JP4288478B2 - ハーブ脂溶性成分のサイクロデキストリン包接物の製造方法 - Google Patents

ハーブ脂溶性成分のサイクロデキストリン包接物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ハーブ脂溶性成分のサイクロデキストリン(以下、CDと称することがある。)包接物の製造方法に関し、詳しくは、優れた抗酸化作用を有するとともにハーブ風味を呈するハーブ脂溶性成分のCD包接物を効率よく製造する方法に関する。
従来より、ハーブに含有される各種の有効成分は、生体調節機能に有効であることが良く知られている。また、これらの有効成分は、ハーブ特有の風味の主成分である。そのため、ハーブは、食品、化粧品、医薬品等に生体調節機能及び風味を付与するための添加成分として広く用いられている。
しかし、これらの有効成分は脂溶性で、しかも揮発性が高いため、例えば水分含有率が多い食品中では安定性に欠ける等の問題がある。このため、ハーブは、その使用形態に制約を受けているのが実状である。
従来、植物由来の脂溶性成分の水溶性粉末を製造する際、植物体のペースト、搾汁液、有機溶媒抽出液、それらの濃縮液等に、サイクロデキストリン(CD)溶液或いはCDを加え、撹拌して乾燥する方法が知られている。
例えば、特許文献1には、香辛成分又はその前駆体或いは該香辛成分又はその前駆体を含む素材に水及びβ−サイクロデキストリンを加え混捏し、更に必要に応じ練り香辛料素材を添加することを特徴とする練り香辛料の製造法が記載されている。
また、特許文献2には、ニンジンの根のエキスまたは粉末とサイクロデキストリンとを混和したニンジン製品が記載されている。
更に、特許文献3には、生薬またはその混合物を、水またはシクロデキストリンの存在下に減圧濃縮し、次いで得られる濃縮物を噴霧乾燥することを特徴とする生薬製剤の製造法が記載されている。
しかし、従来の方法では、得られるCD包接物の量が少なく、得られたCD包接物に包接されている脂溶性成分の量が少ないため、脂溶性成分の生体調節機能が充分に発揮されない上、経済的に不利である。
また、現在一般に普及している植物由来の脂溶性成分のCD包接物の製造及び粉末化の技術は、(1)有機溶媒による脂溶性成分の抽出、(2)CD溶液と脂溶性成分を攪拌する、(3)乾燥する、の3工程が必要で、効率的な製造が困難であった。
特公昭51−9025号公報 特開昭54−80463号公報 特開昭61−5024号公報
このように、上記の従来技術によれば、ハーブ脂溶性成分の包接量が少ないCD包接物しか得ることができないとともに、製造効率の点でも問題があった。
そこで、本発明の目的は、ハーブ脂溶性成分を多量に包接するCD包接物を、簡便な工程で効率的に製造する方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討した結果、目的とするハーブ脂溶性成分のCD包接物は、図1に示すように、ハーブ植物体、その加工品又はハーブ脂溶性成分とデンプンとを原料として脂質可溶性溶媒存在下でデンプンをCD合成酵素と反応させることにより、ハーブ脂溶性成分の抽出とCDの製造とを同時に行うことができ、ハーブ脂溶性成分を豊富に含有するCD包接物を効率良く製造できることを見出し、係る知見に基づいて本発明に到達した。
ハーブ脂溶性成分であるカフェ酸、クロロゲン酸、又はロズマリン酸の抽出とサイクロデキストリンの製造とを同時に行い抗酸化作用を有する高水溶性のサイクロデキストリン包接物(CD包接物)を製造する方法であって、
1)上記ハーブ脂溶性成分が含まれるハーブ植物体、該ハーブ脂溶性成分が含まれる原料であるハーブ植物体の加工品又は該ハーブ脂溶性成分を溶媒に溶解させた溶液、デンプン、及び脂質可溶性溶媒であるエタノールの混合物にサイクロデキストリン合成酵素であるCGTaseを加えて反応させ、デンプンと酵素の反応により生成したサイクロデキストリンであるCDに上記ハーブ脂溶性成分を包接させ、該CD包接物を反応の上澄みから得ること、2)その際に、上記脂質可溶性溶媒の濃度を調整して抗酸化性成分有するCD包接物を生産すること、3)それにより、抗酸化性成分としての機能を発揮する上記ハーブ脂溶性成分を含有し、抗酸化作用を有すると共に、ハーブ風味を呈する高水溶性のサイクロデキストリン包接物を製造すること、を特徴とするハーブ脂溶性成分のサイクロデキストリン包接物の製造方法、である。
本発明は、ハーブ植物体が、植物全体、或いは、葉部、茎部、花部、果実部及び/又は根部である、上記サイクロデキストリン包接物の製造方法、である。
本発明は、ハーブ植物体の加工品が、ペースト、ペーストの絞り粕、搾汁液、粉末若しくはその懸濁物、又は、顆粒若しくはその懸濁物である、上記サイクロデキストリン包接物の製造方法、である。
本発明は、脂質可溶性溶媒の濃度を5−40%(容量)の範囲で調整して抗酸化成分有するCD包接物を生産する、上記のサイクロデキストリン包接物の製造方法、である。
発明は、ハーブ脂溶性成分及びデンプンの混合物にサイクロデキストリン合成酵素を加えて、50〜65℃で24〜48時間振盪処理する、上記サイクロデキストリン包接物の製造方法である。
発明は、デンプンが糊化デンプンである、上記サイクロデキストリン包接物の製造方法である。
発明は、サイクロデキストリン合成酵素を、デンプン1g当たり0.1〜10THU用いる、上記サイクロデキストリン包接物の製造方法である。
発明は、上記方法により得られハーブ脂溶性成分のサイクロデキストリン包接物であって、上記ハーブ脂溶性成分を含有し、抗酸化作用を有し、ハーブ風味を呈する高水溶性サイクロデキストリン包接物、である。
発明は、上記ハーブ脂溶性成分のサイクロデキストリン包接物を含有する食品である。
発明は、上記ハーブ脂溶性成分のサイクロデキストリン包接物を含有する化粧品又は医薬品である。
本発明によれば、ハーブ植物体、その加工品又はハーブ脂溶性成分とデンプンとを原料として、脂質可溶性溶媒の存在下でCD合成酵素と反応させることにより、ハーブ脂溶性成分の抽出とCDの製造とを同時に行うことができ、ハーブ脂溶性成分を豊富に含有し、抗酸化作用を有すると共に、ハーブ風味を呈するCD包接物を効率良く製造することが可能となった。
