JP3992670B2 - ショウガ脂溶性成分のサイクロデキストリン包接物の製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、これら有効成分は脂溶性で揮発性が高いため、例えば食品に使用した場合、水分含有率が多い食品中では、安定性に欠ける性質があり、いずれもその使用形態に制約を受けているのが実状である。
例えば、特許文献1には、香辛成分又はその前駆体或いは該香辛成分又はその前駆体を含む素材に水及びβ−サイクロデキストリンを加え混捏し、更に必要に応じ練り香辛料素材を添加することを特徴とする練り香辛料の製造法が記載されている。
また、特許文献2には、ニンジンの根のエキスまたは粉末とサイクロデキストリンとを混和したニンジン製品が記載されている。
更に、特許文献3には、生薬またはその混合物を、水またはシクロデキストリンの存在下に減圧濃縮し、次いで得られる濃縮物を噴霧乾燥することを特徴とする生薬製剤の製造法が記載されている。
また、現在一般に普及している植物由来の脂溶性成分のCD包接物の製造及び粉末化するための技術は、(1)有機溶媒による脂溶性成分の抽出、(2)CD溶液と脂溶性成分を攪拌する、(3)乾燥する、の3工程が必要で、効率的な製造が困難であった。
そこで、本発明の目的は、ショウガ脂溶性成分を多量に包接するCD包接物を、簡便な工程で効率的に製造する方法を提供することである。
請求項2記載の本発明は、ショウガ植物体が、植物全体、或いは、葉部、茎部、花部、果肉部及び/又は根部である、請求項1記載のサイクロデキストリン包接物の製造方法である。
請求項3記載の本発明は、ショウガ脂溶性成分が、6−ジンゲロール、8−ジンゲロール及び/又は8−ショウガオールであることを特徴とする請求項1又は2に記載のサイクロデキストリン包接物の製造方法である。
請求項4記載の本発明は、デンプンが糊化デンプンである請求項1〜3のいずれかに記載のサイクロデキストリン包接物の製造方法である。
しかも、ショウガ脂溶性成分として抽出されるショウガ脂溶性成分はCDに包接されることで水溶性となることから、得られたショウガ脂溶性成分CD包接物は、食品、化粧品、医薬品等幅広い水溶性製品に容易に添加し、利用することが可能となった。
さらに、本発明によれば、上述のようなショウガ脂溶性成分を豊富に包接するCD包接体を含有してなる食品、化粧品、医薬品も提供される。このような食品、化粧品、医薬品は、もともと含まれる色素や香料等揮発性物質をもCD中にショウガ脂溶性成分とともに包接させることにより、これらの物質の安定化も期待される。
まず、請求項1に係る本発明について説明する。
請求項1に係る本発明のショウガ脂溶性成分のCD包接物の製造方法は、ショウガ植物体、その加工品又はショウガ脂溶性成分溶液、デンプン、及び脂質可溶性溶媒の混合物にCD合成酵素を加えて処理することを特徴とする。
また、溶媒としては、脂溶性成分が溶解することのできるものであれば、何れであっても良く、例えば、エタノール、メタノール、アセトン、エーテル、ヘキサン等が挙げられる。これらの中では、エタノールが好ましい。
デンプンの起源は問わず各種のものを任意に使用できるが、中でも、請求項4に記載するように、糊化デンプンが好ましい。
CD合成酵素の使用量は、請求項5に記載するように、デンプン1g当たり0.1〜10THU(チルデン・ハドソン単位)が適当であるが、経済性等を考慮すると0.5〜1THUが好適である。
まず、各原料の使用量については、脂質可溶性溶媒に対し、ショウガ植物体、その加工品又はショウガ脂溶性成分溶液が1〜10%、好ましくは3〜7%、デンプンが1〜10%、好ましくは3〜7%とすることができる。
反応温度は、50〜70℃(特に好ましくは65℃)とすることが好ましい。
反応時間については、12〜48時間、好ましくは24〜36時間が適当である。
また、処理は、振盪しながら行うことが好ましい。
このように、ショウガ植物体、その加工品又はショウガ脂溶性成分溶液、デンプン、及び脂質可溶性溶媒の混合物にCD合成酵素を加えて処理することにより、ショウガ植物体、その加工品又はショウガ脂溶性成分溶液に含まれる脂溶性成分が抽出され、デンプンと酵素の反応により生成したCDに包接される。
