JP6876325B2 - 保持安定化剤、保持安定化方法、乾燥ショウガ加工品及び乾燥ショウガ加工品の製造方法 - Google Patents

保持安定化剤、保持安定化方法、乾燥ショウガ加工品及び乾燥ショウガ加工品の製造方法 Download PDF

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本発明は、ジンゲロール及び/又はショウガオールの保持安定化剤、保持安定化方法、乾燥ショウガ加工品及び乾燥ショウガ加工品の製造方法に関する。
ショウガに含まれる辛味成分であるジンゲロール及び/又はショウガオールは、体を温める作用、炎症性サイトカイン抑制作用、肝細胞活性化作用等の様々な生理活性を有することが知られている(例えば、特許文献1、2)。ショウガオールは生のショウガ中には微量のみ存在しており、ジンゲロールから脱水反応により産生される。これまでに、ショウガ中のショウガオールの含有量を高めるための方法が検討されている(例えば、特許文献3、4)。
特開2008−106011号公報 特開2014−221735号公報 特開2008−79562号公報 特開2012−249553号公報
ジンゲロール及びショウガオールは、これらの成分を含む製品の製造工程において、例えば、流出、揮発、あるいは物理的又は化学的ダメージを受ける等して一部が失われ、最終製品において十分な量が残存していないことがある。
本発明は、ジンゲロール及び/又はショウガオールの低減を抑制することができる新規な剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、糖類にジンゲロール及び/又はショウガオールの低減を抑制する作用があることを新たに見出した。
すなわち本発明は、糖類を有効成分とする、6−ジンゲロール、8−ジンゲロール、10−ジンゲロール、6−ショウガオール、8−ショウガオール及び10−ショウガオールからなる群より選ばれる少なくとも1種の保持安定化剤を提供する。該保持安定化剤は、糖類を有効成分とすることにより、6−ジンゲロール、8−ジンゲロール、10−ジンゲロール、6−ショウガオール、8−ショウガオール及び10−ショウガオールからなる群より選ばれる少なくとも1種を保持安定化することができる。上記糖類は、スクロースであることが好ましい。
本発明はまた、対象物に糖類を配合する工程を含む、6−ジンゲロール、8−ジンゲロール、10−ジンゲロール、6−ショウガオール、8−ショウガオール及び10−ショウガオールからなる群より選ばれる少なくとも1種を保持安定化する方法を提供する。当該方法は、対象物に糖類を配合する工程を含むことにより、対象物中の6−ジンゲロール、8−ジンゲロール、10−ジンゲロール、6−ショウガオール、8−ショウガオール及び10−ショウガオールからなる群より選ばれる少なくとも1種の低減を抑制することができる。上記方法において、上記糖類がスクロースであることが好ましい。
本発明はまた、糖類含有液中でショウガ又はその加工品を65〜95℃で10分〜100時間加熱してショウガ又はその加工品に糖類を含浸させる工程を含む、乾燥ショウガ加工品の製造方法を提供する。ショウガ又はその加工品に糖を含浸させる工程を含むことにより、当該製造方法により得られる乾燥ショウガ加工品中の、6−ジンゲロール、8−ジンゲロール、10−ジンゲロール、6−ショウガオール、8−ショウガオール及び10−ショウガオールからなる群より選ばれる少なくとも1種の低減を抑制することができる。上記製造方法において、上記糖類がスクロースであることが好ましい。
本発明はまた、固形分全量に対して、糖類、0.1%以上の6−ジンゲロール及び0.007%以上の6−ショウガオールを含む、乾燥ショウガ加工品を提供する。当該乾燥ショウガ加工品は、糖類が配合されているため、当該加工品中の6−ジンゲロール及び6−ショウガオール量の低減が抑制されている。上記乾燥ショウガ加工品において、上記糖類がスクロースであることが好ましい。
本発明の保持安定化剤により、ジンゲロール及び/又はショウガオールの低減を抑制することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。本明細書において「%」は特に言及しない限り「質量%」を意味する。
<保持安定化剤>
