JP2020028291A - 香気性低下抑制用澱粉組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】香気性低下抑制用澱粉組成物、香気性低下が抑制された食品、香気性低下抑制方法を提供する。【解決手段】澱粉、及び植物由来食物繊維の混合物を、水分の存在下で加熱処理する工程を含む方法により得られる、香気性低下抑制用澱粉組成物、それを含む飲食品を調製する。さらに、香気成分を含む飲食品に、澱粉、及び植物由来食物繊維の混合物を、水分の存在下で加熱処理する工程により得られる香気性低下抑制用澱粉組成物を配合することを特徴とする、香気性低下抑制方法を提供する。【選択図】なし
Description
本発明は、香気性低下抑制用澱粉組成物、それを含む飲食品及び香気性低下抑制方法に関する。
澱粉は、植物細胞内で生成される天然高分子化合物であり、多量の水の存在下で加熱されると、ある一定の温度域で周囲の水を吸収して膨潤し、それによって粘度が上昇する。このような現象を利用して、澱粉は、加工食品の増粘剤又は保形剤として幅広く利用されている。
しかしながら、天然の未変性の澱粉は、糊化時又はその後の撹拌によって澱粉粒が崩壊して当初の粘度を保持できなくなる、ブレークダウンといった現象が生じ、加工食品にそのままでは使用しづらい問題が生じる場合がある。
天然の未変性の澱粉に所望の特性を持たせる為に、化学的、物理的変性方法が提案されている。例えば、特許文献1には、キサンタンガムと澱粉を粉末混合した後、水を添加し水分調整を行ない、これを乾式条件下で100℃〜200℃で30分から5時間加熱処理して澱粉を改質することが提案されている。また、特許文献2では、澱粉と有機酸塩類を0.1〜10質量%含有させて加熱処理することにより、澱粉の熱膨潤を抑制する方法が開示されている。
しかしながら、澱粉の使用によって、食品の香気性が低下してしまう場合がある。例えば、食品に、保形性付与や食感改良の目的で澱粉が添加される場合に、食品の香気性が低下してしまう問題が生じる。
そこで、本発明は、香気性低下抑制用澱粉組成物、それを含む飲食品及び香気性低下抑制方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、食品の香気性に着目し、澱粉を水分の存在下で加熱処理する際に、植物由来食物繊維を存在させることで、食品の香気性低下を抑制できることを見出し、かかる知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
本発明は以下の態様を含む;
項1.
澱粉、及び植物由来食物繊維の混合物を、水分の存在下で加熱処理する工程を含む方法により得られる、香気性低下抑制用澱粉組成物。
項2.
前記澱粉が、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コメ澱粉、コーン澱粉、及び甘藷澱粉、並びにそれらのもち種澱粉からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、項1に記載の香気性低下抑制用澱粉組成物。
項3.
前記食物繊維が、水溶性食物繊維、及び不溶性食物繊維を含有する複合型食物繊維である、項1又は2に記載の香気性低下抑制用澱粉組成物。
項4.前記食物繊維が、果実由来食物繊維である、項1〜3のいずれか1項に記載の香気性低下抑制用澱粉組成物。
項5.
澱粉、及び植物由来食物繊維の混合物を、水分の存在下で加熱処理する工程を含む方法により得られる、香気性低下抑制用澱粉組成物;及び
香気成分を含有してなる、飲食品。
項6.
前記香気成分が香料である、項5に記載の飲食品。
項7.
澱粉、及び植物由来食物繊維の混合物を、水分の存在下で加熱処理する工程を含む、香気性低下抑制用澱粉組成物の製造方法。
項8.
前記水分の存在下の加熱処理が、水分量20質量%未満の前記混合物を、湿熱処理することを含む、項7に記載の香気性低下抑制用澱粉組成物の製造方法。
項9.
香気成分を含む飲食品に、澱粉、及び植物由来食物繊維の混合物を、水分の存在下で加熱処理する工程により得られる香気性低下抑制用澱粉組成物を配合することを特徴とする、香気性低下抑制方法。
項10.
前記香気成分が香料である、項9に記載の香気性低下抑制方法。
項11.
前記香気性低下抑制方法が、フレーバーリリースの低下抑制方法である、項9又は10に記載の香気性低下抑制方法。
項1.
澱粉、及び植物由来食物繊維の混合物を、水分の存在下で加熱処理する工程を含む方法により得られる、香気性低下抑制用澱粉組成物。
項2.
前記澱粉が、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コメ澱粉、コーン澱粉、及び甘藷澱粉、並びにそれらのもち種澱粉からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、項1に記載の香気性低下抑制用澱粉組成物。
項3.
前記食物繊維が、水溶性食物繊維、及び不溶性食物繊維を含有する複合型食物繊維である、項1又は2に記載の香気性低下抑制用澱粉組成物。
項4.前記食物繊維が、果実由来食物繊維である、項1〜3のいずれか1項に記載の香気性低下抑制用澱粉組成物。
項5.
澱粉、及び植物由来食物繊維の混合物を、水分の存在下で加熱処理する工程を含む方法により得られる、香気性低下抑制用澱粉組成物;及び
香気成分を含有してなる、飲食品。
項6.
前記香気成分が香料である、項5に記載の飲食品。
項7.
澱粉、及び植物由来食物繊維の混合物を、水分の存在下で加熱処理する工程を含む、香気性低下抑制用澱粉組成物の製造方法。
項8.
前記水分の存在下の加熱処理が、水分量20質量%未満の前記混合物を、湿熱処理することを含む、項7に記載の香気性低下抑制用澱粉組成物の製造方法。
項9.
香気成分を含む飲食品に、澱粉、及び植物由来食物繊維の混合物を、水分の存在下で加熱処理する工程により得られる香気性低下抑制用澱粉組成物を配合することを特徴とする、香気性低下抑制方法。
項10.
前記香気成分が香料である、項9に記載の香気性低下抑制方法。
項11.
前記香気性低下抑制方法が、フレーバーリリースの低下抑制方法である、項9又は10に記載の香気性低下抑制方法。
本発明によれば、主に食品の香気性低下を抑制することができる澱粉組成物、香気性低下が抑制された食品、及び香気性低下抑制方法を提供することができる。
本明細書において、香気性とは、香りの良好性や強さをいい、特にはフレーバーリリースを包含する概念である。ここで、「フレーバーリリース」とは、食品中に配合される香り成分の香り立ち又は飲食中に経鼻で知覚できる香りとその強さを意味する。すなわち、「フレーバーリリースがよい」とは、例えば、香立ちがよく、香りが強いことをいう。
本明細書において、「ボディ感」とは、食品等に必要に応じた保形性があり、濃厚感、厚み感を感じることを意味する。
特に限定されない限り、本明細書中に記載されている工程、処理、又は操作は、室温で実施され得る。本明細書中、室温は、10〜40℃の範囲内の温度を意味する。
[香気性低下抑制用澱粉組成物]
本発明の香気性低下抑制用澱粉組成物は、澱粉、及び植物由来食物繊維の混合物を、水分の存在下で加熱処理する工程を含む方法により得られる。
本発明の香気性低下抑制用澱粉組成物は、澱粉、及び植物由来食物繊維の混合物を、水分の存在下で加熱処理する工程を含む方法により得られる。
(澱粉)
本発明で使用される原料としての澱粉は、化学処理或いは物理処理による変性が生じていない澱粉であり、いわゆる生澱粉である。本発明では、一般に流通している澱粉を広く利用できる。澱粉は、澱粉粒として、植物の細胞内に蓄積されている。このような澱粉は、アミロペクチンを含有し、さらにアミロースを含有することができる。
本発明で使用される原料としての澱粉は、化学処理或いは物理処理による変性が生じていない澱粉であり、いわゆる生澱粉である。本発明では、一般に流通している澱粉を広く利用できる。澱粉は、澱粉粒として、植物の細胞内に蓄積されている。このような澱粉は、アミロペクチンを含有し、さらにアミロースを含有することができる。
本発明で使用される澱粉の例は、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コメ澱粉、コーン澱粉、甘蔗澱粉、小麦澱粉、緑豆澱粉、葛澱粉及びサゴ澱粉、並びにそれらのもち種澱粉(例えば、もち馬鈴薯澱粉、もち米澱粉、ワキシーコーン澱粉等)を包含する。好ましくは、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コメ澱粉、コーン澱粉、及び甘蔗澱粉、並びにそれらのもち種澱粉である。
本発明においては、これらの澱粉、及びその他の澱粉からなる群より選択される1種、又は2種以上の組み合わせを使用できる。
澱粉粒の粒子径(最長径)は、馬鈴薯澱粉及びそのもち種澱粉の場合は例えば15〜100μmの範囲内、タピオカ澱粉及びそのもち種澱粉の場合は例えば5〜35μmの範囲内、コメ澱粉及びそのもち種澱粉の場合は例えば2〜10μmの範囲内、コーン澱粉及びそのもち種澱粉の場合は例えば6〜25μmの範囲内、小麦澱粉の場合は例えば10〜35μmの範囲内、甘藷澱粉の場合は例えば15〜35μmの範囲内、緑豆澱粉の場合は例えば15〜25μmの範囲内、葛澱粉の場合は例えば3〜15μmの範囲内、及びサゴ澱粉の場合は例えば10〜60μmの範囲内である。
このような澱粉粒の粒子径(最長径)の標準偏差は、馬鈴薯澱粉及びそのもち種澱粉の場合は例えば1〜60μmの範囲内、タピオカ澱粉及びそのもち種澱粉の場合は例えば1〜15μmの範囲内、コメ澱粉及びそのもち種澱粉の場合は例えば0.1〜5μmの範囲内、コーン澱粉及びそのもち種澱粉の場合は例えば1〜11μmの範囲内、小麦澱粉の場合は例えば1〜15μmの範囲内、甘藷澱粉の場合は例えば1〜15μmの範囲内、緑豆澱粉の場合は例えば0.1〜5μmの範囲内、葛澱粉の場合は例えば0.1〜5μmの範囲内、及びサゴ澱粉の場合は例えば1〜30μmの範囲内であり得る。
このような澱粉粒の最長径/最短径の比は、例えば、約1.0〜約1.5の範囲内、1.1〜1.5の範囲内、又は約1.0であり得る。このような澱粉は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられ得る。
(植物由来食物繊維)
本発明で使用される植物由来食物繊維は、一般に流通している植物由来食物繊維を広く利用することができる。本発明で使用される植物由来食物繊維は、果実あるいは野菜等の圧搾後に果汁あるいは野菜汁を除いた残渣、又はその精製物であり得る。
本発明で使用される植物由来食物繊維は、一般に流通している植物由来食物繊維を広く利用することができる。本発明で使用される植物由来食物繊維は、果実あるいは野菜等の圧搾後に果汁あるいは野菜汁を除いた残渣、又はその精製物であり得る。
本発明で使用される植物由来食物繊維は、水溶性食物繊維であっても、水不溶性食物繊維であってもよいが、水溶性食物繊維と水不溶性食物繊維を含有する複合型食物繊維であり得る。
本発明で使用される植物由来食物繊維は、好ましくは、ペクチン質を含有する食物繊維であり得る。水溶性食物繊維の例としては、水溶性ヘミセルロース、及びペクチン、並びにそれらの組合せが挙げられる。不溶性食物繊維の例は、セルロース、リグニン、不溶性ヘミセルロース、及びプロトペクチン、並びにそれらの組合せを包含する。
本発明で使用される植物由来食物繊維の例は、シトラス由来食物繊維、リンゴ由来食物繊維、オレンジ由来食物繊維などの果実由来食物繊維の他、エンドウ由来食物繊維、キャロット由来食物繊維、トマト由来食物繊維などの野菜由来食物繊維が挙げられる。この他にも、バンブー由来食物繊維、シュガービート由来食物繊維、コーン由来食物繊維、小麦由来食物繊維、大麦由来食物繊維、ライ麦由来食物繊維、大豆由来食物繊維、コンニャク由来食物繊維等も用いることができる。このような植物由来食物繊維は、複合型食物繊維であり得る。本発明の植物由来食物繊維としては、果実由来食物繊維が好ましく、特にシトラス由来食物繊維(シトラスファイバー)が好ましく用いられる。シトラスファイバーは、例えば、シトラスの圧搾後の残渣を粉末化し、及びこれに高衝撃を与えて得られたものであり得る。シトラスファイバーは、例えば、細胞のミセル構造が壊れポーラスな構造を有しているものであり得る。
