導波路等
の拡幅導波路との間に光入力導波路よりも狭幅の直線導
波路を介設したり、等幅導波路を形成した構成において
狭幅導波路と対応する光入力導波路の間に狭幅直線導波
路を設けた本発明のアレイ導波路回折格子型光合分波器
によれば、光入力導波路が曲線部を有していて、光がこ
の曲線部を伝搬するときに光強度分布の中心位置が光入
力導波路幅方向中心位置からずれたとしても、直線導波
路を通るときに光強度分布の中心位置を直線導波路中心
に移動させることができる。したがって、この構成によ
り、光強度中心を台形状導波路等の拡幅導波路の幅方向
中心に入射できるため、台形状導波路等の拡幅導波路を
出射する光強度分布形状を全体的に歪みの無いものとす
ることができる。
【0141】また、アレイ導波路回折格子型光合分波器
は、光回路の相反性を有しているために、台形状導波路
等の拡幅導波路と対応する光出力導波路との間に光出力
導波路よりも狭幅の直線導波路を介設した本発明のアレ
イ導波路回折格子型光合分波器や、等幅導波路と対応す
る光出力導波路との間に狭幅直線導波路を介設した本発
明のアレイ導波路回折格子型光合分波器においても、上
記と同様の効果を奏することができる。
【0142】さらに、本発明の光導波回路は、シングル
モード導波路に、該シングルモード導波路の幅よりも広
幅で、かつ、シングルモード条件を満たす端部幅を有す
るシングルモード端部幅導波路が接続されており、該シ
ングルモード端部幅導波路の少なくとも一部分に光の進
行方向に向かうにつれて拡幅する形状の拡幅導波路を有
する構成とすることにより、前記シングルモード端部幅
導波路から出力する光の電界振幅分布を、その山頂付近
の幅を広くし、裾野部分の立ち上がりが良好な一山形状
とすることができると考えられる。
【0143】したがって、この構成をアレイ導波路回折
格子型光合分波器などの様々な回路構成に適用すること
により、例えば合分波する光の平坦性を向上でき、隣接
クロストークやバックグラウンドクロストークを低減で
きる等の効果を発揮できる。
【0144】また、拡幅導波路は台形状導波路である本
発明の光導波回路においては、非常に簡単な導波路構成
で、上記効果を効率的に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアレイ導波路回折格子型光合分波
器の第1実施形態例を模式的に示す構成図である。
【図2】上記第1実施形態例における光入力導波路の出
力端側構成を具体的に示す説明図である。
【図3】上記第1実施形態例における台形状導波路の出
力端における光電界振幅分布を示すグラフである。
【図4】上記第1実施形態例のアレイ導波路回折格子型
光合分波器の一実施例における光透過率の波長特性を示
すグラフである。
【図5】本発明に係るアレイ導波路回折格子型光合分波
器の第2実施形態例を模式的に示す構成図である。
【図6】上記第2実施形態例における光入力導波路の出
力端側構成を具体的に示す説明図である。
【図7】上記第2実施形態例における台形状導波路の出
力端における光電界振幅分布を示すグラフである。
【図8】本発明に係るアレイ導波路回折格子型光合分波
器の第3実施形態例を模式的に示す構成図である。
【図9】上記第3実施形態例における光入力導波路の出
力端側構成を具体的に示す説明図である。
【図10】上記第3実施形態例における台形状導波路の
出力端における光電界振幅分布を示すグラフである。
【図11】本発明に係るアレイ導波路回折格子型光合分
波器の第4実施形態例を模式的に示す構成図である。
【図12】上記第4実施形態例における光入力導波路の
出力端側構成を具体的に示す説明図である。
【図13】上記第4実施形態例における台形状導波路の
出力端における光電界振幅分布を示すグラフである。
【図14】従来のアレイ導波路回折格子型光合分波器に
おける光入力導波路の出力端における光電界振幅分布を
示すグラフである。
【図15】光入力導波路の出射側にテーパ状導波路を設
けたアレイ導波路回折格子型光合分波器におけるテーパ
状導波路の出力端における光電界振幅分布を示すグラフ
である。
【図16】光入力導波路の出射側にスリット状導波路を
設けたアレイ導波路回折格子型光合分波器におけるスリ
ット状導波路の出力端における光電界振幅分布を示すグ
ラフである。
【図17】光入力導波路の出射側にパラボリック状導波
路を設けたアレイ導波路回折格子型光合分波器における
パラボリック状導波路の出力端における光電界振幅分布
を示すグラフである。
【図18】従来のアレイ導波路回折格子型光合分波器の
構成を示す模式図である。
【図19】光入力導波路の出射側にテーパ状導波路を設
けたアレイ導波路回折格子型光合分波器の説明図であ
る。
【図20】図19に示すアレイ導波路回折格子型光合分
波器における光入力導波路の出力端側構成を示す説明図
である。
【図21】光入力導波路の出射側にスリット状導波路を
設けたアレイ導波路回折格子型光合分波器の説明図であ
る。
【図22】図21に示すアレイ導波路回折格子型光合分
波器における光入力導波路の出力端側構成を示す説明図
である。
【図23】光入力導波路の出射側にパラボリック状導波
路を設けたアレイ導波路回折格子型光合分波器の説明図
である。
【図24】図23に示すアレイ導波路回折格子型光合分
波器における光入力導波路の出力端側構成を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 直線導波路(狭幅直線導波路) 3 斜辺 4 上底 5 台形状導波路 6 下底 9 等幅導波路 11 基板 12 光入力導波路 13 第1のスラブ導波路 14 アレイ導波路 15 第2のスラブ導波路 16 光出力導波路

