JP2020118887A - 波長制御素子及び波長制御方法 - Google Patents

波長制御素子及び波長制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020118887A
JP2020118887A JP2019011074A JP2019011074A JP2020118887A JP 2020118887 A JP2020118887 A JP 2020118887A JP 2019011074 A JP2019011074 A JP 2019011074A JP 2019011074 A JP2019011074 A JP 2019011074A JP 2020118887 A JP2020118887 A JP 2020118887A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
waveguide
propagation direction
wavelength
tapered
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019011074A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6771602B2 (ja
Inventor
陽介 太縄
Yosuke Onawa
陽介 太縄
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Photonics Electronics Technology Research Association
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Photonics Electronics Technology Research Association
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd, Photonics Electronics Technology Research Association filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP2019011074A priority Critical patent/JP6771602B2/ja
Publication of JP2020118887A publication Critical patent/JP2020118887A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6771602B2 publication Critical patent/JP6771602B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Integrated Circuits (AREA)
  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

【課題】光源の発振波長が外部要因で絶対波長から外れた際に、修正することのできる波長制御素子及び波長制御方法を提供する。【解決手段】光導波路コアは、波長制御機能を備えた光源から入力された入力光を、信号光と検証光とに分割する光分割部200と、検証光を第1検証光及び第2検証光に2分岐する光分岐部300と、第2検証光の所定の波長帯域のみを透過させる波長フィルタ部400とを備える。波長制御素子100は、第1検証光が入力されて第1受光データを生成する第1受光素子501と、波長フィルタ部を透過した第2検証光が入力されて第2受光データを生成する第2受光素子502と、第1受光データと、第2受光データの差分を取得する差分取得部602と、差分を、予め記憶部に格納されている初期値と比較し、その結果に基づいて、光源に制御信号を送る比較部604とを備える。光分割部、光分岐部、及び、波長フィルタ部は、温度無依存である。【選択図】図1

