JP2006022064A - 動脈硬化の予防及び/又は改善剤、機能性食品、又は化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善剤、或いは、腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善効果を有する機能性食品の提供。
【解決手段】 コエンザイムQ10を有効成分として含有する腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善剤、或いは、該化合物を有効成分として含有する腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善効果を有する機能性食品、さらには腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善用組成物を調製するためのコエンザイムQ10の使用、そして該化合物を有効成分として含有する組成物を摂取することによる腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善方法。
【選択図】 選択図なし
【解決手段】 コエンザイムQ10を有効成分として含有する腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善剤、或いは、該化合物を有効成分として含有する腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善効果を有する機能性食品、さらには腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善用組成物を調製するためのコエンザイムQ10の使用、そして該化合物を有効成分として含有する組成物を摂取することによる腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善方法。
【選択図】 選択図なし
Description
本発明は、コエンザイムQ10を有効成分として含有する腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善剤、或いは該化合物を有効成分として含有する腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善効果を有する機能性食品、化粧料、さらには腎疾患における動脈硬化の予防及び/又は改善用組成物を調製するためのコエンザイムQ10の使用、そして、該化合物を有効成分として含有する組成物を摂取または塗布することを特徴とする腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善方法に関する。
コエンザイムQ10はベンゾキノン誘導体であり、広く生物界に分布していることからユビキノン(酸化型コエンザイムQ10)と命名された。これを2電子還元したヒドロキノン体がユビキノール(還元型コエンザイムQ10)である。イソプレノイド側鎖の長さ(n)の違いにより多数の同族体が存在するが(n=1〜12)、生合成されるため、主たる同族体は種によって決まっている。哺乳類ではn=9,10が主であり、例えばマウス、ラットではn=9が多く、ウサギでn=10が多い。ヒトはn=10である。
コエンザイムQ10は、生体内の細胞中におけるミトコンドリアの電子伝達系構成成分として存在する生理学的成分であり、生体内において酸化と還元を繰り返すことで電子伝達系における伝達成分としての機能を担っている。コエンザイムQ10は生体内において、エネルギー生産及び抗酸化活性を示すことから、その有用性は広く知られている。コエンザイムQ10はヒトの体内で生合成される分子であるが、加齢と共に生合成量が低下すること、あるいはさまざまな疾患における生体中のコエンザイムQ10量の減少が報告されている。このような疾患では外部からのコエンザイムQ10の供給が良好な結果をもたらしている。更に、罹患時だけでなく老人あるいは肉体的に疲労したときなど、平常時でもコエンザイムQ10の補給が必要であると考えられている。
酸化型コエンザイムQ10は、鬱血性心不全薬として医薬用途に用いられている。医薬用途以外では、ビタミン類同様、栄養剤、栄養補助剤、更に、痴呆症などの老人性の疾患、アレルギー疾患に対する有用性、あるいは運動能力の増加等も報告されており、また、その安全性が高いことから有用な栄養補給の手段といえる。
ところで、腎疾患患者や透析患者の血漿中のコエンザイムQ10含量が健常者に比べて顕著に低くなっているとの報告がある(非特許文献2、3、4)が、その意味するところは知られていない。
