JP2002316913A - 油中水型乳化化粧料 - Google Patents

油中水型乳化化粧料

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JP2002316913A
JP2002316913A JP2001120184A JP2001120184A JP2002316913A JP 2002316913 A JP2002316913 A JP 2002316913A JP 2001120184 A JP2001120184 A JP 2001120184A JP 2001120184 A JP2001120184 A JP 2001120184A JP 2002316913 A JP2002316913 A JP 2002316913A
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water
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silicone
cosmetic
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JP2001120184A
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Junichiro Endo
順一郎 遠藤
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Kose Corp
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Kose Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】25℃にて流動性を有する低粘度でありなが
ら、みずみずしさに優れ、伸び広がりと肌馴染みが良好
で、しかも経時安定性に優れる油中水型乳化化粧料を提
供する。 【解決手段】成分(a)シリコ−ン油 15〜30質量
%、成分(b)シリコ−ン油を除く極性を有する液状油
1〜10質量%、成分(c)特定のシリコ−ン系界面
活性剤 1〜5質量%、成分(d)エタノ−ル、成分
(e)水を含有し、成分(d)及び(e)の合計量が5
0〜80質量%であり、且つ、実質的に油ゲル化剤を含
有せずに、25℃において流動性を有することを特徴と
する油中水型乳化化粧料。また、更に成分(f)として
無機塩を含有することを特徴とする前記油中水型乳化化
粧料、及び成分(b)がエステル油であることを特徴と
する前記何れかの油中水型乳化化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコーン油、シ
リコーン油を除く極性を有する液状油、特定のシリコー
ン系界面活性剤、エタノール及び水をそれぞれ特定量含
有する25℃にて流動性を有する油中水型乳化化粧料に
関し、更に詳細には、25℃にて流動性を有する低粘度
でありながら、みずみずしさに優れ、伸び広がりと肌馴
染みが良好で、しかも経時安定性に優れる油中水型乳化
化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、油中水型乳化化粧料は、外相
が油であるため、耐水性やエモリエント感に優れる化粧
品剤型の一つとして、ファンデーション、日焼け止め
料、乳液、クリ−ム等様々な化粧品に応用されている。
しかしながら、油中水型乳化化粧料は、油剤の配合比率
が高くなり、使用時に油っぽさやべたつき感を感じる場
合があるため、内水相の配合比率を高め、相対的に油剤
の配合比率を低下させ、みずみずしさを高める工夫がさ
れている。具体的には、炭素数12〜18のアルキル基
を導入したポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロ
キサンを乳化剤として、内水相の配合比率を高める技術
等が挙げられる。また、油中水型乳化化粧料は、経時的
な乳化安定性を確保するため、デキストリン脂肪酸エス
テルや有機変性ベントナイト等の油ゲル化剤が配合され
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、炭素数
12〜18のアルキル基を導入したポリオキシアルキレ
ン変性オルガノポリシロキサンを乳化剤として用いた油
中水型乳化化粧料は、内水相の配合比率を高めることが
できるが、低粘度で経時安定性に優れるものが得られ難
く、しかも伸び広がりが悪くなる場合があった。また、
油ゲル化剤としてデキストリン脂肪酸エステルを用いた
油中水型乳化化粧料においても、低粘度で内水相の配合
比率が高く、しかも経時安定性に優れたものは得られて
いなかった。このため、25℃にて流動性を有する低粘
度でありながら、みずみずしさに優れ、伸び広がりと肌
馴染みが良好で、しかも経時安定性に優れる油中水型乳
