JP3209299B2 - 光分散等化器 - Google Patents

光分散等化器

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JP3209299B2
JP3209299B2 JP11833493A JP11833493A JP3209299B2 JP 3209299 B2 JP3209299 B2 JP 3209299B2 JP 11833493 A JP11833493 A JP 11833493A JP 11833493 A JP11833493 A JP 11833493A JP 3209299 B2 JP3209299 B2 JP 3209299B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分散を有する光ファイ
バ等を伝搬して歪を受けた光信号を波形整形する、即
ち、周波数が異なる信号光の遅れ歪を矯正する光分散等
化器に関する。
【0002】
【従来の技術】波長λ=1.3μmに零分散を有する光
ファイバ(日本縦貫光通信回線等、既設の殆どの光ファ
イバがこのタイプである)を、最低損失帯である波長λ
=1.55μmで使用する場合、光ファイバの分散のた
めに光信号周波数fが高くなるにつれて、伝搬速度が速
く即ち伝搬遅延時間τが小さくなる。そのため、光信号
パルスの遅れ歪が大きくなるので、伝送容量あるいは伝
送距離、中継距離が制限される。
【0003】そこで、分散を有する光ファイバを伝搬し
て歪を受けた信号を波形整形するために分散等化器が必
要であり、従来、図12に示すようなマイクロ波ストリ
ップラインが知られている。
【0004】図12に示すように、マイクロ波ストリッ
プラインは幅狭の金属導体100と幅広の金属導体10
1とで誘電体102を挟んでなる。マイクロ波ストリッ
プラインの伝搬遅延特性は図13に示すようなものであ
り、信号周波数fが高くなるにつれて、伝搬遅延時間τ
が大きくなる(伝搬速度が遅くなる)。なお、図12及
び図13において、LMSはマイクロ波ストリップライン
の長さを示す。
【0005】図13に示した如くマイクロ波ストリップ
ラインの伝搬遅延特性は前述した光ファイバの伝搬遅延
特性とは逆であるので、光ファイバを伝搬した光信号を
光電変換器(光検出器)により電気信号に変換した後
に、この電気信号を適当な長さLMSのマイクロ波ストリ
ップラインに通すことにより、光ファイバの分散を相殺
することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の分散等
化器では、光信号を一旦電気信号に変換した後に波形整
形するために、下記(1)〜(3)等の問題がある。 (1)全光中継を行うことができない。 (2)信号周波数fが高くなると、マイクロ波ストリッ
プラインの損失が増加する。 (3)ヘテロダイン検波を行うコヒーレント光伝送にし
か適用することができない。
【0007】本発明は上記従来技術の問題点を解消する
ためになされたものであり、分散を有する光ファイバを
伝搬して遅れ歪を受けた信号を、光信号のままで波形整
形することを可能とし、大容量・長距離の光通信に適し
た光分散等化器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する請求
項1の発明の光分散等化器は、2本の入力ポートの長さ
が互いに異なり且つ2本の出力ポートの長さが互いに異
なる方向性結合器を、長さの長いポートは長いポートど
うしで且つ長さの短いポートは短いポートどうしで多段
に縦続接続し、その前段に2本の出力ポートの長さが等
しい方向性結合器を接続し且つ後段に2本の入力ポート
の長さが等しい方向性結合器を接続して、多段の非対称
マッハツェンダ型干渉計を構成する光回路において、前
記2本の入力ポートの長さが互いに異なり且つ2本の出
力ポートの長さが互いに異なる方向性結合器の縦続接続
の段数が、4の整数倍の数、あるいは4の整数倍から1
を引いた数であることを特徴とする。
【0009】また、上記目的を達成する請求項2の発明
の光分散等化器は、2本の入力ポートの長さが互いに異
なり且つ2本の出力ポートの長さが互いに異なる方向性
結合器を、長さの長いポートは長いポートどうしで且つ
長さの短いポートは短いポートどうしで多段に縦続接続
し、その前段に2本の出力ポートの長さが等しい方向性
結合器を接続し且つ後段に2本の入力ポートの長さが等
しい方向性結合器を接続して、多段の非対称マッハツェ
ンダ型干渉計を構成する光回路において、光回路上の適
当な位置で、非対称マッハツェンダ型干渉計の2本のア
ームそれぞれに弱い光結合を起す程度に他の光導波路を
近接させることによって方向性結合器を構成し、更にそ
の方向性結合器の構成に用いた2本の光導波路どうしを
互いに光結合を起す程度に近接させて方向性結合器を構
成することを特徴とする。
【0010】更に、上記目的を達成する請求項3の発明
の光分散等化器は、2本の入力ポートの長さが互いに異
なり且つ2本の出力ポートの長さが互いに異なる方向性
結合器を、長さの長いポートは長いポートどうしで且つ
長さの短いポートは短いポートどうしで多段に縦続接続
し、その前段に2本の出力ポートの長さが等しい方向性
結合器を接続し且つ後段に2本の入力ポートの長さが等
しい方向性結合器を接続して、多段の非対称マッハツェ
ンダ型干渉計を構成する光回路において、光回路上の適
当な位置で、非対称マッハツェンダ型干渉計の2本のア
ームと他の2本の光導波路とをそれぞれ1本ずつ組み合
わせ一方の光導波路上にヒータを付着したマッハツェン
ダ型干渉計を2つ構成し、その2つのマッハツェンダ型
干渉計の4本の出力ポートのうち非対称マッハツェンダ
型干渉計の構成に用いられていない2本のポートどうし
を互いに光結合を起す程度に近接させて方向性結合器を
構成することを特徴とする。
【0011】更に、上記目的を達成する請求項4の発明
の光分散等化器は、2本の入力ポートの長さが互いに異
なり且つ2本の出力ポートの長さが互いに異なる方向性
結合器を、長さの長いポートは長いポートどうしで且つ
長さの短いポートは短いポートどうしで多段に縦続接続
し、その前段に2本の出力ポートの長さが等しい方向性
結合器を接続し且つ後段に2本の入力ポートの長さが等
しい方向性結合器を接続して、多段の非対称マッハツェ