また、ショウガ脂溶性成分のCD包接物の乾燥物を得たい場合は、上記上澄み液をスプレイドライヤー等で150〜250℃の温度で乾燥することにより、ショウガ脂溶性成分のCD包接物の乾燥粉末を得ることができる。
このように、請求項1に係る本発明の製造方法によれば、従来のような複雑な工程、すなわち(1)有機溶媒によるショウガ脂溶性成分の抽出、(2)CD溶液とショウガ脂溶性成分を攪拌する、(3)乾燥する、という3工程を必要としないで、簡便な方法で目的とするショウガ脂溶性成分のCD包接物を製造することができる。
実施例1〔ショウガ脂溶性成分溶液〕
ショウガ脂溶性成分溶液5ml、馬鈴薯デンプン5gとCGTase(コンチザイム:天野エンザイム社製)をデンプン1g当たり1THU加えたものに、所定濃度のエタノール溶液を加えて全量を100mlとし、これを60℃で24時間振盪しながら反応させた。
反応終了後、懸濁液を9000回転/分で10分間遠心分離して約80mlの上澄み液を得た。これを、凍結乾燥させ、ショウガ脂溶性成分のCD包接物の乾燥粉末を得た。この乾燥粉末は、水溶性であった。
なお、CDの測定は以下の方法により行った。
即ち、ショウガ脂溶性成分のCD包接物0.1gを1mlの蒸留水で溶かし、これを測定試料として、CD組成をHPLCで測定した。測定条件は、カラム:Wakosil 5NH2(φ4mm×250mm、和光純薬社製)、移動層:水/アセトニトリル=40/60、流速:0.8ml/分、カラム温度:25℃、検出器:RID−10A(島津製作所製)、ポンプ:LC10AD(島津製作所製)である。結果を表1に示す。
次に、ショウガ脂溶性成分のCD包接物には、ショウガ脂溶性成分として、6−ギンゲロール、8−ギンゲロール、6−ショウガオールが含まれていることが分かったので、これらの含有量を次の方法で測定した。
ショウガ脂溶性成分のCD包接物2gに100%メタノール30mlを加え、室温にて30分間の振盪による成分の抽出を2回行った。抽出した試料のメタノールをエバポレーターで留去し、66%メタノール溶液2mlで試料を溶解してHPLC分析試料とした。
表1の結果と併せて考えると、本発明のCD包接物の製造方法においては、エタノール濃度を適切な範囲に調整することが重要であり、10〜40%が好適であることが明らかとなった。
表2の結果と併せて考えると、ショウガ脂溶性成分が抗酸化性成分としての機能を発揮していることが明らかである。
ショウガ脂溶性成分溶液の代わりにショウガ乾燥粉末5gを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、CD包接物の乾燥粉末を得た。生成したCD量を、エタノールの濃度を基準として測定した結果を表4に示す。また、得られたCD包接物に含まれる6−ギンゲロール、8−ギンゲロール、及び6−ショウガオールの含有量を測定した。各ショウガ脂溶性成分の含有量(mg/g)をエタノールの濃度別に表5に示す。
また、表5から、6−ギンゲロール、8−ギンゲロール及び6−ショウガオールの含有量は、エタノール溶液のエタノール濃度が高くなるに従い増加する傾向にあることが分かる。表4の結果と併せて考えると、本発明のCD包接物の製造方法においては、エタノール濃度を適切な範囲に調整することが重要であり、10〜40%が好適であることが明らかとなった。
更に、得られたCD包接物について、抗酸化性成分の濃度を実施例1と同様にして測定した。尚、実施例1の方法において、上澄みのほかに沈殿についても測定した。エタノール濃度が50%の場合は、上澄みが得られなかったため、沈殿のみについて測定した。得られた抗酸化性成分の濃度(pmol/g)を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表6に示す。
ショウガ脂溶性成分溶液の代わりにショウガ葉、茎乾燥粉末5gを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、CD包接物の乾燥粉末を得た。生成したCD量を、エタノールの濃度を基準として測定した結果を表7に示す。また、得られたCD包接物に含まれる6−ギンゲロール、8−ギンゲロール及び6−ショウガオールの含有量を測定した。各ショウガ脂溶性成分の含有量(mg/g)をエタノールの濃度別に表8に示す。
