JP5906541B2 - ジンゲロール含有組成物 - Google Patents

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この発明は、ジンゲロールの化学変化、ならびにその化学変化に伴う機能性の低下が抑制されたジンゲロール含有組成物、該ジンゲロール含有組成物の製造方法、および該ジンゲロール含有組成物を含有する飲食品に関する。
ジンゲロールはショウガに含まれる機能性成分であり、抗酸化活性、抗ピロリ菌活性、血流上昇作用、脂肪細胞分化促進作用などが知られている。しかしながら、このジンゲロールは乾燥および加熱によってショウガオールに容易に変化し、結果として辛味刺激性が増加するため、安定した品質を保持することが困難である。それに対し、特許文献1には、ショウガ抽出物とプロトン補足物質との組み合わせにより、ジンゲロールのショウガオールに対する比率を安定させる発明が記載されている。また、特許文献2においては、含水エタノールに溶解したジンゲロールと糖類の熱処理物を組み合わせることにより、ジンゲロールの熱安定性、ならびに耐酸性を向上させる技術が示されている。
しかしながら、従来の方法でショウガをペースト化、あるいは飲食品に添加した際に、有効成分であるジンゲロールを高率で維持することは困難であった。また同時に、ジンゲロールの機能性を加工後に高率で保持することは困難であった。
特表2005−511641号公報 特開2008−056572号公報
この発明は、以上のような問題を解決することを目的とし、ジンゲロールの化学変化、ならびにその化学変化に伴う機能性の低下が抑制されたジンゲロール含有組成物、ジンゲロール含有組成物の製造方法、およびジンゲロール含有組成物を含有する飲食品を提供することを課題とする。
前記課題を解決すべく検討を重ねたところ、ジンゲロール含有物に対して所定量のβ-グルカンを配合することにより、ジンゲロールの化学変化、ならびにその化学変化に伴う機能性の低下が抑制されたジンゲロール含有組成物が製造できることを見出し、この発明を完成するに至った。すなわち、前記課題を解決するため、この発明は次のような技術的手段を講じている。
この発明の組成物は、ジンゲロールを含有するショウガ又は加工されたショウガの重量が1に対してβ-グルカンの重量が1.5以上100以下配合され、前記ショウガ又は前記加工されたショウガと前記β−グルカンのみからなり、沸騰水中で30分間加熱処理がされたとき、前記加熱処理がされなかったときに比べて、前記ジンゲロールが72%以上残存していることを特徴とするジンゲロール含有組成物である。
また、前記加工されたショウガが、ショウガの乾燥品であることを特徴とする前記のジンゲロール含有組成物である。
また、前記ショウガ又は前記加工されたショウガと前記β−グルカンとが混合された混合物を、前記ショウガ又は前記加工されたショウガに含有されるジンゲロールとβ−グルカンを均一に分散し安定に懸濁させる工程を有することを特徴とする前記のジンゲロール含有組成物の製造方法である。
また、上記のいずれかに記載のジンゲロール含有組成物を含有していることを特徴とする飲食品である。
この発明では、ジンゲロール含有物に対して所定量のβ-グルカンを配合することにより、従来のジンゲロール含有組成物における問題点であった、ジンゲロールの化学変化、ならびにその化学変化に伴う機能性の低下が抑制されたジンゲロール含有組成物が得られる。これにより、品質に優れたジンゲロール含有組成物を提供できるようになる。また、このジンゲロール含有組成物を飲食物に利用することで、ジンゲロールに起因する機能性を飲食品においても発揮させることができるようになる。
