JP3993905B2 - インクジェット用圧着紙 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧着した親展面同士を必要時に剥離でき、剥離することによってインクジェットプリンタを用いて親展面に印字されている個人向け情報を確認できるという圧着はがき等に用いられるインクジェット用圧着紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、郵便法の改正に伴い、封書よりも郵便料金が安く、封書と同様に通信の機密保持が可能な親展性を有するはがきが開発されてきている。中でも、用紙の親展面に塗被された剥離性を持つ感圧接着剤の層上に各種情報を印字した後、用紙を二つ折り又は三つ折りに折り畳み、50〜100kg/cmの強圧をかけて親展面同士を前記感圧接着剤を介して圧着することにより、はがきの形態を構成した所謂「圧着はがき」が大量の通知書類の発送を必要とする業界で封書からの切り替えとして急速に進んでいる。
【0003】
従来より圧着はがきへの各種情報の印字方式としては、主としてレーザービーム方式が使用されてきた。ところが、レーザービーム方式では、トナー定着のために圧着はがきを加熱する必要があり、その加熱によって不快臭が発生したり、感圧接着剤の老化が進むという問題があった。また、レーザービーム方式を採用したプリンタの大部分は連続式であるにもかかわらず、圧着はがきの原紙が印刷後、巻き取り状ではなくて折り畳み式であり、接着面同士が接触した状態からこれを展開して給紙し、印字処理される。この工程で接着面の接触箇所が大きな荷重を受けた場合、ブロッキングが発生しやすいという問題があった。
【0004】
そこで最近、レーザービーム方式に代わる印字方式として水溶性インク(「水性インク」と称することもある)を用いる高速インクジェット方式が注目されている。この高速インクジェット方式は、印刷と同様に巻取紙に直列ノズル連続インクジェット方式で直接印字を行い、そのインク部を高周波乾燥装置で局所的に発熱させて乾燥するという方式である。かかる高速インクジェット方式によれば、ランニングコストが安く、最大300m/minにも達する高速印字によって大量の情報処理が可能となる。高速インクジェット方式に使用される水溶性インク、例えばサイテックス社#1007等の水溶性インクは、染料が5〜6重量%であってその他の大部分は水分であるので、誘電率が高く発熱に対する効率が良いという性質を有している。
【0005】
他方、インクジェット用圧着紙には、圧着紙に当然に要求される機能に加えて、水性インクを使用対象とする一般的なインクジェット用紙と同じく、印字品質、インクの耐水性及び耐候性、インクの乾燥性、インクの裏抜け防止性能等が要求される。これらの品質の中では、圧着はがき郵送中の雨濡れ等による事故防止の点から、インクの耐水性に関してより高度の特性が要求される。
【0006】
この場合の耐水性については、直接染料又は酸性染料を着色剤とした水溶性インクについての耐水性が対象となる。この種の水溶性インクは、染料分子中のスルホン基及び/又はカルボキシル基の塩によって染料の水溶化がなされており、水溶性を与えている部分は強い負の電荷を帯びている。ここで、水溶性インクについての従来の耐水化技術の主なものは、インク受容層にカチオン性を呈するポリマーを介在することによって電荷的に染料分子を捕捉し、水の蒸発に伴って近接した両者間にファンデルワールス力を働かせて染料分子をインク受容層に固定するというものである。インク受容層に介在するポリマーとして、具体的には、例えば4級化ポリビニルピリジン、ポリエチレンイミン、4級化ポリエチレンイミン、ポリアリルスルフォン、ジシアンジアミド縮合物、ポリエチレンポリアミン系ポリマー、ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン等、多くのカチオン性ポリマーの応用が紹介されている。
【0007】
特願平7−315632号、特願平8−51487号では、インクジェット用圧着紙の耐水化剤を主剤として変性ポリエチレンイミンを利用し、塗料のpHを高く保って、負イオン状態のまま限界量以下のポリカチオン若しくは無機塩を併用する方法を提案している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの特許に共通して利用されている耐水化剤、即ち変性ポリエチレンイミンは耐候性が劣り、経時的に黄変するという欠陥がある。よって変性ポリエチレンイミンを使わずに流動性及び安定性が高く且つ一液性塗料で基材を処理することによって耐水性はもとより、耐候性の良好なインクジェット用圧着紙の開発を目的とした。