本実施形態に係る保持安定化剤は、糖類を有効成分として含む。本実施形態に係る保持安定化剤は、6−ジンゲロール、8−ジンゲロール、10−ジンゲロール、6−ショウガオール、8−ショウガオール及び10−ショウガオールからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を保持安定化することができる。
6−ジンゲロール、8−ジンゲロール及び10−ジンゲロールは、下記一般式(1)においてそれぞれnが4、6、8である化合物である。以下、6−ジンゲロール、8−ジンゲロール及び10−ジンゲロールからなる群より選ばれる少なくとも1種を、まとめて単にジンゲロールともいう。
Figure 0006876325
6−ショウガオール、8−ショウガオール及び10−ショウガオールは、下記一般式(2)においてそれぞれnが4、6、8である化合物である。以下、6−ショウガオール、8−ショウガオール及び10−ショウガオールからなる群より選ばれる少なくとも1種を、まとめて単にショウガオールともいう。
Figure 0006876325
保持安定化剤の有効成分として用いることができる糖類としては、例えば、単糖類、二糖類、オリゴ糖、糖アルコール等が挙げられる。単糖類としては、例えば、グルコース、キシロース、ガラクトース、フラクトース、アラビノース、マンノース等が挙げられる。二糖類としては、例えば、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、トレハルロース、ラクツロース、セロビオース、スクラロース等が挙げられる。オリゴ糖は、グリコシド結合によって連結された3〜10の単糖単位を有する。オリゴ糖としては、例えば、マルトトリオース、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マンノオリゴ糖、グルコオリゴ糖等が挙げられる。糖アルコールとしては、例えば、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール、エリスリトール、還元水飴、イソマルチトール等が挙げられる。
糖類は、単糖類又は二糖類であることが好ましく、スクロースであることが好ましい。スクロースの形態は特に制限されず、例えば、上白糖、グラニュー糖、氷砂糖等であってよい。
本実施形態に係る保持安定化剤は、ジンゲロール及び/又はショウガオールを含む対象物に配合することにより、例えば加熱等の処理を経る間に、対象物中のジンゲロール及び/又はショウガオール量が低減することを抑制することができる。本実施形態に係る保持安定化剤は、対象物に加熱等の処理をする前に対象物に添加されていることが好ましい。対象物を更に加工して製品を製造する工程において、保持安定化剤の存在下で対象物に必要な処理を行うことにより、保持安定化剤を配合しない場合と比較して、ジンゲロール及び/又はショウガオールの量の低減を抑制することができる。
糖類がジンゲロール及び/又はショウガオールを保持安定化することができる理由としては、製品の製造工程においてジンゲロール及び/又はショウガオールが様々な処理に曝される間に糖類が共存することにより、糖類によるコーティング等が生じてジンゲロール及び/又はショウガオールが物理的及び/又は化学的に保護され、当該成分の揮発、流出、分解等が抑制されることによると考えられる。
ジンゲロール及び/又はショウガオールを含む対象物は、固体、液状、ペースト状等の形態であってよい。対象物は、例えば、ジンゲロール及び/又はショウガオールを含む、食品、化粧品、医薬品、医薬部外品又はこれらの原料であってよい。例えば、食品、化粧品、医薬品、医薬部外品等の製品を製造する工程において、これらの製品の原料に上記保持安定化剤を配合することにより、得られる製品中のジンゲロール及び/又はショウガオール量の低減を抑制することができる。製品の製造工程において対象物に対して行われる処理はどのようなものであってもよく、例えば、加熱、加圧、減圧、乾燥、保存等が挙げられる。本実施形態に係る保持安定化剤を用いて製造された製品は、製品中のジンゲロール及び/又はショウガオール量の低減が抑制されているため、これらの成分に基づく生理活性に優れる。