ジンゲロールの化学的変化に関する説明図である。 実施例1に関する抗酸化活性試験の結果の図表である。 実施例1に関する糖尿病モデルマウスに対する試験の結果のグラフである。 実施例2,3に関するジンゲロール量の分析結果の図表である。 実施例2,3に関する抗酸化活性試験の結果の図表である。 実施例2に関する抗ピロリ菌性試験の結果のグラフである。
一般に、ジンゲロールは、図1に示すように、乾燥や加熱に伴う脱水反応によってショウガオールに化学変化し、さらなる加工によって分解すると考えられている。一方、β-グルカンは食物繊維の一種であり、増粘安定剤であるとともに、すぐれた保湿剤でもある。ジンゲロールの化学変化を抑制するためには、乾燥や加熱による同成分含有物の脱水を抑制することが必要であり、高い保湿効果を示すβ-グルカンの添加が有効であると考えられ、特にジンゲロール含有物に対して所定量のβ−グルカンを含有することが有用であることを見出した。
すなわち、本願発明の組成物は、ジンゲロール含有物の重量が1に対してβ-グルカンの重量が1.5以上100以下配合されたことを特徴とするものである。このため、熱により加工された場合のジンゲロールの化学変化、および、飲食品に利用された場合のジンゲロールの化学変化、ならびにその化学変化に伴う機能性の低下が抑制されるという効果を発揮する。
本願発明のβ‐グルカンは、Aureobasidium pullulans (通称、黒酵母) 由来のβ-1,3-1,6-グルカンが好ましく、固形物であっても水溶液であってもよい。
β‐グルカンの配合重量は、ジンゲロール含有物の重量1に対して、1.5以上100以下が好ましく、1.8以上80以下がより好ましく、2以上50以下が最も好ましい。β‐グルカンの配合重量が、ジンゲロール含有物の重量1に対して、1.5未満であると、ジンゲロールのショウガオールへの化学変化を抑制することができないために好ましくない。一方、β‐グルカンの配合重量が、ジンゲロール含有物の重量1に対して、100よりも多いと飲食品が粘稠状となるなど飲食品の物性に大きな変化をもたらすので好ましくない。
また、本願発明のジンゲロールは、ショウガ等に含有される有機化合物であり、6−ジンゲロール、8−ジンゲロール、10−ジンゲロール等である。このジンゲロールは、ショウガ等に含有される天然物であるか、又は、有機化学的に合成された合成品であるかは限定されない。
本願発明におけるジンゲロール含有物としては、ジンゲロールを含有する原料であればどのような形態の原材料、又は、加工品でも用いることができる。特に、ショウガ、又は乾燥などの方法により加工されたショウガであれば、より好ましい。加工されたショウガについての加工方法は、特に限定するものではないが、スライスして乾燥する方法、粉砕し粉末化する方法、搾状したのちに冷凍する方法、又は、これらの組合せた方法などである。例えば、乾燥ショウガについては、真空凍結乾燥品、熱風乾燥品、冷風乾燥品などが挙げられる。また、ショウガの形態については、小片に粉砕したもの、さらに細かく粉砕して粉末状としたものなど種々使用することができる。ショウガの産地、品種、栽培方法、貯蔵条件等を限定するものではない。さらに、新ショウガ、土ショウガ、囲いショウガ、谷中ショウガ、ハジカミショウガのいずれかを限定するものでもない。部位は根茎、芽、茎、葉などが使用可能である。また、ジンゲロール含有物に含有されるジンゲロールは、0.04〜5重量%の範囲であることが好ましい。消費者が天然物を原材料とする食品を所望する傾向があることから、天然物、又は、天然物を加工した物に含有される濃度だからである。
