JP3993505B2 - 油中水型乳化化粧料 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油性成分、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリオキシエチレン、特定のシリコーン化合物、水性成分を含有する油中水型乳化化粧料に関し、更に、シリコーン油、更には、分子内に分岐鎖を有する炭素数１４〜３０の脂肪酸エステル、また更に、有機変性粘土鉱物を含有する油中水型乳化化粧料に関するものである。更に詳しくは、前記成分を含有することにより、使用感、肌効果に優れ、経時安定性が良好な油中水型乳化化粧料に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、油中水型（Ｗ／Ｏ型）乳化化粧料は、水中油型（Ｏ／Ｗ型）乳化化粧料と比較すると、肌への親和性が高く、水分の蒸散を防ぎ、肌を乾燥から保護したり、肌にトリートメント効果を付与する等の肌効果が高く、様々な化粧料に応用されている。しかし反面、伸びが重い、肌がべたつく等の使用感が劣るものが多く、その改善策として、シリコーン系の油剤や界面活性剤が配合されている。（特許文献１参照）これらのシリコーン系油剤や界面活性剤を配合した油中水型乳化化粧料は、使用感の改善は見られるが、高いエモリエント効果を得ることはできなかった。高いエモリエント効果を得るため通常化粧料に汎用される油剤を多量に配合すると、シリコーン系油剤と汎用原料との相溶性が低いことによる分離やブツ、結晶の析出等の問題が発生することが多々あった。
また最近、油中水型乳化組成物の経時安定性や使用感の向上（伸びの軽さ、なめらかさ）を目的に、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリオキシエチレンからなる非イオン性界面活性剤を応用する技術が開示されている。（非特許文献１参照）
【０００３】
【特許文献１】
特開平２００１−３９８１９号公報
【非特許文献１】
「ＦＲＡＧＲＡＮＣＥ ＪＯＵＲＮＡＬ」１９９９年 ９月号 Ｐ８３〜８６
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、肌へのなじみが良く、伸びの重さべたつきがない等の使用感が良好で、高いエモリエント効果を有し、なお且つ、経時安定性の良好な油中水型乳化化粧料の開発にある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記実情に鑑み、本発明者らは鋭意研究の結果、油性成分、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリオキシエチレン、特定のシリコーン化合物、水性成分を含有することにより、使用感、肌効果、経時安定性が良好な油中水型乳化化粧料が得られることを見出した。更に、シリコーン油、更には、分子内に分岐鎖を有する炭素数１４〜３０の脂肪酸エステル、また更には、有機変性粘土鉱物を含有することにより、相乗的に使用感、肌効果、経時安定性が向上した、優れた油中水型乳化化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【０００６】
すなわち本発明は、次の成分（ａ）〜（ｄ）、
（ａ）油性成分
（ｂ）ジポリヒドロキシステアリン酸ポリオキシエチレン ０．３〜６質量％
（ｃ）下記一般式（１）で表されるシリコーン化合物 ０．２〜６質量％
【化３】

［式中、Ｒ¹は炭素数１〜３０のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、あるいは、−Ｃ_mＨ_2m−Ｏ−（Ｃ₂Ｈ₄Ｏ）_d（Ｃ₃Ｈ₆Ｏ）_eＲ⁴で表される有機基から選択される同種又は異種の有機基であり、Ｒ²は−Ｃ_mＨ_2m−Ｏ−（Ｃ₂Ｈ₄Ｏ）_f（Ｃ₃Ｈ₆Ｏ）_g−Ｒ⁵で表されるポリオキシアルキレン基、Ｒ³は下記一般式（２）
【化４】

