JP4460031B2 - アレイ導波路型回折格子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば波長多重光通信において光合分波器として用いられるアレイ導波路型回折格子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信においては、その伝送容量を飛躍的に増加させる方法として、光波長多重通信の研究開発が盛んに行なわれ、実用化が進みつつある。光波長多重通信は、例えば互いに異なる波長を有する複数の光を多重して伝送させるものであり、このような光波長多重通信のシステムにおいては、伝送される多重光から、光受信側で波長ごとの光を取り出すために、予め定められた波長の光のみを透過する光透過デバイス等を、システム内に設けることが不可欠である。
【0003】
光透過デバイスの一例として、図6に示すような平板光導波路回路(PLC;Planar Lightwave Circuit)のアレイ導波路型回折格子(AWG;Arrayed Waveguide Grating)がある。アレイ導波路型回折格子は、シリコンなどの基板1上に、同図に示すような導波路構成を備えた導波路形成領域10を石英系ガラス等により形成したものである。
【0004】
アレイ導波路型回折格子の導波路構成は、1本以上の並設された光入力導波路2の出射側に、第1のスラブ導波路3が接続され、第1のスラブ導波路3の出射側には複数の並設されたアレイ導波路4が接続され、アレイ導波路4の出射側には第2のスラブ導波路5が接続され、第2のスラブ導波路5の出射側には複数の並設された光出力導波路6が接続されて形成されている。
【0005】
前記アレイ導波路4は、第1のスラブ導波路3から導出された光を伝搬するものであり、互いに異なる長さに形成され、隣り合うアレイ導波路4の長さは互いにΔL異なっている。なお、光入力導波路2や光出力導波路6は、例えばアレイ導波路型回折格子によって分波あるいは合波される互いに異なる波長の信号光の数に対応させて設けられるものであり、アレイ導波路4は、通常、例えば100本といったように多数設けられるが、同図においては、図の簡略化のために、これらの光入力導波路2、アレイ導波路4、光出力導波路6の各々の本数を簡略的に示してある。
【0006】
所定の1本の光入力導波路2には、例えば送信側の光ファイバ(図示せず)が接続されて、波長多重光が導入されるようになっており、該光入力導波路2を通って第1のスラブ導波路3に導入された光は、その回折効果によって広がって各アレイ導波路4に入射し、アレイ導波路4を伝搬する。
【0007】
このアレイ導波路4を伝搬した光は、第2のスラブ導波路5に達し、さらに、光出力導波路6に集光されて出力されるが、全てのアレイ導波路4の長さが互いに異なることから、アレイ導波路4を伝搬した後に個々の光の位相にずれが生じ、このずれ量に応じて集束光の波面が傾き、この傾き角度により集光する位置が決まる。
【0008】
そのため、波長の異なった光の集光位置は互いに異なることになり、その位置に光出力導波路6を形成することによって、波長の異なった光(分波光)を各波長ごとに異なる光出力導波路6から出力できる。
【0009】
すなわち、アレイ導波路型回折格子は、1本の光入力導波路2から入力される互いに異なる複数の波長をもった多重光から1つ以上の波長の光を分波して各光出力導波路6から出力する光分波機能を有しており、分波される光の中心波長は、アレイ導波路4の長さの差(ΔL)及びその実効屈折率nに比例する。
【0010】
アレイ導波路型回折格子は、上記のような特性を有するために、アレイ導波路型回折格子を波長多重伝送用の波長多重分波器として用いることができ、例えば図6に示すように、1本の光入力導波路2から波長λ1,λ2,λ3,・・・λn(nは2以上の整数)の波長多重光を入力させると、これらの各波長の光は、第1のスラブ導波路3で広げられ、アレイ導波路4に到達し、第2のスラブ導波路5を通って、前記の如く、波長によって異なる位置に集光され、互いに異なる光出力導波路6に入射し、それぞれの光出力導波路6を通って、光出力導波路6の出射端から出力される。
【0011】
そして、各光出力導波路6の出射端に光出力用の光ファイバ(図示せず)を接続することにより、この光ファイバを介して、前記各波長の光が取り出される。なお、各光出力導波路6や前述の光入力導波路2に光ファイバを接続するときには、例えば光ファイバを1次元アレイ状に配列固定した光ファイバ配列具を用意し、この光ファイバアレイを光出力導波路6や光入力導波路2の接続端面側に固定して光ファイバと光出力導波路6及び光入力導波路2を接続する。
【0012】
上記アレイ導波路型回折格子において、各光出力導波路6から出力される光の光透過特性(アレイ導波路型回折格子の透過光強度の波長特性)は、各光透過中心波長(例えばλ1,λ2,λ3,・・・λn)を中心とし、それぞれの対応する光透過中心波長から波長がずれるにしたがって光透過率が小さくなる光透過特性を示す。
【0013】
また、アレイ導波路型回折格子は、光の相反性(可逆性)の原理を利用しているため、光分波器としての機能と共に、光合波器としての機能も有している。すなわち、図6とは逆に、互いに異なる複数の波長の光をそれぞれの波長ごとにそれぞれの光出力導波路6から入射させると、これらの光は、上記と逆の伝搬経路を通り、アレイ導波路4によって合波され、1本の光入力導波路2から出射される。
【0014】
このようなアレイ導波路型回折格子においては、前記の如く、回折格子の波長分解能が回折格子を構成するアレイ導波路4の長さの差(ΔL)に比例するために、ΔLを大きく設計することにより、従来の回折格子では実現できなかった波長間隔の狭い波長多重光の光合分波が可能となり、高密度の光波長多重通信の実現に必要とされている、複数の信号光の光合分波機能、すなわち、波長間隔が1nm以下の複数の光信号を分波または合波する機能を果たすことができる。
【0015】
上記のようなアレイ導波路型回折格子を作製するときには、例えば、まず、火炎加水分解堆積法を用いて、シリコン等の基板1上にアンダークラッド膜、コア膜を順に形成し、その後、アレイ導波路回折格子の導波路構成が描かれたフォトマスクを介してフォトリソグラフィー、反応性イオンエッチング法を用い、コア膜にアレイ導波路回折格子パターンを転写する。その後、焼結してガラス化し、再度、火炎加水分解堆積法を用いてオーバークラッド膜を形成し、再度焼結してガラス化することにより、導波路形成領域を形成し、アレイ導波路型回折格子が作製される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のアレイ導波路型回折格子は、元来、石英系ガラス材料を主とするために、この石英系ガラス材料の温度依存性に起因してアレイ導波路型回折格子の前記光透過中心波長が温度に依存してシフトする。この温度依存性は、1つの光出力導波路6からそれぞれ出力される光の透過中心波長をλ、前記アレイ導波路4を形成するコアの等価屈折率をnc、基板(例えばシリコン基板)1の熱膨張係数をαs、アレイ導波路型回折格子の温度変化量をTとしたときに、(数1)により示されるものである。