化化粧料の開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者は鋭意研究を重ねた結果、乳化剤として、特定の
シリコ−ン系界面活性剤を用い、シリコーン油とシリコ
ーン油を除く極性を有する液状油を特定量含有する油相
中に、エタノールと水相を特定量含有する水相を乳化さ
せることにより、実質的に油ゲル化剤を含有しなくて
も、低粘度で経時安定性に優れ、上記課題を解決する油
中水型乳化化粧料が得られることを見出し、本発明を完
成させた。
【0005】すなわち本発明は、次の成分(a)〜
(e); (a)シリコ−ン油 15〜30質量% (b)シリコ−ン油を除く極性を有する液状油 1〜1
0質量% (c)下記一般式(1)で示されるシリコ−ン系界面活
性剤 1〜5質量%
【化2】 [式中、R;水素原子又は炭素数1〜5の一価炭化水
素基。R;−(CH−O−(CO)
(CO)−R。R;水素原子、低級アルキ
ル基。a,b;0,1,2,3から選ばれる数。但し、
a+b=3である。m,n;0又は正の整数。l;正の
整数。x;0又は正の整数、y;0又は正の整数で示さ
れ、x及びyが同時に0では無い。但し、n+bは1以
上の整数。] (d)エタノ−ル (e)水 を含有し、成分(d)及び(e)の合計量が50〜80
質量%であり、且つ、実質的に油ゲル化剤を含有せず
に、25℃において流動性を有することを特徴とする油
中水型乳化化粧料を提供するものである。また、更に成
分(f)として無機塩を含有することを特徴とする前記
油中水型乳化化粧料、及び成分(b)がエステル油であ
ることを特徴とする前記何れかの油中水型乳化化粧料を
提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる成分(a)のシリコーン油は、本発
明の油中水型乳化化粧料において、伸び広がりを良好に
するものであり、通常化粧料に用いられるシリコーン油
である。成分(a)の性状は、伸び広がりをより良好に
するため、25℃で液状を呈するものが好ましい。具体
的には、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメ
チルシクロテトラシロキサン等の環状シリコーン、ジメ
チルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、
アルコキシ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等
が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることがで
きる。このような成分(a)は、市販品として、シリコ
ンKF96(6cs、10cs、20cs、30cs、
50cs、100cs)、シリコンKF−995、KF
−994(何れも、信越化学工業社製)、シリコンDC
−345、シリコンSH−245(何れも、東レ・ダウ
コ−ニング社製)等が挙げられる。
【0007】本発明の油中水型乳化化粧料における成分
(a)の含有量は、15〜30質量%(以下、単に
「%」と略す。)であり、20〜30%が特に好まし
い。成分(a)の含有量が15%未満であると伸び広が
りが悪くなり、含有量が30%を超えると肌馴染みが劣
る場合があるため、好ましくない。
【0008】本発明に用いられる成分(b)の極性を有
する液状油は、本発明の油中水型乳化化粧料において、
肌馴染みを良好にする成分であり、シリコ−ン油以外の
極性を有する25℃で液状を呈する油剤である。このよ
うな油剤は、シリコーン油及び直鎖の炭化水素を除く油
剤であり、分子内に分岐や水酸基、カルボキシル基、カ
ルボニル基等の極性基を有する油剤である。具体的に
は、オレイルアルコ−ル、イソステアリルアルコ−ル等
の高級アルコ−ル類、オレイン酸、イソステアリン酸等
の高級脂肪酸類、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチ
ン酸イソプロピル、ジカプリン酸プロピレングリコ−
ル、ジカプリン酸ネオペンチルグルコ−ル、ミリスチン
酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイ
ソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸
ポリグリセリル等のエステル油類、オリ−ブ油、ヒマシ
油、ホホバ油、マカデミアンナッツ油等の油脂類等が挙
げられ、これらを一種又は二種以上用いることができ
る。これらの中でも、肌馴染みに特に優れる油剤は、分
子量が100〜800のエステル油類である。このよう
な成分(b)は、市販品として、NIKKOL IPM
−EX(ミリスチン酸イソプロピル:日本サ−ファクタ
ント工業社製)、クロダモルIPM(ミリスチン酸イソ
プロピル:クロ−ダジャパン社製)、NIKKOL I
PP(パルミチン酸イソプロピル:日本サ−ファクタン
