JP2012223161A - 植物由来成分及び乳脂肪球皮膜を含む組成物 - Google Patents

植物由来成分及び乳脂肪球皮膜を含む組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】痛覚を引き起こし得る植物由来成分を、前記刺激を低減しつつ摂取できる組成物の提供。
【解決手段】痛覚を引き起こしうる植物由来成分と乳脂肪球皮膜とを含み、前記植物由来成分に由来する痛覚が低減された組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、植物由来成分と乳脂肪球皮膜とを含む組成物に関する。
乳脂肪球皮膜(MFGM)は、例えば、牛乳において乳脂肪球を被覆している成分であって、食品用、医薬用、化粧品用の乳化剤としてこれまでにいくつかの提案がなされている(特許文献1)。また、乳脂肪球皮膜の応用の一つに風味改良剤としての適用がある(特許文献2及び3)。すなわち、乳脂肪球皮膜は、食品に固有の風味、コク味を増強するため(特許文献2)、或いは、ホイップクリーム等に天然の乳風味、コク味感を付与するため(特許文献3)に食品に添加されている。
一方、植物エキス等の植物抽出物には、経口摂取や経皮吸収により様々な健康促進効果や美容効果の発揮が期待される成分が含まれるものがある。様々な植物抽出物又はその成分がダイエットサプリメントや美容サプリメント、或いは化粧品の形態で提供されている。
特許3488327号公報 特開平5−276886号公報 特開平7−236451号公報
植物抽出物の成分には摂取時に痛覚を引き起こすものがあり、しばしば摂取を妨げる原因となることがある。とりわけ、サプリメントのような含有量が高いものを製造或いは摂取しようとするとその問題が顕著となる。そこで、本発明は、痛覚を引き起こし得る植物由来成分を前記刺激を低減しつつ摂取できる組成物を提供する。
本発明は、痛覚を引き起こしうる植物由来成分と乳脂肪球皮膜とを含み、前記植物由来成分に由来する痛覚が低減された組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう)に関する。
本発明によれば、痛覚を引き起こしうる植物由来成分を摂取する際に感じる痛覚を低減できる。したがって、本発明の組成物を摂取することで、前記植物由来成分が本来発生しうる痛覚を低減させながら、前記植物由来成分を摂取できる。
図1は、乳脂肪球皮膜(MFGM)の構造モデルの一例である(菅野長右エ門、昭和63年度酪農科学シンポジウム「乳脂肪球膜の機能」講演予稿集から一部編集して引用)。
風味とは、一般的に飲食物の香りと味わいをいう。飲食物の味、すなわち、「味覚」は、5つの基本味に分類することができる。甘味、うま味、塩味、酸味、苦味の5つが基本味である。これらの基本味は舌の上に存在する組織である「味蕾」に存在する受容体が刺激されることで感知される。一方、「痛覚」も、純粋な意味では味ではないが、“味”に影響を及ぼす感覚である。痛覚による味には、辛味、収斂味(渋味、えぐみ)が含まれる。痛覚の受容体・受容器は、口内のみならず体中の皮膚にも存在する。
ダイエット効果や美容効果が期待される植物抽出物や植物由来成分の中には、痛覚を引き起こすものがある。この痛覚のためにその植物抽出物や植物由来成分の取り扱いが難しくなったり、摂取そのもの或いは摂取量の増量を妨げたりしている。本発明は、痛覚を引き起こしうる植物由来成分を含む植物抽出物を乳脂肪球皮膜と混合すれば、前記植物由来成分と前記乳脂肪球皮膜とが複合体を形成し、それにより前記痛覚を低減できるという知見に基づく。
すなわち、本発明は、一態様として、痛覚を引き起こしうる植物由来成分と乳脂肪球皮膜とを含み、前記植物由来成分に由来する痛覚が低減された組成物に関する。本発明の組成物によれば、前記植物由来成分をそのまま摂取したときに受け得る痛覚を低減することができる。したがって、本発明の組成物によれば、前記痛覚を低減しながら前記植物由来成分を摂取することができる。例えば、前記植物由来成分をサプリメント等の栄養補助食品の形態で経口摂取する場合には本来であれば感知しうる痛覚(辛味や収斂味)を低減でき、化粧品の形態で経皮吸収する場合に本来であれば感知しうる痛覚(皮膚の痛み)を低減することができる。よって、本発明の組成物によれば、有用であるが痛覚を引き起こす植物抽出物をその痛覚を低減して従来よりも多量に摂取し易くすることができる。