また、表8から、6−ギンゲロール、8−ギンゲロール及び6−ショウガオールの含有量は、エタノール濃度が高くなるに従い増加する傾向にあることが分かる。表8の結果と併せて考えると、本発明のCD包接物の製造方法においては、エタノール濃度を適切な範囲に調整することが重要であり、10〜40%が好適であることが明らかとなった。
更に、得られたCD包接物について、抗酸化性成分の濃度を実施例1と同様にして測定した。尚、実施例1の方法において、上澄みのほかに沈殿についても測定した。エタノール濃度が50%の場合は、上澄みが得られなかったため、沈殿のみについて測定した。得られた抗酸化性成分の濃度(pmol/g)を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表9に示す。
ショウガ脂溶性成分溶液の代わりにショウガペーストの絞り粕乾燥粉末5gを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、CD包接物の乾燥粉末を得た。生成したCD量を、エタノールの濃度を基準として測定した結果を表10に示す。また、得られたCD包接物に含まれる6−ギンゲロール、8−ギンゲロール及び6−ショウガオールの含有量を測定した。各ショウガ脂溶性成分の含有量(mg/g)をエタノールの濃度別に表11に示す。
また、表12から、6−ギンゲロール、8−ギンゲロール及び6−ショウガオールの含有量は、エタノール濃度が高くなるに従い増加する傾向にあることが分かる。表12の結果と併せて考えると、本発明のCD包接物の製造方法においては、エタノール濃度を適切な範囲に調整することが重要であり、10〜40%が好適であることが明らかとなった。
更に、得られたCD包接物について、抗酸化性成分の濃度を実施例1と同様にして測定した。得られた抗酸化性成分の濃度(pmol/g)を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表12に示す。
更に、本実施例4において生産したCD包接物の乾燥粉末のショウガ風味を官能検査で確認した。官能検査の評価は、香り及び辛みのそれぞれについて、ショウガ絞り粕に比べて非常に弱い場合を−−、弱い場合を−、普通の場合を○、強い場合を+、非常に強い場合を+として行った。その結果を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表13に示す。
ショウガ脂溶性成分溶液の代わりにショウガ含有6−ギンゲロール抽出物(和光純薬製)5mlを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、ショウガ含有6−ギンゲロール抽出物の乾燥粉末を得た。生成したCD量を、エタノールの濃度を基準として測定した結果を表14に示す。また、得られたCD包接物に含まれる6−ギンゲロールの含有量を測定した。6−ギンゲロールの含有量(mg/g)をエタノールの濃度別に表15に示す。
また、表15から、6−ギンゲロールの含有量は、エタノール濃度が高くなるに従い増加する傾向にあることが分かる。表14の結果と併せて考えると、本発明のCD包接物の製造方法においては、エタノール濃度を適切な範囲に調整することが重要であり、10〜40%が好適であることが明らかとなった。
更に、得られたCD包接物について、抗酸化性成分の濃度を実施例1と同様にして測定した。得られた抗酸化性成分の濃度(pmol/g)を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表16に示す。
ショウガ脂溶性成分溶液の代わりに、HPLCでショウガから分離、精製したショウガ含有8−ギンゲロール抽出物5mlを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、ショウガ含有8−ギンゲロール抽出物の乾燥粉末を得た。生成したCD量を、エタノールの濃度を基準として測定した結果を表17に示す。また、得られたCD包接物に含まれる8−ギンゲロールの含有量を測定した。8−ギンゲロールの含有量(mg/g)をエタノールの濃度別に表18に示す。