対象物としての食品は、食品の3次機能(体調調節機能)が強調されたものであってよい。食品の3次機能が強調された食品としては、例えば、健康食品、機能性食品、栄養組成物(nutritional composition)、栄養補助食品、サプリメント、保健用食品、特定保健用食品、栄養機能食品、又は機能性表示食品等が挙げられる。食品としては以下のようなものが挙げられ、これらの製造工程中の中間製品、又は最終製品に、上記保持安定化剤を混合して食品を得ることができる:コーヒー、ジュース及び茶飲料等の清涼飲料、乳飲料、乳酸菌飲料、ヨーグルト飲料、炭酸飲料、並びに、日本酒、洋酒、果実酒及びハチミツ酒等の酒などの飲料;カスタードクリーム等のスプレッド;フルーツペースト等のペースト;チョコレート、ドーナツ、パイ、シュークリーム、ガム、ゼリー、キャンデー、クッキー、ケーキ及びプリン等の洋菓子;大福、餅、饅頭、カステラ、あんみつ及び羊羹等の和菓子;アイスクリーム、アイスキャンデー及びシャーベット等の氷菓;カレー、牛丼、雑炊、味噌汁、スープ、ミートソース、パスタ、漬物、ジャム等の調理済みの食品;ドレッシング、ふりかけ、旨味調味料及びスープの素等の調味料。食品又はその原料は、例えばショウガまたはショウガの加工品であってよい。
対象物としての化粧品、医薬品又は医薬部外品は、例えば、溶液、乳液、軟膏、クリーム、ペースト、ゼリー、エアゾール、粉体、オイル、固形、フォーム等の形態であってよい。化粧品又は医薬部外品は、例えば、化粧水、洗顔料、乳液、クリーム、ジェル、エッセンス、美容液、パック、マスク、化粧油、軟膏等の基礎化粧品、ファンデーション、口紅、頬紅、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、おしろい等のメークアップ化粧品、洗顔料、マッサージ用剤、クレンジング用剤、アフターシェーブローション、プレシェーブローション、シェービングクリーム、ボディソープ、ボディクリーム、石けん、シャンプー、リンス、へアートリートメント、日焼けローション、日焼け止めローション、日焼けクリーム、日焼け止めクリーム、日焼けジェル、日焼け止めジェル、整髪料、へアートニック剤、育毛剤、制汗剤、入浴剤、マウスリンス、マウスウォッシュ等であってよい。
上記保持安定化剤は、対象物中のジンゲロール及びショウガオールの合計量に対して、例えば、10〜10000倍量で用いられてよく、100〜1000倍量で用いられることが好ましい。
<保持安定化方法>
上述のとおり、糖類には、ジンゲロール又はショウガオール量の低減を抑制する作用がある。したがって、本発明はまた、対象物に糖類を配合する工程を含む、6−ジンゲロール、8−ジンゲロール、10−ジンゲロール、6−ショウガオール、8−ショウガオール及び10−ショウガオールからなる群より選ばれる少なくとも1種を保持安定化する方法を提供する。本実施形態に係る保持安定化方法における糖類及び対象物の態様は、上述の保持安定化剤の場合と同様である。
<乾燥ショウガ加工品の製造方法>
本発明はまた、ショウガ又はショウガ加工品に糖類を含浸させる工程を含む、乾燥ショウガ加工品の製造方法を提供する。当該製造方法によって、ジンゲロール及び/又はショウガオールの低減が抑制され、より多くのジンゲロール及び/又はショウガオールが保持されている乾燥ショウガ加工品を得ることができる。
原料となるショウガは、ジンゲロール又はショウガオールが含まれる部分であれば、植物体としてのショウガ(Zingiber officinale)のどの部位であってもよく、例えば、根茎、芽等であってよい。用いるショウガの部位は根茎であることが好ましい。
乾燥ショウガ加工品の原料となるショウガ又はショウガ加工品は、生のショウガそのものであってよく、例えば、生のショウガに切断、粉砕、乾燥、加熱等の処理が行われたものであってもよい。乾燥ショウガ加工品の原料となるショウガ加工品は、生のショウガを切断したスライスであることが好ましい。
含浸に供されるショウガ又はショウガ加工品は、予めボイルされていてもよい。ショウガ又はショウガ加工品のボイルは、例えば、60〜90℃、又は70〜80℃で、10〜60分間、又は15〜25分間行うことができる。ボイルは複数回に分けて行ってもよい。
ショウガ又はショウガ加工品への糖類の含浸は、例えば、ショウガ又はショウガ加工品を、糖類含有液に浸すことにより行うことができる。当該製造方法における糖類は、上述の保持安定化剤における糖類と同様である。糖類含有液は、例えば、水、エタノール等の溶媒に糖類を溶解又は分散させた液であってよく、ショウガ圧搾液に糖類を溶解又は分散させた液であってもよい。糖類含有液における糖類濃度は、例えば、40〜90%であってよく、60〜85%であることが好ましく、70〜80%であることがより好ましい。
ショウガ又はショウガ加工品を糖類含有液に浸す場合、浸漬時間は例えば10〜30時間であってよく、12〜24時間であることが好ましく、15〜19時間であることがより好ましい。