ト工業社製)、NIKKOL PDD(ジカプリン酸プ
ロピレングリコ−ル:日本サ−ファクタント工業社
製)、エステモ−ルN−01(ジカプリン酸ネオペンチ
ルグルコ−ル:日清製油社製)、MOD(ミリスチン酸
オクチルドデシル:進栄化学社製)等が挙げられる。
【0009】本発明の油中水型乳化化粧料における成分
(b)の含有量は、1〜10%であり、5〜10%が特
に好ましい。成分(b)の含有量が1%未満であると良
好な肌馴染みを得られない場合があり、含有量が10%
を超えると経時安定性を損なう場合があるため、好まし
くない。
【0010】本発明に用いられる成分(c)のシリコー
ン系界面活性剤は、下記一般式(1)で示されるポリオ
キシアルキレン変性オルガノポリシロキサンである。
【0011】
【化3】
【0012】[式中、R;水素原子又は炭素数1〜5
の一価炭化水素基。R;−(CH−O−(C
O)−(CO)−R。R;水素原
子、低級アルキル基。a,b;0,1,2,3から選ば
れる数。但し、a+b=3である。m,n;0又は正の
整数。l;正の整数。x;0又は正の整数、y;0又は
正の整数で示され、x及びyが同時に0では無い。但
し、n+bは1以上の整数。]
【0013】このような成分(c)は、市販品として、
シリコンKF6015、KF6017(何れも、信越化
学工業社製)、NUCシリコンL7002(日本ユニカ
ー社製)等が挙げられる。また、成分(c)は、乳化安
定性の観点より、HLBが6以下であることが好まし
い。尚、これら成分(c)のシリコーン系界面活性剤の
中でも、低粘度でより経時安定性に優れる乳化物を得る
ために、特に下記一般式(2)で示されるポリオキシア
ルキレン変性オルガノポリシロキサンである。
【0014】
【化4】
【0015】[式中、R;水素原子又は炭素数1〜5
の一価炭化水素基、l;1〜5,x;7〜15、y;0
〜4、m;20〜100、n;1〜5の数をそれぞれ示
す。]
【0016】このような一般式(2)で示される成分
(c)は、市販品として、シリコンKF6017(信越
化学工業社製)等が挙げられる。
【0017】本発明の油中水型乳化化粧料における成分
(c)の含有量は1〜5%である。成分(c)の含有量
が1%未満であると乳化ができない場合があり、含有量
が5%を超えるとべたつきを感じる場合があるため、好
ましくない。
【0018】本発明に用いられる成分(d)のエタノ−
ルは、本発明の油中水型乳化化粧料において、水相を構
成する成分である。本発明の油中水型乳化化粧料におけ
る成分(d)の含有量は、5〜30%が好ましい。
【0019】本発明に用いられる成分(e)の水は、本
発明の油中水型乳化化粧料において、水相を構成する成
分である。本発明の油中水型乳化化粧料における成分
(e)の含有量は、20〜75%が好ましい。
【0020】本発明の油中水型乳化化粧料における、成
分(d)と成分(e)の合計の含有量は、50〜80%
である。成分(d)と成分(e)の合計の含有量が50
%未満であるとみずみずしさを得られない場合があり、
含有量が80%を超えると流動性を得られない場合があ
るため、好ましくない。
【0021】本発明の油中水型乳化化粧料において、水
相と油相の25℃での比重差を0.1以下に調整するこ
とにより、経時安定性をより良好にすることができる。
本発明においては、成分(d)と成分(e)の含有比率
を変化させることにより、水相の比重を調整することが
できる。
【0022】本発明の油中水型乳化化粧料には、上記必
須成分に加えて、成分(f)として無機塩を含有させる
ことにより、より経時安定性が良好になる。このような
成分(f)は、具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等が挙げら
れ、これらを一種又は二種以上用いることができる。本
発明の油中水型乳化化粧料に成分(f)を含有する場合
の含有量は、0.1〜3%が好ましい。
【0023】本発明において、25℃で流動性を有する
とは、ガラス製のビ−カ−に容量の半分程度まで油中水
型乳化化粧料を入れ、このビーカーを90°に傾けた場
合に、1分以内にビ−カ−より流れ出るものを言う。
【0024】本発明の油中水型乳化化粧料には、目的に
応じて本発明の効果を損なわない量的、質的範囲におい
て、上記成分の他に通常化粧料に使用される成分、例え
ば、粉体、成分(c)以外の界面活性剤、多価アルコー
ル、成分(a)及び(b)以外の油剤、紫外線吸収剤、
水溶性高分子、パラオキシ安息香酸誘導体、フェノキシ
エタノール等の防腐剤、植物抽出物等の美容成分、香料
等を配合することができる。
【0025】本発明の油中水型乳化化粧料には、着色
剤、隠蔽剤、紫外線遮蔽剤、感触調整剤等の目的で、通
常化粧料に使用される粉体が配合することができる。こ
のような粉体は、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、