で表されるオルガノシロキサンであって、Ｒ ⁷ は前記一般式（１）中のＲ ¹ と同義であり、Ｒ⁴は炭素数４〜３０の炭化水素基又はＲ⁶−（ＣＯ）−で示される有機基、Ｒ⁵は水素原子若しくは炭素数１〜３０の炭化水素基又はＲ⁶−（ＣＯ）−で示される有機基、Ｒ⁶は炭素数１〜３０の炭化水素基である。ａ、ｂ、ｃはそれぞれ１．０≦ａ≦２．５、０．００１≦ｂ≦１．５、０．００１≦ｃ≦１．５であり、ｄ、ｅはそれぞれ０≦ｄ≦５０、０≦ｅ≦５０の整数であり、ｆ、ｇはそれぞれ２≦ｆ≦２００、０≦ｇ≦２００、かつｆ＋ｇが３〜２００の整数である。また、ｍは０≦ｍ≦１５の整数、ｈは０≦ｈ≦５００の整数であり、ｎは１≦ｎ≦５の整数である。］
（ｄ）水性成分
を含有することを特徴とする油中水型乳化化粧料に関するものである。
また、成分（ｅ）シリコーン油を含有する成分（ａ）油性成分を６〜５０質量％含有し、成分（ａ）に対して成分（ｅ）の含有量が３〜７０質量％であることを特徴とする油中水型乳化化粧料に関するものである。
更に、成分（ａ）油性成分が、成分（ｆ）分子内に炭素数１４〜３０の分岐鎖を有する脂肪酸エステルを含有し、成分（ａ）に対して成分（ｆ）の含有量が１０〜９５質量％であることを特徴とする油中水型乳化化粧料に関するものである。
また更に、成分（ｇ）有機変性粘土鉱物を含有することを特徴とする油中水型乳化化粧料に関するものである。
【０００７】
以下、詳述する。
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる成分（ａ）油性成分は、油中水型乳化化粧料の油相を構成する成分であると共に、コクのある伸び広がり、滑らかさ等の使用感やエモリエント感等の肌効果を得るために用いられる。本発明の成分（ａ）としては、化粧品一般に使用される動物油、植物油、合成油等の起源及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類、親油性界面活性剤類、油溶性紫外線吸収剤類等を配合することができる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油、モクロウ等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ、ホホバ油等のロウ類、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、コレステロール脂肪酸エステル、Ｎ−ラウロイル−Ｌ−グルタミン酸ジ（コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル）等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ロジン酸等の高級脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、１２−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類、アミノ安息香酸エチル、メトキシケイ皮酸−２−エチルヘキシル、４−ｔｅｒｔ−ブチル−４’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等の油溶性紫外線吸収剤類等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【０００８】
本発明に用いられる成分（ｂ）ジポリヒドロキシステアリン酸ポリオキシエチレンは、油中水型乳化化粧料の良好な使用感を保ちつつ、経時安定性を向上させるために用いられるものである。成分（ｂ）は、ポリ（１２−ヒドロキシステアリン酸）に塩化チオニル等のハロゲン化剤を反応させて調製した酸クロライドとポリエチレングリコールを、アルカリ存在下で、反応させることにより得ることができる。この時、酸クロライドの量を多めにするとジポリエステルが得られるし、この量が少なければモノエステル等のアシル化率の低いものが得られる。本発明の成分（ｂ）に用いる場合、ポリエチレングリコールは、平均分子量で４００〜６０００が好ましい。一方、他方の構成要素である、ポリ（１２−ヒドロキシステアリン酸）は、この必須成分中で疎水基となる部分で、その重合度としては平均分子量１０００〜３０００であることが好ましい。この様なジポリヒドロキシステアリン酸ポリオキシエチレンの中には既に市販されているものがあり、本発明ではその様な市販品を利用することもできる。この様な市販品の内、特に好ましいものは、ユニケマ社より市販されている、「アラセルＰ−１３５」である。このものは、ポリエチレングリコール（平均分子量１５００）のポリ（１２−ヒドロキシステアリン酸）のジエステルであり、その平均分子量は約５０００である。本発明の油中水型乳化化粧料においては、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリオキシエチレンは唯一種を含有することもできるし、二種以上を組み合わせて含有することもできる。これらは、本発明の乳化系において連続相を安定に存在させる作用を有する。
【０００９】
本発明に用いられる成分（ｂ）の含有量は、油中水型乳化化粧料全量に対し、０．３〜６質量％（以下、単に「％」と記す）であり、使用感や経時安定性の向上の観点から、１〜３％が好ましい。
【００１０】
本発明に用いられる成分（ｃ）のシリコーン化合物は、油中水型乳化化粧料の伸びの重さ、べたつき等の使用感の改善や経時安定性の向上を図るために用いられるものである。前述の一般式（１）で表されるものであり、優れた乳化性能及び乳化安定性を有するものである。
【００１１】
前述の一般式（１）で表されるシリコーン化合物の平均分子量は特に限定されるものではないが、５００〜２００，０００であることが好ましく、特に１，０００〜１００，０００であることが好ましい。また、油中水型乳化化粧料の乳化剤又は乳化助剤として、ＨＬＢが２．５〜６のものが好適に用いられる。市販品としては、ＫＦ−６０２８（信越化学工業社製）等が挙げられる。これら成分（ｃ）のシリコーン化合物は一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【００１２】
本発明に用いられる成分（ｃ）のシリコーン化合物の含有量は、０．２〜６％であり、経時安定性や使用感の向上の観点から、好ましくは０．５〜４％である。
【００１３】
本発明に用いられる成分（ｄ）水性成分は、油中水型乳化化粧料の水相を構成する成分であると共に、伸び広がりの軽さ、べたつきの軽減、さっぱり感等の使用感や、保湿感等の肌効果を得るために用いられるものである。本発明の成分（ｄ）としては、精製水、グリセリン、プロピレグリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール、エタノール等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。一般的には、精製水又は、精製水と多価アルコールやエタノールとを組み合わせたものが用いられる。