ンダ型干渉計を構成する光回路において、光回路上の適
当な位置で、非対称マッハツェンダ型干渉計の2本のア
ームと他の2本の光導波路とをそれぞれ1本ずつ組み合
わせ一方の光導波路上にアモルファスシリコンを付着し
たマッハツェンダ型干渉計を2つ構成し、その2つのマ
ッハツェンダ型干渉計の4本の出力ポートのうち非対称
マッハツェンダ型干渉計の構成に用いられていない2本
のポートどうしを互いに光結合を起す程度に近接させて
方向性結合器を構成することを特徴とする。
【0012】
【作用】2本の入力ポートの長さが互いに異なり且つ2
本の出力ポートの長さが互いに異なる方向性結合器を、
長さの長い部分は長い部分どうしで且つ長さの短い部分
は短い部分どうしで多段に縦続接続し、その前段に2本
の出力ポートの長さが等しい方向性結合器を接続し且つ
後段に2本の入力ポートの長さが等しい方向性結合器を
接続して、多段の非対称マッハツェンダ型干渉計を構成
する光回路においては、非対称マッハツェンダ型干渉計
の2本のアームの光路長差を適切な値に設定することに
よって、周波数の高い光は光路長の長い方のアームを通
り、周波数の低い光は光路長の長い方のアームを通るこ
とになる。そのため、光信号の周波数fが高くなるにつ
れて、伝搬遅延時間τが大きくなる(伝搬速度が遅くな
る)ので、光信号を電気信号に変換することなく、光フ
ァイバの分散を相殺でき、遅れ歪を矯正することができ
る。また、請求項1の発明の光分散等化器においては、
2本の入力ポートの長さが異なり且つ2本の出力ポート
の長さが異なる方向性結合器の縦続接続段数を、4の整
数倍の数、あるいは4の整数倍から1を引いた数に設定
することにより、光信号の強度透過率が略1となる周波
数範囲を広げることができる。これにより、高性能な光
分散等化器を達成することができる。
【0013】請求項2の発明の光分散等化器において
は、光回路上の適当な位置で、非対称マッハツェンダ型
干渉計の2本のアームそれぞれに弱い光結合を起す程度
に他の光導波路を近接させることによって方向性結合器
を構成し、更にその方向性結合器の構成に用いた2本の
光導波路どうしを互いに光結合を起す程度に近接させて
方向性結合器を構成することによって、光分散等化器中
の任意の位置での伝搬遅延特性の測定が可能となる。こ
れによって、非対称マッハツェンダ型干渉計の2本のア
ームの光路長差を最適値に厳密に調整することが可能と
なり、高性能な光分散等化器を容易に達成することがで
きる。
【0014】更に請求項3の発明の光分散等化器におい
ては、光回路上の適当な位置で、非対称マッハツェンダ
型干渉計の2本のアームと他の2本の光導波路とをそれ
ぞれ1本ずつ組み合わせ一方の光導波路上にヒータを付
着したマッハツェンダ型干渉計を2つ構成し、その2つ
のマッハツェンダ型干渉計の4本の出力ポートのうち非
対称マッハツェンダ型干渉計の構成に用いられていない
2本のポートどうしを互いに光結合を起す程度に近接さ
せて方向性結合器を構成することによって、光分散等化
器中の任意の位置での伝搬遅延特性の測定が可能とな
る。これによって、非対称マッハツェンダ型干渉計の2
本のアームの光路長差を最適値に厳密に調整することが
可能となり、高性能な光分散等化器を容易に達成するこ
とができる。
【0015】また更に、請求項4の発明の光分散等化器
においては、光回路上の適当な位置で、非対称マッハツ
ェンダ型干渉計の2本のアームと他の2本の光導波路と
それぞれ1本ずつ組み合わせ一方の光導波路上にアモ
ルファスシリコンを付着したマッハツェンダ型干渉計を
2つ構成し、その2つのマッハツェンダ型干渉計の4本
の出力ポートのうち非対称マッハツェンダ型干渉計の
成に用いられていない2本のポートどうしを互いに光結
合を起す程度に近接させて方向性結合器を構成すること
によって、光分散等化器中の任意の位置での伝搬遅延特
性の測定が可能となる。これによって、非対称マッハツ
ェンダ型干渉計の2本のアームの光路長差を最適値に厳
密に調整することが可能となり、高性能な光分散等化器
を容易に達成することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例とともに詳
細に説明する。
【0017】<請求項1の発明の実施例>図1は請求項
1の発明の実施例を示し、2本の入力ポートの長さが互
いに異なり且つ2本の出力ポートの長さが互いに異なる
方向性結合器6,7,8,9を、長さの長いポートは長
いポートどうしで且つ長さの短いポートは短いポートど
うしで多段に縦続接続し、その前段に2本の出力ポート
の長さが等しい方向性結合器5を接続し且つ後段に2本
の入力ポートの長さが等しい方向性結合器10を接続し
て、多段の非対称マッハツェンダ型干渉計を構成する光
回路において、2本の入力ポートの長さが互いに異なり
且つ2本の出力ポートの長さが互いに異なる方向性結合
器6,7,8,9の縦続接続の段数を、4の整数倍の
数、あるいは4の整数倍から1を引いた数のうち、4と
設定したものである。図1において、方向性結合器6,
7,8,9は結合率50%の3dB方向性結合器であ
り、それぞれ、長さの長い入力ポート11,12,1
3,14と、長さの短い入力ポート15,16,17,
18と、長さの長い出力ポート19,20,21,22
と、長さの短い出力ポート23,24,25,26とを
有する。また、方向性結合器5も結合率50%の3dB
方向性結合器であり、各入力ポートには入力側光導波路
1,2が接続されている。更に、方向性結合器10も結
合率50%の3dB方向性結合器であり、各出力ポート
には出力側光導波路3,4が接続されている。
【0018】ここで、(i) ΔL1 を方向性結合器6〜9
の長さの長い入力ポート11,12,13,14と長さ
の短い入力ポート15,16,17,18との光路長
差、ΔL2 を方向性結合器6〜9の長さの長い出力ポー
ト19,20,21,22と長さの短い出力ポート2
3,24,25,26との光路長差、f0 を分散等化の
中心光周波数、fL を分散等化の下限の光周波数、fH
を分散等化の上限の光周波数、A,Bを偶数、C0 を真
空中の光速、nを導波路の屈折率、とすると、式
(1),(2)が満たされる場合、(ii)2つの方向性結
合器5と6を結ぶ最初の非対称マッハツェンダ型干渉計
の2本のアームの光路長差はΔL1 となり、(iii) 2つ
の方向性結合器9と10を結ぶ最後の非対称マッハツェ