このような食物繊維は、公知の方法で製造すること、及び/又は商業的に入手することが可能である。
前記複合型食物繊維は、好ましくは、食物繊維を40質量%以上、より好ましくは50質量%以上含有することができる。場合によって、前記複合型食物繊維には、食物繊維を、60質量%以上或いは70質量%以上含むこともできる。前記複合型食物繊維は、好ましくは、不溶性食物繊維を、20質量%以上、より好ましくは30質量%程度含有することができる。場合によって、複合型食物繊維に、不溶性食物繊維を、40質量%以上、50質量%以上、又は60質量%以上含有することもできる。前記複合型食物繊維は、好ましくは、水溶性食物繊維を、例えば、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、又は50質量%以上含有することができる。前記複合型食物繊維が含有する水不溶性食物繊維及び水溶性食物繊維の質量比は、好ましくは1:0.2〜1:15、より好ましくは1:0.3〜1:10、さらに好ましくは1:0.4〜1:5の範囲内であり得る。
本発明に関し、食物繊維含有量、水溶性食物繊維含有量、及び不溶性食物繊維含有量は、プロスキー変法によって、測定される。
(水分の存在下での加熱処理)
本発明において、澱粉、及び植物由来食物繊維の混合物を、水の存在下で加熱処理することによって、改質した澱粉を調製することができる。ここで、「水の存在下」とは、前記混合物が、前記加熱処理中に、水に曝露され得る環境内にあることをいう。このような水の形態は、例えば、気体、又は液体、或いはこれらの組合せであり得る。このような「加熱処理」とは、前記混合物が、処理前の品温より高い温度に曝露されることをいう。水分の存在下での加熱処理方法としては、特に限定はされないが、以下のような方法が例示され得る。
本発明において、澱粉、及び植物由来食物繊維の混合物を、水の存在下で加熱処理することによって、改質した澱粉を調製することができる。ここで、「水の存在下」とは、前記混合物が、前記加熱処理中に、水に曝露され得る環境内にあることをいう。このような水の形態は、例えば、気体、又は液体、或いはこれらの組合せであり得る。このような「加熱処理」とは、前記混合物が、処理前の品温より高い温度に曝露されることをいう。水分の存在下での加熱処理方法としては、特に限定はされないが、以下のような方法が例示され得る。
水の存在下での加熱処理は、好ましくは、
[1]水分含量が20%未満の前記混合物を湿熱処理すること、又は
[2]前記混合物として、水分含量が20〜50質量%である混合物を用意し、及びこのような混合物を100〜200℃で加熱することにより、実施できる。このような混合物は、澱粉、及び植物由来食物繊維を含有し、且つこれらが混合されている組成物とすることができる。ここで、これらが「混合されている」状態は、通常理解される通り、澱粉、及び植物由来食物繊維の大部分(好ましくは、全て)が、相互作用(好ましくは接触)し得る程度に十分に近接している状態を意味する。
[1]水分含量が20%未満の前記混合物を湿熱処理すること、又は
[2]前記混合物として、水分含量が20〜50質量%である混合物を用意し、及びこのような混合物を100〜200℃で加熱することにより、実施できる。このような混合物は、澱粉、及び植物由来食物繊維を含有し、且つこれらが混合されている組成物とすることができる。ここで、これらが「混合されている」状態は、通常理解される通り、澱粉、及び植物由来食物繊維の大部分(好ましくは、全て)が、相互作用(好ましくは接触)し得る程度に十分に近接している状態を意味する。
[1]態様1(湿熱処理)
水分の存在下での加熱処理の1つの態様は、澱粉を、植物由来食物繊維との共存下で、湿熱処理することを含む方法であり得る。澱粉、及び植物由来食物繊維の混合物は、両者を混合することにより用意できる。このような混合は、両者の少なくとも一部が接触できるように実施し得る。本発明の一態様においては、粉末の澱粉と、粉末の植物由来食物繊維とが、混合される。本発明の別の一態様において、粉末の澱粉と、植物由来食物繊維の水溶液又は懸濁液とが混合される。
水分の存在下での加熱処理の1つの態様は、澱粉を、植物由来食物繊維との共存下で、湿熱処理することを含む方法であり得る。澱粉、及び植物由来食物繊維の混合物は、両者を混合することにより用意できる。このような混合は、両者の少なくとも一部が接触できるように実施し得る。本発明の一態様においては、粉末の澱粉と、粉末の植物由来食物繊維とが、混合される。本発明の別の一態様において、粉末の澱粉と、植物由来食物繊維の水溶液又は懸濁液とが混合される。
このような混合は、撹拌等の公知の方法で実施し得る。前記混合物における、前記澱粉及び前記植物由来食物繊維の質量比は、好ましくは99:1〜80:20、より好ましくは98:2〜80:20、さらに好ましくは98:2〜88:12、よりさらに好ましくは、97:3〜90:10、特に好ましくは95:5である。
植物由来食物繊維の割合がこれらの範囲である場合、香気性低下の抑制効果がより顕著に発揮され得る。
湿熱処理とは、高い相対湿度条件下での加熱処理を包含することができる。具体的には、このような相対湿度は、好ましくは、80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは100%であり得る。
本発明の好ましい1つの態様において、湿熱処理は、好ましくは水蒸気の存在下、より好ましくは飽和水蒸気下で実施される。
湿熱処理の温度は、好ましくは、95℃以上、より好ましくは100℃以上である。さらに、場合によって、105℃以上、110℃以上、115℃以上、又は120℃以上であり得る。
温度をこのような数値以上に設定することにより、香気性低下の抑制効果がより顕著に発揮され得る。
湿熱処理の温度は、好ましくは、200℃以下、より好ましくは、150℃以下である。さらに、場合によって、140℃以下、135℃以下、130℃以下、125℃以下、120℃以下、115℃以下、又は110℃以下であり得る。
温度をこのような数値以下に設定することにより、澱粉の着色を防止又は抑制できる。
湿熱処理の温度は、好ましくは95〜140℃、より好ましくは100〜130℃、さらに好ましくは、105〜130℃であり得る。
湿熱処理の時間は、0.5分間以上、1分間以上、2分間以上、3分間以上、4分間以上、5分間以上、6分間以上、8分間以上、10分間以上、12分間以上、15分間以上、又は20分間以上であってもよい。
このような時間をこのような数値以上に設定することにより、香気性低下の抑制効果がより顕著に発揮され得る。
湿熱処理の時間は、好ましくは180分間以下、より好ましくは150分間以下、さらに好ましくは120分間以下であり得る。さらには、90分間以下、60分間以下、40分間以下、30分間以下、20分間以下、15分間以下、10分間以下、5分間以下、2分間以下、又は1分間以下とすることも可能である。
このような時間をこのような数値以下に設定することにより、改質処理に起因する澱粉の着色を防止又は抑制できる。
湿熱処理の時間は、好ましくは1〜300分間、より好ましくは5〜300分間、さらに好ましくは10〜180分間、よりさらに好ましくは10〜120分間であり得る。
好ましくは、湿熱処理の温度をより高く設定する場合、時間をより短く設定することが可能であり、並びに湿熱処理の温度をより低く設定する場合、時間をより長く設定することが可能であり、湿熱処理の温度と時間の好ましい組合せの例は、
(1)95〜120℃の範囲内の温度、且つ10〜120分間の範囲内の時間、及び
(2)120〜140℃の範囲内の温度、且つ3〜60分間の範囲内の時間を包含する。
(1)95〜120℃の範囲内の温度、且つ10〜120分間の範囲内の時間、及び
(2)120〜140℃の範囲内の温度、且つ3〜60分間の範囲内の時間を包含する。
このような湿熱処理は、例えば、
(1)市販のオートクレーブ等の加圧加熱容器を使用して行うこと、
(2)流動層造粒乾燥機、及び/又はハイブリッドキルン等の装置に、水蒸気、過熱水蒸気、及び/又は水スプレー等を組み合わせて加熱処理をすること、並びに
(3)恒温恒湿槽を用いて所望の温度及び湿度条件で加熱処理すること等の方法によって実施できる。
(1)市販のオートクレーブ等の加圧加熱容器を使用して行うこと、
(2)流動層造粒乾燥機、及び/又はハイブリッドキルン等の装置に、水蒸気、過熱水蒸気、及び/又は水スプレー等を組み合わせて加熱処理をすること、並びに
(3)恒温恒湿槽を用いて所望の温度及び湿度条件で加熱処理すること等の方法によって実施できる。
「オートクレーブ」とは、当業者が通常理解する通り、圧力釜又は加圧蒸気釜と呼ばれる装置の一形態であり、密閉容器中で排気バルブを制御しながら水を加熱することにより、内圧を保ちながら水蒸気温度を100℃以上にすることができる装置である。このようなオートクレーブは、加圧熱殺菌及び/又は水熱合成に用いられており、加圧熱殺菌用のものでは上限4気圧、130℃程度までの処理が可能であり、一方、水熱合成用のものでは、数100気圧、300℃程度までの処理が可能である。オートクレーブ容器内の相対湿度は100%とすることができる。
前記「ハイブリッドキルン」とは、インダクション加熱(IH)による外熱加熱と過熱水蒸気による内熱加熱方式を併用したロータリー型の装置であり、キルン内に試料を投入した後、加熱しながら飽和又は過熱水蒸気を吹き込むことにより湿熱処理を行なうことができる。飽和水蒸気を用いる場合は100℃程度、過熱水蒸気を用いる場合は105℃〜400℃程度の加熱処理を行うことができる。このようなハイブリッドキルンは開放系なので、加熱時間中、常に水蒸気を供給する必要がある。キルン内圧力は大気圧(1気圧)である。
このような水蒸気量は、供給する水蒸気の温度、水蒸気流の線速度及び加熱時間によって決定される。実際には、供給した水蒸気量は水蒸気発生装置が消費した水の量から計算することができる。
前記恒温恒湿槽とは、常圧開放系の処理槽中をヒーターで加熱しつつ、水を別のヒーターで加熱し、水蒸気を吹き込むことにより槽内に相対湿度80〜100%の雰囲気をつくり、この状態から排気ファンによって槽内から水蒸気を適宜排出することによって、湿度及び温度を一定にコントロールすることができる熱処理装置である。このような恒温恒湿槽の場合、温度及び相対湿度は、湿球温度計及び/又は乾球温度計により自動的に計算され設定された温度及び湿度に制御することができる。恒温恒湿槽の槽内は開放系なので、加熱時間中、常に水蒸気を供給する必要がある。槽内圧力は大気圧(1気圧)である。このような水蒸気量は、設定した槽内の相対湿度、槽内の温度及び処理時間によって決定される。実際には、供給した水蒸気量は、ハイブリッドキルンと同様に恒温恒湿槽に供給された水の量から計算することができる。
特開平4−130102に記載のように、減圧ラインと加圧蒸気ラインとの両方を付設し、内圧、外圧共に耐圧性の密閉できる容器内に澱粉を入れ、減圧した後、蒸気導入による加圧加熱を行い、或いはこの操作を繰り返すことにより、澱粉を所定時間加熱した後冷却することによって湿熱処理澱粉の効率的製造をすることもできる。
本発明の好ましい1つの態様における前記湿熱処理は、例えば、前記混合物を、密閉容器内に水蒸気を導入した加圧環境下で5〜300分間加熱する処理であり得る。
