JP3992538B2 - 空気入りタイヤ及びリム装着タイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビード部付近の外側壁に設けられる膨出部が車両外側と内側とで非対称な空気入りタイヤ、及びこれにリムを装着したリム装着タイヤに関し、特に、ミニバン、ワンボックス車、SUV等のハイルーフ車などに有用である。
【0002】
【従来の技術】
ミニバン、ワンボックス車、SUV等のハイルーフ車は、重心が高いこともあって、走行中、負荷がトレッド部の外側領域に大きく作用し、ドライ路面での操縦安定性に欠ける問題があった。従来、かかる操縦安定性の改善を図るべく、タイヤ装着時に車両の外側に位置する片側のトレッド溝面積を、車両の内側に位置する側の溝面積よりも小さくした非対称性のトレッドパターンを備えた空気入りタイヤが提供されている。かかるタイヤは、車両外側に位置する片側のトレッド溝面積を、車両内側よりも小さくしているため、旋回走行において重要な部分をなす外側のトレッド部の陸部剛性が向上し、操縦安定性が確保され易い。
【0003】
しかし、この種の車両の場合、高速走行安定性も要求されることから、上記の様な非対称性のトレッドパターンだけでは必ずしも十分な操縦安定性を達成することができなかった。そこで、乗り心地を悪化させることなしに、ドライ路面における操縦安定性の向上を図るべく、特開平11−321245号公報には、トレッド部の溝面積比がタイヤ赤道線を挟んで両側で異なるだけでなく、タイヤ装着時に車両外側に位置するタイヤ側壁部の厚みが、車両内側に位置するタイヤ側壁部より厚い空気入りタイヤが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、厚みのある膨出部を車両外側のタイヤ側壁部に形成すると、タイヤ単独での横剛性はその部分で向上するものの、リムに装着して高速旋回走行する際、横力によるタイヤの変形に対して十分機能していないことが判明した。つまり、ハイルーフ車が高速旋回走行すると、図4に示すように、車両外側では膨出部がリムフランジの外周側湾曲面から離反する力が働き、リムフランジと協働してタイヤの変形を防止する機能が発揮できないのである。
【0005】
一方、車両外側のリムフランジは、路肩の縁石等と接触して変形等の損傷が生じ易いため、車両外側に位置するビード部付近の外側壁には、リムフランジより外側に膨出して、その損傷を防止する機能が要求される。例えば、実用新案登録第2599473号公報には、車両外側に位置するサイドウォールのリムフランジ近傍を膨出させた空気入りタイヤが開示されている。しかし、このようなリムフランジの損傷防止のための膨出部を、仮に車両内側のタイヤ側壁部に形成したとしても、リムフランジと協働してタイヤの変形を防止する機能を十分得ることはできない。
【0006】
そこで、本発明の目的は、車両が高速旋回走行する際に横力によるタイヤの変形を抑制して操縦安定性を向上させ、しかもリムフランジの損傷を効果的に防止することができる空気入りタイヤ、及びこれにリムを装着したリム装着タイヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。
即ち、本発明の空気入りタイヤは、一対の環状のビード部と、そのビード部から各々外周側へ延びるサイドウォール部と、そのサイドウォール部の各々の外周側端同士をショルダ部を介して連ねるトレッド部とを備える装着方向指定型の空気入りタイヤにおいて、タイヤ装着時に車両内側に位置するビード部付近の外側壁には、規定リムへの装着時にリムフランジの外周側湾曲面から徐々に離間しつつ、ノミナル径より18〜22mm外周側であって前記外周側湾曲面との離間開始位置より12〜18mm軸方向外側の位置まで延設された内周側面と、その内周側面の外周側端からサイドウォール部へと連なる外周側面とを有する内側膨出部を設けると共に、タイヤ装着時に車両外側に位置するビード部付近の外側壁には、規定リムへの装着時にリムフランジの先端部より軸方向外側の位置であってノミナル径より23〜35mm外周側に位置する頂点を有する外側膨出部を設けたことを特徴とする。