ンダ型干渉計の2本のアームの光路長差はΔL2 とな
り、(iv)方向性結合器6と7,7と8,8と9を結ぶ非
対称マッハツェンダ型干渉計の光距長差ΔL3 はΔL1
とΔL2 の和となり、A+B=2M(Mは整数)とおく
と、式(1)及び(2)より、式(3)のように表わさ
れる。
【0019】
【数1】 ΔL1 =(A+0.5)・C0 /(2nf0 ) =A・C0 /(2nfL ) =(A+1)・C0 /(2nfH ) ・・・式(1)
【0020】
【数2】 ΔL2 =(B−0.5)・C0 /(2nf0 ) =(B−1)・C0 /(2nfL ) =B・C0 /(2nfH ) ・・・式(2)
【0021】
【数3】 ΔL3 =ΔL1 +ΔL2 =M・C0 /(nf0 ) =(M−0.5)・C0 /(nfL ) =(M+0.5)・C0 /(nfH ) ・・・式(3)
【0022】式(1),(2)及び(3)より、今、入
力側光導波路1から光を入射した場合を考えると、下限
光周波数fL の成分はポート11あるいは15→ポート
19→ポート12→ポート20あるいは24→ポート1
3あるいは17→ポート21→ポート14→ポート22
あるいは26という順の経路を通り、最後には出力側光
導波路4に至る。また、上限光周波数fH の成分はポー
ト11あるいはポート15→ポート23→ポート16→
ポート20あるいはポート24→ポート13あるいはポ
ート17→ポート25→ポート18→ポート22あるい
は26という順の経路を通り、最後には出力側光導波路
4に至る。このことは、上限光周波数fH の成分の方
が、下限光周波数fL の成分よりも、アームの光路長差
の総計2ΔL3 に対応した群遅延時間τH だけ多くの遅
延を受けることを示している。また、fH とfL の間の
光周波数fの成分は、下限光周波数fL の成分よりも、
τH (f−fL )/(fH −fL )だけ多くの遅延を受
ける。このため、図1の光分散等化器により、分散を有
する光ファイバを伝播して歪を受けた光信号を、光信号
のままで遅れ歪を矯正して、波形整形することができ
る。
【0023】上述した説明を式で示すと以下の通りであ
る。入力側光導波路1,2と出力側光導波路3,4の電
界をそれぞれEi (i=1〜4)と表わすと、出力側光
導波路3,4の電界E3 ,E4 は式(4)で表わすこと
ができる。
【0024】
【数4】
【0025】但し、式(4)中で、βは導波路の伝搬定
数、Nは2本の入力ポートの長さが互いに異なり且つ2
本の出力ポートの長さが互いに異なる方向性結合器の縦
続段数を表わしている。
【0026】今、入力側光導波路1から光信号を入射
し、出力側光導波路4から光信号を出射させるとする
と、式(4)における入力側光導波路1,2の電界
1 ,E2 について式(5)とおくことができる。従っ
て式(4)より、入力側光導波路1から出力側光導波路
4への伝達関数H(ω)は式(6)のように表わすこと
ができる。
【0027】
【数5】
【0028】
【数6】
【0029】但し、式(6)中で、ωは光の角周波数で
あり、ψ,φ,θはそれぞれ式(7),(8),(9)
で与えられる。
【0030】
【数7】 ψ=β(ΔL1 +ΔL2 )/2 ・・・式(7)
【0031】
【数8】 φ=β(ΔL2 −ΔL1 )/2 ・・・式(8)
【0032】
【数9】 θ= cos-1(2-1/2 cosψ) ・・・式(9)
【0033】従って式(6)より、光分散等化器の強度
透過率Tは式(10)のように表わされ、相対遅延時間
τは式(11)のように表わされる。
【0034】
【数10】
【0035】
【数11】
【0036】図2は、A=7504、B=2496(Δ
1 =3.877mm、ΔL2 =1.289mm)、2
本の入力ポートの長さが異なり且つ2本の出力ポートの
長さが異なる方向性結合器の縦続接続段数がN=12、
導波路の屈折率がn=1.5の場合の光分散等化器の特
性として、(a)に強度透過率特性を示し、(b)に相
対遅延時間特性を示したものである。この光分散等化器
は、縦続接続段数Nが4の整数倍(N=12=4×3)
の場合である。図2から、波長λ0 =1.55μmを中
心として9GHzの周波数範囲にわたって強度透過率T
が0.95となり、光分散等化器が構成できることが判
る。
【0037】図3は、比較例として、2本の入力ポート
の長さが異なり且つ2本の出力ポートの長さが異なる方
向性結合器の縦続接続段数がN=13の場合の光分散等
化器の特性を示したものである。図3(a)は強度透過
率特性を表わし、図3(b)は相対遅延時間特性を表わ
している。これはN=13=4×3+1、即ち縦続接続
段数を4の整数倍に1を足した数とした場合であるが、
縦続接続段数以外のパラメータ値は、図2の場合と同じ
である。図2との比較より判るように、図3即ちN=1
3の場合は、強度透過率Tが0.95以上となる周波数
範囲が5GHzと狭くなり、強度透過特性が劣化してい
る。このため、この光分散等化器に6GHz以上の周波
数で高速変調された光信号を通すと、歪が発生する。
【0038】図4は、強度透過率が0.95以上となる
周波数帯域Δf(GHz)と、2本の入力ポートの長さが互
いに異なり且つ2本の出力ポートの長さが互いに異なる
方向性結合器の縦続接続段数Nとの関係を、1段から2
1段の範囲(N=1〜21)にわたり求めたものを示
す。なお、この場合も、縦続接続段数以外のパラメータ
値は、図2の場合と同じである。図4から判るように、
方向性結合器の縦続接続段数Nが4の整数倍の数の場
合、並びに4の整数倍から1を引いた数の場合に、強度
透過率が0.95以上となる周波数範囲Δfが広くな
り、高性能の光分散等化器を得られることができる。
【0039】次に、上述した実施例の光分散等化器を石
英系ガラス導波路を用い製造したのでこれを説明する。
まず、Si基板上に火炎堆積法によってSiO2 の下部
クラッド層を堆積し、次にGeO2 をドーパントとして
添加したSiO2 ガラスのコア層を堆積した後に、電気
炉で透明ガラス化した。次に、図1に示したようなパタ
ーンを用いてコア層をエッチングしてコア部分を作成
し、最後に、再びSiO2 の上部クラッド層を堆積し、
更に所定の光導波路上に薄膜ヒータ及びその電気配線を
蒸着した。このような製造方法により、光導波路の比屈
折率差Δn=1.5%、コア寸法D=4.5μm×4.