【0009】
また、圧着紙の親展面同士を接着する接着剤組成物はアニオン分散系であり、カチオン性ポリマーや多価金属塩類とは反応して凝集若しくは著しい増粘が起こるため、同時に混合ができない。さらに、サイテックス社のインクジェット用インクの耐水化には大量の耐水化剤が必要であり、再加工時に耐水化剤の脱落が起こりやすい。従って、カチオン性ポリマー等の耐水化剤を下塗りし、その上に接着剤組成物の上塗り層を設ける2層構造にしても、耐水化剤がポリアミドエピクロルヒドリンのような反応性を有してセルロースに結合し、且つ樹脂が水に不溶化するポリカチオンでない限り、上塗り層の塗工中に下塗り層の耐水化剤の脱落が起こる。これが戻り液に混じって接着剤組成物中に戻されるため、増粘、凝集が起こり、短時間での塗工作業は不可能となり、計量した接着剤組成物を上塗り層として流し出すダイコーターのような形式でない限り、製品化はできない。
【0010】
すなわち圧着紙に利用されるコールドシール剤は、アニオン分散系であり、カチオン性の強いポリマーと混合してインクジェット用圧着紙に適する一液性塗料を調製しようとするとその分散系が壊れ、液の増粘と同時に接近した分散質が重合し、塊を生じ塗料として使用不能となる。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、親展面を有する用紙の親展面同士がその親展面に塗被された接着剤組成物を介して剥離可能に圧着される圧着紙において、前記接着剤組成物は、コ一ルドシール剤と、微細鉱物粉末と、ポリジメチルアミンエピクロルヒドリン及び/又は変性ジメチルアミンエピクロルヒドリン縮合物とを含有する一液性塗料からなるインクジェット用圧着紙であり、変性ジメチルアミンエピクロルヒドリン縮合物はポリジメチルアミンアンモニアエピクロルヒドリン及びポリジメチルアミンエチレンジアミンエピクロルヒドリンである。これらのポリカチオンを片面当たり固形分0.4乃至1.0g/m を塗被したインクジェット圧着紙である。(以下ポリジメチルアミンエピクロルヒドリン系ポリカチオンをPDMAEと略記することとする。)
【0012】
さらにコールドシール剤100重量部当たり少なくとも5重量部以上のPDMAEを含み、その他のポリカチオン系耐水剤総量が片面当たり固形分0.4乃至1.0g/mの塗被量であるインクジェット用圧着紙に係る。また、ポリカチオン加工量を節約する目的で、カルシウム及びマグネシウムの水溶性塩を加えることもできる。
【0013】
接着剤組成物中のコールドシール剤は、天然ゴム系ラテックスとメタクリル酸メチルなどを重合したものが主体であり、これにアクリル樹脂系エマルジョン、スチレン−ブタジエンラテックス等を使用したものもある。この天然ゴム系ラテックスの乳化剤は蛋白質であって、多量のアンモニアを添加することによってアニオン系分散液となっている。塗料調製時コールドシール剤の濃度が20%以下となる条件で強攪拌下にPDMAE類を添加すると、コールドシール剤に対し5重量部付近で等電点となり、粘度はピークに達する。これを過ぎるとカチオン系に変換し、PDMAEを増量するに従って系の粘度が低下する。この間凝集塊を生成せず、粘度も低くなることを発見した。このように安定下にイオン返しができることは、PDMAE類が比較的低分子でラテックス自体の分散剤が両性物質からなることが寄与していると推定される。
【0014】
PDMAE類の分子量は10,000乃至100,000、より望ましくは10,000乃至30,000であり、カチオン当量は6.0〜7.5meq/gである。この分子量はPEOを基準物質として、高速液体クロマトグラフィーによって求めたものであり、カチオン当量はPDMAE類の固形分1gを1/400 規定ポリビニル硫酸カリウム溶液でコロイド滴定し、トルイジンブル−0.1%溶液を指示薬として、青から赤紫に変化した時点の容量ml(CV値という)を4で除した数値である。
【0015】
PDMAE類は、微細鉱物粉末の分散剤として用いてもよいが、予め通常のアニオン系分散剤で微細鉱物粉末を分散したものにコールドシール剤を加えた後に加えてもよい。コールドシール剤100重量部に対し、PDMAE類5重量部未満では殆ど流動性を失うほどの増粘が起き、5重量部以上で流動性が出てくることから、この5重量に近づく付近で等電点に達したとみることができる。従って実用的には8重量部まで増量し、完全にカチオン性として流動性を与えた方がよい。この状態で保持すると分散質の電荷の再配列が起こり、残部のポリカチオンを追加したときの分散が良好で粘度が著しく低下する。