【0008】
本発明において、規定リムとはタイヤサイズに対応してJATMAで決められた標準となるリムを指し、規定リムへの装着時とは、装着後にタイヤサイズに介してJATMAで決められた空気圧とした状態を指す。また、ノミナル径とは、リム及びタイヤのサイズに応じて決められた呼び径であり、この径によってリムのビード座の径が決定され、この径に応じたタイヤ設計がなされる。更に膨出部の頂点とは、タイヤ子午線断面においてサイドウォール部の外側壁の曲率でその外側壁を延長した円弧からの高さが最も大きい位置を指す。
【0009】
上記において、前記外側膨出部の頂点は、タイヤ子午線断面においてサイドウォール部の外側壁の曲率でその外側壁を延長した円弧からの高さが、2.0〜9.0mmであることが好ましい。
【0010】
また、前記内側膨出部の内周側面の外周側端が、前記内側膨出部の頂点近傍に位置すると共に、その頂点は、タイヤ子午線断面においてサイドウォール部の外側壁の曲率でその外側壁を延長した円弧からの高さが、2.0〜7.0mmであることが好ましい。
【0011】
一方、本発明のリム装着タイヤは、一対の環状のビード部と、そのビード部から各々外周側へ延びるサイドウォール部と、そのサイドウォール部の各々の外周側端同士をショルダ部を介して連ねるトレッド部とを備える空気入りタイヤがリムに装着されたリム装着タイヤにおいて、リムの車両内側に位置するビード部付近の外側壁には、リムフランジの外周側湾曲面から徐々に離間しつつ、ノミナル径より18〜22mm外周側であって前記外周側湾曲面との離間開始位置より12〜18mm軸方向外側の位置まで延設された内周側面と、その内周側面の外周側端からサイドウォール部へと連なる外周側面とを有する内側膨出部を設けると共に、リムの車両外側に位置するビード部付近の外側壁には、リムフランジの先端部より軸方向外側の位置であってノミナル径より23〜35mm外周側に位置する頂点を有する外側膨出部を設けたことを特徴とする。
【0012】
[作用効果]
本発明の空気入りタイヤによると、タイヤ装着時に車両内側に位置するビード部付近の外側壁に設けた内側膨出部が、装着時にリムフランジの外周側湾曲面から徐々に離間しつつ、ノミナル径より外周側かつ外周側湾曲面との離間開始位置より軸方向外側の特定の位置まで延設された内周側面を有するため、車両が高速旋回走行する際の横力により、その内周側面がリムフランジに当接してタイヤの変形を抑制することができる。更に、装着時からリムフランジの外周側湾曲面に内側膨出部が当接していると、縦力や前後力が生じる際にリムフランジからビード部に変形力が加わるため、タイヤの一般的な耐久性が低下し易いことろ、前記内側膨出部の内周側面は適度にリムフランジから離間しているため、耐久性も十分となる。一方、車両外側に設けた外側膨出部が、装着時にリムフランジの先端部より軸方向外側の位置であってノミナル径より適度に外周側に位置する頂点を有するため、リムフランジが路肩の縁石等と接触して変形等の損傷が生じるのを効果的に防止することができる。その結果、車両が高速旋回走行する際に横力によるタイヤの変形を抑制して操縦安定性を向上させ、しかもリムフランジの損傷を効果的に防止することができるようになる。
【0013】
前記外側膨出部の頂点が、前記のように外側壁を延長した円弧からの高さが2.0〜9.0mmである場合、適度な高さの膨出部となるため、より確実にリムフランジの損傷を防止することができる。
【0014】
前記内側膨出部の内周側面の外周側端が、前記内側膨出部の頂点近傍に位置すると共に、その頂点は、前記のように外側壁を延長した円弧からの高さが、2.0〜7.0mmである場合、適度な高さの膨出部となるため、車両が高速旋回走行する際のタイヤの変形を、より確実に抑制して操縦安定性を向上させることができる。
【0015】