【００１４】
本発明の成分（ａ）〜（ｄ）を含有することにより、肌なじみが良く、伸びの重さやべたつき等の使用感やエモリエント効果が向上し、なお且つ、経時安定性も向上した油中水型乳化化粧料とすることができる。
【００１５】
本発明に用いられる成分（ａ）油性成分に、成分（ｅ）シリコーン油を含有させることで、更にべたつきを軽減し、相乗的にさっぱり感を向上させることができる。
【００１６】
本発明に用いられる成分（ｅ）のシリコーン油の構造は特に限定されず、直鎖状、環状、架橋型等のいずれを用いても良い。具体的に例示すると、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン，メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン・メチルフェニルポリシロキサン共重合体等の低粘度から高粘度のシリコーン油、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン等の環状シリコーン油、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等が挙げられ、これらの一種又は二種を適宜選択して使用することができる。これらのなかでも、さっぱりとした感触を容易に得られるという点から、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状シリコーン油が好ましいものとして挙げられる。
【００１７】
成分（ｅ）シリコーン油を含有する、本発明に用いられる成分（ａ）油性成分の含有量は６〜５０％である。
【００１８】
また、成分（ａ）に対する成分（ｅ）シリコーン油の含有量は３〜７０％であり、べたつきの軽減やさっぱり感の向上の観点から、好ましくは６〜５０％である。
【００１９】
本発明に用いられる成分（ａ）中に成分（ｅ）を含有させることで、経時安定性を維持すると同時に、伸びの重さ、べたつき、さっぱり感等の使用感が相乗的に改善された、優れた油中水型乳化化粧料を得ることができる。
【００２０】
更に、本発明に用いられる成分（ａ）油性成分に、成分（ｆ）分子内に分岐鎖を有する炭素数１４〜３０の脂肪酸エステルを含有させることで、更に肌なじみの改善や肌にエモリエント感を向上させることができる。
【００２１】
本発明に用いられる成分（ｆ）の分子内に分岐鎖を有する炭素数１４〜３０の脂肪酸エステルを具体的に例示するのであれば、イソプロピルパルミテ−ト、イソプロピルミリステ−ト、イソプロピルステアレ−ト、イソブチルステアレ−ト、２−エチルヘキシルステアレ−ト、イソプロピルイソステアレ−ト、ブチルイソステアレ−ト、デシルイソステアレ−ト、ラウリルイソステアレ−ト、イソデシルイソデカノエ−ト、イソデシルイソノナノエ−ト、イソトリデシルイソノナノエ−ト、イソノニルイソノナノエ−ト、ジ−２−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコ−ル、ジ−２−エチルヘキサン酸プロピレングリコ−ル、トリ−２−エチルヘキサン酸グリセリル等であり、なかでも化粧料への配合が容易であり、良好な経時安定性が得られるという観点から、分子内に分岐を２個以上有するイソトリデシルイソノナノエ−ト、イソノニルイソノナノエ−ト、ジ−２−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコ−ル、トリ−２−エチルヘキサン酸グリセリル等を挙げる事ができる。これらは、必要に応じて一種、又は二種以上を組み合わせて用いることが出来る。
【００２２】
本発明に用いられる成分（ｆ）の分子内に分岐鎖を有する炭素数１４〜３０の脂肪酸エステルの含有量は、成分（ａ）に対して、１０〜９５％であればよく、肌なじみやエモリエント感の観点から、好ましくは２０〜８０％である。
【００２３】
本発明に用いられる成分（ａ）中に成分（ｆ）を含有させることで、経時安定性を維持すると同時に、肌なじみ等の使用感やエモリエント感等の肌効果が相乗的に向上した、優れた油中水型乳化化粧料を得ることができる。
【００２４】
本発明に用いられる成分（ｇ）の有機変性粘土鉱物は、油中水型乳化化粧料の更なる安定性の向上を図るために用いられるものである。本発明の成分（ｇ）の有機変性粘土鉱物としては、ベントナイトのような天然または合成のスメクタイトの粘土鉱物に有機アミンカチオン性化合物をカチオン交換反応により付加させたものが好適である。かかる有機変性粘土鉱物として市販されているものとしては、米国Ｎａｔｉｏｎａｌ Ｌｅａｄ Ｃｏ.からベントン３８、ベントン２７などの商品名で上市されているものが例示される。また、その他の水膨潤性粘土鉱物、例えばバーミキュライトとカチオン性化合物を処理し、任意の変性率の有機変性粘土鉱物としたのち本発明に応用したものであってもよい。さらに、これらの水膨潤性粘土鉱物とカチオン性化合物をそれぞれ別々に配合し、本発明の油中水型乳化化粧料の系内で有機変性粘土鉱物とせしめることも可能である。これら成分（ｇ）の有機変性粘土鉱物は一種又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
【００２５】
本発明に配合される成分（ｇ）の有機変性粘土鉱物の含有量は、０．０１〜１０％であり、経時安定性や使用感の面から、好ましくは、０．１〜５％である。
【００２６】
本発明の成分（ａ）〜（ｇ）を含有させることで、使用感、肌効果が相乗的に改善されると同時に、更に高い経時安定性が確保された、優れた油中水型乳化化粧料を得ることができる。
【００２７】
本発明の油中水型乳化化粧料は、上記成分に加え、さらに通常の化粧料に用いられる成分、例えば、成分（ａ），（ｂ）以外の界面活性剤、電解質、高分子物質、保湿成分、美容成分、殺菌剤、防腐剤、無機紛体、有機紛体、酸化防止剤、色素、香料などを本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
【００２８】
また、本発明の油中水型乳化化粧料は、通常の製造方法にて可能であり、例えば、油相中に水相を添加しながら乳化する分散乳化法等で得ることができる。
【００２９】
本発明の油中水型乳化化粧料の用途は、乳液、クリーム、マッサージ料、ハンドクリーム、ボディクリ−ム、日焼け止め料等のスキンケア化粧料、ファンデーション、メークアップ下地、コントロ−ル料等のメークアップ化粧料、ヘア乳液、ヘアクリーム等の頭髪化粧料等を例示することができ、その使用法は、手で使用する方法、不織布等に含浸させて使用する方法等が挙げられる。
【００３０】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによりなんら制約されるものではない。
【００３１】
実施例１〜８及び比較例１〜６ 油中水型乳化化粧料
下記表１に示す油中水型乳化化粧料を製造し、経時安定性並びに使用感について評価した。
【００３２】
【表１】