Description

この発明は、波長制御素子と、この波長制御素子で用いて好適な波長制御方法に関する。
情報伝達量の増大に伴い、光配線技術が注目されている。光配線技術では、光ファイバや光導波路を伝送媒体とした光デバイスを用いて、情報処理機器内の装置間、ボード間又はチップ間等の情報伝達を光信号で行う。その結果、高速信号処理を要する情報処理機器においてボトルネックとなっている、電気配線の帯域制限を改善することができる。
光デバイスは、光送信器や光受信器等の光学素子を備えて構成される。これらの光学素子は、各光学素子の中心位置(受光位置あるいは発光位置)を設計位置に合せるための複雑な光軸合わせを行った上で、例えばレンズを用いて互いに空間結合することができる。
各光学素子を結合するための手段として、レンズの代わりに光導波路素子を利用する技術がある。光導波路素子を利用する場合には、光が光導波路内に閉じ込められて伝搬するため、レンズを利用する場合と異なり、複雑な光軸合わせを必要としない。従って、光デバイスの組立工程が簡易となるため、量産に適する形態として有利である。
ここで、光導波路素子は、例えばシリコン(Si)を導波路材料とすることができる。Siを材料とする光導波路素子(Si導波路)では、実質的に光の伝送路となる光導波路コアを、Siを材料として形成する。そして、Siよりも屈折率の低い例えば酸化シリコン(SiO)等を材料としたクラッドで、光導波路コアの周囲を覆う。このような構成により、光導波路コアとクラッドとの屈折率差が極めて大きくなるため、光導波路コア内に光を強く閉じ込めることができる。その結果、曲げ半径を例えば数μm程度まで小さくした、小型の曲線導波路を実現することができる。そのため、電子回路と同程度の大きさの光回路を作成することが可能であり、光デバイス全体の小型化に有利である。
しかも、Si導波路を利用する場合には、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)の製造過程を流用することによって、多様な機能を有する素子を同一基板上にモノシリック集積した光デバイスを、大量生産することが可能である。従って、Si導波路を利用する光デバイスは、小型化及び低コスト化に有利である(例えば、特許文献1並びに非特許文献1及び非特許文献2参照)。
一般に光モジュールは、情報処理機器内などに組み込まれて使用される。このため、光モジュールに半導体レーザ(LD)を集積した場合、LDは、厳しい温度環境下にさらされ、また自身の電力消費による発熱により、温度変化の影響を受ける。この結果、LDの発振波長が変動してしまう。
絶対波長が規定された波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)伝送では、LDの発振波長が変動しないように光モジュールとして対策する必要がある。このため、LDが集積された光モジュールでは、波長制御素子が組み込まれる(例えば非特許文献3参照)。
非特許文献3に記載されているシステムでは、2つのモニタ用の受光素子(PD1及びPD2)、光を二分割するハーフミラー、及び、波長に対して周期的な透過特性を有するエタロンフィルタから構成される。このシステムではLDの背面光を利用しており、ハーフミラーにより背面光を二分割し、一方の光を一方の受光素子(PD1)で、もう一方の光を、波長依存性をもつエタロンフィルタを通過させた後、他方の受光素子(PD2)で検出している。PD2の受光電流値は、入射される光がエタロンフィルタを通過することで波長依存性をもつ。このため、PD2の受光電流値が一定となるように、LDに温度制御フィードバックをかけることで発振波長が安定化する。このような波長制御機構では、ハーフミラーやエタロンフィルタといった機能ブロックをハイブリッド集積する必要があり、実装面や素子コスト面で改善の余地がある。
これに対し特許文献2では、石英系導波路を用いて同様の機能を実現している。このシステムの要素デバイスの1つである波長フィルタ部には、温度無依存特性が要求される。このために、特許文献2に記載の波長フィルタ部には、温度無依存化のため導波路とは逆の温度依存性を有するシリコーン樹脂などが挿入されている。また、波長制御のためのモニタ光として、LDの背面光を利用している。従って、この方法では、メイン出力となる前面光に対する調芯に加え、モニタ用の背面光に対する調芯も必要となり、導波路形成および実装工程が複雑化してしまう。
特開2017−77133号公報 特開2004−179465号公報
IEEE Journal of selected topics in quantum electronics, vol.11, No.1, January/February 2005 p.232-240 IEEE Journal of selected topics in quantum electronics, vol.12, No.6, November/December 2006 p.1371-1379 WDM システム用波長ロッカ付レーザモジュール(http://www.fujitsu.com/downloads/JP/archive/imgjp/jmag/vol51-3/paper04.pdf.)
上述のように、非特許文献3又は特許文献2に開示されている技術は、いずれも実装工程が複雑である。
この発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものである。この発明の目的は、初期設定で調整した半導体レーザなどの光源の発振波長が何らかの外部要因で絶対波長から外れた際に、それを修正するための機能を、工程を複雑化することなく光回路で構成することにある。
上述した目的を達成するために、この発明の波長制御素子は、支持基板と、光導波路コアと、支持基板上に、光導波路コアを包含して形成されるクラッドとを備えて構成される。
光導波路コアは、波長制御機能を備えた光源から入力された入力光を、信号光と検証光とに分割する光分割部と、検証光を、第1検証光及び第2検証光に2分岐する光分岐部と、第2検証光の所定の波長帯域のみを透過させる波長フィルタ部とを備える。波長制御素子は、さらに、第1検証光が入力されて第1受光データを生成する第1受光素子と、波長フィルタ部を透過した第2検証光が入力されて第2受光データを生成する第2受光素子と、第1受光データと、第2受光データの差分を取得する差分取得部と、差分を、予め記憶部に格納されている初期値と比較し、比較の結果に基づいて、光源の波長制御機能に制御信号を送る比較部とを備えて構成される。ここで、光分割部、光分岐部、及び、波長フィルタ部は、温度無依存である。
この発明の波長制御素子の好適実施形態では、光分割部は、MMI導波路と、MMI導波路の、光の伝搬方向の一方の側に設けられ、入力光が入力される入力ポートと、MMI導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、信号光が出力される第1出力ポートと、MMI導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、検証光が出力される第2出力ポートとを備える。また、光分割部が、光の伝搬方向の一方の側から他方の側に向けて順次幅が広くなるテーパ導波路と、テーパ導波路の、光の伝搬方向の一方の側に設けられ、入力光が入力される入力ポートと、テーパ導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、信号光が出力される第1出力ポートと、テーパ導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、検証光が出力される第2出力ポートとを備える構成にしてもよい。