一方、本発明のリム装着タイヤによると、実際にリムに装着した状態で、上記の如き作用効果によって、車両が高速旋回走行する際に横力によるタイヤの変形を抑制して操縦安定性を向上させ、しかもリムフランジの損傷を効果的に防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の空気入りタイヤの一例を示すタイヤ子午線の断面図である。図2はその車両内側に位置するビード部付近の要部を示す要部説明図であり、図3はその車両外側に位置するビード部付近の要部を示す要部説明図である。
【0017】
本発明の空気入りタイヤは、図1に示すように、一対の環状のビード部1と、ビード部1から各々外周側へ延びるサイドウォール部2と、サイドウォール部2の各々の外周側端同士をショルダ部3を介して連ねるトレッド部4とを備える。この構造は一般的なタイヤと同じ構造であり、本発明は当該構造を有する何れのタイヤにも適用できる。また、このような空気入りタイヤにおいて、必ずしもラジアルタイヤ構造である必要はなく、バイアスタイヤや、カーカス層5のコードが部分的に傾斜したものでもよい。
【0018】
そして、ビード部1にはカーカス層5に囲まれたビードワイヤーの集束体であるビード1aとビードフィラー1bが配設され、このビード1aによりカーカス層5の端部を巻き返して係止することで、ビード部1間がカーカス層5で補強された状態で、タイヤがリム20上に強固に嵌着される。カーカス層5の両側にはゴム層が形成され、チューブレスタイヤでは、最内層にインナーライナー層が形成される。また、カーカス層5の外周部には、たが効果による補強を行うベルト層6が配置され、その外周表面にトレッドゴムによりトレッドパターンが形成される。
【0019】
上記のゴム層等の原料ゴムとしては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。これらのゴムはカーボンブラックやシリカ等の充填材で補強されると共に、加硫剤、加硫促進剤、可塑剤、老化防止剤等が適宜配合される。
【0020】
また、ビードワイヤーとしては鋼線等が使用され、カーカス層5やベルト層6の構成材料としては、スチールや、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、アラミド等の有機系繊維等が使用される。これらの材料は、いずれもゴムとの接着性を高めるべく、通常、表面処理や接着処理等がなされている。
【0021】
本発明の空気入りタイヤは、装着方向指定型のタイヤであり、リム20に装着する際に、車両外側に対してタイヤの左右何れが面するかを指定したものである。
【0022】
本発明では、上記のような空気入りタイヤにおいて、タイヤ装着時に車両内側に位置するビード部1付近の外側壁に内側膨出部11を設け、車両外側には外側膨出部12を設けている。本実施形態では、図2に示すように、内周側面11aの外周側端が、内側膨出部11の頂点P1と略一致する例を示す。
【0023】
内側膨出部11は、図2に示すように、内周側面11aと、その外周側端からサイドウォール部2へと連なる外周側面11bとを有する。内周側面11aは、規定リムへの装着時にリムフランジ21の外周側湾曲面21aから徐々に離間しつつ、ノミナル径NRよりR1=18〜22mm外周側であって外周側湾曲面21aとの離間開始位置P3よりW1=12〜18mm軸方向外側の位置まで延設されている。R1が18mm未満になると、縦力や前後力が生じる際にリムフランジ21からビード部1に変形力が加わるため、タイヤの一般的な耐久性が低下し易くなる。R1が22mmを超えると、車両が高速旋回走行する際に内周側面11aがリムフランジ21に十分当接せずタイヤの変形抑制効果が不十分となる。
【0024】
本発明では、内側膨出部11の内周側面11aの外周側端が、内側膨出部の頂点P1近傍に位置することが好ましいが、内周側面11aの外周側端からサイドウォール部2へと連なる外周側面11bに頂点P1が位置してもよい。その場合でも、内周側面11aによって、車両が高速旋回走行する際の横力により、その内周側面11aがリムフランジ21に当接してタイヤの変形を抑制することができる。
【0025】