しかも、ハーブ脂溶性成分として抽出されるハーブ脂溶性成分はCDに包接されることで水溶性となることから、得られたハーブ脂溶性成分CD包接物は、食品、化粧品、医薬品等幅広い水溶性製品に容易に添加し、利用することが可能となった。
さらに、本発明によれば、上述のようなハーブ脂溶性成分を豊富に包接するCD包接体を含有してなる食品、化粧品、医薬品も提供される。このような食品、化粧品、医薬品は、もともと含まれる色素や香料等揮発性物質をもCD中にハーブ脂溶性成分とともに包接させることにより、これらの物質の安定化も期待される。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、請求項1に係る本発明について説明する。
請求項1に係る本発明のハーブ脂溶性成分のCD包接物の製造方法は、ハーブ植物体、その加工品又はハーブ脂溶性成分溶液、デンプン、及び脂質可溶性溶媒を含む混合物にCD合成酵素を加えて処理することを特徴とする。
ハーブ植物体とは、ハーブ植物の全体、又は一部を意味し、具体的には請求項2に記載するように、植物全体、或いは、葉部、茎部、花部、果実部及び/又は根部を意味する。ここで、ハーブ植物とは、ロシアンセージ、パイナップルセージ、オーデコロンミント、ベルガモット、アップルミント、レモングラス、オレガノ、レモン、ローズマリー、タイム、ラベンダー、カモミール、アルテミシアなど、ハーブ植物に分類される植物種のいずれも利用することができる。
ハーブ植物体の加工品としては、ハーブ脂溶性成分が含まれる原料であればどのような形態の加工品でも用いることができる。中でも、エタノール等の脂質可溶性溶媒によるハーブ脂溶性成分の抽出処理を効果的に行うため、請求項3に記載するように、ペースト、搾汁液(例えば、ハーブ汁、ハーブ茶抽出液)、粉末(例えば、乾燥粉末)若しくはその懸濁物、又は、顆粒若しくはその懸濁物が望ましい。
ハーブ脂溶性成分溶液とは、ハーブ植物体に含まれるハーブ脂溶性成分を適当な溶媒に溶解させた溶液を意味する。ハーブ脂溶性成分としては、請求項6に記載するように、カフェ酸、クロロゲン酸及び/又はロズマリン酸を挙げることができる。これらのハーブ脂溶性成分は、抗酸化作用をはじめとする生理作用を有すると共に、ハーブ特有のさわやかなハーブ風味を呈するものである。このようなハーブ脂溶性成分は、ハーブ含有カフェ酸抽出物、ハーブ含有クロロゲン酸抽出物、ハーブ含有ロズマリン酸抽出物等、ハーブから抽出したものであっても良いし、人工的に合成したもの(カフェ酸、クロロゲン酸及び/又はロズマリン酸の市販品)であっても良い。
また、溶媒としては、脂溶性成分が溶解することのできるものであれば制限はなく、何れであっても良く、例えば、エタノール、メタノール、アセトン、エーテル、ヘキサン等が挙げられる。これらの中ではエタノールが好ましい。
請求項1に係る本発明においては、原料としてハーブ植物体、その加工品又はハーブ脂溶性成分溶液のほかに、デンプン及び脂質可溶性溶媒、更にこれらの混合物に作用させるためのCD合成酵素を用いる。
デンプンの起源は問わず各種のものを任意に使用できるが、中でも、請求項7に記載するように、糊化デンプンが好ましい。
また、脂質可溶性溶媒とは、ハーブ植物体、その加工品又はハーブ脂溶性成分溶液からハーブ脂溶性成分を抽出することのできる溶媒を意味し、エタノールが挙げられる。この中で、ハーブ脂溶性成分の抽出の効率の点から、請求項4に記載するように、5〜40%(容量)エタノールが好ましい。更に、得られるCD包接物のハーブ風味の点から、特に20〜30%(容量)エタノールが好ましい。
尚、請求項5に記載するように、ハーブ脂溶性成分自体を原料とする場合には、ハーブ脂溶性成分及びデンプンの混合物にCD合成酵素を加えて、50〜65℃で24〜48時間振盪処理することにより、ハーブ脂溶性成分のサイクロデキストリン包接物を製造することができる。
すなわち、この場合には、脂質可溶性溶媒を使用しないで、代わりに水を用いた場合においても、目的とするCD包接物を得ることができる。
CD合成酵素としては、CGTaseが好適である。CGTaseの起源は特に限定されない。市販されているCGTaseの他、CGTase生産微生物の培養物等を粗酵素として使用することができる。尚、上述のようにデンプンとして糊化デンプンを用いる場合、耐熱性のCD合成酵素を用いることが好ましい。
CD合成酵素の使用量は、請求項8に記載するように、デンプン1g当たり0.1〜10THU(チルデン・ハドソン単位)が適当であるが、経済性等を考慮すると0.5〜1THUが好適である。
請求項1に係る本発明において、ハーブ植物体、その加工品又はハーブ脂溶性成分溶液、デンプン、及び脂質可溶性溶媒の混合物にCD合成酵素を加えて処理するにあたっての処理条件は、用いる原料等を考慮して適宜定めることができる。
まず、各原料の使用量については、脂質可溶性溶媒に対し、ハーブ植物体、その加工品又はハーブ脂溶性成分溶液が1〜10%、好ましくは3〜7%、デンプンが1〜10%、好ましくは3〜7%とすることができる。
反応温度は、CD合成酵素を用いる場合は、40〜60℃とすることが好ましく、耐熱性酵素を用いる場合は、50〜70℃(特に好ましくは65℃)とすることが好ましい。
反応時間は、12〜48時間、好ましくは24〜36時間が適当である。
また、処理は、振盪しながら行うことが好ましい。
尚、ハーブ脂溶性成分を用いる場合は、請求項5に記載するように、50〜65℃で24〜48時間とすることが好ましい。
このように、ハーブ植物体、その加工品又はハーブ脂溶性成分溶液、デンプン、及び脂質可溶性溶媒の混合物にCD合成酵素を加えて処理することにより、ハーブ植物体、その加工品又はハーブ脂溶性成分溶液に含まれる脂溶性成分が抽出され、デンプンと酵素の反応により生成したCDに包接される。
請求項1記載の本発明の製造方法においては、上記処理終了後に得られる懸濁液からハーブ脂溶性成分のCD包接物を得ることができる。例えば、懸濁液を5000〜10000回転/分、好ましくは9000回転/分で1〜30分間、好ましくは5〜10分間遠心分離等の固−液分離操作を行って上澄み液を得る。この上澄み液を、ハーブ脂溶性成分のCD包接物として用いることができる。