糖類の含浸は、加熱しながら行ってもよく、減圧下又は加圧下で行ってもよい。糖類の含浸は、加熱しながら行うことが好ましい。加熱しながら糖類の含浸を行うことによって、より本発明の効果が発揮される。加熱を伴う糖類の含浸は、例えば、ショウガ又はショウガ加工品を投入した糖類含有液を加熱することによって行うことができる。加熱温度は、例えば50〜100℃であってよく、65〜95℃であることが好ましく、70〜90℃であることがより好ましく、75〜90℃であることが更に好ましい。含浸の際に加熱を行う場合、加熱時間は、例えば10分〜100時間であってよく、20分〜2時間であることが好ましく、15分〜30分であることがより好ましい。
なお、加熱しながら糖類の含浸を行う場合、加熱の際に、少なくとも加熱時間の後半において加熱を開放系で行うことによって水分量を徐々に減らし、糖類を含浸させたショウガ又はショウガ加工品を煮詰めることが好ましい。原料のショウガ又はショウガ加工品が水分を含む場合、糖類の含浸を行う過程で、糖類含有液にショウガの水分がしみ出し、糖類含有液の糖類濃度は低下する傾向にある。煮詰めた後の段階で、糖類含有液の糖度(Brix糖度)は、例えば50〜60°であってよい。含浸の際に加熱を行う場合、糖類含有液とともに加熱したショウガ又はショウガ加工品は、煮詰めた後の糖類含有液が残っていればそのままの状態で、常温でしばらくの間漬け込むことが好ましい。加熱後に常温で漬け込むことによって、よりジンゲロール及び/又はショウガオールの保持効果を高めるとともに、より均一に糖類が含浸された製品を得ることができる。
糖類を含浸させたショウガ又はショウガ加工品の乾燥方法としては、食品の製造における公知の乾燥方法を用いることができ、例えば、熱風乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥等が挙げられる。乾燥後の製品の水分は15%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、8%以下であることが更に好ましい。乾燥ショウガ加工品の形態としては、例えば、スライス、ダイス、粉末等であってよく、粉末を再成形したものであってもよい。スライスは、例えば厚さ1.6〜2.0mmであってよい。乾燥ショウガ加工品は、乾燥後に切断、粉砕等が行われたものであってもよい。
本実施形態に係る乾燥ショウガ加工品の製造方法によって得られる乾燥ショウガ加工品は、糖類が含浸され、かつ乾燥されていることにより、カビ等の発生が抑えられ、保存性に優れるという利点も有する。
<乾燥ショウガ加工品>
本発明はまた、ジンゲロール及び/又はショウガオール量が高く保持された、糖類を含有する乾燥ショウガ加工品を提供する。当該乾燥ショウガ加工品は、固形分全量に対して、0.1%以上の6−ジンゲロール、及び0.007%以上の6−ショウガオールを含有する。本実施形態に係る乾燥ショウガ加工品は、糖類を含有していることにより、原料のショウガに由来するジンゲロール、ショウガオール、及び当該ジンゲロールから変換されて生じたショウガオールの低減が抑制されている。また、当該乾燥ショウガ加工品は、保存性に優れる。本実施形態に係る乾燥ショウガ加工品は、例えば上述の乾燥ショウガ加工品の方法によって製造することができる。
乾燥ショウガ加工品中の6−ジンゲロールの量は、固形分全量に対して0.12%以上であることが好ましく、0.14%以上であることがより好ましい。乾燥ショウガ加工品中の6−ショウガオールの量は、固形分全量に対して0.009%以上であることが好ましく、0.012%以上であることがより好ましい。乾燥ショウガ加工品中の、6−ジンゲロール対6−ショウガオールの比は、例えば、100:1〜0.1:1、70:1〜1:1、50:1〜5:1、30:1〜10:1、20:1〜10.5:1であってよい。
乾燥ショウガ加工品中の糖類の量は、例えば、1〜90%、10〜80%、20〜70%であってよい。乾燥ショウガ加工品の水分量は、15%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、8%以下であることが更に好ましい。
乾燥ショウガ加工品中のar−クルクメン量は、例えば、0.0008%超、0.0015%超、0.005%超、0.01%超であってよく、0.01%以下、0.005%以下、0.0015%以下、0.0008%以下であってよい。