本発明の組成物において、本発明の組成物に含まれる植物由来成分がもたらす痛覚(辛味、収斂味、又は痛み等)を低減できるメカニズムの詳細は明らかではないが、以下のように推定される。すなわち、痛覚を引き起こし得る植物由来成分は、粘膜においては脂質二分子膜様構造である生体細胞膜(上皮細胞膜)に入り込んで痛覚受容体や痛覚受容器を刺激し、それにより痛覚を発生させると考えられる。一方で、乳脂肪球皮膜は、図1の構造モデルに示すように、脂質二分子膜様構造を有する。よって、痛覚を引き起こし得る植物由来成分と乳脂肪球皮膜とを撹拌混合やホモジナイズ等の処理を施すと、前記植物由来成分が脂質二分子膜様構造を有する乳脂肪球皮膜に取り込まれて複合体が形成されると考えられる。前記複合体が形成されることで、痛覚受容体や痛覚受容器を刺激できるフリーな植物由来成分の量が減少し、痛覚が低減すると考えられる。但し、本発明はこれらのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
本明細書において「痛覚」とは、痛みの感覚をいい、飲食物を摂取したときに感じる痛覚による味や、皮膚に感じる痛みを含む。前記飲食物を摂取したときに感じる痛覚による味としては、辛味及び収斂味が挙げられる。前記収斂味とは、舌のタンパク質が収れんさせられることにより発生する痛覚であり、渋味やえぐみを含む。
本明細書において「痛覚を引き起こしうる」とは、ヒトの口の中で辛味や収斂味を感じさせうること、或いは、ヒトの皮膚と接触させた場合に痛みを感じさせうることをいう。
本明細書において「痛覚を引き起こしうる植物由来成分」は、植物抽出物中に一成分として存在するものをいう。また、本明細書において「痛覚を引き起こしうる植物由来成分」は、健康促進、疾病抑制、美容促進、又は老化防止など機能性成分を含む或いは前記機能性成分であることが好ましい。一般的に植物抽出物中に存在する痛覚を引き起こしうる植物由来成分は、水不溶性又は難水溶性である。
本明細書において「植物抽出物」とは、植物から抽出されたものをいう。抽出方法は特に制限されず、公知の抽出方法を用いることができ、例えば、アルコール抽出や熱水抽出などのように溶媒を用いた抽出法であってもよく、搾汁などのように非溶媒の抽出法であってもよい。植物抽出物の形態としては、抽出溶媒に溶解した形態又は搾汁の形態であってもよく、ろ過、濃縮、乾燥、粗精製、精製等がされた形態を含む。なお、本明細書において、植物抽出物は、製剤化や食材加工、調理などの加工がされていない状態であることが好ましく、また、添加物が添加されていない状態であることが好ましい。
植物抽出物中に存在する痛覚を引き起こしうる植物由来成分のうち、辛味を引き起こす植物由来成分の限定されない具体例としては、トウガラシ抽出物中のカプサイシン、コチョウ抽出物中のピペリン、サンショウ抽出物中のαサンショオール、ショウガ抽出物中の6―ジンゲロール等が挙げられる。渋みやえぐみ等の収斂味を引き起こす植物由来成分の限定されない具体例としては、ホップエキス中のホップタンニン、柿又はクリ抽出物(柿渋又は栗渋)中のタンニン、大豆抽出物中のイソフラボン、ゴボウ・レンコン抽出物中の灰汁成分が挙げられる。なお、痛覚を引き起こしうる植物抽出物中の具体的に同定されていない植物由来成分も、本発明の組成物に使用してもよい。また、痛覚を引き起こしうる植物由来成分、及び、前記植物由来成分を含む植物抽出物は、従来公知の植物抽出物であってもよく、市販の製品であってもよい。
[乳脂肪球皮膜:MFGM]
本明細書において、「乳脂肪球皮膜」(以下、単に「MFGM」ともいう。)とは、哺乳類の乳の脂肪球皮膜をいう。その構造モデルを図1に示す。図1に示すとおり、MFGMは、脂質二分子膜様構造を有する、(糖)脂質と(糖)タンパク質と複合体といえる。本発明に使用するMFGMとしては、乳化安定性及び粒径制御性に優れるエマルション並びに粉末形態での流動性及び懸濁時の分散性に優れるドライエマルションを得る観点から、ウシ由来のMFGMが好ましい。MFGMは、公知の方法により調製でき(例えば、特許文献1)、或いは、市販されているものを使用できる。MFGMの調製方法の一例として、乳汁を遠心分離して得られるクリームを水で数回洗浄後、チャーニング工程により脂肪球を物理的に破壊する方法が挙げられる。また、バターの製造工程の副産物として得られるバターミルクから製造されるMFGMは、資源の有効利用の点から好ましい。