【0017】
【数1】
Figure 0004460031
【0018】
ここで、従来の一般的なアレイ導波路型回折格子において、(数1)から前記光透過中心波長の温度依存性を求めてみる。従来の一般的なアレイ導波路型回折格子においては、dn/dT=1×10−5(℃−1)、α=3.0×10−6(℃−1)、n=1.451(波長1.55μmにおける値)であるから、これらの値を(数1)に代入する。
【0019】
また、波長λは、各光出力導波路6についてそれぞれ異なるが、各波長λの温度依存性は等しい。そして、現在用いられているアレイ導波路型回折格子は、波長1550nmを中心とする波長帯の波長多重光を分波したり合波したりするために用いられることが多いので、ここでは、λ=1550nmを(数1)に代入する。そうすると、従来の一般的なアレイ導波路型回折格子の前記光透過中心波長の温度依存性は、(数2)に示す値となる。
【0020】
【数2】
Figure 0004460031
【0021】
なお、dλ/dTの単位は、nm/℃である。例えばアレイ導波路型回折格子の使用環境温度が+20℃変化したとすると、各光出力導波路6から出力される光透過中心波長は0.30nm長波長側にシフトするものであり、前記使用環境温度変化が70℃以上になると、前記光透過中心波長のシフト量が1nm以上になってしまう。
【0022】
アレイ導波路型回折格子は1nm以下の非常に狭い間隔で波長を分波または合波できることが特徴であり、この特徴を生かして波長多重光通信用に適用されるものであるため、上記のように、使用環境温度変化によって光透過中心波長が上記シフト量だけ変化することは致命的である。
【0023】
そこで、従来から温度により光透過中心波長が変化しないように、アレイ導波路型回折格子の温度を一定に保つためのペルチェ素子等を有する温度調節手段を設けたアレイ導波路型回折格子が提案されているが、上記温度調節手段を用いてアレイ導波路型回折格子の温度を一定に保つためには、ペルチェ素子等に例えば1Wといった通電を常時行なわなければならず、コストがかかり、しかも、ペルチェ素子やその制御機構を形成する部品の組立ずれ等に起因して、光透過中心波長シフトを正確に抑制できないことがあった。
【0024】
そこで、上記課題を解決するために、図7に示すような構成のアレイ導波路型回折格子が提案された(特願平11−270201号、特願2000−021533号に提案されているものであり、未だ公開になっていない)。
【0025】
同図に示すアレイ導波路回折格子は、基板1上に石英系ガラスによって形成された導波路形成領域10を形成している。導波路形成領域10には従来例と同様に、1本の光入力導波路2、第1のスラブ導波路3、複数のアレイ導波路4、第2のスラブ導波路5、複数の光出力導波路6が設けられており、前記アレイ導波路4、光出力導波路6は、それぞれ予め定められた導波路間隔を介して並設されているが、同図に示すアレイ導波路回折格子においては、第1のスラブ導波路3が、第1のスラブ導波路3を通る光の経路と交わる切断面8で切断分離されている。
【0026】
なお、同図では、切断面8は、図のX方向と成しており、切断面8によって、前記導波路形成領域10は、導波路形成領域10aと導波路形成領域10bとに切断分離されている。また、光入力導波路2には、光ファイバ配列具21に固定された光ファイバ23が接続され、各光出力導波路6には、光ファイバ配列具22に固定された光ファイバテープ24の光ファイバ(図示せず)がそれぞれ接続されている。
【0027】
図7に示すアレイ導波路回折格子の特徴的なことは、前記の如く、第1のスラブ導波路3が第1のスラブ導波路3を通る光の経路と交わる切断面8で分離スラブ導波路3a,3bに切断分離されており、この分離された分離スラブ導波路3b側の導波路形成領域10b側を固定し、分離スラブ導波路3a側の導波路形成領域10aを前記切断面8に沿ってスライド移動させることにより前記光透過中心波長をシフトさせるようにしたことである。
【0028】
図7のアレイ導波路型回折格子において、上記スライド移動を行なうスライド移動機構は、高熱膨張係数部材7、ベース9、係止部材14を設けて構成されている。高熱膨張係数部材7は、導波路形成領域10aの上面に沿って設けられた上板部7aと導波路形成領域10aの側面に沿って設けられた側板部(図示されていない)とを有するL字形状の部材であり、側板部が固定部11でベース9に固定されており、上板部7aが導波路形成領域10aに接着剤13によって固定されている。
【0029】
前記係止部材14は、導波路形成領域10aの上面に沿って設けられた上板部14aと導波路形成領域10aの側面に沿って設けられた側板部(図示されていない)とを有するL字形状の部材であり、側板部が固定部12でベース9に固定されている。係止部材14の上板部の内壁と導波路形成領域10aの上面とは当接しており、導波路形成領域10aのスライド移動時に、導波路形成領域10aがベース9に対して上方側(XY平面に垂直なZ軸方向)に変位しないようになっている。また、側板部の内壁と導波路形成領域10aの側面とは間隔を介しており、導波路形成領域10aのスライド移動が支障なく行なえるようになっている。
【0030】
同図に示すアレイ導波路回折格子において、アレイ導波路回折格子の使用環境温度が変化すると、高熱膨張部材7が導波路形成領域10よりも大きく膨張または収縮するので、ベースに固定されていない側の導波路形成領域10aおよびその基板1が、前記切断面8に沿って、図の矢印A方向または矢印B方向にスライド移動し、それにより、分離スラブ導波路3a及び光入力導波路2がスライド移動する。
【0031】
そして、前記切断面8に沿っての移動は、アレイ導波路回折格子の各光透過中心波長の温度依存変動を低減する方向に行われるため、この提案のアレイ導波路回折格子においては、アレイ導波路回折格子の使用環境温度変化に伴う各光透過中心波長の温度依存性が補償される。
【0032】
しかしながら、図7に示した提案のアレイ導波路型回折格子においては、第1の導波路形成領域10a側に光ファイバ配列具21が接続され、該第1の導波路形成領域10aと切断面8を向かい合わせて配置されている第2の導波路形成領域10b側に光ファイバ配列具22が接続されているために、アレイ導波路型回折格子の収納ケース(図示せず)の熱伸縮、該収納ケースとアレイ導波路型回折格子間に配線された光ファイバの熱伸縮に伴い、第1の導波路形成領域10aと第2の導波路形成領域10bの間隔が狭くなったり広くなったり変化して第1のスラブ導波路3の焦点がずれてしまい、それに伴い、クロストークの劣化(例えば−28dB→−24dBとなる)等が起こる場合があった。
【0033】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、光透過中心波長をシフトしてその温度依存性の抑制等が行なえ、かつ、クロストークの劣化を抑制できるアレイ導波路型回折格子を提供することにある。