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[ショウガスライスの製造]
<実施例>
厚さ1.6mmにスライスした生のショウガ100gを300gの水に投入し、75℃で10分間ボイルした。水を替えて再度同様に75℃で10分間ボイルした。グラニュー糖146.1gを65.4gの水に投入し、85℃で50分間加熱して糖類を溶解し、糖液を得た。糖液に上記ボイルしたショウガを投入し、85℃で30分間加熱した後、糖液につけたままショウガを15〜18時間室温で置いた。その後、ショウガを糖液から引き上げて、乾熱滅菌器(アドバンテック STA420DA)を用いて110℃で2時間乾燥させた。得られた糖液含浸ショウガスライスを成分分析まで常温で保存した。
<比較例>
厚さ1.6mmにスライスした生のショウガ100gを300gの水に投入し、75℃で10分間ボイルした。水を替えて再度同様に75℃で10分間ボイルした。さらに、211.5gの水に上記ボイルしたショウガを投入し、85℃で30分間煮詰めた後、15〜19時間室温で置いた。ショウガを水から引き上げて乾熱滅菌器(アドバンテック STA420DA)を用いて110℃で2時間乾燥させた。得られたショウガスライスを成分分析まで常温で保存した。
[成分分析]
実施例及び比較例で得られたショウガスライスを約3×3mmに切り、250mL容のポリプロピレンボトルに、乾燥前のショウガ重量で10gになるように秤量した。100gの99%エタノールを上記ボトルに添加し、超音波発生器を用いてソニケーションを20分間行うことにより、辛味成分を抽出した。得られたエタノール抽出液について4000rpmで5分間遠心分離を行い、上清を回収した。残渣に再度100gの99%エタノールを添加して、ソニケーション、辛味成分の抽出及び遠心分離を再度行い、上清を回収した。回収した上清を1回目の抽出で得られた上清と混合し、混合物をろ過用フィルター(0.45μm孔径)に通し、ろ液を回収して高速液体クロマトグラフ分析に供した。
標準試薬としては、6−ショウガオール及び6−ジンゲロール(いずれも和光純薬)の混合物をメタノールに溶解した液を用いた。HPLC分析は、高速液体クロマトグラフィー(島津製作所社製)、C18逆相カラム(4.6×150mm、Cosmosil(登録商標)5C18−MS II、ナカライテスク製)を用い、A液として0.1%トリフルオロ酢酸、B液として100%アセトニトリルを用いた。測定条件は以下のとおりとした。下記の条件で分析した際の保持時間は、ジンゲロール26分、ショウガオール34分であった。
<高速液体クロマトグラフィー(HPLC)>
ガードカラム:ナカライテスク製 Cosmosil 5SL−II、4.6×10mm
カラム:ナカライテスク製 Cosmosil 5C18−MSII、4.6×250mm
移動層:A液:0.1%トリフルオロ酢酸含有水、B液:100%アセトニトリル
グラジエント条件:0→20分:A:B=70:30(v/v)→20:80(v/v)、20→30分:A:B=20:80(v/v)、30→35分:A:B=0:100(v/v)
検出波長:228nm
流速:1.0mL
カラム温度:40℃
ショウガスライス乾燥品1gに含まれる6−ショウガオール及び6−ジンゲロールの量をHPLCにて分析した結果、実施例で得られたショウガスライスでは、6−ショウガオール0.15mg、6−ジンゲロール1.60mgであったのに対し、比較例で得られたショウガチップでは、6−ショウガオール0.06mg、6−ジンゲロール0.98mgであった。糖液をショウガに含浸させることにより、ジンゲロール及びショウガオールの低減が抑制されることが示された。

Claims (2)

  1. スクロースを有効成分とする、6−ジンゲロール、8−ジンゲロール、及び10−ジンゲロールからなる群より選ばれる少なくとも1種、並びに、6−ショウガオール、8−ショウガオール及び10−ショウガオールからなる群より選ばれる少なくとも1種の保持安定化剤。
  2. 対象物にスクロースを配合する工程を含む、6−ジンゲロール、8−ジンゲロール、及び10−ジンゲロールからなる群より選ばれる少なくとも1種、並びに、6−ショウガオール、8−ショウガオール及び10−ショウガオールからなる群より選ばれる少なくとも1種を保持安定化する方法。
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