また、ハーブ脂溶性成分のCD包接物の乾燥物を得たい場合は、上記上澄み液をスプレイドライヤー等で150〜250℃の温度で乾燥することにより、ハーブ脂溶性成分のCD包接物の乾燥粉末を得ることができる。
このように、請求項1に係る本発明の製造方法によれば、従来のような複雑な工程、すなわち(1)有機溶媒によるハーブ脂溶性成分の抽出、(2)CD溶液とハーブ脂溶性成分を攪拌する、(3)乾燥する、という3工程を必要としないで、簡便な方法で目的とするハーブ脂溶性成分のCD包接物を製造することができる。
このようにして得られるハーブ脂溶性成分のCD包接物を提供するのが、請求項9に係る本発明である。
即ち、請求項9に係る本発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の方法により得られるハーブ脂溶性成分のCD包接物を提供するものである。
請求項9に係る本発明のCD包接物は、ハーブ脂溶性成分を豊富に含むため、抗酸化作用を有すると共に、ハーブ風味を呈するものである。更に、水溶性であるため、包接されるハーブ脂溶性成分の利用範囲を広げることができる。例えば食品、化粧品、医薬品等水溶性製品の分野において、幅広く利用することができる。このような食品、化粧品、医薬品を提供するのが、請求項10〜11に係る本発明である。
即ち、請求項10に係る本発明は、請求項9記載のハーブ脂溶性成分のCD包接物を含有する食品を提供するものである。また、請求項11に係る本発明は、請求項9記載のハーブ脂溶性成分のCD包接物を含有する化粧品又は医薬品を提供するものである。
請求項10に係る本発明の食品としては、例えば飲料、菓子が挙げられる。食品中に占めるハーブ脂溶性成分のCD包接物の含有割合は、食品の種類によって異なり一概に規定できないが、一般に0.01〜5.0%、好ましくは0.1〜3.0%の範囲とすることができる。
請求項11に係る本発明の化粧品又は医薬品に占めるハーブ脂溶性成分のCD包接物の含有割合は、化粧品や医薬品の種類によって異なり一概に規定できないが、一般に0.01〜5.0%、好ましくは0.1〜3.0%の範囲とすることができる。
請求項10に係る本発明の食品や、請求項11に係る本発明の化粧品又は医薬品は、色素や香料等の揮発性物質が含まれている食品等である場合、ハーブ脂溶性成分とともにCDに包接することにより、安定化することも期待できる。
以下に、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〔ハーブ脂溶性成分溶液〕
ハーブ脂溶性成分溶液5ml、馬鈴薯デンプン5gとCGTase(コンチザイム:天野エンザイム社製)をデンプン1g当たり1THU加えたものに、所定濃度のエタノール溶液を加えて全量を100mlとし、これを60℃で24時間振盪しながら反応させた。
反応終了後、懸濁液を9000回転/分で10分間遠心分離して約80mlの上澄み液を得た。これを、凍結乾燥させ、ハーブ脂溶性成分のCD包接物の乾燥粉末を得た。この乾燥粉末は、水溶性であった。
この反応によって生成したCD量を、エタノールの濃度を基準として測定した。
即ち、ハーブ脂溶性成分のCD包接物0.1gを1mlの蒸留水で溶かし、これを測定試料として、CD組成をHPLCで測定した。測定条件は、カラム:Wakosil 5NH2(φ4mm×250mm、和光純薬社製)、移動層:水/アセトニトリル=40/60、流速:0.8ml/分、カラム温度:25℃、検出器:RID−10A(島津製作所製)、ポンプ:LC10AD(島津製作所製)である。結果を表1に示す。
Figure 0004288478
表1から明らかなように、エタノール濃度が高くなるにしたがってCD量は減少しており、エタノール濃度が40%を超えると、CDは生成されない。なお、エタノール濃度が50%の場合は上澄みが得られなかった。
次に、ハーブ脂溶性成分のCD包接物には、ハーブ脂溶性成分として、クロロゲン酸、カフェ酸、ロズマリン酸が含まれていることが分かったので、これらの含有量を次の方法で測定した。
ハーブ脂溶性成分のCD包接物3gにアセトン50mlを加え、室温にて30分間の振盪による成分の抽出を2回行った。抽出した試料のアセトンを遠心分離機(3000回転5分間で固液分離)を行い、上澄みを回収した。得られた上澄みアセトン抽出液からエバポレーターでアセトンを留去し、メタノール2mlで試料を溶解してHPLC分析試料とした。
HPLC分析条件は、カラム:Mightysil RP-18 GP(φ4.6mm×250mm,関東化学社製)、移動層:アセトニトリル:蒸留水:酢酸=8:2:1、流速:1ml/分、カラム温度:40℃、UV検出波長(280nm)、UV検出器:SPD−10AV(島津製作所製)、HPLCポンプ:LC10AD(島津製作所製)である。各成分について、標準品としてシグマ社の試薬を用いて検量線を作成し、面積により定量した。測定した結果得られた各ハーブ脂溶性成分の含有量を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表2に示す。尚、表2中、各ハーブ脂溶性成分の含有量の単位はmg/gである。
Figure 0004288478
表2から、クロロゲン酸、カフェ酸及びロズマリン酸の含有量は、エタノール溶液のエタノール濃度が高くなるに従い増加する傾向にあることが分かる。
表1の結果と併せて考えると、本発明のCD包接物の製造方法においては、エタノール濃度を適切な範囲に調整することが重要であり、10〜40%が好適であることが明らかとなった。
また、得られたCD包接物について、抗酸化性成分の濃度を、安定なラジカルであるジフェニルピクリルヒドラジル(以下、DPPHと称することがある。)を消去する能力により求めた。すなわち、ハーブ脂溶性成分のCD包接物1gを80%エタノール溶液8mlで振盪抽出(試験管ミキサーで1分間振盪)した後、遠心分離(3000回転/分、5分間)して上澄みを回収する操作を2回繰り返した。上澄みを集め、全容を25mlとし抽出試料とした。この試料2mlに蒸留水1.2mlと50%エタノール溶液0.8mlを加え、この測定用試料(0〜300μl)を200μM DPPH300μlと反応させ、520nmの吸光度を測定し、試料無添加の吸光度を100%として試料のDPPH消去能を算出した。表3は、抗酸化性成分の濃度(pmol/g)を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に示したものである。尚、表3中の抗酸化性成分の濃度は、抗酸化剤Troloxの相当量で示したものである。