【0034】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をもって課題を解決するための手段としている。すなわち、第1の発明は、1本以上の並設された光入力導波路の出射側に第1のスラブ導波路が接続され、該第1のスラブ導波路の出射側には該第1のスラブ導波路から導出された光を伝搬する互いに異なる長さの複数の並設されたアレイ導波路が接続され、該複数のアレイ導波路の出射側には第2のスラブ導波路が接続され、該第2のスラブ導波路の出射側には複数の並設された光出力導波路が接続された導波路構成を有する導波路形成領域が基板上に形成され、前記第1のスラブ導波路の焦点距離と第2のスラブ導波路の焦点距離は互いに異なる距離と成しており、第1のスラブ導波路の光の経路と第2のスラブ導波路の光の経路の両方に交わる連続した切断面が形成されて、該切断面によって前記導波路形成領域が前記光入力導波路および前記光出力導波路を含む第1の導波路形成領域と前記アレイ導波路を含む第2の導波路形成領域とに分離されており、該第2の導波路形成領域と前記第1の導波路形成領域の少なくとも一方をアレイ導波路型回折格子の光透過中心波長の温度依存性を低減する方向に前記切断面に沿って基板面方向にスライド移動させるスライド移動機構を設けた構成をもって課題を解決する手段としている。
【0035】
また、第2の発明は、1本以上の並設された光入力導波路の出射側に第1のスラブ導波路が接続され、該第1のスラブ導波路の出射側には該第1のスラブ導波路から導出された光を伝搬する互いに異なる長さの複数の並設されたアレイ導波路が接続され、該複数のアレイ導波路の出射側には第2のスラブ導波路が接続され、該第2のスラブ導波路の出射側には複数の並設された光出力導波路が接続された導波路構成を有する導波路形成領域が基板上に形成され、前記第1のスラブ導波路の光進行方向の中心軸である第1のスラブ中心軸と前記第2のスラブ導波路の光進行方向の中心軸である第2のスラブ中心軸とは非平行状態と成し、前記第1と第2のスラブ導波路を通る連続した切断線に沿って切断面が形成されて、該切断面と前記第1のスラブ中心軸との成す角度θ1と、前記切断面と前記第2のスラブ中心軸との成す角度θ2との関係がθ1≠θ2、かつ、(180°−θ1)≠θ2と成しており、前記切断面によって前記導波路形成領域が前記光入力導波路および前記光出力導波路を含む第1の導波路形成領域と前記アレイ導波路を含む第2の導波路形成領域とに分離されており、該第2の導波路形成領域と前記第1の導波路形成領域の少なくとも一方をアレイ導波路型回折格子の光透過中心波長の温度依存性を低減する方向に前記切断面に沿って基板面方向にスライド移動させるスライド移動機構を設けた構成をもって課題を解決する手段としている。
【0036】
さらに、第3の発明は、上記第1又は第2の発明の構成に加え、前記スライド移動機構は第1の導波路形成領域と第2の導波路形成領域に跨る態様で設けたスライド移動部材を有する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0039】
アレイ導波路型回折格子において、光入力導波路から入射された光は第1のスラブ導波路(入力側スラブ導波路)で回折し、アレイ導波路を励振する。なお、前記の如く、隣接するアレイ導波路の長さは互いにΔLずつ異なっている。そこで、アレイ導波路を伝搬した光は、(数3)を満たし、第2のスラブ導波路(出力側スラブ導波路)の出力端に集光される。
【0040】
【数3】
Figure 0004460031
【0041】
ここで、nsは第1のスラブ導波路および第2のスラブ導波路の等価屈折率、ncはアレイ導波路の等価屈折率、φは回折角、mは回折次数、dは隣り合うアレイ導波路同士の間隔であり、λは、前記の如く、各光出力導波路から出力される光の透過中心波長である。
【0042】
ここで、回折角φ=0となるところの光透過中心波長をλとすると、λは(数4)で表される。なお、波長λは、一般に、アレイ導波路型回折格子の中心波長と呼ばれる。
【0043】
【数4】
Figure 0004460031
【0044】
ところで、上記第1の発明において、第1のスラブ導波路の焦点距離と第2のスラブ導波路の焦点距離は互いに異なる距離と成しているので、例えば図2の(a)に示すように、第1のスラブ導波路3の焦点距離をLf1、第2のスラブ導波路5の焦点距離をLf2とすると、光入力導波路2における線分散は、(数5)により表わせされ、光出力導波路6における線分散は、(数6)により表わされる。
【0045】
【数5】
Figure 0004460031
【0046】
【数6】
Figure 0004460031
【0047】
なお、(数5)、(数6)において、ngはアレイ導波路4の群屈折率であり、アレイ導波路4の群屈折率ngは、アレイ導波路4の等価屈折率ncにより、(数7)で与えられる。
【0048】
【数7】
Figure 0004460031
【0049】
また、上記第1の発明においては、第1のスラブ導波路の光の経路と第2のスラブ導波路の光の経路の両方に交わる連続した切断面が形成されて、該切断面によって、アレイ導波路型回折格子の導波路構成を形成する導波路形成領域が、前記光入力導波路および前記光出力導波路を含む第1の導波路形成領域と前記アレイ導波路を含む第2の導波路形成領域とに分離されている。
【0050】
ここで、同図の(b)に示すように、切断面80を形成し、第1の導波路形成領域10cと第2の導波路形成領域の少なくとも一方を切断面80に沿って距離dxシフトさせた場合を考えると、dx=dx=dxが成り立つので、この関係から、(数8)が導かれる。なお、同図には、第2の導波路形成領域10d側を切断面80に沿って図の左側に距離dxシフトさせた図が示されている。
【0051】
【数8】
Figure 0004460031
【0052】
また、同図に示すように、第2の導波路形成領域10d側を切断面80に沿って図の左側に移動させる(又は第1の導波路形成領域10cを切断面80に沿って右側に移動させる)と、光入力導波路2および光出力導波路6は図の矢印A方向に移動する。そうすると、光入力導波路2の線分散から、光の入力側では光透過中心波長は長波長側にdλシフトし、同様に、光出力導波路6の線分散から、光の出力側では光透過中心波長は短波長側にdλシフトする。
【0053】
ここで、光透過中心波長の長波長側のシフトをプラス(+)、短波長側のシフトをマイナス(−)とすると、アレイ導波路型回折格子全体での光透過中心波長のシフト量dλは、(数9)により求められる。
【0054】
【数9】
Figure 0004460031
【0055】
また、dλは光入力導波路側の線分散より(すなわち、前記(数5)から)、(数10)で表わされる。
【0056】
【数10】
Figure 0004460031
【0057】
なお、同図に示すように、上記第1の発明においては、dx=dx=dxだから、dxをdxと書き替えて、(数11)とし、この(数11)から(数12)を導くことができる。
【0058】
【数11】
Figure 0004460031
【0059】