腎疾患において、腎機能異常により腎臓の働きが正常の30%以下になり、体内の老廃物や余分な水分が排泄できない状態は腎不全と呼ばれ、さらに腎不全が進行し、自覚症状を伴うようになったものは尿毒症と呼ばれ、該尿毒症を発症した患者は透析療法を受けているが、長期透析患者において動脈硬化性疾患等の発生率が増加している。
現在、日本国内で約20万人が透析療法を受けており、更に、毎年約3万人が新しく透析療法を開始している。透析療法には、血液透析及び腹膜透析の2種類があるが、主として血液透析が用いられている。
また、長期的に透析療法を受けている患者の中には、血中抗酸化作用の低下や過酸化脂質の高値などが確認されている(非特許文献5)。
こうした背景から、新規な血液透析患者及び/又は腹膜透析患者における動脈硬化の予防及び/又は改善剤、機能性食品、又は化粧料の開発が強く望まれていた。
脳死・脳蘇生, 15, (1), 5-14, (2003)
Molec. Aspects Med., 15, s213-s219, (1994)
Clinica Chimica Acta, 253, 117-126, (1996)
Clinica Chimica Acta, 292, 81-91, (2000)
西川治、透析患者における高脂血症、日本臨床、(2001) 59, (3) , 753-757
本発明の目的は、コエンザイムQ10を有効成分として含有する腎疾患における動脈硬化の予防及び/又は改善剤、機能性食品、又は化粧料、並びにコエンザイムQ10を有効成分として含有する組成物を摂取または塗布することを特徴とする腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために、腎疾患患者や透析患者の血漿中のコエンザイムQ10含量が健常者に比べて顕著に低くなっていること、長期的に透析療法を受けている患者の中には、血中抗酸化作用の低下や過酸化脂質の高値などが確認されていることから、腎疾患患者における動脈硬化とコエンザイムQ10に関係があると考え、鋭意検討した結果、コエンザイムQ10に腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善効果があることを見出した。具体的には、該化合物を有効成分として含有する組成物を摂取または塗布することにより、腎疾患患者における動脈硬化を何ら副作用無く、予防及び/又は治療、改善することを見出して本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)コエンザイムQ10を有効成分として含有する腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善剤。
(2)腎疾患患者が腎不全患者である上記(1)に記載の動脈硬化の予防及び/又は改善剤。
(3)腎不全患者が慢性腎不全患者である上記(2)に記載の動脈硬化の予防及び/又は改善剤。
(4)腎不全患者が尿毒症患者である上記(2)に記載の動脈硬化の予防及び/又は改善剤。
(5)腎不全患者が血液透析患者である上記(2)に記載の動脈硬化の予防及び/又は改善剤。
(6)腎不全患者が腹膜透析患者である上記(2)に記載の動脈硬化の予防及び/又は改善剤。
(7)コエンザイムQ10を有効成分として含有する腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善効果を有する機能性食品。
(8)腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善用組成物を調製するためのコエンザイムQ10の使用。
(9)コエンザイムQ10を有効成分として含有する組成物を摂取または塗布することを特徴とする腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善方法。
に関する。
(1)コエンザイムQ10を有効成分として含有する腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善剤。
(2)腎疾患患者が腎不全患者である上記(1)に記載の動脈硬化の予防及び/又は改善剤。
(3)腎不全患者が慢性腎不全患者である上記(2)に記載の動脈硬化の予防及び/又は改善剤。
(4)腎不全患者が尿毒症患者である上記(2)に記載の動脈硬化の予防及び/又は改善剤。
(5)腎不全患者が血液透析患者である上記(2)に記載の動脈硬化の予防及び/又は改善剤。
(6)腎不全患者が腹膜透析患者である上記(2)に記載の動脈硬化の予防及び/又は改善剤。
(7)コエンザイムQ10を有効成分として含有する腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善効果を有する機能性食品。
(8)腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善用組成物を調製するためのコエンザイムQ10の使用。
