JP3224087B2 - 光導波路の製造方法 - Google Patents

光導波路の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信、光信号処
理、光計測の分野における光導波路製造方法に関する
ものであり、詳しくは、偏波依存性のない光導波路の製
造方法を提供するためのものである。
【0002】
【従来の技術】石英系光導波路型回路は、干渉効果を利
用した光回路において温度変化に対する動作波長の安定
性に優れている。そのため石英型光導波路型回路は、光
通信の分野での応用が期待される受動型光部品である。
石英系光導波路は、数μmから数十μm厚の石英系ガラ
ス膜を形成する技術と、形成されたコアガラス膜をフォ
トリソグラフを利用して数μm幅のパターン形状に加工
する技術とを組み合わせて作製される。かかる光導波路
を用いて様々な光回路が実現されている。これら光回路
の中で、光合分波機能を有するアレー導波路型回折格子
は、回路設計による特性自由度に優れ、かつ、低挿入損
失であることから光通信システムを構成する実用的な光
部品として有望である。
【0003】図6(a)〜(d)に従来のアレー導波路
型回折格子に用いられる光導波路の製造工程を示す。ま
ず図6(a)に示すように、シリコン基板1上に下部ク
ラッドガラス層2を火炎堆積法を用いて形成する。次に
図6(b)に示すように、火炎堆積法によりコア層4を
形成し、図6(c)に示すように、コア層4を導波路パ
ターンになるようフォトプロセスと反応性イオンエッチ
ングを用いて矩形コア部5に加工する。最後に図6
(d)に示すように、上部クラッドとなるガラス層6を
火炎堆積法を用いて形成し、埋め込み型の石英系光導波
路を作製する。
【0004】この製造方法には、任意の回路パターンを
フォトマスクに忠実に作製することができるという特徴
がある。従って、少なくともアレー導波路部を有する複
雑な回路構成であるアレー導波路型回折格子の作製に好
適である。また、アレー導波路部の導波路長差、入出力
導波路の本数、スラブ導波路の大きさを設計通り作製す
ることができ、チャンネル数8〜32、分波波長間隔が
16nmと広いWDM用回路から0.4nmと狭いFD
M用回路に至るまでの透過特性を消光比25dB以上、
挿入損失3dB以下で実現している。さらに、基板とし
て熱伝導率の高いシリコンを用いていることから、基板
の温度を制御することにより導波路を構成する石英ガラ
スの温度を制御することが可能となる。現在、石英系光
導波路で構成されるアレー導波路型回折格子の動作波長
は温度係数0.01nm/℃で変化するが、ペルチェ素
子を用いて基板温度を制御することで安定な動作が実現
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
アレー導波路型回折格子においては、光導波路が複屈折
を有することから、TE偏波における動作波長とTM偏
波における動作波長が異なるという問題点があった。光
導波路の複屈折の原因は光回路を構成する石英系ガラス
膜とシリコン基板の熱膨張係数が異なることによるガラ
ス中に誘起された応力である。一方、アレー導波路型回
折格子を光通信システムで用いる場合には、動作波長は
偏波状態に依存しないことが望まれていた。
【0006】動作波長の偏波依存性を解消する方法とし
て、アレー導波路中に溝を加工し、波長板を挿入する方
法がある(Y. Inoue et al, "Polarization mode concer
terwith polyimide half waveplate in silica-based p
lanar lightwave circuits", IEEE Photonics Technol.
