JP3884341B2 - 可変分散補償器およびその可変分散補償器を用いた可変分散補償デバイス - Google Patents
可変分散補償器およびその可変分散補償器を用いた可変分散補償デバイス Download PDFInfo
- Publication number
- JP3884341B2 JP3884341B2 JP2002204333A JP2002204333A JP3884341B2 JP 3884341 B2 JP3884341 B2 JP 3884341B2 JP 2002204333 A JP2002204333 A JP 2002204333A JP 2002204333 A JP2002204333 A JP 2002204333A JP 3884341 B2 JP3884341 B2 JP 3884341B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- waveguide
- phase distribution
- optical
- channel
- dispersion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B6/00—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
- G02B6/10—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings of the optical waveguide type
- G02B6/12—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings of the optical waveguide type of the integrated circuit kind
- G02B6/12007—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings of the optical waveguide type of the integrated circuit kind forming wavelength selective elements, e.g. multiplexer, demultiplexer
- G02B6/12009—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings of the optical waveguide type of the integrated circuit kind forming wavelength selective elements, e.g. multiplexer, demultiplexer comprising arrayed waveguide grating [AWG] devices, i.e. with a phased array of waveguides
- G02B6/12011—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings of the optical waveguide type of the integrated circuit kind forming wavelength selective elements, e.g. multiplexer, demultiplexer comprising arrayed waveguide grating [AWG] devices, i.e. with a phased array of waveguides characterised by the arrayed waveguides, e.g. comprising a filled groove in the array section
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B6/00—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
- G02B6/24—Coupling light guides
- G02B6/26—Optical coupling means
- G02B6/28—Optical coupling means having data bus means, i.e. plural waveguides interconnected and providing an inherently bidirectional system by mixing and splitting signals
- G02B6/293—Optical coupling means having data bus means, i.e. plural waveguides interconnected and providing an inherently bidirectional system by mixing and splitting signals with wavelength selective means
- G02B6/29379—Optical coupling means having data bus means, i.e. plural waveguides interconnected and providing an inherently bidirectional system by mixing and splitting signals with wavelength selective means characterised by the function or use of the complete device
- G02B6/29392—Controlling dispersion
- G02B6/29394—Compensating wavelength dispersion
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02F—OPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
- G02F1/00—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
- G02F1/01—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour
- G02F1/011—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour in optical waveguides, not otherwise provided for in this subclass
- G02F1/0113—Glass-based, e.g. silica-based, optical waveguides
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02F—OPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
- G02F1/00—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
- G02F1/01—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour
- G02F1/0147—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour based on thermo-optic effects
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Dispersion Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
- Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
- Optical Integrated Circuits (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信分野に用いられる可変分散補償器およびその可変分散補償器を用いた可変分散補償デバイスに関するものである。
【0002】
【背景技術】
一般に、光通信(光伝送)を行う光伝送路は、その光伝送帯域において正の波長分散を有している。この波長分散による信号光歪みを抑制するために、従来は、光伝送帯域において負の波長分散を有する分散補償光ファイバを光伝送路に接続し、光伝送路の波長分散を補償していた。
【0003】
このような分散補償技術は、従来のように、信号光の伝送速度が10Gbit/s以下の光伝送において実用化されつつある。しかし、将来、信号光の伝送速度を40Gbit/s以上とする試みが成されている中、この40Gbit/s以上の伝送速度に対応するために、より正確な分散補償技術が必要となっている。
【0004】
上記分散補償光ファイバは、その光ファイバ長で分散補償量を制御する構成であることから、数pse/nm〜数十pse/nm以下の非常に正確な分散補償が困難であり、上記高速伝送に対応した分散補償が難しい。また、分散補償光ファイバによって光伝送路の分散補償を行うためには、光伝送路1本1本にあった長さの分散補償光ファイバをそれぞれの光伝送路に対応させて形成する必要があり、コストの面からも好ましくない。
【0005】
そこで、上記のような状況に対応すべく、最近では、分散補償光ファイバと異なり、分散値を変化させることができる可変分散補償器が盛んに研究されるようになった。
【0006】
上記可変分散補償器の一例として、図16に示すようなラティス型フィルター24が提案されている。この提案の可変分散補償器は1996年にK.Takiguchiらが提案したものであり、複数のマッハツェンダー光干渉計30を組み合わせて形成されている。
【0007】
図16において、複数のマッハツェンダー光干渉計30は直列に接続され、それぞれのマッハツェンダー光干渉計30の位相部には熱光学位相シフター31が設けられている。また、隣り合うマッハツェンダー光干渉計30の接続部には、可変カプラー33が設けられている。この可変分散補償器は、波長分散を+786psec/nm〜−681psec/nmの範囲で可変できる。
【0008】
また、2000年には、F.Horstらが、リング共振器を組み合わせた可変分散補償器を提案している。この可変分散補償器は、波長分散を+1350psec/nm〜−3430psec/nmの範囲で可変できる。
【0009】
しかしながら、上記リング共振器を組み合わせた可変分散補償器は、自由スペクトル領域(FSR)が小さくなり、補償したい波長以外の波長にもそのフィルター特性の影響がでてしまうといった問題があった。
【0010】
そこで、K.Takiguchiらは、上記自由スペクトル領域の問題を解決するため、2000年に、図17に示すような可変分散補償器を提案している。この可変分散補償器は、図16に示したようなラティス型フィルター24を、図17に示すように、アレイ導波路回折格子11に接続したものである。K.Takiguchiらは、図17に示す可変分散補償器は、上記自由スペクトル領域の影響をなくすことができると述べている。
【0011】
なお、アレイ導波路回折格子11は、基板1上に導波路形成領域10を形成して成り、例えば図17に示すような導波路構成を有する。
【0012】
アレイ導波路回折格子11の導波路構成は、少なくとも1本の光入力導波路2と、該光入力導波路2の出力側に接続された第1のスラブ導波路3と、該第1のスラブ導波路3の出力側に接続されたアレイ導波路4と、該アレイ導波路4の出力側に接続された第2のスラブ導波路5と、該第2のスラブ導波路5の出力側に接続された複数の光出力導波路6とを有する。図17では、光入力導波路2と光出力導波路6を複数ずつ並設している。
【0013】
前記アレイ導波路4は、第1のスラブ導波路3から導出された光を伝搬するものであり、複数のチャンネル導波路4aを並設して形成されている。隣り合うチャンネル導波路4aの長さは互いに設定量(ΔL)異なっている。
【0014】
なお、アレイ導波路4を構成するチャンネル導波路4aは、通常、例えば100本といったように多数設けられるが、図17においては、図の簡略化のために、これらのチャンネル導波路4aの本数を簡略的に示してある。
【0015】
図17に示す可変分散補償器は、アレイ導波路回折格子11の光出力導波路6の出力端に光ファイバアレイ21を接続し、該光ファイバアレイ21に接続されている複数の光ファイバ22を、光ファイバアレイ23を介してラティス型フィルター24に接続している。
【0016】
それぞれの光ファイバ22は、1本ごとに、その一端側がアレイ導波路回折格子11の対応する1本の光出力導波路6に接続され、その他端側がラティス型フィルター24の対応する1本の光入力導波路9に接続されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図17に示す可変分散補償器は、その構成が煩雑で、コストアップを招くといった問題があった。また、この可変分散補償器は、アレイ導波路回折格子11の周波数間隔の光のみ合波できるものであるので、分散補償の自由度が低いといった問題があった。
【0018】
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、分散補償の自由度が高く、例えば40Gbit/s以上といった高速伝送に対応して光伝送路等の波長分散を正確に分散補償できる簡単な構成の可変分散補償器およびその可変分散補償器を用いた可変分散補償デバイスを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をもって課題を解決するための手段としている。すなわち、第1の発明の可変分散補償器は、少なくとも1本の光入力導波路と、該光入力導波路の出力側に接続された第1のスラブ導波路と、該第1のスラブ導波路の出力側に接続され、互いに設定量異なる長さの複数並設されたチャネル導波路から成るアレイ導波路と、該アレイ導波路の出力側に接続された第2のスラブ導波路と、該第2のスラブ導波路の出力側に接続された少なくとも1本の光出力導波路とを有する光回路と、該光回路の前記アレイ導波路に設定位相分布を与える位相分布付与部とを有し、前記設定位相分布は、アレイ導波路のチャンネル導波路本数をM本(Mは正の整数)、チャンネル導波路の配列順に付与したチャンネル導波路番号をk(k=0〜M−1)としたとき、チャンネル導波路番号kの中心(M−1)/2に対して実質的に線対称となる偶関数的分布とし、設定位相分布は、請求項1に記載した、係数Aを含む式、(数1)で表されるSin関数分布P(k)とした構成をもって課題を解決する手段としている。
【0020】
さらに、第2の発明の可変分散補償器は、少なくとも1本の光入力導波路と、該光入力導波路の出力側に接続された第1のスラブ導波路と、該第1のスラブ導波路の出力側に接続され、互いに設定量異なる長さの複数並設されたチャネル導波路から成るアレイ導波路と、該アレイ導波路の出力側に接続された第2のスラブ導波路と、該第2のスラブ導波路の出力側に接続された少なくとも1本の光出力導波路とを有する光回路と、該光回路の前記アレイ導波路に設定位相分布を与える位相分布付与部とを有し、前記設定位相分布は、アレイ導波路のチャンネル導波路本数をM本(Mは正の整数)、チャンネル導波路の配列順に付与したチャンネル導波路番号をk(k=0〜M−1)としたとき、チャンネル導波路番号kの中心(M−1)/2に対して実質的に線対称となる偶関数的分布とし、設定位相分布は、請求項2に記載した、係数Aを含む式、(数2)で表されるExp関数分布P(k)とした構成をもって課題を解決する手段としている。
【0021】