5μm、曲げ半径R=2mm、方向性結合器の長さの長
い入力ポートと長さの短い入力ポートとの光路長差ΔL
1 =3.877mm、方向性結合器の長さの長い出力ポ
ートと長さの短い出力ポートとの光路長差ΔL2 =1.
289mm、2本の入力ポートの長さが互いに異なり且
つ2本の出力ポートの長さが互いに異なる方向性結合器
の縦続接続段数N=12という各パラメータ値で、光分
散等化器を作成した。この場合、光分散等化器は、3d
B方向性結合器(図1中の符号5,6,7,8,9,1
0で示すもの)の結合率が40%から60%の範囲で変
化(劣化)しても、光分散等化特性がさほど劣化しない
ことを確認した。
【0040】なお、光分散等化器は、上述したガラス導
波路に限らず、強誘電体光導波路及びポリマー光導波路
等を用いて実現することができることは、明白である。
【0041】<請求項2の発明の実施例> 図5は請求項2の発明の実施例を示し、2本の入力ポー
トの長さが互いに異なり且つ2本の出力ポートの長さが
互いに異なる方向性結合器6,7,8,9を、長さの長
ポートは長いポートどうしで且つ長さの短いポート
短いポートどうしで多段に縦続接続し、その前段に2本
の出力ポートの長さが等しい方向性結合器5を接続し且
つ後段に2本の入力ポートの長さが等しい方向性結合器
10を接続して、多段の非対称マッハツェンダ型干渉計
を構成する光回路において、縦続接続段数を4とし、光
回路上の適当な位置で、非対称マッハツェンダ型干渉計
の2本のアームそれぞれに弱い光結合を起す程度に他の
光導波路27,28,29,30,31,32をモニタ
ー用ポートとして近接させることによって方向性結合器
33,34,35,36,37,38を構成し、更にそ
の方向性結合器の構成に用いた2本の光導波路どうしを
互いに光結合を起す程度に近接させて方向性結合器3
9,40,41を構成することによって、光回路中での
光分散特性のモニター部分を構成し、制御性を良くした
ものである。
【0042】図5において、方向性結合器6,7,8,
9は結合率50%の3dB方向性結合器であり、それぞ
れ、長さの長い入力ポート11,12,13,14と、
長さの短い入力ポート15,16,17,18と、長さ
の長い出力ポート19,20,21,22と、長さの短
い出力ポート23,24,25,26とを有する。ま
た、方向性結合器5も結合率50%の3dB方向性結合
器であり、各入力ポートには入力側光導波路1,2が接
続されている。更に、方向性結合器10も結合率50%
の3dB方向性結合器であり、各出力ポートには出力側
光導波路3,4が接続されている。一方、方向性結合器
33,34,35,36,37,38は結合率が小さい
低結合率方向性結合器である。また、方向性結合器3
9,40,41は結合率50%の3dB方向性結合器で
あり、それぞれ出力用光導波路42,43,44,4
5,46,47が接続されている。なお、各入出力ポー
トのうち、11,12,13,14,19,20,2
1,22,27,29,31の各光導波路上部にはヒー
タ部分48,49,50,51,52,53,54,5
5,56,57,58を設置してある。
【0043】ここで、前述した如く、(i) ΔL1 を方向
性結合器6〜9の長さの長い入力ポート11,12,1
3,14と長さの短い入力ポート15,16,17,1
8との光路長差、ΔL2 を方向性結合器6〜9の長さの
長い出力ポート19,20,21,22と長さの短い出
力ポート23,24,25,26との光路長差、f0
分散等化の中心光周波数、fL を分散等化の下限の光周
波数、fH を分散等化の上限の光周波数、A,Bを偶
数、C0 を真空中の光速、nを導波路の屈折率、とする
と、前出の式(1),(2)が満たされる場合、(ii)2
つの方向性結合器5と6を結ぶ最初の非対称マッハツェ
ンダ型干渉計の2本のアームの光路長差はΔL1 とな
り、(iii) 2つの方向性結合器9と10を結ぶ最後の非
対称マッハツェンダ型干渉計の2本のアームの光路長差
はΔL2 となり、(iv)方向性結合器6と7,7と8,8
と9を結ぶ非対称マッハツェンダ型干渉計の光距長差Δ
3 はΔL1 とΔL2 の和となり、A+B=2M(Mは
整数)とおくと、式(1)及び(2)より、前出の式
(3)のように表わされる。
【0044】従って、前述と同様式(1),(2)及び
(3)より、今、図5の入力側光導波路1から光を入射
した場合を考えると、下限光周波数fL の成分はポート
11あるいは15→ポート19→ポート12→ポート2
0あるいは24→ポート13あるいは17→ポート21
→ポート14→ポート22あるいは26という順の経路
を通り、最後には出力側光導波路4に至る。また、上限
光周波数fH の成分はポート11あるいはポート15→
ポート23→ポート16→ポート20あるいはポート2
4→ポート13あるいはポート17→ポート25→ポー
ト18→ポート22あるいは26という順の経路を通
り、最後には出力側光導波路4に至る。このことは、前
述した通り、上限光周波数fH の成分の方が、下限光周
波数f L の成分よりも、アームの光路長差の総計2ΔL
3 に対応した群遅延時間τH だけ多くの遅延を受けるこ
とを示している。また、fH とfL の間の光周波数fの
成分は、下限光周波数fL の成分よりも、τH (f−f
L )/(fH −fL )だけ多くの遅延を受ける。このた
め、図5の光分散等化器により、分散を有する光ファイ
バを伝播して歪を受けた光信号を、光信号のままで遅れ
歪を矯正して、波形整形することができる。
【0045】図6は、A=7504、B=2496(Δ
1 =3.877mm、ΔL2 =1.289mm)、2
本の入力ポートの長さが異なり且つ2本の出力ポートの
長さが異なる方向性結合器の縦続接続段数がN=12、
導波路の屈折率がn=1.5の場合の光分散等化器の特
性として、(a)に強度透過率特性を示し、(b)に相
対遅延時間特性を示したものである。この光分散等化器
は、縦続接続段数Nが4の整数倍(N=12=4×3)
の場合である。図6から、波長λ0 =1.55μmを中
心として9GHzの周波数範囲にわたって強度透過率T