Figure 0004288478
表3から分かるように、ハーブ脂溶性成分のCD包接物には、抗酸化性成分が含まれ、その濃度は、製造時に添加するエタノール溶液が高濃度であるほど高いものであった。
表2の結果と併せて考えると、ハーブ脂溶性成分が抗酸化性成分としての機能を発揮していることが明らかである。
実施例2〔ロシアンセージ乾燥粉末〕
ハーブ脂溶性成分溶液の代わりにロシアンセージ乾燥粉末5gを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、CD包接物の乾燥粉末を得た。生成したCD量を、エタノールの濃度を基準として測定した結果を表4に示す。また、得られたCD包接物に含まれるクロロゲン酸、カフェ酸、ロズマリン酸の含有量を測定した。各ハーブ脂溶性成分の含有量(mg/g)をエタノールの濃度別に表5に示す。
Figure 0004288478
Figure 0004288478
表4から明らかなように、エタノール濃度が高くなるにしたがってCD量は減少しており、エタノール濃度が40%を超えると、CDは生成されない。
また、表5から、クロロゲン酸、カフェ酸及びロズマリン酸の含有量は、エタノール溶液のエタノール濃度が高くなるに従い増加する傾向にあることが分かる。表4の結果と併せて考えると、本発明のCD包接物の製造方法においては、エタノール濃度を適切な範囲に調整することが重要であり、10〜40%が好適であることが明らかとなった。
更に、得られたCD包接物について、抗酸化性成分の濃度を実施例1と同様にして測定した。得られた抗酸化性成分の濃度(pmol/g)を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表6に示す。
Figure 0004288478
表6から分かるように、本実施例2において生産したCD包接物には、抗酸化性成分が含まれ、その濃度は、製造時に添加するエタノール溶液が高濃度であるほど高いものであった。表5の結果と併せて考えると、ハーブ脂溶性成分が抗酸化性成分としての機能を発揮していることが明らかである。
更に、本実施例2において生産したCD包接物の乾燥粉末のハーブ風味を官能検査で確認した。官能検査の評価は、香りが、生のロシアンセージに比べて非常に弱い場合を−−、弱い場合を−、普通の場合を○、強い場合を+、非常に強い場合を++として行った。その結果を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表7に示す。
Figure 0004288478
表7より、製造時に添加するエタノール溶液が高濃度であるほど強いハーブ風味を呈することが明らかとなった。
実施例3〔パイナップルセージ乾燥粉末〕
ハーブ脂溶性成分溶液の代わりにパイナップルセージ乾燥粉末5gを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、CD包接物の乾燥粉末を得た。生成したCD量を、エタノールの濃度を基準として測定した結果を表8に示す。また、得られたCD包接物に含まれるクロロゲン酸、カフェ酸、ロズマリン酸の含有量を測定した。各ハーブ脂溶性成分の含有量(mg/g)をエタノールの濃度別に表9に示す。
Figure 0004288478
Figure 0004288478
表8から明らかなように、エタノール濃度が高くなるにしたがってCD量は減少しており、エタノール濃度が40%を超えると、CDは生成されない。
また、表9から、クロロゲン酸、カフェ酸、及びロズマリン酸の含有量は、エタノール濃度が高くなるに従い増加する傾向にあることが分かる。表8の結果と併せて考えると、本発明のCD包接物の製造方法においては、エタノール濃度を適切な範囲に調整することが重要であり、10〜40%が好適であることが明らかとなった。
更に、得られたCD包接物について、抗酸化性成分の濃度を実施例1と同様にして測定した。得られた抗酸化性成分の濃度(pmol/g)を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表10に示す。
Figure 0004288478
表10から分かるように、本実施例3において生産したCD包接物には、抗酸化性成分が含まれ、その濃度は、製造時に添加するエタノール溶液が高濃度であるほど高いものであった。表9の結果と併せて考えると、ハーブ脂溶性成分が抗酸化性成分としての機能を発揮していることが明らかである。
更に、本実施例3において生産したCD包接物の乾燥粉末のハーブ風味を官能検査で確認した。官能検査の評価は、香りが、生のパイナップルセージに比べて非常に弱い場合を−−、弱い場合を−、普通の場合を○、強い場合を+、非常に強い場合を++として行った。その結果を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表11に示す。
Figure 0004288478
表11より、製造時に添加するエタノール溶液が高濃度であるほど強いハーブ風味を呈することが明らかとなった。
実施例4〔オーデコロンミント乾燥粉末〕
ハーブ脂溶性成分溶液の代わりにオーデコロンミント乾燥粉末5gを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、CD包接物の乾燥粉末を得た。生成したCD量を、エタノールの濃度を基準として測定した結果を表12に示す。また、得られたCD包接物に含まれるクロロゲン酸、カフェ酸、ロズマリン酸の含有量を測定した。各ハーブ脂溶性成分の含有量(mg/g)をエタノールの濃度別に表13に示す。
Figure 0004288478
Figure 0004288478