本発明の方法によれば、好ましくは、前記澱粉が、試料1.2gにイオン交換水を加えて全量25gにしてスラリー調製し、このようなスラリーの粘度を、ラピッドビスコアナライザーを用いて、試料の温度を、0〜60秒まで、50℃で保持し、60〜282秒まで、0.203℃/秒で昇温し、282〜432秒まで、95℃で保持し、432〜660秒まで、0.200℃/秒で降温し、及び660〜780秒まで、50℃で保持し、且つパドルの回転数を、0〜10秒まで960rpm、及び10秒以降は160rpmとする条件で、このような60〜780秒の間、測定したときに、この間のこのような粘度の最大値が、原料澱粉(未改質)のこのような粘度の最大値より低い性質を有する改質澱粉;好ましくは、単独改質した原料澱粉のこのような粘度の最大値より低い性質を有する改質澱粉;具体的には、例えば、好ましくは600mPa・s以下、より好ましくは550mPa・s以下、さらに好ましくは500mPa・s以下、よりさらに好ましくは450mPa・s以下である性質を有する改質した澱粉へと改質される。
この間のこのような粘度の最大値は、好ましくは10mPa・s、より好ましくは30mPa・s以上、さらに好ましくは50mPa・s以上である。
本発明において好ましくは、この間のこのような粘度の最大値は、780秒の時点(すなわち、前記測定の終了時)での粘度であり得る。
[2]態様2(水分量を調整した混合物の加熱処理)
本発明の前記改質方法の一側面は、前記混合物として、水分含量が20〜50質量%である混合物を用意し、及び当該混合物を100〜200℃で加熱することを含む方法であり得る。このような方法は、適宜、前記態様1における条件等と同様の条件で、行うことができる。
本発明の前記改質方法の一側面は、前記混合物として、水分含量が20〜50質量%である混合物を用意し、及び当該混合物を100〜200℃で加熱することを含む方法であり得る。このような方法は、適宜、前記態様1における条件等と同様の条件で、行うことができる。
このような方法では、前記混合物として、水分含量が20〜50質量%である混合物を用意する。このような混合物の用意は、澱粉及び植物由来食物繊維の混合物を調湿することによって実施できる。
調湿の方法としては、最終的に組成物の水分含量を20〜50質量%にできる方法ならば、特に限定されないが、澱粉及び植物由来食物繊維の混合物に、前記の水分含量になるように、秤量された水を、混合しながら滴下する方法、又はスプレー等で噴霧する方法を採用し得る。
本発明における改質澱粉の製造方法は、大きく分けて、澱粉、植物由来食物繊維、及び水を均一に混合する混合工程と、加熱工程に分けられる。このような加熱は、湿熱処理、又は乾熱処理であり得る。このような湿熱処理は、前記で説明した処理であり得る。このような乾熱処理は、加熱工程中に外部から水分を加えずに加熱する処理であることができ、これを実現できる方法であれば、具体的な方法は、特に限定されない。その例は、対流伝熱乾燥装置、又は伝導伝熱乾燥装置等を使用する方法を含む。特に、混合、及び加熱を同時に行うことができ、滞留時間を長くすることが可能な、周囲を加熱可能なジャケットを備えた混合機形の加熱装置等を用いると、より効率がよい。
加熱処理の際の温度の設定は、好ましくは100〜200℃、より好ましくは120〜150℃である。このような温度であることにより、長時間の加熱を必要とせず、澱粉の変質(例:分解、転移、再会合、着色)が抑制される。
加熱処理の時間は、処理温度に応じて適宜選択することができる。加熱温度がより高い場合は、より短時間にでき、一方、加熱温度がより低い場合はより長時間にできる。具体的には、例えば、好ましくは10分〜5時間であり、より好ましくは1〜3時間であり得る。このような条件を採用することにより、植物由来食物繊維の改質効果が十分になり、且つ澱粉の変質を抑制できる。
前記のようにして改質された澱粉は、所望により、解砕、調湿、及び篩分等からなる群より選択される1種以上の後、処理を施されてもよい。
(その他の成分)
本発明においては、澱粉、及び植物由来食物繊維の混合物は、上記のような水分の存在下での加熱処理の前において、さらに他の澱粉改質剤或いは食品添加物と組み合わせることができる。本発明では、水分の存在下での加熱処理の前において、澱粉、及び植物由来食物繊維の混合物に他の成分を加えて得られたものをいずれも「香気性低下抑制用澱粉組成物」という。
本発明においては、澱粉、及び植物由来食物繊維の混合物は、上記のような水分の存在下での加熱処理の前において、さらに他の澱粉改質剤或いは食品添加物と組み合わせることができる。本発明では、水分の存在下での加熱処理の前において、澱粉、及び植物由来食物繊維の混合物に他の成分を加えて得られたものをいずれも「香気性低下抑制用澱粉組成物」という。
ここで、その他の成分としては、植物由来食物繊維以外の多糖類その他の食物繊維、その他の食品材料又は食品添加物等が挙げられる。
このような多糖類その他の食物繊維の例としては、水溶性ヘミセルロース、キサンタンガム、ペクチン、グァーガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、寒天、カラギナン、アラビアガム、ガティガム、及びセルロース、並びにそれらの誘導体等の多糖類;その他の食物繊維等が挙げられる。
食品材料又は食品添加物の例としては、タンパク質、油脂、糖類、塩類(ミネラル)、ビタミン類、調味料、酸味料、色素、保存料、糊料、pH調整剤、及び甘味料等が挙げられる。
本発明において澱粉及び植物由来食物繊維との組み合わせにおいて、さらに、塩基性物質を使用することもできる。このような塩基性物質としては、水に溶かすとアルカリ性(例えば、8以上のpH)を示す物質が例示できる。そのような例としては、周期表1族の金属(例:ナトリウム、カリウム)の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、又は有機酸塩;及び周期表2族の金属(例:カルシウム、マグネシウム)の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、又は有機酸塩等を包含する。
ここで、このような有機酸としては、例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコン酸、フマル酸、酢酸、及びシュウ酸等を包含する。なかでも、周期表第1族の金属の炭酸塩又は炭酸水素塩が好ましく、周期表第1族の炭酸塩がより好ましい。
このような塩基性物質を使用する場合、その量は、澱粉の100質量部に対して、0.01〜0.5質量部の範囲内、好ましくは0.02〜0.2質量部の範囲内、より好ましくは0.1〜0.2質量部であり得る。
このような塩基性物質の使用により、本発明の方法による改質の効果をより増強し得る。
塩基性物質の使用時期は任意であり、例えば、澱粉、及び植物由来食物繊維を混合した後に、塩基性物質を添加及び混合してもよく、或いは澱粉、及び塩基性物質を混合した後に、植物由来食物繊維を混合してもよい。
さらに、本発明において、特に、澱粉及び植物由来食物繊維を含む混合物に、水分の存在下での加熱処理を施した後に、植物系ガム、樹液系ガム、海藻系ガム、微生物系ガム、澱粉類、ゼラチン、キチン、キトサン等を添加して、香気性低下抑制用澱粉組成物とすることができる。
具体的には、植物系ガムとして、グァーガム、ローカストビーンガム、LMペクチン、HMペクチン、大豆多糖類、タマリンドシードガム、タラガム、サイリウムシードガム、グルコマンナン、サバクヨモギシードガム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、発酵セルロース、微小繊維状セルロース、樹液系ガムとしてトラガントガム、カラヤガム、アラビアガム、ガティガム、海藻系ガムとして、カラギナン、寒天、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸塩)、ファーセレラン、加工ユーケマ藻類、微生物系ガムとして、ラムザンガム、キサンタンガム、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、カードラン、プルラン、マクロホモプシスガム、ウェランガム、澱粉類として、未改質澱粉、物理処理澱粉、化学処理澱粉(化工澱粉、加工澱粉)、デキストリンが挙げられ、その他、ゼラチン、キチン、キトサンが挙げられる。
香気性低下抑制用澱粉組成物としては、改質澱粉を主として含むことが好ましく、香気性低下抑制用澱粉組成物のうち、改質澱粉を50質量%以上含むことが好ましく、60質量%以上含むことがより好ましく、70質量%以上含むことがさらに好ましく、80質量%以上含むことが特に好ましく、90質量%以上含むことが最も好ましい。
[飲食品]
本発明の飲食品には、香気性低下抑制用澱粉組成物及び香気成分を含有する飲料又は食品が含まれる。ここで、飲食品とは、咀嚼の有無にかかわらず経口で摂取されるものを意味する。飲食品の例としては、バッター;ソース(ホワイトソース、ミートソース、パスタソース、ヨーグルトソース等を含む)、たれ類(ごまだれ、お好み焼きのたれ、たこ焼きのたれ、鰻焼きたれ、焼き肉のたれ等を含む)、甘酢あん;スープ(コーンポタージュ、コーンスープ、キノコスープ等を含む);ドレッシング(例:
乳化液状ドレッシング、分離液状ドレッシング、ごまドレッシング、半固体状ドレッシング、サラダクリーミードレッシング、マヨネーズタイプ調味料)、ドレッシングタイプ調味料(ノンオイルドレッシング))、サラダ用調味料;ヨーグルト(例:無脂肪ヨーグルト、低脂肪ヨーグルト)、チーズ、及びサワークリーム等のデイリープロダクト;うどん、そば、スパゲティ、マカロニ、及び中華麺等の麺類(このような麺類は、例えば、生麺、半生麺、冷凍麺、乾燥麺、フライ麺、又はノンフライ麺等であり得る);パン類(例:食パン、全粒粉パン);ケーキ、及びクッキー等の焼き菓子類;アイスクリーム、アイスミルク、及びラクトアイス等の冷菓類;フラワーペースト(小麦粉含有ペースト)、及びカスタード風クリーム;団子、練りあん、及びようかん等の和菓子類;お好み焼き、たこ焼き、チヂミ、及びブリトー;餃子、春巻き、及び中華饅;ハム、及びソーセージ等の魚畜加工肉製品;煮しめ、甘露煮、湯煮、うま煮、及び煮豆等の煮物類;いため物、串焼、網焼、ホイル焼、及びかば焼等の焼物類;から揚げ、天ぷら、及びフライ等の揚げ物類;しゅうまい、及び茶わん蒸し等の蒸し物類;胡麻あえ等の和えもの類;並びにサラダ等が包含される。また、プリン、ゼリー、ババロア、ムース、パンナコッタ、ブランマンジェ、杏仁豆腐等が挙げられる。
本発明の飲食品には、香気性低下抑制用澱粉組成物及び香気成分を含有する飲料又は食品が含まれる。ここで、飲食品とは、咀嚼の有無にかかわらず経口で摂取されるものを意味する。飲食品の例としては、バッター;ソース(ホワイトソース、ミートソース、パスタソース、ヨーグルトソース等を含む)、たれ類(ごまだれ、お好み焼きのたれ、たこ焼きのたれ、鰻焼きたれ、焼き肉のたれ等を含む)、甘酢あん;スープ(コーンポタージュ、コーンスープ、キノコスープ等を含む);ドレッシング(例:
乳化液状ドレッシング、分離液状ドレッシング、ごまドレッシング、半固体状ドレッシング、サラダクリーミードレッシング、マヨネーズタイプ調味料)、ドレッシングタイプ調味料(ノンオイルドレッシング))、サラダ用調味料;ヨーグルト(例:無脂肪ヨーグルト、低脂肪ヨーグルト)、チーズ、及びサワークリーム等のデイリープロダクト;うどん、そば、スパゲティ、マカロニ、及び中華麺等の麺類(このような麺類は、例えば、生麺、半生麺、冷凍麺、乾燥麺、フライ麺、又はノンフライ麺等であり得る);パン類(例:食パン、全粒粉パン);ケーキ、及びクッキー等の焼き菓子類;アイスクリーム、アイスミルク、及びラクトアイス等の冷菓類;フラワーペースト(小麦粉含有ペースト)、及びカスタード風クリーム;団子、練りあん、及びようかん等の和菓子類;お好み焼き、たこ焼き、チヂミ、及びブリトー;餃子、春巻き、及び中華饅;ハム、及びソーセージ等の魚畜加工肉製品;煮しめ、甘露煮、湯煮、うま煮、及び煮豆等の煮物類;いため物、串焼、網焼、ホイル焼、及びかば焼等の焼物類;から揚げ、天ぷら、及びフライ等の揚げ物類;しゅうまい、及び茶わん蒸し等の蒸し物類;胡麻あえ等の和えもの類;並びにサラダ等が包含される。また、プリン、ゼリー、ババロア、ムース、パンナコッタ、ブランマンジェ、杏仁豆腐等が挙げられる。