が0.95となり、光分散等化器が構成できることが判
る。
【0046】ところで、非対称マッハツェンダ型干渉計
の2本のアームの光路長差は、光導波路の製作誤差によ
り、設計値からずれることがある。図7に、各アームの
光路長差が図6における理想的な値よりも波長λ0 の範
囲でランダムにばらついている場合の光分散等化器の特
性の一例を示す(ΔL1 −λ0 〜Δλ1 +λ0 ,ΔL2
−λ0 〜ΔL2 +λ0 )。但し、図7(a)は強度透過
率特性を、図7(b)は相対遅延時間特性を表わしてい
る。光路長差以外のパラメータ値は図6の場合と同じで
ある。図7と図6を比較すると、光路長差が設定値から
ずれると、強度透過率T、相対遅延時間τいずれの特性
も大きく劣化することが判る。
【0047】このような特性劣化を解消するためには、
図5に示したヒータ部分48〜58を用いて熱光学効果
によって光路長差を調整すれば良い。ところが、この調
整を出力側光導波路3または4の出力だけを用いて行う
場合は、調整対象のヒータ数が多くなり、調整が非常に
困難となる。
【0048】そこで、図5に例示した光分散等化器で
は、結合率が数%と低結合率方向性結合器33と34
(または35と36または37と38)、長さの等しい
モニター用ポート27と28(または29と30または
31と32)、3dB方向性結合器39(または40ま
たは41)並びにモニター用出力光導波路42と43
(または44と45または46と47)からなる各光分
散特性評価用モニター部分を備えているので、これらの
モニター用出力光導波路43,45,47更には光分散
等化器の出力側光導波路4を順番に用いてヒータ部分を
2個ずつ順次調節することにより、光路長差を容易に設
計値に調整することができる。ここで、低結合率方向性
結合器33〜38を用いることにより、光分散等化器の
素子全体の損失を極力小さくしている。なお、ヒータ部
分のうち、56,57及び58はモニター用ポート27
〜32の長さを、熱光学効果を用いて等しくなるように
調整するためのものである。
【0049】図5に示した実施例では、2本の入力ポー
トの長さが互いに異なり且つ2本の出力ポートの長さが
互いに異なる方向性結合器6〜9の各1段に対して1つ
のモニター部分を設置しているが、これは一例にすぎ
ず、光導波路設計あるいは光路長差調整の都合により、
モニター部分に対する方向性結合器の段数は任意の値で
良い。
【0050】また、図5ではモニター用ポート28,3
0,32の下側の部分が他の光導波路に交差している
が、電気配線と異なり、光導波路の場合には、交差が存
在してもクロストークや損失は極めて小さい(例えば、
文献:T.Kominato他による“Loss characteristics of
intersecting silica-based waveguides”OEC’92,
pap.16B4−1,PP.138 −139 ,1992参照)ので、悪
影響は及ぼさない。
【0051】<請求項3の発明の実施例> 図8は請求項3の発明の実施例を示し、2本の入力ポー
トの長さが互いに異なり且つ2本の出力ポートの長さが
互いに異なる方向性結合器6,7,8,9を、長さの長
ポートは長いポートどうしで且つ長さの短いポート
短いポートどうしで多段に縦続接続し、その前段に2本
の出力ポートの長さが等しい方向性結合器5を接続し且
つ後段に2本の入力ポートの長さが等しい方向性結合器
10を接続して、多段の非対称マッハツェンダ型干渉計
を構成する光回路において、縦続接続段数を4とし、光
回路上の適当な位置で、非対称マッハツェンダ型干渉計
の2本のアームと他の2本の光導波路27,28(2
9,30,31,32)とをそれぞれ1本ずつ組み合わ
一方の光導波路上にヒータを付着したマッハツェンダ
型干渉計を2つ構成し、その2つのマッハツェンダ型干
渉計の4本の出力ポートのうち非対称マッハツェンダ型
干渉計の構成に用いられていない2本のポート59c,
60d(61c,62d,63c,64d)どうしを互
いに光結合を起す程度に近接させて方向性結合器39
(40,41)を構成することによって、光回路中での
光分散等化特性のモニター部分を構成し、制御性を良く
したものである。
【0052】図8において、方向性結合器6,7,8,
9は結合率50%の3dB方向性結合器であり、それぞ
れ、長さの長い入力ポート11,12,13,14と、
長さの短い入力ポート15,16,17,18と、長さ
の長い出力ポート19,20,21,22と、長さの短
い出力ポート23,24,25,26とを有する。ま
た、方向性結合器5も結合率50%の3dB方向性結合
器であり、各入力ポートには入力側光導波路1,2が接
続されている。更に、方向性結合器10も結合率50%
の3dB方向性結合器であり、各出力ポートには出力側
光導波路3,4が接続されている。また、方向性結合器
39,40,41も結合率50%の3dB方向性結合器
であり、それぞれモニター用出力光導波路42,43,
44,45,46,47が接続されている。一方のアー
ム上にヒータを付けた2つのマッハツェンダ型干渉計は
後述の如く結合率可変の方向性結合器59,60,6
1,62,63,64を構成し、それぞれ入出力ポート
59a,59b,59c,59d;60a,60b,6
0c,60d;61a,61b,61c,61d;62
a,62b,62c,62d;63a,63b,63
c,63d;64a,64b,64c,64dを有す
る。各光導波路11,12,13,14,19,20,
21,22,27,29,31の上部にはそれぞれ光路
長差調整用にヒータ部分48,49,50,51,5
2,53,54,55,56,57,58が設置されて
いる。
【0053】図8においては、光分散等化特性評価用モ
ニター部分として、結合率可変の方向性結合器59と6
0(または61と62、または63と64)、長さの等
しいモニター用ポートとしての光導波路27と28(ま
たは29と30、または31と32)、3dB方向性結
合器39(または40、または41)、並びにモニター
用出力光導波路42と43(または44と45、または