つまり、本発明において内側膨出部11の内周側面11aの形状は、上記を満たす必要があるが、内側膨出部11の全体形状は特に限定されない。例えば、頂点P1からサイドウォール部2の外側壁2aに引いた接線より外側へ膨れた形状でもよく、逆に内側にくびれた形状でもよい。
【0026】
内側膨出部11の頂点P1は、タイヤ子午線断面においてサイドウォール部2の外側壁2aの曲率SRでその外側壁2aを延長した円弧からの高さH1が、2.0〜7.0mmであることが好ましく、高さH1が、4.0〜6.0mmであることが好ましい。
【0027】
また、内側膨出部11の内周側面11aの曲率半径PRは、リムフランジ21の外周側湾曲面21aへのフィット性より、10〜50mmが好ましく、20〜30mmがより好ましい。
【0028】
一方、外側膨出部12は、図3に示すように、規定リムへの装着時にリムフランジ21の先端部21bより軸方向外側の位置であってノミナル径NRよりR2=23〜35mm外周側に位置する頂点P2を有する。このR2は、25〜27mmが好ましい。R2が23mm未満であると、外側膨出部12とリムフランジ21との接触によるリムこすれが生じ易く、R2が35mmを超えると、リムフランジ21の変形等の損傷を防止できなくなる。
【0029】
外側膨出部12の頂点P2は、タイヤ子午線断面においてサイドウォール部2の外側壁2aの曲率SRでその外側壁2aを延長した円弧からの高さH2が、2.0〜9.0mmであることが好ましく、高さH2が、5〜7mmであることがより好ましい。また、リムフランジ21の先端部21bより軸方向外側の位置としては、外側膨出部12の頂点P2とリムフランジ21の先端部21bとの軸方向間隔W2が5〜7mmである場合が好ましい。
【0030】
つまり、本発明において外側膨出部12の頂点P2の位置は、上記を満たす必要があるが、外側膨出部12の全体形状は特に限定されない。例えば、頂点P2を頂点とする円弧状、三角形状、台形状など何れでもよい。
【0031】
膨出部のゴムの硬度については、内側膨出部11を構成するゴムの硬度が、JISA硬度にて60〜70°が好ましい。また、外側膨出部12を構成するゴムの硬度は、JISA硬度にて60〜70°が好ましい。その際、ゴムを短繊維補強したり、長繊維補強したりしてもよい。
【0032】
本発明の空気入りタイヤは、トレッド部4の溝面積比がタイヤ赤道線を挟んで両側のトレッド部で異なり、そのうちタイヤ装着時に車両外側に位置する片側のトレッド部の溝面積が、車両内側に位置する片側のトレッド部の溝面積よりも小さい非対称性のトレッドパターンを備えたものでもよい。このようなトレッド部4にすると、車両外側に位置する片側のトレッド溝面積を、車両内側よりも小さくしているため、旋回走行において重要な部分をなす外側のトレッド部の陸部剛性が向上し、操縦安定性が確保され易い。
【0033】
本発明の空気入りタイヤは、特に、車両が高速旋回走行する際に横力によるタイヤの変形を抑制して操縦安定性を向上させることが可能なため、特に、ミニバン、ワンボックス車、SUV等のハイルーフ車に有用である。
【0034】
一方、本発明のリム装着タイヤは、以上のような空気入りタイヤがリムに装着されたものである。このとき、規定リムとの関係ではなく、実際に装着されたリムとの関係で、前述のような寸法関係等を満足すればよい。また、装着方向指定型のタイヤである必要はない。
【0035】
リムの種類としては、リムフランジを有するリムであれば、いずれのタイプでもよい。例えば、各種デザインのアルミホイール、スチールホイール、スポーク型ホイールなどのリムが例示できる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。
【0037】
(1)横剛性
タイヤの空気圧を210KPa、荷重負荷を510Kgとした状態で、車両内側の方向に横力を加えて、横方向の力−横たわみの関係を測定したグラフに基づき、荷重負荷(510Kg)の0.3倍に相当する横方向の力を、その力が作用した時の横たわみで除して算出した。この測定値を比較例1のタイヤを100とする相対値で評価した。