(9)コエンザイムQ10を有効成分として含有する組成物を摂取または塗布することを特徴とする腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善方法。
に関する。
本発明により、コエンザイムQ10を有効成分として含有する腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善剤、機能性食品、又は化粧料、更にはコエンザイムQ10を有効成分として含有する組成物を摂取または塗布することを特徴とする腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善方法を提供することができる。
本発明について、以下具体的に説明する。本発明に用いられるコエンザイムQ10は医薬又は食品として服用又は食用可能なコエンザイムQ10であればその由来および製法は何ら限定されるものでは無いが、好ましくは市販のものが良い。また、生体内でコエンザイムQ10に変換する化合物であってもよい。
コエンザイムQ10の医薬及び食品中の含有量は、腎疾患患者において動脈硬化の予防及び/又は改善効果が得られる量であれば何ら限定されるものではないが、1日のコエンザイムQ10の摂取量が1〜2000mgとなるような量、好ましくは10〜500mg、さらに好ましくは30〜300mgとなるような量が良い。
コエンザイムQ10は融点の低い親油性の固体であり、水に難溶性のために経口投与における吸収性が低いことが知られている。このため、医薬製剤及び食品中のコエンザイムQ10の分散安定性、結晶析出防止性などの性状の安定性及び生体吸収性を向上させることが好ましい。本発明において、コエンザイムQ10の性状を安定化したものを用いても良い。例えば、コエンザイムQ10を鶏卵タンパク質、乳タンパク質、肉タンパク質等の動物性タンパク質、大豆タンパク質もしくは大豆ペプチド等の植物性タンパク質又はこれらの加水分解物と配合する、又は、更に糖質等と配合することによりコエンザイムQ10を安定化し、更に生体吸収性を向上させた後に使用しても良い。
コエンザイムQ10を乳化組成物として用いる場合には、例えばコエンザイムQ10を油相成分としてショ糖酢酸イソ酪酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、中鎖脂肪酸エステル等に溶解し、多価アルコール及び乳化剤を用いて乳化処理するか、又は有機酸等の添加剤の存在下又は不存在下に、アラビアガム、寒天、水溶性コーンファイバー、デンプン、ゼラチン、キサンタンガム、カゼイン、デキストリン、カルメロールナトリウム、ポリビニルピロリドン等の水溶性物質中にコエンザイムQ10を分散、乳化することにより、性状の安定性生体吸収性を向上させた後に使用すれば良い。
本発明の対象となる腎疾患としては腎疾患であれば何ら限定されるものではない。腎疾患は、腎臓そのものに異常が生じておこる疾患と、腎臓以外の臓器の異常や変化によって腎臓が機能障害を起こす疾患の二つに分けられる。
腎臓そのものに異常が生じて起こる疾患においては、腎臓を構成している腎糸球体、尿細管、間質(結合組織)、及び血管のいずれか、或いは全てに異常が現れる。腎臓そのものに異常が生じておこる疾患は、遺伝性と後天性に分けられ、遺伝性としては、多発性のう胞腎や遺伝性腎炎が挙げられ、後天性としては、糸球体腎炎、尿細管・間質性腎炎、腎盂腎炎、膀胱炎、腎結核、腎結石、尿管結石などの結石に起因する疾患及び腎癌、膀胱癌などの癌に起因する疾患が挙げられる。
腎臓以外の臓器の異常や変化によって腎臓が機能障害を起こす疾患としては、代謝性の疾患に起因する腎疾患、血液疾患に関する腎疾患など、様々な腎疾患がある。代謝性疾患に起因する腎疾患としては、糖尿病性腎症、痛風腎、アミロイド腎などが挙げられ、血液疾患に起因する腎疾患としては、多発性骨髄腫による多発性骨髄腫腎、溶血性尿毒症性症候群、高血圧による腎硬化症などが挙げられ、その他としても、例えば、膠原病によるループス腎炎、慢性の肝臓病による肝性糸体硬化症などが挙げられる。これらの腎疾患の代表的な症状は、尿の異常、むくみ(浮腫)、高血圧の三つである。
腎疾患において、腎機能異常により腎臓の働きが正常の30%以下になり、体内の老廃物や余分な水分が排泄できない状態は腎不全と呼ばれ、さらに腎不全が進行し、自覚症状を伴うようになったものは尿毒症と呼ばれ、該尿毒症を発症した患者は透析療法を受けている。
本発明のコエンザイムQ10を有効成分として含有する組成物は、摂取及び/又は塗布によって睡眠障害の予防及び/又は改善に有効な組成物であればよい。該組成物を摂取及び/又は塗布することを特徴とする腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善方法も本発明の範囲内である。摂取には経口、非経口いずれも含まれ、非経口には、注射、点滴、経鼻などによるものがある。