また、この発明の波長制御素子の好適実施形態では、光分岐部は、MMI導波路と、MMI導波路の、光の伝搬方向の一方の側に設けられ、検証光が入力される入力ポートと、MMI導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、第1検証光が出力される第1出力ポートと、MMI導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、第2検証光が出力される第2出力ポートとを備えて構成される。また、光分岐部が、光の伝搬方向の一方の側から他方の側に向けて順次幅が広くなるテーパ導波路と、テーパ導波路の、光の伝搬方向の一方の側に設けられ、検証光が入力される入力ポートと、テーパ導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、第1検証光が出力される第1出力ポートと、テーパ導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、第2検証光が出力される第2出力ポートとを備える構成にしてもよい。
また、この発明の波長制御素子の好適実施形態では、波長フィルタ部は、温度無依存の第1光カプラ及び第2光カプラと、それぞれ、第1光カプラと第2光カプラとを接続する、第1アーム導波路及び第2アーム導波路とを備えて構成される。
第1アーム導波路は、第1光カプラ側から、第1湾曲導波路、第1テーパ導波路、第2テーパ導波路、第1位相調整領域、第3テーパ導波路、第2湾曲導波路、第3テーパ導波路、第1位相調整領域、第2テーパ導波路、第1テーパ導波路及び第1湾曲導波路を順に接続して構成され、第2アーム導波路は、第1光カプラ側から、第1湾曲導波路、第1テーパ導波路、第2位相調整領域、第2テーパ導波路、第3テーパ導波路、第2湾曲導波路、第3テーパ導波路、第2テーパ導波路、第2位相調整領域、第1テーパ導波路及び第1湾曲導波路を順に接続して構成される。
ここで、第1位相調整領域と第2位相調整領域とは、光導波路コアの幅が互いに異なっており、第1テーパ導波路は、一端のコア幅が、第1湾曲導波路のコア幅に等しく、他端のコア幅が、第2位相調整領域のコア幅に等しいテーパ形状であり、第2テーパ導波路は、一端のコア幅が、第2位相調整領域のコア幅に等しく、他端のコア幅が、第1位相調整領域のコア幅に等しいテーパ形状であり、第3テーパ導波路は、一端のコア幅が、第1位相調整領域のコア幅に等しく、他端のコア幅が、第2湾曲導波路のコア幅に等しいテーパ形状であり、第1位相調整領域を伝搬する光の等価屈折率n及び伝搬方向に沿った長さLと、第2位相調整領域を伝搬する光の等価屈折率n及び伝搬方向に沿った長さLは、以下の式を満たす。なお、Tは導波路の温度を表す。
Figure 2020118887
波長フィルタ部が備える第1光カプラは、MMI導波路と、MMI導波路の、光の伝搬方向の一方の側に設けられ、光分岐部の第2出力ポートに接続される第1入力ポートと、MMI導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、第1アーム導波路に接続される第1出力ポートと、MMI導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、第2アーム導波路に接続される第2出力ポートとを備えて構成され、波長フィルタ部が備える第2光カプラは、MMI導波路と、MMI導波路の、光の伝搬方向の一方の側に設けられ、第1アーム導波路に接続される第1入力ポートと、MMI導波路の、光の伝搬方向の一方の側に設けられ、第2アーム導波路に接続される第2入力ポートと、MMI導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、第2受光素子に接続される第1出力ポートとを備える構成にするのが良い。また、第1光カプラを、光の伝搬方向の一方の側から他方の側に向けて順次幅が広くなるテーパ導波路と、テーパ導波路の、光の伝搬方向の一方の側に設けられ、光分岐部の第2出力ポートに接続される入力ポートと、テーパ導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、第1アーム導波路に接続される第1出力ポートと、テーパ導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、第2アーム導波路に接続される第2出力ポートとを備える構成にし、第2光カプラを、光の伝搬方向の一方の側から他方の側に向けて順次幅が狭くなるテーパ導波路と、テーパ導波路の、光の伝搬方向の一方の側に設けられ、第1アーム導波路に接続される第1入力ポートと、テーパ導波路の、光の伝搬方向の一方の側に設けられ、第2アーム導波路に接続される第2入力ポートと、テーパ導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、第2受光素子に接続される出力ポートとを備える構成にしてもよい。
また、この発明のこの発明の波長制御方法は、上述の波長制御素子を用いて行われる波長制御方法であって、以下の過程を備えて構成される。
先ず、光分割部の第1出力部から出力される信号光をモニタし、光源の波長を所望の波長に設定する。次に、第1受光データと、第2受光データの差分を、初期値として記憶部に格納する。
その後、新たに取得された、第1受光データと、第2受光データの差分が、初期値から変化した場合は、該差分が初期値と一致するように、光源の波長を制御する。
この発明の波長制御素子によれば、初期設定で調整した半導体レーザの発振波長が何らかの外部要因で絶対波長から外れた際に、それを修正するための機能を、工程を複雑化することなく光回路で構成できる。
波長制御素子を示す概略平面図である。 波長制御素子の概略的端面図である。 光分割部及び光分岐部の模式図である。 波長フィルタ部の模式図(1)である。 波長フィルタ部の模式図(2)である。 波長制御機能を説明するための模式図である。 光分割部の特性を示す図である。 光分岐部の特性を示す図である。 波長フィルタ部の特性を示す図である。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。
(波長制御素子)
図1及び図2を参照して、この発明の波長制御素子の実施形態を説明する。図1は、波長制御素子を示す概略平面図である。なお、図1では、後述する支持基板及びクラッドを省略して示してある。図2は、図1に示す波長制御素子をI−I線で切り取った概略的端面図である。
波長制御素子100は、支持基板10、クラッド20、及び、光導波路コア30を備える光導波路を基本構造として有している。
支持基板10は、例えば単結晶Siを材料とした平板状体で構成されている。
クラッド20は、支持基板10上に設けられている。クラッド20は、支持基板10の上面を被覆し、かつ、光導波路コア30を包含して形成されている。クラッド20は、例えば酸化シリコン(SiO)を材料として形成されている。
光導波路コア30は、クラッド20よりも高い屈折率を有する例えばSiを材料として形成されている。その結果、光導波路コア30は、光の伝送路として機能し、光導波路コア30に入力された光が光導波路コア30の平面形状に応じた伝播方向に伝播する。
光導波路コア30は、光分割部200、光分岐部300、及び、波長フィルタ部400を備えて構成される。また、波長制御素子100は、第1の受光素子(PD1)501、第2の受光素子(PD2)502、及び、波長制御部600を備えている。波長制御部600は、さらに、差分取得部602、比較部604及び記憶部606を備えている。波長制御部600の各構成要素については、当業者が、任意好適に構成することができる。