さらに、第3の発明の可変分散補償器は、少なくとも1本の光入力導波路と、該光入力導波路の出力側に接続された第1のスラブ導波路と、該第1のスラブ導波路の出力側に接続され、互いに設定量異なる長さの複数並設されたチャネル導波路から成るアレイ導波路と、該アレイ導波路の出力側に接続された第2のスラブ導波路と、該第2のスラブ導波路の出力側に接続された少なくとも1本の光出力導波路とを有する光回路と、該光回路の前記アレイ導波路に設定位相分布を与える位相分布付与部とを有し、前記設定位相分布は、アレイ導波路のチャンネル導波路本数をM本(Mは正の整数)、チャンネル導波路の配列順に付与したチャンネル導波路番号をk(k=0〜M−1)としたとき、チャンネル導波路番号kの中心(M−1)/2に対して実質的に線対称となる偶関数的分布とし、設定位相分布は、請求項3に記載した、係数Aを含む式、(数3)で表される1次関数分布P(k)とした構成をもって課題を解決する手段としている。
【0022】
さらに、第4の発明の可変分散補償器は、上記第1乃至第3のいずれか一つの発明の構成に加え、前記位相分布付与部は設定位相分布を可変可能と成している構成をもって課題を解決する手段としている。
【0023】
さらに、第5の発明の可変分散補償器は、上記第1乃至第4のいずれか一つの発明の構成に加え、前記位相分布付与部は少なくともアレイ導波路形成領域の設定領域を加熱する加熱部を有している構成をもって課題を解決する手段としている。
【0024】
さらに、第6の発明の可変分散補償デバイスは、上記第1乃至第5のいずれか一つの発明の可変分散補償器と分散補償光ファイバを接続して成り、光伝送路の波長分散を補償する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、本実施形態例の説明において、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略又は簡略化する。
【0026】
図1には、本発明に係る可変分散補償デバイスの第1実施形態例の要部構成図が模式的に示されている。本実施形態例の可変分散補償デバイスは、分散補償光ファイバ40と可変分散補償器41とを有し、可変分散補償器41の光入力側に分散補償光ファイバ40を接続して形成されている。本実施形態例の可変分散補償デバイスは、光伝送路の波長分散を補償する分散補償デバイスである。
【0027】
可変分散補償器41は、少なくとも1本(ここでは1本)の光入力導波路2と、該光入力導波路2の出力側に接続された第1のスラブ導波路3と、該第1のスラブ導波路3の出力側に接続され、互いに設定量異なる長さの複数並設されたチャネル導波路4aから成るアレイ導波路4と、該アレイ導波路4の出力側に接続された第2のスラブ導波路5と、該第2のスラブ導波路5の出力側に接続された少なくとも1本(ここでは1本)の光出力導波路6とを有する光回路12を有し、該光回路12のアレイ導波路4に設定位相分布を与える位相分布付与部7を設けて形成されている。
【0028】
上記設定位相分布は、アレイ導波路4のチャンネル導波路4aの本数をM本(Mは正の整数)、チャンネル導波路4aの配列順に付したチャンネル導波路4aの番号をk(k=0〜M−1)としたとき、チャンネル導波路番号kの中心(M−1)/2に対して実質的に線対称となる偶関数的分布である。
【0029】
この偶関数的分布は、例えば図5に示すような2次関数分布であり、係数Aを含む式、(数4)で表せる位相分布P(k)とすることができる。
【0030】
【数4】
【0031】
なお、図5において、特性線aは前記(数4)におけるAを+π(rad)としたもの、特性線bは(数4)におけるAを+0.8(rad)としたもの、特性線cは(数4)におけるAを−0.8(rad)としたもの、特性線dは(数4)におけるAを−π(rad)としたものをそれぞれ示す。
【0032】
図1に示すように、前記位相分布付与部7は、少なくともアレイ導波路4の形成領域の設定領域を加熱する加熱部としてのヒーター8(8a,8b)と、これらのヒーター8(8a,8b)に通電する通電手段(図1には図示せず)を有して構成されている。
【0033】
なお、図2には、ヒーター8bの形成部の拡大図が模式的に示されており、このヒーター8bには、通電手段15と通電用の電極14が接続されている。また、図2はヒーター8bを示しているが、ヒーター8aもヒーター8bと同様にアレイ導波路4の形成領域の設定領域に形成されており、ヒーター8aにも通電用の電極と通電手段が接続されている。
【0034】
位相分布付与部7は、ヒーター8(8a,8b)による加熱により、それぞれのチャンネル導波路4aの屈折率を調整することによって、設定位相分布が上記のような実質的に偶関数的分布となるようにする。
【0035】
位相分布付与部7は、設定位相分布を可変可能と成しており、前記通電手段によりヒーター8(8a,8b)に通電する通電量を可変することによって、ヒーター8(8a,8b)によるチャンネル導波路4aの加熱量を可変し、対応するチャンネル導波路4aの屈折率の調整量を可変する。
【0036】
なお、ヒーター8(8a,8b)の形成形態は特に限定されるものではないが、本実施形態例においては、図1に示すように、ヒーター8(8a)とヒーター8(8b)は互いに間隔を介して形成されている。ヒーター8(8a)とヒーター8(8a)に通電する通電手段は、正分散補償用位相シフターとして機能し、ヒーター8(8b)とヒーター8(8b)に通電する通電手段は、負分散補償用位相シフターとして機能する。
【0037】
ところで、本発明者は、上記本実施形態例の構成を決定するにあたり、以下の検討を行った。
【0038】
まず、分散補償光ファイバを用いずに可変分散補償器のみで光伝送路の分散補償を行うこと考えると、適用する可変分散補償器の自由スペクトル領域における周期的特性が問題となってくる可能性がある。
【0039】
そこで、本発明者は、全ての分散補償を可変分散補償器で行うのではなく、分散補償の大部分を分散補償光ファイバにより行い、その残りの残留分散を可変分散補償器で行う構成にすることを考えた。このような構成にすれば、可変分散補償器で補償する分散補償量はせいぜい±100psec/nmの小さな値となる。
【0040】
そこで、本実施形態例は、上記の如く、分散補償光ファイバ40と可変分散補償器41とを接続して成る可変分散補償デバイスとした。
【0041】
なお、本構成の光回路12は、その伝達関数の位相特性が直線位相であるため、その角周波数での2回微分により求められる分散値は0psec/nmである。そのため、このままでは、光回路12に分散が発生しないので、何らかの工夫が必要となる。
【0042】
そこで、本発明者は、本構成の光回路12のアレイ導波路4に波長分散発生用の新たな設定位相分布を与えることを考えた。
【0043】
アレイ導波路4のチャンネル導波路4aの本数をM本(Mは正の整数)、チャンネル導波路4aの配列順に付したチャンネル導波路4aの番号をk(k=0〜M−1)としたとき、アレイ導波路4に形成する位相分布P(k)を考慮した本回路12の伝達関数は、(数5)により与えられる。
【0044】
【数5】
【0045】
ここで、λは波長、H(λ)は波長λの光の伝達関数、Akはチャンネル導波路4の光電界振幅、neffはチャンネル導波路4aの等価屈折率、ΔLは隣り合うチャンネル導波路4aの光路長差、j=√(−1)である。
【0046】
本発明者は、(数5)において、位相分布P(k)を適宜の設定位相分布にすることにより、適宜の分散を発生させられると考え、以下の検討を行った。
【0047】
まず、位相分布P(k)を、例えば図3の(a)に示すような、チャンネル導波路番号kの中心に対して実質的に線対称となる偶関数的分布にするか、図3の(b)に示すような、チャンネル導波路番号kの中心に対して線対称とならない奇関数的分布にするかを検討した。なお、図3の(a)の偶関数的分布は2次関数分布である。
【0048】
そして、上記偶関数的分布と奇関数的分布について、それぞれ、位相分布P(k)と(数5)を用いて波長分散を計算した結果、図4の(a)、(b)に示す結果が得られた。図4の(a)は、位相分布P(k)を偶関数的分布にした場合の相対群遅延(波長分散)を示し、図4の(b)は、位相分布P(k)を奇関数的分布にした場合の相対群遅延を示す。