本願発明のジンゲロール含有組成物の製造方法としては、次の方法によるものである。すなわち、乾燥させたショウガとβ‐グルカンとを前述の配合重量となるように混合し、この混合物を、ショウガに含有されるジンゲロールとβ−グルカンを均一に分散し安定に懸濁させる工程を有する方法である。例えば、ショウガに含有されるジンゲロールとβ−グルカンを均一に分散し安定に懸濁させるとして、高速で乳化を行う方法として知られているホモジナイズ処理方法や、このホモジナイズ処理を真空条件下で行う方法などが好ましい。そして、ホモジナイズ処理などの方法によりジンゲロールとβ−グルカンとが均一に分散して双方が互いに分離しないようにして得られたジンゲロール含有組成物は、加工後のジンゲロールの化学変化、ならびにその化学変化に伴う機能性の低下が抑制され、高い品質を維持することが可能である。
本願発明のジンゲロール含有組成物を含有してなる飲食品としては、例えば、乳製品、スープ、米飯加工品、高齢者用食品などが好ましいが、これらの例に限定されるものではない。
以下、本願発明の実施の形態を具体的な実施例に基づいて説明する。ただし、本願発明は本実施例に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。
なお、ジンゲロール含有組成物中、ならびに飲食品中の6−ジンゲロール、8−ジンゲロール、10−ジンゲロール、6−ショウガオールの各含量は以下に示す条件で測定した。各成分の標準品はSigma社製のものを使用した。高速液体クロマトグラフ(HPLC)装置条件の詳細は下記の通りである。
カラム :Zorbax Eclipse Plus C18 Rapid Resolution HT 600 bar(3μm、50 mm×3.0 mmI.D.、アジレント製)、カラム温度 :30℃、溶媒A :0.05%トリフルオロ酢酸を含む30%アセトニトリル水溶液、溶媒B :0.05%トリフルオロ酢酸を含む90%アセトニトリル水溶液、グラジエント条件 :A%100(0分)→65(0.5分)→25(4分)→0(5分)、流速:0.5 mL/min、注入量 :1 μL、検出波長:228 nm。
実施例1として、パウダー状にしたショウガの乾燥品重量1に対して重量2、3、4、5、10のβ-グルカン(具体的にはショウガの乾燥品10 gに対してβ-グルカン20、30、40、50、100 g)を混合し、ガラス棒にて軽く撹拌し、さらにホモジナイズ処理 (10,000 rpm、3〜5分間) し、ペースト状のジンゲロール含有組成物を製造した。前記ショウガの乾燥品は、高知県産のショウガの品種「土佐光」を水洗、皮むき、スライスして1日冷凍し、2〜3日乾燥させた後、粉砕してパウダー状にしたものである。
〔ジンゲロール含有組成物中のジンゲロール量低減抑制試験〕
この実施例1のジンゲロール含有組成物をポリ袋に入れて沸騰水浴中で30分間加熱処理後、HPLC装置で6−ジンゲロール、8−ジンゲロール、10―ジンゲロールの各種ジンゲロール含量の分析を行った。
<参考例1>
参考例1として、β−グルカンを添加しないショウガ乾燥品を加熱処理しないで各種ジンゲロール含量の分析を行った。
<比較例1>
比較例1として、β−グルカンを添加しないショウガ乾燥品を105℃で30分間加熱処理し、処理後にHPLCで各種ジンゲロール含量の分析を行った。
<比較例2>
比較例2として、パウダー状にしたショウガの乾燥品重量1に対して重量1のβ-グルカン(具体的にはショウガの乾燥品10 gに対してβ-グルカン10 g)を混合したこと以外は、実施例1と同様にジンゲロール含有物を製造し、実施例1と同じ条件で加熱処理を行った後に、同様に各種ジンゲロール含量の分析を行った。
それらの結果を表1に示す。表1は、各種ジンゲロールの分析結果として、β−グルカンを含まないショウガ1グラム当たりの各種ジンゲロールのミリグラムとして示している。すなわち、各種実験で作成したジンゲロール含有組成物に含まれる6−ジンゲロール、8−ジンゲロール、10―ジンゲロールの各種ジンゲロールの総量を、用いたショウガの乾燥品10gで除して得られた割合を示している。さらに、参考例1で得られた各種ジンゲロールの総量に対して、それぞれの結果での各種ジンゲロールの総量を百分率で示している。そして、この参考例1のジンゲロール総量に対する各種ジンゲロール総量の割合が70%以上を加熱による各種ジンゲロールの化学変化が少なく好ましいと判断した。