また、本発明のコエンザイムQ10の使用は、腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善用組成物を調製するための使用であれば特に限定されない。腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善に有効な組成物としては、腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善剤としての医薬、及び腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善効果を有する機能性食品、化粧料などが挙げられる。
本発明のコエンザイムQ10を含有する医薬としては、腎疾患患者の動脈硬化の予防及び/又は改善効果が得られるものであれば何ら限定されない。該医薬の剤型としては、散在、顆粒剤、ソフトカプセル、ハードカプセル、錠剤、チュアブル錠、速崩錠、シロップ、液剤、懸濁剤、座剤、軟膏、クリーム剤、ゲル剤、粘付剤、吸入剤、注射剤等が挙げられる。これらの製剤は常法に従って調製されるが、コエンザイムQ10は水に難溶性であるため、植物性油、動物性油等の非親水性有機溶媒に溶解するか又は、乳化剤、分散在もしくは界面活性剤等を用いて水溶液中に分散、乳化させて用いる。更に、コエンザイムQ10の吸収性を高めるために、平均粒子系を1ミクロン程度まで微粉砕し用いることも可能である。
製剤化のために用いることができる添加剤には、例えば大豆油、サフラー油、オリーブ油、胚芽油、ひまわり油、牛脂、いわし油等の動物性油、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール等の多価アルコール、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の界面活性剤、精製水、乳糖、デンプン、結晶セルロース、D−マンニトール、レシチン、アラビアガム、ソルビトール液、糖液等の賦形剤、甘味料、着色料、pH調整剤、香料などをあげることができる。尚、液体製剤は、服用時に水又は他の適当な媒体に溶解又は懸濁する形であってもよい。また、錠剤、顆粒剤は周知の方法でコーティングしても良い。
本発明のコエンザイムQ10を含有する機能性食品としては、腎疾患患者の動脈硬化の改善効果が得られるものであれば何ら限定されるものでは無く、例えばコエンザイムQ10含有サプリメント(散在、顆粒剤、ソフトカプセル、ハードカプセル、錠剤、チュアブル錠、速崩錠、シロップ、液剤等)、コエンザイムQ10含有飲料(お茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)、コエンザイムQ10含有菓子(グミ、ゼリー、ガム、チョコレート、クッキー、キャンデー等)、コエンザイムQ10含有油、コエンザイムQ10含有油脂食品(マヨネーズ、ドレッシング、バター、クリーム、マーガリン等)コエンザイムQ10含有ケチャップ、コエンザイムQ10含有ソース、コエンザイムQ10含有流動食、コエンザイムQ10含有乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ等)、コエンザイムQ10含有パン類、コエンザイムQ10含有麺類(うどん、そば、ラーメン、パスタ、やきそば、きしめん、そーめん、ひやむぎ、ビーフン等)等が挙げられる。
本発明に用いられるコエンザイムQ10を含有する機能性食品には、必要に応じて各種栄養素、各種ビタミン類(ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンE等)、各種ミネラル類、食物繊維、多価不飽和脂肪酸、その他の栄養素(β-カロチン、リコピン、アスタキサンチンなどのカロチノイド、カルニチン、セサミン、αリポ酸)、分散剤、乳化剤等の安定剤、甘味料、呈味成分(クエン酸、リンゴ酸等)、フレーバー、ローヤルゼリー、プロポリス、アガリクス等を配合することができる。また、ペパーミント、ベルガモット、カモンミール、ラベンダーなどのハーブ類を配合してもよい。また、テアニン、デヒドロエピアンドステロン、メラトニンなどの素材を配合してもよい。
本発明の化粧料としては、クリーム、乳液、ローション、マイクロエマルジョンエッセンス、入浴剤などが挙げられ、香料等を混合してもよい。
腎疾患患者における動脈硬化の改善度を評価する方法としては、血液生化学検査による総コレステロール値(以下、TCと略すことがある)及び高比重リポタンパク質(以下、HDLCと略すことがある)から算出する動脈硬化指数(AIと略する場合がある。動脈硬化指数が小さければ小さいほど、動脈硬化を起こしにくいと考えられている。基準値としては、例えば、3以下が正常値であるという報告がある。算出方法は以下に記載)、医師等の診断や動脈硬化に起因する様々な疾患の発生率などを指標とすることができる。