表12から明らかなように、エタノール濃度が高くなるにしたがってCD量は減少しており、エタノール濃度が40%を超えると、CDは生成されない。
また、表13から、クロロゲン酸、カフェ酸及びロズマリン酸の含有量は、エタノール濃度が高くなるに従い増加する傾向にあることが分かる。表12の結果と併せて考えると、本発明のCD包接物の製造方法においては、エタノール濃度を適切な範囲に調整することが重要であり、10〜40%が好適であることが明らかとなった。
更に、得られたCD包接物について、抗酸化性成分の濃度を実施例1と同様にして測定した。得られた抗酸化性成分の濃度(pmol/g)を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表14に示す。
Figure 0004288478
表14から分かるように、本実施例4において生産したCD包接物には、抗酸化性成分が含まれ、その濃度は、製造時に添加するエタノール溶液が高濃度であるほど高いものであった。 表13の結果と併せて考えると、ハーブ脂溶性成分が抗酸化性成分としての機能を発揮していることが明らかである。
更に、本実施例4において生産したCD包接物の乾燥粉末のハーブ風味を官能検査で確認した。官能検査の評価は、香り及び辛みのそれぞれについて、生のオーデコロンミントに比べて非常に弱い場合を−−、弱い場合を−、普通の場合を○、強い場合を+、非常に強い場合を+として行った。その結果を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表15に示す。
Figure 0004288478
表15より、製造時に添加するエタノール溶液が高濃度であるほど強いハーブ風味を呈することが明らかとなった。
実施例5〔ベルガモット乾燥粉末〕
ハーブ脂溶性成分溶液の代わりにベルガモット乾燥粉末5gを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、CD包接物の乾燥粉末を得た。生成したCD量を、エタノールの濃度を基準として測定した結果を表16に示す。また、得られたCD包接物に含まれるクロロゲン酸、カフェ酸、ロズマリン酸の含有量を測定した。各ハーブ脂溶性成分の含有量(mg/g)をエタノールの濃度別に表17に示す。
Figure 0004288478
Figure 0004288478
表16から明らかなように、エタノール濃度が高くなるにしたがってCD量は減少しており、エタノール濃度が40%を超えると、CDは生成されない。
また、表17から、クロロゲン酸、カフェ酸、ロズマリン酸の含有量は、エタノール濃度が高くなるに従い増加する傾向にあることが分かる。表16の結果と併せて考えると、本発明のCD包接物の製造方法においては、エタノール濃度を適切な範囲に調整することが重要であり、10〜40%が好適であることが明らかとなった。
更に、得られたCD包接物について、抗酸化性成分の濃度を実施例1と同様にして測定した。得られた抗酸化性成分の濃度(pmol/g)を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表18に示す。
Figure 0004288478
表18から分かるように、本実施例5において生産したCD包接物には、抗酸化性成分が含まれ、その濃度は、製造時に添加するエタノール溶液が高濃度であるほど高いものであった。表17の結果と併せて考えると、ハーブ脂溶性成分が抗酸化性成分としての機能を発揮していることが明らかである。
更に、本実施例5において生産したCD包接物の乾燥粉末のハーブ風味を官能検査で確認した。官能検査の評価は、香りが、生のベルガモットに比べて非常に弱い場合を−−、弱い場合を−、普通の場合を○、強い場合を+、非常に強い場合を++として行った。その結果を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表19に示す。
Figure 0004288478
表19より、製造時に添加するエタノール溶液が高濃度であるほど強いハーブ風味を呈することが明らかとなった。
実施例6〔アップルミント乾燥粉末〕
ハーブ脂溶性成分溶液の代わりにアップルミント乾燥粉末5gを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、CD包接物の乾燥粉末を得た。生成したCD量を、エタノールの濃度を基準として測定した結果を表20に示す。また、得られたCD包接物に含まれるクロロゲン酸、カフェ酸、ロズマリン酸の含有量を測定した。各ハーブ脂溶性成分の含有量(mg/g)をエタノールの濃度別に表20に示す。
Figure 0004288478
Figure 0004288478
表20から明らかなように、エタノール濃度が高くなるにしたがってCD量は減少しており、エタノール濃度が40%を超えると、CDは生成されない。
また、表21から明らかなように、クロロゲン酸、カフェ酸、ロズマリン酸の含有量は、エタノール濃度が高くなるに従い増加する傾向にあることが分かる。表20の結果と併せて考えると、本発明のCD包接物の製造方法においては、エタノール濃度を適切な範囲に調整することが重要であり、10〜40%が好適であることが明らかとなった。
更に、得られたCD包接物について、抗酸化性成分の濃度を実施例1と同様にして測定した。得られた抗酸化性成分の濃度(pmol/g)を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表22に示す。
Figure 0004288478
表22から分かるように、本実施例6において生産したCD包接物には、抗酸化性成分が含まれ、その濃度は、製造時に添加するエタノール溶液が高濃度であるほど高いものであった。 表21の結果と併せて考えると、ハーブ脂溶性成分が抗酸化性成分としての機能を発揮していることが明らかである。
更に、本実施例6において生産したCD包接物の乾燥粉末のハーブ風味を官能検査で確認した。官能検査の評価は、香りが、生のアップルミントに比べて非常に弱い場合を−−、弱い場合を−、普通の場合を○、強い場合を+、非常に強い場合を++として行った。その結果を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表23に示す。