46と47)からなるものを構成してある。
【0054】ここで、図9により、結合率可変の方向性
結合器59,60,61,62,63,64の構成を説
明する。図9において、結合率可変の方向性結合器は、
入力側光導波路65,66と、出力側光導波路67,6
8と、方向性結合器69,70と、光導波路71,72
と、光導波路71の上部に設置した結合率調整用のヒー
タ部分73とから構成されている。ポート65から68
への入出力特性I65/I68は、2つの方向性結合器6
9,70の結合率が同一であると仮定すると、次式(1
2)で表わされる。例えば、N.Takato他による文献“Si
lica-based single-mode waveguides on silicon andth
eir application to guided-wave optical interferome
ters”IEEE/OSA J.Lightwave Technol.,Vo
l.6,no.6,PP.1003〜1010,1988参照。
【0055】
【数12】 I65/I68=4κ(1−κ)cos2(Δψ/2) ・・・式(12)
【0056】ただし、κは方向性結合器69,70の結
合率、Δψは下のアームと上のアームとの位相差であ
る。
【0057】そこで、ヒータ部分73の熱光学効果によ
り、光導波路71の屈折率を変化させてΔψの値を変化
させることによって、式(12)より、入出力特性I65
/I 68は、次式(13)で示される値をとり得る。
【0058】
【数13】 0≦I65/I68≦4κ(1−κ) ・・・式(13)
【0059】例えばκが0.5(69と70が3dB方
向性結合器)の場合、式(13)より、I65/I68は0
から1までの任意の値をとることが可能になる。このこ
とは、ポート66から69についても同様である。その
ため、結合率可変の方向性結合器を6個用いて、ポート
65と59a(または60a,61a,62a,63
a,64a)、ポート66と59b(または60b,6
1b,62b,63b,64b)、ポート67と59c
(または60c,61c,62c,63c,64c)、
ポート68と59d(または60d,61d,62d,
63d,64d)とを接続することにより、モニター用
ポート27,28,29,30,31,32に可変の光
出力を取り出すことができる。従って、モニター用出力
光導波路42,43,44,45,46,47にも可変
の光出力を取り出すことができる。
【0060】従って、非対称マッハツェンダ型干渉計の
光路長差のヒータ部分48〜55による調整を、図5の
場合と同じく、モニター用出力光導波路43,45,4
7と出力側光導波路4を用いて行う際には、調整に用い
るモニター用出力導波路の出力光のみを大きくして調整
を行い易くし、それ以外の場合にはモニター用出力光導
波路の出力をゼロとすることにより、モニター部分の付
加による素子の光損失の増加をゼロにすることができ
る。
【0061】<請求項4の発明の実施例> 図10は請求項4の発明の実施例を示し、2本の入力ポ
ートの長さが互いに異なり且つ2本の出力ポートの長さ
が互いに異なる方向性結合器6,7,8,9を、長さの
長いポートは長いポートどうしで且つ長さの短いポート
は短いポートどうしで多段に縦続接続し、その前段に2
本の出力ポートの長さが等しい方向性結合器5を接続し
且つ後段に2本の入力ポートの長さが等しい方向性結合
10を接続して、多段の非対称マッハツェンダ型干渉
計を構成する光回路において、縦続接続段数を4とし、
光回路上の適当な位置で、非対称マッハツェンダ型干渉
計の2本のアームと長さの等しい他の2本の光導波路2
7,28(29,30,31,32)とをそれぞれ1本
ずつ組み合わせ一方の光導波路上にアモルファスシリコ
ンを付着したマッハツェンダ型干渉計74,75(7
6,77,78,79)を2つ構成し、その2つのマッ
ハツェンダ型干渉計の4本の出力ポートのうち非対称マ
ッハツェンダ型干渉計の構成に用いられていない2本の
ポートどうしを互いに光結合を起す程度に近接させて方
向性結合器39(40,41)を構成することにより、
光回路中での光分散等化特性のモニター部分を構成し、
制御性を良くしたものである。
【0062】図10において、方向性結合器6,7,
8,9は結合率50%の3dB方向性結合器であり、そ
れぞれ、長さの長い入力ポート11,12,13,14
と、長さの短い入力ポート15,16,17,18と、
長さの長い出力ポート19,20,21,22と、長さ
の短い出力ポート23,24,25,26とを有する。
また、方向性結合器5も結合率50%の3dB方向性結
合器であり、各入力ポートには入力側光導波路1,2が
接続されている。更に、方向性結合器10も結合率50
%の3dB方向性結合器であり、各出力ポートには出力
側光導波路3,4が接続されている。また、方向性結合
器39,40,41も結合率50%の3dB方向性結合
器であり、それぞれモニター用出力光導波路42,4
3,44,45,46,47が接続されている。一方の
アーム上にアモルファスシリコンを付けた2つのマッハ
ツェンダ型干渉計は後述の如く結合率可変の方向性結合
器74,75,76,77,78,79を構成し、それ
ぞれ入出力ポート74a,74b,74c,74d;7
5a,75b,75c,75d;76a,76b,76
c,76d;77a,77b,77c,77d;78
a,78b,78c,78d;79a,79b,79
c,79dを有する。各光導波路11,12,13,1
4,19,20,21,22,27,29,31の上部
にはそれぞれ光路長差調整用にヒータ部分48,49,
50,51,52,53,54,55,56,57,5
8が設置されている。
【0063】図10においては、光分散等化特性評価用
モニター部分として、結合率可変の方向性結合器74と
75(または76と77、または78と79)、長さの
等しいモニター用ポートとしての光導波路27と28
(または29と30、または31と32)、3dB方向
性結合器39(または40、または41)、並びにモニ
ター用出力光導波路42と43(または44と45、ま
