JP3941613B2 - 光導波回路および光導波回路モジュール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、周囲がクラッド材で被覆されて該クラッド材よりも屈折率が大きいコア材からなる長さの異なる複数の導波路を備えた光導波回路、およびこれらの複数の導波路をシリコン基板上に備えた光導波回路モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットの急速な発展に伴って、大容量のデータ(情報)を高速に伝送する必要性が益々増大している。そこで、既に敷設されている光ファイバー網を使用してデータ(情報)を伝送すると、データ(情報)の高速伝送が可能になることから、ここ数年において、光ファイバー網の利用が急激に増加するようになった。この場合、1本の光ファイバに異なる波長の光を通してチャネルを多重化する、いわゆるWDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重)あるいはDWDM(Dense Wavelength Division Multiplexing:高密度波長分割多重)等の広帯域の光ネットワーク技術を利用することにより、大容量のデータを双方向で高速伝送することが可能になる。
【0003】
ところで、この種のWDMやDWDM等の光ネットワーク技術においては、それぞれの波長を分割、統合するための合分波デバイス(波長フィルタ)が極めて重要となる。そこで、InPまたは石英などの基板上に石英系のクラッドとコアを堆積し、光導波路を集積化したPLC(Planar Lightwave Circuit)の一種であるアレイ導波路回析格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating;以下では単にAWGという)が用いられるようになった。このAWGは、多チャンネルの波長の合分波を一括して行うことができ、かつチャンネル数や波長間隔に対する設計の自由度が大きく、量産化、小型化、信頼性の面で優れていることから、今後の多チャンネルのWDMやDWDMシステムにおいて活躍が期待されるキーデバイスである。
【0004】
この種のAWG40は、例えば図8に示すように、入射導波路42、入射側スラブ導波路43、アレイ導波路44、出射側スラブ導波路45、出射導波路46からなる導波回路が基板41上に形成されて構成されるものである。そして、石英系ガラス膜の基板上への堆積、フォトリソグラフィー、エッチング技術による導波路パターンの形成といった微細加工技術を用いて作製されるものである。ここで、このようなAWG40が波長分波器として使用される場合の分波の仕組みついて以下に説明する。
【0005】
まず、図8に示すように、複数の波長λ1〜λnが多重化された波長多重光が入射導波路42に入射されると、入射側スラブ導波路43で回折されて拡がってアレイ導波路44に入射する。アレイ導波路44は入射側スラブ導波路43から導出された光を伝搬する複数の併設された光導波路であり、隣接する導波路はある一定の光路長差ΔLをもって配列されている。このため、アレイ導波路44の出力端では各導波路を伝搬した光はΔLに相当する分だけ位相にずれが生じる。通常、アレイ導波路44は、例えば100本といったように多数の導波路よりなるが、図8においては簡略化のために本数を減らして示している。
【0006】
そして、アレイ導波路44を通過した光は出射側スラブ導波路45に到達し、回折により広がるが、それぞれの導波路を通過した光は互いに干渉し、結果的に全体として波面の揃う方向に回折することとなる。ここで、波面の揃う方向である回折角は波長に依存することから、異なる波長の光はそれぞれ別の方向に回折されることになる。このため、波長の異なる光が出射側スラブ導波路45の出射導波路46側で集光する位置は互いに異なり、それぞれの位置に出射導波路46を配設することにより、波長の異なった光を各波長毎に異なる出射導波路46から出力できる。即ち、波長λ1〜λnの光を別々に取り出すことが可能となる。
【0007】
以上においては、波長分波器として機能する場合のAWG40の仕組みについて説明したが、同一のAWG40を用いて波長合波器として使用することも可能である。この場合、波長分波器として使用するときの出射導波路46から各々の波長の光を入射すると、波長分波器として使用するときの入射導波路42から、これらの光が一括して出力されることとなる。
【0008】
ところで、この種のAWG回路はアレイ導波路の光路長および光路長差を利用した回折格子であるので、アレイ導波路の隣り合う導波路の光路長差ΔLは精密に制御される必要がある。しかしながら、実際には、温度変化による導波路材料の屈折率の変化や基板および導波路の熱膨張、収縮が存在するため、温度によって光路長が変化し、光路長差ΔLも変化する。この結果、出射側スラブ導波路の出射導波路側における焦点位置が変化し、出射導波路に入射する光の波長が変化することになる。
【0009】