Figure 0004288478
表23より、製造時に添加するエタノール溶液が高濃度であるほど強いハーブ風味を呈することが明らかとなった。
実施例7〔レモングラス乾燥粉末〕
ハーブ脂溶性成分溶液の代わりにレモングラス乾燥粉末5gを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、レモングラス成分のCD包接物の乾燥粉末を得た。生成したCD量を、エタノールの濃度を基準として測定した結果を表24に示す。また、得られたCD包接物に含まれるクロロゲン酸、カフェ酸、ロズマリン酸の含有量を測定した。各ハーブ脂溶性成分の含有量(mg/g)をエタノールの濃度別に表25に示す。
Figure 0004288478
Figure 0004288478
表24から明らかなように、エタノール濃度が高くなるにしたがってCD量は減少しており、エタノール濃度が40%を超えると、CDは生成されない。
また、表25から、クロロゲン酸、カフェ酸、ロズマリン酸の含有量は、エタノール濃度が高くなるに従い増加する傾向にあることが分かる。表24の結果と併せて考えると、本発明のCD包接物の製造方法においては、エタノール濃度を適切な範囲に調整することが重要であり、10〜40%が好適であることが明らかとなった。
更に、得られたCD包接物について、抗酸化性成分の濃度を実施例1と同様にして測定した。得られた抗酸化性成分の濃度(pmol/g)を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表26に示す。
Figure 0004288478
表26から明らかなように、本実施例7において生産したCD包接物には、抗酸化性成分が含まれ、その濃度は、製造時に添加するエタノール溶液が高濃度であるほど高いものであった。表25の結果と併せて考えると、ハーブ脂溶性成分が抗酸化性成分としての機能を発揮していることが明らかである。
更に、本実施例7において生産したCD包接物の乾燥粉末のハーブ風味を官能検査で確認した。官能検査の評価は、香りが、生のレモングラスに比べて非常に弱い場合を−−、弱い場合を−、普通の場合を○、強い場合を+、非常に強い場合を++として行った。その結果を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表27に示す。
Figure 0004288478
表27より、製造時に添加するエタノール溶液が高濃度であるほど強いハーブ風味を呈することが明らかとなった。
実施例8〔レモングラスペーストの絞り粕乾燥粉末〕
ハーブ脂溶性成分溶液の代わりにレモングラスペーストの絞り粕乾燥粉末5gを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、レモングラスペーストの絞り粕成分のCD包接物の乾燥粉末を得た。生成したCD量を、エタノールの濃度を基準として測定した結果を表28に示す。また、得られたCD包接物に含まれるクロロゲン酸、カフェ酸、ロズマリン酸の含有量を測定した。各ハーブ脂溶性成分の含有量(mg/g)をエタノールの濃度別に表29に示す。
Figure 0004288478
Figure 0004288478
表28から明らかなように、エタノール濃度が高くなるにしたがってCD量は減少しており、エタノール濃度が40%を超えると、CDは生成されない。
また、表29から、クロロゲン酸、カフェ酸及びロズマリン酸の含有量は、エタノール濃度が高くなるに従い増加する傾向にあることが分かる。表28の結果と併せて考えると、本発明のCD包接物の製造方法においては、エタノール濃度を適切な範囲に調整することが重要であり、10〜40%が好適であることが明らかとなった。
更に、得られたCD包接物について、抗酸化性成分の濃度を実施例1と同様にして測定した。尚、実施例1の方法において、上澄みのほかに沈殿についても測定した。エタノール濃度が50%の場合は、上澄みが得られなかったため、沈殿のみについて測定した。得られた抗酸化性成分の濃度(pmol/g)を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表30に示す。
Figure 0004288478
表30から分かるように、本実施例8において生産したCD包接物には、抗酸化性成分が含まれ、その濃度は、製造時に添加するエタノール溶液が高濃度であるほど高いものであった。表29の結果と併せて考えると、ハーブ脂溶性成分が抗酸化性成分としての機能を発揮していることが明らかである。
更に、本実施例8において生産したCD包接物の乾燥粉末のハーブ風味を官能検査で確認した。官能検査の評価は、香りが、レモングラスペーストの絞り粕に比べて非常に弱い場合を−−、弱い場合を−、普通の場合を○、強い場合を+、非常に強い場合を++として行った。その結果を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表31に示す。
Figure 0004288478
表31より、製造時に添加するエタノール溶液が高濃度であるほど強いハーブ風味を呈することが明らかとなった。
実施例9〔ハーブ含有ロズマリン酸抽出物〕
ハーブ脂溶性成分溶液の代わりにハーブ含有ロズマリン酸抽出物(和光純薬製)5mlを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、ハーブ含有ロズマリン酸抽出物の乾燥粉末を得た。生成したCD量を、エタノールの濃度を基準として測定した結果を表32に示す。また、得られたCD包接物に含まれるロズマリン酸の含有量を測定した。ロズマリン酸の含有量(mg/g)をエタノールの濃度別に表32に示す。
Figure 0004288478
Figure 0004288478
表32から明らかなように、エタノール濃度が高くなるにしたがってCD量は減少しており、エタノール濃度が40%を超えると、CDは生成されない。