Figure 0005906541
表1に示した通り、ショウガの乾燥品重量1に対してβ-グルカン重量2を混合したもの、すなわち、ショウガの乾燥品:β−グルカン=1:2の混合組成物は、加熱処理を行ったにも関わらず、加熱前の参考例1と比較して72%の各種ジンゲロールを維持している。また、ショウガの乾燥品とβ-グルカン重量比が1:3、1:4、1:5、1:10の混合組成物は、参考例1と比較してそれぞれ76%、77%、80%、81%の各種ジンゲロールを維持している。
一方、β‐グルカンを含まない比較例1、ショウガの乾燥品:β−グルカ=1:1の混合組成物である比較例2の場合は、参考例1と比べてそれぞれ67%、67%しか各種ジンゲロールを維持しておらず、各種ジンゲロールの含有割合が70%未満であることが認められた。
以上の結果から、ショウガ乾燥品重量に対して、所定量のβ-グルカンを混合して得られたジンゲロール含有組成物については、加熱処理を行った場合にも各種ジンゲロールの化学変化を抑制できることが分かった。
〔抗酸化活性試験〕
次に、前記実施例1のうち、ショウガの乾燥品:β-グルカン=1:2のジンゲロール含有組成物についての抗酸化活性試験の結果を図2に示す。この試験には、食品のスーパーオキシドアニオン (O2 -) 消去活性を評価することが可能であるWST-1法を用いた。測定にはSOD Assay Kit-WST (同仁化学研究所製) を使用し、測定手順はキット付属のプロトコールに従った。
この試験では、前記のショウガの乾燥品:β-グルカン=1:2のジンゲロール含有組成物をポリ袋に入れて沸騰水浴中で30分間加熱処理後、水抽出物、ならびにエタノール抽出物を調製し、その抗酸化活性を測定した。各例の抗酸化活性はIC50 (mg/mL) の値を示した。IC50とは今回の場合、測定系で生成したスーパーオキシドアニオンを50%消去するのに必要な試料量に相当する。IC50の値が小さいほど、抗酸化活性が高く有用であることを意味している。
<参考例2>
参考例2として、β−グルカンを添加しないショウガ乾燥品の水抽出物、ならびにエタノール抽出物を調製し、その抗酸化活性を測定した。
<比較例3>
比較例3として、β−グルカンを添加しないショウガ乾燥品を105℃で30分間加熱処理し、処理後に水抽出物、ならびにエタノール抽出物を調製し、その抗酸化活性を測定した。
図2に示した結果の通り、最も高い抗酸化活性を示したのは加熱処理前の参考例2であった。実施例1と比較例3は参考例2と比べて抗酸化活性が低下した。これは、加熱処理により各種ジンゲロールを主とする機能性成分含量が低下したに起因する。よって、本発明品である実施例1は比較例3と比べて、抗酸化活性が高く優れていることが示された。
〔糖尿病モデルマウスに対する試験〕
次に、前記実施例1のうち、ショウガの乾燥品:β-グルカン=1:2のジンゲロール含有組成物についての糖尿病モデルマウスに対する試験の結果を図3に示す。この試験では、肥満・II型モデルマウス(C57BL/6J Ham Slc-ob/ob,メス,9週齢,SLC社製)に対するショウガの乾燥品:β-グルカン=1:2のジンゲロール含有組成物の動脈硬化予防効果を検証した。10匹の肥満・II型糖尿病モデルマウスに各種ジンゲロール量687.5 mg/mlに調製したショウガの乾燥品:β-グルカン=1:2のジンゲロール含有組成物のペーストの希釈水を、体重1 gあたり6.67 μlをゾンデにて4週間経口投与した。経口投与開始前と投与開始から1週間毎に眼下採血を行い、4週間後にジエチルエーテル麻酔下にて腋窩採血を行った。採血後の血液から4℃にて12,000 rpmで10分間の遠心分離により上清を得た。再度同条件にて遠心分離し、上清を血清として生化学実験に使用した。生化学検査には富士ドライケムを用いて、総コレステロールとHDL-コレステロールを測定し、[(総コレステロール−HDL-コレステロール)/HDL-コレステロール] で動脈硬化指数を算出した。この動脈硬化指数が小さい方が、動脈硬化になりにくく有用であることを意味している。