本発明の香気性低下抑制用澱粉組成物の飲食品への使用量は、これらの食品の種類、及びその使用目的に応じて、適宜、異なり得る。好ましい使用量は、適宜、その食品についての通常の澱粉の使用量を基準にして、これを増減させて製造試験をすることにより、決定し得る。このような香気性低下抑制用澱粉組成物の好ましい使用量を以下に例示する。
(1)ソース、たれ類、スープ、ドレッシング、又はヨーグルト等の、液状又は半固形状食品への、粘度付与、又はとろみ付けが可能な量で使用する場合:0.5〜10質量%。
(2)ヨーグルト、チーズ、アイスクリーム、フラワーペースト、和菓子類、魚畜加工肉製品、及び蒸し物類等の、ゲル状又は固形状食品への、保形性付与、又は食感改良が可能な量で使用する場合: 0.5〜20質量%。
(3)低脂肪又は無脂肪のデイリープロダクトへの、保形性付与、又は食感改良が可能な量で使用する場合: 2〜50質量%。
(4)小麦粉含有食品(例:バッター、麺類、焼き菓子類、麺類、及び揚げ物類)において、小麦粉代替物として用いて、食感改良する目的(このような食感改良は、小麦粉の使用量を低減した食品、又は小麦粉を不使用にした食品に対して、小麦粉を通常通り使用した食品と同様の食感を付与することを含む)が可能な量で使用する場合:小麦粉の2〜100質量%を代替。
(1)ソース、たれ類、スープ、ドレッシング、又はヨーグルト等の、液状又は半固形状食品への、粘度付与、又はとろみ付けが可能な量で使用する場合:0.5〜10質量%。
(2)ヨーグルト、チーズ、アイスクリーム、フラワーペースト、和菓子類、魚畜加工肉製品、及び蒸し物類等の、ゲル状又は固形状食品への、保形性付与、又は食感改良が可能な量で使用する場合: 0.5〜20質量%。
(3)低脂肪又は無脂肪のデイリープロダクトへの、保形性付与、又は食感改良が可能な量で使用する場合: 2〜50質量%。
(4)小麦粉含有食品(例:バッター、麺類、焼き菓子類、麺類、及び揚げ物類)において、小麦粉代替物として用いて、食感改良する目的(このような食感改良は、小麦粉の使用量を低減した食品、又は小麦粉を不使用にした食品に対して、小麦粉を通常通り使用した食品と同様の食感を付与することを含む)が可能な量で使用する場合:小麦粉の2〜100質量%を代替。
(香気成分)
本発明で、「香気成分」というときには、食品に別途添加する香料であっても良いが、香料を使用しないで、原料食品が本来的に持つ味、風味、香り等の香気成分であってもよい。
本発明で、「香気成分」というときには、食品に別途添加する香料であっても良いが、香料を使用しないで、原料食品が本来的に持つ味、風味、香り等の香気成分であってもよい。
香気成分は、食用可能である限り限定はされない。具体的には、バター香料、コーヒー香料、ヨーグルトフレーバー、フルーツフレーバー、植物フレーバー、又はこれらの混合物である。フルーツフレーバーにおける「フルーツ」としては、例えば、レモン、オレンジ、蜜柑、グレープフルーツ、シークヮーサー、柚及びライム等の柑橘類、苺、桃、葡萄、林檎、パイナップル、マンゴー、メロン、及びバナナ等が挙げられる。
本発明の香気成分の例としては、さらに、α−サンショオール、β−サンショオール、サンショアミド、スピラントール等のアミド系辛味物質;カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、バニリルペラルゴアミド等のカプサイシン類;ピペリン、イソピペリン、イソシャビシン、シャビシン、ピペラニン、ピペリジン等のピペリン類;ジンゲロン、ショーガオール、ジンゲロール等のジンゲロール類;アリルイソチオシアネート、β−フェネチルイソチオシアネート、6−メチルチオヘキシルイソチオシアネート、ω−ペンテニルイソチオシアネート、p−ヒドロキシベンジルイソチオシアネート、4−メチルチオブテニルイソチオシアネート、ブチルイソチオシアネート等のイソチオシアネート類;(−)−ポリゴジアール等のポリゴジアール類等が挙げられる。さらに、香味成分としては、ノニル酸バニリルアミド等のアルカン酸バニリルアミド(アルカン酸の炭素数が7〜12)、バニリンプロピレングリコールアセタール等のバニリンアルキレングリコールアセタール(アルキレンの炭素数が3〜6)、エチルバニリンアルキレングリコールアセタール(アルキレンの炭素数が3〜6)、3−L―メントキシプロパン―1,2―ジオール、N―アルキル−p−メンタン−3−カルボキサミド、3−L―メントキシ−2−メチルプロパン―1,2―ジオール、p−メンタン−3,8−ジオール、2−L−メントキシエタン−1−オール、3−L−メントキシプロパン−1−オール、4−L−メントキシブタン−1−オール、3−ヒドロキシブタン酸メンチル、乳酸メンチル、メントールグリセリンケタール、2−(2−L−メンチルオキシエチル)エタノール、グリオキシル酸メンチル、N−メチル−2,2−イソプロピルメチル−3−メチルブタンアミド、2−ピロリドン−5−カルボン酸メンチル、コハク酸モノメンチル、コハク酸モノメンチルのアルカリ金属塩、コハク酸モノメンチルのアルカリ土類金属塩、バニリルエチルエーテル、バニリルプロピルエーテル、バニリンプロピレングリコールアセタール、バニリルブチルエーテル、バニリルブチルエーテル酢酸エステル、カビシン等、(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)ジメチルスルホニウム塩化物、α−アミルシンナムアルデヒド、アンモニウムイソバレレート、イオノン、イソアミルアルコール、イソキノリン、イソブタノール、イソブチルアルデヒド、イソプロパノール、イソペンチルアミン、イソ酪酸エチル、2―エチル―3,5―ジメチルピラジン及び2―エチル―3,6―ジメチルピラジン及びそれらの混合物、エチルバニリン、2−エチルピラジン、3−エチルピリジン、2―エチル―3―メチルピラジン、2―エチル―5―メチルピラジン、2−エチル−6−メチルピラジン、5−エチル−2―メチルピリジン、オクタン酸エチル、ギ酸イソアミル、クエン酸三エチル、クミンアルデヒド、ゲラニアール、酢酸シクロヘキシル、酢酸シンナミル、酢酸フェネチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、酢酸ボルニル、酢酸l−メンチル、サリチル酸メチル、2,3−ジエチルピラジン、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、1,8−シネオール、ジヒドロアクチンジオライド、脂肪酸類、脂肪族高級アルコール類、脂肪族高級アルデヒド類、脂肪族高級炭化水素類、2,3−ジメチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、2,6−ジメチルピラジン、2,6−ジメチルピリジン、(Z)−ジャスモン、シンナミルアルコール、シンナムアルデヒド、チオエーテル類、チオール類、ディルエーテル、5,6,7,8−テトラヒドロキノキサリン、2,3,5,6―テトラメチルピラジン、サビネン、ジンギベレン、セリネン、ターピネン、ターピノレン、α−フムレン、テルペン系炭化水素類、2,3,5‐トリメチルピラジン、バニリン、パラメチルアセトフェノン、4−ビニルグアイアコール、ピペロナール、フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸エチル、フェネチルアミン、フェノールエーテル類、ブタノール、ブチルアミン、ブチルアルデヒド、フルフラール及びその誘導体、プロパノール、プロピオンアルデヒド、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ベンジル、(Z)−3−ヘキセナール、(Z)−3−ヘキセノール、ヘキサン酸アリル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、l−ペリラアルデヒド、2−ペンタノール、1−ペンテン−3−オール、芳香族アルコール類、芳香族アルデヒド類、d−ボルネオール、5―メチルキノキサリン、6−メチルキノリン、5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタピラジン、1−メチルナフタレン、メチルβ―ナフチルケトン、2−メチルピラジン、上記以外のピラジン類、上記以外のピリジン類、メチオナール、2―メチルブタノール、2−メチルブチルアルデヒド、(E)−2−メチル−2−ブテナール、3−メチル−2−ブテナール、3−メチル−2−ブテノール等が挙げられる。
別の観点から、本発明に用いられる合成香料としては、例えば、「合成香料 化学と商品知識」(印藤元一著、化学工業日報社)等に記載のエステル類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、フェノール類、エーテル類、ラクトン類、炭化水素類、含窒素化合物、含硫化合物類、又は酸類等を挙げることができる。
エステル類としては、限定はされないが、例えば、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸アミル、ギ酸オクチル、ギ酸リナリル、ギ酸シトロネリル、ギ酸ゲラニル、ギ酸ネリル、ギ酸テルピニル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、酢酸シス−3−ヘキセニル、酢酸トランス−2−ヘキセニル、酢酸オクチル、酢酸ノニル、酢酸デシル、酢酸ドデシル、酢酸ジメチルウンデカジエニル、酢酸スチラリル、酢酸オシメニル、酢酸ミルセニル、酢酸ジヒドロミルセニル、酢酸リナリル、酢酸シトロネリル、酢酸ゲラニル、酢酸ネリル、酢酸テトラヒドロムゴール、酢酸ラバンジュリル、酢酸ネロリドール、酢酸ジヒドロクミニル、酢酸テルピニル、酢酸シトリル、酢酸ノピル、酢酸ジヒドロテルピニル、酢酸2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニルメチル、酢酸ミラルディル、酢酸ベチコール、プロピオン酸デセニル、プロピオン酸リナリル、プロピオン酸ゲラニル、プロピオン酸ネリル、プロピオン酸テルピニル、プロピオン酸トリシクロデセニル、プロピオン酸スチラリル、プロピオン酸アニシル、酪酸オクチル、酪酸ネリル、酪酸シンナミル、イソ酪酸イソプロピル、イソ酪酸オクチル、イソ酪酸リナリル、イソ酪酸ネリル、イソ吉草酸リナリル、イソ吉草酸テルピニル、イソ吉草酸フェニルエチル、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチル、2−メチル吉草酸2−メチルペンチル、3−ヒドロキシヘキサン酸メチル、3−ヒドロキシヘキサン酸エチル、オクタン酸メチル、オクタン酸オクチル、オクタン酸リナリル、ノナン酸メチル、ウンデシレン酸メチル、安息香酸リナリル、ケイヒ酸メチル、アンゲリカ酸イソプレニル、ゲラン酸メチル、クエン酸トリエチル、アセト酢酸エチル、2−ヘキシルアセト酢酸エチル、ベンジルアセト酢酸エチル、2−エチル酪酸アリル、3−ヒドロキシ酪酸エチル、2−メチル酪酸エチル、2−メチル酪酸メチル、N−メチルアントラニル酸メチル、酪酸、酪酸イソアミル、酪酸エチル、酪酸シクロヘキシル、酪酸ブチル、ノナン酸エチル、デカン酸エチル、2,4−デカジエン酸エチル、2,4−デカジエン酸プロピル、アントラニル酸メチル及びリナリル、N−メチルアントラニル酸エチル等を挙げることができる。