また、表18から、8−ギンゲロールの含有量は、エタノール濃度が高くなるに従い増加する傾向にあることが分かる。表17の結果と併せて考えると、本発明のCD包接物の製造方法においては、エタノール濃度を適切な範囲に調整することが重要であり、10〜40%が好適であることが明らかとなった。
更に、得られたCD包接物について、抗酸化性成分の濃度を実施例1と同様にして測定した。得られた抗酸化性成分の濃度(pmol/g)を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表19に示す。
ショウガ脂溶性成分溶液の代わりに、HPLCでショウガから分離、精製したショウガ含有6−ショウガオール抽出物5mlを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、ショウガ含有6−ショウガオール抽出物の乾燥粉末を得た。生成したCD量を、エタノールの濃度を基準として測定した結果を表20に示す。また、得られたCD包接物に含まれる6−ショウガオールの含有量を測定した。6−ショウガオールの含有量(mg/g)をエタノールの濃度別に表21に示す。
また、表21から、6−ショウガオールの含有量は、エタノール濃度が高くなるに従い増加する傾向にあることが分かる。表20の結果と併せて考えると、本発明のCD包接物の製造方法においては、エタノール濃度を適切な範囲に調整することが重要であり、10〜40%が好適であることが明らかとなった。
更に、得られたCD包接物について、抗酸化性成分の濃度を実施例1と同様にして測定した。得られた抗酸化性成分の濃度(pmol/g)を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表22に示す。
グラニュー糖10gとゲル化剤5gを混合し、水100mlを加えて90℃に加熱撹拌した。混合液を75℃まで冷却し、実施例4で得られたショウガ脂溶性成分のCD包接物(20%、30%、40%エタノール溶液を用いたもの)0.18g(0.18%)と液状マルトース0.18gを加えて撹拌した。混合液を容器に注ぎ、85℃20分間加熱殺菌して、冷却することでゲル化させ、ショウガ脂溶性成分のCD包接物入り菓子を製造した。
製造したショウガ脂溶性成分のCD包接物入り菓子に含まれる、6−ギンゲロール、8−ギンゲロール及び6−ショウガオールの含有量を測定した。各ショウガ脂溶性成分の含有量(mg/g)をエタノールの濃度別に表23に示す。
一方、対照として、CD包接物0.18gの代わりにショウガ汁2.0gを用いて同様に製造したショウガ汁入り菓子についても、6−ギンゲロール、8−ギンゲロール及び6−ショウガオールの含有量を測定した。結果を表23に示す。
更に、CD包接物入り菓子のショウガ風味を官能検査で確認した。官能検査の評価は、香りが、ショウガ汁入り菓子に比べて非常に弱い場合を−−、弱い場合を−、普通の場合を○、強い場合を+、非常に強い場合を++として行った。その結果を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表24に示す。
実施例4で得られたショウガ脂溶性成分のCD包接物0.3gと蜂蜜5gを、水200mlと混合して容器に注ぎ、85℃20分間加熱殺菌して、冷却してショウガ脂溶性成分のCD包接物入り飲料とした。
製造したショウガ脂溶性成分のCD包接物入り飲料に含まれる、6−ギンゲロール、8−ギンゲロール及び6−ショウガオールの含有量を測定した。各ショウガ脂溶性成分の含有量(mg/g)をエタノールの濃度別に表25に示す。
更に、ショウガ脂溶性成分のCD包接物入り飲料のショウガ風味を官能検査で確認した。官能検査の評価は、香りが、ショウガ湯(創健社製)に比べて非常に弱い場合を−−、弱い場合を−、普通の場合を○、強い場合を+、非常に強い場合を++として行った。その結果を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表26に示す。