本明細書において、前記植物由来成分と前記MFGMとの複合体は、前記植物由来成分が前記MFGMの表面に結合した形態、MFGM膜間に挿入された形態、及び/又は、MFGM膜内に封入された形態で複合体化したもの含みうる。
[本発明の組成物の製造方法]
本発明の組成物は、痛覚を引き起こし得る植物由来成分を含む植物抽出物とMFGMとを混合することを含む方法により製造することができる。前記植物由来成分と前記MFGMとの複合体形成の効率化及び痛覚低減の観点から、前記混合は、撹拌及び/又は均質化を含むことが好ましい。前記混合は、例えば、ホモジナイザーやソニケーターなどを含む通常の乳化器などの製剤学上通常用いられる方法が使用できる。MFGMは優れた乳化特性を有し、乳化剤としても使用される。よって、前記混合は、MFGMによる乳化処理の条件と同様に行うことができる。
本発明の組成物を製造する方法の限定されない一実施形態は、前記植物抽出物又は前記植物由来成分が溶解した有機溶媒(例えば、エタノール、エタノール・水混合物など)と、MFGMを含有する水相溶媒(例えば、水、増粘多糖溶液、シロップ液)とを混合し、ホモジナイザーやソニケーターなどで処理して前記植物由来成分と前記MFGMとの複合体を形成し、好ましくは、水中油型のエマルションを形成することを含む。ホモジナイザーやソニケーターの条件は、例えば、通常の乳化条件(速度、時間、温度等)を参照して適宜調整できる。このようにして得られた複合体及びエマルションを乾燥することにより粉末及びドライエマルションを得ることができる。前記乾燥方法としては、特に制限されないが、例えば、凍結乾燥や噴霧乾燥が挙げられる。
前記植物抽出物と前記MFGMとの混合比(重量比)は、前記植物由来成分と前記MFGMとの複合体形成の効率化及び痛覚低減の観点から、前記植物由来成分又は前記植物抽出物の固形分1gに対し、前記MFGM(固形分)は80mg以上が好ましく、より好ましくは80〜1000mg、さらに好ましくは160〜900mg、さらにより好ましくは240〜800mgである。
したがって、本発明の組成物は、限定されない一実施形態において、前記植物由来成分を含む植物抽出物と前記乳脂肪球皮膜とを混合することにより得られる組成物に関する。言い換えると、本発明の組成物は、その他の限定されない実施形態において、上述した製造方法により製造された或いは製造されうる組成物に関する。
本発明の組成物は、限定されない一実施形態において、エマルション又は水相中の複合体の形態であってよく、その他の限定されない実施形態において、ドライエマルション又は乾燥固形若しくは乾燥粉末であってもよい。
本発明の組成物は、さらにその他の限定されない実施形態として、前記植物由来成分に由来する痛覚を低減しつつ前記植物由来成分を摂取するための組成物である。本明細書において「摂取」とは、経口摂取及び経皮吸収を含む。本発明の組成物によれば、本発明の組成物に含まれる植物由来成分を、本来であれば前記植物由来成分が引き起こし得る痛覚を低減しながら摂取することができ、好ましくは、痛覚が低減されたことに起因してより多量に摂取することができ得る。また、本発明の組成物は、その他の限定されない実施形態において、前記植物由来成分と前記MFGMとが複合体を形成することにより、前記植物由来成分の徐放が可能になるという効果も奏し得る。
本発明の組成物は、含まれる前記植物抽出物が引き起こしうる痛覚を低減できるから、その他の限定されない実施形態において、好ましくは、痛覚に起因して取り扱いが難しい前記植物抽出物(例えば、カプサイシンを含む抽出物)の取り扱いを容易にするという効果をも奏し得る。
本発明の組成物は、さらにその他の限定されない実施形態として、経口摂取用の組成物であり、例えば、ダイエットサプリメント、栄養サプリメント、美容サプリメント若しくは栄養補助食品、又はその材料が挙げられる。したがって、本発明は、さらにその他の態様において、本発明の組成物を含むダイエットサプリメント、栄養サプリメント、美容サプリメント又は栄養補助食品に関する。本発明のダイエットサプリメント、栄養サプリメント、美容サプリメント又は栄養補助食品は、例えば、本発明の組成物と水性溶媒とを混合し、適当な増量剤を加え、噴霧乾燥、混練造粒、凍結乾燥など常法により、錠剤もしくはハードカプセル剤などの製剤の形態として製造することができるが、製造方法はこれらに限定されない。前記水性溶媒としては、例えば、水、増粘多糖溶液、シロップ液等が挙げられる。前記増量剤としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの合成又は半合成高分子物質や、アラビアゴム、トラガントゴム、ゼラチンなどの天然高分子物質、粉末乳糖、カゼイン、微結晶セルロース、澱粉、小麦粉、デキストリン、二酸化硅素などがあげられる。