Lett., Vol.6, pp.626-628, 1994) 。この方法では、
アレー導波路の中央部に波長板を挿入することにより、
任意の分波波長間隔、任意のチャンネル数のアレー導波
路型回折格子について偏波依存性を解消できるという特
徴を有するが、従来の導波路型光回路の製造工程に対し
て、溝加工、波長板挿入、固定の追加の工程が加わり、
製造工程が複雑になるという問題点があった。また、か
かる製造工程は大量生産には不向きなものであった。
【0007】本発明は、これらの問題点に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、偏波依存性のない、光導波
製造方法を提供することにある。
【0008】
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の光導波
路の製造方法の発明は、平面基板上に下部クラッド層を
設けた後、下部クラッド層にイオン注入法を用いてイオ
ン注入層を形成し、イオン注入層の上にコア層を設けて
からエッチングによりコア部を形成し、イオン注入層お
よびコア部の上に上部クラッド層を形成して、コア部を
埋め込むことを特徴とする。
【0010】ここで、イオン注入層に注入されるイオン
種は、窒素の荷電粒子、酸素の荷電粒子およびシリコン
の荷電粒子からなる群から選ばれることができる。
【0011】
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の光導波路は、平面基板上
に下部クラッド層、上部クラッド層、コア部、コア部の
下にイオン注入層を有する。
【0013】本発明の光導波路は、例えば、平面基板上
に下部クラッド層を設けた後、下部クラッド層にイオン
注入法を用いてイオン注入層を形成し、イオン注入層の
上にコア層を設けてからエッチングによりコア部を形成
し、イオン注入層およびコア部の上に上部クラッド層を
形成して、コア部を埋め込むことにより製造することが
できる。
【0014】本発明の光導波路を用いてアレー導波路型
回折格子を製造することができる。また、本発明におい
ては、かかる光導波路を適用することにより、他の光回
路や他の光部品を製造することもできる。
【0015】以下に実施例を用いて本発明を具体的に説
明する。
【0016】実施例1 図1(a)〜(e)に本発明の光導波路製造工程を示
す。まず、シリコン基板1上に、火炎堆積法により約3
0μm厚の下部クラッドガラス層2を作製する。次に、
下部クラッドガラス層2表面にイオン注入法により、N
+ 注入層3を形成する。なお、イオン注入層3は、窒素
イオンの代わりに酸素の荷電粒子またはシリコンの荷電
粒子を注入しても同様の結果を得ることができる。注入
条件は、エネルギー300keV、注入量1×1017
cm2 とした。この条件においては、N+ イオンは深さ
方向にガウス形(gaussian状)に分布し、その濃度のピ
ークは深さ約0.27μm、ピーク濃度は5×1020
/cm3 と見積もられる。従って、深さ0.5μm程度
のイオン注入層が形成されることとなる。次に、火炎堆
積法によりコアガラススートを堆積し、電気炉中にて1
200℃で2時間保持して膜厚6μm、屈折率差0.7
5%であるコア層4を形成する。次に、反応性イオンエ
ッチングを用いてコア幅6μmである矩形コア部5を形
成する。最後に、火炎堆積法を用いて下部クラッド層2
と等しい屈折率を有する上部クラッド層6を約30μm
火炎堆積法により形成して、光導波路を製造する。
【0017】実施例1ではガラス層2、6およびコアガ
ラススートのガラス膜作製に火炎堆積法を用いたが、こ
れは、この方法が比較的厚く高品質なガラス膜形成に適
しているからである。場合によっては、別のガラス膜合
成方法、例えば、CVD法やスパッタ法を一部または全
部に用いることもできる。
【0018】実施例2 本発明の光導波路を用いて、偏波無依存アレー導波路型
回折格子を作製した。図2に回路構成の概略を示す。7
は入力導波路、8は入力側スラブ導波路、9はアレー導
波路部、10は出力側スラブ導波路、11は出力導波路
である。光導波路は、実施例1と同様にして製造した。
光合分波動作の設計に当たっては、光通信で用いられる
波長1.55μm帯において、16チャンネルに対し波
長間隔0.4nm(光周波数間隔50GHz)が得られ
るよう、アレー導波路型回折格子を構成するチャンネル
導波路間の光路長差を126.4μmとした。このアレ
ー導波路型回折格子を光合分波器として動作するには、
まず、入力導波路に送信側の単一モード光ファイバを接
続し周波数多重信号光(λ-j〜λj )を入射する。入力
側スラブ導波路において回折効果により広がった信号光
は、アレー導波路型回折格子を構成する複数のアレー導
波路部に伝搬し、出力側導波路スラブに達し、さらに出
力導波路に集光される。この場合、アレー導波路型回折
格子を構成する個々のアレー導波路の長さを変えて光路
長差を設けることにより、アレー導波路伝搬後の信号光
の位相にずれが生じ、この位相ずれ量に応じて出力側ス
ラブ導波路における集束光の波面が傾く。この傾き角度
により集光する位置が決定される。位相ずれ量が信号光
周波数に依存し、周波数多重光は周波数別に集光位置が
決まることになり、その集光位置に出力導波路を配置す
ることによって光周波数別に信号光(λj 〜λ-j)を取
り出すことができる。
【0019】この光合分波器の波長1.5μm近傍にお
ける透過スペクトルの測定結果を図3に示す。これよ
り、透過波長はTEまたはTMの偏波状態に依存しない
ことが判明した。さらに、ピーク波長の挿入損失は3.
0dB、チャンネル間クロストークは25dBであり、
従来の製造方法で作製されるアレー導波路型回折格子の
透過特性と同等であることが明らかになった。
【0020】以上より、本発明の光導波路を用いた偏波
依存性のない低損失かつ高消光比であるアレー導波路型
回折格子を実現することができた。
【0021】本発明の偏波無依存アレー導波路型回折格
子の温度安定性を明らかにするため、TE偏波およびT
M偏波における透過波長の温度依存性を図4に示す。図
4には、アレー導波路型回折格子を電気炉中で所定の温
度で1時間保持した後、室温で測定したときの結果が示
してある。これより、アレー導波路型回折格子の偏波無
依存動作が1200℃以下で保証されており、長期信頼
性の高いことが判明した。これは、イオン注入層上に火
炎堆積法によるコアガラスを形成する工程で、1200
℃の焼結工程を経ており、また、イオン注入層がクラッ
ドガラスに埋め込まれた状態であるためである。
【0022】実施例2ではアレー導波路型回折格子を作
製したが、この他、光干渉を用いる光回路、例えば、マ
ッハツェンダ型合分波器、光誘起グレーティング等へ適
用することもでき、また、光分岐結合を用いて方向性結
合器、Y分岐器等へ適用することも有効である。
【0023】比較例1 イオン注入をしない従来の方法で光回路を作製し、これ
を用いて実施例1と同様に設計された光分波器を作製し
た。これについて、その透過スペクトルを測定したとこ
ろ図5の結果を得た。この結果から、2つの偏波(T
E,TM)に対して透過スペクトルが波長方向に約0.
2nmずれ偏波依存性があることが分かった。比較例1
の結果と比較することによって、実施例1で示したイオ
ン打ち込みの効果を確認することができた。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光導波路
の製造方法によれば、イオン注入法を用いてイオン注入
層をコア底面部に設けることにより、コアガラス近傍の
応力場の変化、または、イオン注入層の屈折率変化を誘
起し、任意に設計したアレー導波路型回折格子の合分波
特性における偏波依存性を解消することができる。ま
た、イオン注入層はガラスの中に埋め込まれて形成され
ており、無偏波動作が半永久的に持続する。さらに、イ
オン注入法で形成するイオン注入層は光学的に均質なガ
ラスであることから、イオン注入層は光導波路の損失お
よび消光比劣化を招くことがない。また、本発明の光回
路製造は、従来の導波路型光回路の製造工程にイオン注
入工程が加わるだけであり、製造工程の煩雑さを最小限
にとどめることができた。なお、イオン注入法はLSI
工程では広く使われており、大量生産に適した技術であ
る。従って、本発明の光導波路は大量生産することがで
きるので、コスト面で有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光導波路製造工程を示す光導波路の断
面図である。
【図2】本発明のアレー導波路型回折格子の回路構成を
示す線図である。
【図3】本発明のアレー導波路型回折格子の透過特性を
示すグラフである。
【図4】本発明のアレー導波路型回折格子の温度変化に
対する偏波依存性を示すグラフである。
【図5】比較用のアレー導波路型回折格子の透過特性を
示すグラフである。
【図6】従来の光導波路の製造工程を示す光導波路の断
面図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 下部クラッド層 3 イオン注入層 4 コア層 5 コア部 6 上部クラッド層 7 入力導波路 8 入力側スラブ導波路 9 アレー導波路部 10 出力側スラブ導波路 11 出力導波路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−11131(JP,A) 特開 平8−220359(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/12 - 6/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面基板上に下部クラッド層を設けた
    後、下部クラッド層にイオン注入法を用いてイオン注入
    層を形成し、前記イオン注入層の上にコア層を設けてか
    らエッチングによりコア部を形成し、前記イオン注入層
    およびコア部の上に上部クラッド層を形成して、コア部
    を埋め込むことを特徴とする光導波路の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記イオン注入層に注入されるイオン種
    が、窒素の荷電粒子、酸素の荷電粒子およびシリコンの
    荷電粒子からなる群から選ばれることを特徴とする請求
    項1に記載の光導波路の製造方法。
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