アルコール類としては、限定はされないが、例えば、3−ヘプタノール、1−ノナノール、1−ウンデカノール、2−ウンデカノール、1−ドデカノール、プレノール、10−ウンデセン−1−オール、ジヒドロリナロール、テトラヒドロムゴール、ミルセノール、ジヒドロミルセノール、テトラヒドロミルセノール、オシメノール、テルピネオール、ホートリエノール、3−ツヤノール、ベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、α−フェニルエチルアルコール、3−メチル−1−ペンタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−オクタノール、1−ノナノール、2−ノナノール、2,6−ジメチルヘプタノール、1−デカノール、トランス−2−ヘキセノール、シス−4−ヘキセノール、メチルトリメチルシクロペンテニルブテノール、シトロネロール、ジヒドロミルセノール、ロジノール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、テトラヒドロリナロール、ジメチルオクタノール、ヒドロキシシトロネロール、プレゴール、イソプレゴール、メントール、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、カルベオール、ジヒドロカルベオール、ペリラアルコール、4−ツヤノール、ミルテノール、α−フェンキルアルコール、ファルネソール、ネロリドール、セドレノール、アニスアルコール、ヒドロトロパアルコール、3−フェニルプロピルアルコール、シンナミックアルコール、アミルシンナミックアルコール等を挙げることができる。
アルデヒド類としては、限定はされないが、例えば、アセトアルデヒド、n−ヘキサナール、n−ヘプタナール、n−オクタナール、n−ノナナール、2−メチルオクタナール、3,5,5−トリメチルヘキサナール、デカナール、ウンデカナール、2−メチルデカナール、ドデカナール、トリデカナール、テトラデカナール、トランス−2−ヘキセナール、(E)−2−デセナール、トランス−4−デセナール、シス−4−デセナール、トランス−2−デセナール、10−ウンデセナール、トランス−2−ウンデセナール、トランス−2−ドデセナール、3−ドデセナール、トランス−2−トリデセナール、2,4−ヘキサジエナール、2,4−デカジエナール、2,4−ドデカジエナール、5,9−ジメチル−4,8−デカジエナール、シトラール、ジメチルオクタナール、α−メチレンシトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、ミルテナール、ネラール、α−或いはβ−シネンサール、マイラックアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、オクタナールジメチルアセタール、ノナナールジメチルアセタール、デカナールジメチルアセタール、デカナールジエチルアセタール、2−メチルウンデカナールジメチルアセタール、シトラールジメチルアセタール、シトラールジエチルアセタール、シトラールプロピレングリコールアセタール、n−バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、2−メチルブタナール、2−ペンテナール、トランス−2−ヘプテナール、トランス−2−ノネナール、2,6−ジメチル−5−ペプテナール、2,4−ウンデカジエナール、トリメチルデカジエナール、シトロネラール、ヒドロキシシトロネラール、サフラナール、ベルンアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−イソプロピルフェニルアセトアルデヒド、p−メチルヒドロトロパアルデヒド、フェニルプロピオンアルデヒド、2−メチル−3−(4−メチルフェニル)プロパナール、シクラメンアルデヒド、シンナミックアルデヒド、サリチルアルデヒド、アニスアルデヒド、p−メチルフェノキシアセトアルデヒド、アセトアルデヒドジエチルアセタール、シトロネリルメチルアセタール、アセトアルデヒド 2−フェニル−2,4−ペンタンジオールアセタール、2−ヘキセナールジエチルアセタール、シス−3−ヘキセナールジエチルアセタール、ヘプタナールジエチルアセタール、2−ヘキシル−5−メチル−1,3−ジオキソラン、4−(L−メントキシメチル)−2−(3’,4’−ジヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソラン、4−(L−メントキシメチル)−2−(3’−メトキシ−4’−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソラン、4−(L−メントキシメチル)−2−(3’−エトキシ−4’−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソラン、4−(L−メントキシメチル)−2−フェニル−1,3−ジオキソラン、4−(L−メントキシメチル)−2−(2’−ヒドロキシ−3’−メトキシフェニル)−1,3−ジオキソラン、4−(L−メントキシ−メチル)−2−(4’メトキシフェニル)−1,3−ジオキソラン、4−(L−メントキシメチル)−2−(3’,4’−メチレンジオキシフェニル)−1,3−ジオキソラン、シトロネラールシクロモノグリコールアセタール、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール等を挙げることができる。
ケトン類としては、限定はされないが、例えば、2−ペンタノン、3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、2−ノナノン、2−ウンデカノン、メチルヘプテノン、ジメチルオクテノン、ゲラニルアセトン、ファルネシルアセトン、2,3,5−トリメチル−4−シクロヘキセニル−1−メチルケトン、ネロン、ヌートカトン、ジヒドロヌートカトン、アセトフェノン、4,7−ジヒドロ−2−イソペンチル−2−メチル−1,3−ジオキセピン、2−ペンタノン、3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、2,3−ヘキサジオン、3−ノナノン、エチルイソアミルケトン、ジアセチル、アミルシクロペンテノン、2−シクロペンチルシクロペンタノン、ヘキシルシクロペンタノン、ヘプチルシクロペンタノン、シス−ジャスモン、ジヒドロジャスモン、トリメチルペンチルシクロペンタノン、2−(2−(4−メチル)−3−シクロヘキセン−1−イル)プロピルシクロペンタノン、ダマスコン、α−ダイナスコン、トリメチルシクロヘキセニルブテノン、ヨノン、β―ヨノン、メチルヨノン、アリルヨノン、プリカトン、カシュメラン、l−カルボン、メントン、カンファー、p−メチルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、ベンジリデンアセトン、ラズベリーケトン、メチルナフチルケトン、ベンゾフェノン、フルフラールアセトン、ホモフロノール、マルトール、エチルマルトール、アセト酢酸エチルエチレングリコールケタール等を挙げることができる。
フェノール類としては、限定はされないが、例えば、チモール、カルバクロール、β−ナフトールイソブチルエーテル、アネトール、β−ナフトールメチルエーテル、β−ナフトールエチルエーテル、クレオゾール、ベラトロール、ヒドロキノンジメチルエーテル、2,6−ジメトキシフェノール、4−エチルグアヤコール、オイゲノール、イソオイゲノール、エチルイソオイゲノール、tert−ブチルヒドロキノンジメチルエーテル等を挙げることができる。
エーテル類としては、限定はされないが、例えば、デシルビニルエーテル、α−テルピニルメチルエーテル、イソプロキセン、2,2−ジメチル−5−(1−メチル−1−プロペニル)−テトラヒドロフラン、ローズフラン、1,4−シネオール、ネロールオキサイド、2,2,6−トリメチル−6−ビニルテトラヒドロピラン、メチルヘキシルエーテル、オシメンエポキシド、リモネンオキサイド、ルボフィクス、カリオフィレンオキサイド、リナロールオキサイド、5−イソプロペニル−2−メチル−2−ビニルテトラヒドロフラン、ネロールオキサイド、ローズオキサイド等を挙げることができる。
ラクトン類としては、限定はされないが、例えば、γ−ウンデカラクトン、δ−ドデカラクトン、γ−ヘキサラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、γ−ドデカラクトン、ジャスンミラクトン、メチルγ−デカラクトン、7−デセノラクトン、ジャスモラクトン、プロピリデンフタリド、δ−ヘキサラクトン、δ−2−デセノラクトン、ε−ドデカラクトン、ジヒドロクマリン、クマリン等を挙げることができる。
炭化水素類としては、限定はされないが、例えば、オシメン、リモネン、α−フェランドレン、テルピネン、3−カレン、ビサボレン、バレンセン、アロオシメン、ミルセン、ファルネセン、α−ピネン、β−ピネン、カンフェン、テルピノーレン、p−サイメン、セドレン、β−カリオフィレン、カジネン等を挙げることができる。
含窒素化合物又は含硫化合物類としては、限定はされないが、例えば、アントラニル酸メチル、アントラニル酸エチル、N−メチルアントラニル酸メチル、N−2’−メチルペンチリデンアントラニル酸メチル、リガントラール、ドデカンニトリル、2−トリデセンニトリル、ゲラニルニトリル、シトロネリルニトリル、3,7−ジメチル−2,6−ノナジエノニトリル、インドール及びその誘導体、5−メチル−3−ヘプタノンオキシム、リモネンチオール、1−P−メンテン−8−チオール、アントラニル酸ブチル、アントラニル酸シス−3−ヘキセニル、アントラニル酸フェニルエチル、アントラニル酸シンナミル、ジメチルスルフィド、8−メルカプトメントン等を挙げることができる。
酸類としては、限定はされないが、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、2−デセン酸、ゲラン酸、2−メチル酪酸、2−エチル酪酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸メチル、イソ酪酸、イソ吉草酸、3−メチル吉草酸、2−ヘキセン酸、2−メチル−2−ペンテン酸、2−メチルヘプタン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、乳酸、ピルビン酸、シクロヘキサンカルボン酸等を挙げることができる。
天然香料としては、限定はされないが、例えば、スイートオレンジ、ビターオレンジ、ネロリ、マンダリン、オレンジ、プチグレン、ベルガモット、タンゼリン、温州ミカン、ダイダイ、ハッサク、イヨカン、レモン、ライム、グレープフルーツ、ユズ、スダチ、カボス、スウィーティー等を例示することができる。
また、上記の天然香料以外に、例えば、シトロネラ、エレミ、オリバナム、マジョラム、アンゲリカルート、スターアニス、バジル、ヘイ、カラマス、キャラウェイ、カルダモン、ペッパー、カスカリラ、ジンジャー、セージ、クラリセージ、クローブ、コリアンダー、ユーカリ、フェンネル、ピメント、ジュニパー、フェネグリーク、ローレル、メース、スギ、センキュウ、アーモンド、アップルミント、アニス、アルテミシア、アルファルファ、アンズ、アンブレット、イグサ、イチゴ、イチジク、イランイラン、ウインターグリーン、ウメ、エルダー、エンジュ、オークモス、オールスパイス、オリス、カーラント、カッシー、カモミル、ガランガ、カリン、ガンビア、グァバ、グーズベリー、クスノキ、クチナシ、クベバ、クミン、クランベリー、コーラ、サンショウ、サンダラック、サンダルウッド、サンダルレッド、シソ、シベット、ジャスミン、ショウガ、ジンセン、シンナモン、スターフルーツ、スチラックス、スペアミント、ゼラニウム、タイム、タバナ、タンジー、タンジェリン、チャンパカ、チュベローズ、ツバキ、ディタニー、トルーバルサム、トンカ、ナッツ、ナツメ、ナツメグ、ナンテン、ニアウリ、ニンジン、バイオレット、パイナップル、ハイビスカス、ハチミツ、ハッカ、パッションフルーツ、バニラ、バラ、ヒソップ、ヒノキ、フーゼル油、ブチュ、ペパーミント、ペピーノ、ベルベナ、ボアドローズ、ポポー、ボルドー、ボロニア、マツ、マンゴー、ミツロウ、ミモザ、ミルフォイル、ムスク、メープル、メリッサ、メロン、モモ、ヤラヤラ、ラベンダー、リキュール、リツェア、リンデン、ルー、レンブ、ローズマリー、ロベージ等を本発明の香料成分として使用することもできる。