【0016】
このような2段添加としなくても、ポリカチオンを連続的に混合したときは、著しい増粘現象を経ずに容易に接着用塗料が得られるが、上記2段添加の場合よりも粘度はやや高くなる。
【0017】
これらカチオン系の接着剤塗料では、等電点をピークとしてポリカチオンの増量に従って、実用的濃度では粘度が低下するので、要求される耐水性に応じて自由にポリカチオン量を調節することができる。また、カルシウム、マグネシウムの塩酸、硫酸、硝酸等の水に対する溶解度の高い塩類を併用することによって、ポリカチオン量を節約することも可能である。本発明は耐水性を同一としたときの接着剤組成中のポリカチオン量が少ないのが特徴であるが、このことはプレ印刷時の印刷適性を保持する上で有利である。
【0018】
接着剤組成物中には、コールドシール剤100重量部当たり、100乃至250重量部の微細鉱物粉末を使用する。微細鉱物粉末としては3μm以下の超微細無定形シリカが最適であるが、シリカ自体はシラノ一ル基を末端に保有するので、ポリカチオンと反応して増粘する場合が多い。印刷適性を考慮して炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク、ゼオライト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム等一般に塗工用顔料に使用できる鉱物粉末を適宜配合する。これらの鉱物粉末で、二次粒子を形成しているものは3μm以下のものを使用することが望ましい。圧着時にかかる強度の線圧で大径2次粒子が崩壊し易く、親展面の印字部と重複した部分が剥離する際に対向面に移行し、転写事故となる頻度が高くなるためである。
【0019】
後添加に用いるポリカチオンは、ポリアルキレンポリアミンポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリアミドアミン(多塩基酸又はそのアルキルエステルとポリアルキレンポリアミンとの反応生成物)の鉱酸塩、1ポリアミドアミンエピクロルヒドリン、2−プロペンアミンハイドロクロライドホモポリマー、ポリアリルアミン、アリルアミン・ジアリルアミン共重合物、ポリビニルアミン等一般に耐水化剤として利用できるものは使用できるが、PDMAE類以外では、ポリアミドアミン鉱酸塩、ポリアミドアミン部分エピクロルヒドリン縮合物、2一プロペンアミンハイドロクロライドホモポリマー等が耐水性で特に優れている。ポリカチオンの紙への塗布量は総計で片面当たりの0.4〜1.0g/m(固形)であり、望ましくは0.5〜0.7g/mである。
【0020】
多価金属塩類については染料の不溶化に効果があり、特にカルシウム及びマグネシウムの塩酸、硝酸、硫酸塩が染料中の塩と置換して不溶化した染料生成物を形成するのに役立つ。これによって、ポリカチオンの添加量を節約することができる。
【0021】
接着剤組成物には必要に応じて顔料の分散剤、顔料の接着剤、消泡剤、pH調整剤、接着剤の架橋剤、老化防止剤、防腐剤等を使用することがある。
【0022】
この定着方式は、カチオン性のコールドシール剤にも同様に適用でき、PDMAEの利用によって、特に粘度の低いインクジェット用塗料が得られる。また、実施例ではサイテックス社製インクによって説明したが、直接及び酸性染料を着色剤とした水溶性インク全てについて適用可能である。
【0023】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例中の部或いは%は断らない限り、夫々乾燥重量部及び重量%である。実施例に使用したPDMAEの特性を下記表1に示した。実施例中にはこの区分に従い、PDMAEの次にA〜Gの記号をつけて表した。
【0024】
【表1】
Figure 0003993905
【0025】
【実施例】
<実施例1>
代表粒径1.2μmの無定形シリカ(カープレックスFPS101:塩野義製薬製)及び代表粒径2.5μmのタルク各75部をアニオン系分散剤と共に、水中に分散し、天然ゴム系ラテックス(FB−06FK:三井フラー製)100部を混合した。これにPDMAE−Fを8部添加した。1時間後ポリカチオンとしてPDMAE−Gを20部、カチオン澱粉(置換度0.15)15部、硫酸マグネシウム10部を添加して、濃度28%の塗料とした。この塗料につき、上質紙に6g/mの塗工量となるようコーティングロッドで塗工した。