【数12】
Figure 0004460031
【0060】
そして、上記第1の発明においては、同図に示す第2の導波路形成領域10dと第1の導波路形成領域10cの少なくとも一方を前記切断面80に沿って基板面方向にスライド移動させるスライド移動機構が設けられているので、スライド移動機構によって、第1と第2の導波路形成領域10c,10dの少なくとも一方側を切断面80に沿って移動すれば、アレイ導波路型回折格子の光透過中心波長をシフトさせることが可能となる。
【0061】
なお、図2のように、第1のスラブ導波路3の焦点距離Lf1>第2のスラブ導波路5の焦点距離Lf2とした場合、同図の(b)に示す移動方向に第1と第2の導波路形成領域10c,10dの少なくとも一方を移動させると、(数11)から、アレイ導波路型回折格子全体の光透過中心波長シフト方向は短波長側となる。
【0062】
また、光透過中心波長の所望のシフト波長dλに応じて、(数12)から第1の導波路形成領域10cのスライド移動量dxを求めておき、このスライド移動量だけ第1と第2の導波路形成領域10c,10dの少なくとも一方側を切断面80に沿って移動すれば、第4の発明のように、アレイ導波路型回折格子の光透過中心波長を、予め設定した設定波長量だけ、短波長側又は長波長側にシフトさせることが可能となる。
【0063】
なお、アレイ導波路型回折格子全体の光透過中心波長のシフト方向は、第1と第2の導波路形成領域10c,10dの少なくとも一方の移動方向や第1と第2のスラブ導波路3,5の焦点距離に対応するものであるので、所望の光透過中心波長シフト方向となるように、第1又は第2の導波路形成領域10c,10dの移動方向や第1と第2のスラブ導波路3,5の焦点距離を設定する。
【0064】
また、前記の如く、アレイ導波路型回折格子の光透過中心波長は温度依存性を有しており、温度変化ΔTによる光透過中心波長シフト量をΔλとすると、Δλは、(数13)により表わされる。
【0065】
【数13】
Figure 0004460031
【0066】
そこで、この温度変化ΔTによる光透過中心波長シフト量Δλを前記線分散に基づく波長シフト量で補償する(相殺する)ためには、Δλ=dλとすればよいから、温度変化ΔTによる光透過中心波長シフト量Δλを補償するために必要な第1の導波路形成領域10cの移動量dxは、(数14)を満たす値とすればよいことになる。
【0067】
【数14】
Figure 0004460031
【0068】
したがって、上記第1の発明において、第1と第2のスラブ導波路の焦点距離を適宜の値にし、(数14)を満たす移動量dxだけ第1と第2の導波路形成領域の少なくとも一方を移動すれば、第5の発明のように、スライド移動機構によってアレイ導波路型回折格子の光透過中心波長の温度依存性を低減する方向に第1の導波路形成領域と第2の導波路形成領域の少なくとも一方を切断面に沿ってスライド移動させることが可能となり、それにより、アレイ導波路型回折格子の光透過中心波長の温度依存性をほぼゼロとなるように補償することが可能となる。
【0069】
一方、上記第2の発明は、第1のスラブ導波路の光進行方向の中心軸である第1のスラブ中心軸と前記第2のスラブ導波路の光進行方向の中心軸である第2のスラブ中心軸とは非平行状態と成しているので、ここで、アレイ導波路型回折格子の導波路構成が、例えば図4の(a)に示すように形成されているとする。なお、同図に示すように、第1のスラブ導波路3の焦点距離と、第2のスラブ導波路5の焦点距離は、共にLで等しいとする。
【0070】
そうすると、光入力導波路2における線分散は、(数15)により表わせされ、光出力導波路6における線分散は、(数16)により表わされる。
【0071】
【数15】
Figure 0004460031
【0072】
【数16】
Figure 0004460031
【0073】
また、第2の発明において、第1と第2のスラブ導波路を通る連続した切断線に沿って切断面が形成されて、該切断面と前記第1のスラブ中心軸との成す角度θ1と、前記切断面と前記第2のスラブ中心軸との成す角度θ2との関係がθ1≠θ2、かつ、(180°−θ1)≠θ2と成しているので、同図に示すように切断面80を形成し、それにより、例えば、θ1=θ、θ2=90°とする。
【0074】
また、切断面80によって、第2の発明においても、例えば同図の(b)に示すように、アレイ導波路型回折格子の導波路構成を形成する導波路形成領域が、前記光入力導波路2および前記光出力導波路6を含む第1の導波路形成領域10cと前記アレイ導波路4を含む第2の導波路形成領域10dとに分離されているので、第1の導波路形成領域10cと第2の導波路形成領域の少なくとも一方を切断面80に沿って距離dxシフトさせた場合を考えると、(数17)が成り立ち、この関係から、(数18)が導かれる。
【0075】
【数17】
Figure 0004460031
【0076】
【数18】
Figure 0004460031
【0077】
ここで、同図の(b)に示すように、第2の導波路形成領域10d側を切断面80に沿って図の左側にシフトさせた場合を考えると、アレイ導波路型回折格子全体での光透過中心波長シフト量dλは、(数19)により求められる。
【0078】
【数19】
Figure 0004460031
【0079】
dλ’は光入力導波路側の線分散より(すなわち、前記(数15)から)、(数20)で表わされる。
【0080】
【数20】
Figure 0004460031
【0081】
したがって、(数19)、(数20)から(数21)を導くことができる。
【0082】
【数21】
Figure 0004460031
【0083】
そして、上記第2の発明において、第2の導波路形成領域と第1の導波路形成領域の少なくとも一方を前記切断面に沿って基板面方向にスライド移動させるスライド移動機構が設けられているので、スライド移動機構によって、例えば同図に示すように、第1と第2の導波路形成領域10c,10d側を切断面80に沿って移動すれば、アレイ導波路型回折格子の光透過中心波長をシフトさせることが可能となる。
【0084】
また、光透過中心波長の所望のシフト波長dλに応じて、(数21)から第1の導波路形成領域10cのスライド移動量dxを求めておき、このスライド移動量だけ第1と第2の導波路形成領域10c,10d側を切断面80に沿って移動すれば、第4の発明のように、アレイ導波路型回折格子の光透過中心波長を、予め設定した設定波長量だけシフトさせることが可能となる。
【0085】
なお、アレイ導波路型回折格子全体の光透過中心波長のシフト方向は、第1と第2の導波路形成領域10c,10dの少なくとも一方の移動方向や切断面80と第1のスラブ中心軸との成す角度θ1および切断面80と前記第2のスラブ中心軸との成す角度θ2に対応するものであるので、所望のシフト方向となるように、第1又は第2の導波路形成領域10c,10dの移動方向や角度θ1、θ2とを設定する。
【0086】