香料は、本発明の香料組成物を調製する際に、液状で使用してもよいが、必要に応じて、減圧乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥等の乾燥処理を行い、液体分を低減又は除去することにより、濃縮液状、半固形状、固形状、又は粉末状にしたものを使用してもよい。
これら香料等は、食品に含有させる場合には、2種類以上を用いてもよい。これらの香料等の成分は、飲食品の全量中に例えば0.01〜1質量%、好ましくは0.03〜0.5質量%含有させることができる。
(飲食品の製造方法)
本発明の飲食品の製造方法において、使用する原料の処理、原料、その使用量、物性等は前述のとおりである。
本発明の飲食品の製造方法において、使用する原料の処理、原料、その使用量、物性等は前述のとおりである。
本発明の飲食品の製造方法では、香気性低下抑制用澱粉組成物を含有させることで、香気性低下を抑制できる点以外は、従来の飲食品の製造方法に準じて、実施することができる。香気性低下抑制用澱粉組成物を含有させるタイミングとしては、飲食品の種類に応じて設定でき、何段階かに分けて、添加することも可能である。
(香気性低下抑制方法)
本発明の香気性低下抑制方法は、香気成分を含む飲食品に、澱粉、及び植物由来食物繊維の混合物を、水分の存在下で加熱処理する工程により得られる香気性低下抑制用澱粉組成物を配合することを特徴とする。ここで、香気性低下抑制用澱粉組成物、香気成分の定義、配合方法、飲食品の定義、その他の条件は、香気性低下抑制用澱粉組成物、又は飲食品の項に記載した事項に準じる。
本発明の香気性低下抑制方法は、香気成分を含む飲食品に、澱粉、及び植物由来食物繊維の混合物を、水分の存在下で加熱処理する工程により得られる香気性低下抑制用澱粉組成物を配合することを特徴とする。ここで、香気性低下抑制用澱粉組成物、香気成分の定義、配合方法、飲食品の定義、その他の条件は、香気性低下抑制用澱粉組成物、又は飲食品の項に記載した事項に準じる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明の範囲はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」、「部数」等の数値は、質量基準の数値を表す。
実施例中、食物繊維含有率、及び水溶性食物繊維は、プロスキー変法によって決定された数値である。水溶性食物繊維の比率(%)は、副原料である各ファイバー製品の製品質量を基準とする比率(「水溶性食物繊維含有量」/「シトラスファイバー製品の総質量」×100(%))である。
実施例の表中、「※」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の製品を表す。
実施例の表中、「※」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の製品を表す。
(香気性低下抑制用澱粉組成物1の調製例)
粉体の馬鈴薯澱粉95部と粉体のシトラスファイバー(複合型食物繊維、食物繊維含有率85%、水溶性食物繊維率19%)5部とを混合し、オートクレーブSX−500(株式会社トミー精工製)を用いて、混合物を120℃で10分間、湿熱処理した。処理後の改質澱粉をステンレス製のバットに取り出し、室温で一晩乾燥させた。これを乳鉢で粉砕し、均一な粉末にした。これを以下の食品の調製に用いた。
粉体の馬鈴薯澱粉95部と粉体のシトラスファイバー(複合型食物繊維、食物繊維含有率85%、水溶性食物繊維率19%)5部とを混合し、オートクレーブSX−500(株式会社トミー精工製)を用いて、混合物を120℃で10分間、湿熱処理した。処理後の改質澱粉をステンレス製のバットに取り出し、室温で一晩乾燥させた。これを乳鉢で粉砕し、均一な粉末にした。これを以下の食品の調製に用いた。
(香気性低下抑制用澱粉組成物2の調製例)
粉体の馬鈴薯澱粉95部と粉体のシトラスファイバー(複合型食物繊維、食物繊維含有率85%、水溶性食物繊維率19%)5部とを混合し、オートクレーブSX−500(株式会社トミー精工製)を用いて、混合物を120℃で10分間、湿熱処理した。処理後の改質澱粉をステンレス製のバットに取り出し、室温で一晩乾燥させた。得られた乾燥物を乳鉢で粉砕し、均一な粉末にしたのち、未処理のワキシーコーンスターチと混合した(混合比は質量比で2:1)。これを以下のごまだれの調製に用いた。
粉体の馬鈴薯澱粉95部と粉体のシトラスファイバー(複合型食物繊維、食物繊維含有率85%、水溶性食物繊維率19%)5部とを混合し、オートクレーブSX−500(株式会社トミー精工製)を用いて、混合物を120℃で10分間、湿熱処理した。処理後の改質澱粉をステンレス製のバットに取り出し、室温で一晩乾燥させた。得られた乾燥物を乳鉢で粉砕し、均一な粉末にしたのち、未処理のワキシーコーンスターチと混合した(混合比は質量比で2:1)。これを以下のごまだれの調製に用いた。
(香気性低下抑制用澱粉組成物3の調製例)
香気性低下抑制用澱粉組成物2のシトラスファイバーの代わりに水溶性エンドウ多糖類を添加して湿熱処理した馬鈴薯澱粉と、未処理のワキシーコーンスターチの混合物(混合比は重量で2:1)である。これを以下のごまだれの調製に用いた。なお、ここで用いた水溶性エンドウ多糖類は、エンドウ豆種子から、不溶性食物繊維および澱粉を分離除去し、精製した食品素材である。
香気性低下抑制用澱粉組成物2のシトラスファイバーの代わりに水溶性エンドウ多糖類を添加して湿熱処理した馬鈴薯澱粉と、未処理のワキシーコーンスターチの混合物(混合比は重量で2:1)である。これを以下のごまだれの調製に用いた。なお、ここで用いた水溶性エンドウ多糖類は、エンドウ豆種子から、不溶性食物繊維および澱粉を分離除去し、精製した食品素材である。
(香気性低下抑制用澱粉組成物4の調製例)
香気性低下抑制用澱粉組成物2のシトラスファイバーの代わりにエンドウ食物繊維を添加して湿熱処理した馬鈴薯澱粉と、未処理のワキシーコーンスターチの混合物(混合比は重量で2:1)である。これを以下のごまだれの調製に用いた。なお、ここで用いたエンドウ食物繊維は、不溶性および可溶性の食物繊維と難消化性澱粉の組成で構成される濃縮物の食品素材である。使用したエンドウ食物繊維の食品素材に含まれる総食物繊維含有量は、約70%である。
香気性低下抑制用澱粉組成物2のシトラスファイバーの代わりにエンドウ食物繊維を添加して湿熱処理した馬鈴薯澱粉と、未処理のワキシーコーンスターチの混合物(混合比は重量で2:1)である。これを以下のごまだれの調製に用いた。なお、ここで用いたエンドウ食物繊維は、不溶性および可溶性の食物繊維と難消化性澱粉の組成で構成される濃縮物の食品素材である。使用したエンドウ食物繊維の食品素材に含まれる総食物繊維含有量は、約70%である。
(物理処理馬鈴薯澱粉の調製例)
粉体の馬鈴薯澱粉を、オートクレーブSX−500(株式会社トミー精工製)を用いて、120℃で10分間、湿熱処理した。処理後の改質澱粉をステンレス製のバットに取り出し、室温で一晩乾燥させた。これを乳鉢で粉砕し、均一な粉末にした。これを以下の食品の調製に用いた。
粉体の馬鈴薯澱粉を、オートクレーブSX−500(株式会社トミー精工製)を用いて、120℃で10分間、湿熱処理した。処理後の改質澱粉をステンレス製のバットに取り出し、室温で一晩乾燥させた。これを乳鉢で粉砕し、均一な粉末にした。これを以下の食品の調製に用いた。
(その他の成分)
物理処理タピオカ澱粉としては、NOVATION 3300(イングレディオン・ジャパン社製)を用いた。
化学処理タピオカ澱粉としては、NATIONAL FRIGEX(イングレディオン・ジャパン社製)を用いた。
物理処理ワキシーコーン澱粉としては、NOVATION PRIMA 600(イングレディオン・ジャパン社製)を用いた。
化学処理ワキシーコーン澱粉としては、パインエース#1(松谷化学工業社製)を用いた。
寒天としては、ゲルアップTM J−1630(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を用いた。「TM」は三栄源エフ・エフ・アイの商標を表す。
物理処理タピオカ澱粉としては、NOVATION 3300(イングレディオン・ジャパン社製)を用いた。
化学処理タピオカ澱粉としては、NATIONAL FRIGEX(イングレディオン・ジャパン社製)を用いた。
物理処理ワキシーコーン澱粉としては、NOVATION PRIMA 600(イングレディオン・ジャパン社製)を用いた。
化学処理ワキシーコーン澱粉としては、パインエース#1(松谷化学工業社製)を用いた。
寒天としては、ゲルアップTM J−1630(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を用いた。「TM」は三栄源エフ・エフ・アイの商標を表す。
(食品の調製)
表1、3、5、7、9、11に示す処方に従って、以下のようにヨーグルト、白桃プレパレーション、ホワイトソース、甘酢あん、コーンポタージュスープ、ごまだれを調製した。
表1、3、5、7、9、11に示す処方に従って、以下のようにヨーグルト、白桃プレパレーション、ホワイトソース、甘酢あん、コーンポタージュスープ、ごまだれを調製した。
[ヨーグルトの評価]
次の製法で、表1の処方に従い、ヨーグルトを調製した。
<製法>
1.水、牛乳を湯浴中で50℃まで加熱したのち、全脂粉乳、脱脂粉乳を添加して撹拌溶解し、さらに砂糖と実施例及び比較例の澱粉試料の粉体混合物を添加して、70℃まで加熱した後、10分間撹拌した。なお、比較例1−5は、シトラスファイバー(複合型食物繊維、食物繊維含有率85%、水溶性食物繊維率19%)を砂糖、澱粉試料と混合したものを用いた。また、比較例1−6のみ、寒天を溶解するため、90℃まで加熱して10分間撹拌した。
2.蒸発水を補正した後、高圧ホモジナイザーを用いて均質化した(150kgf/cm2)。
3.湯浴中で90℃まで熱し、10分間加熱して殺菌した後、40℃まで冷却した。
4.スターターとして市販のヨーグルトを全重量の3%添加した。
5.40℃の恒温器に入れて発酵させ、pHが4.6になった時点で恒温器から取り出した。
6.撹拌してカードを破砕して均一な状態にし、60gずつ容器に小分けした。
7.室温に静置して粗熱をとったのち、5℃の冷蔵庫で冷却し、1週間保存した。
8.上記のヨーグルトに、10%重量の白桃ソースを添加し、撹拌して均一にしたのち、評価を実施した。試料は評価まで5℃で保存し、当日中に評価を実施した。なお、白桃ソースは、白桃ピューレ(寿高原食品株式会社製)に重量の10%の砂糖を添加し、攪拌しながら煮詰めて、全体重量の68%まで水分を蒸発させた後、ピーチフレーバー(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を水分蒸発後重量の0.5%添加して調製した。使用するまで5℃で保存した。
次の製法で、表1の処方に従い、ヨーグルトを調製した。
<製法>
1.水、牛乳を湯浴中で50℃まで加熱したのち、全脂粉乳、脱脂粉乳を添加して撹拌溶解し、さらに砂糖と実施例及び比較例の澱粉試料の粉体混合物を添加して、70℃まで加熱した後、10分間撹拌した。なお、比較例1−5は、シトラスファイバー(複合型食物繊維、食物繊維含有率85%、水溶性食物繊維率19%)を砂糖、澱粉試料と混合したものを用いた。また、比較例1−6のみ、寒天を溶解するため、90℃まで加熱して10分間撹拌した。
2.蒸発水を補正した後、高圧ホモジナイザーを用いて均質化した(150kgf/cm2)。
3.湯浴中で90℃まで熱し、10分間加熱して殺菌した後、40℃まで冷却した。
4.スターターとして市販のヨーグルトを全重量の3%添加した。
5.40℃の恒温器に入れて発酵させ、pHが4.6になった時点で恒温器から取り出した。