本発明の組成物は、さらにその他の限定されない実施形態として、経皮吸収用の組成物であり、例えば、化粧品、医薬部外品、洗浄剤、又はその材料が挙げられる。前記植物抽出物が皮膚に対して美白、しわ防止、保湿、柔軟化などの機能を発揮する場合、本発明の組成物は、クリーム、乳液、化粧水、美容液、パック等の基礎化粧料、口紅、ファンデーション等のメークアップ化粧料、ゼリー剤、軟膏等の医薬部外品、シャンプー、リンス、コンディショナー、洗顔剤、全身洗浄剤、洗口剤、歯磨き粉等の洗浄剤に適用できる。したがって、本発明は、さらにその他の態様において、本発明の組成物を含む化粧品、洗浄剤、又は医薬部外品に関する。
[カプサイシン抽出物とMFGMとのドライエマルションの製造]
下記表1に示す組成のエマルションを作製した(実施例1〜2及び比較例1〜2)。
実施例1のエマルションは、以下のようにして作製した。まず、5gの乳脂肪球皮膜(商品名:Lacprodan PL20、アーラフーズ社(デンマーク)製)、1.25gの乳ペプチド(商品名:CPOP、森永乳業株式会社製)、3.75gの乳ホエイタンパク質(商品名:ALACEN895 WPI、ニュージーランドデイリーボード社製)を含む水相を調製した。次に、1gのカプサイシン抽出物(商品名:トウガラシエキス、アルプス薬品工業株式会社製)をエタノール20gに溶解してエキス成分の相(エキス相)を調製した。調製した水相とエキス相とを混合し、ポリトロンPT6100ホモジナイザー(KINEMATICA社製)を用い、60℃加温条件下、12,000回転/分で20分間ホモジナイズし、実施例1のウェットエマルションを得た。実施例2のエマルションは、以下のようにして作製した。まず、5gの乳脂肪球皮膜(商品名:Lacprodan PL20、アーラフーズ社(デンマーク))、1.25gの乳ペプチド(商品名:CPOP、森永乳業株式会社製)、3.75gの乳ホエイタンパク質(商品名:ALACEN895 WPI、ニュージーランドデイリーボード社製)を含む水相を調製した。次に、0.1gのカプサイシン抽出物(商品名:トウガラシエキス、アルプス薬品工業株式会社製)をエタノール2gに溶解してエキス相を調製した。調製した水相とエキス相とを混合し、ポリトロンPT6100ホモジナイザー(KINEMATICA社製)を用い、60℃加温条件下、12,000回転/分で20分間ホモジナイズすることにより実施例2のウェットエマルションを調製した。
MFGM、乳ペプチド及び乳ホエイタンパク質に換えて10gのデキストリン(商品名サンデック#300、三和澱粉社製)を使用した以外は実施例1及び2とそれぞれ同様にして比較例1及び2のウェットエマルションを調製した。
Figure 2012223161
得られた実施例1〜2及び比較例1〜2のウェットエマルションを凍結乾燥し、ドライエマルションを得た。これらのドライエマルションについてカプサイシン含有率を測定し、下記の方法によって辛味強度を官能評価した。5人の独立した評価者による結果を下記表2に示す。
〔辛味測定方法〕
実施例2及び比較例2のドライエマルションと水とを混合し、0.05ppmのカプサイシン濃度の液を調製した。調製した液について、下記の辛味度基準に基づき官能試験を行った。
辛味度基準
辛味強度6:強烈な辛味を感じる;
5:強い辛味を感じる;
4:強くはないが辛味を感じる;
3:わずかに辛味を感じる;
2:辛味を知覚できない程度にかんじる;
1:辛味を全く感じない。
Figure 2012223161
上記表2に示す通り、実施例2では比較例2よりも辛味強度を低減することができた。
[ホップエキスとMFGMとの複合体の製造]