たは46と47)からなるものを構成してある。
【0064】ここで、図11により、結合率可変の方向
性結合器74,75,76,77,78,79の構成を
説明する。図11において、結合率可変の方向性結合器
は、入力側光導波路65,66と、出力側光導波路6
7,68と、方向性結合器69,70と、光導波路7
1,72と、光導波路71の上部にスパッタリング法に
より付着した結合率調整用のアモルファスシリコン部分
80とから構成されている。アモルファスシリコン部分
80をレーザ光を用いてトリミングを行うことにより、
光導波路71上に加わる応力を変え、屈折率を可変にす
ることができる。そこで、図9の場合と同様、ポート6
5から68への入出力特性I65/I68は、2つの方向性
結合器69,70の結合率が同一であると仮定すると、
前式(12)で表わされる。即ち、光導波路71の屈折
率を変化させてΔψの値を変化させることによって、式
(12)より、入出力特性I65/I68は、前式(13)
で示される値をとり得る。
【0065】例えばκが0.5(69と70が3dB方
向性結合器)の場合、式(13)より、I65/I68は0
から1までの任意の値をとることが可能になる。このこ
とは、ポート66から69についても同様である。その
ため、結合率可変の方向性結合器を6個用いて、ポート
65と74a(または75a,76a,77a,78
a,79a)、ポート66と74b(または75b,7
6b,77b,78b,79b)、ポート67と74c
(または75c,76c,77c,78c,79c)、
ポート68と74d(または75d,76d,77d,
78d,79d)とを接続することにより、モニター用
ポート27,28,29,30,31,32に可変の光
出力を取り出すことができる。従って、モニター用出力
光導波路42,43,44,45,46,47にも可変
の光出力を取り出すことができる。
【0066】従って、非対称マッハツェンダ型干渉計の
光路長差のヒータ部分48〜55による調整を、図5の
場合と同じく、モニター用出力光導波路43,45,4
7と出力側光導波路4を用いて行う際には、調整に用い
るモニター用出力導波路の出力光のみを大きくして調整
を行い易くし、それ以外の場合にはモニター用出力光導
波路の出力をゼロとすることにより、モニター部分の付
加による素子の光損失の増加をゼロにすることができ
る。調整終了後等、アモルファスシリコン部分80が不
要になった場合には、エッチングによって除去すること
が可能である。
【0067】次に、上述した図5,図8,図10の各実
施例の光分散等化器を石英系ガラス導波路を用い製造し
たので、これを説明する。まず、Si基板上に火炎堆積
法によってSiO2 の下部クラッド層を堆積し、次にG
eO2 をドーパントとして添加したSiO2 ガラスのコ
ア層を堆積した後に、電気炉で透明ガラス化した。次
に、図5,図8,図10に示したようなパターンを用い
てコア層をエッチングしてコア部分を作成し、最後に、
再びSiO2 の上部クラッド層を堆積し、更に所定の光
導波路上に薄膜ヒータ及びその電気配線を蒸着した。ま
た、所定の光導波路上にアモルファスシリコンをスパッ
タリング法で付着した。このような製造方法により、光
導波路の比屈折率差Δn=1.5%、コア寸法D=4.
5μm×4.5μm、曲げ半径R=2mm、方向性結合
器の長さの長い入力ポートと長さの短い入力ポートとの
光路長差ΔL1 =3.877mm、方向性結合器の長さ
の長い出力ポートと長さの短い出力ポートとの光路長差
ΔL2 =1.289mm、2本の入力ポートの長さが互
いに異なり且つ2本の出力ポートの長さが互いに異なる
方向性結合器の縦続接続段数N=12という各パラメー
タ値で、光分散等化器を作成し、モニター部分を2本の
入力ポートの長さが異なり且つ2本の出力ポートの長さ
が異なる方向性結合器の3段当り1つ付加した。
【0068】なお、光分散等化器は、上述したガラス導
波路に限らず、強誘電体光導波路及びポリマー光導波路
等を用いて実現することができることは、明白である。
【0069】
【発明の効果】以上、実施例に基づいて具体的に説明し
たように、本発明の光分散等化器には次のうよな効果が
ある。 (1)2本の入力ポートの長さが異なり且つ2本の出力
ポートの長さが異なる方向性結合器の縦続接続段数を4
の整数倍の数、あるいは4の整数倍から1を引いた数に
することによって、強度透過特性が大きくなる周波数範
囲を広げることができる。従って、光信号を電気信号に
変換することなく高速変調信号において歪なしに光ファ
イバの分散を相殺することができ、大容量・長距離光通
信において大きな利点を有する。 (2)光回路上の適当な位置で光分散等化特性測定用の
モニター部分を構成することによって、光分散等化特性
を設計値通りに容易に調節することができる。従って、
光信号を電気信号に変換することなく光ファイバの分散
を相殺することができ、大容量・長距離光通信において
大きな利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の一実施例の光分散等化器の構
成図。
【図2】2本の入力ポートの長さが異なり且つ2本の出
力ポートの長さが異なる方向性接合器の縦続接続段数が
12の場合の光分散等化器の分散等化特性の計算例を示
す図。
【図3】2本の入力ポートの長さが異なり且つ2本の出
力ポートの長さが異なる方向性結合器の縦続接続段数が
13の場合の光分散等化器の分散等化特性の計算例を示
す図。
【図4】強度透過率が0.95以上となる周波数範囲
と、2本の入力ポートの長さが異なり且つ2本の出力ポ
ートの長さが異なる方向性結合器の縦続段数との関係を
示す図。
【図5】請求項2の発明に関する一実施例の光分散等化
器の構成図。
【図6】光分散等化器の分散等化特性の計算例を示す
図。
【図7】非対称マッハツェンダ型干渉計の光路長差が設
計値から波長λ0 の範囲でランダムにばらついている場
合の光分散等化器の計算例を示す図。
【図8】請求項3の発明に関する一実施例の光分散等化
器の構成図。
【図9】マッハツェンダ型干渉計の一方のアーム上にヒ