光分割部200は、MMI導波路201、入力ポート202、第1出力ポート203及び第2出力ポート204を有する。入力ポート202は、MMI導波路201の光の伝搬方向の一方の側に設けられている。また、第1出力ポート203及び第2出力ポート204は、MMI導波路201の、光の伝搬方向の他方の側に設けられている。
光分割部200の入力ポート202には、送信光源として、例えば、半導体レーザ(LD)110が接続される。光分割部200は、入力ポート202を経て入力される入力光(レーザ出力光)を、信号光と検証光とに分割する。信号光は、第1出力ポート203から出力され、検証光は第2出力ポート204から出力される。
レーザ出力光の一部を波長制御のために使用する際、光分割部200は、できるだけ光の損失が抑えられ、波長及び温度に対して特性が変動せず、かつ、作製誤差に強い構造であることが好ましい。このため、光分割部200を1入力2出力の1×2MMI構造にするのが良い。
MMI導波路201の長さは、MMI導波路201を伝搬する基本モードと1次モードとのビート長から決まる。また、MMI導波路201に対する入力ポート202の幅方向オフセット量を第1出力ポート203と同じ量に設定することで、入力ポート202に入力される光のミラーイメージが第1出力ポート203において得られる。このように、第1出力ポート203は、低損失な透過ポートとして機能し、入力されたレーザ出力光を信号光として、低損失で出力する。第2出力ポート204は、残りの散乱成分を検証光として出力する。
第1出力ポート203から出力された信号光は、波長制御素子の外部に出力される。この信号光は、例えば、信号生成用の変調器に入力されて、出力信号光となる。なお、波長制御素子100に信号生成用の変調器が搭載されていてもよい。また、第2出力ポート204から出力された検証光は、光分岐部300に送られる。
このように、光分割部200から出力される、信号光の強度aと、検証光の強度b(=1−a)は、a>bの関係を満たすように設計されている。検証光の強度bが大きいと、その分信号の損失となり、信号光の強度aが小さくなってしまう。従って、検証光の強度bは、波長制御に十分な範囲で、できるだけ小さくするのが良い。
光分岐部300は、MMI導波路301、入力ポート302、第1出力ポート303及び第2出力ポート304を有する。入力ポート302は、MMI導波路301の光の伝搬方向の一方の側に設けられている。また、第1出力ポート303及び第2出力ポート304は、MMI導波路301の、光の伝搬方向の他方の側に設けられている。
光分岐部300の入力ポート302には、光分割部200の第2出力ポート204が接続されている。光分岐部300は、入力ポート302を経て入力される検証光を、第1検証光と、第2検証光とに等分岐する。第1検証光は、第1出力ポート303から出力され、第2検証光は第2出力ポート304から出力される。
光分岐部300は、検証光を第1検証光と第2検証光とに等分岐するので、入力ポート302はMMI導波路301の幅方向の中心に配置される。また、第1出力ポート303及び第2出力ポート304は、MMI導波路301の幅方向の中心から等距離となるように配置される。
この光分岐部300も、光分割部200と同様に波長及び温度に対してフラット特性でかつ作製誤差に強いことが要求される。このため、光分岐部300を、1入力2出力の1×2MMI構造にするのが良い。
MMI導波路301の長さは、第1出力ポート303及び第2出力ポート304の出力比が等分岐となるように決定される。
第1出力ポート303から出力された第1検証光は、第1受光素子(PD1)に送られる。また、第2出力ポート304から出力された第2検証光は、波長フィルタ部400に送られる。
ここでは、光分割部200及び光分岐部300を、1×2MMI構造とした例を説明したが、Y分岐導波路構造にしてもよい。
図3を参照して、Y分岐導波路構造を採用した場合の光分割部及び光分岐部を説明する。図3(A)は、光分割部の模式図であり、図3(B)は、光分岐部の模式図である。図3(A)に示すように、光分割部210は、テーパ導波路211、入力ポート212、第1出力ポート213及び第2出力ポート214を備えて構成される。テーパ導波路211は、光伝搬方向の一方の側から光伝播方向の他方の側に向けて順次幅が広くなるテーパ構造を有している。テーパ導波路211の、光伝搬方向の一方の側に入力ポート212が設けられている。また、テーパ導波路211の、光伝搬方向の他方の側に第1出力ポート213及び第2出力ポート214が設けられている。
第1出力ポート213と第2出力ポート214の、テーパ導波路211と接続される面の大きさは、第2出力ポート214に比べて第1出力ポート213の方が大きい。この構成により、光分割部210から出力される、信号光の強度aと、検証光の強度b(=1−a)は、a>bとなる。
図3(B)に示すように、光分岐部310は、テーパ導波路311、入力ポート312、第1出力ポート313及び第2出力ポート314を備えて構成される。テーパ導波路311は、光伝搬方向の一方の側から光伝播方向の他方の側に向けて順次幅が広くなるテーパ構造を有している。テーパ導波路311の、光伝搬方向の一方の側に入力ポート312が設けられている。また、テーパ導波路311の、光伝搬方向の他方の側に第1出力ポート313及び第2出力ポート314が設けられている。
第1出力ポート313と第2出力ポート314の、テーパ導波路311と接続される面の大きさは、互いに等しい。この構成により、光分岐部310から出力される、第1検出光と第2検出光の強度は互いに等しく、光分岐部310は、3dBカプラとして機能する。
光分割部及び光分岐部を、1×2MMI構造とした場合、光の干渉を利用して分割又は分岐させるため、光分割部及び光分岐部での光の損失を低くすることができる。一方、光分割部及び光分岐部を、Y分岐構造とした場合、第1出力ポートと第2出力ポートのギャップでの光損失が起こるが、作製誤差による損失を抑えることが容易となる。
図4を参照して波長フィルタ部について説明する。図4は、波長フィルタ部の概略平面図である。
波長フィルタ部400は、第1光カプラ410、第2光カプラ420、第1アーム導波路430及び第2アーム導波路440を備えて構成される。第1アーム導波路430及び第2アーム導波路440は、それぞれ、第1光カプラ410と第2光カプラ420とを接続する。この波長フィルタ部400は、マッハツェンダ干渉計(MZI)構造で構成されている。
第1光カプラ410は、MMI導波路411、第1入力ポート412、第2入力ポート413、第1出力ポート414及び第2出力ポート415を備えて構成される。MMI導波路411の光伝搬方向の一方の側に、第1入力ポート412及び第2入力ポート413が設けられ、光伝搬方向の他方の側に、第1出力ポート414及び第2出力ポート415が設けられている。この第1光カプラ410は、例えば、第1入力ポート412に入力された光を等分岐比で第1出力ポート414及び第2出力ポート415から出力する、2×2MMI構造で構成される。
同様に、第2光カプラ420は、MMI導波路421、第1入力ポート422、第2入力ポート423、第1出力ポート424及び第2出力ポート425を備えて構成される。MMI導波路421の光伝搬方向の一方の側に、第1入力ポート422及び第2入力ポート423が設けられ、光伝搬方向の他方の側に、第1出力ポート424及び第2出力ポート425が設けられている。この第2光カプラ420は、第1入力ポート422及び第2入力ポート423に入力された光を、それぞれ等分岐比で第1出力ポート424及び第2出力ポート425から出力する、2×2MMI構造で構成される。