また、前記の如く、アレイ導波路型回折格子の光透過中心波長の温度依存性は、(数13)により表わされるため、温度変化ΔTによる光透過中心波長シフト量Δλを前記線分散に基づく波長シフト量で補償する(相殺する)ために、Δλ=dλとし、第2の発明によって温度変化ΔTによる光透過中心波長シフト量Δλを補償するために必要な第1の導波路形成領域10cの移動量dxを求めると、(数22)を満たす値とすればよいことになる。
【0087】
【数22】
Figure 0004460031
【0088】
したがって、上記第2の発明において、第1と第2のスラブ導波路の焦点距離を適宜の値にし、(数22)を満たす移動量dxだけ第1と第2の導波路形成領域の少なくとも一方を移動すれば、第5の発明のように、スライド移動機構によってアレイ導波路型回折格子の光透過中心波長の温度依存性を低減する方向に第1の導波路形成領域と第2の導波路形成領域の少なくとも一方を切断面に沿ってスライド移動させることが可能となり、それにより、アレイ導波路型回折格子の光透過中心波長の温度依存性をほぼゼロとなるように補償することが可能となる。
【0089】
また、上記第1、第2の発明においては、いずれも、切断面によってアレイ導波路型回折格子の導波路形成領域が光入力導波路および光出力導波路を含む第1の導波路形成領域と前記アレイ導波路を含む第2の導波路形成領域とに分離されている。したがって、図7に示したアレイ導波路型回折格子のように、例えば第1の導波路形成領域に入力側の光ファイバ配列具が接続されて第2の導波路形成領域に出力側の光ファイバ配列具が接続されている構成と異なり、光入力導波路および光出力導波路に接続された光ファイバ配列具等の熱伸縮が生じても、第1の導波路形成領域と第2の導波路形成領域の間隔が変化しない。
【0090】
したがって、上記第1、第2の発明においては、この間隔変化によって第1、第2のスラブ導波路の焦点がずれてしまうことを抑制でき、それに伴うクロストークの劣化を抑制することが可能となり、これらの発明の構成を備えた第3〜第5の発明においても、同様に、クロストークの劣化が抑制される。
【0091】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態例の説明において、従来例および提案例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略する。図1には、本発明に係るアレイ導波路型回折格子の第1実施形態例の要部構成図が平面図により示されている。
【0092】
本実施形態例のアレイ導波路型回折格子に形成されている導波路構成は、図6に示した従来例のアレイ導波路型回折格子の導波路構成とほぼ同様であるが、本実施形態例では、第1のスラブ導波路3の焦点距離と第2のスラブ導波路5の焦点距離は互いに異なる距離と成している。具体的には、第1のスラブ導波路3の焦点距離は、Lf1、第2のスラブ導波路5の焦点距離はLf2と成している。
【0093】
また、本実施形態例では、第1のスラブ導波路3の光の経路と第2のスラブ導波路5の光の経路の両方に交わる連続した切断面80が形成されて、該切断面80によって、導波路形成領域10が前記光入力導波路2と光出力導波路6を含む第1の導波路形成領域10cと前記アレイ導波路4を含む第2の導波路形成領域10dに分離されている。なお、前記切断面80によって、第1のスラブ導波路3は分離スラブ導波路3c,3dに分離され、第2のスラブ導波路5は分離スラブ導波路5c,5dに分離されている。
【0094】
さらに、本実施形態例では、第1の導波路形成領域10cと第2の導波路形成領域10dとに跨る態様でスライド移動部材17が設けられており、該スライド移動部材17を有して、前記第2の導波路形成領域10dを前記切断面80に沿って基板面方向にスライド移動させるスライド移動機構が形成されている。
【0095】
スライド移動部材17は、熱膨張係数が1.65×10−5(1/K)の銅板により形成されている。この熱膨張係数は、基板1および導波路形成領域10の熱膨張係数よりも大きい。そして、このスライド移動部材17が、図1の(b)に示す位置に形成された金属膜31と、該金属膜31の上側に設けられている半田(図示せず)によって、第1と第2の導波路形成領域10c,10d上に固定されている。
【0096】
すなわち、本実施形態例において、金属膜31は、第1の導波路形成領域10cの右上端部と第2の導波路形成領域10dの左下端部にそれぞれ形成されており、スライド移動部材17は、金属膜31の形成部以外の部分においては第1と第2の導波路形成領域10c,10dに固定されていない。また、金属膜31はそれぞれ、5mm×5mmの正方形状と成しており、金属膜31同士の間隔Sは、例えば58.2mmと成している。
【0097】
なお、金属膜31は、導波路形成領域10の表面(ガラス面)と前記半田との密着性を上げるために設けるものであり、半田は金属膜31とスライド移動部材17とを密着させるために設けるものである。
【0098】
また、本実施形態例において、アレイ導波路型回折格子を形成する導波路形成領域10の組成は、特願平11−151922号に提案した(未だ公開になっていない)ように、上部クラッドにドープするBとPの量を従来のアレイ導波路型回折格子におけるドープ量に比べて大きくしている。そして、このようにすることで、本実施形態例では、導波路形成領域10(上部クラッドとコアと下部クラッド)に発生する複屈折の値Bを、|B|≦5.34×10−5とし、半波長板等を設けなくても偏波依存性損失を低減できる、いわゆる偏波無依存型のアレイ導波路型回折格子と成している。
【0099】
また、アレイ導波路型回折格子の導波路構成における各パラメータは、以下に示す値である。すなわち、第1のスラブ導波路3の焦点距離Lf1=15000μm、第2のスラブ導波路5の焦点距離Lf2=9000μm、隣り合うアレイ導波路4同士の長さの差ΔLは25℃において65.2μm、隣り合うアレイ導波路4同士の間隔dは15μm、アレイ導波路4の等価屈折率nは1.451、アレイ導波路群屈折率nは1.475、アレイ導波路回折格子の中心波長λは1.550.9μmである。
【0100】
さらに、本実施形態例でも図7に示した提案例と同様に、光入力導波路2には、光ファイバ配列具21に固定された光ファイバ23が接続され、各光出力導波路6には、光ファイバ配列具22に固定された光ファイバテープ24の光ファイバ(図示せず)がそれぞれ接続されている。
【0101】
そして、本実施形態例では、上記光ファイバを接続している側の第1の導波路形成領域10cを、パッケージ(図示せず)の保護基板に固定するためのベース基板(図示せず)に固定し、その状態で、パッケージ内に非水溶性のマッチングオイルを充填している。なお、本実施形態例のように、マッチングオイルを充填したパッケージ内に収容してアレイ導波路型回折格子を作製する方法および効果は、特願平11−299200号に詳細に記載されている(未だ公開になっていない)。
【0102】