【0049】
これらの図4(a)、(b)から分かるように、奇関数的な位相分布では殆ど分散は発生しないが、偶関数的な位相分布では大きく分散が発生していることが分かる。
【0050】
したがって、分散を効率的に発生させるには、前記設定位相分布を偶関数的分布とすればよいことが分かった。そこで、先ず、本発明に関連する参考例として、位相分布付与部によってアレイ導波路4に与える設定位相分布は偶関数的分布にすることに決定し、前記式(数4)で表される2次関数分布P(k)にした。
【0051】
また、本参考例において、上記設定位相分布を与える位相分布付与部7は、アレイ導波路4形成領域の設定領域を加熱するヒーター8を設けて形成することで、ヒーター8への通電による加熱によってチャンネル導波路4aの屈折率が調整可能な簡単な構成とした。また、ヒーター8に通電する通電量を可変することにより、チャンネル導波路4aの屈折率の調整量を可変し、設定位相分布を可変することにした。
【0052】
この場合の位相変化量Φshiftは(数6)により示される。
【0053】
【数6】
【0054】
ここで、λは波長、nはチャンネル導波路4aの屈折率、Tは温度、ΔTはヒーター8の温度変化量、Lはヒーター8を設けたチャンネル導波路4aの長さである。dn/dTはチャンネル導波路4aの屈折率の温度依存性であり、チャンネル導波路4aが石英系の光導波路の場合、8×10−6程度である。
【0055】
したがって、例えばL=4000μmとした場合、波長1.55μmにおいて位相をπ変えるためには、ヒーター8の温度変化量を約24℃とする必要があることが分かる。
【0056】
そこで、本参考例では、ヒーター8(8a)の形成長の最大値(この場合、配列中心のチャンネル導波路4aに形成したヒーター8(8a)の長さ)を4000μmとし、ヒーター8(8a)の温度変化量を最大約24℃とすることによって、位相分布を0から−π(rad)まで変化できるようにした。
【0057】
また、ヒーター8(8b)の形成長の最大値(この場合、配列両端側のチャンネル導波路4aに形成したヒーター8(8b)の長さ)を4000μmとし、ヒーター8(8b)の温度変化量を最大約24℃とすることによって、位相分布を0から+π(rad)まで変化できるようにした。
【0058】
この構成により、本参考例に適用している可変分散補償器41は、位相分布の最大値を−π(rad)から+π(rad)まで変化できるようにした。
【0059】
図6には、本参考例に適用した可変分散補償器41の分散特性の計算値が示されている。図6に示すように、この可変分散補償器41は、計算上、波長分散を+105psec/nm〜−105psec/nmまで変化させられることが分かった。
【0060】
本参考例の可変分散補償デバイスは、上記構成の可変分散補償器41と前記分散補償光ファイバ40を接続して形成したものであるから、光伝送路の波長分散の大部分を分散補償光ファイバ40により行い、その残りの波長分散を可変分散補償器41により微調整して、光伝送路の波長分散を正確に補償することができる。
【0061】
また、本参考例によれば、可変分散補償器41は、光回路12と、該光回路12のアレイ導波路4に波長分散発生用の設定位相分布を与える位相分布付与部7を有する構成としたので、簡単な構成で波長分散を発生させることができる。
【0062】
さらに、本参考例によれば、本発明者の検討に基づき、設定位相分布をチャンネル導波路番号の中心に対して実質的に線対称となる偶関数的分布とし、設定位相分布が上記偶関数的分布となるように、ヒーター8(8a,8b)への通電を行って、それぞれのチャンネル導波路4aの屈折率を調整するので、容易に、かつ、非常に適切に波長分散を発生させることができる。
【0063】
さらに、本参考例によれば、ヒーター8(8a,8b)への通電量を可変することにより、設定位相分布を可変して波長分散を可変できるので、光伝送路に対応させて波長分散を可変することができ、波長分散技術適用のためのコストダウンを図れ、光通信システムのコストを低減できる。
【0064】
(具体的な参考例)
以下、具体的な参考例について説明する。本参考例の可変分散補償デバイスは、図1に示すように、分散補償光ファイバ40と可変分散補償器41とを接続して形成した可変分散補償デバイスであり、分散補償光ファイバ40は1000psec/nmの分散を補償できる分散補償光ファイバにより形成した。また、可変分散補償器41を以下のようにして製造した。
【0065】
つまり、この可変分散補償器41の製造は、まず、火炎加水分解堆積法を用いてシリコン基板1上にアンダークラッド膜、コア膜を形成し、その後、図1に示すような構成の可変分散補償器の回路パターンが描かれたフォトマスクを介してフォトリソグラフィー、反応性イオンエッチング法を用いて、コアにフォトマスクの回路パターンを転写して行った。
【0066】
その後、再度、火炎加水分解堆積法を用いてオーバークラッド膜を形成した。さらに、アレイ導波路4の形成領域の設定領域のオーバークラッド膜表面にヒーターを形成するため、アレイ導波路4の位相分布が設定位相分布となるように形成されたフォトマスクを介して、フォトリソグラフィーとスパッタ法により、アレイ導波路4のオーバークラッド膜表面にCr膜のヒーター8(8a,8b)と給電(通電)のための電極14を形成し、通電手段を接続して可変分散補償器41を完成させた。
【0067】
また、この参考例は、可変分散補償器41の設計値を表1に示す値とした。
【0068】
【表1】
【0069】
そして、位相分布付与部7によりアレイ導波路4に与える設定位相分布を、前記式(数4)に示した2次関数分布を有する位相分布P(k)とし、例えば図5の特性線a〜dに示した分布のように、(数4)の係数Aを変化させることにより、設定位相分布を可変可能とした。
【0070】
図7の特性線a〜dには、この参考例に適用した可変分散補償器41の分散特性を示し、図8の特性線a〜dには、この参考例に適用した可変分散補償器41の光透過特性を示す。これらの図7、図8において、特性線aは(数4)におけるAを+π(rad)としたもの、特性線bは(数4)におけるAを+0.8(rad)としたもの、特性線cは(数4)におけるAを−0.8(rad)としたもの、特性線dは(数4)におけるAを−π(rad)としたものをそれぞれ示す。
【0071】
図7の特性線a〜dから、この実施例に適用した可変分散補償器41は、波長分散を約+102psec/nm〜−99psec/nmまで変化させられることが分かった。つまり、この実施例の可変分散補償デバイスは、分散補償光ファイバ40によって1000psec/nmの波長分散を補償でき、かつ、この分散補償光ファイバ40で補償しきれなかった残留分散を可変分散補償器41によって約+102psec/nm〜−99psec/nmの範囲で補償できることが分かった。
【0072】
次に、本発明に係る可変分散補償デバイスの第1実施形態例について説明する。第1実施形態例は、上記参考例とほぼ同様に構成されており、第1実施形態例の説明において、上記参考例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略する。
【0073】
第1実施形態例が上記参考例と異なる特徴的なことは、位相分布付与部7によりアレイ導波路4に与える設定位相分布を、請求項1に記載した、係数Aを含む式、(数1)に示すSin関数分布を有する位相分布P(k)としたことである。
【0074】
本発明者は、第1実施形態例の実施例として、可変分散補償器41の設計値を表2に示す値とし、ヒーター8(8a,8b)はTiNi膜のヒーターとし、給電のための電極はAu電極とし、その他の構成は上記参考例と同様の可変分散補償器を形成した。
【0075】
【表2】
【0076】
そして、第1実施形態例では、例えば図9の特性線a〜dに示す分布のように、前記式(数1)の係数Aを変化させることにより、設定位相分布を可変可能とした。
【0077】