また、表33から、ロズマリン酸の含有量は、エタノール濃度が高くなるに従い増加する傾向にあることが分かる。表32の結果と併せて考えると、本発明のCD包接物の製造方法においては、エタノール濃度を適切な範囲に調整することが重要であり、10〜40%が好適であることが明らかとなった。
更に、得られたCD包接物について、抗酸化性成分の濃度を実施例1と同様にして測定した。得られた抗酸化性成分の濃度(pmol/g)を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表34に示す。
Figure 0004288478
表34から分かるように、本実施例9において生産したCD包接物には、抗酸化性成分が含まれ、その濃度は、製造時に添加するエタノール溶液が高濃度であるほど高いものであった。 表32の結果と併せて考えると、ハーブ脂溶性成分が抗酸化性成分としての機能を発揮していることが明らかである。
実施例10〔菓子〕
グラニュー糖10gとゲル化剤5gを混合し、水100mlを加えて90℃に加熱撹拌した。混合液を75℃まで冷却し、実施例6で得られたハーブ(アップルミント)脂溶性成分のCD包接物(20%、30%、40%エタノール溶液を用いたもの)0.18g(0.18%)と液状マルトース0.18gを加えて撹拌した。混合液を容器に注ぎ、85℃20分間加熱殺菌して、冷却することでゲル化させ、ハーブ(アップルミント)脂溶性成分のCD包接物入り菓子を製造した。
製造したハーブ(アップルミント)脂溶性成分のCD包接物入り菓子に含まれる、クロロゲン酸、カフェ酸、ロズマリン酸の含有量を測定した。各ハーブ脂溶性成分の含有量(mg/g)をエタノールの濃度別に表35に示す。
一方、対照として、CD包接物の代わりにアップルミント汁2.0gを用いたこと以外は同様に製造したアップルミント汁入り菓子についても、クロロゲン酸、カフェ酸、ロズマリン酸の含有量を測定した。結果を表35に示す。
Figure 0004288478
表35から明らかなように、ハーブ汁入り菓子に比べて、CD包接物入り菓子は、エタノール濃度にかかわらずハーブ脂溶性成分を多く含んでいた。また、CD包接物入り菓子の中では、高濃度のエタノール溶液で抽出して得られるCD包接物を用いた方が、ハーブ脂溶性成分を多く含んでいることが分かる。
更に、CD包接物入り菓子のハーブ風味を官能検査で確認した。官能検査の評価は、香りが、ハーブ汁入り菓子に比べて非常に弱い場合を−−、弱い場合を−、普通の場合を○、強い場合を+、非常に強い場合を++として行った。その結果を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表36に示す。
Figure 0004288478
表36より、製造時に添加するエタノール溶液が高濃度であるほど強いハーブ風味を呈することが明らかとなった。また、ハーブ汁入り菓子の風味と比較して、製造時に添加するエタノール溶液の濃度は30%が好適であることが明らかとなった。
実施例11〔飲料〕
実施例6で得られたハーブ(アップルミント)脂溶性成分のCD包接物0.3gと蜂蜜5gを、水200mlと混合して容器に注ぎ、85℃20分間加熱殺菌して、冷却してハーブ(アップルミント)脂溶性成分のCD包接物入り飲料とした。
製造したハーブ(アップルミント)脂溶性成分のCD包接物入り飲料に含まれる、クロロゲン酸、カフェ酸、ロズマリン酸の含有量を測定した。各ハーブ脂溶性成分の含有量(mg/g)をエタノールの濃度別に表37に示す。
Figure 0004288478
表37から明らかなように、ハーブ(アップルミント)脂溶性成分のCD包接物入り飲料は、エタノール濃度にかかわらずハーブ脂溶性成分を多く含んでいた。また、高濃度のエタノール溶液で抽出して得られるCD包接物を用いた方が、ハーブ脂溶性成分を多く含んでいることが分かる。
更に、ハーブ(アップルミント)脂溶性成分のCD包接物入り飲料のハーブ風味を官能検査で確認した。官能検査の評価は、香りが、ハーブ茶抽出液(ハーブ園、唐傘ファームより入手)に比べて非常に弱い場合を−−、弱い場合を−、普通の場合を○、強い場合を+、非常に強い場合を++として行った。その結果を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表38に示す。
エタノール濃度が高いハーブ脂溶性成分のCD包接物を利用した飲料の方がハーブ成分を多く含んでいた。
Figure 0004288478
表38より、製造時に添加するエタノール溶液が高濃度であるほど強いハーブ風味を呈することが明らかとなった。また、ハーブ茶抽出物の風味と比較して、製造時に添加するエタノール溶液の濃度は20%以上30%未満が好適であることが明らかとなった。
実施例12〔化粧水〕
実施例4で得られたハーブ(オーデコロンミント)脂溶性成分のCD包接物1g、精製100ml、植物性グリセリン2g、無水エタノール5ml、及びクエン酸0.2mlと混合して容器に注ぎ、ハーブ(オーデコロンミント)脂溶性成分のCD包接物入り化粧水とした。
製造したハーブ(オーデコロンミント)脂溶性成分のCD包接物入り化粧水に含まれる、クロロゲン酸、カフェ酸、ロズマリン酸の含有量を測定した。各ハーブ脂溶性成分の含有量(mg/g)をエタノールの濃度別に表39に示す。
Figure 0004288478
表39から明らかなように、ハーブ(オーデコロンミント)脂溶性成分のCD包接物入り化粧水は、エタノール濃度にかかわらずハーブ脂溶性成分を多く含んでいた。また、高濃度のエタノール溶液で抽出して得られるCD包接物を用いた方が、ハーブ脂溶性成分を多く含んでいることが分かる。
更に、ハーブ(オーデコロンミント)脂溶性成分のCD包接物入り化粧水のハーブ風味を官能検査で確認した。官能検査の評価は、香りが非常に弱い場合を−−、弱い場合を−、普通の場合を○、強い場合を+、非常に強い場合を++として行った。その結果を、CD包接物製造時に添加するエタノールの濃度別に表40に示す。
Figure 0004288478
表40より、製造時に添加するエタノール溶液が高濃度であるほど強いハーブ風味を呈することが明らかとなった。また、ハーブ茶抽出物の風味と比較して、製造時に添加するエタノール溶液の濃度は20%以上30%未満が好適であることが明らかとなった。