ータをつけることによって構成した結合率可変の方向性
結合器の構成図。
【図10】請求項4の発明に関する一実施例の光分散等
化器の構成図。
【図11】マッハツェンダ型干渉計の一方のアーム上に
アモルファスシリコンを付けることによって構成した結
合率可変の方向性結合器の構成図。
【図12】従来のマイクロ波ストリップラインを用いた
分散等化器の構成を示す図。
【図13】マイクロ波ストリップラインの伝搬遅延特性
を示す図。
【符号の説明】
1,2 入力側光導波路 3,4 出力側光導波路 5,6,7,8,9,10,39,40,41 結合率
50%のdB方向性結合器 11,12,13,14 方向性結合器の長さの長い入
力ポート 15,16,17,18 方向性結合器の長さの短い入
力ポート 19,20,21,22 方向性結合器の長さの長い出
力ポート 23,24,25,26 方向性結合器の長さの短い出
力ポート 27,28,29,30,31,32 光導波路 33,34,35,36,37,38 低結合率方向性
結合器 42,43,44,45,46,47 出力光導波路 48,49,50,51,52,53,54,55,5
6,57,58,73ヒータ部分 59,60,61,62,63,64 ヒータによる結
合率可変方向性結合器 74,75,76,77,78,79 アモルファスシ
リコンによる結合率可変方向性結合器 80 アモルファスシリコン部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−324225(JP,A) 特開 平2−232631(JP,A) 特開 平2−44303(JP,A) 特開 昭56−1001(JP,A) 特開 平5−196827(JP,A) 特開 平5−232333(JP,A) 特開 平6−313868(JP,A) 特開 平5−346515(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/12 - 6/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2本の入力ポートの長さが互いに異なり
    且つ2本の出力ポートの長さが互いに異なる方向性結合
    器を、長さの長いポートは長いポートどうしで且つ長さ
    の短いポートは短いポートどうしで多段に縦続接続し、
    その前段に2本の出力ポートの長さが等しい方向性結合
    器を接続し且つ後段に2本の入力ポートの長さが等しい
    方向性結合器を接続して、多段の非対称マッハツェンダ
    型干渉計を構成する光回路において、 前記2本の入力ポートの長さが互いに異なり且つ2本の
    出力ポートの長さが互いに異なる方向性結合器の縦続接
    続の段数が、4の整数倍の数、あるいは4の整数倍から
    1を引いた数であることを特徴とする光分散等化器。
  2. 【請求項2】 2本の入力ポートの長さが互いに異なり
    且つ2本の出力ポートの長さが互いに異なる方向性結合
    器を、長さの長いポートは長いポートどうしで且つ長さ
    の短いポートは短いポートどうしで多段に縦続接続し、
    その前段に2本の出力ポートの長さが等しい方向性結合
    器を接続し且つ後段に2本の入力ポートの長さが等しい
    方向性結合器を接続して、多段の非対称マッハツェンダ
    型干渉計を構成する光回路において、 光回路上の適当な位置で、非対称マッハツェンダ型干渉
    計の2本のアームそれぞれに弱い光結合を起す程度に他
    の光導波路を近接させることによって方向性結合器を構
    成し、更にその方向性結合器の構成に用いた2本の光導
    波路どうしを互いに光結合を起す程度に近接させて方向
    性結合器を構成することを特徴とする光分散等化器。
  3. 【請求項3】 2本の入力ポートの長さが互いに異なり
    且つ2本の出力ポートの長さが互いに異なる方向性結合
    器を、長さの長いポートは長いポートどうしで且つ長さ
    の短いポートは短いポートどうしで多段に縦続接続し、
    その前段に2本の出力ポートの長さが等しい方向性結合
    器を接続し且つ後段に2本の入力ポートの長さが等しい
    方向性結合器を接続して、多段の非対称マッハツェンダ
    型干渉計を構成する光回路において、 光回路上の適当な位置で、非対称マッハツェンダ型干渉
    計の2本のアームと他の2本の光導波路とをそれぞれ1
    本ずつ組み合わせ一方の光導波路上にヒータを付着した
    マッハツェンダ型干渉計を2つ構成し、その2つのマッ
    ハツェンダ型干渉計の4本の出力ポートのうち非対称マ
    ッハツェンダ型干渉計の構成に用いられていない2本の
    ポートどうしを互いに光結合を起す程度に近接させて方
    向性結合器を構成することを特徴とする光分散等化器。
  4. 【請求項4】 2本の入力ポートの長さが互いに異なり
    且つ2本の出力ポートの長さが互いに異なる方向性結合
    器を、長さの長いポートは長いポートどうしで且つ長さ
    の短いポートは短いポートどうしで多段に縦続接続し、
    その前段に2本の出力ポートの長さが等しい方向性結合
    器を接続し且つ後段に2本の入力ポートの長さが等しい
    方向性結合器を接続して、多段の非対称マッハツェンダ
    型干渉計を構成する光回路において、 光回路上の適当な位置で、非対称マッハツェンダ型干渉
    計の2本のアームと他の2本の光導波路とをそれぞれ1
    本ずつ組み合わせ一方の光導波路上にアモルファスシリ
    コンを付着したマッハツェンダ型干渉計を2つ構成し、
    その2つのマッハツェンダ型干渉計の4本の出力ポート
    のうち非対称マッハツェンダ型干渉計の構成に用いられ
    ていない2本のポートどうしを互いに光結合を起す程度
    に近接させて方向性結合器を構成することを特徴とする
    光分散等化器。
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