実施例4で得られたショウガ脂溶性成分のCD包接物1g、精製100ml、植物性グリセリン2g、無水エタノール5ml、及びクエン酸0.2mlと混合して容器に注ぎ、ショウガ脂溶性成分のCD包接物入り化粧水とした。
製造したショウガ脂溶性成分のCD包接物入り化粧水に含まれる、6−ギンゲロール、8−ギンゲロール及び6−ショウガオールの含有量を測定した。各ショウガ脂溶性成分の含有量(mg/g)をエタノールの濃度別に表27に示す。
更に、ショウガ脂溶性成分のCD包接物入り化粧水のショウガ風味を官能検査で確認した。官能検査の評価は、香りが非常に弱い場合を−−、弱い場合を−、普通の場合を○、強い場合を+、非常に強い場合を++として行った。その結果を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表28に示す。
6−ギンゲロール(和光純薬社製)0.1gとCD(商品名:デキシパール100、横浜国際バイオ研究所製)2gに水を加えて全量100mlとした混合物について、実施例4と同様に反応させてCD包接物の乾燥粉末約2gを得た。
得られたCD包接物中の6−ギンゲロール含量(mg/g)を、実施例1と同様の方法で測定した。結果を表29に示す。
6−ギンゲロール(和光純薬社製)0.1gとCD(商品名:デキシパール100、横浜国際バイオ研究所製)2gに20%エタノール溶液を加えて全量100mlとした混合物について、実施例4と同様に反応させてCD包接物の乾燥粉末約2gを得た。
得られたCD包接物中の6−ギンゲロール含量(mg/g)を、実施例1と同様の方法で測定した。結果を表29に示す。
6−ギンゲロール(和光純薬社製)0.1gと糊化馬鈴薯デンプン5g及びCGTase(商品名:コンチザイム、天野製薬社製)をデンプン1g当たり1THU加えたものに水を加えて全量を100mlとした混合物について、実施例4と同様に反応させてCD包接物の乾燥粉末約2gを得た。
得られたCD包接物中の6−ギンゲロール含量(mg/g)を、実施例1と同様の方法で測定した。結果を表29に示す。
尚、表29には、前記実施例4で得られたCD包接物(製造時に30%エタノール溶液を添加したもの)の6−ギンゲロール含量を示す。
また、本実施例8で得られたCD包接物には、デンプンを添加せずに水で抽出した比較例1のCD包接物や、デンプンを添加せずにエタノールで抽出した比較例2のCD包接物よりも多量に6−ギンゲロールが包接されていた。このことから、ショウガ脂溶性成分を多量に包接するCD包接物を得るためには、デンプンを添加する必要があることが明らかとなった。
しかも、ショウガ脂溶性成分として抽出されるショウガ脂溶性成分はCDに包接されることで水溶性となることから、得られたショウガ脂溶性成分CD包接物は、食品、化粧品、医薬品等幅広い水溶性製品に容易に添加し、利用することが可能となった。
Claims (5)
- ショウガ植物体、ショウガ植物体のペースト,搾汁液,粉末若しくはその懸濁物、ショウガ植物体の顆粒若しくはその懸濁物、又はショウガ脂溶性成分溶液と、デンプンと、10〜40%(容量)エタノールと、の混合物にサイクロデキストリン合成酵素「コンチザイム(登録商標)」を加えて、50〜70℃で12〜48時間振盪処理することを特徴とするショウガ脂溶性成分のサイクロデキストリン包接物の製造方法。
- ショウガ植物体が、植物全体、或いは、葉部、茎部、花部、果肉部及び/又は根部である、請求項1記載のサイクロデキストリン包接物の製造方法。
- ショウガ脂溶性成分が、6−ジンゲロール、8−ジンゲロール及び/又は8−ショウガオールであることを特徴とする請求項1又は2に記載のサイクロデキストリン包接物の製造方法。
- デンプンが糊化デンプンである請求項1〜3のいずれかに記載のサイクロデキストリン包接物の製造方法。
- サイクロデキストリン合成酵素を、デンプン1g当たり0.1〜10THU用いる請求項1〜4のいずれかに記載のサイクロデキストリン包接物の製造方法。
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