例えば、石英ガラスの屈折率の温度依存特性(温度係数)は8×10-6/℃、シリコン基板の線膨張係数は3×10-6/℃であるから、中心波長の変化はλ=1.55μm帯では約0.013nm/℃となる。このような温度特性を安定化させるための一つの方法として、高精度な温度制御装置を素子に付加するという方法もあるが、この方法ではデバイスの低コスト化、小型化の障害になり、さらに装置全体の信頼性を低下させることにもつながる。
【0010】
この問題を解決するためには、デバイス自体の温度依存性を解消することが必要になる。そこで、温度無依存波長合分波器が、例えばWO98/36299号公報において提案されるようになった。このWO98/36299号公報において提案された温度無依存波長合分波器においては、導波路の上部クラッドとコアを除去した溝、または上部クラッドとコアと下部クラッドを除去した溝に、導波路の実効屈折率と温度係数と異なる符号の異なる屈折率温度係数を有する材料(シリコーン樹脂)を充填するようにしている。これにより、温度無依存波長合分波器を得ることができるようになる。
【0011】
また、特開2000−121850号公報においては、コアおよびクラッドの一方または両方の一箇所または複数箇所を、特定の温度領域で吸熱域を示すポリオレフィン系材料を充填した温度補償型光導波路部品が提案されている。この特開2000−121850号公報において提案された温度補償型光導波路部品においては、コアおよびクラッドの一方または両方に充填された特定の温度領域で吸熱域を示すポリオレフィン系材料により、大きな負の屈折率温度変化率が調整されるようになる。
【0012】
さらに、特開2000−352633号公報においては、コアおよびクラッドで構成される光導波路のコアおよびクラッドを形成する基板材料として、負の線膨張係数を有する材料を用いた光導波路が提案されている。この特開2000−352633号公報において提案された光導波路においては、基板材料の負の線膨張係数の歪みの効果で光導波路の屈折率の温度変化をなくすようになされている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したWO98/36299号公報において提案された温度無依存波長合分波器においては、上部クラッドとコアを除去した溝、または上部クラッドとコアと下部クラッドを除去した溝を形成し、これらの溝に導波路の実効屈折率と温度係数と異なる符号の異なる屈折率温度係数を有する材料(シリコーン樹脂)を充填する必要がある。このため、溝内に充填されたシリコーン樹脂により光の損失が大きくなるという問題を生じた。また、上部クラッドとコアを除去した溝、または上部クラッドとコアと下部クラッドを除去した溝を形成する必要がある。このため、その製造が複雑で工程数も増加するため、得られた波長合分波器が高価になるという問題も生じた。
【0014】
また、特開2000−121850号公報において提案された温度補償型光導波路部品においては、コアおよびクラッドの一方または両方の一箇所または複数箇所にポリオレフィン系材料を充填する工程が必要になる。このため、ポリオレフィン系材料により光の損失が大きくなるとともに、その製造工程も増大することにより、得られた温度補償型光導波路部品が高価になるという問題も生じた。
【0015】
更に、特開2000−352633号公報において提案された光導波路においては、負の線膨張係数を有する基板とするために、線膨張係数が光導波路材料に近いか等しい基板上に光導波路を形成した後、負の線膨張係数を有する材料からなる基板を当初の基板の反対側に接着し、その後、当初の基板をエッチングなどにより除去するようにしている。このため、その製造が複雑で製造工程数も増加して簡単には製造できないという問題を生じた。
【0016】
本発明は上述したような問題点を解消するためになされものであって、実効屈折率が温度に依存しない光導波回路を複雑な工程を設けることなく、簡単に製造できる構造の光導波回路およびこの光導波回路を用いた光導波回路モジュールを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の如き目的を達成するため、本発明の光導波回路は、コア材の屈折率の温度係数とクラッド材の屈折率の温度係数が互いに符号が異なる材料からなるコア材とクラッド材を組み合わせている。あるいは、コア材の周囲を覆うクラッド材は該コア材の一面を覆う第1のクラッド材と該コア材の一面を除く他面を覆う第2のクラッド材からなる2種類の材料から構成されていて、コア材の屈折率の温度係数と第2のクラッド材の屈折率の温度係数が互いに符号が異なるようにしている。
【0018】