例えば、第1光カプラ410の第1入力ポート412が、波長フィルタ部400の入力ポートとして利用される。また、第2光カプラ420の第1出力ポート424が、波長フィルタ部400の出力ポートとして利用される。
ここで、第1光カプラ410及び第2光カプラ420を、2×2MMI構造で構成することにより、第1光カプラ410及び第2光カプラ420における温度特性がフラットになる。
第1アーム導波路430は、第1光カプラ410側から、第1湾曲導波路431、第1テーパ導波路432、第2テーパ導波路433、第1位相調整領域434、第3テーパ導波路435、第2湾曲導波路436、第3テーパ導波路435、第1位相調整領域434、第2テーパ導波路433、第1テーパ導波路432及び第1湾曲導波路431を順に接続して構成される。また、第2アーム導波路部440は、第1カプラ410側から、第1湾曲導波路431、第1テーパ導波路432、第2位相調整領域444、第2テーパ導波路433、第3テーパ導波路435、第2湾曲導波路436、第3テーパ導波路435、第2テーパ導波路433、第2位相調整領域444、第1テーパ導波路432及び第1湾曲導波路431を順に接続して構成される。
第1アーム導波路部430のうち、第1位相調整領域434以外の部分、すなわち、第1湾曲導波路431、第1テーパ導波路432、第2テーパ導波路433、第3テーパ導波路435及び第2湾曲導波路436は、第1引き回し導波路とも称される。また、第2アーム導波路部440のうち、第2位相調整領域444以外の部分、すなわち、第1湾曲導波路431、第1テーパ導波路432、第2テーパ導波路433、第3テーパ導波路435及び第2湾曲導波路436は、第2引き回し導波路とも称される。
第1位相調整領域434と第2位相調整領域444とは、光導波路コアの幅(コア幅)が互いに異なっている。第1テーパ導波路432は、一端のコア幅が、第1湾曲導波路431のコア幅に等しく、他端のコア幅が、第2位相調整領域444のコア幅に等しい。第2テーパ導波路433は、一端のコア幅が、第2位相調整領域444のコア幅に等しく、他端のコア幅が、第1位相調整領域434のコア幅に等しい。また、第3テーパ導波路435は、一端のコア幅が、第1位相調整領域434のコア幅に等しく、他端のコア幅が、第2湾曲導波路436のコア幅に等しい。
第1引き回し導波路と第2引き回し導波路とは、同一構造かつ同一長さである。従って、第1引き回し導波路と、第2引き回し導波路においては、伝搬する光の間に、位相差が生じない。すなわち、第1アーム導波路部430は、第1位相調整領域434と、位相調整に寄与しない、第1引き回し導波路とで構成される。また、第2アーム導波路部440は、第2位相調整領域444と、位相調整に寄与しない、第2引き回し導波路とで構成される。従って、波長フィルタ部400の波長選択機能は、第1アーム導波路430を伝播する光と、第2アーム導波路440を伝播する光との位相干渉により与えられる。
なお、第1〜第3テーパ導波路432、433及び435により、第1アーム導波路430及び第2アーム導波路440は、コア幅が連続的に変化するので、光の損失を抑えることができる。
波長フィルタ部400の波長選択特性を温度変化に対してフラット、すなわち、温度無依存とするために、第1アーム導波路430における第1位相調整領域434と、第2アーム導波路440における第2位相調整領域444との、光伝搬方向の長さの相対関係は、第1位相調整領域434と第2位相調整領域444により与えられる光の位相差が導波路の温度変化に対して変動しないように設定される。両者の光学位相差の温度依存性は下記式(1)で与えられる。
Figure 2020118887
ここで、φ、λ、Tはそれぞれ、第1位相調整領域434及び第2位相調整領域444で与えられる位相差、光の波長、導波路の温度をそれぞれ表している。n及びLは、それぞれ、第1位相調整領域434を伝搬する光の等価屈折率及び伝搬方向に沿った長さを表している。また、n及びLは、それぞれ、第2位相調整領域444を伝搬する光の等価屈折率及び伝搬方向に沿った長さを表している。
上記式(1)において、温度に対する位相の傾き、すなわち、右辺が0となるように条件を課すと、第1位相調整領域434及び第2位相調整領域444の長さの相対関係式である、下記式(2)が得られる。
Figure 2020118887
第1位相調整領域434及び第2位相調整領域444とで互いに異なる構造を与えるために、この構成例では、第1位相調整領域434と第2位相調整領域444の光導波路コア幅を、互い異なる値に設定している。その上で上記式(2)を満足するように第1位相調整領域434及び第2位相調整領域444の長さの相対関係を決めればよい。
ここでは、第1光カプラ410及び第2光カプラ420を、2×2MMI構造とした例を説明したが、Y分岐導波路構造にしてもよい。
図5を参照して、Y分岐導波路構造を採用した場合の、他の構成例の波長フィルタ部を説明する。図5は他の構成例の波長フィルタ部の模式図である。
図5に示す波長フィルタ部は、図4を参照して説明した波長フィルタ部と、第1光カプラ及び第2光カプラの構成が異なっている。他の部分は、同様に構成できるので説明を省略する。
図5に示すように、第1光カプラ460は、テーパ導波路461、入力ポート462、第1出力ポート463及び第2出力ポート464を備えて構成される。テーパ導波路461は、光伝搬方向の一方の側から光伝搬方向の他方の側に向けて順次幅が広くなるテーパ構造を有している。テーパ導波路461の、光伝搬方向の一方の側に入力ポート462が設けられている。また、テーパ導波路461の、光伝搬方向の他方の側に、第1出力ポート463及び第2出力ポート463が設けられている。
第1出力ポート463は、第1アーム導波路430に接続されている。また、第2出力ポート464は、第2アーム導波路440に接続されている。
また、第2光カプラ470は、テーパ導波路471、第1入力ポート472、第2入力ポート473及び出力ポート474を備えて構成される。テーパ導波路471は、光伝搬方向の一方の側から光伝搬方向の他方の側に向けて順次幅が狭くなるテーパ構造を有している。テーパ導波路471の、光伝搬方向の一方の側に第1入力ポート472及び第2入力ポート473が設けられている。また、テーパ導波路471の、光伝搬方向の他方の側に、出力ポート474が設けられている。
第1入力ポート472は、第1アーム導波路430に接続されている。また、第2入力ポート473は、第2アーム導波路440に接続されている。
第1光カプラ460の入力ポート462が、波長フィルタ部400の入力ポートとなり、第2光カプラ470の出力ポート474が、波長フィルタ部400の出力ポートとなる。
第1光カプラ及び第2光カプラを、2×2MMI構造とした場合、光の干渉を利用するため、消光比を大きくとることができる。また、第2光カプラの第2出力ポートからモニタ用の光を取り出すことができる。一方、第1光カプラ及び第2光カプラを、Y分岐構造とした場合、作製誤差による損失を抑えることが容易となる。
波長フィルタ部400の入力ポートは、光分岐部300の第2出力ポート304に接続される。光分岐部300から出力された第2検証光が、波長フィルタ部400の入力ポートに入力される。
波長フィルタ部400の出力ポートから出力される光は、第2受光素子(PD2)502に送られる。