なお、図9において、特性線aは(数1)におけるAを+π(rad)としたもの、特性線bは(数1)におけるAを+0.8(rad)としたもの、特性線cは(数1)におけるAを−0.8(rad)としたもの、特性線dは(数1)におけるAを−π(rad)としたものをそれぞれ示す。
【0078】
また、図10の特性線a〜dには、第1実施形態例に適用した可変分散補償器41の分散特性を示す。図10においても、特性線aは(数1)におけるAを+π(rad)としたもの、特性線bは(数1)におけるAを+0.8(rad)としたもの、特性線cは(数1)におけるAを−0.8(rad)としたもの、特性線dは(数1)におけるAを−π(rad)としたものをそれぞれ示す。
【0079】
図10の特性線a〜dから、第1実施形態例に適用した可変分散補償器41は、波長分散を約+249psec/nm〜−250psec/nmまで変化させられることが分かった。つまり、第1実施形態例の可変分散補償デバイスは、分散補償光ファイバ40によって1000psec/nmの波長分散を補償でき、かつ、この分散補償光ファイバ40で補償しきれなかった残留分散を可変分散補償器41によって約+249psec/nm〜−250psec/nmの範囲で補償できることが分かった。
【0080】
次に、本発明に係る可変分散補償デバイスの第2実施形態例について説明する。第2実施形態例は、上記参考例や、第1実施形態例とほぼ同様に構成されており、第2実施形態例の説明において、上記参考例及び第1実施形態例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略する。
【0081】
第2実施形態例が上記参考例及び第1実施形態例と異なる特徴的なことは、位相分布付与部7によりアレイ導波路4に与える設定位相分布を、請求項2に記載した、係数Aを含む式、(数2)に示すExp関数分布を有する位相分布P(k)としたことである。
【0082】
本発明者は、第2実施形態例の実施例として、可変分散補償器41の設計値を表3に示す値とし、ヒーター8(8a,8b)はTaN膜のヒーターとし、給電のための電極はAu電極とし、その他の構成は上記参考例と同様の可変分散補償器を形成した。
【0083】
【表3】
【0084】
そして、第2実施形態例では、例えば図11の特性線a〜dに示す分布のように、(数2)の係数Aを変化させることにより、設定位相分布を可変可能とした。
【0085】
なお、図11において、特性線aは(数2)におけるAを+π(rad)としたもの、特性線bは(数2)におけるAを+0.8(rad)としたもの、特性線cは(数2)におけるAを−0.8(rad)としたもの、特性線dは(数2)におけるAを−π(rad)としたものをそれぞれ示す。
【0086】
また、図12の特性線a〜dには、第2実施形態例に適用した可変分散補償器41の分散特性を示す。図12においても、特性線aは(数2)におけるAを+π(rad)としたもの、特性線bは(数2)におけるAを+0.8(rad)としたもの、特性線cは(数2)におけるAを−0.8(rad)としたもの、特性線dは(数2)におけるAを−π(rad)としたものをそれぞれ示す。
【0087】
図12の特性線a〜dから、第2実施形態例に適用した可変分散補償器41は、波長分散を約+144psec/nm〜−140psec/nmまで変化させられることが分かった。つまり、第2実施形態例の可変分散補償デバイスは、分散補償光ファイバ40によって1000psec/nmの波長分散を補償でき、かつ、この分散補償光ファイバ40で補償しきれなかった残留分散を可変分散補償器41によって約+144psec/nm〜−140psec/nmの範囲で補償できることが分かった。
【0088】
次に、本発明に係る可変分散補償器の第3実施形態例について説明する。第3実施形態例は、上記参考例及び各実施形態例とほぼ同様に構成されており、第3実施形態例の説明において、上記参考例及び各実施形態例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略する。
【0089】
第3実施形態例が上記参考例及び各実施形態例と異なる特徴的なことは、位相分布付与部7によりアレイ導波路4に与える設定位相分布を、請求項3に記載した、係数Aを含む式、(数3)に示す1次関数分布を有する位相分布P(k)としたことである。
【0090】
本発明者は、第3実施形態例の実施例として、可変分散補償器41の設計値を表4に示す値とし、ヒーター8(8a,8b)はTiNi膜のヒーターとし、給電のための電極はAu電極とし、その他の構成は上記参考例と同様の可変分散補償器を形成した。
【0091】
【表4】
【0092】
そして、第3実施形態例では、例えば図13の特性線a〜dに示す分布のように、(数3)の係数Aを変化させることにより、設定位相分布を可変可能とした。
【0093】
なお、図13において、特性線aは(数3)におけるAを+π(rad)としたもの、特性線bは(数3)におけるAを+0.8(rad)としたもの、特性線cは(数3)におけるAを−0.8(rad)としたもの、特性線dは(数3)におけるAを−π(rad)としたものをそれぞれ示す。
【0094】
また、図14の特性線a〜dには、第3実施形態例に適用した可変分散補償器41の分散特性を示す。図14においても、特性線aは(数3)におけるAを+π(rad)としたもの、特性線bは(数3)におけるAを+0.8(rad)としたもの、特性線cは(数3)におけるAを−0.8(rad)としたもの、特性線dは(数3)におけるAを−π(rad)としたものをそれぞれ示す。
【0095】
図14の特性線a〜dから、第3実施形態例に適用した可変分散補償器41は、波長分散を約+320psec/nm〜−325psec/nmまで変化させられることが分かった。つまり、第3実施形態例の可変分散補償デバイスは、分散補償光ファイバ40によって1000psec/nmの波長分散を補償でき、かつ、この分散補償光ファイバ40で補償しきれなかった残留分散を可変分散補償器41によって約+320psec/nm〜−325psec/nmの範囲で補償できることが分かった。
【0096】
なお、本発明は上記実施形態例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば上記各実施形態例では、可変分散補償器41のアレイ導波路4の設定位相分布を各実施形態例に示したようなSin関数分布、Exp関数分布、1次関数分布としたが、設定位相分布は特に限定されるものでなく適宜設定されるものである。つまり、設定位相分布は、チャンネル導波路4aの番号の中心に対して実質的に線対称となる偶関数的分布とすればよい。
【0097】
また、可変分散補償器41のパラメータは特に限定されるものでなく適宜設定されるものであり、可変分散補償器41のパラメータを適宜設定することにより、様々な波長分散特性を有する可変分散補償器41を形成し、様々な可変分散補償デバイスを構成できる。
【0098】
さらに、上記実施形態例では、可変分散補償器41の入力側に分散補償光ファイバ40を接続したが、可変分散補償器41の入力側と出力側の少なくとも一方に分散補償光ファイバ40を接続して、本発明の可変分散補償デバイスを形成できる。
【0099】
さらに、本発明の可変分散補償デバイスに適用する可変分散補償器41は、必ずしも上記実施形態例に適用した可変分散補償器41とするとは限らず、可変分散補償器41は、例えば図15の(a)〜(c)に示すように、光入力導波路2と光出力導波路6の少なくとも一方を複数並設した光回路12を有する構成としてもよい。
【0100】
本発明の可変分散補償デバイスは、分散補償光ファイバ40と可変分散補償器41を組み合わせることにより、例えば40Gbit/s以上の伝送速度に対応可能な、正確な分散補償技術を実現することができる。
【0101】
【発明の効果】
本発明の可変分散補償器は、光回路と、該光回路のアレイ導波路に設定位相分布を与える位相分布付与部を有する構成としたので、簡単な構成で波長分散を発生させることができ、光伝送路等の波長分散補償を行うことができる。
【0102】