ここで、屈折率の温度係数の符号が互いに異なるコア材とクラッド材(あるいは、コア材と第2のクラッド材)とを用いて光導波回路を形成した場合、コア材の厚みを一定にして導波路の幅を変化させると、例えば、図3,図4あるいは図7に示すように、光導波路の幅が広くなるにしたがって光導波路の伝搬定数の温度係数(α)が負から正の方向に移動して、ある幅のところで伝搬定数の温度係数(α)が0になることが明らかになった。これは、導波路を伝搬する光は主にコア内に束縛されているが、一部はクラッドに染み出している。この染み出しの具合がコア幅によって異なるため、ある特定のコア幅のときにコアの屈折率の温度係数がクラッドの屈折率の温度係数によりキャンセルされることとなって、伝搬定数の温度係数(α)が0になったと考えられる。
【0019】
即ち、屈折率の温度係数の符号が互いに異なるコア材とクラッド材(あるいは、コア材と第2のクラッド材)とを用いて光導波回路を形成した場合に、コア材の厚みを一定にして導波路の幅を調整することにより、光導波路の伝搬定数の温度係数(α)が0、即ち、温度無依存性の光導波回路が得られることとなる。この場合、コア材としては屈折率の温度係数が正のセラミック材料を用い、クラッド材としては屈折率の温度係数が負の合成樹脂材料を用いるのが望ましい。また、コア材としては屈折率の温度係数が正のセラミック材料で、第1のクラッド材としてはコア材と同様に屈折率の温度係数が正のセラミック材料で、第2のクラッド材としては屈折率の温度係数が負の合成樹脂材料であるのが望ましい。
【0020】
そして、セラミック材料としては、二酸化珪素(SiO2)にゲルマニュウム(Ge)をドープした材料(屈折率が1.49で、屈折率の温度係数が8×10-6/℃のもの)、あるいは二酸化ケイ素(SiO2)(屈折率が1.49で、屈折率の温度係数が8×10-6/℃のもの)を用いるのが好ましい。また、合成樹脂材料としてはセルロースとフェノールの混合体(屈折率が1.46で、屈折率の温度係数が−3×10-4/℃のもの)、ポリイミド樹脂(屈折率が1.40で、屈折率の温度係数が−1.5×10-4/℃のもの)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)(屈折率が1.48で、屈折率の温度係数が−1.1×10-4/℃のもの)、シリコン樹脂(屈折率が1.47で、屈折率の温度係数が−7.7×10-4/℃のもの)等の合成樹脂材料から選択して用いるのが好ましい。
【0021】
一方、本発明の光導波回路モジュールにおいては、第1基板上にコア材の屈折率の温度係数とクラッド材の屈折率の温度係数が互いに符号が異なる材料からなるコア材とクラッド材を組み合わせて形成されているとともに、導波路の伝搬定数の温度係数が0になるようにコア材の厚みと幅が調整されているTE波(Transverse Electric mode:横電場)用光導波回路と、第2基板上にコア材の屈折率の温度係数とクラッド材の屈折率の温度係数は互いに符号が異なる材料からなるコア材とクラッド材を組み合わせて形成されているとともに、導波路の伝搬定数の温度係数が0になるようにコア材の厚みと幅が調整されているTM波(Transverse Magnetic mode:横磁場)用光導波回路とを備えるようにしている。
【0022】
また、本発明の光導波回路モジュールにおいては、コア材の周囲を覆うクラッド材は該コア材の一面を覆う第1のクラッド材と該コア材の一面を除く他面を覆う第2のクラッド材からなる2種類の材料から構成されていて、コア材の屈折率の温度係数と第2のクラッド材の屈折率の温度係数は互いに符号が異なる材料を組み合わせて第1基板上に形成されているとともに、導波路の伝搬定数の温度係数が0になるようにコア材の厚みと幅が調整されているTE波用光導波回路と、コア材の周囲を覆うクラッド材は該コア材の一面を覆う第1のクラッド材と該コア材の一面を除く他面を覆う第2のクラッド材からなる2種類の材料から構成されていて、コア材の屈折率の温度係数と第2のクラッド材の屈折率の温度係数は互いに符号が異なる材料を組み合わせて第2基板上に形成されているとともに、導波路の伝搬定数の温度係数が0になるようにコア材の厚みと幅が調整されているTM波用光導波回路とを備えるようにしている。
【0023】
【発明の実施の形態】
ついで、本発明の一実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。なお、図1は本発明の光導波回路を備えた光導波回路モジュールを模式的に示す図であり、図1(a)は上面図であり、図1(b)は正面図である。図2は本発明の光導波回路を作製する工程を模式的に示す断面図である。また、図3はコアの厚みが3μmの場合のアレイ導波路の幅(μm)と伝搬定数の温度係数(α)の関係を示す図である。図4はコアの厚みが4μmの場合のアレイ導波路の幅(μm)と伝搬定数の温度係数(α)の関係を示す図である。図5は本発明のAWGにTE波を導入した場合の出射端中央部での光の透過率スペクトルを示す図である。
【0024】
1.光導波回路モジュール