ところで、本発明者は、アレイ導波路型回折格子の温度依存性を抑制するために、アレイ導波路型回折格子の線分散特性に着目し、前記(数1)〜(数14)に示した説明の如く、本実施形態例のような基本構成を有する(例えば図1、図2に示すような構成の)アレイ導波路型回折格子の使用環境温度変化量ΔTと位置補正量dxとの関係を求めた。そして、この関係は前記(数14)により表わされることを確認した。
【0103】
そこで、本実施形態例について、アレイ導波路型回折格子の導波路構成の各パラメータの値と、(数2)、(数14)に基づき、アレイ導波路型回折格子の使用環境温度の変化量Tと位置補正量dxの関係を求めると、dx=0.960・ΔTの関係となっていることが分かった。
【0104】
そこで、本実施形態例においては、アレイ導波路型回折格子の使用環境温度が10℃上昇したときに、第2の導波路形成領域10dを約9.60μmだけ矢印A方向に移動し、その逆に、アレイ導波路型回折格子の使用環境温度が10℃下降したときに、第2の導波路形成領域10dを約9.60μmだけ矢印B方向に移動するように、スライド移動部材17の熱膨張係数に対応させて金属膜31の間隔S(スライド移動部材17の熱伸縮領域)を前記値(58.2mm)に決定した。
【0105】
なお、本実施形態例において、スライド移動部材17は、銅により形成しており、銅の熱膨張係数は、前記の如く、1.65×10−5/℃であるので、スライド移動部材17の熱伸縮領域の長さをSとしたとき、1.65×10−5×(S×10)=0.960を満足する値となれば、スライド移動部材17の熱伸縮を利用して上記移動量のスライド移動を行なうことができる。そして、この式を満足するスライド移動部座右17の熱伸縮領域の長さSは、S=58.2(mm)となる。
【0106】
本実施形態例は以上のように構成されており、第1の導波路形成領域10cを前記ベース基板(図示せず)に固定しており、また、金属膜31を図1の(b)に示した部位に前記の如く形成して、該金属膜31の形成部でスライド移動部材17を第1と第2の導波路形成領域10c,10dに固定し、金属膜31の形成部以外の部分においては、スライド移動部材17を第1と第2の導波路形成領域10c,10dに固定していないことから、スライド移動部材17の温度変化に伴う伸縮によって第2の導波路形成領域10dが切断面80に沿って、図の左右方向にスライド移動する。
【0107】
この第2の導波路形成領域10dのスライド移動は、本実施形態例では、アレイ導波路型回折格子の各光透過中心波長の温度依存変動を低減する方向に行われるものであり、具体的には、温度上昇に伴い、スライド移動部材17が基板1および導波路形成領域10よりも大きく膨張したときに、図2の(b)に示したものと同様に、第2の導波路形成領域10d側が左側(図1の矢印A方向)に約0.960μm/℃移動する。また、その逆に、温度下降に伴い、スライド移動部材17が基板1および導波路形成領域10よりも大きく収縮すると、第2の導波路形成領域10d側が右側(図1の矢印B方向)に約0.960μm/℃移動するものである。
【0108】
このように、本実施形態例では、アレイ導波路型回折格子の各光透過中心波長の温度依存変動を低減する方向に第2の導波路形成領域10dの移動が行なわれるため、本実施形態例によれば、たとえアレイ導波路型回折格子の使用環境温度が変化しても、この温度変化に伴う光透過中心波長ずれを解消することができ、使用環境温度に依存しない、いわゆる温度無依存型のアレイ導波路型回折格子とすることができる。
【0109】
また、本実施形態例によれば、第1の導波路形成領域10c側に光ファイバ配列具21,22が固定され、一方、第2の導波路形成領域10c側には光ファイバ配列具21,22が固定されていないので、図7に示した提案のアレイ導波路型回折格子のように、アレイ導波路型回折格子のパッケージ(収納ケース)の熱伸縮やパッケージとアレイ導波路型回折格子間に配線された光ファイバの熱伸縮に伴って第1の導波路形成領域10cと第2の導波路形成領域10dの間隔が狭くなったり広くなったり変化することを抑制できる。
【0110】
したがって、この間隔変化によって第1、第2のスラブ導波路3,5の焦点がずれてしまうことを抑制でき、それに伴うクロストークの劣化を抑制することができる。
【0111】
特に、本実施形態例によれば、光ファイバ配列具21,22が固定されていない第2の導波路形成領域10dを切断面80に沿ってスライド移動する構成であるために、スライド移動に伴う応力を光ファイバ配列具21,22とアレイ導波路型回折格子との接続部に加えることを抑制でき、光ファイバ配列具21,22とアレイ導波路型回折格子との接続部の接続状態を確実に維持できる。
【0112】
さらに、本実施形態例によれば、スライド移動部材17を第1の導波路形成領域10cと第2の導波路形成領域10dとに跨る態様で設けたために、例えば図7に示した提案例のような、高熱膨張係数部材7を低熱膨張材料のベース9に固定してスライド移動機構を構成する場合と異なり、ベース9と導波路形成領域との位置精度を高くする調整を行なう必要が無く、装置構成を簡略化することができる。そのため、本実施形態例においては、装置の低コスト化や歩留まりの向上をより一層確実に図ることができる。
【0113】
図3には、本発明に係るアレイ導波路型回折格子の第2実施形態例の要部構成図が平面図により示されている。なお、本第2実施形態例において、上記第1実施形態例と同一名称部分には同一符号が付してある。
【0114】
本実施形態例のアレイ導波路型回折格子に形成されている導波路構成は、図6に示した従来例のアレイ導波路型回折格子の導波路構成とほぼ同様であるが、本第2実施形態例では、第1のスラブ導波路3の光進行方向の中心軸である第1のスラブ中心軸C1と第2のスラブ導波路5の光進行方向の中心軸である第2のスラブ中心軸C2とは非平行状態と成している。
【0115】
また、図3に示すように、本第2実施形態例では、第1と第2のスラブ導波路3,5を通る連続した切断線に沿って切断面80が形成されて、該切断面80と前記第1のスラブ中心軸C1との成す角度θ1と、切断面80と前記第2のスラブ中心軸C2との成す角度θ2との関係がθ1≠θ2、かつ、(180°−θ1)≠θ2と成している。なお、本第2実施形態例では、図4に示した導波路構成と同様に、θ2=90°、θ1=θと成しており、本第2実施形態例において、θ1=θ=36°と成している。
【0116】
本第2実施形態例でも、上記第1実施形態例と同様に、切断面80によって、導波路形成領域10が前記光入力導波路2と光出力導波路6を含む第1の導波路形成領域10cと前記アレイ導波路4を含む第2の導波路形成領域10dに分離されており、第1の導波路形成領域10cと第2の導波路形成領域10dとに跨る態様でスライド移動部材17を有して、前記第2の導波路形成領域10dを前記切断面80に沿って基板面方向にスライド移動させるスライド移動機構が形成されている。
【0117】
すなわち、本第2実施形態例において、アレイ導波路型回折格子の導波路構成および切断面80の形成態様は、上記第1実施形態例と異なるが、スライド移動機構の構成や、アレイ導波路型回折格子の基板1および導波路形成領域10の組成、作製方法等は、上記第1実施形態例と同様であり、その重複説明は省略する。