【0026】
<実施例2>
ポリカチオンとして、PDMAE−A20部を使用した以外は実施例1と同様に実施した。
【0027】
<実施例3>
ポリカチオンとして、PDMAE−B20部を使用した以外は実施例1と同様に実施した。
【0028】
<実施例4>
ポリカチオンとして、PDMAE−E20部を使用した以外は実施例1と同様に実施した。
【0029】
<実施例5>
ポリカチオンとして、PDMAE−D20部を使用した以外は実施例1と同様に実施した。
【0030】
<実施例6>
ポリカチオンとして、PDMAE−C20部を使用した以外は実施例1と同様に実施した。
【0031】
<実施例7>
ポリカチオンとして、ジシアンアミドポリアルキレンポリアミン縮合物(ネオフィックスE−117:日華化学製)20部を使用した以外は実施例1と同様に実施した。
【0032】
<実施例8>
ポリカチオンとして、ジエチレントリアミンとアジピン酸との反応生成物であるポリアミドアミンを硫酸で中和したポリマー(KJC−S:星光化学製)20部を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
【0033】
<実施例9>
ポリカチオンとして、2−プロペンアミンハイドロクロライドホモポリマー(ネオフィックスRD−5:日華化学製)20部を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
【0034】
<実施例10>
荷電転化剤であるPDMAE−Fを使用せず、定着用ポリカチオンとして、PDMAEを28部添加した以外は、実施例1と同様に実施した。
【0035】
<実施例11>
ポリカチオンとして、PDMAE−Aを28部使用した以外は、実施例10と同様に実施した。
【0036】
<実施例12>
ポリカチオンとして、PDMAE−Fを28部使用した以外は実施例10と同様に実施した。
【0037】
<実施例13>
カープレックスFPS101及び代表粒径2.5μmのタルク各75部をPDMAE−A8部と共に水中に分散し、FB06FK100部と混合した。ただちにネオフィクスRD−5を20部、カチオン澱粉15部、硫酸マグネシウム10部を添加して濃度28%の塗料とした。以下実施例1と同様に実施した。
【0038】
<実施例14>
微細鉱物粉末の分散剤にPDMAE−E8部を使用した以外は、実施例13と同様に実施した。
【0039】
<実施例15>
カープレックスFPS101及び代表粒径2.5μmのタルク各25部をアニオン系オリゴマーと共に水中に分散し、FB06FK100部と混合した。これにPDMAE−F15部、PDMAE−C25部及びカチオン澱粉15部を添加して、濃度28%の塗料とした。この塗料につき粘度を測定し、また上質紙に固形分6g/mになるようにコーティングロッドで塗工した。
【0040】
<実施例16>
実施例15において、後から添加するポリカチオンをネオフィックスRD−5として20部添加した以外は、実施例15と同様に実施した。
【0041】
<実施例17>
実施例15において、後から添加するポリカチオンをPDMAE−Gとして20部添加した以外は、実施例15と同様に実施した。
【0042】
<比較例1>
荷電添加剤であるPDMAE−Fを使用せず、ポリカチオンとしてネオフィックスRD−5を28部添加した以外は、実施例1と同様に実施した。
【0043】
【0044】
上記実施例及び比較例にしたがって、調製した塗料について粘度を測定し、上質紙に6g/mの塗工量になるようにコーティングロッドで塗工した。加工紙については黒、青、赤の3色のインクに対する耐水性を測定した。以下各性能試験方法とその評価の仕方を説明する。
【0045】
(1)粘度
濃度28%の塗料についてトキメック製B型粘度計60回転で測定した。この塗料の揺変性が大きく、経歴によって粘度の変化が大きいので、できるだけ調製完了から、一定時間経過後に測定し、A〜Fの5段階に区分した。Aは50mPa・s以下、Bは51〜120mPa・s、Cは121〜200mPa・s、Dは201〜400mPa.s、Eは401〜1,000mPa.s、Fは1,000mPa・s以上である。
【0046】
(2)印字の耐水性