本実施の形態の光導波回路モジュールは、図1に示すように、TE波(Transverse Electric mode:横電場)用光導波回路10と、TM波(Transverse Magnetic mode:横磁場)用光導波回路20とから構成される。TE波用光導波回路10はシリコン基板11を備えていて、シリコン基板11上に入射導波路12、入射側スラブ導波路13、アレイ導波路14、出射側スラブ導波路15および出射導波路16がコア材の周囲がクラッド材により被覆されることにより形成されている。一方、TM波用光導波回路20は、シリコン基板21を備えていて、TE波用光導波回路10と同様に、シリコン基板21上に入射導波路、入射側スラブ導波路、アレイ導波路、出射側スラブ導波路および出射導波路がコア材の周囲がクラッド材により被覆されることにより形成されている。
【0025】
ここで、TE波用光導波回路10およびTM波用光導波回路20の光の入射側には、入射側光ファイバ30と、入射側光ファイバ30の前方に配置される偏光ビームスプリッタ31と、偏光ビームスプリッタ31の前後に配置されるレンズ31a,31bと、偏光ビームスプリッタ31の下方に配置されるミラー32と、ミラー32の前方に配置されるレンズ31cとが配設されている。なお、偏光ビームスプリッタ31はTE波とTM波の偏光成分に分離して、TE波は透過させるとともにTM波を反射させて、進路を90°回転させるものである。
【0026】
このため、入射側光ファイバ30からの出射された光がレンズ31aにより集光されて偏光ビームスプリッタ31に入射すると、この偏光ビームスプリッタ31により、TE波とTM波の偏光成分に分離されて、TE波は透過してレンズ31bを通してTE波用光導波回路10の入射導波路12に入射する。また、偏光ビームスプリッタ31により分離されたTM波は進路を90°回転させられた後、ミラー32にて方向が90°反射され、TE波と平行光線となってレンズ31cを通してTM波用光導波回路20の入射導波路に入射する。
【0027】
一方、TE波用光導波回路10およびTM波用光導波回路20の光の出射側には、偏光ビームスプリッタ33と、偏光ビームスプリッタ33の前後に配置されるレンズアレイ33a,33bと、偏光ビームスプリッタ33の下方に配置されるミラー34と、ミラー34の前方に配置されるレンズアレイ33cと、偏光ビームスプリッタ33の前方に配置される出射側ファイバーアレイ35とが配設されている。なお、偏光ビームスプリッタ33はこの偏光ビームスプリッタ33に入射したTE波とTM波とを合波するものである。
【0028】
このため、TM波用光導波回路20の出射導波路から出射されたTM波は、レンズアレイ33cを通してミラー34に入射し、進路を90°回転させられた後、偏光ビームスプリッタ33に入射する。また、TE波用光導波回路10の出射導波路16から出射されたTE波はレンズアレイ33aを通して偏光ビームスプリッタ33に入射する。そして、偏光ビームスプリッタ33に入射したTE波とTM波はここで合波された後、レンズアレイ33bにより出射側ファイバーアレイ35に集光される。
【0029】
このように構成される光導波回路モジュールにおいて、まず、複数の波長λ1〜λnが多重化された波長多重光が入射側光ファイバ30から出射すると、レンズ31aを介して偏光ビームスプリッタ31に入射する。すると、偏光ビームスプリッタ31により、波長がλ1〜λnの光をTE波とTM波に分離して、TE波は偏光ビームスプリッタ31を透過してレンズ31bに入射し、TE波用光導波回路10の入射導波路12に入射する。一方、偏光ビームスプリッタ31により90°反射されたTM波は、ミラー32により90°反射されてレンズ31cに入射し、TM波用光導波回路20の入射導波路に入射する。
【0030】
複数の波長λ1〜λnが多重化された波長多重光のTE波がTE波用光導波回路10の入射導波路12に入射すると、入射側スラブ導波路13で回折されて拡がってアレイ導波路14に入射する。アレイ導波路14の出力端では各導波路を伝搬した光は光路長差ΔL(約75μm)に相当する分だけ位相にずれが生じて、出射側スラブ導波路15に到達し、回折により広がるが、それぞれの導波路を通過した光は互いに干渉し、結果的に全体として波面の揃う方向に回折することとなる。
【0031】
このため、波長の異なる光が出射側スラブ導波路15の出射導波路側で集光する位置は互いに異なり、それぞれの位置に出射導波路16を配設することにより、波長の異なったTE波は各波長毎に異なる出射導波路16から出力されることとなる。一方、TM波用光導波回路20においてもTE波用光導波回路10と同様にして、波長の異なったTM波は各波長毎に異なるTM波用光導波回路20の出射導波路から出力されることとなる。そして、これらのTE波とTM波は偏光ビームスプリッタ33で合波されて、波長λ1〜λnの光を別々に出射側ファイバーアレイ35から取り出されることとなる。
【0032】
2.光導波回路の作製
ついで、上述のような構成となるTE波用光導波回路10あるいはTM波用光導波回路20の作製方法について以下に説明するが、TM波用光導波回路20においてはTE波用光導波回路10と同様に作製されるので、ここではTE波用光導波回路10の作製方法のみを図2に基づいて以下に説明する。
【0033】