また、本発明の可変分散補償器において、前記設定位相分布を、式(数1)〜(数3)に示したような、Sin関数分布、Exp関数分布、1次関数分布のいずれかとした構成によれば、可変分散補償器によって非常に適切な波長分散を発生させて上記効果を発揮することができる。
【0103】
さらに、本発明の可変分散補償器において、前記位相分布付与部は設定位相分布を可変可能と成している構成によれば、可変分散補償器により発生する波長分散を可変することができ、光伝送路等に対応させて、より的確に波長分散補償を行うことができる。
【0104】
さらに、本発明の可変分散補償器において、位相分布付与部は少なくともアレイ導波路形成領域の設定領域を加熱する加熱部を有している構成によれば、加熱部によるアレイ導波路形成領域の設定領域の加熱によって、チャンネル導波路の屈折率調整を容易に行え、可変分散補償器によって、適切な波長分散を容易に発生することができる。
【0105】
さらに、本発明の可変分散補償デバイスによれば、上記のような可変分散補償器と分散補償光ファイバを接続して形成したものであるから、光伝送路の波長分散の大部分を分散補償光ファイバにより行い、その残りの波長分散を可変分散補償器により微調整して、光伝送路の波長分散を正確に補償することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る可変分散補償デバイスの第1〜第3実施形態例を模式的に示す構成図である。
【図2】 上記実施形態例に形成されている位相分布付与部の説明図である。
【図3】 偶関数的位相分布と奇関数的位相分布の例をそれぞれ示すグラフである。
【図4】 アレイ導波路に与える設定位相分布を偶関数的位相分布にしたときと奇関数的位相分布にしたときの波長分散発生状態をそれぞれ示すグラフである。
【図5】 本発明に関連する可変分散補償デバイスの参考例に適用した設定位相分布を示すグラフである。
【図6】 上記参考例に適用した可変分散補償器により発生する波長分散の計算値を示すグラフである。
【図7】 上記参考例に適用した可変分散補償器により発生する波長分散を示すグラフである。
【図8】 上記参考例に適用した可変分散補償器の光透過特性例を示すグラフである。
【図9】 本発明に係る可変分散補償デバイスの第1実施形態例に適用した設定位相分布を示すグラフである。
【図10】 上記第1実施形態例に適用した可変分散補償器により発生する波長分散を示すグラフである。
【図11】 本発明に係る可変分散補償デバイスの第2実施形態例に適用した設定位相分布を示すグラフである。
【図12】 上記第2実施形態例に適用した可変分散補償器により発生する波長分散を示すグラフである。
【図13】 本発明に係る可変分散補償デバイスの第3実施形態例に適用した設定位相分布を示すグラフである。
【図14】 上記第3実施形態例に適用した可変分散補償器により発生する波長分散を示すグラフである。
【図15】 本発明に係る可変分散補償デバイスの他の実施形態例に適用される可変分散補償器の構成例を、その動作例と共に示す説明図である。
【図16】 従来提案されている可変分散補償器の構成例を示す説明図である。
【図17】 従来提案されている可変分散補償器の別の構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 基板
2 光入力導波路
3 第1のスラブ導波路
4 アレイ導波路
4a チャンネル導波路
5 第2のスラブ導波路
6 光出力導波路
7 位相付与部
8,8a,8b ヒーター
11 アレイ導波路回折格子
12 本発明の光回路の構成
40 分散補償光ファイバ
41 可変分散補償器
Claims (6)
- 少なくとも1本の光入力導波路と、該光入力導波路の出力側に接続された第1のスラブ導波路と、該第1のスラブ導波路の出力側に接続され、互いに設定量異なる長さの複数並設されたチャネル導波路から成るアレイ導波路と、該アレイ導波路の出力側に接続された第2のスラブ導波路と、該第2のスラブ導波路の出力側に接続された少なくとも1本の光出力導波路とを有する光回路と、該光回路の前記アレイ導波路に設定位相分布を与える位相分布付与部とを有し、前記設定位相分布は、アレイ導波路のチャンネル導波路本数をM本(Mは正の整数)、チャンネル導波路の配列順に付与したチャンネル導波路番号をk(k=0〜M−1)としたとき、チャンネル導波路番号kの中心(M−1)/2に対して実質的に線対称となる偶関数的分布とし、
設定位相分布は、係数Aを含む式、
- 少なくとも1本の光入力導波路と、該光入力導波路の出力側に接続された第1のスラブ導波路と、該第1のスラブ導波路の出力側に接続され、互いに設定量異なる長さの複数並設されたチャネル導波路から成るアレイ導波路と、該アレイ導波路の出力側に接続された第2のスラブ導波路と、該第2のスラブ導波路の出力側に接続された少なくとも1本の光出力導波路とを有する光回路と、該光回路の前記アレイ導波路に設定位相分布を与える位相分布付与部とを有し、前記設定位相分布は、アレイ導波路のチャンネル導波路本数をM本(Mは正の整数)、チャンネル導波路の配列順に付与したチャンネル導波路番号をk(k=0〜M−1)としたとき、チャンネル導波路番号kの中心(M−1)/2に対して実質的に線対称となる偶関数的分布とし、
設定位相分布は、係数Aを含む式、
- 少なくとも1本の光入力導波路と、該光入力導波路の出力側に接続された第1のスラブ導波路と、該第1のスラブ導波路の出力側に接続され、互いに設定量異なる長さの複数並設されたチャネル導波路から成るアレイ導波路と、該アレイ導波路の出力側に接続された第2のスラブ導波路と、該第2のスラブ導波路の出力側に接続された少なくとも1本の光出力導波路とを有する光回路と、該光回路の前記アレイ導波路に設定位相分布を与える位相分布付与部とを有し、前記設定位相分布は、アレイ導波路のチャンネル導波路本数をM本(Mは正の整数)、チャンネル導波路の配列順に付与したチャンネル導波路番号をk(k=0〜M−1)としたとき、チャンネル導波路番号kの中心(M−1)/2に対して実質的に線対称となる偶関数的分布とし、
設定位相分布は、係数Aを含む式、
- 位相分布付与部は設定位相分布を可変可能と成していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の可変分散補償器。
- 位相分布付与部は少なくともアレイ導波路形成領域の設定領域を加熱する加熱部を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の可変分散補償器。
- 請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の可変分散補償器と分散補償光ファイバを接続して成り、光伝送路の波長分散を補償することを特徴とする可変分散補償デバイス。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002204333A JP3884341B2 (ja) | 2002-01-21 | 2002-07-12 | 可変分散補償器およびその可変分散補償器を用いた可変分散補償デバイス |
US10/347,370 US7072545B2 (en) | 2002-01-21 | 2003-01-21 | Dispersion compensator, method for manufacturing the same, and method for compensating wavelength dispersion |
US11/416,200 US7133587B2 (en) | 2002-01-21 | 2006-05-03 | Dispersion compensator, method for manufacturing the same, and method for compensating wavelength dispersion |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002-11621 | 2002-01-21 | ||