6.撹拌してカードを破砕して均一な状態にし、60gずつ容器に小分けした。
7.室温に静置して粗熱をとったのち、5℃の冷蔵庫で冷却し、1週間保存した。
8.上記のヨーグルトに、10%重量の白桃ソースを添加し、撹拌して均一にしたのち、評価を実施した。試料は評価まで5℃で保存し、当日中に評価を実施した。なお、白桃ソースは、白桃ピューレ(寿高原食品株式会社製)に重量の10%の砂糖を添加し、攪拌しながら煮詰めて、全体重量の68%まで水分を蒸発させた後、ピーチフレーバー(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を水分蒸発後重量の0.5%添加して調製した。使用するまで5℃で保存した。
<官能評価の方法>
白桃ソース入りヨーグルトの官能評価はVAS(Visual Analog Scale)法で行った。すなわち、100 mmの直線上の左端を最小、右端を最大として、各評価項目について、被験者に任意の場所に印をつけさせた。被験者は7名 (男性4名、女性3名、平均年齢33.1歳)で行い、冷蔵庫から取り出してすぐの試料を30g提示し、ボディ感及びピーチ香のフレーバーリリース を評価させた。フレーバーリリースについては、基準となる澱粉無添加の比較例1−1の数値を100として(コントロールとして)換算し、7名の各評価値及び平均値を表2に示した。ボディ感については、7名の平均値を表2に示している。
白桃ソース入りヨーグルトの官能評価はVAS(Visual Analog Scale)法で行った。すなわち、100 mmの直線上の左端を最小、右端を最大として、各評価項目について、被験者に任意の場所に印をつけさせた。被験者は7名 (男性4名、女性3名、平均年齢33.1歳)で行い、冷蔵庫から取り出してすぐの試料を30g提示し、ボディ感及びピーチ香のフレーバーリリース を評価させた。フレーバーリリースについては、基準となる澱粉無添加の比較例1−1の数値を100として(コントロールとして)換算し、7名の各評価値及び平均値を表2に示した。ボディ感については、7名の平均値を表2に示している。
<結果>
香気性低下抑制用澱粉組成物を2%添加した実施例1−1の白桃ソース入りヨーグルトは、澱粉無添加の比較例1−1(コントロール)と比較してボディ感が強く、且つフレーバーリリースはコントロールと同等に良好で、フレーバーリリースを妨げていなかった。また香気性低下抑制用澱粉組成物を4%添加した実施例1−2は、未改質馬鈴薯澱粉を添加した比較例1−2、物理処理タピオカ澱粉を添加した比較例1−3、寒天を添加した比較例1−6と比較してボディ感が強く、且つフレーバーリリースは澱粉無添加のコントロールと同等に良好で、フレーバーリリースを妨げていなかった。なお、未改質馬鈴薯澱粉を添加した比較例1−2は、出来上がったヨーグルトのボディ感は比較的強かったが、フレーバーリリースが悪かったほか、調製時、均質化の工程においてサンプル溶液の粘度が非常に高くなり 、作業性が非常に悪かった。化学処理タピオカ澱粉を添加した比較例1−4、化学処理タピオカ澱粉とシトラスファイバーを添加した比較例1−5は、ボディ感は強かったが、フレーバーリリースは悪かった。また、寒天を添加した比較例1−6のヨーグルトは、白桃ソースと混合した際に均一に混ざりにくく、食感がざらつき好ましくなかった。
香気性低下抑制用澱粉組成物を2%添加した実施例1−1の白桃ソース入りヨーグルトは、澱粉無添加の比較例1−1(コントロール)と比較してボディ感が強く、且つフレーバーリリースはコントロールと同等に良好で、フレーバーリリースを妨げていなかった。また香気性低下抑制用澱粉組成物を4%添加した実施例1−2は、未改質馬鈴薯澱粉を添加した比較例1−2、物理処理タピオカ澱粉を添加した比較例1−3、寒天を添加した比較例1−6と比較してボディ感が強く、且つフレーバーリリースは澱粉無添加のコントロールと同等に良好で、フレーバーリリースを妨げていなかった。なお、未改質馬鈴薯澱粉を添加した比較例1−2は、出来上がったヨーグルトのボディ感は比較的強かったが、フレーバーリリースが悪かったほか、調製時、均質化の工程においてサンプル溶液の粘度が非常に高くなり 、作業性が非常に悪かった。化学処理タピオカ澱粉を添加した比較例1−4、化学処理タピオカ澱粉とシトラスファイバーを添加した比較例1−5は、ボディ感は強かったが、フレーバーリリースは悪かった。また、寒天を添加した比較例1−6のヨーグルトは、白桃ソースと混合した際に均一に混ざりにくく、食感がざらつき好ましくなかった。
[白桃プレパレーションの評価]次の製法で、表3の処方に従い、白桃プレパレーションを調製した。
<製法>
1.白桃ピューレ、水に砂糖、実施例及び比較例の澱粉試料を加え、湯浴中で80℃に加熱し10分間撹拌した。
2.50%(w/w)クエン酸水溶液を添加してpHを3.8に調整し、ピーチフレーバーを添加した後、蒸発水を補正した。
3.耐熱パウチに充填して密封し、85℃の湯浴中で30分間加熱し殺菌した。4.8℃の冷却水槽で2時間以上冷却し、5℃で保存した。
<製法>
1.白桃ピューレ、水に砂糖、実施例及び比較例の澱粉試料を加え、湯浴中で80℃に加熱し10分間撹拌した。
2.50%(w/w)クエン酸水溶液を添加してpHを3.8に調整し、ピーチフレーバーを添加した後、蒸発水を補正した。
3.耐熱パウチに充填して密封し、85℃の湯浴中で30分間加熱し殺菌した。4.8℃の冷却水槽で2時間以上冷却し、5℃で保存した。
<官能評価の方法>
上記方法で調製した白桃プレパレーションの官能評価を調製から2週間後に行った。VAS法により、6名の被験者に、ボディ感及びピーチ香のフレーバーリリースを評価させた。室温に戻した試料を15g提示し、ボディ感及びピーチ香のフレーバーリリースを評価させた。フレーバーリリースについては、基準となる澱粉無添加の数値を100として
(コントロールとして)換算し、6名(男性4名、女性2名、平均年齢34.2歳)の各評価値及び平均値を表4に示した。ボディ感については、6名の平均値を表4に示している。
上記方法で調製した白桃プレパレーションの官能評価を調製から2週間後に行った。VAS法により、6名の被験者に、ボディ感及びピーチ香のフレーバーリリースを評価させた。室温に戻した試料を15g提示し、ボディ感及びピーチ香のフレーバーリリースを評価させた。フレーバーリリースについては、基準となる澱粉無添加の数値を100として
(コントロールとして)換算し、6名(男性4名、女性2名、平均年齢34.2歳)の各評価値及び平均値を表4に示した。ボディ感については、6名の平均値を表4に示している。
<結果>
未改質馬鈴薯澱粉を添加した比較例2−1及び物理処理タピオカ澱粉を添加した比較例2−3の白桃プレパレーションは、経時的にゲル状に変化し、流動性がなく、プレパレーションとして好ましくない性状となっており、フレーバーリリースも悪かった。改質馬鈴薯澱粉製剤を添加した実施例2−1の白桃プレパレーションは流動性があり、適度にボディ感が強く、且つフレーバーリリースが良好であった。シトラスファイバーを添加せずに物理処理した馬鈴薯澱粉を添加した比較例2−2は、実施例2−1と比較してボディ感が弱く、且つフレーバーリリースも悪かった。また、化学処理タピオカ澱粉を添加した比較例2−5のプレパレーションは、実施例2−1よりボディ感は強かったが、口どけが非常に悪く、フレーバーリリースが悪かった。
未改質馬鈴薯澱粉を添加した比較例2−1及び物理処理タピオカ澱粉を添加した比較例2−3の白桃プレパレーションは、経時的にゲル状に変化し、流動性がなく、プレパレーションとして好ましくない性状となっており、フレーバーリリースも悪かった。改質馬鈴薯澱粉製剤を添加した実施例2−1の白桃プレパレーションは流動性があり、適度にボディ感が強く、且つフレーバーリリースが良好であった。シトラスファイバーを添加せずに物理処理した馬鈴薯澱粉を添加した比較例2−2は、実施例2−1と比較してボディ感が弱く、且つフレーバーリリースも悪かった。また、化学処理タピオカ澱粉を添加した比較例2−5のプレパレーションは、実施例2−1よりボディ感は強かったが、口どけが非常に悪く、フレーバーリリースが悪かった。
なお、比較例2−1及び比較例2−3のプレパレーションは、実際市販の無脂肪ヨーグルトと混合した際、均一に混ぜることが難しかった。 一方、実施例2−1のプレパレーションは、ヨーグルトと均一に混合しやすく、ヨーグルトに適度な保形性を付与することができ、フレーバーリリースも良好であった。さらに実施例2−1の白桃プレパレーションは、1ヶ月以上の冷蔵保存においても、ゲル化せずなめらかな食感であった。
[ホワイトソースの評価]
次の製法で、表5の処方に従い、ホワイトソースを調製した。
<製法>
1.水に実施例及び比較例の澱粉試料を入れ、湯浴中で80℃に加熱し10分間撹拌した。
2.バターフレーバーを除く他の材料を加え、さらに撹拌しながら溶解した。
3.バターフレーバーを添加したのち、蒸発水を補正し、100gずつ耐熱パウチに充填して密封した。
4.121℃で10分間レトルト殺菌した後、室温で静置した。
次の製法で、表5の処方に従い、ホワイトソースを調製した。
<製法>
1.水に実施例及び比較例の澱粉試料を入れ、湯浴中で80℃に加熱し10分間撹拌した。
2.バターフレーバーを除く他の材料を加え、さらに撹拌しながら溶解した。
3.バターフレーバーを添加したのち、蒸発水を補正し、100gずつ耐熱パウチに充填して密封した。
4.121℃で10分間レトルト殺菌した後、室温で静置した。
<粘度測定>
B型回転粘度計(ローターNo.3又は4、東京計器社)を用いて、回転数60rpm、25℃におけるホワイトソースの粘度を測定した。
B型回転粘度計(ローターNo.3又は4、東京計器社)を用いて、回転数60rpm、25℃におけるホワイトソースの粘度を測定した。
<官能評価の方法>
上記方法で調製したホワイトソースの官能評価を調製から1週間以内に行った。VAS法により、7名の被験者(男性5名、女性2名、平均年齢28.7歳)に、室温の試料を15g提示し、ボディ感及びバター香のフレーバーリリースを評価させた。フレーバーリリースについては、基準となる澱粉無添加の数値を100として(コントロールとして)換算し、7名の各評価値及び平均値を表6に示した。ボディ感については、7名の平均値を表6に示している。
上記方法で調製したホワイトソースの官能評価を調製から1週間以内に行った。VAS法により、7名の被験者(男性5名、女性2名、平均年齢28.7歳)に、室温の試料を15g提示し、ボディ感及びバター香のフレーバーリリースを評価させた。フレーバーリリースについては、基準となる澱粉無添加の数値を100として(コントロールとして)換算し、7名の各評価値及び平均値を表6に示した。ボディ感については、7名の平均値を表6に示している。
<結果>
香気性低下抑制用澱粉組成物を添加した実施例3−1のホワイトソースは、なめらかで粘度が高く、ボディ感が強く、且つフレーバーリリースも良好であった。物理処理タピオカ澱粉を添加した比較例3−1は、ボディ感が弱く、且つフレーバーリリースも悪かった。比較例3−1は、もろいゲル状になっており、離水を生じやすく、食感も好ましくなかった。
香気性低下抑制用澱粉組成物を添加した実施例3−1のホワイトソースは、なめらかで粘度が高く、ボディ感が強く、且つフレーバーリリースも良好であった。物理処理タピオカ澱粉を添加した比較例3−1は、ボディ感が弱く、且つフレーバーリリースも悪かった。比較例3−1は、もろいゲル状になっており、離水を生じやすく、食感も好ましくなかった。
[甘酢あんの評価]
次の製法で、表7の処方に従い、甘酢あんを調製した。
次の製法で、表7の処方に従い、甘酢あんを調製した。
<製法>
1.水に実施例及び比較例の澱粉試料及びシトラスファイバーを添加し、湯浴中で85℃に加熱し10分間撹拌した。シトラスファイバーは事前に0.5%水溶液を調製し、高圧ホモジナイザーを用いて均質化(150kgf/cm2)したものを、最終濃度が0.15%となるように添加した。