微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無多孔質等の粒子
構造等により特に限定されず、具体的には、酸化チタ
ン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化
鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化マ
グネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭
酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブ
ラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケ
イ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、
セリサイト、合成セリサイト、タルク、カオリン、炭化
珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒
化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタ
ン、酸化鉄処理雲母、酸化鉄処理雲母チタン、有機顔料
処理雲母チタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体
類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレート、ア
クリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化
ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチ
レンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシ
ロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキ
オキサンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダ
ー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロー
ス、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N
−アシルリジン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有
機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン
被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸
バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、
酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体等が挙げられ、こ
れらを一種又は二種以上用いることができる。また、こ
れら粉体は一種又は二種以上の複合化したものを用いて
も良く、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石ケ
ン、ロウ、界面活性剤、油脂、炭化水素等を用いて公知
の方法により表面処理を施したものであっても良い。本
発明の油中水型乳化化粧料に前記粉体を配合する場合の
配合量は、使用性及び使用感の点から、概ね1〜30%
が好ましい。
【0026】本発明の油中水型乳化化粧料には、乳化剤
助剤及び分散剤等として、成分(c)以外の界面活性剤
を配合することができる。このような界面活性剤として
は、例えば、グリセリン脂肪酸エステルおよびそのアル
キレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、およびそのアルキレングリコール付加物、プロピレ
ングリコール脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリ
コール付加物、ソルビタン脂肪酸エステルおよびそのア
ルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エス
テルおよびそのアルキレングリコール付加物、ポリアル
キレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレ
ンアルキル共変性シリコーン等の非イオン性界面活性剤
類、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、
α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク
酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン
塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシル
アミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩等の
陰イオン性界面活性剤類、アルキルアミン塩、ポリアミ
ンおよびアルカノイルアミン脂肪酸誘導体、アルキル四
級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等の陽イオ
ン性界面活性剤類、レシチン、N,N−ジメチル−N−
アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン
等の両性界面活性剤等が挙げられ、これらを一種又は二
種以上組み合わせて用いることができる。尚、これらの
中でも、HLBが6以下の親油性活性剤である非イオン
性界面活性剤が特に好ましい。本発明の油中水型乳化化
粧料における前記界面活性剤を配合する場合の含有量
は、0.01〜10%が好ましい。
【0027】本発明の油中水型乳化化粧料には、感触調
整、防腐剤、保湿剤等の目的で、通常化粧料に使用され
る多価アルコールを配合することができる。このような
多価アルコールは、例えば、プロピレングリコール、
1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリ
ン、ポリグリセリン等が挙げられ、これらを一種又は二
種以上用いることができる。本発明の油中水型乳化化粧
料に前記多価アルコールを配合する場合の配合量は、1
〜30%が好ましい。
【0028】本発明の油中水型乳化化粧料は、乳液、日
焼け止め料、ファンデ−ション、下地料、コントロ−ル
料、フェイスカラ−、頬紅、マスカラ、アイライナー、
アイカラ−等に適用可能である。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に
説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものでは
ない。
【0030】実施例1〜6及び比較例1〜5:乳液 表1及び表2に示す乳液を以下に示す製造方法により調
製し、「流動性の有無」、「伸び広がりの良さ」、「み
ずみずしさ」、「肌馴染みの良さ」、「経時安定性」に
ついて以下に示す評価方法及び判断基準により評価し、
結果を併せて表1及び表2に示した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】(製造方法) A:成分1〜7を混合する。 B:成分8〜12を混合する。 C:Aをホモミキサーで攪拌しながら、Bを添加し、乳
化する。 D:Cを容器に充填して、乳液を得た。
【0034】(評価方法:「流動性の有無」)300m
l容量のガラス製ビ−カ−に上記実施例及び比較例の乳
液100g秤取り、25℃の恒温室にて一昼夜放置す
る。その後、このビーカーを90°に傾け、1分間以内
にビ−カ−より乳液が流れ出た場合は、○と判定し、流
れ出ない場合は、×と判定した。
【0035】(評価方法:「伸び広がりの良さ」、「み
ずみずしさ」、「肌馴染みの良さ」)化粧品専門パネル
40名に上記実施例及び比較例の乳液を使用してもら
い、「伸び広がりの良さ」、「みずみずしさ」、「肌馴
染みの良さ」について、各自が以下の基準に従って5段
階評価し、更に、全パネルの評点の平均点を以下の判定
基準に従って判定した。
【0036】(評価方法:経時安定性)上記実施例及び
比較例の乳液を透明ガラス瓶容器に充填し、40℃の恒
温槽にて2ヶ月間放置し、その後、外観変化を観察し、
以下の基準に従い判定した。
【0037】表1及び表2から明らかなように、本発明
に係わる実施例1〜6の乳液は、25℃にて流動性を有
する低粘度でありながら、みずみずしさに優れ、伸び広
がりと肌馴染みが良好で、しかも経時安定性に優れる油
中水型乳化化粧料であった。一方、成分(a)のシリコ
ーン油の含有量が15%未満である比較例1では、みず
みずしさと経時安定性において、成分(b)の極性油を
含有しない比較例2では、肌馴染みの良さと経時安定性
において、成分(c)の代わりに炭素数18のアルキル
基を導入したポリオキシアルキレン変性オルガノポリシ
ロキサンポリオキシアルキレンを用いた比較例3では、
流動性と伸び広がりの良さにおいて、成分(d)を含有
しない比較例4では、流動性と伸び広がりの良さ及び経
時安定性において、成分(a)のシリコーン油の含有量
が30%を超える比較例5では、みずみずしさと肌馴染
みの良さにおいて、それぞれ実施例より劣っていた。