下記表3に示す組成のエマルションを作製した(実施例3〜4及び比較例3〜5)。なお、下記表3において、MFGM製剤1はMFGM(商品名:MFGM−10、アーラフーズ社(デンマーク)製)単一成分からなり、MFGM製剤2はMFGM(商品名:MFGM−10、アーラフーズ社(デンマーク)製)1.25重量部、ホエー蛋白濃縮粉末(商品名ALACEN895、ニュージーランドデイリーボード社製)2重量部、デキストリン(商品名:サンデック#300、三和澱粉社製)0.75重量部から構成される。また、比較例3ではホエー蛋白濃縮粉末(商品名:エンラクトALC、日本新薬株式会社販売)と大豆レシチン(商品名:SLP−ホワイトレシチン、辻製油株式会社製)との混合物(混合重量比20:1)を使用し、比較例4では、ミルクホエー濃縮粉末(商品名:よつ葉ホエイパウダー、よつ葉乳業株式会社製)とカゼインナトリウム(商品名:カゼインナトリウムS、日本新薬株式会社販売)と大豆レシチン(商品名商品名SLP−ホワイトレシチン、辻製油株式会社製社製)との混合物(混合重量比8:12:16)を使用し、比較例5では、脱脂粉乳(商品名:よつ葉スキムミルク、よつ葉乳業株式会社製)と大豆レシチン(商品名:SLP−ホワイトレシチン、辻製油株式会社製)との混合物(混合重量比20:16)を使用した。
4重量部のMFGM製剤1若しくは2又は比較例3〜5の混合物と60重量物の水とを混合して水相を調製した。一方、6重量部のホップエキス(商品名:ホップエキス粉末、日本粉末薬品株式会社製)と24重量部の50%エタノールとを混合してエキス相を調製した。調製した水相とエキス相とを混合し、ポリトロンPT6100ホモジナイザー(KINEMATICA社製)を用い、60℃加温条件下、12,000回転/分で20分間ホモジナイズし、MFGMとホップエキスとの複合体(ウエットエマルション:実施例3〜4)及び蛋白質と脂質とホップエキスとの複合体(比較例3〜5)を得た。
Figure 2012223161
得られた実施例3〜4及び比較例3〜5の複合体を凍結乾燥し、乾燥粉末を得た。これらの乾燥粉末について下記の方法で平均粒子径、水分散性、及び、味覚評価を行った。それらの結果を下記表4に示す。
〔メディアン径の測定方法〕
乾燥粉末1gを蒸留水50ml中にマグネチックスターラー上で10分間分散させた液を試料液とした。各試料液の数滴をレーザー回折式粒子径分布測定装置LA−950(株式会社堀場製作所製)を用いて、あらかじめ蒸留水を満たしたフローセル式循環試料槽中へ添加して、所定の濁度に達した時点で粒子径分布を測定し、メディアン径を平均粒子径として算出した。
〔分散性の確認方法〕
乾燥粉末0.2gを蒸留水50ml中にマグネチックスターラー上で10分間分散させた後、60分間静置し、沈殿の形成を目視で確認した。
〔味覚評価方法〕
実施例3、4ならびに比較例3、4、5の乾燥粉末0.5gを用いて苦味とえぐみ(収斂味)について官能試験を行った。さらに、前記粉末に乳糖(乳糖水和物:日本薬局方)を0.5g、1.5g、3.5g添加して各粉末を段階的に混合希釈(2倍希釈、4倍希釈、8倍希釈)した粉末試料を調製し、えぐみについて官能試験を行った。えぐみについての評価基準は以下のとおりとした。その結果を下記表4に示す。
○: えぐみを感じない
△: ほとんどえぐみを感じない(※は、しばらくしてからえぐみ感を感じる)
×: えぐみを感じる
××: 強いえぐみを感じる
Figure 2012223161
上記表4に示す通り、実施例3及び4において、えぐみ(収斂味)を低減することができた。
本発明によれば、例えば、植物由来成分を含むダイエットサプリメント、栄養サプリメント、美容サプリメント、栄養補助食品、飲食品、化粧品等の分野で有用である。

Claims (7)

  1. 痛覚を引き起こしうる植物由来成分と乳脂肪球皮膜とを含み、
    前記植物由来成分に由来する痛覚が低減された組成物。
  2. 前記痛覚が、辛み、渋み、えぐみ、及び痛みの少なくとも1つである、請求項1記載の組成物。
  3. 前記植物由来成分と前記乳脂肪被膜との複合体を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記植物由来成分を含む植物抽出物と前記乳脂肪球皮膜とを混合することにより得られる、請求項1から3のいずれかに記載の組成物。
  5. 前記植物由来成分に由来する痛覚を低減しつつ前記植物由来成分を摂取するための、請求項1から4のいずれかに記載の組成物。
  6. ダイエットサプリメント、栄養サプリメント、美容サプリメント若しくは栄養補助食品、又はその材料として用いるための請求項1から5のいずれかに記載の組成物。
  7. 粉末、エマルション又はドライエマルションの形態である、請求項1から6のいずれかに記載の組成物。
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