<動脈硬化指数の算出方法>
動脈硬化指数=(TC−HDLC)/HDLC
腎疾患患者における動脈硬化の改善度を評価する方法としては、血液生化学検査による総コレステロール値(以下、TCと略すことがある)及び高比重リポタンパク質(以下、HDLCと略すことがある)から算出する動脈硬化指数(AIと略する場合がある。動脈硬化指数が小さければ小さいほど、動脈硬化を起こしにくいと考えられている。基準値としては、例えば、3以下が正常値であるという報告がある。算出方法は以下に記載)、医師等の診断や動脈硬化に起因する様々な疾患の発生率などを指標とすることができる。
<動脈硬化指数の算出方法>
動脈硬化指数=(TC−HDLC)/HDLC
本発明を製剤例、食品製造例、化粧料製造例、及び実施例に基づいて説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
[製剤例1]
<錠剤>
コエンザイムQ10 120g
結晶セルロース 330g
カルメロース−カルシウム 15g
ヒドロキシプロピルセルロース 10g
精製水 60ml
上記組成物を通常の方法にて配合、乾燥した後、10gのステアリン酸マグネシウムを添加し、打錠を行い、1錠あたりコエンザイムQ10を20mg含有する100mgの錠剤を得た。
[製剤例2]
<ソフトカプセル>
コエンザイムQ10の200gをオリーブオイル400gに添加して、約60℃で溶解、均一に撹拌した後に冷却し、コエンザイムQ10含有素材を得た。ゼラチン70%、グリセリン30%を混和、膨潤させ、溶解ゼラチンシートを作成した。このゼラチンシートに内溶液としてコエンザイムQ10含有素材を1カプセルあたり300mgの内容量になるように充填し、乾燥させ、1カプセルあたりコエンザイムQ10を100mg含有するソフトカプセルを得た。
[食品製造例1]
<飲料>
コエンザイムQ10の30gを60℃に加温したショ糖脂肪酸エステル70gに溶解させ、油相を得た。グリセリン90gに乳化剤としてモノステアリン酸ゲカグリル10gを添加し、70℃に加温して溶解させた。この溶液に先の油相を撹拌しながら徐々に添加する。混合液を、乳化機を用いて乳化処理して乳化組成物を得た。この乳化組成物20gに水180mlを添加、撹拌してコエンザイムQ10含有飲料を得た。
[食品製造例2]
<パン>
コエンザイムQ10の1g、砂糖15g、食塩2g、脂肪粉乳5gを湯70gに溶かし、鶏卵2個を添加してよく混ぜた。これを小麦粉130gとドライイースト2gを混合した混合物に加え、手でこねた後、バター約30gを加えて更にこね、30個のロールパン生地を作った。ついで、発酵させた後、表面に溶き卵を塗り、オーブンにて180℃で15分間焼き、ロールパンを得た。
[食品製造例3]
<うどん>
小麦粉400gに対して、水200gにコエンザイムQ10を2g、食塩20gを添加して、よくこねて寝かした。この後、生地を延伸し、幅約6mmで切断してうどんを製造した。
[化粧料製造例1]
<クリーム>
コエンザイムQ10、ステアリルアルコール、プロピレングリコール、ソルビトール、パラベン、ビタミンE、香料、精製水を適当量、定法に従って配合し、クリームを得た。
[実施例1]
<腎疾患患者で透析治療を受けていない患者へのコエンザイムQ10の投与>
本試験ではコエンザイムQ10(100mg)含有組成物として、コエンザイムQ10を100mg含有するソフトカプセルを用いた。
[製剤例1]
<錠剤>
コエンザイムQ10 120g
結晶セルロース 330g
カルメロース−カルシウム 15g
ヒドロキシプロピルセルロース 10g
精製水 60ml
上記組成物を通常の方法にて配合、乾燥した後、10gのステアリン酸マグネシウムを添加し、打錠を行い、1錠あたりコエンザイムQ10を20mg含有する100mgの錠剤を得た。
[製剤例2]
<ソフトカプセル>
コエンザイムQ10の200gをオリーブオイル400gに添加して、約60℃で溶解、均一に撹拌した後に冷却し、コエンザイムQ10含有素材を得た。ゼラチン70%、グリセリン30%を混和、膨潤させ、溶解ゼラチンシートを作成した。このゼラチンシートに内溶液としてコエンザイムQ10含有素材を1カプセルあたり300mgの内容量になるように充填し、乾燥させ、1カプセルあたりコエンザイムQ10を100mg含有するソフトカプセルを得た。
[食品製造例1]
<飲料>
コエンザイムQ10の30gを60℃に加温したショ糖脂肪酸エステル70gに溶解させ、油相を得た。グリセリン90gに乳化剤としてモノステアリン酸ゲカグリル10gを添加し、70℃に加温して溶解させた。この溶液に先の油相を撹拌しながら徐々に添加する。混合液を、乳化機を用いて乳化処理して乳化組成物を得た。この乳化組成物20gに水180mlを添加、撹拌してコエンザイムQ10含有飲料を得た。