<比較例4>
比較例4では、ショウガの乾燥品:β-グルカン=1:2のジンゲロール含有組成物の代わりにショウガの乾燥品のパウダーの希釈物(各種ジンゲロール量687.5 mg/ml)を用いたこと以外は前記同様の方法で、10匹の肥満・II型糖尿病モデルマウスを用いて動脈効果予防効果を検証した。
図3に示したように、実施例1の組成物投与群の動脈硬化指数は、比較例4の蒸留水投与群の値に比べて有意(信頼率98%)に低かった。
〔飲食品における抗酸化活性試験〕
次に、この発明の実施例2、実施例3として製造したジンゲロール含有組成物を含有する飲食品(スープ、ヨーグルト)の各種ジンゲロール量と、抗酸化活性の分析結果を図4、図5に示す。図4において、6−ジンゲロールを6−G、8−ジンゲロールを8−G、10―ジンゲロールを10−Gと表記しており、数値の単位はμg/gであり、n.d.との表記は検出限界以下であることを示している。なお、図5において、抗酸化活性は阻害率 (%) で示した。阻害率が高いほど抗酸化活性が高く有用であることを意味している。
実施例2として、前記実施例1、すなわち、ショウガの乾燥品とβ‐グルカンを重量比で1:10となるように混合し、ガラス棒にて軽く撹拌し、この混合物をホモジナイズ処理 (10,000 rpm、3〜5分間) して製造したジンゲロール含有組成物を原料として、スープを製造した。
実施例2のスープの原料は、トマト1/2個、トマトジュース(無塩)400cc、トマトピューレ200cc、セロリ(茎)1/2本、にんにく1/2片、じゃが芋1/2個、玉葱1/2個、牛乳80cc、バター大匙1、酒大匙2、コンソメ1.5個、塩1.6g、胡椒適量、ナツメグ適量とした。そして、スープ100g当たり実施例1のペーストを2.2g添加し、混合後、加熱して容器に充填した。
なお、図4、図5中、「ショウガペースト添加の有無」の項が「有」のものが実施例2についての結果であり、同項が「無」のものが実施例1のペーストを添加していない比較例5の結果である。
実施例3として、前記実施例1ののうち、ショウガの乾燥品:β-グルカン=1:10のジンゲロール含有組成物を原料とするヨーグルトを製造し、完成品中に含まれるジンゲロール量を分析した。
実施例3のヨーグルトの原料は、牛乳80%、脱脂粉乳2.84%、砂糖10%、実施例1のペースト2.5%、水12.59%とした。そして、原料を混合攪拌、殺菌、冷却後、乳酸菌(仕込み量比1.0%)を添加し、発酵させてヨーグルトを製造した。
なお、実施例2の場合と同様、図4、図5中、「ショウガペースト添加の有無」の項が「有」のものが実施例3の結果であり、同項が「無」のものがショウガの乾燥品:β-グルカン=1:10のジンゲロール含有組成物のペーストを添加していない比較例6の結果である。
前記実施例2,3に関し、完成品中に含まれるジンゲロール量の分析結果は、図4に示した結果の通り、ショウガの乾燥品:β-グルカン=1:10のジンゲロール含有組成物のペーストを添加していない比較例はヨーグルト、スープ共に各種ジンゲロールいずれの成分も検出されなかったが、実施例2、3ではジンゲロールがそれぞれ検出された。これにより、本発明品のジンゲロール含有組成物に含有されるジンゲロールは、食品製造工程を経た後もその食品中に残存していることが示された。