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1本以上の並設された光入力導波路の出
    射側に第1のスラブ導波路が接続され、該第1のスラブ
    導波路の出射側には該第1のスラブ導波路から導出され
    た光を伝搬する互いの長さが設定量異なる複数のチャン
    ネル導波路が並設されて成るアレイ導波路が接続され、
    該アレイ導波路の出射側には第2のスラブ導波路が接続
    され、該第2のスラブ導波路の出射側には複数の並設さ
    れた光出力導波路が接続されて成る導波路構成を有し、
    前記少なくとも1本以上の光入力導波路の出射側と前記
    少なくとも1本以上の出力導波路の入射側の少なくとも
    一方には、対応する光入力導波路または光出力導波路の
    幅よりも広幅で、かつ、シングルモード条件を満たす端
    部幅を有するシングルモード端部幅導波路が接続されて
    おり、該シングルモード端部幅導波路の少なくとも一部
    分にアレイ導波路側に向かうにつれて拡幅する形状の拡
    幅導波路を有していることを特徴とするアレイ導波路回
    折格子型光合分波器。
  2. 【請求項2】 1本以上の光入力導波路と拡幅導波路の
    間と、1本以上の光出力導波路と拡幅導波路の間の少な
    くとも一方には、直線導波路が介設されており、該直線
    導波路は対応する光入力導波路または光出力導波路の幅
    よりも狭幅と成していることを特徴とする請求項1記載
    のアレイ導波路回折格子型光合分波器。
  3. 【請求項3】 1本以上の光入力導波路と拡幅導波路の
    間と、1本以上の光出力導波路と拡幅導波路の間の少な
    くとも一方には、対応する拡幅導波路の狭幅端の幅と同
    じ幅の等幅導波路が形成されていることを特徴とする請
    求項1記載のアレイ導波路回折格子型光合分波器。
  4. 【請求項4】 1本以上の光入力導波路と拡幅導波路の
    間と、1本以上の光出力導波路と拡幅導波路の間の少な
    くとも一方には、対応する拡幅導波路の狭幅端の幅と同
    じ幅の等幅導波路が形成されており、この等幅導波路に
    対応する光入力導波路と光出力導波路の少なくとも一方
    と等幅導波路との間には、前記対応する光入力導波路ま
    たは光出力導波路の幅よりも狭幅の狭幅直線導波路が設
    けられていることを特徴とする請求項1記載のアレイ導
    波路回折格子型光合分波器。
  5. 【請求項5】 1本以上の並設された光入力導波路の出
    射側に第1のスラブ導波路が接続され、該第1のスラブ
    導波路の出射側には該第1のスラブ導波路から導出され
    た光を伝搬する互いの長さが設定量異なる複数のチャン
    ネル導波路が並設されて成るアレイ導波路が接続され、
    該アレイ導波路の出射側には第2のスラブ導波路が接続
    され、該第2のスラブ導波路の出射側には複数の並設さ
    れた光出力導波路が接続されて成る導波路構成を有し、
    前記少なくとも1本以上の光入力導波路の出射側と前記
    少なくとも1本以上の出力導波路の入射側の少なくとも
    一方には、アレイ導波路側に向かうにつれて拡幅する台
    形状導波路が接続されており、該台形状導波路の前記ア
    レイ導波路と反対側の端部幅は対応する光入力導波路ま
    たは光出力導波路の幅よりも広幅で、かつ、シングルモ
    ード条件を満たす幅であることを特徴とするアレイ導波
    路回折格子型光合分波器。
  6. 【請求項6】 1本以上の光入力導波路と台形状導波路
    の間と、1本以上の光出力導波路と台形状導波路の間の
    少なくとも一方には、直線導波路が介設されており、該
    直線導波路は対応する光入力導波路または光出力導波路
    の幅よりも狭幅と成していることを特徴とする請求項5
    記載のアレイ導波路回折格子型光合分波器。
  7. 【請求項7】 1本以上の光入力導波路と台形状導波路
    の間と、1本以上の光出力導波路と台形状導波路の間の
    少なくとも一方には、対応する台形状導波路の狭幅端の
    幅と同じ幅の等幅導波路が形成されていることを特徴と
    する請求項5記載のアレイ導波路回折格子型光合分波
    器。
  8. 【請求項8】 1本以上の光入力導波路と台形状導波路
    の間と、1本以上の光出力導波路と台形状導波路の間の
    少なくとも一方には、対応する台形状導波路の狭幅端の
    幅と同じ幅の等幅導波路が形成されており、この等幅導
    波路に対応する光入力導波路と光出力導波路の少なくと
    も一方と等幅導波路との間には、前記対応する光入力導
    波路または光出力導波路の幅よりも狭幅の狭幅直線導波
    路が設けられていることを特徴とする請求項5記載のア
    レイ導波路回折格子型光合分波器。
  9. 【請求項9】 シングルモード導波路に、該シングルモ
    ード導波路の幅よりも広幅で、かつ、シングルモード条
    件を満たす端部幅を有するシングルモード端部幅導波路
    が接続されており、該シングルモード端部幅導波路の少
    なくとも一部分に光の進行方向に向かうにつれて拡幅す
    る形状の拡幅導波路を有することを特徴とする光導波回
    路。
  10. 【請求項10】 拡幅導波路は台形状導波路であること
    を特徴とする請求項9記載の光導波回路。
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