第1受光素子(PD1)501と第2受光素子(PD2)502として、Si光導波路コア上にゲルマニウム(Ge)を選択成長させることで得られる導波路型のGeフォトダイオードを用いることができる。第1受光素子(PD1)501と第2受光素子(PD2)502の出力として、例えば、入力される光強度に対応する電流値が、それぞれ、第1受光データ及び第2受光データとして波長制御部600に送られる。波長制御部600に設けられた差分取得部602は、それぞれの受光素子の変換効率[A/W]から、電流値を電力[dBm]に換算する。その後、電力に換算された、第1受光データ及び第2受光データの差分は比較部604に送られる。
比較部604は、第1受光データと第2受光データの差分の初期値を、記憶部606から読み出し、差分取得部602から送られた差分と比較する。
図6を参照して、波長制御の機能について説明する。図6は、波長制御の機能を説明するための模式図である。図6は横軸に波長[任意単位]を取って示し、縦軸に電力[単位:dBm]を取って示している。
温度変動など外部要因に伴うLD110の発振波長の変化があった場合、第1受光データ(図中、PD1で示す。)は、ほぼ一定の値を示す。これは、第1受光素子501に入力される第1検証光は、温度及び波長にフラットな特性を持つ、光分割部200及び光分岐部300を経て、第1受光素子501に入力されるためである。一方、第2受光データ(図中、PD2で示す。)は、波長に応じて変化する。これは、第2受光素子502に入力される第2検証光は、温度及び波長にフラットな特性を持つ、光分割部200及び光分岐部300を経た後、温度に対してフラットであり、かつ波長選択性を有する波長フィルタ400を経て、第2受光素子502に入力されるためである。
従って、LD110の発振波長の変化があった場合、差分取得部602から送られた差分は、初期値から乖離する。波長フィルタ部400は温度変動に対して透過特性が変化しないため、差分の変化は純粋にLD110の発振波長のシフトによるものと特定される。
そこで、比較部604は、LD110に実装されたペルチェ素子に印加する電圧を変更するなどして、LD110の温度を変化させ、差分取得部602から送られた差分が初期値と一致するように、LD110の波長を制御する。
(波長制御方法)
上述の波長制御素子を用いた波長制御方法を説明する。
先ず、スペクトルアナライザなどを用いて、光分割部200の第1出力部203から出力される信号光をモニタし、LD110に実装されたペルチェ素子の温度を調整するなどして、LD110から出力されるレーザ出力光の波長を、所望の波長に設定する。
次に、差分取得部602において、第1受光素子(PD1)と第2受光素子(PD2)から、第1受光データ及び第2受光データを受け取る。差分取得部602は、電力換算された、第1受光データ及び第2受光データの差分を取得し、初期値として記憶部606に格納する。
その後、差分取得部602において、電力換算された、第1受光データと第2受光データの電力の差分を取得し、比較部604において、記憶部606に格納されている初期値と比較する。
比較部604は、取得された差分が初期値から変化した場合は、差分が初期値と一致するようにLD110の波長制御を行う。
上述の波長制御素子及び波長制御方法によれば、光モジュールに実装されたLDのレーザ出力光の波長を監視し、温度制御フィードバックして波長を安定化させる機能を、導波路プロセスで実現することができる。また、波長フィルタ部として要求される温度無依存特性を、単純な導波路の幅寸法の組み合わせのみで達成することができ、作製工程を複雑化することがない。また、LDの前面から出力されるレーザ出力光の一部を波長制御に用いており、背面光を用いていない。このため、LDの調芯は、前面だけで良く、実装工程を簡略化することができる。
(特性評価)
波長制御素子を構成する、光分割部、光分岐部、及び、波長フィルタ部の特性を説明する。
光分割部に対して、Finite Differential Time Domain(FDTD)法を用いて行ったシミュレーションについて説明する。シミュレーションの結果を図7に示す。図7は、光分割部の透過率を示す図であって、横軸に波長[単位:μm]で取って示し、縦軸に透過率[単位:dBm]で取って示している。
ここでは、波長制御素子の設計波長帯域を1550nm付近とした。また、導波路作製に用いるSilicon on Insulator(SOI)基板のSOI層の厚み、すなわち、Siの光導波路コアの厚みを220nmとした。
また、光分割部200を1入力2出力の1×2MMI構造とし、MMI導波路201の幅を1.5μm、光の伝搬方向に沿った長さを4.098μmとした。
図7に示されるように、第1出力ポート(portA)203と第2出力ポート(portB)204の出力比が、およそ5(−1dB):1(−8dB)となり、かつ、波長に対してフラット(すなわち温度にもフラット)であることが分かる。
次に、光分岐部に対して、FDTD法を用いて行ったシミュレーションについて説明する。シミュレーションの結果を図8に示す。図8は、光分岐部の透過率を示す図であって、横軸に波長[単位:μm]で取って示し、縦軸に透過率[単位:dBm]で取って示している。
光分岐部300を1×2出力のMMI構造とし、MMI導波路301の幅を1.5μm、光の伝搬方向に沿った長さを2.049μmとした。
図8に示されるように、第1出力ポート(portA)303と第2出力ポート(portB)304の出力比が、およそ1(−3dB):1(−3dB)と等分岐となり、かつ、波長に対してフラット(すなわち温度にもフラット)であることが分かる。
次に、波長フィルタ部に対して、FDTD法を用いて行ったシミュレーションについて説明する。シミュレーションの結果を図9に示す。図9は、波長フィルタ部の出力特性を示す図であって、横軸に波長[単位:μm]で取って示し、縦軸に出力強度[単位:dBm]で取って示している。図9では、基準温度20℃に対して温度を±50K振ったスペクトルを重ねて示している。
第1アーム導波路430と第2アーム導波路440とで第1位相調整領域434と第2位相調整領域444以外を共通の構成要素とすることで、第1アーム導波路430と第2アーム導波路440との光学位相差は、第1位相調整領域434と第2位相調整領域444との位相差として単純化できる。第1位相調整領域434と第2位相調整領域444とで異なる構造を与えるため、最も単純に光導波路コアの幅寸法を違える手法を選択した。例えば、第1位相調整領域434の導波路断面幅寸法を1μmとし、第2位相調整領域444の導波路断面幅寸法を0.4μmとした。この幅に対して、上記式(2)に関わる第1位相調整領域434および第2位相調整領域444を伝搬するモード等価屈折率の温度依存性を計算し、L=0.9685Lを得た。波長フィルタ部400のスペクトル特性は上記式(2)から求めたLとLとの相対関係を保ったまま、Lの絶対値をパラメータとすればよく、ここではL=220μmとした。
図9に示すように、温度が±50K変動したときの波長の変動量は±0.1nm程度であり、温度依存性は、Δλ/ΔT=0.002nm/Kと温度変動に対してスペクトル変化が鈍化していることが分かる。なお、温度対策をしない場合の一般的なSi導波路の温度依存性はΔλ/ΔT=0.07nm/Kであるので、波長フィルタ部の温度依存性が1/35に抑えられていることが分かる。
10 支持基板
20 クラッド
30 光導波路コア
100 波長制御素子
110 半導体レーザ(LD)
200 光分割部
300 光分岐部
400 波長フィルタ部
501 第1受光素子
502 第2受光素子
600 波長制御部
602 差分取得部
604 比較部
606 記憶部