2.残りの原材料を加え、5分間撹拌しながら溶解した。
3.蒸発水を補正後、耐熱パウチに充填し密封した。
4.85℃の湯浴中で30分間殺菌し、8℃の冷却水槽で1時間以上冷却後、5℃で保存した。
1.水に実施例及び比較例の澱粉試料及びシトラスファイバーを添加し、湯浴中で85℃に加熱し10分間撹拌した。シトラスファイバーは事前に0.5%水溶液を調製し、高圧ホモジナイザーを用いて均質化(150kgf/cm2)したものを、最終濃度が0.15%となるように添加した。
2.残りの原材料を加え、5分間撹拌しながら溶解した。
3.蒸発水を補正後、耐熱パウチに充填し密封した。
4.85℃の湯浴中で30分間殺菌し、8℃の冷却水槽で1時間以上冷却後、5℃で保存した。
<官能評価の方法>
上記方法で調製した甘酢あんの官能評価を調製から1週間後に行った。VAS法により、5名(男性3名、女性2名、平均年齢26.8歳)の被験者に、室温の試料を15g提示し、ボディ感及びフレーバーリリースを評価させた。フレーバーリリースについては、基準となる澱粉無添加の数値を100として(コントロールとして)換算し、5名の各評価値及び平均値を表8に示した。ボディ感については、5名の平均値を表8に示している。
上記方法で調製した甘酢あんの官能評価を調製から1週間後に行った。VAS法により、5名(男性3名、女性2名、平均年齢26.8歳)の被験者に、室温の試料を15g提示し、ボディ感及びフレーバーリリースを評価させた。フレーバーリリースについては、基準となる澱粉無添加の数値を100として(コントロールとして)換算し、5名の各評価値及び平均値を表8に示した。ボディ感については、5名の平均値を表8に示している。
<結果>
未改質馬鈴薯澱粉を添加した比較例4−1、及び化学処理タピオカ澱粉とシトラスファイバーを添加した比較例4−3の甘酢あんは、冷蔵保存中に徐々にゲル化或いは大きく増粘して、流動性が低く甘酢あんとして好ましくない状態となり、フレーバーリリースも悪かった。香気性低下抑制用澱粉組成物を添加した実施例4−1の甘酢あんは、物理処理タピオカ澱粉を添加した比較例4−2と比較してボディ感が強く、且つフレーバーリリースが良好であった。
未改質馬鈴薯澱粉を添加した比較例4−1、及び化学処理タピオカ澱粉とシトラスファイバーを添加した比較例4−3の甘酢あんは、冷蔵保存中に徐々にゲル化或いは大きく増粘して、流動性が低く甘酢あんとして好ましくない状態となり、フレーバーリリースも悪かった。香気性低下抑制用澱粉組成物を添加した実施例4−1の甘酢あんは、物理処理タピオカ澱粉を添加した比較例4−2と比較してボディ感が強く、且つフレーバーリリースが良好であった。
[コーンポタージュスープの評価]
次の製法で、表9の処方に従い、コーンポタージュスープを調製した。
次の製法で、表9の処方に従い、コーンポタージュスープを調製した。
<製法>
1.缶詰のコーンをザルにとり、水切りした。
2.1のコーンに水を加え、ミキサーで1分間を粉砕した。
3.食塩、砂糖、実施例及び比較例の澱粉試料を添加し、湯浴中で80℃に加熱し10分間撹拌しながら溶解した。4.生クリームとコーンフレーバーを添加し、蒸発水を補正後、耐熱パウチに100gずつ充填し、密封した。5.室温まで冷却後、−20℃で冷凍保存した。
1.缶詰のコーンをザルにとり、水切りした。
2.1のコーンに水を加え、ミキサーで1分間を粉砕した。
3.食塩、砂糖、実施例及び比較例の澱粉試料を添加し、湯浴中で80℃に加熱し10分間撹拌しながら溶解した。4.生クリームとコーンフレーバーを添加し、蒸発水を補正後、耐熱パウチに100gずつ充填し、密封した。5.室温まで冷却後、−20℃で冷凍保存した。
<官能評価の方法>
上記方法で調製したコーンポタージュスープを80℃で2.5分間湯煎して解凍し、室温まで冷ましたものを当日中に使用した。VAS法により、7名の被験者(男性5名、女性2名、平均年齢31.3歳)に、室温の試料を15g提示し、ボディ感及びコーン香のフレーバーリリースを評価させた。フレーバーリリースについては、基準となる澱粉無添加の数値を100として(コントロールとして)換算し、7名の各評価値及び平均値を表10に示した。ボディ感については、7名の平均値を表10に示している。
上記方法で調製したコーンポタージュスープを80℃で2.5分間湯煎して解凍し、室温まで冷ましたものを当日中に使用した。VAS法により、7名の被験者(男性5名、女性2名、平均年齢31.3歳)に、室温の試料を15g提示し、ボディ感及びコーン香のフレーバーリリースを評価させた。フレーバーリリースについては、基準となる澱粉無添加の数値を100として(コントロールとして)換算し、7名の各評価値及び平均値を表10に示した。ボディ感については、7名の平均値を表10に示している。
<結果>
香気性低下抑制用澱粉組成物を添加した実施例5−1のスープは、適度なボディ感の強さで、且つ、シトラスファイバーを添加せずに物理処理した馬鈴薯澱粉を添加した比較例5−1、物理処理タピオカ澱粉を添加した比較例5−2、及び化学処理タピオカ澱粉を添加した比較例5−3と比較してフレーバーリリースが良好であった。
香気性低下抑制用澱粉組成物を添加した実施例5−1のスープは、適度なボディ感の強さで、且つ、シトラスファイバーを添加せずに物理処理した馬鈴薯澱粉を添加した比較例5−1、物理処理タピオカ澱粉を添加した比較例5−2、及び化学処理タピオカ澱粉を添加した比較例5−3と比較してフレーバーリリースが良好であった。
表1〜10から明らかなように、実施例の香気性低下抑制用澱粉組成物を使用したいずれの食品も香気性の低下が抑制されていることが判明した。
[ごまだれの評価]
次の製法で、表11の処方に従い、ごまだれを調製した。
次の製法で、表11の処方に従い、ごまだれを調製した。
<製法>
1.水に酵素分解レシチン、実施例及び比較例の澱粉試料を添加し、室温で10分間撹拌した。
2.サラダ油以外の材料を加え、さらに5分間撹拌した。
3.ホモミキサーで撹拌しながらサラダ油を加え、6,000rpmで10分間撹拌した。
4.脱気後、湯浴中で加熱し、90℃に達した時点で容器に充填し、冷却したのち、20℃で保存した。
1.水に酵素分解レシチン、実施例及び比較例の澱粉試料を添加し、室温で10分間撹拌した。
2.サラダ油以外の材料を加え、さらに5分間撹拌した。
3.ホモミキサーで撹拌しながらサラダ油を加え、6,000rpmで10分間撹拌した。
4.脱気後、湯浴中で加熱し、90℃に達した時点で容器に充填し、冷却したのち、20℃で保存した。
<粘度測定>
実施例及び比較例の各ごまだれについて、調製の1日後(24時間経過後)に、B型回転粘度計(ローターNo.3又は4、東京計器社)を用いて、回転数60rpm、20℃におけるごまだれの粘度を測定した。
実施例及び比較例の各ごまだれについて、調製の1日後(24時間経過後)に、B型回転粘度計(ローターNo.3又は4、東京計器社)を用いて、回転数60rpm、20℃におけるごまだれの粘度を測定した。
<官能評価の方法>
上記方法で調製したごまだれの官能評価を調製から1日後に行った。VAS法により、5名(男性3名、女性2名、平均年齢33.8歳)の被験者に、室温の試料を0.5g提示し、ボディ感及びごまの香りのフレーバーリリースを評価させた。フレーバーリリースについては、基準は設定せず、絶対評価とした。フレバーリリースについては、5名の各評価値及び平均値を表12に示した。ボディ感については、5名の平均値を表12に示している。
上記方法で調製したごまだれの官能評価を調製から1日後に行った。VAS法により、5名(男性3名、女性2名、平均年齢33.8歳)の被験者に、室温の試料を0.5g提示し、ボディ感及びごまの香りのフレーバーリリースを評価させた。フレーバーリリースについては、基準は設定せず、絶対評価とした。フレバーリリースについては、5名の各評価値及び平均値を表12に示した。ボディ感については、5名の平均値を表12に示している。
<結果>
香気性低下抑制用澱粉組成物を添加した実施例6−1、6−2、及び6−3のごまだれは、ボディ感が強く、且つフレーバーリリースも良好であった。物理処理ワキシーコーン澱粉を添加した比較例6−1は、ボディ感がやや弱く、且つフレーバーリリースもやや悪かった。化学処理ワキシーコーン澱粉を添加した比較例6−2は、ボディ感は比較的強かったが、フレーバーリリースが悪かった。
香気性低下抑制用澱粉組成物を添加した実施例6−1、6−2、及び6−3のごまだれは、ボディ感が強く、且つフレーバーリリースも良好であった。物理処理ワキシーコーン澱粉を添加した比較例6−1は、ボディ感がやや弱く、且つフレーバーリリースもやや悪かった。化学処理ワキシーコーン澱粉を添加した比較例6−2は、ボディ感は比較的強かったが、フレーバーリリースが悪かった。
Claims (11)
- 澱粉、及び植物由来食物繊維の混合物を、水分の存在下で加熱処理する工程を含む方法により得られる、香気性低下抑制用澱粉組成物。
- 前記澱粉が、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コメ澱粉、コーン澱粉、及び甘藷澱粉、並びにそれらのもち種澱粉からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、請求項1に記載の香気性低下抑制用澱粉組成物。
- 前記食物繊維が、水溶性食物繊維、及び不溶性食物繊維を含有する複合型食物繊維である、請求項1又は2に記載の香気性低下抑制用澱粉組成物。
- 前記食物繊維が、果実由来食物繊維である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の香気性低下抑制用澱粉組成物。
- 澱粉、及び植物由来食物繊維の混合物を、水分の存在下で加熱処理する工程を含む方法により得られる、香気性低下抑制用澱粉組成物;及び
香気成分を含有してなる、飲食品。 - 前記香気成分が香料である、請求項5に記載の飲食品。
- 澱粉、及び植物由来食物繊維の混合物を、水分の存在下で加熱処理する工程を含む、香気性低下抑制用澱粉組成物の製造方法。
- 前記水分の存在下の加熱処理が、水分量20質量%未満の前記混合物を、湿熱処理することを含む、請求項7に記載の香気性低下抑制用澱粉組成物の製造方法。
- 香気成分を含む飲食品に、澱粉、及び植物由来食物繊維の混合物を、水分の存在下で加熱処理する工程により得られる香気性低下抑制用澱粉組成物を配合することを特徴とする、香気性低下抑制方法。
- 前記香気成分が香料である、請求項9に記載の香気性低下抑制方法。
- 前記香気性低下抑制方法が、フレーバーリリースの低下抑制方法である、請求項9又は10に記載の香気性低下抑制方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018155028 | 2018-08-21 | ||
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JP2019149731A Pending JP2020028291A (ja) | 2018-08-21 | 2019-08-19 | 香気性低下抑制用澱粉組成物 |
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JP (1) | JP2020028291A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113040373A (zh) * | 2021-04-15 | 2021-06-29 | 贵州纳雍农和牧业有限责任公司 | 一种燕竹荪保健食品的制备方法 |
-
2019
- 2019-08-19 JP JP2019149731A patent/JP2020028291A/ja active Pending
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