まず、図2(a)に示すように、シリコンウェハ(シリコン基板)11を用意し、このシリコン基板11を空気中で950℃に加熱して、図2(b)に示すように、シリコン基板11の表面を熱酸化して、厚みが約1μmの二酸化ケイ素(SiO2)層11aを形成した。なお、この二酸化ケイ素(SiO2)層11aは屈折率が1.46で、屈折率の温度係数は+8×10-6/℃の下クラッドとなる。この後、この基板11を蒸着槽内に配置して、ゲルマニウム(Ge)をドープした二酸化ケイ素(SiO2)(SiO2に対して20質量%のGeO2を添加したもの)を電子ビーム蒸着で所定の厚み(tμm)になるまで蒸着した。
【0034】
これにより、図2(c)に示すように、二酸化ケイ素(SiO2)層11aの上にGeドープのSiO2の蒸着層11bが形成される。このGeドープのSiO2の蒸着層11bは屈折率が1.49で屈折率の温度係数は+8×10-6/℃のコアとなる。ここで、GeドープのSiO2の蒸着時間を調整して、この蒸着層11bの厚み(コアの厚みt)が3μmになるものaと、4μmになるものbとをそれぞれ作製した。ついで、形成されたGeドープのSiO2の蒸着層11bを、図1に示すように、入射導波路12と、入射側スラブ導波路13と、アレイ導波路14と、出射側スラブ導波路15と、出射導波路16とが形成されるようにパターンニングして、図2(d)に示すような各導波路11bを形成した。
【0035】
このとき、アレイ導波路14の相隣接する導波路間の光路長差ΔLが約75μmになるようにするとともに、各導波路の幅(L)が3.0μm、3.2μm、3.4μm、3.6μm、3.8μm、4.0μmになるように調製した。ここで、コアの厚みが3μmでアレイ導波路14の幅(L)が3.0μmのものをa1とした。同様に、Lが3.2μmのものをa2とし、Lが3.4μmのものをa3とし、Lが3.6μmのものをa4とし、Lが3.8μmのものをa5とし、Lが4.0μmのものをa6とした。
【0036】
また、コアの厚みが4μmでアレイ導波路14の幅(L)が3.0μmのものをb1とした。同様に、Lが3.2μmのものをb2とし、Lが3.4μmのものをb3とし、Lが3.6μmのものをb4とし、Lが3.8μmのものをb5とし、Lが4.0μmのものをb6とした。ついで、これらの基板11上にセルロースとフェノールとの混合体11cを塗布した後、真空中で3時間の焼成を行った。これにより、図2(e)に示すように、各導波路11bを覆うように、セルロースとフェノールとの混合体11cからなる屈折率が1.46で屈折率の温度係数が−3×10-4/℃の上クラッドが形成されることとなる。
【0037】
これにより、シリコン基板11上に二酸化ケイ素(SiO2)層11aからなる屈折率が1.46で屈折率の温度係数が+8×10-6/℃の下クラッドが形成され、この下クラッド11aの上に、GeドープのSiO2の蒸着層11bからなる厚みが3μmあるいは4μmで、アレイ導波路14の幅(L)が3.0μm、3.2μm、3.4μm、3.6μm、3.8μm、4.0μmのいずれかで、屈折率が1.49で屈折率の温度係数が+8×10-6/℃のコア11bが形成され、これらのコアの下面を除く周囲がセルロースとフェノールとの混合体からなる屈折率が1.46で屈折率の温度係数が−3×10-4/℃の上クラッド11cが形成されることとなる。
【0038】
3.光導波回路の伝搬定数の温度係数の測定
ここで、上述のように作製された各光導波回路a1〜a6(コアの厚みtが3μmのもの)にそれぞれTE波(Transverse Electric mode:横電場)およびTM波(Transverse Magnetic mode:横磁場)を伝搬させた場合の伝搬定数の温度係数(α)を測定すると、下記の表1に示すような結果が得られた。同様に、各光導波回路b1〜b6(コアの厚みtが4μmのもの)にそれぞれTE波およびTM波を伝搬させた場合の伝搬定数の温度係数(α)を測定すると、下記の表2に示すような結果が得られた。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
そして、表1の結果からアレイ導波路14の幅(Lμm)を横軸とし、伝搬定数の温度係数(α)を縦軸としてグラフに表すと、図3に示すような結果が得られた。また、表2の結果からアレイ導波路14の幅(Lμm)を横軸とし、伝搬定数の温度係数(α)を縦軸としてグラフに表すと、図4に示すような結果が得られた。
【0042】
図3および図4の結果から明らかなように、導波路の幅が広くなるにしたがって伝搬定数の温度係数(α)が負から正の方向に移動し、ある幅のところで伝搬定数の温度係数(α)が0になることが分かる。例えば、図3においては、コアの厚みtが3μmのTE波用光導波回路10においては、アレイ導波路14の幅(L)が約3.71μmのときに伝搬定数の温度係数(α)が0になり、TM波用光導波回路20においては、アレイ導波路14の幅(L)が約3.61μmのときに伝搬定数の温度係数(α)が0になることが分かる。一方、図4においては、コアの厚みtが4μmのTE波用光導波回路10においては、アレイ導波路14の幅(L)が約3.45μmのときに伝搬定数の温度係数(α)が0になり、TM波用光導波回路20においては、アレイ導波路14の幅(L)が約3.31μmのときに伝搬定数の温度係数(α)が0になることが分かる。