【0038】
(2)ドライ操縦安定性
各試作タイヤを装着した国産ミニバン(2400CC)を実車走行させ、3名のテストドライバーによるフィーリング試験(直線走行、ハンドリング応答性、スラローム走行)により評価した。評価は、各ドライバーに試作タイヤの種類をふせて実車走行の後、5点満点により点数を付けて評価した。
【0039】
(3)耐久性
JIS D4230(1998)の6.3項耐久性試験に従い、ドラム径1700mmの試験装置を用い、6.3項記載の表5.1の耐久性試験終了後、荷重を20%/5hr毎増加して、タイヤが破壊するまでの走行距離を測定し、比較例1のタイヤの走行距離を100とする指数で表示した。なお、表5.1で指定された最大負荷能力はJATMAイヤーブック2002年版に記載された負荷能力に従った。
【0040】
(4)耐外傷試験
JATMA、TRA、ETRTO等の荷重−空気圧表より設定空気圧としたテストタイヤを車両に装着し、積車状態で、高さ110mm、幅120mmの垂直に切り立った縁石に向かって、速度10km/hで進入角度30°方向から乗り上げた。各速度毎に2回乗り上げ、バーストしなければ次速度へステップアップする。速度ステップは5km/hとし、バーストするまで速度アップし、バースト発生速度を比較例1のタイヤを100とする相対値で評価した。
【0041】
試験例1(R1の影響の確認試験)
図1〜図3に示す空気入りタイヤにおいて、内側膨出部の位置(R1)を表1に示す位置として、その他は通常の空気入りラジアルタイヤの製法に準じて215/70R16 99Hの試作タイヤを作製した。その際、図2〜図3における各寸法を、NR=406mm,H1=5mm,W1=15mm,PR=30mm,R2=27mm,W2=5mm,H2=7mmとした。また、両方の膨出部のゴム硬度はJISA65°、ビードフィラーのゴム硬度はJISA90°とした。なお、比較例1は従来品に相当するものであり、内側膨出部と外側膨出部の両方を形成してない試作タイヤである。
【0042】
各試作タイヤについて上記の各性能評価を行った結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
Figure 0003992538
表1の結果が示すように、内側膨出部のノミナル径からの高さが高すぎると、横剛性が小さくなりドライ操縦安定性の改善効果が小さくなる。逆に、内側膨出部のノミナル径からの高さが低すぎると、一般的な耐久性が低下する。
【0044】
実施例1
図1〜図3に示す空気入りタイヤにおいて、各寸法を、NR=406mm,内側膨出部のR1=21mm,W1=15mm,H1=5mm,PR=30mm,外側膨出部のR2=27mm,W2=5mm,H2=7mmとし、また、両方の膨出部のゴム硬度はJISA65°、ビードフィラーのゴム硬度はJISA90°とし、その他は通常の空気入りラジアルタイヤの製法に準じて215/70R16 99Hの試作タイヤを作製した。
【0045】
比較例2
実施例1において、実施例1の外側膨出部と同じ形状の内側膨出部を形成すること以外は、同様にして同じサイズの試作タイヤを作製した。
【0046】
比較例3
実施例1において、実施例1の内側膨出部と同じ形状の外側膨出部を形成すること以外は、同様にして同じサイズの試作タイヤを作製した。
【0047】
比較例4
実施例1において、実施例1の内側膨出部と同じ形状の外側膨出部を形成し、実施例1の外側膨出部と同じ形状の内側膨出部を形成すること(内外を逆に形成する)以外は、同様にして同じサイズの試作タイヤを作製した。
【0048】
各試作タイヤについて上記の各性能評価を行った結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
Figure 0003992538
F形状:実施例1における内側膨出部と同じ形状
P形状:実施例1における外側膨出部と同じ形状