比較例1〔市販ロズマリン酸、デンプン不使用、水抽出〕
ロズマリン酸(シグマ社製)0.1gとCD(商品名:デキシパール100、横浜国際バイオ研究所製)2gに水を加えて全量100mlとした混合物について、実施例9と同様に反応させてCD包接物の乾燥粉末約2gを得た。
得られたCD包接物中のロズマリン酸含量(mg/g)を、実施例1と同様の方法で測定した。結果を表41に示す。
比較例2〔市販ロズマリン酸、デンプン不使用〕
ロズマリン酸(シグマ社製)0.1gとCD(商品名:デキシパール100、横浜国際バイオ研究所製)2gに20%エタノール溶液を加えて全量100mlとした混合物について、実施例9と同様に反応させてCD包接物の乾燥粉末約2gを得た。
得られたCD包接物中のロズマリン酸含量(mg/g)を、実施例1と同様の方法で測定した。結果を表41に示す。
実施例13〔市販ロズマリン酸、水抽出〕
ロズマリン酸(シグマ社製)0.1gと糊化馬鈴薯デンプン5g及びCGTase(商品名:コンチザイム、天野製薬社製)をデンプン1g当たり1THU加えたものに水を加えて全量を100mlとした混合物について、実施例9と同様に反応させてCD包接物の乾燥粉末約2gを得た。
得られたCD包接物中のロズマリン酸含量(mg/g)を、実施例1と同様の方法で測定した。結果を表41に示す。
尚、表41には、前記実施例9で得られたCD包接物(製造時に30%エタノール溶液を添加したもの)のロズマリン酸含量を示す。
Figure 0004288478
表41から明らかなように、市販のロズマリン酸を用い、デンプンと共に、水で抽出した本実施例13で生産されたCD包接物は、実施例9のCD包接物より少ないものの、ロズマリン酸を多く含有していた。このことから、市販のロズマリン酸を用い、脂質可溶性溶媒の代わりに水を用いた場合においても、当該ハーブ脂溶性成分のCD包接物を製造できることが明らかとなった。
また、本実施例13で生産されたCD包接物には、デンプンを添加せずに水で抽出した比較例1のCD包接物や、デンプンを添加せずにエタノールで抽出した比較例2のCD包接物よりも多量にロズマリン酸が包接されていた。このことから、ハーブ脂溶性成分を多量に包接するCD包接物を得るためには、デンプンを添加する必要があることが明らかとなった。
本発明によれば、ハーブ植物体、その加工品又はハーブ脂溶性成分とデンプンとを原料として、脂質可溶性溶媒の存在下でCD合成酵素と反応させることにより、ハーブ脂溶性成分の抽出とCDの製造とを同時に行うことができ、ハーブ脂溶性成分を豊富に含有し、抗酸化作用を有すると共に、ハーブ風味を呈するCD包接物を効率良く製造することが可能となった。
しかも、ハーブ脂溶性成分として抽出されるハーブ脂溶性成分はCDに包接されることで水溶性となることから、得られたハーブ脂溶性成分CD包接物は、食品、化粧品、医薬品等幅広い水溶性製品に容易に添加し、利用することが可能となった。
さらに、本発明によれば、上述のようなハーブ脂溶性成分を豊富に包接するCD包接体を含有してなる食品、化粧品、医薬品も提供される。このような食品、化粧品、医薬品は、もともと含まれる色素や香料等揮発性物質をもCD中にハーブ脂溶性成分と共に包接させることにより、これらの物質の安定化も期待される。
本発明のハーブ脂溶性成分CD包接体の製造工程の1態様を示す。

Claims (10)

  1. ハーブ脂溶性成分であるカフェ酸、クロロゲン酸、又はロズマリン酸の抽出とサイクロデキストリンの製造とを同時に行い抗酸化作用を有する高水溶性のサイクロデキストリン包接物(CD包接物)を製造する方法であって、
    1)上記ハーブ脂溶性成分が含まれるハーブ植物体、該ハーブ脂溶性成分が含まれる原料であるハーブ植物体の加工品又は該ハーブ脂溶性成分を溶媒に溶解させた溶液、デンプン、及び脂質可溶性溶媒であるエタノールの混合物にサイクロデキストリン合成酵素であるCGTaseを加えて反応させ、デンプンと酵素の反応により生成したサイクロデキストリンであるCDに上記ハーブ脂溶性成分を包接させ、該CD包接物を反応の上澄みから得ること、2)その際に、上記脂質可溶性溶媒の濃度を調整して抗酸化性成分有するCD包接物を生産すること、3)それにより、抗酸化性成分としての機能を発揮する上記ハーブ脂溶性成分を含有し、抗酸化作用を有すると共に、ハーブ風味を呈する高水溶性のサイクロデキストリン包接物を製造すること、を特徴とするハーブ脂溶性成分のサイクロデキストリン包接物の製造方法。
  2. ハーブ植物体が、植物全体、或いは、葉部、茎部、花部、果実部及び/又は根部である、請求項1記載のサイクロデキストリン包接物の製造方法。
  3. ハーブ植物体の加工品が、ペースト、ペーストの絞り粕、搾汁液、粉末若しくはその懸濁物、又は、顆粒若しくはその懸濁物である、請求項1記載のサイクロデキストリン包接物の製造方法。
  4. 脂質可溶性溶媒の濃度を5−40%(容量)の範囲で調整して抗酸化成分有するCD包接物を生産する、請求項1記載のサイクロデキストリン包接物の製造方法。
  5. ハーブ脂溶性成分及びデンプンの混合物にサイクロデキストリン合成酵素を加えて、50〜65℃で24〜48時間振盪処理する、請求項1記載のサイクロデキストリン包接物の製造方法。
  6. デンプンが糊化デンプンである、請求項1記載のサイクロデキストリン包接物の製造方法。
  7. サイクロデキストリン合成酵素を、デンプン1g当たり0.1〜10THU用いる、請求項1又は5記載のサイクロデキストリン包接物の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法により得られたハーブ脂溶性成分のサイクロデキストリン包接物であって、上記ハーブ脂溶性成分を含有し、抗酸化作用を有し、ハーブ風味を呈する高水溶性サイクロデキストリン包接物。
  9. 請求項8記載のハーブ脂溶性成分のサイクロデキストリン包接物を含有する食品。
  10. 請求項8記載のハーブ脂溶性成分のサイクロデキストリン包接物を含有する化粧品又は医薬品。
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