Claims (9)

  1. 支持基板と、
    光導波路コアと、
    前記支持基板上に、前記光導波路コアを包含して形成されるクラッドと
    を備え、
    前記光導波路コアは、
    波長制御機能を備えた光源から入力された入力光を、信号光と検証光とに分割する光分割部と、
    前記検証光を、第1検証光及び第2検証光に2分岐する光分岐部と、
    前記第2検証光の所定の波長帯域のみを透過させる波長フィルタ部と
    を備え、
    さらに、
    前記第1検証光が入力されて第1受光データを生成する第1受光素子と、
    前記波長フィルタ部を透過した前記第2検証光が入力されて第2受光データを生成する第2受光素子と、
    前記第1受光データと、前記第2受光データの差分を取得する差分取得部と、
    前記差分を、予め記憶部に格納されている初期値と比較し、比較の結果に基づいて、前記光源の波長制御機能に制御信号を送る比較部と
    を備え、
    前記光分割部、前記光分岐部、及び、前記波長フィルタ部は、温度無依存である
    ことを特徴とする波長制御素子。
  2. 前記光分割部は、
    MMI導波路と、
    前記MMI導波路の、光の伝搬方向の一方の側に設けられ、前記入力光が入力される入力ポートと、
    前記MMI導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、前記信号光が出力される第1出力ポートと、
    前記MMI導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、前記検証光が出力される第2出力ポートと
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の波長制御素子。
  3. 前記光分割部は、
    光の伝搬方向の一方の側から他方の側に向けて順次幅が広くなるテーパ導波路と、
    前記テーパ導波路の、光の伝搬方向の一方の側に設けられ、前記入力光が入力される入力ポートと、
    前記テーパ導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、前記信号光が出力される第1出力ポートと、
    前記テーパ導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、前記検証光が出力される第2出力ポートと
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の波長制御素子。
  4. 前記光分岐部は、
    MMI導波路と、
    前記MMI導波路の、光の伝搬方向の一方の側に設けられ、前記検証光が入力される入力ポートと、
    前記MMI導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、前記第1検証光が出力される第1出力ポートと、
    前記MMI導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、前記第2検証光が出力される第2出力ポートと
    を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の波長制御素子。
  5. 前記光分岐部は、
    光の伝搬方向の一方の側から他方の側に向けて順次幅が広くなるテーパ導波路と、
    前記テーパ導波路の、光の伝搬方向の一方の側に設けられ、前記検証光が入力される入力ポートと、
    前記テーパ導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、前記第1検証光が出力される第1出力ポートと、
    前記テーパ導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、前記第2検証光が出力される第2出力ポートと
    を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の波長制御素子。
  6. 前記波長フィルタ部は、
    温度無依存の第1光カプラ及び第2光カプラと、
    それぞれ、前記第1光カプラと前記第2光カプラとを接続する、第1アーム導波路及び第2アーム導波路とを備え、
    前記第1アーム導波路は、前記第1光カプラ側から、第1湾曲導波路、第1テーパ導波路、第2テーパ導波路、第1位相調整領域、第3テーパ導波路、第2湾曲導波路、第3テーパ導波路、第1位相調整領域、第2テーパ導波路、第1テーパ導波路及び第1湾曲導波路を順に接続して構成され、
    前記第2アーム導波路は、前記第1光カプラ側から、第1湾曲導波路、第1テーパ導波路、第2位相調整領域、第2テーパ導波路、第3テーパ導波路、第2湾曲導波路、第3テーパ導波路、第2テーパ導波路、第2位相調整領域、第1テーパ導波路及び第1湾曲導波路を順に接続して構成され、
    前記第1位相調整領域と前記第2位相調整領域とは、光導波路コアの幅が互いに異なっており、
    前記第1テーパ導波路は、一端のコア幅が、前記第1湾曲導波路のコア幅に等しく、他端のコア幅が、前記第2位相調整領域のコア幅に等しいテーパ形状であり、
    前記第2テーパ導波路は、一端のコア幅が、前記第2位相調整領域のコア幅に等しく、他端のコア幅が、前記第1位相調整領域のコア幅に等しいテーパ形状であり、
    前記第3テーパ導波路は、一端のコア幅が、前記第1位相調整領域のコア幅に等しく、他端のコア幅が、前記第2湾曲導波路のコア幅に等しいテーパ形状であり、
    前記第1位相調整領域を伝搬する光の等価屈折率n及び伝搬方向に沿った長さLと、前記第2位相調整領域を伝搬する光の等価屈折率n及び伝搬方向に沿った長さLは、以下の式を満たす
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の波長制御素子。
    Figure 2020118887
  7. 前記第1光カプラは、
    MMI導波路と、
    該MMI導波路の、光の伝搬方向の一方の側に設けられ、前記光分岐部の第2出力ポートに接続される第1入力ポートと、
    該MMI導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、前記第1アーム導波路に接続される第1出力ポートと、
    該MMI導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、前記第2アーム導波路に接続される第2出力ポートと
    を備え、
    前記第2光カプラは、
    MMI導波路と、
    該MMI導波路の、光の伝搬方向の一方の側に設けられ、前記第1アーム導波路に接続される第1入力ポートと、
    該MMI導波路の、光の伝搬方向の一方の側に設けられ、前記第2アーム導波路に接続される第2入力ポートと、
    該MMI導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、前記第2受光素子に接続される第1出力ポートと
    を備える
    ことを特徴とする請求項6に記載の波長制御素子。
  8. 前記第1光カプラは、
    光の伝搬方向の一方の側から他方の側に向けて順次幅が広くなるテーパ導波路と、
    該テーパ導波路の、光の伝搬方向の一方の側に設けられ、前記光分岐部の第2出力ポートに接続される入力ポートと、
    該テーパ導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、前記第1アーム導波路に接続される第1出力ポートと、
    該テーパ導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、前記第2アーム導波路に接続される第2出力ポートと
    を備え、
    前記第2光カプラは、
    光の伝搬方向の一方の側から他方の側に向けて順次幅が狭くなるテーパ導波路と、
    該テーパ導波路の、光の伝搬方向の一方の側に設けられ、前記第1アーム導波路に接続される第1入力ポートと、
    該テーパ導波路の、光の伝搬方向の一方の側に設けられ、前記第2アーム導波路に接続される第2入力ポートと、
    該テーパ導波路の、光の伝搬方向の他方の側に設けられ、前記第2受光素子に接続される出力ポートと
    を備える
    ことを特徴とする請求項6に記載の波長制御素子。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の波長制御素子を用いて行われる波長制御方法であって、
    前記光分割部の前記第1出力部から出力される信号光をモニタし、前記光源の波長を所望の波長に設定する過程と、
    前記第1受光データと、前記第2受光データの差分を、初期値として記憶部に格納する過程と、
    新たに取得された、前記第1受光データと、前記第2受光データの差分が、前記初期値から変化した場合は、該差分が前記初期値と一致するように、前記光源の波長を制御する
    過程と
    を備えることを特徴とする波長制御方法。
JP2019011074A 2019-01-25 2019-01-25 波長制御素子及び波長制御方法 Active JP6771602B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019011074A JP6771602B2 (ja) 2019-01-25 2019-01-25 波長制御素子及び波長制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019011074A JP6771602B2 (ja) 2019-01-25 2019-01-25 波長制御素子及び波長制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020118887A true JP2020118887A (ja) 2020-08-06
JP6771602B2 JP6771602B2 (ja) 2020-10-21