表2の結果が示すように、内側膨出部と外側膨出部を適当な形状に形成した実施例1では、横剛性が大きくなりドライ操縦安定性の改善効果が大きく、しかも耐外傷性にも優れるものとなる。これに対して、両側をP形状で構成した比較例2では、ドライ操縦安定性の改善効果が小さく、両側をF形状で構成した比較例3では、耐外傷性の改善効果が小さく、膨出部が逆転した比較例4では、いずれの改善効果も小さかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤの一例を示すタイヤ子午線断面図
【図2】図1の車両内側に位置するビード部付近の要部を示す要部説明図
【図3】図1の車両外側に位置するビード部付近の要部を示す要部説明図
【図4】車両が高速旋回走行したときの外側輪のタイヤの変形を示す断面図
【符号の説明】
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 ショルダ部
4 トレッド部
11 内側膨出部
11a 内周側面
11b 外周側面
12 外側膨出部
20 リム(規定リム)
21 リムフランジ
21a 外周側湾曲面
21b 先端部
NR ノミナル径
PR 内周側面の曲率半径
SR サイドウォール部の外側壁の曲率半径
P1〜P2 頂点
R1〜R2 ノミナル径からの高さ
H1〜H2 頂点の高さ
W1 内側膨出部の離間開始位置と内周側面端との軸方向間隔
W2 外側膨出部の頂点とリムフランジの先端部との軸方向間隔

Claims (4)

  1. 一対の環状のビード部と、そのビード部から各々外周側へ延びるサイドウォール部と、そのサイドウォール部の各々の外周側端同士をショルダ部を介して連ねるトレッド部とを備える装着方向指定型の空気入りタイヤにおいて、
    タイヤ装着時に車両内側に位置するビード部付近の外側壁には、規定リムへの装着時にリムフランジの外周側湾曲面から徐々に離間しつつ、ノミナル径より18〜22mm外周側であって前記外周側湾曲面との離間開始位置より12〜18mm軸方向外側の位置まで延設された内周側面と、その内周側面の外周側端からサイドウォール部へと連なる外周側面とを有する内側膨出部を設けると共に、
    タイヤ装着時に車両外側に位置するビード部付近の外側壁には、規定リムへの装着時にリムフランジの先端部より軸方向外側の位置であってノミナル径より23〜35mm外周側に位置する頂点を有する外側膨出部を設けたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記外側膨出部の頂点は、タイヤ子午線断面においてサイドウォール部の外側壁の曲率でその外側壁を延長した円弧からの高さが、2.0〜9.0mmである請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記内側膨出部の内周側面の外周側端が、前記内側膨出部の頂点近傍に位置すると共に、その頂点は、タイヤ子午線断面においてサイドウォール部の外側壁の曲率でその外側壁を延長した円弧からの高さが、2.0〜7.0mmである請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 一対の環状のビード部と、そのビード部から各々外周側へ延びるサイドウォール部と、そのサイドウォール部の各々の外周側端同士をショルダ部を介して連ねるトレッド部とを備える空気入りタイヤがリムに装着されたリム装着タイヤにおいて、
    リムの車両内側に位置するビード部付近の外側壁には、リムフランジの外周側湾曲面から徐々に離間しつつ、ノミナル径より18〜22mm外周側であって前記外周側湾曲面との離間開始位置より12〜18mm軸方向外側の位置まで延設された内周側面と、その内周側面の外周側端からサイドウォール部へと連なる外周側面とを有する内側膨出部を設けると共に、
    リムの車両外側に位置するビード部付近の外側壁には、リムフランジの先端部より軸方向外側の位置であってノミナル径より23〜35mm外周側に位置する頂点を有する外側膨出部を設けたことを特徴とするリム装着タイヤ。
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