[食品製造例2]
<パン>
コエンザイムQ10の1g、砂糖15g、食塩2g、脂肪粉乳5gを湯70gに溶かし、鶏卵2個を添加してよく混ぜた。これを小麦粉130gとドライイースト2gを混合した混合物に加え、手でこねた後、バター約30gを加えて更にこね、30個のロールパン生地を作った。ついで、発酵させた後、表面に溶き卵を塗り、オーブンにて180℃で15分間焼き、ロールパンを得た。
[食品製造例3]
<うどん>
小麦粉400gに対して、水200gにコエンザイムQ10を2g、食塩20gを添加して、よくこねて寝かした。この後、生地を延伸し、幅約6mmで切断してうどんを製造した。
[化粧料製造例1]
<クリーム>
コエンザイムQ10、ステアリルアルコール、プロピレングリコール、ソルビトール、パラベン、ビタミンE、香料、精製水を適当量、定法に従って配合し、クリームを得た。
[実施例1]
<腎疾患患者で透析治療を受けていない患者へのコエンザイムQ10の投与>
本試験ではコエンザイムQ10(100mg)含有組成物として、コエンザイムQ10を100mg含有するソフトカプセルを用いた。
腎疾患患者で透析を実施していない患者3人にコエンザイムQ10含有(100mg)ソフトカプセルを3ヶ月間、毎夕食後服用させ、服用前と服用開始3ヶ月後に医療機関において測定されたTCおよびHDLCの測定値をもとに動脈硬化指数を算出した。その結果を表1に示した。対照として、コエンザイムQ10を服用していない腎疾患患者で透析を行っていない患者3人についても動脈硬化指数を算出した。その結果を表2に示した。
コエンザイムQ10を服用した患者の動脈硬化指数はコエンザイムQ10を服用していない患者に比べて明らかに低値に改善されていた(表1、2)。
<腎疾患患者で透析治療を受けている患者へのコエンザイムQ10の投与>
本試験ではコエンザイムQ10(100mg)含有組成物としてコエンザイムQ10を100mg含有するソフトカプセルを用いた。
本試験ではコエンザイムQ10(100mg)含有組成物としてコエンザイムQ10を100mg含有するソフトカプセルを用いた。
腎疾患患者で透析を実施している患者3人にコエンザイムQ10含有(100mg)ソフトカプセルを3ヶ月間、毎夕食後服用させ、服用前と服用開始3ヶ月後に医療機関において測定されたTCおよびHDLCの測定値をもとに動脈硬化指数を算出した。その結果を表3に示した。対照として、コエンザイムQ10を服用していない腎疾患患者で透析治療を受けている患者3人についても動脈硬化指数を算出した。その結果を表4に示した。
コエンザイムQ10を服用した患者の動脈硬化指数はコエンザイムQ10を服用していない患者に比べて明らかに低値に改善されていた(表3、4)。
本発明の腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善剤、或いは、腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善効果を有する機能性食品は、医薬及び/又は食品の分野で好適に利用できる。
Claims (9)
- コエンザイムQ10を有効成分として含有する腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善剤。
- 腎疾患患者が腎不全患者である請求項1記載の動脈硬化の予防及び/又は改善剤。
- 腎不全患者が慢性腎不全患者である請求項2記載の動脈硬化の予防及び/又は改善剤。
- 腎不全患者が尿毒症患者である請求項2記載の動脈硬化の予防及び/又は改善剤。
- 腎不全患者が血液透析患者である請求項2記載の動脈硬化の予防及び/又は改善剤。
- 腎不全患者が腹膜透析患者である請求項2記載の動脈硬化の予防及び/又は改善剤。
- コエンザイムQ10を有効成分として含有する腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善効果を有する機能性食品。
- 腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善用組成物を調製するためのコエンザイムQ10の使用。
- コエンザイムQ10を有効成分として含有する組成物を摂取または塗布することを特徴とする腎疾患患者における動脈硬化の予防及び/又は改善方法。
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---|---|---|---|
JP2004202898A JP2006022064A (ja) | 2004-07-09 | 2004-07-09 | 動脈硬化の予防及び/又は改善剤、機能性食品、又は化粧料 |
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