また、実施例2,3に関し、完成品の抗酸化活性の分析結果は、図5に示した結果の通り、実施例2(スープ)、実施例3(ヨーグルト)共に、ショウガの乾燥品:β-グルカン=1:10のジンゲロール含有組成物のペーストが添加されていない比較例5及び比較例6よりも高い阻害率を示した。この阻害率の高低に有意差があるか否かを判別するためにt検定を行ったところ、ヨーグルトとスープ共に有意差有りと判断された (n = 6、有意水準5%)。このことにより、ショウガ含有組成物に含まれる抗酸化成分が食品製造の加工工程後も食品中に残存し、その効果を発揮していることが示された。
〔飲食品における抗ピロリ菌活性試験〕
次に、実施例2のトマトスープに関する抗ピロリ菌活性に関する動物試験の結果を図6に示す。実施例2のトマトスープは、遠心後 (3000 rpm、5分間)、その上清を必要に応じて蒸留水で調整し500 μlをゾンデにて食間に経口投与 (1回/1日) した。投与量は1パック (約150ml)/1人 (約60kg)/1日摂取として、volume/weightで算出し決定した。スナネズミは5週齢(オス)を購入し、直ぐにゾンデにて経口投与を開始し試験終了(解剖)まで投与は継続した。ピロリ菌(KYU1-11株)の感染は6週齢目で行い、その4週間後に解剖し胃内のピロリ菌数を3群間で比較した。感染実験は2回実施し、最終総数は8匹となった。
<比較例7>
比較例7では、トマトスープの代わりに蒸留水を用いた以外は前述同様の方法で抗ピロリ菌活性を検証した。この場合、最終総数は14匹となった。
<比較例5>
比較例5では、ショウガ含有組成物を原料として含まないトマトスープを用いた以外は前述同様の方法で抗ピロリ菌活性を検証した。この場合、最終総数は8匹となった。
図6に示した結果の通り、ピロリ菌の平均感染定着数は比較例7の約67,000 CFU/gに対し、比較例5では約49,000 CFU/g、実施例2では約45,000 CFU/gであった。比較例7と実施例2の間では、実施例2でピロリ菌の感染定着を抑制する明らかな傾向が認められた。また、比較例5と実施例2の間では、実施例2は比較例5よりも約4000 CFU/gの菌数の減少を認めた。スナネズミの胃重量を約3.5gで算出すると約14,000CFU/gが比較例5よりも減少している計算となる。これは、臨床的な観点(胃における病原性)から考察すると決して無視できる菌数ではない。すなわち、実施例2の方が比較例5よりも明らかにピロリ菌感染に伴う細胞・組織障害や病原性が軽減されていると考えられる。このことから、トマトスープをはじめとする飲食品へのショウガ含有組成物の添加することにより、生体内における抗ピロリ菌活性の働きを期待できることが示された。

Claims (4)

  1. ジンゲロールを含有するショウガ又は加工されたショウガの重量が1に対してβ-グルカンの重量が以上100以下配合され
    前記ショウガ又は前記加工されたショウガと前記β−グルカンのみからなり、
    沸騰水中で30分間加熱処理がされたとき、前記加熱処理がされなかったときに比べて、前記ジンゲロールが72%以上残存していることを特徴とするジンゲロール含有組成物。
  2. 前記加工されたショウガが、ショウガの乾燥品であることを特徴とする請求項1に記載のジンゲロール含有組成物。
  3. 前記ショウガ又は前記加工されたショウガと前記β−グルカンとが混合された混合物を、前記ショウガ又は前記加工されたショウガに含有されるジンゲロールとβ−グルカンを均一に分散し懸濁させる工程を有することを特徴とする請求項1に記載のジンゲロール含有組成物の製造方法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載のジンゲロール含有組成物を含有していることを特徴とする飲食品。
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