【００３３】
（製造方法）
Ａ：成分１〜６、及び１１を７０℃にて均一に溶解する。
Ｂ：成分７〜１０、及び１２を７０℃にて均一に混合する。
Ｃ：ＡにＢを加え乳化し、冷却後、１３を加え混合し、油中水型乳化化粧料を得る。
【００３４】
（評価方法）
１．経時安定性
表１の各油中水型乳化化粧料を５℃、５０℃に、１ヶ月間恒温静置し、外観変化を目視にて観察し、以下の基準に従って判定を行った。
（判定基準） （判定）
外観的な変化は全く認められない ：◎
外観変化がやや認められるが全く問題はない ：○
５０℃、５℃のいずれかは分離傾向が認められる ：△
５０℃、５℃のいずれか、または両方が明らかに分離している ：×
【００３５】
２．使用感評価
表１の各油中水型乳化化粧料について、女性専門パネル１０名により、下記の項目に関する官能評価をしてもらい、以下の基準に従って判定を行った。
【００３６】
（評価項目）
・使用時に肌なじみが良いと感じるか（＋）、否か（−）
・使用中から使用後にかけてべたつきがないと感じるか（＋）、否か（−）
・使用後にエモリエント効果が高いと感じるか（＋）、否か（−）
【００３７】
（判定基準） （判定）
８名以上が＋とした ：◎
６〜７名が＋とした ：○
３〜５名が＋とした ：△
２名以下が＋とした ：×
上記評価方法により得られた結果を、表１に併せて示す。
【００３８】
評価結果から明らかなように、本発明に係る実施例１〜８は、経時安定性が良好で、使用感も良好なものであった。それに対し、比較例１〜６においては、すべてを満足するものは得られなかった。
【００３９】