Family

ID=71890701

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019011074A Active JP6771602B2 (ja) 2019-01-25 2019-01-25 波長制御素子及び波長制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6771602B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023047337A (ja) * 2021-09-24 2023-04-05 アップル インコーポレイテッド 波長ロックのための干渉デバイス
US11832364B2 (en) 2018-09-28 2023-11-28 Apple Inc. Systems and methods for wavelength locking in optical sensing systems
US11835836B1 (en) 2019-09-09 2023-12-05 Apple Inc. Mach-Zehnder interferometer device for wavelength locking

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001358362A (ja) * 2000-06-16 2001-12-26 Oki Electric Ind Co Ltd 光モニタ,光フィルタ,および光モジュール
JP2003069504A (ja) * 2001-06-12 2003-03-07 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 波長管理モジュールおよび波長管理装置
JP2004179465A (ja) * 2002-11-28 2004-06-24 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 波長安定化レーザ
JP2013524268A (ja) * 2010-03-31 2013-06-17 アルカテル−ルーセント 光学フィルタ又はマルチプレクサ/デマルチプレクサ
JP2015141218A (ja) * 2014-01-27 2015-08-03 技術研究組合光電子融合基盤技術研究所 光結合構造、光結合器及び光モジュール
JP2018054934A (ja) * 2016-09-29 2018-04-05 沖電気工業株式会社 光導波路素子
US20180323577A1 (en) * 2017-03-08 2018-11-08 Inphi Corporation Wavelength locker integrated with a silicon photonics system

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001358362A (ja) * 2000-06-16 2001-12-26 Oki Electric Ind Co Ltd 光モニタ,光フィルタ,および光モジュール
JP2003069504A (ja) * 2001-06-12 2003-03-07 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 波長管理モジュールおよび波長管理装置
JP2004179465A (ja) * 2002-11-28 2004-06-24 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 波長安定化レーザ
JP2013524268A (ja) * 2010-03-31 2013-06-17 アルカテル−ルーセント 光学フィルタ又はマルチプレクサ/デマルチプレクサ
JP2015141218A (ja) * 2014-01-27 2015-08-03 技術研究組合光電子融合基盤技術研究所 光結合構造、光結合器及び光モジュール
JP2018054934A (ja) * 2016-09-29 2018-04-05 沖電気工業株式会社 光導波路素子
US20180323577A1 (en) * 2017-03-08 2018-11-08 Inphi Corporation Wavelength locker integrated with a silicon photonics system

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11832364B2 (en) 2018-09-28 2023-11-28 Apple Inc. Systems and methods for wavelength locking in optical sensing systems
US11835836B1 (en) 2019-09-09 2023-12-05 Apple Inc. Mach-Zehnder interferometer device for wavelength locking
JP2023047337A (ja) * 2021-09-24 2023-04-05 アップル インコーポレイテッド 波長ロックのための干渉デバイス

Also Published As

Publication number Publication date
JP6771602B2 (ja) 2020-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Arianfard et al. Sagnac interference in integrated photonics
US10281746B2 (en) Wavelength-tunable III-V/Si hybrid optical transmitter
US10355448B2 (en) Tunable laser source
US7843986B2 (en) Planar lightwave circuit and tunable laser device having the same
US9575256B2 (en) Optical reflector based on a directional coupler and a coupled optical loop
Bogaerts et al. Silicon-on-insulator spectral filters fabricated with CMOS technology
US7327911B2 (en) Optical detector configuration and utilization as feedback control in monolithic integrated optic and electronic arrangements
US7440643B2 (en) Variable light controlling device and variable light controlling method
US8532446B2 (en) Scalable silicon photonic multiplexers and demultiplexers
CN104204880A (zh) 光元件、光发送元件、光接收元件、混合波导激光器、光发送装置
JP3782247B2 (ja) 光学干渉計
EP3065237B1 (en) A temperature insensitive laser
WO2013114577A1 (ja) レーザ素子
JP5315792B2 (ja) 光変調器
US20200144790A1 (en) Silicon photonics based tunable laser
JP6771602B2 (ja) 波長制御素子及び波長制御方法
JP2019033156A (ja) 波長ロッカー、これを用いた波長可変レーザ装置、及び波長可変レーザ装置の制御方法
US10120211B2 (en) Self-tuned silicon-photonic WDM transmitter
US10670803B2 (en) Integrated wavelength monitor
Sun et al. Integrated subwavelength grating waveguide Bragg gratings for microwave photonics
JPH0277630A (ja) 半導体レーザの発振周波数安定化方法及び装置
Sciancalepore et al. O-band echelle grating demultiplexers on SiNOI featuring low-loss and reduced thermal sensitiveness
KR102267251B1 (ko) 파장가변 레이저 장치 및 그의 구동방법
US9817297B1 (en) Reconfigurable athermal optical filters
Melati et al. Athermal echelle grating and tunable echelle grating demultiplexers using a Mach-Zehnder interferometer launch structure

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190125

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20190125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200326

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200901

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200929

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6771602

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350