【0038】 実施例7:下地料 (成分) (質量%) 1.デカメチルシクロペンタシロキサン 10 2.ジメチルポリシロキサン(注5) 5 3.トリイソオクタン酸グリセリル 5 4.天然ビタミンE 0.1 5.パラメトキシケイ皮酸オクチル 1 6.香料 0.1 7.シリコーン系界面活性剤(注6) 3 8.精製水 残量 9.エタノ−ル 10 10.雲母チタン(注7) 3 11.無水ケイ酸(注8) 1 12.コンフリ−エキス 0.5 ※注5:シリコンKF96(50CS)(信越化学工業社製) 注6:シリコンKF6015(信越化学工業社製) 注7:チミロンス−パ−レッド(メルク社製) 注8:サイリシア550(富士シリシア化学社製)
【0039】(製造方法) A:成分1〜7を混合する。 B:成分8〜12を混合する。 C:Aをホモミキサーで攪拌しながら、Bを添加し、乳
化する。 D:Cを容器に充填して、下地料を得た。 実施例7の下地料は、25℃にて流動性を有する低粘度
でありながら、みずみずしさに優れ、伸び広がりと肌馴
染みが良好で、しかも経時安定性に優れる油中水型乳化
化粧料であった。
【0040】 実施例8:ファンデーション (成分) (質量%) 1.オクタメチルシクロテトラシロキサン 20 2.メチルフェニルポリシロキサン(注9) 10 3.ジカプリン酸ネオペンチルグリコ−ル 5 4.シリコーン系界面活性剤(注2) 5 5.酸化チタン 3 6.微粒子酸化チタン(注10) 1 7.微粒子酸化亜鉛(注11) 0.5 8.雲母 1 9.タルク 2 10.ベンガラ 0.1 11.黄酸化鉄 0.5 12.黒酸化鉄 0.1 13.香料 0.1 14.エタノ−ル 10 15.精製水 残量 16.塩化ナトリウム 0.5 ※注9:シリコンKF56(信越化学工業社製) 注10:MICRO TITANIUM DIOXIDE MT−500SA (テイカ社製) 注11:ZnO350(住友大阪セメント社製)
【0041】(製造方法) A:成分1〜13を混合する。 B:成分14〜16を混合する。 C:Aをホモミキサーで攪拌しながら、Bを添加し、乳
化する。 D:Cを容器に充填して、ファンデーションを得た。 実施例8のファンデーションは、25℃にて流動性を有
する低粘度でありながら、みずみずしさに優れ、伸び広
がりと肌馴染みが良好で、しかも経時安定性に優れる油
中水型乳化化粧料であった。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の油中水型
乳化化粧料は、25℃にて流動性を有する低粘度であり
ながら、みずみずしさに優れ、伸び広がりと肌馴染みが
良好で、しかも経時安定性に優れる油中水型乳化化粧料
であった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の成分(a)〜(e); (a)シリコ−ン油 15〜30質量% (b)シリコ−ン油を除く極性を有する液状油 1〜1
    0質量% (c)下記一般式(1)で示されるシリコ−ン系界面活
    性剤 1〜5質量% 【化1】 [式中、R;水素原子又は炭素数1〜5の一価炭化水
    素基。R;−(CH−O−(CO)
    (CO)−R。R;水素原子又は低級アル
    キル基。a,b;0,1,2,3から選ばれる数。但
    し、a+b=3である。m,n;0又は正の整数。l;
    正の整数。x;0又は正の整数、y;0又は正の整数で
    示され、x及びyが同時に0では無い。但し、n+bは
    1以上の整数。] (d)エタノ−ル (e)水 を含有し、成分(d)及び(e)の合計量が50〜80
    質量%であり、且つ、実質的に油ゲル化剤を含有せず
    に、25℃において流動性を有することを特徴とする油
    中水型乳化化粧料。
  2. 【請求項2】 更に成分(f)として無機塩を含有する
    ことを特徴とする請求項1記載の油中水型乳化化粧料。
  3. 【請求項3】 成分(b)がエステル油であることを特
    徴とする請求項1又は2記載の油中水型乳化化粧料。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004161698A (ja) * 2002-11-14 2004-06-10 Kose Corp 油中水型乳化化粧料
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JP2010525021A (ja) * 2007-04-23 2010-07-22 ピエール、ファブレ、デルモ‐コスメティーク 瀰漫性紅斑または拡張小血管を示す酒さ、赤ら顔または皮膚の予防および/または治療用の皮膚科学組成物
KR101359810B1 (ko) 2007-09-04 2014-02-07 주식회사 엘지생활건강 겔상 화장료 조성물 및 이를 포함하는 모발용 화장품
JP2018070554A (ja) * 2016-11-02 2018-05-10 株式会社コーセー 油中水型睫用化粧料

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