【００４０】
（製造方法）
Ａ：成分１〜７を７０℃にて均一に溶解する。
Ｂ：成分８〜２１を７０℃にて均一に混合する。
Ｃ：ＢにＡを加え乳化する。
Ｄ：７０℃にて容器に流し込み充填後放冷する。
【００４１】
以上のようにして得られた本発明の実施例８の固形状油中水型ファンデ−ションは、使用中の肌なじみがよく、保湿効果も高く、べたつきもなく、使用後高いエモリエント感が得られ、良好なメーキャップ効果をもち、経時安定性も良好な優れたものであった。
【００４２】

【００４３】
（製造方法）
Ａ：成分１〜１０を室温にて均一に溶解する。
Ｂ：成分１１〜１８を室温にて均一に混合する。
Ｃ：ＢにＡを加え乳化し、冷却する。
【００４４】
以上のようにして得られた本発明の実施例９のマッサ−ジ料は、使用中の肌なじみがよく、保湿効果も高く、べたつきもなく、使用後に高いエモリエント感が得られ、経時安定性が良好な優れたものであった。
【００４５】

【００４６】
（製造方法）
Ａ：成分1〜７を室温にて均一に溶解する。
Ｂ：成分８〜１４を室温にて均一に混合する。
Ｃ：ＡにＢを加え乳化する。
【００４７】
以上のようにして得られた本発明の実施例１０の目元用美容液は、使用中の肌なじみがよく、保湿効果も高く、べたつきもなく、使用後高いハリ感、エモリエント感が得られ、経時安定性も良好な優れた目元用美容液であった。
【００４８】
【発明の効果】
以上詳述したように、油性成分、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリオキシエチレン、特定のシリコーン化合物、水性成分を含有することにより、使用感、肌効果、経時安定性が良好な油中水型乳化化粧料が得られる。更に、シリコーン油、更には、分子内に分岐鎖を有する炭素数１４〜３０の脂肪酸エステル、また更に、有機変性粘土鉱物等を含有することにより、より一層使用感、肌効果、経時安定性が優れた油中水型乳化化粧料とすることができる。

Claims (5)

1. 次の成分（ａ）〜（ｄ）；
   （ａ）イソトリデシルイソノナノエ−ト、イソノニルイソノナノエ−ト、ジ−２−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコ−ル及びトリ−２−エチルヘキサン酸グリセリルから選択される、分子内に分岐を２個以上有する脂肪酸エステルのうち、少なくとも１種を含有する油性成分
   （ｂ）ジポリヒドロキシステアリン酸ポリオキシエチレン ０．３〜６質量％
   （ｃ）下記一般式（１）で表されるシリコーン化合物 ０．２〜６質量％
   

   

   ［式中、Ｒ¹は炭素数１〜３０のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、あるいは、−Ｃ_mＨ_2m−Ｏ−（Ｃ₂Ｈ₄Ｏ）_d（Ｃ₃Ｈ₆Ｏ）_eＲ⁴で表される有機基から選択される同種又は異種の有機基であり、Ｒ²は−Ｃ_mＨ_2m−Ｏ−（Ｃ₂Ｈ₄Ｏ）_f（Ｃ₃Ｈ₆Ｏ）_g−Ｒ⁵で表されるポリオキシアルキレン基、Ｒ³は下記一般式（２）
   

   

   で表されるオルガノシロキサンであって、Ｒ ⁷ は前記一般式（１）中のＲ ¹ と同義であり、Ｒ⁴は炭素数４〜３０の炭化水素基又はＲ⁶−（ＣＯ）−で示される有機基、Ｒ⁵は水素原子若しくは炭素数１〜３０の炭化水素基又はＲ⁶−（ＣＯ）−で示される有機基、Ｒ⁶は炭素数１〜３０の炭化水素基である。ａ、ｂ、ｃはそれぞれ１．０≦ａ≦２．５、０．００１≦ｂ≦１．５、０．００１≦ｃ≦１．５であり、ｄ、ｅはそれぞれ０≦ｄ≦５０、０≦ｅ≦５０の整数であり、ｆ、ｇはそれぞれ２≦ｆ≦２００、０≦ｇ≦２００、かつｆ＋ｇが３〜２００の整数である。また、ｍは０≦ｍ≦１５の整数、ｈは０≦ｈ≦５００の整数であり、ｎは１≦ｎ≦５の整数である。］
   （ｄ）水性成分
   を含有することを特徴とする油中水型乳化化粧料。
2. 成分（ａ）油性成分が、成分（ｅ）シリコーン油を含有し、成分（ａ）を６〜５０質量％含有することを特徴とする請求項１に記載の油中水型乳化化粧料。
3. 成分（ａ）油性成分中の成分（ｅ）シリコーン油量が、成分（ａ）に対して３〜７０質量％であることを特徴とする請求項２記載の油中水型乳化化粧料。
4. 成分（ａ）油性成分中の前記脂肪酸エステル量が、成分（ａ）に対して１０〜９５質量％であることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載の油中水型乳化化粧料。
5. 更に、成分（ｇ）有機変性粘土鉱物を含有することを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載の油中水型乳化化粧料。