【0043】
このことから、シリコン基板11上に、GeドープのSiOの蒸着層11bからなる所定厚みで所定のアレイ導波路14の幅(L)を有する屈折率が1.49で屈折率の温度係数が+8×10-6/℃のコア11bの下面を、屈折率が1.46で屈折率の温度係数が+8×10-6/℃の二酸化ケイ素(SiO2)層11aからなる下クラッドを配置し、このコアの周囲をセルロースとフェノールとの混合体からなる屈折率が1.46で屈折率の温度係数が−3×10-4/℃の上クラッド11cで被覆した光導波路を形成するとともに、コアの厚みtとアレイ導波路14の幅(L)とを調整することにより、伝搬定数の温度係数(α)が0、即ち、温度無依存性のTE波用光導波回路10あるいはTM波用光導波回路20が得られることが分かる。
【0044】
4.透過率スペクトルの測定
そこで、上述と同様にして、アレイ導波路14の相隣接する導波路間の光路長差ΔLが約75μmになるようにするとともに、各導波路の厚み(コアの高さ)が3μmで幅(L)が3.7μmになるようなTE波用光導波回路を作製した。この後、このTE波用光導波回路を25℃、40℃および60℃の環境温度に配置して、TE波を導入した場合のTE波用光導波回路の出射端での中央部の透過率スペクトルを測定すると、図5に示すような結果が得られた。図5の結果から明らかなように、環境温度が25℃、40℃および60℃であっても中心波長が変化しないことが分かる。このことから、本発明の光導波回路を用いれば、環境温度が変化しても出射チャンネルが変化しないAWGが得られることが分かる。
【0045】
5.変形例
上述した実施の形態においては、下クラッド11aの材料を屈折率の温度係数がコアの屈折率の温度係数と同符号の二酸化ケイ素(SiO2)とし、上クラッド11gの材料を屈折率の温度係数がコアの屈折率の温度係数と異符号のセルロースとフェノールとの混合体で形成する例について説明したが、下クラッド11aおよび上クラッド11gの材料を屈折率の温度係数がコアの屈折率の温度係数と異符号のポリイミド樹脂で形成することも可能である。ついで、このような構成となる光導波回路の作製方法の変形例について、図6および図7に基づいて以下に説明する。なお、図6は本発明の変形例の光導波回路を作製する工程を模式的に示す断面図である。図7は図6の光導波回路のアレイ導波路の幅と伝搬定数の温度係数の関係を示す図である。
【0046】
まず、図6(a)に示すように、シリコンウェハ(シリコン基板)11を用意し、このシリコン基板11の表面にポリイミド樹脂(屈折率が1.40で、屈折率の温度係数が−1.5×10-4/℃のもの)を塗布した後、真空中で200℃の温度で3時間焼成して、図6(b)に示すように、シリコン基板11の表面に厚みが約5μmの有機膜11dを形成した。なお、この有機膜11dは屈折率が1.40で、屈折率の温度係数が−1.5×10-4/℃の下クラッドとなる。この後、この基板11をプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置内に配置して、図6(c)に示すように、有機膜11dの表面に二酸化ケイ素(SiO2)層11eが所定の厚み(コアの厚みt)になるように成膜した。この二酸化ケイ素(SiO2)層11eは屈折率が1.49で屈折率の温度係数は+8×10-6/℃のコアとなる。
【0047】
ついで、成膜された二酸化ケイ素(SiO2)層11eを、図1に示すように、入射導波路12と、入射側スラブ導波路13と、アレイ導波路14と、出射側スラブ導波路15と、出射導波路16とが形成されるようにパターンニングして、図6(d)に示すような各導波路11fを形成した。このとき、アレイ導波路14の相隣接する導波路間の光路長差ΔLが約75μmになるようにするとともに、各導波路の幅(L)とコアの厚み(t)が等しくなるように形成した。ここで、アレイ導波路14の幅(L)およびコアの厚み(t)が1.5μmのものをc1とした。同様に、Lおよびtが2.0μmのものをc2とし、Lおよびtが2.2μmのものをc3とし、Lおよびtが3.0μmのものをc4とした。
【0048】
ついで、これらの基板11上にポリイミド樹脂(屈折率が1.40で、屈折率の温度係数が−1.5×10-4/℃のもの)を塗布した後、真空中で200℃の温度で3時間焼成して、図6(e)に示すように、上クラッド層となる厚みが約10μmの有機膜11gを形成した。これにより、シリコン基板11上にポリイミド樹脂の有機膜11dからなる屈折率が1.40で屈折率の温度係数が−1.5×10-4/℃の下クラッドが形成され、この下クラッドの上に、屈折率が1.49で屈折率の温度係数は+8×10-6/℃の二酸化ケイ素(SiO2)層11eからなるコアが形成され、これらのコアの周囲が下クラッドと同材質の屈折率が1.40で屈折率の温度係数が−1.5×10-4/℃の上クラッドが形成されることとなる。