【0118】
また、本第2実施形態例において、第1と第2のスラブ導波路3,5の焦点距離Lは、共に9000μmと成しており、それ以外のアレイ導波路型回折格子の前記パラメータは上記第1実施形態例と同様である。また、本第2実施形態例において、スライド移動部材17の熱伸縮領域Sの長さ(金属膜31の間隔)は、56.5mmと成している。
【0119】
ところで、本発明者は、アレイ導波路型回折格子の温度依存性を抑制するために、アレイ導波路型回折格子の線分散特性に着目し、前記(数1)〜(数4)、(数13)、(数15)〜(数22)に示した説明の如く、本実施形態例のような基本構成を有する(例えば図3や図4に示すような構成の)アレイ導波路型回折格子の使用環境温度変化量ΔTと位置補正量dxとの関係を求めた。そして、この関係は前記(数22)により表わされることを確認した。
【0120】
そこで、本実施形態例について、各パラメータの値と、(数2)、(数22)に基づき、アレイ導波路型回折格子の使用環境温度の変化量Tと位置補正量dxの関係を求めると、dx=0.932・ΔTの関係となっていることが分かった。そして、この関係に基づき、本実施形態例においても、上記第1実施形態例と同様に、スライド移動部材17の熱膨張係数に対応させて金属膜31の間隔Sを前記値(56.5mm)に決定した。
【0121】
本第2実施形態例は以上のように構成されており、本第2実施形態例も上記第1実施形態例とほぼ同様に、スライド移動部材17によって第2の導波路形成領域10dの切断面80に沿ったスライド移動動作が行われ、前記(数1)〜(数4)、(数13)、(数15)〜(数22)に示した説明から明らかなように、上記第1実施形態例と同様の効果を奏することができる。
【0122】
なお、本発明は上記実施形態例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば上記各実施形態例において、スライド移動部材17は銅により形成したが、スライド移動部材17は必ずしも銅により形成するとは限らず、例えばアルミニウムによって形成してもよく、スライド移動部材17は、アレイ導波路型回折格子の基板1および導波路形成領域10よりも熱膨張係数が大きい部材であればよい。
【0123】
また、上記各実施形態例では、スライド移動部材17を第1の導波路形成領域10cと第2の導波路形成領域10dに跨る態様で設けて、第2の導波路形成領域10dと第1の導波路形成領域10dの少なくとも一方を前記切断面80に沿って基板面方向にスライド移動させるスライド移動機構を構成したが、スライド移動機構の構成は特に限定されるものではなく、適宜設定されるものである。
【0124】
例えば、図7に示した提案のアレイ導波路型回折格子のように、スライド移動機構は、ベース9と高熱膨張係数部材7と係止部材14とを有する構成としてもよい。
【0125】
すなわち、上記スライド移動機構は、第1のスラブ導波路3の光の経路と第2のスラブ導波路5の光の経路の両方に交わる連続した切断面80によって切断分離して形成した、第1と第2の導波路形成領域10cと10dの少なくとも一方側を、前記切断面80に沿ってスライド移動させる機構であればよい。
【0126】
そして、スライド移動機構による前記スライド移動により、アレイ導波路型回折格子の光透過中心波長を予め定めた値だけシフトできる構成とすれば、アレイ導波路型回折格子の光透過中心波長を所望の値だけシフトさせることができ、また、上記各実施形態例のように、上記スライド移動機構によってアレイ導波路型回折格子の各光透過中心波長の温度依存変動を低減する構成とすれば、上記各実施形態例のように、光透過中心波長の温度依存性を解消することができ、光波長多重通信用などの実用に適した優れたアレイ導波路型回折格子とすることができる。
【0127】
さらに、上記各実施形態例では、いずれも、第1の導波路形成領域10c側を固定して、第2の導波路形成領域10d側を切断面80に沿って移動する構成としたが、その逆に、第1の導波路形成領域10c側を切断面80に沿って移動する構成としてもよいし、第1と第2の導波路形成領域10c,10dの両方を切断面80に沿って移動する構成としてもよい。
【0128】
ただし、上記各実施形態例のように、第1の導波路形成領域10c側を固定して、第2の導波路形成領域10d側を切断面80に沿って移動する構成とすると、光入力導波路2と光出力導波路6が形成されていて光ファイバ配列具21,22が固定されている側の導波路形成領域を固定して、光ファイバ配列具21,22が固定されていない側の導波路形成領域をスライド移動するために、スライド移動時に光ファイバ配列具21,22等に応力が加わることを抑制でき、より一層好ましい。
【0129】
さらに、上記各実施形態例では、アレイ導波路型回折格子の導波路形成領域10の組成を特願平11−151922号に提案した組成としたが、アレイ導波路型回折格子の導波路形成領域10の組成は特に限定されるものではなく、適宜設定されるものである。ただし、アレイ導波路型回折格子の導波路形成領域10の組成を特願平11−151922号に提案した組成とすると、アレイ導波路型回折格子に半波長板等を設けなくても偏波依存性損失を抑制でき、半波長板等を設けることによる問題を抑制できる。
【0130】
さらに、上記各実施形態例では、特願平11−299200号の提案と同様にマッチングオイルを充填したパッケージ内に、図1、3に示すような構成要素を収容したアレイ導波路型回折格子としたが、本発明のアレイ導波路型回折格子は、必ずしもマッチングオイルを充填したパッケージ内に収容した構成とは限らず、例えば適宜のパッケージに収容されて形成されるものである。
【0131】
さらに、上記各実施形態例においては、金属膜31を第1の導波路形成領域10cの右上端部と第2の導波路形成領域10dの左下端部に形成したが、アレイ導波路型回折格子の導波路構成に応じて、図1の(b)の破線に示すような位置に金属膜31を形成し、スライド移動部材17による第2の導波路形成領域10dの移動を上記第1実施形態例と逆方向になるようにしてもよい。
【0132】
さらに、上記第1実施形態例では、第1のスラブ導波路3の焦点距離Lf1と第2のスラブ導波路5の焦点距離Lf2の関係を、Lf1>Lf2としたが、その逆に、Lf1<Lf2としてもよい。
【0133】
さらに、上記第2実施形態例では、第1のスラブ中心軸C1と切断面80との成す角度θ1=35°、第2のスラブ中心軸C2と切断面80との成す角度θ2=90°としたが、これらの角度θ1、θ2の値は特に限定されるものでなく、適宜設定されるものであり、例えば図5の(b)に示すように、(180°−θ1)=θ2となったり、θ1=θ2となったりしなければ、例えば同図の(a)に示すように、θ1とθ2がいずれも90°以外の角度でもよい。
【0134】
そして、同図の(a)に示す構成において、第1と第2の導波路形成領域10c,10dの少なくとも一方をX方向にdx移動した場合は、前記光出力導波路6の線分散が前記式(数16)において、dxの代わりに、dx・sin(180°−θ2)を代入した式となるので、この式に基づいて、(数17)〜(数22)に示した検討を応用し、アレイ導波路型回折格子の使用環境温度変化量ΔTと位置補正量dxとの関係を求め、この関係に基づいて、スライド移動部材17を形成する部材の組成や、スライド移動部材17の熱伸縮領域の長さを決定すればよく、このようにすることにより、上記第2実施形態例とほぼ同様の動作を行ない、同様の効果を奏することができる。
【0135】
さらに、本発明のアレイ導波路型回折格子を構成する各導波路2,3,4,5,6の等価屈折率や本数、大きさなどの詳細な値は特に限定されるものではなく、適宜設定されるものである。
【0136】
【発明の効果】
第1、第2の発明によれば、第1と第2のスラブ導波路の焦点距離を互いに異にしたり、第1と第2のスラブ導波路を非平行状態としたりして、アレイ導波路型回折格子の導波路構成を特徴的な構成とし、かつ、第1のスラブ導波路の光の経路と第2のスラブ導波路の光の経路の両方に交わる連続した切断面によって導波路形成領域を、光入力導波路および光出力導波路を含む第1の導波路形成領域とアレイ導波路を含む第2の導波路形成領域とに分離し、さらに、第1と第2の導波路形成領域の少なくとも一方を前記切断面に沿って基板面方向にスライド移動させることにより、アレイ導波路型回折格子の各光透過中心波長をシフトさせることができる。
【0138】
そして、上記スライド移動の方向と移動量を適宜設定して、アレイ導波路型回折格子の光透過中心波長の温度依存性を低減する方向に上記スライド移動を行なうことにより、各光透過中心波長の温度依存変動(波長ずれ)を解消することができる。
【0139】
また、本発明によれば、切断面によって導波路形成領域を、光入力導波路および光出力導波路を含む第1の導波路形成領域とアレイ導波路を含む第2の導波路形成領域とに分離するために、光入力導波路や光出力導波路に接続される光ファイバ配列具等の熱伸縮に伴い、切断面によって分離された一方側の導波路形成領域と他方側の導波路形成領域にそれぞれ光ファイバ配列具等を接続する場合と異なり、熱変化に伴って第1の導波路形成領域と第2の導波路形成領域との間隔が変化することを抑制できる。
【0140】
したがって、本発明によれば、この間隔変化に伴うクロストーク劣化の問題を抑制できる。
【0141】
さらに、スライド移動機構は第1の導波路形成領域と第2の導波路形成領域に跨る態様で設けたスライド移動部材を有する構成とした第3の発明によれば、スライド移動部材により基板面に垂直な軸方向の位置合わせもでき(位置ずれも防止でき)るし、スライド移動機構の構成を非常に簡単な構成とすることができ、アレイ導波路型回折格子のコストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアレイ導波路型回折格子の第1実施形態例を示す要部構成図である。
【図2】上記第1実施形態例と同様の基本構成を有するアレイ導波路型回折格子の光入力導波路および光出力導波路の位置と光透過中心波長シフトとの関係(a)とアレイ導波路型回折格子の動作例(b)をそれぞれ模式的に示す説明図である。
【図3】本発明に係るアレイ導波路型回折格子の第2実施形態例を示す要部構成図である。
【図4】上記第2実施形態例と同様の基本構成を有するアレイ導波路型回折格子の光入力導波路および光出力導波路の位置と光透過中心波長シフトとの関係(a)とアレイ導波路型回折格子の動作例(b)をそれぞれ模式的に示す説明図である。
【図5】本発明に係るアレイ導波路型回折格子の他の実施形態例(a)と、比較例(b)をそれぞれ示す説明図である。
【図6】従来のアレイ導波路型回折格子の導波路構成をその動作例と共に示す説明図である。
【図7】従来提案されたアレイ導波路型回折格子の構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 基板
2 光入力導波路
3 第1のスラブ導波路
4 アレイ導波路
5 第2のスラブ導波路
6 光出力導波路
10 導波路形成領域
10c 第1の導波路形成領域
10d 第2の導波路形成領域
17 スライド移動部材
31 金属膜
80 切断面

Claims (3)

  1. 1本以上の並設された光入力導波路の出射側に第1のスラブ導波路が接続され、該第1のスラブ導波路の出射側には該第1のスラブ導波路から導出された光を伝搬する互いに異なる長さの複数の並設されたアレイ導波路が接続され、該複数のアレイ導波路の出射側には第2のスラブ導波路が接続され、該第2のスラブ導波路の出射側には複数の並設された光出力導波路が接続された導波路構成を有する導波路形成領域が基板上に形成され、前記第1のスラブ導波路の焦点距離と第2のスラブ導波路の焦点距離は互いに異なる距離と成しており、第1のスラブ導波路の光の経路と第2のスラブ導波路の光の経路の両方に交わる連続した切断面が形成されて、該切断面によって前記導波路形成領域が前記光入力導波路および前記光出力導波路を含む第1の導波路形成領域と前記アレイ導波路を含む第2の導波路形成領域とに分離されており、該第2の導波路形成領域と前記第1の導波路形成領域の少なくとも一方をアレイ導波路型回折格子の光透過中心波長の温度依存性を低減する方向に前記切断面に沿って基板面方向にスライド移動させるスライド移動機構を設けたことを特徴とするアレイ導波路型回折格子。
  2. 1本以上の並設された光入力導波路の出射側に第1のスラブ導波路が接続され、該第1のスラブ導波路の出射側には該第1のスラブ導波路から導出された光を伝搬する互いに異なる長さの複数の並設されたアレイ導波路が接続され、該複数のアレイ導波路の出射側には第2のスラブ導波路が接続され、該第2のスラブ導波路の出射側には複数の並設された光出力導波路が接続された導波路構成を有する導波路形成領域が基板上に形成され、前記第1のスラブ導波路の光進行方向の中心軸である第1のスラブ中心軸と前記第2のスラブ導波路の光進行方向の中心軸である第2のスラブ中心軸とは非平行状態と成し、前記第1と第2のスラブ導波路を通る連続した切断線に沿って切断面が形成されて、該切断面と前記第1のスラブ中心軸との成す角度θ1と、前記切断面と前記第2のスラブ中心軸との成す角度θ2との関係がθ1≠θ2、かつ、(180°−θ1)≠θ2と成しており、前記切断面によって前記導波路形成領域が前記光入力導波路および前記光出力導波路を含む第1の導波路形成領域と前記アレイ導波路を含む第2の導波路形成領域とに分離されており、該第2の導波路形成領域と前記第1の導波路形成領域の少なくとも一方をアレイ導波路型回折格子の光透過中心波長の温度依存性を低減する方向に前記切断面に沿って基板面方向にスライド移動させるスライド移動機構を設けたことを特徴とするアレイ導波路型回折格子。
  3. スライド移動機構は第1の導波路形成領域と第2の導波路形成領域に跨る態様で設けたスライド移動部材を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のアレイ導波路型回折格子。
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