JP2002011621 | 2002-01-21 | ||
JP2002204333A JP3884341B2 (ja) | 2002-01-21 | 2002-07-12 | 可変分散補償器およびその可変分散補償器を用いた可変分散補償デバイス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003279910A JP2003279910A (ja) | 2003-10-02 |
JP3884341B2 true JP3884341B2 (ja) | 2007-02-21 |
Family
ID=29253039
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002204333A Expired - Fee Related JP3884341B2 (ja) | 2002-01-21 | 2002-07-12 | 可変分散補償器およびその可変分散補償器を用いた可変分散補償デバイス |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US7072545B2 (ja) |
JP (1) | JP3884341B2 (ja) |
Families Citing this family (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3884341B2 (ja) * | 2002-01-21 | 2007-02-21 | 古河電気工業株式会社 | 可変分散補償器およびその可変分散補償器を用いた可変分散補償デバイス |
JP3721565B2 (ja) * | 2004-02-27 | 2005-11-30 | 学校法人慶應義塾 | 光機能導波路、光変調器、アレイ導波路回折格子及び分散補償回路 |
JP4875297B2 (ja) * | 2004-11-25 | 2012-02-15 | 古河電気工業株式会社 | 可変分散補償器、可変分散補償デバイス |
JP4650064B2 (ja) * | 2005-03-31 | 2011-03-16 | Kddi株式会社 | 光伝送方法及びシステム |
JP2007065562A (ja) | 2005-09-02 | 2007-03-15 | Furukawa Electric Co Ltd:The | アレイ導波路回折格子 |
JP4748524B2 (ja) * | 2006-08-31 | 2011-08-17 | 古河電気工業株式会社 | アレイ導波路格子型合分波器 |
US7630602B2 (en) * | 2006-12-04 | 2009-12-08 | Electronics And Telecommunications Research Institute | Optical filter module and method of manufacturing the same |
JP5100175B2 (ja) * | 2007-03-28 | 2012-12-19 | 古河電気工業株式会社 | アレイ導波路格子型の合分波装置 |
US7403682B1 (en) * | 2007-11-21 | 2008-07-22 | Lucent Technologies Inc. | Dispersion compensation apparatus |
JP4945475B2 (ja) * | 2008-02-19 | 2012-06-06 | 日本電信電話株式会社 | 可変分散補償器 |
JP2010276639A (ja) * | 2009-05-26 | 2010-12-09 | Furukawa Electric Co Ltd:The | アレイ導波路格子 |
US20110085761A1 (en) * | 2009-05-26 | 2011-04-14 | Furukawa Electric Co., Ltd. | Arrayed waveguide grating and method of manufacturing arrayed waveguide grating |
JP5594192B2 (ja) * | 2011-03-08 | 2014-09-24 | 住友大阪セメント株式会社 | 光変調器 |
US9207399B2 (en) | 2013-01-28 | 2015-12-08 | Aurrion, Inc. | Athermal optical filter with active tuning and simplified control |
WO2017019145A1 (en) * | 2015-07-24 | 2017-02-02 | Aurrion, Inc. | Phase tuning in waveguide arrays |
Family Cites Families (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05303019A (ja) | 1992-04-24 | 1993-11-16 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 光ファイバ分散補償器 |
JP3209299B2 (ja) | 1993-05-20 | 2001-09-17 | 日本電信電話株式会社 | 光分散等化器 |
JPH07333446A (ja) * | 1994-06-06 | 1995-12-22 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 光合分波器 |
EP0826989B1 (en) * | 1996-09-02 | 2009-12-16 | Nippon Telegraph And Telephone Corporation | Optical signal processing apparatus and optical signal processing method |
EP1136852A1 (en) | 1999-08-10 | 2001-09-26 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | Array waveguide diffraction grating |
JP3434489B2 (ja) | 1999-09-24 | 2003-08-11 | 古河電気工業株式会社 | アレイ導波路型回折格子 |
JP4460031B2 (ja) | 2000-03-28 | 2010-05-12 | 古河電気工業株式会社 | アレイ導波路型回折格子 |
JP2001281474A (ja) | 2000-03-29 | 2001-10-10 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 分散補償器及びそれを用いた分散補償モジュール |
JP3566940B2 (ja) | 2000-04-18 | 2004-09-15 | 古河電気工業株式会社 | アレイ導波路回折格子型光合分波器 |
JP4494599B2 (ja) | 2000-07-14 | 2010-06-30 | 古河電気工業株式会社 | アレイ導波路回折格子型光合分波器 |
JP2002131658A (ja) | 2000-10-26 | 2002-05-09 | Mitsubishi Electric Corp | 分散イコライザ |
US6892003B2 (en) * | 2001-04-03 | 2005-05-10 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Variable dispersion compensator and optical transmission system |
US20020181869A1 (en) * | 2001-06-01 | 2002-12-05 | Wenhua Lin | Tunable dispersion compensator |