【0049】
上述のように作製された各光導波回路c1〜c4にそれぞれTE波およびTM波を伝搬させて、上述と同様に伝搬定数の温度係数(α)を測定した後、アレイ導波路14の幅(Lμm)を横軸とし、伝搬定数の温度係数(α)を縦軸としてグラフに表すと、図7に示すような結果が得られた。図7の結果から明らかなように、導波路の幅が広くなるにしたがって伝搬定数の温度係数(α)が負から正の方向に移動し、コアの厚みtおよびアレイ導波路14の幅Lが約2.1μmのときに、TE波用光導波回路10およびTM波用光導波回路20の伝搬定数の温度係数(α)が0になることが分かる。
【0050】
このことから、シリコン基板11上に、屈折率が1.49で屈折率の温度係数は+8×10-6/℃の二酸化ケイ素(SiO2)層からなるコア11fの周囲を、屈折率が1.40で屈折率の温度係数が−1.5×10-4/℃の屈折率が1.46で屈折率の温度係数が−1.5×10-4のポリイミド樹脂からなる下クラッド11dおよび上クラッド11gで被覆した光導波路を形成するとともに、コアの厚みtとアレイ導波路14の幅(L)とを調整することにより、伝搬定数の温度係数(α)が0、即ち、温度無依存性のTE波用光導波回路10あるいはTM波用光導波回路20が得られることが分かる。
【0051】
【発明の効果】
以上に詳述したように、本発明においては、シリコン基板11上に、GeドープのSiOの蒸着層11bからなる所定厚みtで所定のアレイ導波路14の幅Lを有する屈折率が1.49で屈折率の温度係数が+8×10-6/℃のコア11bの下面に、屈折率が1.46で屈折率の温度係数が+8×10-6/℃の二酸化ケイ素(SiO2)層11aからなる下クラッドを配置し、このコアの周囲をセルロースとフェノールとの混合体からなる屈折率が1.46で屈折率の温度係数が−3×10-4/℃の上クラッド11cで被覆した光導波路を形成するようにしている。そして、コアの厚みtとアレイ導波路14の幅Lとを、導波路の伝搬定数の温度係数(α)が0になるように調整している。これにより、温度無依存性のTE波用光導波回路10あるいはTM波用光導波回路20が得られるようになる。
【0052】
また、本発明の変形例においては、シリコン基板11上に、屈折率が1.49で屈折率の温度係数は+8×10-6/℃の二酸化ケイ素(SiO2)層からなるコア11fの周囲を、屈折率が1.40で屈折率の温度係数が−1.5×10-4/℃のポリイミド樹脂からなる下クラッド11dおよび上クラッド11gで被覆した光導波路を形成するようにしている。そして、コアの厚みtとアレイ導波路14の幅(L)を伝搬定数の温度係数(α)が0になるように調整している。これにより、温度無依存性のTE波用光導波回路10あるいはTM波用光導波回路20が得られるようになる。
【0053】
なお、上述した実施の形態および変形例においては、屈折率の温度係数が負の樹脂材料として、屈折率が1.46で屈折率の温度係数が−3×10-4/℃のクラッド、あるいは屈折率が1.46で屈折率の温度係数が−1.5×10-4/℃のクラッドを用いる例について説明したが、これらに代えて、屈折率が1.48で屈折率の温度係数が−1.1×10-4/℃のポリメチルメタクリレート(PMMA)、あるいは屈折率が1.47で屈折率の温度係数が−7.7×10-4/℃のシリコン樹脂等の合成樹脂材料から選択して用いるようにしてもよい。また、上述した実施の形態および変形例においては、本発明の光導波路をAWG(Arrayed Waveguide Grating)に適用する例について説明したが、本発明の光導波路は、光導波路中を伝搬する光を干渉または共振させることにより、特定の波長を共振、反射、透過または分岐する導波路型光デバイスに用いることができる。
【0054】
例えば、2本の光導波路を波長オーダーで近接させることによって光導波路間で光パワーが移行する現象を利用した方向性結合器や、光路長の異なる2本の光導波路を導波する光に付与される位相差を利用して波長選択性を得るマッハツェンダ干渉器や、リング部を周回する光のうち共振条件(リング1周分の光路長が波長の整数倍)を満たす光のみを選択的に取り出すリング共振器や、導波路の端面部に2枚のミラー(劈開面、屈折率の異なる膜等の反射機能を有するもの)を対向させて共振器とするファブリーペロ共振器等、様々な導波路型光デバイスに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光導波回路を備えた光導波回路モジュールを模式的に示す図であり、図1(a)は上面図であり、図1(b)は正面図である。
【図2】 本発明の光導波回路を作製する工程を模式的に示す断面図である。
【図3】 コアの厚みが3μmの場合のアレイ導波路の幅と伝搬定数の温度係数の関係を示す図である。
【図4】 コアの厚みが4μmの場合のアレイ導波路の幅と伝搬定数の温度係数の関係を示す図である。
【図5】 本発明のAWGにTE波を導入した場合の出射端中央部での光の透過率スペクトルを示す図である。
【図6】 本発明の変形例の光導波回路を作製する工程を模式的に示す断面図である。
【図7】 図6の光導波回路のアレイ導波路の幅と伝搬定数の温度係数の関係を示す図である。
【図8】 従来例のAWGを模式的に示す正面図である。
【符号の説明】
10…PE波用光導波回路、11…シリコン基板、11a…下クラッド、11b…コア、11c…上クラッド、11d…有機膜、11f…コア、11g…上クラッド、12…入射導波路、13…入射側スラブ導波路、14…アレイ導波路、15…出射側スラブ導波路、16…出射導波路、20…PM波用光導波回路、21…シリコーン基板、30…入射側光ファイバ、31…偏光ビームスプリッタ、31a…レンズ、31b…レンズ、31c…レンズ、32…ミラー、33…偏光ビームスプリッタ、33a…レンズアレイ、33b…レンズアレイ、33c…レンズアレイ、34…ミラー、35…出射側ファイバーアレイ
Claims (8)
- 周囲がクラッド材で被覆されて該クラッド材よりも屈折率が大きいコア材からなる長さの異なる複数の導波路を備えた光導波回路であって、
前記コア材の屈折率の温度係数と前記クラッド材の屈折率の温度係数は互いに符号が異なるとともに、
前記導波路の伝搬定数の温度係数が0になるように前記コア材の厚みと幅が調整されていることを特徴とする光導波回路。 - 前記コア材はセラミック材料で、前記クラッド材は合成樹脂材料であることを特徴とする請求項1に記載の光導波回路。
- 周囲がクラッド材で被覆されて該クラッド材よりも屈折率が大きいコア材からなる長さの異なる複数の導波路を備えた光導波回路であって、
前記コア材の周囲を覆う前記クラッド材は該コア材の一面を覆う第1のクラッド材と該コア材の前記一面を除く他面を覆う第2のクラッド材とで構成されていて、
前記コア材の屈折率の温度係数と前記第2のクラッド材の屈折率の温度係数は互いに符号が異なるとともに、
前記導波路の伝搬定数の温度係数が0になるように前記コア材の厚みと幅が調整されていることを特徴とする光導波回路。 - 前記コア材はセラミック材料で、前記第1のクラッド材はセラミック材料で、前記第2のクラッド材は合成樹脂材料であることを特徴とする請求項3に記載の光導波回路。
- 前記コア材は二酸化珪素(SiO2)にゲルマニュウム(Ge)がドープされた材料であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の光導波回路。
- 前記合成樹脂材料はセルロースとフェノールの混合体、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、シリコン樹脂のいずれかから選択される合成樹脂材料であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の光導波回路。
- シリコン基板上に周囲がクラッド材で被覆されて該クラッド材よりも屈折率が大きいコア材からなる長さの異なる複数の導波路を備えた光導波回路モジュールであって、
第1シリコン基板上に前記コア材の屈折率の温度係数と前記クラッド材の屈折率の温度係数は互いに符号が異なる材料からなるコア材とクラッド材を組み合わせて形成されているとともに、前記導波路の伝搬定数の温度係数が0になるように前記コア材の厚みと幅が調整されているTE波用光導波回路と、
第2シリコン基板上に前記コア材の屈折率の温度係数と前記クラッド材の屈折率の温度係数は互いに符号が異なる材料からなるコア材とクラッド材を組み合わせて形成されているとともに、前記導波路の伝搬定数の温度係数が0になるように前記コア材の厚みと幅が調整されているTM波用光導波回路とを備えたことを特徴とする光導波回路モジュール。 - シリコン基板上に周囲がクラッド材で被覆されて該クラッド材よりも屈折率が大きいコア材からなる長さの異なる複数の導波路を備えた光導波回路モジュールであって、
前記コア材の周囲を覆う前記クラッド材は該コア材の一面を覆う第1のクラッド材と該コア材の前記一面を除く他面を覆う第2のクラッド材からなる2種類の材料から構成されていて、前記コア材の屈折率の温度係数と前記第2のクラッド材の屈折率の温度係数は互いに符号が異なる材料を組み合わせて第1シリコン基板上に形成されているとともに、前記導波路の伝搬定数の温度係数が0になるように前記コア材の厚みと幅が調整されているTE波用光導波回路と、
前記コア材の周囲を覆う前記クラッド材は該コア材の一面を覆う第1のクラッド材と該コア材の前記一面を除く他面を覆う第2のクラッド材からなる2種類の材料から構成されていて、前記コア材の屈折率の温度係数と前記第2のクラッド材の屈折率の温度係数は互いに符号が異なる材料を組み合わせて第2シリコン基板上に形成されているとともに、前記導波路の伝搬定数の温度係数が0になるように前記コア材の厚みと幅が調整されているTM波用光導波回路とを備えたことを特徴とする光導波回路モジュール。
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