インクジェットプリンタ(シャープIO−735X)のインクタンクにサイテックス社インク#1007黒、#1008青、#1011赤を夫々注入し、普通モードで接着面に各色のベタ印刷を行った。印字資料を垂直にして30℃の水中に2分間浸漬した後、水から引上げ鏡面板に張り付け、資料が垂直になるようにして風乾した。風乾資料の印字部についてインクの流出の状況を目視判定し、◎、○、○′、Δ、Δ′の5段階に区別した。○′が合格の限界で、下部に僅かに染料の染みだしが認められるものであり、◎はドットがシャープで印字の周辺で染料の溶出が見られず、完全に固着したものをいう。
【0047】
以上の実施例1乃至17と比較例1の結果を下記表2に示す。実施例15〜17以外のものはポリカチオンの使用量は0.5g/m/sである。
【0048】
【表2】
Figure 0003993905
【0049】
実施例1乃至9では、PDMAE−Fで電荷を逆転した後、ポリカチオンを追加した系の粘度が著しく低く、特にポリカチオンがPDMAE類のみからなるものの、インクに対する耐水性の向上率が最も高い。
【0050】
実施例7及び9と比較例1を比較すれば、PDMAEの前処理により、著しい粘度低下と共に耐水性の向上が認められる。同様の処方でポリアミドアミン塩やポリアミドエピクロルヒドリン等も利用できる。ポリアミドエピクロルヒドリンを用いる場合には、水不溶性の染料固着剤としての特色が出せる。
【0051】
実施例10乃至12は、PDMAE類を必要量一時に添加したものである。この際、PDMAE−Fのみ粘度が低いが定着性が悪いので、耐水化に要するポリカチオン比率を上げる必要がある。A、E等はFによってカチオン化した後に、加えたものよりも粘度が高く、耐水化度もやや劣る。
【0052】
実施例13、14はPDMAEのA及びEを荷電逆転に使ったものであるが、Fで荷電逆転したものよりも粘度が高いが耐水化度はほぼ同等である。
【0053】
以上の例は全て無機塩を併用しているのであるが、実施例15乃至17に無機塩を使用しない系を示す。ポリカチオンの総計が0.6〜0.7g/m/sで充分な耐水化を達成することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、各種情報をインクジェット方式で親展面に印字した場合、耐水性が良好で、水に濡れても印字の滲み、脱落、汚染等の事故が起こらず、しかもプレ印刷適性が良好で、圧着紙としての性能も兼ね備えたインクジェット用圧着紙を与えることができる。
【0055】
しかも、アニオン系の塗料をカチオン系に電荷の転化を行っているにも拘らず凝集塊を生ぜず、安定且つ低粘度のカチオン性塗料となり、耐水化度に応じて、ポリカチオンを自由に増減することが可能である。場合によってはCa、Mg等の塩を併用して染料の不溶化を助けることができる。この塗料は均一な軽量塗工が可能ならば塗工形式を問わず、目的とする加工紙を経済的に作ることができる。

Claims (4)

  1. 親展面を有する用紙の親展面同士がその親展面に塗被された接着剤組成物を介して剥離可能に接着するように折り畳んで圧着してなる圧着紙において、前記接着剤組成物は、コールドシール剤と、微細鉱物粉末と、ポリジメチルアミンエピクロルヒドリン及び/又は変性ジメチルアミンエピクロルヒドリン縮合物とを含有する一液性塗料からなり、前記コールドシール剤100重量部当たり5重量部以上のポリジメチルアミンエピクロルヒドリン系ポリカチオンを含むことを特徴とするインクジェット用圧着紙。
  2. 変性ジメチルアミンエピクロルヒドリン縮合物は、ポリジメチルアミンアンモニアエピクロルヒドリン及びポリジメチルアミンエチレンジアミンエピクロルヒドリンである請求項1記載のインクジェット用圧着紙。
  3. ポリジメチルアミンエピクロルヒドリン又は/及び変性ポリジメチルアミンエピクロルヒドリン縮合物の圧着紙片面当たりの塗被量は、固形分で0.4乃至1.0g/mである請求項1又は2に記載のインクジェット用圧着紙。
  4. 親展面を有する用紙の親展面同士が、その親展面に塗被された接着剤組成物を介して剥離可能に接するように折り畳んで圧着してなる圧着紙において、前記接着剤組成物が、コールドシール剤、微細鉱物粉末、コールドシール剤100重量部当たり5重量部以上のポリジメチルアミンエピクロルヒドリンを含み、その他の耐水化剤であるポリカチオンの総量が圧着紙片面当たりの塗被量で固形分0.4乃至1.0g/mであることを特徴とするインクジェット用圧着紙。
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