US20030091265A1 (en) * | 2001-11-13 | 2003-05-15 | Wenhua Lin | Optical component having a light distribution component with an index of refraction tuner |
JP3884341B2 (ja) * | 2002-01-21 | 2007-02-21 | 古河電気工業株式会社 | 可変分散補償器およびその可変分散補償器を用いた可変分散補償デバイス |
US6882778B2 (en) * | 2002-04-15 | 2005-04-19 | Jds Uniphase Corporation | Chromatic dispersion compensation in waveguide arrays |
-
2002
- 2002-07-12 JP JP2002204333A patent/JP3884341B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2003
- 2003-01-21 US US10/347,370 patent/US7072545B2/en not_active Expired - Fee Related
-
2006
- 2006-05-03 US US11/416,200 patent/US7133587B2/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20060193558A1 (en) | 2006-08-31 |
US20040028367A1 (en) | 2004-02-12 |
JP2003279910A (ja) | 2003-10-02 |
US7072545B2 (en) | 2006-07-04 |
US7133587B2 (en) | 2006-11-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3884341B2 (ja) | 可変分散補償器およびその可変分散補償器を用いた可変分散補償デバイス | |
CN100401662C (zh) | 可调色散补偿器 | |
US7085438B2 (en) | Optical multi/demultiplexing circuit equipped with phase generating device | |
US7171076B2 (en) | Dispersion-slope compensator | |
WO2010007888A1 (ja) | 光波長合分波回路 | |
JP2003337236A (ja) | 光リング共振器、光導波路デバイスならびに光リング共振器の製造方法 | |
US6847759B2 (en) | Wavelength dispersion compensating filter | |
Yamada | Crosstalk reduction in a 10-GHz spacing arrayed-waveguide grating by phase-error compensation | |
WO2003079055A2 (en) | Multichannel integrated tunable thermo-optic lens and dispersion compensator | |
US20020102052A1 (en) | Planar waveguide dispersion compensator | |
JP2020118887A (ja) | 波長制御素子及び波長制御方法 | |
US20090169211A1 (en) | Performance Compensated Tx/Rx Optical Devices | |
Wang et al. | Hitless and gridless reconfigurable optical add drop (de) multiplexer based on looped waveguide sidewall Bragg gratings on silicon | |
Li et al. | Bandwidth-tunable optical filter based on microring resonator and MZI with Fano resonance | |
EP1065813A2 (en) | Optical system | |
US20080019640A1 (en) | Dynamically tunable waveguide chip for optical transforms | |
JP3907531B2 (ja) | 可変分散補償器 | |
US20070206896A1 (en) | Tunable dispersion compensation apparatus | |
Doerr et al. | Planar lightwave circuits in fiber-optic communications | |
GB2355610A (en) | Adjustable chromatic dispersion compensator | |
Matos et al. | Arrayed waveguide grating based on group-index modification | |
Doerr et al. | Four-stage Mach-Zehnder-type tunable optical dispersion compensator with single-knob control | |
US9817297B1 (en) | Reconfigurable athermal optical filters | |
JP4875297B2 (ja) | 可変分散補償器、可変分散補償デバイス | |
Mizuno et al. | Uniform wavelength spacing Mach-Zehnder interferometer using phase-generating couplers |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040405 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050210 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060228 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060428 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060530 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060731 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20060922 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061017 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061116 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101124 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111124 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121124 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131124 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |